JP2000275820A - 平版印刷版原版およびそれを用いた印刷刷版作製方法 - Google Patents

平版印刷版原版およびそれを用いた印刷刷版作製方法

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JP2000275820A
JP2000275820A JP7948499A JP7948499A JP2000275820A JP 2000275820 A JP2000275820 A JP 2000275820A JP 7948499 A JP7948499 A JP 7948499A JP 7948499 A JP7948499 A JP 7948499A JP 2000275820 A JP2000275820 A JP 2000275820A
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lithographic printing
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layer
metal oxide
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Shinji Shimizu
真司 清水
Yasuhiko Kojima
靖彦 児島
Koji Oe
紘司 小江
Tsutomu Minami
努 南
Seiji Tadanaga
清治 忠永
Atsunori Matsuda
厚範 松田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体としてアルミニウム金属を用いない、
新規な基体と親水性層を持つ良好な印刷版原版およびそ
れを用いた印刷刷版作製方法を提供する。 【解決手段】 第一の構成は、基体としてガラス基板、
セラミック基板または金属製基板を用いた支持体上に、
花弁状アルミナ層および光照射により親水化処理された
親水性金属酸化物層を設け、その上にネガ型またはポジ
型の感光性層を塗設して成る平版印刷版原版であり、第
二の構成は、得られた平版印刷版原版に活性光線光また
は高密度エネルギー光照射により画像形成し、必要に応
じ加熱処理した後、アルカリ性現像液による現像処理、
水洗、ガム処理、乾燥を経て印刷刷版を作製する印刷刷
版作製方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷分
野で使用される平版印刷版に関し、特に新規な基板と親
水性層を持つ平版印刷版原版およびそれを用いた印刷刷
版作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷分野で使用される平版印
刷版は、油性のインキと水が反発して互いに混じり合わ
ないと言う原理を巧みに応用した平版型の印刷版であっ
て、凸版やグラビアのような版面上に凸凹がない。しか
しその表面には親水性の非画線部と親油性の画線部が存
在しており、版の非画線部に水分を与えた後にインキロ
ーラーを転がしてインキ付けを行うと、非画線部におい
ては水とインキとの反発によりインキを受け付けず、画
線部は水分を反発してインキを良く受け付ける。このよ
うにして画線部に乗ったインキを紙などの媒体に転写す
ることによって印刷がなされる。
【0003】上記のような目的で使用される平版印刷版
として、新聞印刷や商業印刷に用いられているPS版が
ある。PS版は、アルミニウム板を基板とし、砂目立
て、陽極酸化、化成処理などの種々の親水化表面処理を
単独あるいは適宜組み合わせて施し、次いで感光液を塗
布、乾燥して製造される。作製されたPS版は、活性光
線光または高密度エネルギー光照射により画像形成し、
アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾
燥を経て印刷刷版とすることが出来る。得られた印刷版
の画像部は極めて堅固で耐刷性があり、非画像部の親水
性や保水性も申し分なく良好な印刷版である。しかしな
がら、電気の塊といわれるアルミニウムを素材として使
用すること、陽極酸化など一連の親水化基盤処理には膨
大な量の電気を使用するなど、多エネルギー消費型の材
料であり、もっと廉価で良好な親水性と保水性を持った
基板と親水化システムが求められていた。
【0004】一方、ガラス基板上に花弁状アルミナ層を
設けることは公知であって、例えば、南努ら,J.Ce
ram.Soc.Japan,Vol.103,No.
6,582−585(1995).、南努ら,Pro
c.ofXVII,Inter.Congress o
n Glass,Vol.4,445−449(Bei
jing,China,1995).、南努ら,New
Glass,Vol.12,No.2,42−45
(1996).、南努ら,Sol−Gel Optic
s IV,Proc.of SPIE,Vol.313
6,168−175(San Diego,USA,1
997).、南努ら,J.Am.Ceram.So
c.,Vol.80,No.4,1040−42(19
97).、南努ら,J.Am.Ceram.Soc.,
Vol.80,No.12,3213−16(199
7).、南努ら,表面技術,Vol.48,No.3,
58−63(1997).、特開平9−202,649
号、同9−202,650号、同9−202,651号
などに、花弁状アルミナ層およびその形成方法について
開示されている。ガラス基板上に花弁状アルミナ層を設
けた構造物あるいはさらにその上に超撥水性層を設けた
構造物は、機能性薄膜の下地層膜、あるいは反射低減
膜、耐熱性や耐候性に優れた撥水撥油防汚性膜、高い防
曇機能を有する親水性被膜として車輌用、船舶用、航空
用、各種建築材、建装材などとして利用され得ることが
示されている。以上のように基体上に設けられた花弁状
アルミナ層は親水性を示すことは公知であったが、花弁
状アルミナ構造が印刷における非画像部の保水性を保持
するのに有用であり、平版印刷刷版の親水性層として強
固で安定的な親水性を保証する構造の基材であることは
知られていなかった。
【0005】一方、金属酸化物材料で光触媒作用を持
ち、光照射により超親水性を示す材料としては、特に光
触媒性酸化チタンを中心にした多くの技術が公開されて
おり、例えば、特開平7−155,598号、同7−2
22,928号、同8−66,635号、同8−11
7,606号、同8−131,834号、同8−13
1,842号、同8−175,887号、同8−22
4,481号、同8−267,646号、同9−939
号、同9−56,742号、同9−57,912号、同
9−76,395号、同9−78,791号、同9−1
88,850号、同9−225,387号、同9−22
5,388号、同9−226,041号、同9−22
6,042号、同9−227,805号、同9−22
7,829号、同9−227,156号、同9−22
7,160号、同9−227,831号、同9−22
7,832号、同9−241,038号、同9−31
4,750号、同10−50,159号、同10−6
7,543号、同10−72,242号、同10−8
1,840号、同10−85,608号、同10−8
5,609号、同10−85,610号、同10−9
5,635号、同10−114,544号、同10−1
14,545号、同10−114,546号、同10−
140,046号、同10−146,251号、同10
−147,770号、同10−147,771号、WO
96/29,375号、WO97/23,572号など
に記載され、広く光触媒作用を用いた自己洗浄性、易洗
浄性、防曇性、結露防止性、抗菌性などを利用した多く
の有用な材料が発表されている。しかしながら、光触媒
反応に基づく超親水化現象を利用した印刷刷版への応用
は見あたらず、光触媒性金属酸化物から構成された非画
像部親水性層が印刷用材料として有用であることは知ら
れていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、花弁状
アルミナ層の特異な構造により保水性が高く、さらにそ
の上に設けられた親水性金属酸化物層による親水性によ
り平版印刷刷版の親水性層として有用であるだけではな
く、実際の印刷に当たっても極めて保水性が高いため
に、優れた平版印刷刷版の非画像部形成構造と成り得る
ことを見出し本発明に至ったものである。従って本発明
による第一の課題は、基体上に形成した花弁状アルミナ
膜と、親水性金属酸化物層および感光性層をこの順に設
けて成ることを特徴とする平版印刷版原版を提供するこ
とである。本発明による第二の課題は、基体としてガラ
ス基板、セラミック基板または金属製基板を用いた平版
印刷版原版を提供することである。本発明による第三の
課題は、花弁状アルミナ層と親水性金属酸化物層とから
成る構造を印刷刷版の親水性層とする平版印刷版原版を
提供することである。さらに、本発明による第四の課題
は、花弁状アルミナ層を基体の保水性層とし、その上の
親水性金属酸化物層を親水性層とする平版印刷版原版
に、活性光線あるいは高密度エネルギー光を画像書き込
みの光源として用いるネガ型またはポジ型の感光性層を
インキ受容層とする平版印刷版原版を提供することであ
る。本発明による第五の課題は、本発明の平版印刷版原
版を用いた印刷刷版の作製方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による上記課題
は、ガラス基板、セラミック基板または金属製基板を基
体とし、基体上に花弁状アルミナ層、親水性金属酸化物
層および感光性層をこの順に設けた平版印刷版原版によ
り達成された。
【0008】上記花弁状アルミナ層は、基体上に少なく
ともアルミニウムアルコキシドと安定化剤とからなる塗
布液を塗布した後に、形成された皮膜を乾燥し熱処理し
て成膜したアルミナ膜を、熱水処理又は加熱水蒸気処理
し、乾燥、焼成して作製することにより達成される。
【0009】また、親水性金属酸化物層は、金属のアル
コキシド化合物、キレート化合物またはアセテート化合
物などの金属有機化合物を塗布して加熱処理した後、光
により親水化して形成される。このとき親水性金属酸化
物層には、固体酸を含有させることができる。
【0010】さらにまた、感光性層は、活性光線あるい
は高密度エネルギー光を光源として利用できるネガ型ま
たはポジ型の平版印刷版用の感光性組成物を溶液とした
塗布液を用い、基体上に設けられた親水性金属酸化物層
上に塗布・乾燥して作製することができる。
【0011】以上により作製された本発明の平版印刷版
原版を用い、活性光線または高密度エネルギー光照射に
より画像形成し、必要に応じて加熱処理をした後、アル
カリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を
経る印刷刷版作製方法により印刷刷版を得ることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の平版印刷版原版は、ま
ず、基体上に花弁状アルミナ層を設けたことを第一の特
徴とする。本発明に用いることのできる基体としては、
平版印刷版として利用することを考えて、ガラス基板の
みならずセラミック基板または好ましくは厚さ1mm以
下、さらに好ましくは厚さ0.5mm以下のガラス基
板、鉄板、ステンレス鋼板、トタン板、ニッケル鍍金鋼
板またはクロム鍍金鋼板などの金属製基板薄板で300
℃以上での加熱焼成条件下でも相変化などの変質を起こ
さないものを選んで使用される。
【0013】本発明の平版印刷版原版は上記の基体上に
花弁状アルミナ層を設けて作製される。花弁状アルミナ
層を基体上に設ける具体的な方法としては、基体上に少
なくともアルミニウムアルコキシドと安定化剤とからな
る塗布液を塗布したのち、形成された皮膜を乾燥し熱処
理して成膜したアモルファスアルミナ膜を、熱水処理又
は加熱水蒸気処理し、乾燥、焼成して作製することによ
り達成できる。
【0014】本発明に用いることのできるアルミニウム
アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムトリエト
キシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニ
ウムトリn−ブトキシド、アルミニウムトリsec−ブ
トキシド、アルミニウムトリtert−ブトキシドなど
を挙げることができる。
【0015】本発明に用いる安定化剤としては、具体例
として、例えば、アセチルアセトン、ジピロバイルメタ
ン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロア
セチルアセトンなどの1,3−ジケトン(β−ジケト
ン)化合物類および/またはアセト酢酸メチル、アセト
酢酸エチル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ベンジル、
アセト酢酸−iso−プロピル、アセト酢酸−tert
−ブチル、アセト酢酸−iso−ブチル、アセト酢酸−
2−メトキシエチル、2−ケト−n−バレリック酸メチ
ル、3−メチル−2−ケト−n−バレリック酸メチル、
2−ケト−カプロニック酸メチル、2−ケト−エナンチ
ック酸メチルなどのβ−ケトエステル化合物類を挙げる
ことができる。さらに別の安定化剤として、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ンなどのアルカノールアミン類、さらに一般的に使用さ
れる金属アルコキシドの安定化剤等も挙げることができ
る。
【0016】少なくともアルミニウムアルコキシドと安
定化剤とから成る塗布液に使用される希釈溶媒として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、
ブチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリ
コール−モノ−n−プロピルエーテル、ジメチルアセト
アミド、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケト
ンなど、およびこれらの混合溶媒を挙げることができ
る。
【0017】塗布液の作製方法としては、アルミニウム
アルコキサイドが空気中の水分とすばやく反応してゲル
化し白濁化するのを防ぐため、これを防止する効果のあ
るβ−ジケトン化合物類、β−ケトエステル化合物類ま
たはアルカノールアミン類などの安定化剤を例えばモル
比で1以上を加え、各種アルコール類の希釈溶媒で塗布
し易い濃度まで、例えば10倍から20倍に希釈し、さ
らに少量の水を加えることで塗布液とすることができ
る。好ましい混合割合としては、モル比で、アルミニウ
ムアルコキシド:希釈溶媒:安定化剤:水=1:10〜
100:0.5〜2:0〜5である。
【0018】基体上に塗布液を塗布する塗布方法として
は、ディッピング法、スピンコート法、ノズルフローコ
ート法、スプレー法、リバースコート法、フレキソ法、
印刷法、フローコート法、バーコート法など既知の塗布
手段が適宜使用することができる。
【0019】次いで、塗布皮膜を乾燥し熱処理してアモ
ルファスアルミナ層を形成させる条件としては、まず塗
布皮膜が形成された基体を室温から100℃以下で数分
から数時間乾燥させた後、約700℃以下、好ましくは
550℃以下でしかも300℃以上の温度で、1分間〜
60分間焼成することによりアモルファスアルミナ層を
形成することができる。
【0020】次に、基体の上にアモルファスアルミナ層
が形成された材料には熱水処理又は加熱水蒸気処理が施
される。すなわち、50℃〜150℃の熱水中へ、基体
の上にアモルファスアルミナ層が形成された材料を10
秒間〜24時間浸漬したり、熱水蒸気に1秒以上曝すこ
とで、アモルファスアルミナ層の表層表面が解膠作用を
受けて、特異で微小な孔状の空隙を持った花弁状の形状
物がランダムに集合体化した表層表面を有するものとな
り、目的とする平版印刷版の基板として使用可能な特異
な空隙と形状化をした構造皮膜を得ることができる。
【0021】次いで花弁状構造皮膜が形成された基体を
熱水から取り出し、室温から150℃前後までで10秒
以上乾燥したのち、300℃〜750℃以下の温度範囲
で1分以上1時間以内の時間焼成することにより、目的
とする強固で特異な微細空隙構造を持つ花弁状アルミナ
膜を形成することができる。なお、花弁状アルミナ膜の
膜厚としては、10nm以上10μm以下が好ましいも
のである。さらに花弁状アルミナ膜は、中心線平均粗さ
を面拡張した平均面粗さRa’値が17nm以上、かつ
比表面積SRが1.5以上であることが好ましい。
【0022】本発明の親水性金属酸化物層に使用できる
金属酸化物としては、光による作用に伴い親水性を示す
化合物類であり、具体的には、酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸ストロンチウム、
三酸化タングステン、三酸化二ビスマス、酸化第二鉄な
どが使用可能であるが、特に酸化チタンおよび/または
酸化ジルコニウムが好ましく用いられる。これら金属を
用いて親水性金属酸化物層を形成する方法としては、金
属のアルコキシ化合物、キレート化合物、アセテート化
合物などの有機化合物を適当な溶剤に希釈して塗布液と
し、花弁状アルミナ層の上に塗布・乾燥して塗膜を形成
し、乾燥後必要に応じて200℃以上の温度で加熱処理
して焼成した後、光を照射して親水化することにより達
成することができる。
【0023】具体的には、テトラメトキシチタン、テト
ラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テト
ラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタンなど
のチタンアルコキシド化合物類、テトラエトキシジルコ
ニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−
n−プロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニ
ウムなどのジルコニウムアルコキシド化合物類、チタニ
ウムアセチルアセトナートやジルコニウムアセチルアセ
トナートなどのアセテート化合物類、あるいはチタンや
ジルコニウムと各種金属キレート剤から形成されたキレ
ート化合物類を用い、これに塩酸またはエチルアミンの
如き加水分解抑制剤を添加し、エタノールやプロパノー
ルの如きアルコール系有機溶剤で希釈し、部分的にある
いは完全に加水分解を進行させた後、混合物をディッピ
ング法、スピンコート法、ノズルフローコート法、スプ
レー法、リバースコート法、フレキソ法、印刷法、フロ
ーコート法、バーコート法など公知の塗布方法にて花弁
状アルミナ層上に塗布し、乾燥し、必要に応じて200
℃以上の温度で5分から数時間焼成して、酸化チタンあ
るいは酸化ジルコニウムの脱水縮重合により無定形酸化
チタンまたは無定形酸化ジルコニウムが形成できる。
【0024】形成させた無定形酸化チタンまたは無定形
酸化ジルコニウムの親水化方法としては、相変化を伴う
加熱焼結処理による方法があり、例えば、酸化チタンの
場合には500℃以上また酸化ジルコニウムの場合には
1100℃以上に加熱焼結することにより、親水性表面
を得ることもできる。しかしながら、本発明ではその様
な高い温度での処理を必要とせず、形成させた無定形酸
化チタンまたは無定形酸化ジルコニウムを波長が400
nm以下の紫外線領域の光を5分から数日間照射するこ
とにより、該無定形酸化チタン層または無定形酸化ジル
コニウム層を水との接触角が10度以下の親水性表面と
することができることを特徴とする、より簡便で効率の
良い方法によるものである。このとき用いることのでき
る紫外線光源としては日光、蛍光灯、白熱電灯、メタル
ハライドランプ、水銀ランプなどを挙げることができ
る。
【0025】以上の方法で形成された親水性金属酸化物
層の膜厚としては5nm〜5μmが好ましい。
【0026】本発明の親水性金属酸化物層中には、複数
の金属酸化物を含有させることができる。すなわち、金
属酸化物としての酸化チタンまたは酸化ジルコニウムの
他に、前述した金属酸化物として酸化亜鉛、酸化錫、チ
タン酸ストロンチウム、三酸化タングステン、三酸化二
ビスマス、酸化第二鉄などの中から1種類以上の金属酸
化物を添加することができる。添加方法としては、前述
の親水性金属酸化物層の塗膜を形成するに際し、それら
塗膜液中に金属のアルコキシ化合物、キレート化合物、
アセテート化合物などの有機金属化合物を適当な割合で
塗布液に添加し、花弁状アルミナ層の上に塗布・乾燥し
て塗膜を形成し、必要に応じ200℃以上の温度で加熱
処理して焼成した後、光を照射して親水化することによ
り達成することができる。
【0027】また、親水性金属酸化物層中には塗膜形成
要素として、塗膜形成能のあるシリコーンの前駆体を添
加し塗膜強度を強固にすることができる。シリコーンの
前駆体としては、種々の有機基置換アルコキシシラン化
合物類、アルコキシシラン化合物類、有機基置換ハロゲ
ノシラン化合物類、ハロゲノシラン化合物類、ハロゲノ
アルコキシシラン化合物類およびヒドロシラン化合物類
などを挙げることができる。これらシリコーンの前駆体
の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシ
シラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロ
ポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキ
シシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエト
キシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジ
ブトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フ
ェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロ
ポキシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−
プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキ
シシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プ
ロピルトリブトキシシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、テトラ
クロルシラン、ジメトキシメチルクロルシラン、ジエト
キシジクロルシラン、トリエトキシクロルシラン、ジフ
ェニルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラ
ン、トリクロルヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラ
ン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフル
オロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソ
プロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシ
ランなどを挙げることができる。
【0028】さらにこれら前駆体の部分加水分解および
脱水縮重合物としてのダイマーやトリマーさらにはオリ
ゴマーなども使用することができる。またシロキサン結
合を有するシリコーンに変えて、シラザン結合を有する
オルガノポリシラザン化合物を使用することもできる。
【0029】親水性金属酸化物層の塗膜にシリコーン前
駆体を使用する場合には、前述の有機金属化合物類とシ
リコーンの前駆体を必須成分として、その他水、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブタノールなどの溶媒や、トリブチルアミン、ヘキシル
アミンなどの塩基性化合物、塩酸、硝酸、硫酸、アルミ
ニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピルチタ
ネートなどの酸性化合物などのシリコーンの前駆体を硬
化させる触媒や、シランカップリング剤などのコーテイ
ング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加し、
花弁状アルミナ層の上に塗布・乾燥して塗膜を形成し、
120℃以上の温度で加熱処理して焼成した後、光を照
射して親水化することにより親水性金属酸化物層を形成
することができる。このとき、シリコーン塗膜の良好な
硬度と平滑性を確保するために、3次元架橋性シロキサ
ンを10モル%以上含有させることや、塗膜の可撓性を
得るために2次元架橋性シロキサンを60モル%以下含
有させることが好ましい。
【0030】親水性金属酸化物層中におけるシリコーン
の含有量は、5重量%〜60重量%までが好ましい。
【0031】本発明の平版印刷版原版の親水性金属酸化
物層中には、親水性を安定的に維持する目的で固体酸を
添加することができる。固体酸としては、例えば、硫酸
担持金属酸化物、硝酸担持金属酸化物、酸化チタン/酸
化アルミニウム、酸化チタン/酸化イットリウム、酸化
チタン/酸化タングステン、酸化チタン/酸化ジルコニ
ウム、酸化チタン/酸化モリブデン、酸化タングステン
/酸化ジルコニウム、酸化タングステン/酸化錫などの
金属酸化物複合体、酸化アルミニウム/シリカなどを挙
げることができる。これら金属酸化物の添加方法として
は、前述の親水性金属酸化物層の塗膜を形成するに際し
て、それら塗膜液中に金属酸化物の粉末またはゾルを添
加するとか、これら金属酸化物の前駆体としてのアルコ
キシ化合物、キレート化合物、アセテート化合物などの
金属有機化合物またはハロゲン化合物、硫酸化合物、硝
酸化合物などの金属無機化合物などを添加した後、塗布
して乾燥して塗膜を形成した後、300℃以上の温度で
加熱処理して焼成することにより、親水性金属酸化物層
を形成することができる。上記金属酸化物の前駆体とし
ては、酸化アルミニウムに関しては、例えば、アルミニ
ウムアセチルアセトナート、硫酸アンモニウムアルミニ
ウム、臭化アルミニウム、アルミニウムn−ブトキサイ
ド、アルミニウムsec−ブトキサイド、アルミニウム
tert−ブトキサイド、塩化アルミニウム、アルミニ
ウムエトキサイド、弗化アルミニウム、沃化アルミニウ
ム、アルミニウムメトキシド、アルミニウムイソプロポ
キシドなど、酸化イットリウムに関しては、酢酸イット
リウム、イットリウムアセチルアセトナート、炭酸イッ
トリウム、塩化イットリウム、弗化イットリウム、硝酸
イットリウムなど、酸化タングステンに関しては、塩化
タングステン、タングステンヘキサカルボニル、タング
ステン酸、燐タングステン酸、珪タングステン酸など、
酸化モリブデンに関しては、塩化モリブデン、モリブデ
ンヘキサカルボニル、モリブデニルアセチルアセトナー
ト、モリブデン酸、モリブド燐酸など、酸化錫に関して
は、酢酸錫、臭化錫、塩化錫、弗化錫、沃化錫、蓚酸
錫、硫酸錫、などを挙げることができる。好ましく用い
られるのは、金属酸化物の複合体であって600℃〜8
00℃で焼成した酸化チタン/酸化タングステン、70
0℃〜900℃で焼成した酸化タングステン/酸化ジル
コニウム、900℃〜1100℃で焼成した酸化タング
ステン/酸化錫などであるが、特に好ましく用いること
の出来るのは、400℃〜600℃で焼成した酸化アル
ミニウム/シリカである。
【0032】さらに花弁状アルミナ層上に設けられた親
水性金属酸化物層上には、感光性層との接着性改良や印
刷時の汚れ防止、平版印刷版の調子再現性改良などを目
的として下塗りを施しても良い。下塗りに用いられる化
合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、
デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホ
ン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有
しても良いフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、
アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジ
ホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホス
ホン酸類、置換基を有しても良いフェニル燐酸、ナフチ
ル燐酸、アルキル燐酸およびグリセロ燐酸などの有機燐
酸類、置換基を有しても良いフェニルホスフィン酸、ナ
フチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸、およびグ
リセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸類、グリシ
ンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノ
ールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミ
ンの塩酸塩類、特開昭59−101,651号に記載さ
れているスルホン酸基を有する水溶性重合体、および特
開昭60−64,352号に記載されている酸性染料な
どが用いられる。この下塗り層は、水、メタノール、エ
タノール、メチルエチルケトンなどもしくはそれらの混
合溶媒に上記の化合物を溶解させ、親水性金属酸化物層
上に塗布・乾燥して設けることができる。下塗り層の乾
燥後の被覆量は、2〜200mg/m 2が適当である。
【0033】本発明の平版印刷版原版は、基体上に形成
した花弁状アルミナ層上に設けられた親水性金属酸化物
層の上に感光性層が設けられた構造をしている。感光性
層としては、構造的に一層のもの、あるいは多層のも
の、製版方法として湿式法のもの、破壊法のもの、露光
以外に特別な操作を必要としないものなど各種のものが
考えられ、親水性層を感光性層の下層として使用する場
合には本発明の花弁状アルミナ層上に設けた親水性金属
酸化物層を良好な親水性層としていづれの場合にも好適
に用いることができるが、好ましくは一層で湿式法によ
り製版が行われるものである。そのような感光性層とし
て、活性光線または高密度エネルギー光の作用を受けて
アルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成
するネガ型感光性層のもの、活性光線または高密度エネ
ルギー光の作用を受けてアルカリ性現像液に可溶解とな
って印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層のものがあ
る。
【0034】本発明に用いられる活性光線の作用を受け
てアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形
成するネガ型感光性層に含有される感光性組成物の代表
的なものとして次のものがあげられる。
【0035】(1)感光性ジアゾ樹脂とバインダー樹脂
とからなる感光性組成物:感光性ジアゾ樹脂としては、
ジアゾジアリールアミンと活性カルボニル化合物との縮
合物の塩に代表されるジアゾ樹脂があり、水に不溶性で
有機溶媒に可溶性のものが好ましい。特に好適なジアゾ
樹脂は、4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−3
−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−4′−メチル
ジフェニルアミン、4−ジアゾ−3′ーメチルジフェニ
ルアミン、4−ジアゾ−3−メチル−4′−エトキシジ
フェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニル
アミン等と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、4,4′−
ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル等との縮合
物の有機酸塩または無機酸塩である。有機酸塩として
は、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メシチレン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレン
スルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、1−ナフ
トール−5−スルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン
酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、ベンゼンホスフィン酸
等が挙げられ、無機酸としては、ヘキサフルオロ燐酸、
テトラフル硼酸等があげられる。その他の感光性ジアゾ
樹脂として、特開昭54−30,121号に記載の主鎖
にポリエステル基をもつジアゾ樹脂;特開昭61−27
3,538号に記載の無水カルボン酸残基を有する重合
体に水酸基を有するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ
樹脂、ポリイソシアネート化合物に水酸基を有するジア
ゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂等も使用することが
できる。バインダー樹脂としては、例えば(メタ)アク
リル酸[以下、アクリル酸とメタアクリル酸を総称して
(メタ)アクリル酸と称す。]、(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、米国特許第4,123,276号に記
載の酸価10から100を有するヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリロニトリル
含有共重合体、特公昭57−43,890号に記載の芳
香族性水酸基を有する共重合体、特公昭57−51,6
56号に記載の2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ル(メタ)アクリレート単位を有する重合体等の共重合
体、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ハロゲン化ビニ
ル、特にポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢
酸ビニル、ポリエステル、ホルマール樹脂、ブチラール
樹脂等のアセタール樹脂、エスタンの商品名で米国グッ
ドリッチ社より販売されている可溶性ポリウレタン樹
脂、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体
またはその半エステル、繊維素誘導体、シェラック、ロ
ジンまたはその変性体などが使用することができる。
【0036】(2)光架橋型樹脂を含む感光性組成物:
光架橋型樹脂としては、水性アルカリ現像液に対して親
和性を持つ光架橋型樹脂が好ましく、例えば、特公昭5
4−15,711号に記載の桂皮酸基とカルボキシル基
を有する共重合体、特開昭60−165,646号に記
載のフェニレンジアクリル酸残基とカルボキシル基を有
するポリエステル樹脂、特開昭60−203,630号
に記載のフェニレンジアクリル酸残基とフェノール性水
酸基を有するポリエステル樹脂、特公昭57−42,8
58号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とナトリウ
ムイミノジスルホニル基を有するポリエステル樹脂、特
開昭59−208,552号に記載の側鎖にアジド基と
カルボキシル基を有する重合体などが使用できる。
【0037】(3)付加重合性不飽和化合物と光重合開
始剤を含む感光性組成物:標記感光性組成物としては、
例えば、米国特許第2,760,863号、同3,06
0,023号、特開昭62−121,448号等に記載
の2個またはそれ以上の末端エチレン基を有する付加重
合性不飽和化合物と光重合開始剤よりなる組成物があ
る。さらにバインダー樹脂として、前記(1)に記載の
バインダー樹脂、特開昭61−285,449号に記載
の側鎖に不飽和基を有する共重合体等が使用できる。
【0038】上記のネガ型感光性組成物は、さらに必要
に応じて染料、顔料、安定剤、充填剤、架橋剤等を添加
し、適当な溶媒に溶解して親水性シリコーン層上に塗布
乾燥して通常 0.5〜5g/m2 の感光性層を有する
本発明の活性光線用のネガ型感光性平版印刷版原版とさ
れる。
【0039】本発明に用いられる高密度エネルギー光の
作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶
解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層に含
有される代表的なものとして、光を吸収し熱を発生する
物質、酸発生剤、酸硬化性化合物ないしは酸架橋性化合
物およびアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
【0040】光を吸収し熱を発生する物質は特定波長の
高密度エネルギー光を効率良く吸収し熱を発生する化合
物で、各種の顔料や染料を選んで用いることが出来る。
【0041】本発明に使用される顔料としては、市販の
顔料及びカラーインデックス便覧、「最新顔料便覧」
(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応
用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ
技術」(CMC出版、1984年刊)等に記載されてい
る顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、
黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色
顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料その他ポリマー結
合色素等があげられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、
アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フ
タロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン
及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリド
ン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔
料、キノフタロン系顔料、染め付けレーキ顔料、アジン
顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔
料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
【0042】これらの顔料は表面処理をせずに用いても
よく、また公知の表面処理を施して用いても良く、公知
の表面処理方法としては、樹脂やワックスを表面コート
する方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質
(たとえば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、
ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方など
が考えられる。これらの表面処理方法については、「金
属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「最新顔料応用技
術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技
術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている。
【0043】本発明に用いる染料としては、市販の染料
及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集,
昭和45年刊、「色材工学ハンドブック」色材協会編,
朝倉書店刊,1989年、「工業用色素の技術と市場」
シーエムシー刊,1983年、「化学便覧、応用化学
編」日本化学会編,丸善書店刊,1986年)に記載さ
れている公知のものが使用できる。具体的には、アゾ染
料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラ
キノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、
キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、インジ
ゴ染料、キノリン染料、ニトロ系染料、キサンテン系染
料、チアジン系染料、アジン染料、オキサジン染料等の
染料が挙げられる。これらの染料の中、赤外光もしくは
近赤外光を吸収するものが特に好ましい。赤外光もしく
は近赤外光を吸収する染料としては、例えば、特開昭5
8−125,246号、同59−84,356号、同5
9−202,829号、同60−78,787号等に記
載されているシアニン染料、特開昭58−173,69
6号、同58−181,690号、同58−194,5
95号等に記載されているメチン染料、特開昭58−1
12,793号、同58−224,793号、同59−
48,187号、同59−73,996号、同60−5
2,940号、同60−63,744号等に記載されて
いるナフトキノン染料、特開昭58−112,792号
等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第4
34,875号記載のシアニン染料、米国特許第5,1
56,938号記載の近赤外吸収剤等を挙げることがで
きる。さらに、米国特許第3,881,924号記載の
置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開
昭57−142,645号記載のトリメチンチアピリリ
ウム塩、特開昭58−181,051号、同58−22
0,143号、同59−41,363号、同59−8
4,248号、同59−84,249号、同59−14
6,063号、同59−146,061号等に記載され
ているピリリウム系化合物、特開昭59−216,14
6号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,47
5号記載のペンタメチンチオピリリウム塩、特公平5−
13,514号、同5−19,702号公報に開示され
ているピリリウム化合物、米国特許第4,756,99
3号に記載の近赤外吸収染料等も挙げることができる。
【0044】本発明の高密度エネルギー光用のネガ型感
光性層に含有される酸発生剤としては、各種のジアゾニ
ウム塩類、トリクロロメチル基などを含有するハロゲン
化合物類、チオピリリウム塩、ホスホニウム塩、ヨウド
ニウム塩、チオニウム塩、スルホニウム塩などの各種オ
ニウム塩類、さらにはホウ酸塩、アルミナート錯体、鉄
アーレン錯体などの錯化合物類を挙げることができる。
【0045】また、本発明の高密度エネルギー光用のネ
ガ型感光性層に含有される酸硬化性化合物としては、ノ
ボラック樹脂、レゾール樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂などの各種熱硬化性樹脂や、これら樹
脂を化学変性したりアルカリ水溶性のモノマーと共重合
することによりアルカリ水溶性としたオリゴマーやポリ
マーを挙げることができる。
【0046】本発明の高密度エネルギー光用のネガ型感
光性層に含有される酸架橋性化合物としては、分子内に
2個以上の酸架橋性の置換基を有する化合物であり、そ
の様な置換基として、オレフィン基、エポキシ基、アセ
タール基、ケタール基、アルデヒド基、エノールエーテ
ル基などを挙げることができる。
【0047】本発明の高密度エネルギー光用のネガ型感
光性層に含有されるアルカリ可溶性樹脂は、前述の活性
光線用ネガ型感光性層または後述のポジ型感光性層に用
いられるアルカリ可溶性樹脂をいづれも使用することが
できる。好ましいアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラ
ック樹脂、レゾール樹脂、(メタ)アクリル酸共重合に
よる樹脂などを挙げることができる。
【0048】本発明に用いられる高密度エネルギー光の
作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶
解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層とし
て利用できるその他の事例として、例えば、特開平7−
306,528号、同9−179,292号によるジア
ゾニウム基を含有した樹脂とカーボンブラックとから構
成されたもの、特開平9−274,317号によるキノ
ンジアジド化合物を使用したもの、特開平7−020,
629号、同7−271,029号、同8−234,4
26号、同9−185,160号、同9−197,66
8号、同9−197,671号、同9−202,873
号、同9−208,925号、同9−221,652
号、同9−221,654号、同9−176,112
号、同9−183,960号、同9−183,961
号、同9−222,731号、同9−239,945
号、同9−244,226号、同9−244,233
号、などによる熱による酸発生物質を使用するもの等を
挙げることができ、いづれも本発明による高密度エネル
ギー光用のネガ型感光性層として使用することができ
る。
【0049】本発明による高密度エネルギー光用のネガ
型感光性層には、必要に応じてさらに増感剤、可塑剤、
プリントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調
製剤、塗工助剤などの添加剤を加え適当な溶媒に溶解し
て、親水性シリコーン層上に塗布乾燥して、通常 0.
5〜5g/m2 のネガ型感光性層を有する本発明の高密
度エネルギー光用のネガ型感光性平版印刷版原版とされ
る。
【0050】本発明に用いられる活性光線の作用を受け
てアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形
成するポジ型感光性層に含有される感光性組成物の代表
的なものとしてo−キノンジアジド化合物や酸分解性の
エーテル化合物、エステル化合物などが挙げられる。o
−キノンジアジド化合物の具体例としては、特開昭47
−5,303号、同48−63,802号、同48−6
3,803号、同49−38,701号、同56−1,
044号、同56−1,045号、特公昭41−11,
222号、同43−28,403号、同45−9,61
0号、同49−17,481号、米国特許2,797,
213号、同3,046,120号、同3,188,2
10号、同3,454,400号、同3,544,32
3号、同3,573,917号、同3,674,495
号、同3,785,825号、英国特許1,227,6
02号、同1,251,345号、同1,267,00
5号、同1,329,888号、同1,330,932
号、独国特許854,890号などがあり、酸分解性化
合物の例としては、特開昭60−37,549号、同6
0−10,247号、同60−3,625号などに記載
されているものを挙げることが出来る。これらの化合物
を単独あるいは組み合わせて感光成分とした感光材料に
対して、少なくとも本発明を好ましく適用することがで
きる。これらの感光成分には芳香族ヒドロキシ化合物の
o−キノンジアジドカルボン酸エステルおよび芳香族ア
ミノ化合物のo−キノンジアジドスルホン酸またはo−
キノンジアジドカルボン酸アミドが包含され、また、こ
れらo−キノンジアジド化合物を単独で使用したもの、
およびアルカリ可溶性樹脂と混合し、この混合物を感光
性層として設けたものが包含される。
【0051】アルカリ可溶性樹脂には、ノボラック型フ
ェノール樹脂及び/またはポリビニルフェノール樹脂か
らなる樹脂が用いられる。ノボラック樹脂としては、フ
ェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレ
ゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノー
ル、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノール、ビス
フェノール−A、トリスフェノール、o−エチルフェノ
ール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、
プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチ
ルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトールなどの
芳香族炭化水素類の少なくとも1種を酸性触媒下、ホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズア
ルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類及び、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類から選ばれた少なくとも1種のアルデヒド類
またはケトン類と重縮合させたものが挙げられる。
【0052】好ましいノボラック樹脂の芳香族炭化水素
類としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾ
ール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5
−キシレノール、レゾルシンから選ばれる少なくとも1
種のフェノール類をホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒドなどのアルデヒド類の中から選ばれる少な
くとも1種のアルデヒド類と重縮合したものが、特に好
ましく用いられる。
【0053】ノボラック樹脂の分子量としては、ゲルパ
ーメーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレ
ン換算重量平均分子量が1,000〜15,000、好
ましくは、1,500〜10,000のものが用いられ
る。
【0054】ポリビニルフェノール樹脂としては、o−
ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒ
ドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プ
ロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレ
ン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどの
ヒドロキシスチレン類の単独あるいは2種以上の共重合
体が挙げられる。ヒドロキシスチレン類は芳香環に塩
素、臭素、沃素、弗素などのハロゲン原子あるいは炭素
数1〜4の低級アルキル置換基などの置換基を有してい
ても良く、従ってポリビニルフェノール樹脂としては、
芳香環にハロゲン原子あるいは炭素数1〜4の低級アル
キル置換基などの置換基を有していても良いポリビニル
フェノール樹脂が挙げられる。
【0055】ポリビニルフェノール樹脂は、通常、置換
基を有していても良いヒドキシスチレン類を単独である
いは2種以上をラジカル重合開始剤またはカチオン重合
開始剤の存在下で嫌気的に重合させることにより得られ
る。かかるポリビニルフェノール樹脂は、一部水素添加
を行ったものでも良い。また、t−ブトキシカルボニル
基、ピラニル基、フラニル基などでポリビニルフェノー
ル類の一部のOH基を保護した樹脂でも良い。ポリビニ
ルフェノール樹脂の、重量平均分子量は、1,000〜
100,000、好ましくは1,500〜50,000
のものが用いられる。
【0056】o−キノンジアジド化合物を感光成分とす
る感光性層には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、プ
リントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調製
剤、塗工助剤などの添加剤を加え適当な溶媒に溶解し
て、親水性シリコーン層上に塗布乾燥して通常 0.5
〜5g/m2 の感光性層を有する本発明の活性光線用の
ポジ型感光性平版印刷版原版とされる。
【0057】本発明に用いられる高密度エネルギー光の
作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に可溶
解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層に含
有される代表的なものとして、光を吸収し熱を発生する
物質、酸発生剤、アルカリ可溶性樹脂および酸分解性樹
脂などが挙げられる。
【0058】高密度エネルギー光用のポジ型感光性層に
含有される光を吸収し熱を発生する物質および酸発生剤
については、前述の本発明による高密度エネルギー光用
のネガ型感光性に含有される光を吸収し熱を発生する物
質および酸発生剤と全く同じ化合物類が使用できる。
【0059】高密度エネルギー光用のポジ型感光性層に
含有されるアルカリ可溶性樹脂は、前述の活性光線用ネ
ガ型またはポジ型感光性層に用いられるアルカリ可溶性
樹脂をいづれも使用することができるが、好ましいアル
カリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂、レゾール樹
脂、(メタ)アクリル酸共重合による樹脂などを挙げる
ことができ、特に好ましい樹脂としてノボラック樹脂お
よびレゾール樹脂を挙げることができる。
【0060】高密度エネルギー光用のポジ型感光性層に
含有される酸分解性樹脂としては、オルトカルボン酸エ
ステル、アセタール、ケタールから導かれるグラフト基
を有するビニルポリマーなどを挙げることができる。
【0061】また、本発明の高密度エネルギー光用のポ
ジ型感光性層として使用できる事例として、例えば、特
開平7−20,629号、同7−271,029号、同
8−220,752号、同9−171,254号、同9
−211,863号、同9−211,864号、同9−
211,865号、同9−304,931号、同10−
3,165号、同10−10,735号、同10−1
0,737号、同10−39,514号、同10−8
7,733号、同10−123,703号、同10−1
5,365号等に記載されたポジ型感光性層を挙げるこ
とが出来、いづれも本発明の高密度エネルギー光用のポ
ジ型感光性層として使用することができる。
【0062】本発明による高密度エネルギー光用のポジ
型感光性層には、必要に応じてさらに増感剤、可塑剤、
プリントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調
製剤、塗工助剤などの添加剤を加え適当な溶媒に溶解し
て、親水性シリコーン層上に塗布乾燥して、通常0.5
〜5g/m2 のポジ型感光性層を有する本発明の高密度
エネルギー光用のポジ型感光性平版印刷版原版とされ
る。
【0063】本発明の平版印刷版原版は、基体上の花弁
状アルミナ層上に設けられた親水性金属酸化物層上に、
上記それぞれの感光性組成物塗布液を公知の技術により
塗布し乾燥することにより製造される。塗布方法として
は、回転塗布法、ワイヤーバー塗布法、ディップ塗布
法、エアーナイフ塗布法、ロール塗布法、ブレード塗布
法、カーテン塗布法、およびスプレー塗布法などを挙げ
ることができる。このようにして塗布された感光性組成
物層は、40〜150℃で30秒から10分間、熱風乾
燥機、赤外線乾燥機などを用いて乾燥される。
【0064】活性光線用に使用されるネガ型またはポジ
型感光性層上には、相互に独立して設けられた突起物に
より構成されるマット層を設けることが望ましい。マッ
ト層の目的は密着露光におけるネガもしくはポジ画像フ
ィルムと感光性平版印刷版との真空密着性を改良するこ
とにより、真空引き時間を短縮し、さらに密着不良によ
る露光時の微小網点のつぶれを防止することである。マ
ット層の塗布方法としてはパウダリングされた固体粉末
を熱融着する方法やポリマー含有水をスプレーし乾燥さ
せる方法などがありいづれも使用できる。マット層は実
質的に有機溶剤を含まない水性現像液に溶解するか、あ
るいはこれにより除去可能な物質から構成されることが
好ましい。
【0065】次に本発明の平版印刷版原版を使用して印
刷刷版を作製する方法について説明する。
【0066】本発明の平版印刷版原版には、まず活性光
線または高密度エネルギー光線により画像書き込みが行
われる。本発明の平版印刷版原版に使用することのでき
る活性光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライド
ランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンア
ーク灯等が使用できる。活性光線による画像書き込みを
行うには、例えば、既に画像形成されたフィルムを用
い、本発明の活性光線用の平版印刷版原版に密着させた
のち、必要量の光量を活性光源により全面照射すればよ
く、通常は市販のプリンターなどを使用して容易に行う
ことができる。
【0067】また本発明に使用することのできる高密度
エネルギー光光源としては、発振波長が300nm〜1
250nmまでの各種半導体レーザー、炭酸ガスレーザ
ー(発振波長;10.6μm)、YAGレーザー(発振
波長;1064nm、SHG=532nm、THG=3
55nm)、エキシマレーザー(発振波長;193nm
・308nm・351nm)アルゴンレーザー(発振波
長;488nm)等があり、いづれの場合も、光源の特
定波長を吸収し熱または化学反応を起こし得る適当な顔
料ないし染料を感光性層に添加することにより使用でき
る。高密度エネルギー光による書き込みを行うには、予
め作成されたコンピュータなどによるデジタル画像情報
を用い、直接高密度エネルギー光光源から回路を経て本
発明のネガ型またはポジ型平版印刷版原版に照射して画
像書き込みを行うことができる。この時用いる機器とし
ては、市販されている専用のセッターやプリンターが使
用できる。
【0068】またネガ型の高密度エネルギー光用の平版
印刷版原版の場合には、高密度エネルギー光による照射
だけでは書き込み部の耐現像性や耐印刷適性が十分でな
い場合があり、そのような場合には現像処理前に適宜加
熱処理を行って画像部を強化することができる。加熱処
理条件としては、熱オーブン、赤外線ヒーターなどを用
い、80℃〜170℃で数秒から5分間加熱することに
より行われる。
【0069】画像露光され、必要に応じ加熱処理された
本発明の平版印刷版原版は、次にアルカリ性現像液によ
る現像処理が行われる。活性光線用ネガ型平版印刷版原
版の現像処理に使用されるアルカリ水溶液系現像液には
アルカリ剤として、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム、第二または第三燐酸のナトリウムまたはアンモニ
ウム塩、メタ珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモ
ニア等の無機アルカリ剤、モノ、ジ、またはトリメチル
アミン、モノ、ジ、またはトリエチルアミン、モノまた
はジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ、
ジ、またはトリエタノールアミン、モノ、ジ、またはト
リイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレン
ジイミン等の有機アミン化合物類が使用される。これら
のアルカリ剤の現像液中における含有量は、0.005
〜10重量%で、好ましくは0.05〜5重量%であ
る。0.005重量%より少ないと現像が不良となり、
10重量%より多いとネガ型感光性画像形成層を侵すな
どの悪影響を及ぼす。
【0070】活性光線用ネガ型平版印刷版原版の現像液
には有機溶剤が添加され、その具体例としては、例え
ば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセ
テート、乳酸ブチル、レブリン酸ブチル、エチルブチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカ
ルビノール、nーアミルアルコール、メチルアミルアル
コール、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジ
クロライド、モノクロルベンゼン等を挙げることができ
る。これら有機溶剤のネガ用現像液中における含有量
は、20重量%以下であり、好ましくは10重量%以下
である。
【0071】さらにまた、ネガ用現像液中には必要に応
じて、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリ
ウム、亜硫酸マグネシウム等の水溶性亜硫酸塩、アルカ
リ可溶性ピラゾロン化合物、アルカリ可溶性チオール化
合物、メチルレゾルシン等のヒドロキシ芳香族化合物、
ポリ燐酸塩、アミノポリカルボン酸類等の硬水軟化剤、
イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、n−ブ
チルナフタレンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N
−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリルサルフ
ェートナトリウム塩などのアニオン界面活性剤や両性界
面活性剤、消泡剤等を用いることができる。
【0072】本発明の活性光線用ポジ型平版印刷版原版
の現像処理に用いる現像液としては、実質的に有機溶剤
を含まないアルカリ性水溶液が好ましく、アルカリ剤と
して例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン
酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アン
モニウム、第二リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水等のような無機ア
ルカリ剤およびテトラアルキルアンモニウムハイドライ
ド等の様な有機アルカリ剤の水溶液が適当であり、それ
らの濃度が0.005〜20重量%好ましくは0.01
〜5重量%になるように添加し使用される。また、ポジ
用現像液には必要に応じて、アニオン性活性剤、ノニオ
ン性活性剤、カチオン性活性剤、両性活性剤、弗素系活
性剤およびシリコーン系活性剤等の界面活性剤やアルコ
ール等のような水溶性有機溶剤を加えることもできる。
【0073】高密度エネルギー光用のネガ型またはポジ
型平版印刷版原版の現像処理には、上述のネガ用または
ポジ用の現像液がそのまま、あるいは両者をブレンドし
て用いることが出来る。本発明に用いるネガ用またはポ
ジ用現像液としては、実用上は通常市販されているネガ
用またはポジ用の現像液を1から200倍に希釈して使
用することができるし、必要に応じポジおよびネガ両用
の現像液を希釈して用いて現像することも可能である。
【0074】本発明における現像処理条件としては、温
度15℃〜40℃、時間は1秒から2分間、露光済みの
本発明による平版印刷版原版を現像液に浸漬し、その
後、水洗することにより行われる。必要に応じ、軽く表
面を擦る等しても良い。
【0075】現像処理を終えた本発明の平版印刷版原版
は、水洗および/または水系の不感脂化剤による処理が
施される。水系の不感脂化剤としては、例えば、アラビ
アゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロースな
どの水溶性天然高分子;ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリル酸などの水溶性合成高分
子等の水溶液が挙げられ、必要に応じて、これらの水系
の不感脂化剤に酸や界面活性剤などが加えられる。そし
て、不感脂化後乾燥し、印刷刷版として印刷に使用され
る。
【0076】また、上記製版処理を行うに当たり、現像
処理、水洗、ガム処理、乾燥の工程を一時に一貫処理で
きる現像液やガム液を充填した自動現像機などの使用が
効果的である。
【0077】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく具
体的に説明するが、もとより本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。
【0078】〔実施例1〕トリブトキシアルミニウム2
4.3gを攪拌しつつイソプロピルアルコール100g
中に添加する。さらに攪拌しつつアセト酢酸エチルエス
テル13gを添加し、室温にて1時間攪拌した。次い
で、イソプロピルアルコール20gと水7.2gの混合
液を攪拌しつつ加え、添加後さらに3時間攪拌して塗布
液とした。
【0079】塗布液中に2.5x2.5cmの予め脱脂
処理を施したガラス板を漬け、持ち上げるデイッピング
法によりアルミナゾル層をガラス基板上に設けた。風乾
後、400℃にて10分間焼成したのち、90℃の熱水
中に10分間浸漬した。浸漬終了後、再度400℃にて
10分間焼成することにより花弁状アルミナ層を形成で
きた。5,000倍の電子顕微鏡にて表面が花弁状の特
異な形状をしていることが確認できた。
【0080】次いで、エタノール100.0gに攪拌し
つつ、ジルコニウムテトラn−ブトキシド38.4gと
アセチルアセトン10.0gを徐々に添加し均一な溶液
を得た。この溶液に、さらに攪拌しつつ、7重量%の水
を含んだエタノール100.0gを添加し、添加後さら
に30分攪拌を続けて塗布液とした。得られた塗布液
に、花弁状アルミナ層を形成したガラス板を浸漬して持
ち上げるディッピング法により無定型酸化ジルコニウム
層を塗布し、風乾した。次に紫外線ハンドランプR−5
1A型(入江商会社製)により1mの距離から全面照射
を1時間行って、親水化処理を終了した。表面の水に対
する接触角は5度以下であった。以上により、ガラス基
板上に花弁状アルミナ層と親水性金属酸化物層が設けら
れた印刷版用基板が作製できた。
【0081】2−ヒドロキシエチルメタクリル酸エステ
ル:エチルメタクリル酸エステル:メタクリル酸:アク
リロニトリル=35:30:5:30の比率で共重合し
て得た重量平均分子量7万のバインダ−樹脂を10.0
g,4−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムアルデヒ
ドとの縮合物のヘキサフルオロ燐酸塩であるジアゾ樹脂
を1.3g、「ビクトリアピュアーブルーBOH;保土
ヶ谷化学工業社製」を0.15g、リンゴ酸を0.2g
および「メガファックF−177;大日本インキ化学工
業社製」を0.05g、メチルセルソルブ170gに溶
解し、活性光線用ネガ型感光性層塗布液とした。
【0082】先のガラス基板上の親水性金属酸化物層上
にスピナーにて、上記活性光線用ネガ型感光性層塗布液
を塗布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の活性光
線用ネガ型平版印刷版原版(1)を得た。
【0083】本発明の活性光線用ネガ型平版印刷版原版
(1)の表面に、文字画像のあるフィルムを密着させ、
これより1m離れた位置に設けた出力1kwのメタルハ
ライドランプ(岩崎電気社製)「アイドルフィン100
0」を用いて40秒間露光した。次いで現像液ND−1
(ポリクロームジャパン社製)の1:3倍希釈液にて2
5℃、1分間現像処理を行い、水洗、ガム液(UG1を
2倍に希釈;ポリクロームジャパン社製)処理して乾燥
し、印刷刷版(1)を得た。
【0084】両面テープで印刷刷版(1)を金属板に固
定し印刷を行った。印刷は、湿し水NA108W(1:
50希釈、大日本インキ化学工業社製)の存在下、イン
キローラーにてインキ(GEOS−G紅N、大日本イン
キ化学工業社製)付けを行った後、ゴムローラーに文字
画像を転写し、更に紙上にゴムローラーから文字画像を
転写することによって行った。以上の手順で1枚の文字
の印刷物を得た。以下、湿し水付け⇒インキ付け⇒ゴム
ローラー転写⇒紙転写のサイクルで印刷を続けて、50
0枚の印刷物を得た。この間印刷物としての文字品質は
良好であった。
【0085】〔実施例2〕予め脱脂処理をしたB4ワイ
ドサイズで0.3mm厚のステンレス鋼板上にロッド番
号#12のワイヤーバーにて実施例1で作製したアルミ
ナゾル塗布液を塗布した。風乾後、400℃にて10分
間焼成したのち、90℃の熱水中に10分間浸漬した。
浸漬終了後、再度400℃にて10分間焼成することに
より花弁状アルミナ層を形成できた。
【0086】次に、テトラブトキシチタン3.4g、ア
セチルアセトン1.0g、水1.0gおよびエタノール
100.0gから成る混合塗布液を、小型ホエラー(大
日本スクリーン製)2000rpmの条件にて塗布し、
300℃で10分間乾燥して無定形酸化チタン塗膜を形
成した。紫外線ハンドランプR−51A型(入江商会社
製)により1mの距離から全面照射を1時間行い、親水
化処理を終えた。表面の水に対する接触角は5度以下で
あった。以上により、本発明による、ステンレス鋼板を
基板とし、花弁状アルミナ層と親水性金属酸化物層を設
けた印刷刷版用基板が作製できた。
【0087】次に、メチルセルソルブ92.3gに、ア
ルカリ性水溶液に可溶な不飽和ポリエステル樹脂を4.
0g、メチレンビス(−N−マレイミド)を2.0g、
4−ジアゾフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの
縮合物のp−トルエンスルホン酸塩を1.0g、2−
(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロ
メチル)−s−トリアジンを0.5g、ビクトリアピュ
アブルーBOH(保土ヶ谷化学工業社製)を0.1gお
よびメガファックF−144D(大日本インキ化学工業
社製)を0.1g溶解させて、活性光線用ネガ型感光性
層塗布液を作製した。
【0088】作製した活性光線用ネガ型感光光性層塗布
液を、前記ステンレス鋼板上に設けた親水性金属酸化物
層上にロッド番号#12のワイヤーバーを用いて塗布
し、100℃で3分間乾燥して、本発明の活性光線用ネ
ガ型平版印刷版原版(2)を得た。
【0089】本発明の活性光線用ネガ型平版印刷版原版
(2)にネガ画像フィルムを密着させて、プリンターP
−806−G(大日本スクリーン社製)にて35ユニッ
トで露光し、現像液ND1(ポリクロームジャパン社
製)1:3希釈液とフィニッシングガムNF2(ポリク
ロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像
機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30
℃、19秒間の条件で処理して印刷刷版(2)を得た。
【0090】印刷刷版2を印刷機(TOKO−820
L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施し
た。印刷条件として、印刷速度;2,000枚/時間、
印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEOS−
G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;NA1
08W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の
条件下、5,000枚の印刷テストを実施した。得られ
た印刷物5,000枚は、品質などの問題もなく良好な
印刷物であった。
【0091】〔実施例3〕実施例2で作製したステンレ
ス鋼板を基体とする親水性金属酸化物層上に、ナフトキ
ノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとピ
ロガロール・アセトン樹脂とのエステル化合物を3.0
g、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂を7.5g、2
−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロ
ロメチル)−s−トリアジンを0.06gおよび「オイ
ルブルー#603;オリエント化学工業社製」を0.1
5g、メチルセルソルブアセテート90gに溶解して得
た活性光線用ポジ型感光性層塗布液をロッド番号#12
のワイヤーバーを使用して塗布し、120℃、1分間乾
燥して、本発明の活性光線用ポジ型平版印刷版原版
(3)を得た。
【0092】本発明の活性光線用ポジ型平版印刷版原版
(3)にポジ画像フィルムを密着させて、プリンターP
−806−G(大日本スクリーン社製)にて35ユニッ
ト間露光し、現像液PD1(ポリクロームジャパン社
製)1:8希釈液とフィニッシングガムPF2(ポリク
ロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像
機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30
℃、12秒間の条件で処理して印刷刷版(3)を得た。
【0093】印刷刷版(3)を印刷機(TOKO−82
0L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施
した。印刷条件として、印刷速度;2,000枚/時
間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEO
S−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;N
A108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社
製)の条件下、5,000枚の印刷テストを実施した。
得られた印刷物5,000枚は、品質などの問題もなく
良好な印刷物であった。
【0094】〔実施例4〕実施例1で作製したアルミナ
ゾル塗布液を、予め脱脂処理をしたB4ワイドサイズで
0.27mm厚のトタン板上にロッド番号#12のワイ
ヤーバーにて塗布した。風乾後、290℃にて10分間
焼成したのち、90℃の熱水中に10分間浸漬した。浸
漬終了後、再度290℃にて10分間焼成することによ
り花弁状アルミナ層を形成できた。
【0095】次いで、実施例2で作製した有機チタン化
合物混合塗布溶液105.4gに、テトラメトキシシラ
ンの部分加水分解・縮合物であるMKCシリケートMS
56(三菱化学社製)3.0g、エタノール30.0g
および0.01規定の塩酸溶液0.3gから成るシリケ
ート溶液を混合した後、素早く上記トタン基板上に塗設
された花弁状アルミナ層上に小型ホエラー(大日本スク
リーン社製)2000rpmの条件にて塗布した。30
0℃、10分間加熱処理して無定形シリカで担持された
無定型酸化チタン層を形成した。その後、紫外線ハンド
ランプR−51A型(入江商会社製)により1mの距離
から全面照射を1時間行い、親水化処理を終了した。表
面の水に対する接触角は5度以下であった。以上の様に
してトタン板を基体とする花弁状アルミナ層上に親水性
金属酸化物層を設けた印刷刷版用基板が作製できた。
【0096】メチルエチルケトン25mlと1−プロパ
ノール20mlの混合溶液中に、UCARフェノール樹
脂BKS−5928(ユニオンカーバイド社製)を3.
0g、ノボラック樹脂ZH−8011(大日本インキ化
学工業社製)を3.0g、IRDYE830(パンチム
社製)を0.2g、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニ
ルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェートを0.2g
およびテレフタルアルデヒド0.2gを溶解させて、高
密度エネルギー光用ネガ型感光性層塗布液を作製した。
【0097】作製した高密度エネルギー光用ネガ型感光
性層塗布液を、先のトタン板を基体とする親水性金属酸
化物層上にロッド番号#20のワイヤーバーを用いて塗
布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の高密度エネ
ルギー光用ネガ型平版印刷版原版(4)を得た。
【0098】本発明の高密度エネルギー光用ネガ型平版
印刷版原版(4)にトレンドセッター3244F(クレ
オ社製)を用いて赤外線レーザー(830nm、150
mJ/cm2)による画像書き込みを行い、次いで熱オ
ーブン中135℃で30秒間加熱し、後処理を終えた。
つぎに、現像液PD1(ポリクロームジャパン社製)
1:3.5希釈液とフィニッシングガムPF2(ポリク
ロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像
機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30
℃、15秒間の条件で処理して印刷刷版(4)を得た。
【0099】印刷刷版(4)を印刷機(TOKO−82
0L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施
した。印刷条件として、印刷速度;3,000枚/時
間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEO
S−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;N
A108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社
製)の条件下、6,000枚の印刷テストを実施した。
得られた印刷物6,000枚は、品質などの問題もなく
良好な印刷物であった。
【0100】〔実施例5〕メチルエチルケトン25ml
と1−プロパノール20mlの混合溶液中に、ノボラッ
ク樹脂ZH−8011(大日本インキ化学工業社製)を
6.0g、ノボラック樹脂ZH−8020(大日本イン
キ化学工業社製)を0.5g、IRDYE830(パン
チム社製)を0.2g、4,4’−ジ−t−ブチルジフ
ェニルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェートを0.
2gおよびジエタノールアミン0.2gを溶解させて、
高密度エネルギー光用ポジ型感光性層塗布液を作製し
た。
【0101】作製した高密度エネルギー光用ポジ型感光
性層塗布液を、実施例4で得たトタン板を基体とする親
水性金属酸化物層上にロッド番号#16のワイヤーバー
を用いて塗布し、120℃で1分間乾燥して、本発明の
高密度エネルギー光用ポジ型平版印刷版原版(5)を得
た。
【0102】本発明の高密度エネルギー光用ポジ型平版
印刷版原版(5)にトレンドセッター3244F(クレ
オ社製)を用いて赤外線レーザー(830nm、150
mJ/cm2)による画像書き込みを行い、次いで現像
液PD1(ポリクロームジャパン社製)1:8希釈液と
フィニッシングガムPF2(ポリクロームジャパン社
製)1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P
(大日本スクリーン社製)にて30℃、12秒間の条件
で処理して印刷刷版(5)を得た。
【0103】印刷刷版(5)を印刷機(TOKO−82
0L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施
した。印刷条件として、印刷速度;3,000枚/時
間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEO
S−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;N
A108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社
製)の条件下、6,000枚の印刷テストを実施した。
得られた印刷物6,000枚は、品質などの問題もなく
良好な印刷物であった。
【0104】
【発明の効果】基体としてガラス基板、セラミック基板
または金属製基板を用いた支持体上に、花弁状アルミナ
層と光照射による親水化処理を施した親水性金属酸化物
層を設け、その上層にに活性光線あるいは高密度エネル
ギー光を画像書き込みの光源として用いるネガ型または
ポジ型の感光性層を塗設して成る平版印刷版原版を作製
した。得られた平版印刷版原版に活性光線光または高密
度エネルギー光照射により画像形成し、必要に応じ加熱
処理をした後、アルカリ性現像液による現像処理、水
洗、ガム処理、乾燥を経て、保水性と親水性に優れた新
規で良好な印刷刷版が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 忠永 清治 大阪府堺市中百舌鳥町6−998−3 (72)発明者 松田 厚範 大阪府河内長野市緑ケ丘中町12−5 Fターム(参考) 2H025 AB03 AC01 AC08 AD01 AD03 BA03 BC63 BE01 CA14 CA28 CB13 CB14 CB29 DA18 DA19 DA30 DA36 FA03 FA12 FA17 2H096 AA07 BA01 BA03 BA05 BA06 BA09 BA10 CA05 CA20 EA02 EA04 FA01 GA08 GA17 GA20 HA02 JA04 2H114 AA04 AA14 AA22 AA23 BA02 DA08 DA14 DA25 DA26 DA28 DA52 DA73 DA78 EA02 FA16 GA34 GA36 GA38

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に形成した花弁状アルミナ膜と、
    親水性金属酸化物層および感光性層をこの順に設けて成
    ることを特徴とする平版印刷版原版。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の基体が、ガラス基板、セ
    ラミック基板または金属製基板である請求項1記載の平
    版印刷版原版。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の花弁状アルミナ膜が、少
    なくともアルミニウムアルコキシドと安定化剤とからな
    る塗布液を塗布したのちに形成された皮膜を乾燥し熱処
    理して成膜したアルミナ膜を、熱水処理又は加熱水蒸気
    処理し、乾燥、焼成したことでなる花弁状のアルミナ膜
    である請求項1記載の平版印刷版原版。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の親水性金属酸化物層が、
    金属のアルコキシド化合物、キレート化合物またはアセ
    テート化合物などの金属有機化合物を塗布して加熱処理
    した後、光により親水化して形成した親水性金属酸化物
    層である請求項1記載の平版印刷版原版。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の金属酸化物の金属が、
    チタンまたはジルコニウムである、請求項1〜4の何れ
    かに記載の平版印刷版原版。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の親水性金属酸化物層が、
    固体酸を含有した親水性金属酸化物層である請求項1〜
    5の何れかに記載の平版印刷版原版。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の感光性層が、活性光線ま
    たは高密度エネルギー光の作用を受けたのち、該当部分
    がアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形
    成するネガ型感光性層である請求項1〜6の何れかに記
    載の平版印刷版原版。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の感光性層が、活性光線ま
    たは高密度エネルギー光の作用を受けたのち、該当部分
    がアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形
    成するポジ型感光性層である請求項1〜6の何れかに記
    載の平版印刷版原版。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載の平版印刷
    版原版を用い、活性光線または高密度エネルギー光の光
    照射により画像形成し、必要に応じて加熱処理をした
    後、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処
    理、乾燥を経て印刷刷版を得ることを特徴とする印刷刷
    版作製方法。
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