JP2000275767A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP2000275767A
JP2000275767A JP11079489A JP7948999A JP2000275767A JP 2000275767 A JP2000275767 A JP 2000275767A JP 11079489 A JP11079489 A JP 11079489A JP 7948999 A JP7948999 A JP 7948999A JP 2000275767 A JP2000275767 A JP 2000275767A
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Hiroshi Kawakami
洋 河上
Susumu Yoshikawa
将 吉川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度/かぶり比に優れ、排気ガス等の燃焼時
に発生する有害ガスに対する耐性が顕著に改良されたハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上にハロゲン化銀乳剤層と非感光
性層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、平行な主平面が(111)面、アスペクト比が5以上、
表面沃化銀含量が5mol%以下である平板状ハロゲン化銀
写真乳剤を含有し、かつ下記一般式(I)で表される化
合物の中で、親疎水性を表す物性値であるlogPの推算値
logP’が1.80〜4.30であるものを含有するハロゲン化銀
カラー写真感光材料(式中、Ra1は脂肪族炭化水素基ま
たは環状アルキル基を表す。Ra2は水素原子、脂肪族炭
化水素基または環状アルキル基を表す。ただし、Ra1
よびR a2中にはSi−O結合を含まない。)。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀カラー
写真感光材料に関するものである。本発明は特に、緑感
性ハロゲン化銀乳剤層にアスペクト比が高く多量のシア
ニン増感色素が吸着した高感度の平板状ハロゲン化銀粒
子を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真乳剤の感度/粒状比向
上の方法として平板状粒子を用いて光の吸収効率を増加
させることはUS4,956,269号等において公知
である。このような平板状粒子においてアスペクト比を
大きくし分光増感色素を増量することで感度は向上する
が、本発明者らは前記の平板状粒子を含有する感光材料
において、環境中で発生する燃焼ガス(例えば自動車等
の排気ガス)によりかぶりが著しく増大することを見出
した。この現象は、特に、緑色感光性の分光増感を施し
た平板状粒子を含有した感光材料において顕著であっ
た。
【0003】また量子感度を増加させる方法として公知
である還元増感法を前記の平板状粒子に適用すると、自
動車等の排気ガスによるかぶり現象はさらに著しく悪化
した。
【0004】本発明者等の検討では、従来から、ハロゲ
ン化銀写真乳剤のかぶり防止剤または安定剤として一般
的に知られている化合物(例えばメルカプト基を有する
化合物あるいは含窒素ヘテロ環を有する化合物。より具
体的な例としては、メルカプトテトラゾール類、テトラ
アザインデン類など)を添加あるいは添加量を増量する
ことでは、前記の自動車等の排気ガスによるかぶりを有
効に低減することはできなかった。これらの化合物を添
加あるいは添加量を増量しても、前記の自動車等の排気
ガスによるかぶりは殆ど減少しないか、あるいはかぶり
が減少する場合は大きな感度低下を伴うかのどちらかで
あり、何らメリットも見い出せなかった。
【0005】故に、前記の平板状粒子において、感度の
向上を維持しつつ、環境中で発生する燃焼ガスによるか
ぶりの増加を抑制するための手段が求められていた。本
発明者等は、鋭意研究の結果、その手段を見出すことが
できた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は感度/かぶり
比に優れた高感度のハロゲン化銀カラー写真感光材料を
提供するものである。本発明は同時に自動車の排気ガス
等の燃焼時に発生する有害ガスに対する耐性が顕著に改
良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は以下のハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料によって達成することが
できた。
【0008】(1)支持体上に少なくとも一つのハロゲ
ン化銀乳剤層と少なくとも一つの非感光性層を有し、露
光後、発色現像処理工程とそれに続く脱銀工程を経て画
像形成するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、
以下の(a)ないし(c)の要件を満たすことを特徴と
するハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0009】(a)該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも
1層に、平行な主平面が(111)面でありアスペクト
比が5以上であって、表面沃化銀含量が5mol%以下
である沃臭化銀または塩沃臭化銀よりなる平板状ハロゲ
ン化銀写真乳剤を全投影面積の50%以上含有する。
【0010】(b)下記一般式(I)で表される化合物の
中で、親疎水性を表す物性値であるlogPの推算値l
ogP’が1.80以上、かつ、4.30以下である化
合物の少なくとも一つを、全ての層の感光性ハロゲン化
銀乳剤1モル当たり2×10-5モル以上6×10-3モル
以下含有する。
【0011】一般式(I)
【0012】
【化6】
【0013】式中、Ra1は脂肪族炭化水素基または環状
アルキル基を表す。Ra2は水素原子、脂肪族炭化水素基
または環状アルキル基を表す。ただし、Ra1およびRa2
中にはSi−O結合を含んではならない。Ra1とRa2
互いに結合して、5〜7員環を形成しても良い。
【0014】(2)支持体上に少なくとも一つの緑感性
ハロゲン化銀乳剤層を有し、該緑感性ハロゲン化銀乳剤
層の少なくとも1層に、平行な主平面が(111)面で
ありアスペクト比が5以上であって、表面沃化銀含量が
5mol%以下である沃臭化銀または塩沃臭化銀よりな
る平板状ハロゲン化銀写真乳剤を全投影面積の50%以
上含有することを特徴とする前記(1)に記載のハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料。
【0015】(3)亜硫酸イオンを緑感性ハロゲン化銀
乳剤1モル当たり1×10-5モル以上5×10-3モル以
下含有することを特徴とする前記(1)ないし(2)に
記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0016】(4)前記(2)ないし(3)の平板状ハ
ロゲン化銀写真乳剤が下記一般式(II)で表されるシア
ニン増感色素の少なくとも1つをハロゲン化銀1モル当
たり5×10-4モル以上含有することを特徴とする前記
(2)または(3)に記載のハロゲン化銀カラー写真感
光材料。
【0017】一般式(II)
【0018】
【化7】
【0019】式中、Z1およびZ2は互いに独立して酸素
原子とともに複素環核を形成するに必要な原子群を表
す。L1およびL2は互いに独立してメチン基または置換
メチン基を表わす。X1 -は酸アニオン基を表わす。n
は1または2を表す。R1 およびR2は互いに独立してア
ルキル基又は置換アルキル基を表す。
【0020】(5)下記一般式(III)で表される化合
物の中で、親疎水性を表す物性値であるlogPの推算
値logP’が−1.50以上、かつ、−0.5以下で
ある化合物の少なくとも一つを、全ての層の感光性ハロ
ゲン化銀乳剤1モル当たり2×10-5モル以上2×10
-3モル以下含有することを特徴とする前記(1)ないし
(4)のいずれか1に記載のハロゲン化銀カラー写真感
光材料。
【0021】一般式(III)
【0022】
【化8】
【0023】式中、Rb1は脂肪族炭化水素基または環状
アルキル基を表す。Rb2は水素原子、脂肪族炭化水素基
または環状アルキル基を表す。ただし、Rb1およびRb2
中にはSi−O結合を含んではならない。Rb1とRb2
互いに結合して、5〜7員環を形成しても良い。
【0024】(6)下記一般式(IV)で表される化合物
の少なくとも1種を緑感性ハロゲン化銀乳剤層に含有す
ることを特徴とする前記(2)ないし(5)のいずれか
1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0025】一般式(IV)
【0026】
【化9】
【0027】式中、R31、R32、R33およびR34はそれ
ぞれ水素原子または置換基を表す。ただし、R31とR34
あるいはR32とR33がそれぞれアルキル基の場合、全く
同じ炭素数の置換基をとらない。
【0028】(7)下記一般式(V)で表される化合物
の少なくとも1種を緑感性ハロゲン化銀乳剤層に含有す
ることを特徴とする前記(2)ないし(6)のいずれか
1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0029】一般式(V)
【0030】
【化10】
【0031】式中、Hetはハロゲン化銀への吸着基で
ある。但し、Hetで示される基には、少なくとも1つ
の−(Q)k2−(Hy)が置換している。Qは炭素原
子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のうち少なくとも
1種を含む原子または原子団からなる2価の連結基を表
わす。HyはR1R2N−NR3R4で表わされるヒドラジ
ン構造を有する基を表わす。R1、R2、R3およびR4は
各々脂肪族基、アリール基または複素環基を表わし、R
1とR2、R3とR4、R1とR3又はR2とR4が互いに結合
して環を形成してもよい。ただし、R1、R2、R3及び
R4の少なくとも1つは一般式(V)における−(Q)k2
−(Het)k1が置換するための二価の脂肪族基、アリ
ール基又は複素環基である。k1及びk3は1、2、3ま
たは4を表わし、k2は0または1を表す。
【0032】以下に本発明のハロゲン化銀写真感光材料
(以下、「感光材料」または「感材」ともいう)を詳細
に説明する。
【0033】本発明の感材は沃臭化銀または塩沃臭化銀
平板粒子乳剤を含有する。
【0034】平板粒子乳剤は対向する(111)主平面
と該主平面を連結する側面からなる。平板粒子乳剤は沃
臭化銀もしくは塩沃臭化銀より成る。塩化銀を含んでも
良いが、好ましくは塩化銀含率は8モル%以下、より好
ましくは3モル%以下もしくは、0モル%である。沃化
銀含有率については、平板粒子乳剤の粒子サイズの分布
の変動係数が25%以下であることが好ましいので、沃
化銀含有率は20モル%以下が好ましい。沃化銀含有率
を低下させることにより平板粒子乳剤の粒子サイズの分
布の変動係数は小さくすることが容易になる。特に平板
粒子乳剤の粒子サイズの分布の変動係数は20%以下が
好ましく、沃化銀含有率は10モル%以下が好ましい。
【0035】沃化銀含有率に拘わらず、粒子間の沃化銀
含量の分布の変動係数は20%以下が好ましく、特に1
0%以下が好ましい。
【0036】平板粒子乳剤は沃化銀分布について粒子内
で構造を有していることが好ましい。この場合、沃化銀
分布の構造は2重構造、3重構造、4重構造さらにはそ
れ以上の構造があり得る。
【0037】平板粒子乳剤は全投影面積の50%以上が
アスペクト比5以上の粒子で占められる。ここで平板粒
子の投影面積ならびにアスペクト比は参照用のラテック
ス球とともにシャドーをかけたカーボンレプリカ法によ
る電子顕微鏡写真から測定することができる。平板粒子
は主平面に対して垂直方向から見た時に、通常6角形、
3角形もしくは円形状の形態をしているが、該投影面積
と等しい面積の円の相当直径を厚みで割った値がアスペ
クト比である。平板粒子の形状は6角形の比率が高い程
好ましく、また、6角形の各隣接する辺の長さの比は
1:2以下であることが好ましい。
【0038】本発明の効果はアスペクト比が高い程、著
しい効果が得られるので、平板粒子乳剤は全投影面積の
50%以上が好ましくはアスペクト比8以上の粒子で占
められる。さらに好ましくはアスペクト比12以上であ
る。アスペクト比があまり大きくなりすぎると、前述し
た粒子サイズ分布の変動係数が大きくなる方向になるた
めに、通常アスペクト比は50以下が好ましい。
【0039】本発明において、平板粒子乳剤は対向する
(111)主平面と該主平面を連結する側面からなる。
該主平面の間には少なくとも1枚の双晶面が入ってい
る。本発明の平板粒子乳剤には通常2枚の双晶面が観察
される。この2枚の双晶面の間隔はUS5,219,7
20号に記載のように0.012μ未満にすることが可
能である。さらには特開平5−249585に記載のよ
うに(111)主平面間の距離を該双晶面間隔で割った
値が15以上にすることも可能である。
【0040】本発明において平板粒子乳剤の対向する
(111)主平面を連結する側面は全側面の75%以下
が(111)面から構成されていることが著しく好まし
い。ここで全側面の75%以下が(111)面から構成
されるとは、全側面の25%よりも高い比率で(11
1)面以外の結晶学的な面が存在するということであ
る。通常その面は(100)面であるとして理解しうる
が、それ以外の面、すなわち(110)面や、より高指
数の面である場合も含みうる。本発明においては全側面
の70%以下が(111)面から構成されていると効果
が顕著である。
【0041】全側面の70%以下が(111)面から構
成されているか否かは、そのホスト平板粒子のシャドー
をかけたカーボンレプリカ法による電子顕微鏡写真から
容易に判断できうる。通常側面の75%以上が(11
1)面から構成されている場合、6角形平板粒子におい
ては、(111)主平面に直接連結する6つの側面はた
がい違いに(111)主平面に対して鋭角と、鈍角で接
続する。一方、全側面の70%以下が(111)面から
構成されている場合、6角形平板粒子においては、(1
11)主平面に直接連結する6つの側面は(111)主
平面に対してすべて鈍角で接続する。シャドーイングを
50℃以下の角度でかけることにより主平面に対する側
面の鈍角と鋭角の判断ができる。好ましくは30°以下
10°以上の角度でシャドーイングすることにより鈍角
と鋭角の判断は容易となる。
【0042】さらに、(111)面と(100)面の比
率を求める方法として増感色素の吸着を用いた方法が有
効である。日本化学会誌、1984、6巻、ぺージ94
2〜947に記載されている手法を用いて(111)面
と(100)面の比率を定量的に求めることができる。
該比率と前述した平板粒子の円相当直径と厚みを用いて
全側面における(111)面の比率を計算して求めるこ
とができる。この場合、平板粒子は該円相当直径と厚み
を用いて円柱であると仮定する。この仮定によって総表
面積に対する側面の比率を求めることができる。前述の
増感色素の吸着を用いて求めた(100)面の比率を上
記の側面の比率で割った値に100をかけた値が全側面
における(100)面の比率である。100からその値
をひけば全側面における(111)面の比率が求まるこ
とになる。本発明においては全側面における(111)
面の比率が65%以下であると、さらに好ましい。
【0043】本発明において平板粒子乳剤の全側面の7
5%以下を(111)面にする手法について説明する。
最も一般的には、沃臭化銀または塩沃臭化銀平板粒子乳
剤の側面の(111)面の比率は平板粒子乳剤の調製時
のpBrにて決定できうる。ここでpBrは系のBr-
イオン濃度の逆数の対数である。平板粒子乳剤の全銀量
を100とした場合、好ましくは少なくとも全銀量の7
0%以上が添加された後に側面の(111)面の比率が
減少、すなわち側面の(100)面の比率が増加するよ
うなpBrに設定する。最も好ましくは少なくとも全銀
量の90%以上が添加された後に側面の(100)面の
比率が増加するようなpBrに設定する。全銀量の70
%が添加されるよりも以前に、側面の(100)面の比
率が増加するようなpBrに設定するとホスト平板粒子
乳剤のアスペクト比が低下するためにあまり好ましくな
い。また全銀量の98%以上が添加された後に側面の
(100)面の比率が増加するようなpBrに設定する
と、本発明の効果が得られるための側面の(100)面
比率を達成することが困難となる。したがって最も好ま
しくは少なくとも全銀量の90%以上が添加された後か
ら、全銀量の98%以下が添加されるまでの間に側面の
(100)面の比率が増加するようなpBrに設定する
と発明の効果が顕著に得られる。しかしながら、別の方
法として全銀量が添加された後に、側面の(100)面
の比率が増加するようなpBrに設定し、熟成をするこ
とによって、その比率を増加させることも可能である。
【0044】側面の(100)面の比率が増加するよう
なpBrとは、系の温度、pH、ゼラチン等の保護コロ
イド剤の種類、濃度、ハロゲン化銀溶剤の有無、種類、
濃度等によりその値は広範に変化しうる。通常は、好ま
しくはpBr2.0以上5以下である。さらに好ましく
はpBr2.5以上4.5以下である。しかしながら、
上述したようにこのpBrの値は例えばハロゲン化銀溶
剤等の存在によって容易に変化しうる。好ましくは本発
明においてはハロゲン化銀溶剤を使用しない方が良い。
【0045】本発明で用いることができるハロゲン化銀
溶剤としては、米国特許第3,271,157号、同第
3,531,289号、同3,574,628号、特開
昭54−1019号、同54−158917号等に記載
された(a)有機チオエーテル類、特開昭53−824
08号、同55−77737号、同55−2982号等
に記載された(b)チオ尿素誘導体、特開昭53−14
4319号に記載された(c)酸素または硫黄原子と窒
素原子とにはさまれたチオカルボニル基を有するハロゲ
ン化銀溶剤、特開昭54−100717号に記載された
(d)イミダゾール類、(e)アンモニア、(f)チオ
シアネート等があげられる。
【0046】特に好ましい溶剤としては、チオシアネー
ト、アンモニアおよびテトラメチルチオ尿素がある。ま
た用いられる溶剤の量は種類によっても異なるが、例え
ばチオシアネートの場合、好ましい量はハロゲン化銀1
モル当り1×10-4モル以上1×10-2モル以下であ
る。
【0047】平板粒子乳剤の側面の面指数を変化させる
方法としてEP515894A1等を参考にすることが
できる。またUS5252453号等に記載のポリアル
キレンオキサイド化合物を用いることもできる。有効な
方法としてUS4680254、US4680255、
US4680256ならびにUS4684607号等に
記載の面指数改質剤を用いることができる。通常の写真
用分光増感色素も上記と同様な面指数の改質剤として用
いることができる。
【0048】本発明においては上述した要件を満足する
限りにおいて沃臭化銀または塩沃臭化銀平板粒子乳剤は
種々の方法によって調製することが可能である。平板粒
子乳剤の調製は通常、核形成、熟成ならびに成長の基本
的に3工程よりなる。核形成の工程においてはUS47
13320号およびUS4942120号に記載のメチ
オニン含量の少ないゼラチンを用いること、US491
4014号に記載の高pBrで核形成を行うこと、特開
平2−222940号に記載の短時間で核形成を行うこ
とは本発明の平板粒子乳剤の核形成工程においてきわめ
て有効である。熟成工程においてはUS5254453
号記載の低濃度のベースの存在下でおこなうこと、US
5013641号記載の高いpHでおこなうことは、本
発明の平板粒子乳剤の熟成工程において有効である場合
がある。成長工程においてはUS5248587号記載
の低温で成長をおこなうこと、US4672027号、
およびUS4693964号に記載の沃化銀微粒子を用
いることは本発明の平板粒子乳剤の成長工程において特
に有効である。さらには、臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化
銀微粒子乳剤を添加して熟成することにより成長させる
ことも好ましく用いられる。特開平10−43570号
に記載の撹拌装置を用いて、上記微粒子乳剤を供給する
ことも可能である。
【0049】本発明の乳剤は、意図的な還元増感によっ
て正孔捕獲性銀核を導入することが好ましい。意図的な
還元増感とは還元増感剤を添加することにより行われる
還元増感を意味する。正孔捕獲性銀核とは現像活性の少
ない小さな銀核を意味し、この銀核により感光過程での
再結合ロスを防止し感度を高めることが可能となる。粒
子表面に正孔捕獲性銀核を導入する方法としては、ハロ
ゲン化銀乳剤の粒子形成において意図的な還元増感を施
すことにより可能となる。
【0050】還元増感剤として第一錫塩、アスコルビン
酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒド
ラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物、ボラン化合物などが公知である。本発明の還元増
感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いることがで
き、また2種以上の化合物を併用することもできる。還
元増感剤として塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチル
アミンボラン、アスコルビン酸およびその誘導体が好ま
しい化合物である。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件
に依存するので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化
銀1モル当り10-7〜10-3モルの範囲が適当である。
【0051】還元増感剤は水あるいはアルコール類、グ
リコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶
媒に溶かし粒子成長中に添加される。
【0052】本発明において好ましくは、核形成および
物理熟成終了後であって粒子成長を開始する直前に還元
増感剤を添加することにより、正孔捕獲性銀核を形成す
る。粒子形成終了時以降に還元増感剤を添加して粒子表
面に正孔捕獲性銀核を導入することも本発明においては
可能である。
【0053】粒子形成時に還元増感剤を添加すると、形
成された銀核の一部は粒子内部にとどまりえるが、一部
はしみだすことにより粒子表面にも銀核を形成する。本
発明においては、このしみだした銀核を正孔捕獲性銀核
として利用することが好ましい。
【0054】正孔捕獲性銀核の形成は、好ましくは意図
的な還元増感時に一般式(VI−1)または一般式(VI−
2)の化合物の存在下でおこなうことが好ましい。
【0055】一般式(VI−1)、一般式(VI−2)
【0056】
【化11】
【0057】一般式(VI−1)および(VI−2)におい
て、W51、W52はスルホ基または水素原子を表す。但
し、W51、W52の少なくとも1つはスルホ基を表す。ス
ルホ基は一般にはナトリウム、カリウムのようなアルカ
リ金属塩、またはアンモニウム塩等の水可溶性塩であ
る。好ましい化合物として具体的には、3,5−ジスル
ホカテコ−ルジナトリウム塩、4−スルホカテコ−ルア
ンモニウム塩、2,3−ジヒドロキシ−7−スルホナフ
タレンナトリウム塩、2,3−ジヒドロキシ−6,7−
ジスルホナフタレンカリウム塩等があげられる。好まし
い添加量は添加する系の温度、pBr、pH、ゼラチン
等の保護コロイド剤の種類、濃度、ハロゲン化銀溶剤の
有無、種類、濃度等により変化しうるが、一般にはハロ
ゲン化銀1モル当たり0.0005モルから0.5モ
ル、より好ましくは0.003モルから0.02モルが
用いられる。
【0058】本発明の平板粒子乳剤の粒子表面のヨウ化
銀含有量は5モル%以下である。本発明の粒子表面のヨ
ウ化銀含有量はXPS(X−ray Photoele
ctron Spectroscopy)を用いて測定
される。ハロゲン化銀粒子表面付近のヨウ化銀含量の分
析に使用されるXPS法の原理に関しては、相原らの、
「電子の分光」(共立ライブラリ−16、共立出版発
行,昭和53年)を参考にすることができる。XPSの
標準的な測定法は、励起X線としてMg−Kαを使用
し、適当な試料形態としたハロゲン化銀から放出される
沃素(I)と銀(Ag)の光電子(通常はI−3d5/
2、Ag−3d5/2)の強度を観測する方法である。
沃素の含量を求めるには、沃素の含量が既知である数種
類の標準試料を用いて沃素(I)と銀(Ag)の光電子
の強度比(強度(I)/強度(Ag))の検量線を作成
し、この検量線からもとめることができる。ハロゲン化
銀乳剤ではハロゲン化銀粒子表面に吸着したゼラチンを
蛋白質分解酵素などで分解、除去した後にXPSの測定
をおこなわなければならない。本発明の粒子表面のヨウ
化銀含有量が5mol%以下の平板粒子乳剤とは、1つ
の乳剤に含まれる乳剤粒子を、XPSで分析したときに
ヨウ化銀含量が5mol%以下であるものをさす。この
場合、明瞭に2種以上の乳剤が混合されているときに
は、遠心分離法、濾別法など適当な前処理を施した上で
同一種類の乳剤につき分析を行なう必要がある。
【0059】本発明の平板粒子乳剤は粒子の表面が5m
ol%以下のヨウ化銀を含むことが本発明の効果として
顕著であり、さらに表面が3mol%以下1mol%以
上のヨウ化銀を含む粒子であることがより好ましい。本
発明の平板粒子乳剤は表面のヨウ化銀含量が5mol%
以下である限り、構造は例えば臭化銀/沃臭化銀/臭化
銀からなる3重構造粒子ならびにそれ以上の高次構造も
好ましい。構造間の沃化銀含有率の境界は明確なもので
あっても、連続的になだらかに変化しているものであっ
ても、いずれでも良い。通常、粉末X線回折法を用いた
沃化銀含有量の測定では沃化銀含有量の異なる明確な2
山を示す様なことはなく、高沃化銀含有率の方向にすそ
をひいたようなX線回折プロフィールを示す。
【0060】本発明の平板粒子乳剤においては表面より
も内側に、沃化銀含有率が表面の沃化銀含有率よりも高
い層が存在することが好ましく、該層の沃化銀含有率は
好ましくは5モル%以上、より好ましくは7モル%以上
であると発明の効率が顕著になる。
【0061】本発明において、好ましくは平板粒子は転
位線を有する。平板粒子の転位線は、例えばJ.F.H
amilton,Phot.Sci.Eng.,11、
57、(1967)やT.Shiozawa,J.So
c.Phot.Sci.Japan,35、213、
(1972)に記載の、低温での透過型電子顕微鏡を用
いた直接的な方法により観察することができる。すなわ
ち乳剤から粒子に転位線が発生するほどの圧力をかけな
いよう注意して取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕微
鏡観察用のメッシュにのせ、電子線による損傷(プリン
トアウト等)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法
により観察を行う。この時粒子の厚みが厚い程、電子線
が透過しにくくなるので高圧型(0.25μmの厚さの
粒子に対して200kV以上)の電子顕微鏡を用いた方
がより鮮明に観察することができる。このような方法に
より得られた粒子の写真より、主平面に対して垂直方向
から見た場合の各粒子についての転位線の位置および数
を求めることができる。
【0062】転位線の数は、好ましくは1粒子当り平均
10本以上である。より好ましくは1粒子当り平均20
本以上である。転位線が密集して存在する場合、または
転位線が互いに交わって観察される場合には、1粒子当
りの転位線の数は明確には数えることができない場合が
ある。しかしながら、これらの場合においても、おおよ
そ10本、20本、30本という程度には数えることが
可能であり、明らかに、数本しか存在しない場合とは区
別できる。転位線の数の1粒子当りの平均数については
100粒子以上について転位線の数を数えて、数平均と
して求める。
【0063】転位線は、例えば平板粒子の外周近傍に導
入することができる。この場合転位は外周にほぼ垂直で
あり、平板状粒子の中心から辺(外周)までの距離の長
さのx%の位置から始まり外周に至るように転位線が発
生している。このxの値は好ましくは10以上100未
満であり、より好ましくは30以上99未満であり、最
も好ましくは50以上98未満である。この時、この転
位線の開始する位置を結んでつくられる形状は粒子形と
相似に近いが、完全な相似形ではなく、ゆがむことがあ
る。この型の転位数は粒子の中心領域には見られない。
転位線の方向は結晶学的におおよそ(211)方向であ
るがしばしば蛇行しており、また互いに交わっているこ
ともある。
【0064】また平板粒子の外周上の全域に渡ってほぼ
均一に転位線を有していても、外周上の局所的な位置に
転位線を有していてもよい。すなわち六角形平板ハロゲ
ン化銀粒子を例にとると、6つの頂点の近傍のみに転位
線が限定されていてもよいし、そのうちの1つの頂点近
傍のみに転位線が限定されていてもよい。逆に6つの頂
点近傍を除く辺のみに転位線が限定されていることも可
能である。
【0065】また平板粒子の平行な2つの主平面の中心
を含む領域に渡って転位線が形成されていてもよい。主
平面の全域に渡って転位線が形成されている場合には転
位線の方向は主平面に垂直な方向から見ると結晶学的に
おおよそ(211)方向の場合もあるが(110)方向
またはランダムに形成されている場合もあり、さらに各
転位線の長さもランダムであり、主平面上に短い線とし
て観察される場合と、長い線として辺(外周)まで到達
して観察される場合がある。転位線は直線のこともあれ
ば蛇行していることも多い。また、多くの場合互いに交
わっている。
【0066】転位線の位置は以上のように外周上または
主平面上または局所的な位置に限定されていても良い
し、これらが組み合わされて、形成されていても良い。
すなわち、外周上と主平面上に同時に存在していても良
い。
【0067】本発明においては最も好ましくは、上述し
た臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀または沃臭化銀平板粒
子乳剤に難溶性ハロゲン化銀乳剤を添加することにより
転位線を導入する。ここで難溶性ハロゲン化銀乳剤と
は、ハロゲン組成において、平板粒子乳剤よりも難溶性
であることを意味し、好ましくは、沃化銀微粒子乳剤で
ある。
【0068】本発明においては好ましくは上述した平板
粒子乳剤に沃化銀微粒子乳剤を急激に添加することによ
って転位線を導入する。この工程は実質的に2つの工程
よりなり、平板粒子乳剤に沃化銀微粒子乳剤を急激に添
加する工程と、その後、臭化銀もしくは沃臭化銀を成長
させて転位線を導入する工程である。これら2つの工程
は完全に分離して行なわれることもあるし、各々、重復
して同時期に行うこともできる。好ましくは分離して行
なわれる。第1の平板粒子乳剤に沃化銀の微粒子乳剤を
急激に添加する工程について説明する。
【0069】沃化銀微粒子乳剤を急激に添加するとは、
好ましくは10分以内に沃化銀微粒子乳剤を添加するこ
とをいう。より好ましくは7分以内に添加することをい
う。この条件は添加する系の温度、pBr、pH、ゼラ
チン等の保護コロイド剤の種類、濃度、ハロゲン化銀溶
剤の有無、種類、濃度等により変化しうるが、上述した
ように短い方が好ましい。添加する時には実質的に硝酸
銀等の銀塩水溶液の添加は行なわれない方が好ましい。
添加時の系の温度は40℃以上90℃以下が好ましく、
50℃以上80℃以下が特に好ましい。沃化銀微粒子乳
剤の添加時のpBrの制限は特にはない。
【0070】沃化銀微粒子乳剤は実質的に沃化銀であれ
ば良く、混晶となり得る限りにおいて臭化銀および/ま
たは塩化銀を含有していても良い。好ましくは100%
沃化銀である。沃化銀はその結晶構造においてβ体、γ
体ならびにUS4672026号に記載されているよう
にα体もしくはα体類似構造があり得る。本発明におい
ては、その結晶構造の制限は特にはないが、β体とγ体
の混合物さらに好ましくはβ体が用いられる。沃化銀微
粒子乳剤はUS5004679号等に記載の添加する直
前に形成したものでも良いし、通常の水洗工程を経たも
のでもいずれでも良いが、本発明においては好ましくは
通常の水洗工程を経たものが用いられる。沃化銀微粒子
乳剤は、前述したUS4672026号等に記載の方法
で容易に形成できうる。粒子形成時のpI値を一定にし
て粒子形成を行う、銀塩水溶液と沃化物塩水溶液のダブ
ルジエット添加法が好ましい。ここでpIは系のI-
オン濃度の逆数の対数である。温度、pI、pH、ゼラ
チン等の保護コロイド剤の種類、濃度、ハロゲン化銀溶
剤の有無、種類、濃度等に、特に制限はないが、粒子の
サイズは0.1μm以下、より好ましくは0.08μm
以下が本発明に都合が良い。微粒子であるために粒子形
状は完全には特定できないが粒子サイズの分布の変動係
数は25%以下が好ましい。特に20%以下の場合に
は、本発明の効果が著しい。ここで沃化銀微粒子乳剤の
サイズおよびサイズ分布は、沃化銀微粒子を電子顕微鏡
観察用のメッシュにのせ、カーボンレプリカ法ではなく
直接、透過法によって観察して求める。これは粒子サイ
ズが小さいために、カーボンレプリカ法による観察では
測定誤差が大きくなるためである。粒子サイズは観察さ
れた粒子と等しい投影面積を有する円の直径と定義す
る。粒子サイズの分布についても、この等しい投影面積
円直径を用いて求める。本発明において最も有効な沃化
銀微粒子は粒子サイズが0.07μm以下0.02μm
以上であり、粒子サイズ分布の変動係数が18%以下で
ある。
【0071】沃化銀微粒子乳剤は上述の粒子形成後、好
ましくはUS2614929号等に記載の通常の水洗お
よびpH、pI、ゼラチン等の保護コロイド剤の濃度調
整ならびに含有沃化銀の濃度調整が行われる。pHは5
以上7以下が好ましい。pI値は沃化銀の溶解度が最低
になるpI値もしくはその値よりも高いpI値に設定す
ることが好ましい。保護コロイド剤としては、平均分子
量10万程度の通常のゼラチンが好ましく用いられる。
平均分子量2万以下の低分子量ゼラチンも好ましく用い
られる。また上記の分子量の異なるゼラチンを混合して
用いると都合が良い場合がある。乳剤1kgあたりのゼラ
チン量は好ましくは10g以上100g以下である。よ
り好ましくは20g以上80g以下である。乳剤1kgあ
たりの銀原子換算の銀量は好ましくは10g以上100
g以下である。より好ましくは20g以上80g以下で
ある。ゼラチン量および/または銀量は沃化銀微粒子乳
剤を急激に添加するのに適した値を選択することが好ま
しい。
【0072】沃化銀微粒子乳剤の添加量は、好ましくは
平板粒子乳剤に対して銀量換算で1モル%以上10モル
%以下である。最も好ましくは2モル%以上7モル%以
下である。この添加量を選択することにより転位線が好
ましく導入され、発明の効果が顕著になる。沃化銀微粒
子乳剤は、通常あらかじめ溶解して添加するが、添加時
には系の撹拌効率を十分に高める必要がある。好ましく
は撹拌回転数は、通常よりも高めに設定される。撹拌時
の泡の発生を防じるために消泡剤の添加は効果的であ
る。具体的には、US5,275,929号の実施例等
に記述されている消泡剤が用いられる。
【0073】平板粒子乳剤に沃化銀微粒子乳剤を急激に
添加した後、臭化銀もしくは沃臭化銀を成長させて転位
線を導入する。沃化銀微粒子乳剤を添加する以前もしく
は同時に臭化銀もしくは沃臭化銀の成長を開始しても良
いが、好ましくは沃化銀微粒子乳剤を添加した後に、臭
化銀もしくは沃臭化銀の成長を開始する。沃化銀微粒子
乳剤を添加してから臭化銀もしくは沃臭化銀の成長を開
始するまでの時間は好ましくは10分以内で1秒以上で
ある。より好ましくは5分以内で3秒以上である。さら
に好ましくは1分以内である。この時間間隔は短い程好
ましいが、臭化銀もしくは沃臭化銀の成長開始以前が良
い。
【0074】沃化銀微粒子乳剤を添加した後の成長は好
ましくは臭化銀である。沃臭化銀の場合には沃化銀含有
率は該層に対して好ましくは3モル%以内である。この
沃化銀微粒子乳剤の添加後に成長する層の銀量は完成平
板粒子乳剤の全銀量を100とした時に、好ましくは5
以上50以下である。最も好ましくは10以上30以下
である。この層を形成する時の温度、pHおよびpBr
は特に制限はないが温度は40℃以上90℃以下、pH
は2以上9以下が通常用いられる。より好ましくは50
℃以上80℃以下、pHは3以上7以下が用いられる。
pBrについては、本発明においては該層の形成終了時
のpBrが該層の形成初期時のpBrよりも高くなるこ
とが好ましい。好ましくは該層の形成初期のpBrが
2.9以下であり該層の形成終了時のpBrが1.7以
上である。さらに好ましくは該層の形成初期のpBrが
2.5以下であり該層の形成終了時のpBrが1.9以
上である。最も好ましくは該層の形成初期のpBrが
2.3以下1以上である。最も好ましくは該層の終了時
のpBrが2.1以上4.5以下である。以上の方法に
よって本発明における転位線が好ましく導入される。
【0075】本発明のハロゲン化銀粒子は硫黄増感、セ
レン増感、金増感、パラジウム増感又は貴金属増感の少
なくとも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程の任意の工
程で施こすことができる。2種以上の増感法を組み合せ
ることは好ましい。どの工程で化学増感するかによって
種々のタイプの乳剤を調製することができる。粒子の内
部に化学増感核をうめ込むタイプ、粒子表面から浅い位
置にうめ込むタイプ、あるいは表面に化学増感核を作る
タイプがある。本発明の乳剤は目的に応じて化学増感核
の場所を選ぶことができるが、好ましいのは表面近傍に
少なくとも一種の化学増感核を作った場合である。
【0076】本発明で好ましく実施しうる化学増感の一
つはカルコゲナイド増感と貴金属増感の単独又は組合せ
であり、ジェームス(T.H.James)著、ザ・フォトグラフ
ィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1977
年、(T.H.James、The Theoryof the Photographic Proc
ess,4th ed,Macmillan,1977)67−76頁に記載
されるように活性ゼラチンを用いて行うことができる
し、またリサーチ・ディスクロージャー120巻、19
74年4月、12008;リサーチ・ディスクロージャ
ー、34巻、1975年6月、13452、米国特許第
2,642,361号、同3,297,446号、同
3,772,031号、同3,857,711号、同
3,901,714号、同4,266,018号、およ
び同3,904,415号、並びに英国特許第1,31
5,755号に記載されるようにpAg5〜10、pH
5〜8および温度30〜80℃において硫黄、セレン、
テルル、金、白金、パラジウム、イリジウムまたはこれ
ら増感剤の複数の組合せとすることができる。貴金属増
感においては、金、白金、パラジウム、イリジウム等の
貴金属塩を用いることができ、中でも特に金増感、パラ
ジウム増感および両者の併用が好ましい。金増感の場合
には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウム
オーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド等の公知
の化合物を用いることができる。パラジウム化合物はパ
ラジウム2価塩または4価の塩を意味する。好ましいパ
ラジウム化合物は、R2PdX6またはR2PdX4で表わ
される。ここでRは水素原子、アルカリ金属原子または
アンモニウム基を表わす。Xはハロゲン原子を表わし塩
素、臭素またはヨウ素原子を表わす。
【0077】具体的には、K2PdCl4、(NH4)2
dCl6、Na2PdCl4、(NH4) 2PdCl4、Li2
PdCl4、Na2PdCl6またはK2PdBr4が好ま
しい。金化合物およびパラジウム化合物はチオシアン酸
塩あるいはセレノシアン酸塩と併用することが好まし
い。
【0078】硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化
合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,
711号、同4,266,018号および同4,05
4,457号に記載されている硫黄含有化合物を用いる
ことができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増
感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザイ
ンデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化
学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大するも
のとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤改
質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同3,
411,914号、同3,554,757号、特開昭5
8−126526号および前述ダフィン著「写真乳剤化
学」、138〜143頁に記載されている。
【0079】本発明の乳剤は金増感を併用することが好
ましい。金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モ
ル当り1×10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ま
しいのは1×10-5〜5×10-7モルである。パラジウ
ム化合物の好ましい範囲は1×10-3から5×10-7
ある。チオシアン化合物あるいはセレノシアン化合物の
好ましい範囲は5×10-2から1×10-6である。
【0080】本発明のハロゲン化銀粒子に対して使用す
る好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1×
10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ましいのは1
×10-5〜5×10-7モルである。
【0081】本発明の乳剤に対して好ましい増感法とし
てセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不
安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属
セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチル
セレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素等)、セレノ
ケトン類、セレノアミド類、等のセレン化合物を用いる
ことができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金属増
感あるいはその両方と組み合せて用いた方が好ましい場
合がある。
【0082】本発明においては好ましくはチオシアン酸
塩が上述した分光増感色素ならびに化学増感剤の添加以
前に添加される。好ましくは粒子形成後、より好ましく
は脱塩工程終了後に添加される。好ましくは化学増感時
にもチオシアン酸塩を添加するのでチオシアン酸塩の添
加は2回以上行われることになる。チオシアン酸塩とし
ては、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウム等が用いられる。
【0083】通常は水溶液または水可溶性溶媒に溶解し
て添加される。添加量はハロゲン化銀1モル当たり1×
10-5モルから1×10-2モル、より好ましくは5×1
-5モルから5×10-3モルである。
【0084】本発明の乳剤の調製時に用いられる保護コ
ロイドとして、及びその他の親水性コロイド層のバイン
ダーとしては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そ
れ以外の親水性コロイドも用いることができる。
【0085】例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高
分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の
蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセル
ロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖
誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリア
クリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一
あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を
用いることができる。
【0086】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Photo.Japan. No.
16、P30(1966)に記載されたような酵素処理
ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物
や酵素分解物も用いることができる。
【0087】本発明の乳剤は脱塩のために水洗し、新し
く用意した保護コロイド分散にすることが好ましい。水
洗の温度は目的に応じて選べるが、5℃〜50℃の範囲
で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選
べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好ま
しくは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的に応
じて選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗
の方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、
遠心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選ん
で用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を
用いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを
用いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶ
ことができる。
【0088】本発明の乳剤調製時、例えば粒子形成時、
脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在
させることは目的に応じて好ましい。粒子にドープする
場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感
剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終了前に添加
することが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子
のコアー部のみ、あるいはシェル部のみ、あるいはエピ
タシャル部分にのみ、あるいは基盤粒子にのみドープす
る方法も選べる。Mg、Ca、Sr、Ba、Al、S
c、Y、LaCr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Ga、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、P
t、Au、Cd、Hg、Tl、In、Sn、Pb、Bi
などを用いることができる。これらの金属はアンモニウ
ム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あるい
は6配位錯塩、4配位錯塩など粒子形成時に溶解させる
ことができる塩の形であれば添加できる。例えばCdB
2、CdCl2、Cd(NO3)2、Pb(NO3)2、Pb
(CH3COO)2、K3〔Fe(CN)6〕、(NH4)
4〔Fe(CN)6〕、K3IrCl6、(NH4)3RhCl
6、K4Ru(CN)6などがあげられる。配位化合物のリ
ガンドとしてハロ、アコ、シアノ、シアネート、チオシ
アネート、ニトロシル、チオニトロシル、オキソ、カル
ボニルのなかから選ぶことができる。これらは金属化合
物を1種類のみ用いてもよいが2種あるいは3種以上を
組み合せて用いてよい。
【0089】金属化合物は水またはメタノール、アセト
ンなどの適当を溶媒に解かして添加するのが好ましい。
溶液を安定化するためにハロゲン化水素水溶液(例HC
l、HBrなど)あるいはハロゲン化アルカリ(例KC
l、NaCl、KBr、NaBrなど)を添加する方法
を用いることができる。また必要に応じ酸・アルカリな
どを加えてもよい。金属化合物は粒子形成前の反応容器
に添加しても粒子形成の途中で加えることもできる。ま
た水溶性銀塩(例えばAgNO3)あるいはハロゲン化ア
ルカリ水溶性(例えばNaCl、KBr、KI)に添加
しハロゲン化銀粒子形成中連続して添加することもでき
る。さらに水溶性銀塩、ハロゲン化アルカリとは独立の
溶液を用意し粒子形成中の適切な時期に連続して添加し
てもよい。さらに種々の添加方法を組み合せるのも好ま
しい。
【0090】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲナイド化合物を乳剤調製中に添
加する方法も有用な場合がある。S、Se、Te以外に
もシアン塩、チオシアン塩、セレノシアン酸、炭酸塩、
リン酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0091】本発明の乳剤はその製造工程中に銀に対す
る酸化剤を用いることが好ましい。但し、粒子表面の正
孔捕獲性銀核はある程度残存する必要がある。銀に対す
る酸化剤とは、金属銀に作用して銀イオンに変換せしめ
る作用を有する化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の
形成過程および化学増感過程において副生するきわめて
微小な銀粒子を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効
である。ここで生成する銀イオンは、ハロゲン化銀、硫
化銀、セレン化銀等の水に難溶の銀塩を形成してもよ
く、又、硝酸銀等の水に易溶の銀塩を形成してもよい。
銀に対する酸化剤は、無機物であっても、有機物であっ
てもよい。無機の酸化剤としては、オゾン、過酸化水素
およびその付加物(例えば、NaBO2・H22・3H2
O、2NaCO3・3H22、Na427・2H22
2Na2SO4・H22・2H2O)、ぺルオキシ酸塩
(例えばK228、K226、K228)、ぺルオキ
シ錯体化合物(例えば、K2〔Ti(O2)C24〕・3
2O、4K2SO4・Ti(O2)OH・SO4・2H
2O、Na3〔VO(O2)(C24)2・6H2O)、過マ
ンガン酸塩(例えば、KMnO4)、クロム酸塩(例え
ば、K2Cr2)などの酸素酸塩、沃素や臭素などの
ハロゲン元素、過ハロゲン酸塩(例えば過沃素酸カリウ
ム)高原子価の金属の塩(例えば、ヘキサシアノ第二鉄
酸カリウム)およびチオスルフォン酸塩などがある。
【0092】また、有機の酸化剤としては、p−キノン
などのキノン類、過酢酸や過安息香酸などの有機過酸化
物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−ブロ
ムサクシイミド、クロラミンT、クロラミンB)が例と
して挙げられる。
【0093】本発明の好ましい酸化剤は、オゾン、過酸
化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォ
ン酸塩の無機酸化剤及びキノン類の有機酸化剤である。
【0094】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール
類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール
類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダ
ゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチ
アゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプ
トベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニ
トロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類
(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)な
ど;メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン
類;たとえばオキサドリンチオンのようなチオケト化合
物;アザインデン類、たとえばトリアザインデン類、テ
トラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,
3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザイ
ンデン類などのようなカブリ防止剤または安定剤として
知られた、多くの化合物を加えることができる。たとえ
ば米国特許第3,954,47号、同3,982,94
7号、特公昭52−28660号に記載されたものを用
いることができる。好ましい化合物の一つに特開昭63
−212932号に記載された化合物がある。かぶり防
止剤および安定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒子形成
後、水洗工程、水洗後の分散時、化学増感前、化学増感
中、化学増感後、塗布前のいろいろな時期に目的に応じ
て添加することができる。乳剤調製中に添加して本来の
かぶり防止および安定化効果を発現する以外に、粒子の
晶壁を制御する、粒子サイズを小さくする、粒子の溶解
性を減少させる、化学増感を制御する、色素の配列を制
御するなど多目的に用いることができる。
【0095】本発明において、緑色感光性写真乳剤と
は、500nm以上600nm未満に分光増感感度が極
大になるように分光増感されている写真乳剤であること
を意味する。本発明においては、緑色感光性ハロゲン化
銀平板粒子からなる乳剤は、一般式(II)で表されるシ
アニン色素を少なくとも1種用いて分光増感を施される
ことが好ましい。
【0096】本発明の平板粒子乳剤は、一般式(II)で
表されるシアニン色素で分光増感を施されることが好ま
しい。
【0097】一般式(II)で表されるシアニン色素につ
いて詳細に説明する。
【0098】Z1およびZ2は互いに独立して酸素原子と
ともに複素環核を形成するに必要な原子群を表す。例え
ば、オキサゾリン、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサ
ゾールなどがあげられる。これらの複素環核は、例え
ば、メチルのような低級アルキル基、ハロゲン原子、フ
ェニール基、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アル
キルスルファモイル基、アルキルカルバモイル基、アセ
チル基、アセトキシ基、シアノ基、トリクロロメチル
基、トリフルオロメチル基、ニトロ基によって置換され
ていてもよい。
【0099】L1およびL2は互いに独立してメチン基ま
たは置換メチン基を表わす。置換メチン基としては、例
えば、メチル、エチルのような低級アルキレン基、フェ
ニル、置換フェニル、メトキシ、エトキシによって置換
されたメチン基がある。
【0100】R1とR2は互いに独立して炭素数が1〜5
のアルキル基;カルボキシ基をもつ置換アルキル基;例
えば、β−スルホエチル、γ−スルホプロピル、δ−ス
ルホブチル、γ−スルホブチル、2−(3−スルホプロ
ポキシ)エチル、2−[2−(3−スルホプロポキシ)
エトキシ]エチル、2−ヒドロキシ・スルホプロピルの
ようなスルホ基をもつ置換アルキル基、アリル(all
yl)基やその他の通常シアニン色素のN−置換基に用
いられている置換アルキル基を表わす。
【0101】X1 -は酸アニオン基を表し、例えば沃素イ
オン、臭素イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、過
塩素酸イオンを表わす。n1は1または2を表わし、ベ
タイン構造をとるときはn1は1である。
【0102】本発明に用いられる有効な分光増感色素の
代表的な化合物を以下に示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0103】
【化12】
【0104】
【化13】
【0105】
【化14】
【0106】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同2,97
7,229号、同3,397,060号、同3,52
2,052号、同3,527,641号、同3,61
7,293号、同3,628,964号、同3,66
6,480号、同3,672,898号、同3,67
9,428号、同3,703,377号、同3,76
9,301号、同3,814,609号、同3,83
7,862号、同4,026,707号、英国特許第
1,344,281号、同1,507,803号、特公
昭43−4936号、同53−12,375号、特開昭
52−110,618号、同52−109,925号に
記載されている。
【0107】本発明においては特に好ましくは、緑色感
光性の分光増感はそれぞれ一般式(II)のシアニン色素
を少なくとも1種含む3種類以上のシアニン色素を添加
することにより行われる。この時、3種類以上のシアニ
ン色素はすべてが緑色感光性である必要はなく、3種類
以上のシアニン色素を添加した結果として各感光性に分
光増感感度が極大になるように分光増感されていれば良
い。特に3種類以上のシアニン色素の内,1種類以上が
モノメチンシアニン色素であってもよい。
【0108】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。増感色素を乳剤中に添加する時期は、これまで有用
であると知られている乳剤調製の如何なる段階であって
もよい。もっとも普通には化学増感の完了後塗布前まで
の時期に行なわれるが、米国特許第3,628,969
号、および同第4,225,666号に記載されている
ように化学増感剤と同時期に添加し分光増感を化学増感
と同時に行なうことも、特開昭58−113928号に
記載されているように化学増感に先立って行なうことも
出来、またハロゲン化銀粒子沈澱生成の完了前に添加し
分光増感を開始することも出来る。更にまた米国特許第
4,225,666号に教示されているようにこれらの
前記化合物を分けて添加すること、即ちこれらの化合物
の一部を化学増感に先立って添加し、残部を化学増感の
後で添加することも可能であり、米国特許第4,18
3,756号に開示されている方法を始めとしてハロゲ
ン化銀粒子形成中のどの時期であってもよい。
【0109】本発明の平板粒子乳剤への増感色素の添加
量は、ハロゲン化銀1モル当り、5×10-4モル以上で
用いることが好ましく、約5×10-4〜4×10-3モル
がより有効である。
【0110】本発明においては、感光材料中に亜硫酸イ
オンを含有させることにより、本発明の効果である環境
中で発生する燃焼ガスによるかぶりを低減する効果を、
より顕著に発現させることができ好ましい。亜硫酸イオ
ンは通常はアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の
形で添加される。好ましくは亜硫酸ナトリウムである。
【0111】亜硫酸イオンは乳剤調製時に添加すること
が好ましく、化学増感前、化学増感中または化学増感終
了後に添加される。乳剤を塗布する前に添加することも
できるし、塗布時に隣接層または他層に添加して該乳剤
層に拡散させて添加することもできる。
【0112】好ましい添加量は上述した添加法等に大き
く依存するが、一般には緑感性ハロゲン化銀粒子のハロ
ゲン化銀1モル当たり1×10-5モル以上5×10-3
ル以下、より好ましくは1×10-4モル以上1×10-3
モル以下が用いられる。
【0113】一般式(I)および一般式(III)で表され
る化合物についてさらに詳細に説明する。
【0114】一般式(I)中、Ra1が表す脂肪族炭化水
素基としては、炭素数1〜12の無置換アルキル基(例
えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n
−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、
n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、t−オク
チル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−ドデシル
等)、炭素数1〜16の置換アルキル基(例えば、クロ
ロエチル、クロロプロピル、ブロモエチル、2,2,2
−トリフロロエチル、メトキシプロピル、n−ブトキシ
プロピル、n−オクチルオキシプロピル、(2−エチル
ヘキシルオキシ)プロピル、メトキシエトキシエトキシ
エチル、メチルチオプロピル、3−(2−エチルヘキシ
ルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル、2−アセトキシ
−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル、2−ヒ
ドロキシオクチル等)、炭素数2〜10のアルケニル基
(例えば、アリル、2−ブテニル、2−ペンテニル
等)、炭素数2〜10のアルキニル基(例えば、2−プ
ロピニル、3−ペンチニル等)等が挙げられ、環状アル
キル基としては、炭素数5〜16の置換もしくは無置換
の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、アダマンチル、2−アセトキシシクロヘキシ
ル、2−ヒドロキシシクロヘキシル、2−エチルシクロ
ヘキシル等)等が挙げられる。
【0115】一般式(I)中、Ra2が表す脂肪族炭化水
素基としては、炭素数1〜8の無置換アルキル基(例え
ばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−
ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n
−オクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル等)、
炭素数1〜8の置換アルキル基(例えば、クロロエチ
ル、メトキシプロピル、(2−エチルヘキシルオキシ)
プロピル等)、炭素数2〜8のアルケニル基(例えば、
アリル、2−ブテニル、2−ペンテニル等)、炭素数2
〜8のアルキニル基(例えば、2−プロピニル、3−ペ
ンチニル等)等が挙げられ、環状アルキル基としては、
例えばシクロヘキシル等が挙げられる。
【0116】一般式(III)中、Rb1が表す脂肪族炭化
水素基としては、炭素数1〜6の無置換アルキル基(例
えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n
−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル
等)、炭素数1〜6の置換アルキル基(例えば、クロロ
エチル、メトキシプロピル、2−ヒドロキシエチル、3
−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒ
ドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−ヒド
ロキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピ
ル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2,3
−ジヒドロキシプロピル、1,1−ジヒドロキシメチル
−2−ヒドロキシエチル、2−(2−ヒドロキシエチ
ル)オキシエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシ
エチル、1−カルボキシエチル、2−スルホエチル、3
−スルホプロピル、2−ジメチルアミノエチル等)、炭
素数2〜6のアルケニル基(例えば、アリル、2−ブテ
ニル、2−ペンテニル等)、炭素数2〜6のアルキニル
基(例えば、2−プロピニル等)等が挙げられ、環状ア
ルキル基としては、炭素数3〜10の置換もしくは無置
換の環状アルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシシクロヘキ
シル、4−ヒドロキシシクロヘキシル等)等が挙げられ
る。
【0117】一般式(III)中、Rb2が表す脂肪族炭化
水素基としては、炭素数1〜3の無置換アルキル基(例
えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル
等)、炭素数1〜3の置換アルキル基(例えば、クロロ
エチル、ヒドロキシエチル、スルホエチル、カルボキシ
エチル等)、炭素数2〜3のアルケニル基(例えば、ア
リル等)等が挙げられる。環状アルキル基としては、例
えばシクロヘキシル等が挙げられる。
【0118】さらに一般式(I)中のRa1、Ra2および
一般式(III)中のRb1、Rb2には、可能な限り置換基
を有しても良く、置換基として例えば、ハロゲン原子
(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキ
ル基(例えばメチル、エチル等)、アルコキシ基(例え
ばメトキシ、エトキシ等)、アミノ基(例えば無置換ア
ミノ、ジメチルアミノ等)スルフォニルアミノ基(例え
ばメチルスルフォニルアミノ等)、スルファモイル基
(例えば無置換スルファモイル等)、スルホニル基(例
えばメシル、トシル等)、スルフィニル基(例えばメチ
ルスルフィニル等)、アルキルオキシカルボニル基(例
えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、ヒ
ドロキシウレア基、シアノ基、スルホ基、チオスルホン
酸基、スルフィン酸基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、
ホスホノ基、ニトロ基、アンモニオ基、ホスホニオ基、
ヒドラジノ基等が挙げられる。また置換基が二つ以上あ
るときは同じでも異なっていてもよい。
【0119】ただし、一般式(I)中のRa1、Ra2およ
び一般式(III)中のRb1、Rb2は、その構造中にSi
−O結合を含んでいてはならない。本発明者の検討で
は、前記のRa1またはRa2の少なくともいずれか一方の
構造中にSi−O結合を含む一般式(I)の化合物およ
び、前記のRb1またはRb2のいずれか一方の構造中にS
i−O結合を含む一般式(III)の化合物を使用した場
合、前述の環境中で発生する燃焼ガスによるかぶりの度
合が感光材料の作製ロット間で大きくばらつき、しかも
写真感度についても比較的ばらつきが大きいという問題
があった。前記の問題が何故生じるのかについては明ら
かではないが、恐らく前記のSi−O結合部分がハロゲ
ン化銀乳剤中あるいはハロゲン化銀感光材料塗布液中の
環境下では不安定であるためではないかと考えられる。
前記のSi−O結合を含む一般式(I)および一般式(I
II)の化合物を使用する場合、これらの化合物が添加さ
れた後のハロゲン化銀乳剤もしくはハロゲン化銀感光材
料塗布液の温度、pH等の履歴を厳密に制御することに
より、前記の問題を回避することは可能ではある。しか
しながら、前記の温度、pH等の履歴の厳密な制御は製
造工程への負荷が大きく、工業的には困難であると思わ
れる。
【0120】本発明では化合物(I)のlogPの推算
値(logP’)が1.80〜4.30であり、化合物
(III)のlogPの推算値が−1.5〜−0.5であ
ると規定している。以下に本発明で用いているlogP
の推算値(logP’)について詳細に説明する。
【0121】logPとは親疎水性を表す物性値の一つ
であり、一般にはn−オクタノールと水との分配係数で
表されるが、この値を推算するためのプログラムも数多
く知られている。
【0122】本発明で既定している化合物(I)及び化
合物(III)のlogPの推算値(logP’)は、ハ
ードとしてアップル社製のマッキントッシュ(Maci
ntosh)を用い、ソフトとしてバイオバイト(Bi
obyte)社製のlogP推算ソフトであるMacl
ogP(バージョン2.0.3)を用いる事により推算
した値である。そのソフトはハンシュ−レオ(Hans
ch−Leo)のフラグメント法に基づいたCLOGP
というプログラムにより、化合物のlogPを推算する
システムであり、そのプログラムは世界的に広く使われ
ている。ハンシュ−レオ(Hansch−Leo)のフ
ラグメント法とは、化合物のフラグメントの値と補正項
(分子内相互作用等)の値の和でlogPを推算するも
のであり、フラグメントとしては、孤立炭素原子、孤立
炭素原子に結合している水素原子、もしくは各種官能基
(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシ基等)等の既定
値が使われ、補正項としては炭素鎖の長さ、環の大き
さ、分岐、飽和度、共役、芳香族性、及び近接相互作用
などの規定値が推算に用いられている。
【0123】以下に一般式(I)の好ましい例を示す。
【0124】一般式(I)中、Ra1が炭素数6〜14の
置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素数6〜1
4の置換もしくは無置換の環状アルキル基であり、Ra2
が炭素数1〜3の無置換アルキル基であり、かつ、lo
gP’が2.10〜3.80である事が好ましい。
【0125】さらに、一般式(I)中、Ra1が炭素数8
〜12の置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素
数6〜12の置換もしくは無置換の環状アルキル基であ
り、Ra2が炭素数1〜2の無置換アルキル基であり、か
つ、logP’が2.40〜3.30である事が好まし
い。
【0126】以下に一般式(III)の好ましい例を示
す。
【0127】一般式(III)中、Rb1が炭素数1〜5の
置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素数3〜8
の置換もしくは無置換の環状アルキル基であり、Ra2
炭素数1〜3の無置換アルキル基であり、かつ、log
P’が−1.30〜−0.60である事が好ましい。
【0128】さらに、一般式(III)中、Rb1が炭素数
1〜4の置換もしくは無置換のアルキル基であり、Ra2
が炭素数1〜2の無置換アルキル基であり、かつ、lo
gP’が−1.10〜−0.80である事がより好まし
い。
【0129】以下に本発明の一般式(I)および一般式
(III)で表される化合物の具体例を挙げるが、これに
よって本発明が制限されることはない。
【0130】本発明の一般式(I)の化合物の具体例
【0131】
【化15】
【0132】本発明の一般式(III)の化合物の具体例
【0133】
【化16】
【0134】本発明のこれらの化合物は、J.Org. Che
m., 27, 4054(’62), J.Amer. Chem.Soc., 73, 2981(’
51)、特公昭49−10692号等に記載の方法または
それに準じた方法によって容易に合成することができ
る。
【0135】本発明において、一般式(I)および一般
式(III)で表される化合物は、水、メタノール、エタ
ノールなどの水可溶性溶媒または、これらの混合溶媒に
溶解して添加しても、乳化分散により添加してもよい。
水に溶解する場合、pHを高くまたは低くした方が溶解
度が上がるものについては、pHを高くまたは低くして
溶解し、これを添加しても良いし、界面活性剤を共存さ
せることもできる。
【0136】本発明において、一般式(I)および一般
式(III)で表される化合物は好ましくは乳剤調製時に
添加される。乳剤調製時に添加する場合、その工程中の
いかなる場合に添加することも可能であり、その例を挙
げると、ハロゲン化銀の粒子形成工程、脱塩工程の開始
前、脱塩工程、化学熟成の開始前、化学熟成の工程、完
成乳剤調製前の工程などを挙げる事ができる。またこれ
らの工程中の複数回にわけて添加することもできる。好
ましくは化学増感前、化学増感中または化学増感終了後
に添加される。また乳剤を塗布する前に添加することも
できるし、塗布時に隣接層または他層に添加して該乳剤
層に拡散させて添加することもできる。
【0137】本発明においては、一般式(I)のlog
P’が1.80以上、かつ、4.30以下の化合物を感
光材料中に含有することが必須の要件である。一方、一
般式(III)のlogP’が−1.50以上、かつ、−
0.50以下の化合物は、前記の一般式(I)の化合物
がない場合には、環境中で発生する燃焼ガスによるかぶ
りを低減する効果が小さく、本発明の目的を達成するこ
とは困難であるが、前記の一般式(I)の化合物がある
場合には、前記の燃焼ガスによるかぶりを低減する効果
を増強する効果がある。特に感光材料が高温の環境下に
置かれた場合に、その効果が大きい。従って、本発明に
おいては、一般式(I)のlogP’が1.80以上、
かつ、4.30以下の化合物と一般式(III)のlog
P’が−1.50以上、かつ、−0.50以下の化合物
を併用することが好ましい。
【0138】前記の一般式(I)および一般式(III)の
化合物は、ヒドロキシウレア骨格を持つ同類の化合物で
ある。しかしながら、個々の化合物のlogP’がどの
程度であるかにより、言い換えれば個々の化合物の親疎
水性がどのようであるかにより、本発明の効果である環
境中で発生する燃焼ガスによるかぶりを低減する効果が
大きく異なることが、本発明者等の検討で明らかとなっ
た。前記の本発明の効果がlogP’により異なる理由
は、未だ明らかではないが、本発明者等は、以下のよう
に考えている。
【0139】たとえ個々の化合物が同類であっても、親
疎水性が異なると、感光材料中における存在場所が変わ
ることは十分あり得ると思われる。また、感光材料中で
の存在場所が変わることにより、ハロゲン化銀粒子に及
ぼす効果の大きさが変わることも十分あり得る。恐ら
く、前記の本発明の効果を明確に発現させようとするな
らば、前記のヒドロキシウレア骨格を持つ化合物をハロ
ゲン化銀粒子に近接した場所に位置させることが必要で
はないかと思われる。logP’が本発明の請求項1で
規定した範囲にある前記のヒドロキシウレア骨格を持つ
化合物は、恐らくハロゲン化銀粒子に近接した場所に位
置しやすいのではないかと思われる。なお、logP’
が本発明の請求項1で規定した範囲よりも大きく疎水性
が高すぎる場合は感材中存在する油滴に取り込まれやす
くなるために、logP’が本発明の請求項1で規定し
た範囲よりも小さく親水性が高すぎる場合は拡散性が大
きいために、共にハロゲン化銀粒子に近接した場所に位
置しにくくなるのではないかと考えられる。
【0140】一方、logP’が本発明の請求項4で規
定した範囲にあるヒドロキシウレア骨格を持つ化合物
を、前記のlogP’が本発明の請求項1で規定した範
囲にあるヒドロキシウレア骨格を持つ化合物と併用した
場合に、高温の環境下に置かれた場合の燃焼ガスによる
かぶりを抑制する効果が大きくなる現象は一見不可思議
に思える。前記のかぶりを引き起こす燃料ガス中には様
々な成分があり、恐らくかぶりを引き起こす主要因にな
っている成分と、前記の成分の働きを助長する成分があ
るのではないかと考えられる。そのうち、前記のかぶり
を引き起こす主要因になっている成分はハロゲン化銀に
近接した場所で防御する方が有効で、かぶりを助長する
成分はハロゲン化銀粒子から比較的離れた場所で防御す
る方が有効なのではないかと考えられる。logP’が
本発明の請求項4で規定した範囲にあるヒドロキシウレ
ア骨格を持つ化合物は、前記のかぶりを助長する成分を
防御することにとって、最適な場所に位置していると考
えることができる。また、恐らく、前記のかぶりを助長
する成分は、比較的高温の環境下で活性が高く、従っ
て、高温の環境下でlogP’が本発明の請求項4で規
定した範囲にあるヒドロキシウレア骨格を持つ化合物を
併用した効果が発現しやすいのではないかと思われる。
【0141】本発明において、前記の一般式(I)およ
び一般式(III)で表される化合物は、各々2種類以上
を併用しても良い。
【0142】本発明において、一般式(I)で表される
化合物の好ましい添加量は上述した添加法および添加す
る化合物にもよるが、塗布後の感光材料において全ての
層の感光性ハロゲン化銀乳剤1モル当たり2×10-5
ル以上6×10-3モル以下含有するように添加量を調節
することが好ましく、1×10-4モル〜2.5×10 -3
モル含有するように添加量を調節することがより好まし
い。添加量が少なすぎると前記の燃焼ガスによるかぶり
を低減する効果が小さくなり、逆に添加量が多すぎると
写真感度が低下する。
【0143】本発明において、一般式(III)で表され
る化合物の好ましい添加量は上述した添加法および添加
する化合物にもよるが、塗布後の感光材料において全て
の層の感光性ハロゲン化銀乳剤1モル当たり2×10-5
モル以上2×10-3モル以下含有するように添加量を調
節することが好ましく、1×10-4モル〜1.3×10
-3モル含有するように添加量を調節することがより好ま
しい。添加量が少なすぎると前記の一般式(I)の化合
物と併用することによる効果が小さくなり、逆に添加量
が多すぎると写真感度が低下する。
【0144】以下に一般式(IV)で表される化合物につ
いて詳細に説明する。
【0145】一般式(IV)において、R31、R32、R33
及びR34で表される置換基としては、アルキル基(好ま
しくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜20。例え
ばメチル、エチル、iso-プロピル。)、アラルキル基
(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは7〜2
0。例えばフェニルメチル。)、アルケニル基(好まし
くは炭素数2〜20、より好ましくは2〜10。例えば
アリル。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは1〜10。例えばメトキシ、エトキ
シ。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より
好ましくは6〜20)、アシルアミノ基(好ましくは炭
素数2〜30、より好ましくは2〜20。例えばアセチ
ルアミノ。)スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1
〜30、より好ましくは1〜20。例えばメタンスルホ
ニルアミノ。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜3
0、より好ましくは1〜20。例えばN−メチルウレイ
ド。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭
素数2〜30、より好ましくは2〜20。例えばメトキ
シカルボニルアミノ。)、アリールオキシカルボニルア
ミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは7
〜20。例えばフェニルオキシカルボニルアミノ
基。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜3
0、より好ましくは6〜20。例えばフェニルオキ
シ。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜3
0、より好ましくは0〜20。例えばメチルスルファモ
イル。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜3
0、より好ましくは1〜20。例えばカルバモイル、N
−メチルカルバモイル。)、メルカプト基、アルキルチ
オ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜
20。例えばメチルチオ、カルボキシメチルチオ。)、
アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ま
しくは6〜20。例えばフェニルチオ。)、スルホニル
基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜2
0。例えばメタンスルホニル。)、スルフィニル基(好
ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜20。例
えばメタンスルフィニル。)、ヒドロキシ基、ハロゲン
原子(例えば塩素、臭素、フッ素)、シアノ基、スルホ
基、カルボキシル基、ホスホノ基、アミノ基(好ましく
は炭素数0〜30、より好ましくは1〜20。例えばメ
チルアミノ。)、アリールオキシカルボニル基(好まし
くは炭素数7〜30、より好ましくは7〜20。)、ア
シル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは2
〜20。例えばアセチル、ベンゾイル。)、アルコキシ
カルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好まし
くは2〜20。例えばメトキシカルボニル。)、アシル
オキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは
2〜20。例えばアセトキシ。)、ニトロ基、ヒドロキ
サム酸基、ヘテロ環基(例えばピリジル、フリル、チエ
ニル)などが挙げられる。また、これらの置換基はさら
に置換されていてもよい。
【0146】R31、R32、R33及びR34で表される置換
基として好ましいものは、アルキル基、アルコキシ基、
ヒドロキシ基、ハロゲン原子、スルホ基、カルボキシル
基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アミノ基、アシルオキシ基であり、より好ましくはアル
キル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、スルホ基、カル
ボキシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウ
レイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオ
キシカルボニルアミノ基であり、特に好ましくは、アル
キル基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、スルホニルア
ミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、
アリールオキシカルボニルアミノ基である。
【0147】R32とR33は、同時にアルキル基の場合、
全く同じ炭素数の置換基をとることはない。例えば、R
33=t−C817、R32=n−C1531は有り得るが、
同時にR32、R33ともt−C817であることはない。
同じ種類の置換基となる場合、R32とR33の置換基の炭
素数の差が、好ましくは5以上であり、より好ましくは
10以上である。R31とR34もR32とR33の場合と同様
である。
【0148】R31、R32、R33及びR34のうち、好まし
くは1個以上3個以下が水素原子であり、より好ましく
は2個以上3個以下が水素原子である場合である。特に
好ましくは、3個水素原子の場合である。すなわち、一
般式(IV)で表される化合物のうち、より好ましくは一
般式(IV−a)であり、特に好ましくは一般式(IV−
b)で表される化合物である。
【0149】一般式(IV−a)
【0150】
【化17】
【0151】(式中、R32及びR33は、一般式(IV)の
それらと同義であり、好ましい範囲も同じである。)。
【0152】一般式(IV−b)
【0153】
【化18】
【0154】(式中、R33は、一般式(IV)のそれらと
同義であり、好ましい範囲も同じである。)。
【0155】また、置換基R33の構造に着目した場合、
一般式(IV)で表される化合物のうち下記一般式(IV−
c)で表される化合物が好ましい。
【0156】一般式(IV−c)
【0157】
【化19】
【0158】式中、R51、R52、R53及びR54は、それ
ぞれ水素原子又は置換基を表す。
【0159】R53で表される置換基としては、アルキル
基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜2
0。例えばメチル、エチル、iso-プロピル、−C
1225、−C1429、−C1633、−C1837。特に好
ましくは炭素数16以上20以下。)、アラルキル基
(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは7〜2
0。例えばフェニルメチル。)、アルケニル基(好まし
くは炭素数2〜30、より好ましくは2〜20。例えば
アリル。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、
より好ましくは6〜20。例えばフェニル。)、アシル
アミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは
2〜20。例えばアセチルアミノ。)、スルホニルアミ
ノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜
20。例えばメチルスルホニルアミノ。)、アミノスル
ホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ま
しくは1〜20。例えばメチルスルホニルアミノ)、ウ
レイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは
1〜20。例えばメチルウレイド。)、アルコキシカル
ボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ま
しくは2〜20。例えばメトキシカルボニルアミ
ノ。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましく
は炭素数7〜30、より好ましくは7〜20。例えばフ
ェニルオキシカルボニルアミノ。)、スルファモイル基
(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは0〜2
0。例えばメチルスルファモイル。)、カルバモイル基
(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜2
0。例えばカルバモイル、メチルカルバモイル。)、ア
ミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは0
〜20。例えば、アミノ、メチルアミノ。)、アルコキ
シ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜
20。例えばメトキシ、エトキシ。)、アリールオキシ
基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜2
0。例えばフェニルオキシ。)、アルキルチオ基(好ま
しくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜20。例え
ばメチルチオ、カルボキシメチルチオ)、アリールチオ
基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜2
0。例えばフェニルチオ)、ヒドラジノ基(好ましくは
炭素数1〜30、より好ましくは1〜20。例えばメチ
ルヒドラジノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜30、
より好ましくは1〜20。例えばフェニルアゾ)、ヘテ
ロ環基(例えばピリジル、フリル、チエニル)などが挙
げられる。また、これらの置換基はさらに置換されてい
てもよい。R53で表される置換基が、さらにアルキル基
やアルケニル基を置換基として持つ場合、直鎖、分岐、
環状のいずれでもよく、好ましくは直鎖又は分岐であ
る。より好ましくは直鎖である。
【0160】R53で表される置換基として好ましいもの
は、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基、ウレイ
ド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、アミノ基であり、より好ましくは
アルキル基、アリール基、アミノ基であり、最も好まし
くはアルキル基である。
【0161】R51、R52及びR54で表される置換基は、
前述の一般式(IV)のR31、R32及びR34で表わされる
置換基と同義である。
【0162】一般式(IV−c)で表される化合物のう
ち、好ましくは一般式(IV−d)であり、より好ましく
は一般式(IV−e)で表される化合物である。
【0163】一般式(IV−d)
【0164】
【化20】
【0165】式中、R52及びR53は一般式(IV−c)の
それらと同義であり、好ましい範囲も同じである。
【0166】一般式(IV−e)
【0167】
【化21】
【0168】式中、R53は一般式(IV−c)のそれと同
義であり、好ましい範囲も同じである。
【0169】以下に一般式(IV)で表される化合物の具
体例を示すがこれらに限定されるものではない。
【0170】
【化22】
【0171】
【化23】
【0172】
【化24】
【0173】
【化25】
【0174】
【化26】
【0175】
【化27】
【0176】
【化28】
【0177】
【化29】
【0178】
【化30】
【0179】
【化31】
【0180】
【化32】
【0181】
【化33】
【0182】
【化34】
【0183】
【化35】
【0184】
【化36】
【0185】一般式(IV)で表される化合物は、例えば
米国特許第2728659号、同2549118号、同
2732300号、ジャーナル オブ アメリカン ケ
ミカル ソサイエティ 111巻、20号、1989
年、7932頁(Journal of American Chemical Socie
ty,111,20,1989,7932)、シンセシス、12巻、199
5年、1549頁(Synthesis,12,1995,1549)、Q.J.Ph
arm.Pharmacol.,17,1944,325、Chem.Pharm.Bull.,14,19
66,1052、Chem.Pharm.Bull.,16,1968,853等に記載され
ている方法によって合成することができる。
【0186】一般式(IV−c)で表される化合物は、例
えば米国特許第2728659号、同2549118
号、同2732300号、ジャーナル オブ アメリカ
ン ケミカル ソサイエティ 111巻、20号、19
89年、7932頁(Journalof American Chemical So
ciety,111,20,1989,7932)、シンセシス、12巻、19
95年、1549頁(Synthesis,12,1995,1549)、Q.J.
Pharm.Pharmacol.,17,1944,325、Chem.Pharm.Bull.,14,
1966,1052、Chem.Pharm.Bull.,16,1968,853等に記載さ
れている方法によって合成することができる。
【0187】本発明の式(IV)で表される化合物は緑感
性乳剤層に添加するのが好ましい。緑感性乳剤層以外に
隣接層あるいは他層に添加することもできる。
【0188】本発明の式(IV)で表される化合物は公知
の分散法により乳化分散物として添加することが好まし
い。乳化分散する場合、色素形成カプラーまたは高沸点
有機溶媒など写真業界で一般的に用いられる添加剤と共
存させることができる。また微結晶分散物として添加す
ることもできる。
【0189】本発明の式(IV)で表される化合物の添加
量は添加乳剤層のハロゲン化銀1モル当たり、5×10
-4〜1モル、さらに好ましくは1×10-3〜5×10-1
モルである。
【0190】本発明の式(IV)で表される化合物は2種
以上混合して用いてもよい。
【0191】一般式(V)で表される化合物についてさ
らに詳細に説明する。
【0192】まず、Hyとして好ましく用いられる、R
1R2N−NR3R4で表わされるヒドラジン構造について
詳細に説明する。
【0193】R1、R2、R3およびR4は脂肪族炭化水素
基、アリール基またはヘテロ環基を表わす。また、R1
とR2、R3とR4、R1とR2、およびR2とR4が互いに
結合して環を形成してもよいが、芳香族ヘテロ環を形成
することはない。
【0194】ただし、R1、R2、R3及びR4の少なくと
も1つは一般式(III)における−(Q)k2−(He
t)k1が置換するための二価の脂肪族炭化水素基、アリ
ール基又はヘテロ環基である。
【0195】R1、R2、R3およびR4としては、例えば
炭素原子数1〜18、さらに好ましくは1〜8の無置換
脂肪族炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オ
クチル、ドデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シ
クロプロピル、シクロヘキシル)、炭素原子数1〜1
8、さらに好ましくは1〜8の置換脂肪族炭化水素基が
挙げられる。
【0196】ここで、置換基をVとすると、Vで示され
る置換基として特に制限はないが、例えばカルボキシ
基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ
素、塩素、臭素、沃素)、ヒドロキシ基、アルコキシカ
ルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、フェノキシカルボニル、ベンジルオキシカルボ
ニル)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ベ
ンジルオキシ、フェネチルオキシ)、、アリールオキシ
基(例えばフェノキシ、4−メチルフェノキシ、α−ナ
フトキシ)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、
プロピオニルオキシ)、アシル基(例えばアセチル、プ
ロピオニル、ベンゾイル、メシル)、カルバモイル基
(例えばカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイ
ル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニル)、
スルファモイル基(例えば、スルファモイル、N,N−
ジメチルスルファモイル、モルホリノスルホニル、ピペ
リジノスルホニル)、アリール基(例えばフェニル、4
−クロロフェニル、4−メチルフェニル、α−ナフチ
ル)、ヘテロ環基(例えば、2−ピリジル、テトラヒド
ロフルフリル、モルホリノ、2−チエニル)、アミノ基
(例えば、アミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、ジフェ
ニルアミノ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エ
チルチオ)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルス
ルホニル、プロピルスルホニル)、アルキルスルフィニ
ル基(例えばメチルスルフィニル)、ニトロ基、リン酸
基、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、アンモ
ニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリブチル
アンモニウム)、メルカプト基、ヒドラジノ基(例えば
トリメチルヒドラジノ)、ウレイド基(例えばウレイ
ド、N,N−ジメチルウレイド)、イミド基、不飽和炭
化水素基(例えば、ビニル、エチニル、1−シクロヘキ
セニル、ベンジリジン、ベンジリデン)、アリール基
(例えばフェニル、ナフチル)が挙げられる。置換基V
の炭素原子数は1〜18が好ましく、さらに好ましくは
1〜8である。またこれらの置換基上にさらにVが置換
していてもよい。
【0197】好ましい具体例は、脂肪族炭化水素基(例
えば、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル、3
−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、2−ス
ルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、
3−スルホブチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピ
ル、2−シアノエチル、2−クロロエチル、2−ブロモ
エチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピ
ル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メ
トキシエチル、2−エトキシエチル、2−エトキシカル
ボニルエチル、メトキシカルボニルメチル、2−メトキ
シエチル、2−エトキシエチル、2−フェノキシエチ
ル、2−アセチルオキシエチル、2−プロピオニルオキ
シエチル、2−アセチルエチル、3−ベンゾイルプロピ
ル、2−カルバモイルエチル、2−モルホリノカルボニ
ルエチル、スルファモイルメチル、2−(N,N−ジメ
チルスルファモイル)エチル、ベンジル、2−ナフチル
エチル、2−(2−ピリジル)エチル、アリル、3−ア
ミノプロピル、3−ジチルアミノプロピル、メチルチオ
メチル、2−メチルスルホニルエチル、メチルスルフィ
ニルメチル、2−アセチルアミノエチル、3−トリメチ
ルアンモニウムエチル、2−メルカプトエチル、2−ト
リメチルヒドラジノエチル、メチルスルホニルカルバモ
イルメチル、(2−メトキシ)エトキシメチルが挙げら
れる)、炭素原子数6〜18、さらに好ましくは6〜1
2のアリール基(例えばフェニル、α−ナフチル、β−
ナフチル、更には、例えば、前述の置換基V又は脂肪族
炭化水素基で置換されたフェニル、ナフチル)、炭素原
子数4〜18、さらに好ましくは4〜12のヘテロ環基
(例えば2−ピリジル、前述の置換基V又は脂肪族基で
置換された2−ピリジル)が好ましい。
【0198】R1、R2、R3およびR4としてさらに好ま
しくは、無置換脂肪族炭化水素基、置換脂肪族炭化水素
基、およびR1とR2、R3とR4、R1とR3、およびR
2、R4が互いに結合して環を構成する原子に炭素原子以
外(例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子)を含まな
いアルキレン基(アルキレン基は置換(例えば前述の置
換基V)されていてもよい)を形成する場合である。
【0199】R1、R2、R3およびR4としてさらに好ま
しくは、ヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素
原子が、無置換メチレン基の場合である。R1、R2、R
3、R4として特に好ましくは炭素原子数1〜6の無置換
アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル)、炭素原子数1〜8の置換アルキル基(例えばスル
ホアルキル基(例えば2−スルホエチル、3−スルホプ
ロピル、4−スルホブチル、3−スルホブチル)、カル
ボキシアルキル基(例えばカルボキシメチル、2−カル
ボキシエチル)、ヒドロキシアルキル基(例えば2−ヒ
ドロキシエチル))およびR1とR2、R3とR4、R1と
R3、およびR2とR4がアルキレン鎖により互いに結合
して、5員環、6員環および7員環を形成する場合であ
る。
【0200】R1R2N−NR3R4で表わされるヒドラジ
ン基には少なくとも1つの−(Q)k2−(Het)k1が
置換している。その置換位置はR1、R2、R3およびR4
のいずれでもよい。
【0201】なお、R1R2N−NR3R4で表わされるヒ
ドラジン化合物は、合成上、および保存上有利な場合、
塩として単離しても何ら差しつかえない。このような場
合、ヒドラジン類と塩を形成しうる化合物なら、どのよ
うな化合物でも良いが、好ましい塩としては次のものが
挙げられる。
【0202】例えば、アリールスルホン酸塩(例えばp
−トルエンスルホン酸塩、p−クロルベンゼンスルホン
酸塩)、アリールジスルホン酸塩(例えば1,3−ベン
ゼンジスルホン酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸
塩、2,6−ナフタレンジスルホン酸塩)、チオシアン
酸塩、ピクリン酸塩、カルボン酸塩(例えばシュウ酸
塩、酢酸塩、安息香酸塩、シュウ酸水素塩)、ハロゲン
酸塩(例えば塩化水素酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素
酸塩、ヨウ化水素酸塩)、硫酸塩、過塩素酸塩、テトラ
フルオロホウ酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸
塩、重炭酸塩である。
【0203】好ましくは、シュウ酸水素塩、シュウ酸
塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、塩化水素酸塩
である。
【0204】更に、本発明のR1R2N−NR3R4で表わ
される化合物は、下記一般式(Hy−1)、(Hy−
2)および(Hy−3)から選ばれた化合物であると
き、特に好ましい。
【0205】
【化37】
【0206】式中、R5、R6、R7およびR8は脂肪族
基、アリール基または複素環基を表わす。また、R5
6、R7とR8が互いに結合して環を形成していてもよ
い。
【0207】Z1は炭素原子数4、5または6のアルキ
レン基を表わす。
【0208】Z2は炭素原子数2のアルキレン基を表わ
す。
【0209】Z3は炭素原子数1または2のアルキレン
基を表わす。
【0210】Z4およびZ5は炭素原子数3のアルキレン
基を表わす。
【0211】L1およびL2はメチン基を表わす。
【0212】また、一般式(Hy−1)、(Hy−2)
および(Hy−3)には、それぞれ少なくとも1つの−
(Q)k2−(Het)k1が置換している。
【0213】さらに好ましくは、一般式(Hy−1)お
よび(Hy−2)から選ばれた化合物であり、特に好ま
しくは一般式(Hy−1)から選ばれた化合物である。
【0214】以下に一般式(Hy−1)について詳細に
説明する。
【0215】R5およびR6はR1、R2、R3および4と
同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0216】特に好ましくは、アルキル基およびR5
6が互いに結合して、無置換テトラメチレン基または
ペンタメチレン基を形成する場合である。
【0217】Z1は炭素原子数4、5または6のアルキ
レン基を表わし、好ましくは炭素原子数4または5のア
ルキレン基の場合である。
【0218】ただし、ヒドラジンの窒素原子に直接結合
している炭素原子にオキソ基が置換していることはな
い。
【0219】また、このアルキレン基は無置換でも置換
されていても良い。置換基としては例えば前述の置換基
Vが挙げられるが、ヒドラジンの窒素原子に直接結合し
ている炭素原子は無置換メチレン基である場合が好まし
い。
【0220】Z1として特に好ましくは、無置換テトラ
メチレン基または無置換ペンタメチレン基である。
【0221】一般式(Hy−1)で表わされるヒドラジ
ン基には少なくとも1つの −(Q)k2−(Het)k1
が置換している。その置換位置はR5、R6およびZ1
いずれでも よい。好ましくは、R5およびR6である。
【0222】以下に一般式(Hy−2)について詳細に
説明する。
【0223】R7およびR8はR1、R2、R3およびR4と
同義であり、好ましい範囲も同様である。特に好ましく
は、アルキル基およびR7とR8が互いに結合してトリメ
チレン基を形成する場合である。
【0224】Z2は炭素原子数2のアルキレン基を表わ
す。Z3は炭素原子数1または2のアルキレン基を表わ
す。また、これらのアルキレン基は無置換でも置換され
ていても良い。置換基としては、例えば前述の置換基V
が挙げられる。
【0225】Z2としてさらに好ましくは、無置換エチ
レン基である。Z3としてさらに好ましくは、無置換メ
チレン基およびエチレン基である。L1およびL2は互い
に独立して置換又は無置換のメチン基を表わす。置換基
としては、例えば前述の置換基Vが挙げられ、好ましく
は無置換アルキル基(例えばメチル、t−ブチル)であ
る。さらに好ましくは無置換メチン基である。
【0226】一般式(Hy−2)で表わされるヒドラジ
ン基には少なくとも1つの −(Q)k2−(Het)k1
が置換している。その置換位置はR7、R8、Z2、Z3
1およびL2いずれでもよい。好ましくはR7およびR8
である。
【0227】一般式(Hy−3)について詳細に説明す
る。Z4およびZ5は互いに独立して炭素原子数3のアル
キレン基を表わす。
【0228】ただしヒドラジンの窒素原子に直接結合し
ている炭素原子にオキソ基が置換していることはない。
【0229】また、これらのアルキレン基は無置換でも
置換されていても良い。置換基としては例えば前述の置
換基Vが挙げられるが、ヒドラジンの窒素原子に直接結
合している炭素原子は、無置換メチレン基である場合が
好ましい。
【0230】Z4およびZ5として特に好ましくは、無置
換トリメチレン基、無置換アルキル基、置換トリメチレ
ン基(例えば2, 2−ジメチルトリメチレン)である。
【0231】一般式(Hy−3)で表わされるヒドラジ
ン基には少なくとも1つの−(Q)k2−(Het)k1が
置換している。その置換位置はZおよびZいずれで
もよい。
【0232】一般式(Hy−1)、(Hy−2)および
(Hy−3)で表わされる化合物は、R1R2N−NR3
RR4で表される化合物と同様に塩として単離しても差
しつかえない。塩としては、R1R2N−NR3R4で示し
た塩と同様なものが挙げられる。好ましくは、シュウ酸
水素塩、シュウ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸
塩、塩化水素酸塩である。
【0233】一般式(V)において、Hetで示される
基は、下記の〜のいずれかの構造を持つ。
【0234】 ヘテロ原子を2つ以上持つ5、6また
は7員の複素環 4級窒素原子を持つ下記Aで表わされる5、6また
は7員の含窒素複素環 チオキソ基を持つ下記Bで表わされる5、6または
7員の含窒素複素環 下記Cで表わされる5、6または7員の含窒素複素
環 下記DおよびEで表わされる5、6または7員の含
窒素複素環。
【0235】
【化38】
【0236】Raとして好ましくは前述のR1、R2、R3
およびR4の脂肪族基の例として示したものが挙げられ
る。
【0237】Zaを環構成原子団として含む含窒素ヘテ
ロ環は、少なくとも1個の窒素原子を含み、他に窒素原
子以外のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、セレン、テ
ルル)を含んでいてもよい5員、6員または7員のヘテ
ロ環であり、好ましくはアゾール環(例えばイミダゾー
ル、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、チア
ゾール、セレナゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾト
リアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、
チアジアゾール、オキサジアゾール、ベンゾセレナゾー
ル、ピラゾール、ナフトチアゾール、ナフトイミダゾー
ル、ナフトオキサゾール、アザベンゾイミダゾール、プ
リン)、ピリミジン環、トリアジン環、アザインデン環
(例えば、トリアザインデン、テトラザインデン、ペン
タアザインデン)などが挙げられる。
【0238】ただし、Hetで示される基には少なくと
も1つの−(Q)k2−(Hy)が置換している。
【0239】Hetとしてさらに好ましいものは、下記
の一般式(Het−a)、(Het−b)、(Het−
c)、(Het−d)および(Het−e)で表わされ
る化合物である。
【0240】
【化39】
【0241】
【化40】
【0242】
【化41】
【0243】
【化42】
【0244】
【化43】
【0245】式中、R11、R12、R13、R14、R15およ
びR16は水素原子または1価の置換基を表わす。
【0246】R24は脂肪族炭化水素基、アリール基また
はヘテロ環基を表わす。Xは水素原子、アルカリ金属
原子、アンモニウム基またはブロック基を表わす。
【0247】Y1は酸素原子、硫黄原子、>NH、>N
−(L4)p3−R28であり、L3、L4は2価の連結基を表
わし、R25、R28は水素原子、脂肪族基、アリール基ま
たは複素環基を表わす。
【0248】X2はX1と同義である。p2 およびp3 は
0〜3の整数である。Z7は5員または6員の含窒素複
素環を形成するのに必要な原子群を表わす。
【0249】R26は脂肪族炭化水素基を表わす。R27
水素原子または脂肪族炭化水素基を表わす。
【0250】ただし、一般式(Het−a)〜(Het
−e)には、それぞれ少なくとも1つの−(Q)k2−
(Hy)が置換している。ただし、一般式(Het−
c)、(Het−d)のX、Xに置換することはな
い。
【0251】一般式(Het−a)〜(Het−e)の
うち、好ましくは一般式(Het−a)、(Het−
c)および(Het−d)であり、さらに好ましくは一
般式(Het−c)である。
【0252】次に、一般式(Het−a)〜(Het−
e)について更に詳細に説明する。
【0253】R11、R12、R13、R14、R15およびR16
は水素原子または1価の置換基を表わす。1価の置換基
としては、前述のR1、R2、R3、R4およびVの好まし
い例として挙げた置換基などを挙げることができる。
【0254】さらに好ましくは、低級アルキル基(好ま
しくは置換または無置換の炭素数1〜4個のもの、例え
ばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−
ブチル、t−ブチル、メトキシエチル、ヒドロキシエチ
ル、ヒドロキシメチル、ビニル、アリル)、カルボキシ
基、アルコキシ基(好ましくは置換または無置換の炭素
数1〜5個のもの、例えばメトキシ、エトキシ、メトキ
シエトキシ、ヒドロキシエトキシ)、アラルキル基(好
ましくは置換または無置換の炭素数7〜12個のもの、
例えばベンジル、フェネチル、フェニルプロピル)、ア
リール基(好ましくは置換または無置換の炭素数6〜1
2個のもの、例えばフェニル、4−メチルフェニル、4
−メトキシフェニル)、ヘテロ環基(例えば2−ピリジ
ル)、アルキルチオ基(好ましくは置換または無置換の
炭素数1〜10のもの、例えばメチルチオ、エチルチ
オ)、アリールチオ基(好ましくは置換または無置換の
炭素数6〜12のもの、例えばフェニルチオ)、アリー
ルオキシ基(好ましくは置換または無置換の炭素数6〜
12のもの、例えばフェノキシ)、炭素原子数3以上の
アルキルアミノ基(例えば、プロピルアミノ、ブチルア
ミノ)、アリールアミノ基(例えば、アニリノ)、ハロ
ゲン原子(例えば、塩素、臭素、フッ素)、または下記
置換基が挙げられる。
【0255】
【化44】
【0256】ここで、L5、L6およびL7はアルキレン
基(好ましくは、炭素数1〜5のもの、例えばメチレン
基、プロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基)で示
す連結基を表わす。
【0257】R29とR30はそれぞれ同一でも異なってい
てもよく、水素原子、脂肪族炭化水素基(好ましくは置
換または無置換の炭素数1〜10のもの、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、t−ブチル、n−オクチル、メトキシエチル、ヒド
ロキシエチル、アリル、プロパルギル)、アラルキル基
(好ましくは、置換または無置換の炭素数7〜12のも
の、例えばベンジル、フェネチル、ビニルベンジル)、
アリール基(好ましくは置換または無置換の炭素数6〜
12個のもの、例えばフェニル、4−メチルフェニ
ル)、またはヘテロ環基(例えば2−ピリジル)を表わ
す。
【0258】R24の脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘ
テロ環基は無置換でも置換されていてもよい。好ましく
はR1、R2、R3、R4およびVとして挙げた置換基など
を挙げることができる。
【0259】さらに好ましくは、ハロゲン原子(例えば
塩素、臭素、フッ素)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基(例えばメトキシ)、アリール基
(例えばフェニル)、アシルアミノ基(例えばプロピオ
ニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば
メトキシカルボニルアミノ)、ウレイド基、アミノ基、
ヘテロ環基(例えば2−ピリジル)、アシル基(例えば
アセチル)、スルファモイル基、スルホンアミド基、チ
オウレイド基、カルバモイル基、アルキルチオ基(例え
ばメチルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチ
オ、ヘテロ環チオ基(例えば2−ベンゾチアゾリルチ
オ)、カルボン酸基、スルホン酸基またはそれらの塩な
どを挙げることができる。
【0260】上記のウレイド基、チオウレイド基、スル
ファモイル基、カルバモイル基、アミノ基はそれぞれ無
置換のもの、N−アルキル置換のもの、N−アリール置
換のものを含む。
【0261】アリール基の例としてはフェニル基や置換
フェニル基があり、この置換基としては前述のR1、R
2、R3、R4およびVの好ましい例として挙げた置換基
などを挙げることができる。
【0262】X1およびX2で表わされるアルカリ金属原
子とは、例えばナトリウム原子、カリウム原子であり、
アンモニウム基とは、例えばテトラメチルアンモニウ
ム、トリメチルベンジルアンモニウムである。またブロ
ック基とは、アルカリ条件下で開裂しうる基のことで、
例えばアセチル基、シアノエチル基、メタンスルホニル
エチル基を表わす。
【0263】L3、L4で表わされる2価の連結基の具体
例としては、以下の連結基またはこれらを組合せたもの
を挙げることができる。
【0264】
【化45】
【0265】R31、R32、R33、R34、R35、R36、R
37、R38、R39およびR40は水素原子、脂肪族炭化水素
基(好ましくは、置換または無置換の炭素数1〜4個の
もの、例えば、メチル、エチル、n−ブチル、メトキシ
エチル、ヒドロキシエチル、アリル)またはアラルキル
基(好ましくは置換または無置換の炭素数7〜12個の
もの、例えばベンジル、フェネチル、フェニルプロピ
ル)を表す。
【0266】R25およびR28は、前述のR24で示したも
のと同様のものが好ましい。
【0267】Z7を環構成原子団として有するヘテロ環
基として好ましくは、チアゾリウム類(例えばチアゾリ
ウム、4−メチルチアゾリウム、ベンゾチアゾリウム、
5−メチルベンゾチアゾリウム、5−クロロベンゾチア
ゾリウム、5−メトキシベンゾチアゾリウム、6−メチ
ルベンゾチアゾリウム、6−メトキシベンゾチアゾリウ
ム、ナフト〔1,2−d〕チアゾリウム、ナフト〔2,
1−d〕チアゾリウム)、オキサゾリウム類(例えばオ
キサゾリウム、4−メチルオキサゾリウム、ベンゾオキ
サゾリウム、5−クロロベンゾオキサゾリウム、5−フ
ェニルベンゾオキサゾリウム、5−メチルベンゾオキサ
ゾリウム、ナフト〔1,2−d〕オキサゾリウム)、イ
ミダゾリウム類(例えば1−メチルベンゾイミダゾリウ
ム、1−プロピル−5−クロロベンゾイミダゾリウム、
1−エチル−5,6−シクロロベンゾイミダゾリウム、
1−アリル−5−トリフロロメチル−6−クロロ−ベン
ゾイミダゾリウム)、セレナゾリウム類(例えばベンゾ
セレナゾリウム、5−クロロベンゾセレナゾリウム、5
−メチルベンゾセレナゾリウム、5−メトキシベンゾセ
レナゾリウム、ナフト〔1,2−d〕セレナゾリウム)
などが挙げられる。
【0268】特に好ましくはチアゾリウム類(例えば、
ベンゾチアゾリウム、5−クロロベンゾチアゾリウム、
5−メトキシベンゾチアゾリウム、ナフト〔1,2−
d〕チアゾリウム)である。
【0269】R26およびR27として好ましくは、水素原
子、炭素数1〜18の無置換のアルキル基(例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、
デシル、ドデシル、オクタデシル)、または置換アルキ
ル基(置換基として例えば、ビニル基、カルボキシ基、
スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩
素、臭素である。)、ヒドロキシ基、炭素数1〜8のア
ルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンジルオ
キシカルボニル)、炭素数1〜8のアルコキシ基(例え
ばメトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、フェネチルオ
キシ)、炭素数6〜10の単環式のアリールオキシ基
(例えばフェノキシ、p−トリルオキシ)、炭素数1〜
3のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、プロピオ
ニルオキシ)、炭素数1〜8のアシル基(例えばアセチ
ル、プロピオニル、ベンゾイル、メシル)、カルバモイ
ル基(例えばカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモ
イル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカルボニ
ル)、スルファモイル基(例えばスルファモイル、N,
N−ジメチルスルファモイル、モルホリノスルホニル、
ピペリジノスルホニル)、炭素数6〜10のアリール基
(例えばフェニル、4−クロルフェニル、4−メチルフ
ェニル、α−ナフチル)で置換された炭素数1〜18の
アルキル基)が挙げられる。ただし、R26が水素原子で
あることはない。
【0270】さらに好ましくは、R26は無置換アルキル
基(例えば、メチル、エチル)、アルケニル基(例えば
アリル)であり、R27は水素原子および無置換低級アル
キル基(例えば、メチル、エチル)である。
【0271】M1、m1は、一般式(Het−e)で表わ
される化合物のイオン電荷を中性にするために必要であ
るとき、陽イオンまたは陰イオンの存在または不存在を
示すために式の中に含められている。ある色素が陽イオ
ン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷をも
つかどうかは、その助色団および置換基に依存する。典
型的な陽イオンは無機または有機のアンモニウムイオン
およびアルカリ金属イオンであり、一方陰イオンは具体
的に無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであっ
てもよく、例えばハロゲン陰イオン(例えば弗素イオ
ン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、置換ア
リールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン
酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、ア
リールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジ
スルホン酸イオン)、1,5−ナフタレンジスルホン酸
イミド、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、ア
ルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)、硫酸イ
オン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフ
ルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、
トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。
【0272】好ましくは、アンモニウムイオン、ヨウ素
イオン、臭素イオン、p−トルエンスルホン酸イオンで
ある。
【0273】一般式(Het−a)〜(Het−e)で
表わされる含窒素ヘテロ環には、それぞれ少なくとも1
つの−(Q)k2−(Hy)が置換している。その置換位
置は、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R24、R
25、R26、Y1、L3およびZ 7などである。
【0274】一般式(V)において、Qは炭素原子、窒
素原子、硫黄原子、酸素原子のうち、少なくとも1種を
含む原子または原子団からなる2価の連結基を表わす。
【0275】好ましくは、炭素数1〜8のアルキレン基
(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、ペンチレン)、炭素数6〜12のアリーレン基(例
えば、フェニレン、ナフチレン)、炭素数2〜8のアル
ケニレン基(例えば、エチニレン、プロペニレン)、ア
ミド基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エス
テル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、
チオエーテル基、エーテル基、カルボニル基、−N(R
0)−(R0 は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアリール基を表わす。)、ヘ
テロ環2価基(例えば、6−クロロ−1,3,5−トリ
アジン−2,4−ジイル、ピリミジン−2,4−ジイ
ル、キノキサリン−2,3−ジイル)を1つまたはそれ
以上組合せて構成される炭素数4〜20の2価の連結基
を表わす。さらに好ましくはウレイド基、エステル基、
アミド基である。
【0276】一般式(V)において、k1およびk3は好
ましくは1または2である。より好ましくは、k1、k2
およびk3がいずれも1の場合である。
【0277】k1またはk3が2以上のとき、Hy、He
tはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0278】本発明の一般式(V)で表される化合物に
おいて、より好ましい化合物は下記一般式(V−A)、
(V−B)、(V−C)、(V−D)及び(V−E)で表さ
れる。
【0279】
【化46】
【0280】更に、本発明の特に好ましい化合物は下記
一般式(V−F)で表わされる。
【0281】
【化47】
【0282】式(V−A)〜式(V−F)中、Qaは一般
式(V)のQと同義である。Zbは一般式(Hy−1)の
1と同義である。X1、Y1、L3、Z7は、一般式(H
et−c)〜(Het−e)のそれらと同義である。
【0283】R41は1価の置換基を表わす。
【0284】R42は脂肪族炭化水素基、アリール基又は
ヘテロ環基を表す。R43およびR44は水素原子又は1価
の置換基を表わす。n1は0〜4の整数を表わす。n2は
0または1を表わす。n3は1〜6の整数を表わす。
【0285】n1およびn3が2以上のとき、R41および
C(R43)(R44)がくり返されるが同一である必要はな
い。
【0286】更に、詳述すると、Qaは一般式(V)のQ
と同様のものが好ましく、さらに好ましくは、ウレイド
基、エステル基又はアミド基である。
【0287】Zbは、一般式(Hy−1)のZ1と同様の
ものが好ましく、さらに好ましくは無置換テトラメチレ
ン基、ペンタメチレン基である。
【0288】R41はR11と同様のものが好ましい。
【0289】R42はR1、R2、R3およびR4と同様のも
のが好ましく、特に好ましくは炭素数1〜4の無置換ア
ルキル基(例えばメチル、エチル)である。
【0290】R43およびR44はR11と同様のものが好ま
しく、特に好ましくは水素原子である。
【0291】n2として好ましくは1である。n3として
好ましくは2〜4である。
【0292】次に、本発明の一般式(V)の化合物の典
型的な例を挙げるが、これに限定されるものではない。
【0293】
【化48】
【0294】
【化49】
【0295】
【化50】
【0296】
【化51】
【0297】
【化52】
【0298】
【化53】
【0299】
【化54】
【0300】
【化55】
【0301】
【化56】
【0302】
【化57】
【0303】本発明に用いられる一般式(V)のHet
は、米国特許第3,266,897号、ベルギー特許第
671,402号、特開昭60−138548号、特開
昭59−68732号、特開昭59−123838号、
特公昭58−9939号、特開昭59−137951
号、特開昭57−202531号、特開昭57−164
734号、特開昭57−14836号、特開昭57−1
16340号、米国特許第4,418,140号、特開
昭58−95728号、特開昭55−79436号、O
LS2,205,029号、OLS1,962,605
号、特開昭55−59463号、特公昭48−1825
7号、特公昭53−28084号、特開昭53−487
23号、特公昭59−52414号、特開昭58−21
7928号、特公昭49−8334号、米国特許第3,
598,602号、米国特許第887,009号、英国
特許第965,047号、ベルギー特許第737809
号、米国特許第3,622,340号、特開昭60−8
7322号、特開昭57−211142号、特開昭58
−158631号、特開昭59−15240号、米国特
許3,671,255号、特公昭48−34166号、
特公昭48−322112号、特開昭58−22183
9号、特公昭48−32367号、特開昭60−130
731号、特開昭60−122936号、特開昭60−
117240号、米国特許3,228,770号、特公
昭43−13496号、特公昭43−10256号、特
公昭47−8725号、特公昭47−30206号、特
公昭47−4417号、特公昭51−25340号、英
国特許1,165,075号、米国特許3,512,9
82号、米国特許1,472,845号、特公昭39−
22067号、特公昭39−22068号、米国特許
3,148,067号、米国特許3,759,901
号、米国特許3,909,268号、特公昭50−40
665号、特公昭39−2829号、米国特許3,14
8,066号、特公昭45−22190号、米国特許
1,399,449号、英国特許1,287,284
号、米国特許3,900,321号、米国特許3,65
5,391号、米国特許3,910,792号、英国特
許1,064,805号、米国特許3,544,336
号、米国特許4,003,746号、英国特許1,34
4,525号、英国特許972,211号、特公昭43
−4136号、米国特許3,140,178号、仏国特
許2,015,456号、米国特許3,114,637
号、ベルギー特許681,359号、米国特許3,22
0,839号、英国特許1,290,868号、米国特
許3,137,578号、米国特許3,420,670
号、米国特許2,759,908号、米国特許3,62
2,340号、OLS2,501,261号、DAS
1,772,424号、米国特許3,157,509
号、仏国特許1,351,234号、米国特許3,63
0,745号、仏国特許2,005,204号、独国特
許1,447,796号、米国特許3,915,710
号、特公昭49−8334号、英国特許1,021,1
99号、英国特許919,061号、特公昭46−17
513号、米国特許3,202,512号、OLS2,
553,127号、特開昭50−104927号、仏国
特許1,467,510号、米国特許3,449,12
6号、米国特許3,503,936号、米国特許3,5
76,638号、仏国特許2,093,209号、英国
特許1,246,311号、米国特許3,844,78
8号、米国特許3,535,115号、英国特許1,1
61,264号、米国特許3,841,878号、米国
特許3,615,616号、特開昭48−39039
号、英国特許1,249,077号、特公昭48−34
166号、米国特許3,671,255号、英国特許1
459160号、特開昭50−6323号、英国特許
1,402,819号、OLS2,031,314号、
リサーチディスクロージャー13651号、米国特許
3,910,791号、米国特許3,954,478
号、米国特許3,813,249号、英国特許1,38
7,654号、特開昭57−135945号、特開昭5
7−96331号、特開昭57−22234号、特開昭
59−26731号、OLS2,217,153号、英
国特許1,394,371号、英国特許1,308,7
77号、英国特許1,389,089号、英国特許1,
347,544号、独国特許1,107,508号、米
国特許3,386,831号、英国特許1,129,6
23号、特開昭49−14120号、特公昭46−34
675号、特開昭50−43923号、米国特許3,6
42,481号、英国特許1,269,268号、米国
特許3,128,185号、米国特許3,295,98
1号、米国特許3,396,023号、米国特許2,8
95,827号、特公昭48−38418号、特開昭4
8−47335号、特開昭50−87028号、米国特
許3,236,652号、米国特許3,443,951
号、英国特許1,065,669号、米国特許3,31
2,552号、米国特許3,310,405号、米国特
許3,300,312号、英国特許952,162号、
英国特許952,162号、英国特許948,442
号、特開昭49−120628号、特公昭48−353
72号、特公昭47−5315号、特公昭39−187
06号、特公昭43−4941号、特開昭59−345
30号などに記載されており、これらを参考にして合成
することができる。
【0304】本発明の一般式(V)におけるHyは種々
の方法で合成できる。例えば、ヒドラジンをアルキル化
する方法により合成できる。アルキル化の方法として
は、ハロゲン化アルキルおよびスルホン酸アルキルエス
テルを用いて置換アルキル化する方法、カルボニル化合
物と水素化シアノホウ素ナトリウムを用いて還元的にア
ルキル化する方法、およびアシル化した後水素化リチウ
ムアルミニウムを用いて還元する方法などが知られてい
る。例えば、エス・アール・サンドラー(S.R.Sandle
r)、ダブリュー・カロ(W.Karo)、「オーガニック・フ
ァンクショナル・グループ・プレパレーションズ(Orga
nic Fanctional Group Preparation)」第1巻、第14
章、434〜465頁(1968年)、アカデミック・プレス(Ac
ademic Press)社刊、イー・エル・クレナン(E.L.Clen
nan)等ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・
ソサイェティー(Journal of The American Chemical S
ociety)第112巻第13号5080頁(1990年)などに記載さ
れおり、それらを参照すれば合成できる。
【0305】また、−(Q)k2−(Hy)部分のアミド
結合形成反応およびエステル結合形成反応をはじめとす
る結合形成反応は有機化学において知られている方法を
利用することができる。すなわちHetとHyを連結せ
しめる方法、Hetの合成原料及び中間体にHyを連結
せしめてからHetを合成する方法、逆にHyの合成原
料及び中間体をHet部分に連結せしめた後にHyを合
成する方法などいずれの方法でもよく、適宜選択して合
成できる。これらの連結のための合成反応については、
例えば日本化学会編、新実験化学講座14、有機化合物の
合成と反応、I−V巻、丸善、東京(1977年)、小方芳
郎、有機反応論、丸善、東京(1962年)L.F.Fieser and
M.Fieser, Advanced Organic Chemistry、丸善、東京
(1962年)など、多くの有機合成反応における成書を参
考にすることができる。
【0306】より具体的には、特開平7−134351
号の実施例1〜2に示した方法などで合成することがで
きる。
【0307】本発明の一般式(V)で表される化合物は
乳剤層に添加されることが好ましく、乳剤調製時に添加
することがより好ましい。本発明の一般式(V)で表さ
れる化合物は、乳剤層のうち緑感性層に添加されること
がさらに好ましい。
【0308】乳剤調製時に添加する場合、その工程中の
いかなる場合に添加することも可能であり、その例を挙
げると、ハロゲン化銀の粒子形成工程、脱塩工程の開始
前、脱塩工程、化学熟成の開始前、化学熟成の工程、完
成乳剤調製前の工程などを挙げる事ができる。またこれ
らの工程中の複数回にわけて添加することもできる。
【0309】本発明の一般式(V)で表される化合物
は、水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒ま
たはこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好まし
い。水に溶解する場合、pHを高くまたは低くした方が
溶解度が上がる化合物については、pHを高くまたは低
くして溶解し、これを添加してもよい。
【0310】一般式(V)で表わされる化合物は、乳剤
層に使用するのが好ましいが、乳剤層とともに保護層や
中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
【0311】本発明の一般式(V)で表わされる化合物
の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好まし
くはハロゲン化銀1モル当たり、1×10-9〜5×10
-2モル、さらに好ましくは1×10-8〜2×10-3モル
の割合でハロゲン化銀乳剤中に含有する。
【0312】本発明の乳剤ならびにその乳剤を用いた写
真感光材料に使用することができる層配列等の技術、ハ
ロゲン化銀乳剤、色素形成カプラー、DIRカプラー等
の機能性カプラー、各種の添加剤等、及び現像処理につ
いては、欧州特許第0565096A1号(1993年
10月13日公開)及びこれに引用された特許に記載さ
れている。以下に各項目とこれに対応する記載個所を列
記する。
【0313】1.層構成:61頁23〜35行、61頁
41行〜62頁14行 2.中間層:61頁36〜40行、 3.重層効果付与層:62頁15〜18行、 4.ハロゲン化銀ハロゲン組成:62頁21〜25行、 5.ハロゲン化銀粒子晶癖:62頁26〜30行、 6.ハロゲン化銀粒子サイズ:62頁31〜34行、 7.乳剤製造法:62頁35〜40行、 8.ハロゲン化銀粒子サイズ分布:62頁41〜42
行、 9.平板粒子:62頁43〜46行、 10.粒子の内部構造:62頁47行〜53行、 11.乳剤の潜像形成タイプ:62頁54行〜63頁5
行、 12.乳剤の物理熟成・化学熟成:63頁6〜9行、 13.乳剤の混合使用:63頁10〜13行、 14.かぶらせ乳剤:63頁14〜31行、 15.非感光性乳剤:63頁32〜43行、 16.塗布銀量:63頁49〜50行、 17.写真用添加剤:リサーチ・ディスクロージャ(R
D)Item17643(1978年12月)、同Item18
716(1979年11月)及び同Item307105
(1989年11月)に記載されており、下記に各項目
およびこれに関連する記載個所を示す。
【0314】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2 感度上昇剤 648頁右欄 3 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868 頁 強色増感剤 〜 649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5 カブリ防止剤、 24〜25頁 649頁右欄 868〜 870頁 安定剤 6 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料、 〜650 頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650左欄〜右欄 872頁 8 色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 10 バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 12 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜 876頁 表面活性剤 13 スタチック 27頁 650頁右欄 876〜 877頁 防止剤 14 マット剤 878〜879頁。
【0315】18.ホルムアルデヒドスカベンジャー:6
4頁54〜57行、 19.メルカプト系かぶり防止剤:65頁1〜2行、 20.かぶらせ剤等放出剤:65頁3〜7行、 21.色素:65頁7〜10行、 22.カラーカプラー全般:65頁11〜13行、 23.イエロー、マゼンタ及びシアンカプラー:65頁1
4〜25行、 24.ポリマーカプラー:65頁26〜28行、 25.拡散性色素形成カプラー:65頁29〜31行、 26.カラードカプラー:65頁32〜38行、 27.機能性カプラー全般:65頁39〜44行、 28.漂白促進剤放出カプラー:65頁45〜48行、 29.現像促進剤放出カプラー:65頁49〜53行、 30.その他のDIRカプラー:65頁54行〜66頁4
行、 31.カプラー分散方法:66頁5〜28行、 32.防腐剤・防かび剤:66頁29〜33行、 33.感材の種類:66頁34〜36行、 34.感光層膜厚と膨潤速度:66頁40行〜67頁1
行、 35.バック層:67頁3〜8行、 36.現像処理全般:67頁9〜11行、 37.現像液と現像薬:67頁12〜30行、 38.現像液添加剤:67頁31〜44行、 39.反転処理:67頁45〜56行、 40.処理液開口率:67頁57行〜68頁12行、 41.現像時間:68頁13〜15行、 42.漂白定着、漂白、定着:68頁16行〜69頁31
行、 43.自動現像機:69頁32〜40行、 44.水洗、リンス、安定化:69頁41行〜70頁18
行、 45.処理液補充、再使用:70頁19〜23行、 46.現像薬感材内蔵:70頁24〜33行、 47.現像処理温度:70頁34〜38行、 48.レンズ付フィルムへの利用:70頁39〜41行。
【0316】また、欧州特許第602600号公報に記
載の、2−ピリジンカルボン酸または2,6−ピリジン
ジカルボン酸と硝酸第二鉄のごとき第二鉄塩、及び過硫
酸塩を含有した漂白液も好ましく使用できる。この漂白
液の使用においては、発色現像工程と漂白工程との間
に、停止工程と水洗工程を介在させることが好ましく、
停止液には酢酸、コハク酸、マレイン酸などの有機酸を
使用することが好ましい。さらに、この漂白液には、p
H調整や漂白カブリの目的に、酢酸、コハク酸、マレイ
ン酸、グルタル酸、アジピン酸などの有機酸を0.1〜
2モル/リットル(以下、リットルを「L」と、ミリリ
ットルを「mL」とも表記する。)の範囲で含有させる
ことが好ましい。
【0317】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。但しこの実施
例に限定されるものではない。
【0318】(実施例1)本実施例は、緑色感光性ハロ
ゲン化銀乳剤において、ハロゲン化銀平板粒子のアスペ
クト比を大きくして表面積を増やし、分光増感色素の添
加量を増やすことにより、光吸収量を増加させて高感度
化を行った場合、前記のハロゲン化銀乳剤を含有した感
光材料が燃焼で発生するガス(例えば自動車の排気ガ
ス)に晒されると著しいかぶりを生じる問題があること
を示し、同時に、この問題が本発明で開示した手段によ
り顕著に解消されることを示す。
【0319】以下の乳剤調製で分散媒として用いたゼラ
チン−1〜4は、以下の属性を持つゼラチンである。
【0320】ゼラチン−1:牛骨を原料とする、通常の
アルカリ処理オセインゼラチン。
【0321】ゼラチン中の−NH2基の化学修飾なし。
【0322】ゼラチン−2:ゼラチン−1の水溶液に、
50℃、pH9.0の条件下で無水フタル酸を加えて化
学反応させた後、残留するフタル酸を除去して乾燥させ
たゼラチン。ゼラチン中の−NH2基が化学修飾された
数の割合95%。
【0323】ゼラチン−3:ゼラチン−1の水溶液に、
50℃、pH9.0の条件下で無水トリメリット酸を加
えて化学反応させた後、残留するトリメリット酸を除去
して乾燥させたゼラチン。ゼラチン中の−NH2基が化
学修飾された数の割合95%。
【0324】ゼラチン−4:ゼラチン−1に酵素を作用
させて低分子量化し、平均分子量を15000にした
後、酵素を失活させて乾燥させたゼラチン。ゼラチン中
の−NH2基の化学修飾なし。
【0325】上記のゼラチン−1〜4は、全て脱イオン
処理をした後、5%水溶液の35℃におけるpHが6.
0となるように調整を行った。
【0326】(乳剤A−1の調製)KBrを1.0g、
前記のゼラチン−4を1.1g含む水溶液1300mL
を35℃に保ち、撹拌した。(1st液調製) Ag−
1水溶液(100mL中にAgNO3を4.9g含有す
る)38mLと、X−1水溶液(100mL中にKBr
を5.2g含有する)29mL、およびG−1水溶液
(100mL中に前記のゼラチン−4を8.0g含有す
る)8.5mLをトリプルジェット法で、一定の流量で
30秒間にわたり添加した(添加1)。その後、KBr
6.5gを添加し、温度を75℃に昇温した。昇温後1
2分間の熟成工程を経た後、G−2水溶液(100mL
中に前記のゼラチン−1を12.7g含有する)300
mLを添加し、次いで、4,5−ジヒドロキシ−1,3
−ジスルホン酸ジナトリウム一水和物を2.1g、二酸
化チオ尿素を0.002gを1分間づつ間隔をあけて順
次添加した。
【0327】次に、Ag−2水溶液(100mL中にA
gNO3を22.1g含有する)157mLと、X−2
水溶液(100mL中にKBrを15.5g含有する)
をダプルジェット法で28分間にわたり添加した。この
時、Ag−2水溶液の添加は最終流量が初期流量の3.
4倍になるように流量加速を行い、X−2水溶液の添加
は反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが7.52を保
つように行った(添加2)。次いで、Ag−3水溶液
(100mL中にAgNO3を32.0g含有する)3
29mLと、X−3水溶液(100mL中にKBrを2
1.5g、KIを1.2g含有する)をダプルジェット
法で53分間にわたり添加した。この時、Ag−3水溶
液の添加は最終流量が初期流量の1.6倍になるように
流量加速を行い、X−3水溶液の添加は反応容器内のバ
ルク乳剤溶液のpAgが7.52を保つように行った
(添加3)。さらに、Ag−4水溶液(100mL中に
AgNO3を32.0g含有する)156mLと、X−
4水溶液(100mL中にKBrを22.4g含有す
る)をダプルジェット法で17分間にわたり添加した。
この時、Ag−4水溶液の添加は一定の流量で行い、X
−3水溶液の添加は反応容器内のバルク乳剤溶液のpA
gが7.52を保つように行った(添加4)。
【0328】その後、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウ
ムを0.0025g、G−3水溶液(100mL中に前
記のゼラチン−1を12.0g含有する)125mL
を、1分間づつ間隔をあけて順次添加した。次いでKB
r43.7gを添加し反応容器内のバルク乳剤溶液のp
Agを9.00にしてから、AgI微粒子乳剤(100
g中に平均粒径0.047μmのAgI微粒子を13.
0g含有する)73.9gを添加し、その2分後から、
Ag−4水溶液249mLと、X−4水溶液をダブルジ
ェット法で添加した。この時Ag−4水溶液は一定の流
量で9分間にわたって添加し、X−4水溶液は最初の
3.3分間だけ反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
9.00に保つように添加し、残りの5.7分間は添加
をせず、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが最終的
に8.4になるようにした(添加5)。その後、通常の
フロキュレーション法により脱塩を行い、次いで、攪拌
しながら水、NaOH、前記のゼラチン−1を添加し、
56℃でpH6.4、pAg8.6になるように調整し
た。
【0329】得られた乳剤は、球相当径0.99μm、
アスペクト比の平均値が3.1、かつ粒子の全投影面積
の60%がアスペクト比2.5以上4.5以下であり、
AgI含有量の平均値が3.94モル%、平行な主平面
が(111)面である平板状ハロゲン化銀粒子から成
り、XPSで測定されたハロゲン化銀粒子表面のAgI
含有量は2.1モル%であった。
【0330】続いて、下記増感色素Exs−1、チオシ
アン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウムおよび
N,N−ジメチルセレノ尿素を順次添加し最適に化学増
感を施した後、下記の水溶性メルカプト化合物MER−
1およびMER−2を4:1の比率で合計でハロゲン化
銀1モル当たり3.6×10-4モル添加することにより
化学増感を終了させた。乳剤A−1では、Exs−1の
添加量がハロゲン化銀1モル当たり4.26×10-4
ルの時に最適に化学増感された。
【0331】
【化58】
【0332】
【化59】
【0333】(乳剤A−4の調製)前記の乳剤A−1の
調製条件に対して、以下の変更を行った調製条件で乳剤
A−4を調製した。
【0334】(添加5)の2分前に添加するAgI微
粒子乳剤の添加量を133.0gとする。 (添加5)のAg−4水溶液の添加を、流量を変えず
に添加時間を8.37分間に短縮し、X−4水溶液の添
加時間を2.67分間に短縮する。
【0335】得られた乳剤は、球相当径0.99μm、
アスペクト比の平均値が3.1、かつ粒子の全投影面積
の60%がアスペクト比2.5以上4.5以下であり、
AgI含有量の平均値が5.94モル%、平行な主平面
が(111)面である平板状ハロゲン化銀粒子から成
り、XPSで測定されたハロゲン化銀粒子表面のAgI
含有量は6.7モル%であった。
【0336】なお、乳剤A−4では、増感色素Exs−
1の添加量がハロゲン化銀1モル当たり4.26×10
-4モルの時に最適に化学増感された。
【0337】(乳剤B−1の調製)前記の乳剤A−1の
調製条件に対して、以下の変更を行った調製条件で乳剤
B−1を調製した。
【0338】75℃昇温後12分間の熟成工程を経た
後に添加されるG−2水溶液中のゼラチンを前記のゼラ
チン−1からゼラチン−2に変更する。 (添加2)のAg−2水溶液の添加を、添加液量を1
57mLとしたままで添加時間が22.4分間となるよ
うに添加流量を変更。流量加速は最終流量が初期流量の
3.4倍になるようにする。また、X−2水溶液の添加
は、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが7.83を
保つように行う。
【0339】(添加3)のAg−3水溶液の添加を、
添加液量を329mLとしたままで添加時間が42.4
分間となるように添加流量を変更。流量加速は最終流量
が初期流量の1.6倍になるようにする。また、X−3
水溶液の添加は、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAg
が7.83を保つように行う。
【0340】得られた乳剤は、球相当径0.99μm、
アスペクト比の平均値が5.9、かつ粒子の全投影面積
の60%がアスペクト比5.0以上8.0以下であり、
AgI含有量の平均値が3.94モル%、平行な主平面
が(111)面である平板状ハロゲン化銀粒子から成
り、XPSで測定されたハロゲン化銀粒子表面のAgI
含有量は2.4モル%であった。
【0341】なお、乳剤B−1では、増感色素Exs−
1の添加量がハロゲン化銀1モル当たり5.37×10
-4モルの時に最適に化学増感された。
【0342】(乳剤B−4の調製)前記の乳剤B−1の
調製条件に対して、以下の変更を行った調製条件で乳剤
B−4を調製した。
【0343】(添加5)の2分前に添加するAgI微
粒子乳剤の添加量を133.0gとする。 (添加5)のAg−4水溶液の添加を、流量を変えず
に添加時間を8.37分間に短縮し、X−4水溶液の添
加時間を2.67分間に短縮する。
【0344】得られた乳剤は、球相当径0.99μm、
アスペクト比の平均値が5.9、かつ粒子の全投影面積
の60%がアスペクト比5.0以上8.0以下であり、
AgI含有量の平均値が5.94モル%、平行な主平面
が(111)面である平板状ハロゲン化銀粒子から成
り、XPSで測定されたハロゲン化銀粒子表面のAgI
含有量は7.5モル%であった。
【0345】なお、乳剤B−4では、増感色素Exs−
1の添加量がハロゲン化銀1モル当たり5.37×10
-4モルの時に最適に化学増感された。
【0346】(乳剤C−1の調製)前記の乳剤A−1の
調製条件に対して、以下の変更を行った調製条件で乳剤
C−1を調製した。
【0347】75℃昇温後12分間の熟成工程を経た
後に添加されるG−2水溶液中のゼラチンを前記のゼラ
チン−1からゼラチン−3に変更する。 (添加2)のAg−2水溶液の添加を、添加液量を1
57mLとしたままで添加時間が14分間となるように
添加流量を変更。流量加速は最終流量が初期流量の3.
4倍になるようにする。また、X−2水溶液の添加は、
反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが8.30を保つ
ように行う。
【0348】(添加3)のAg−3水溶液の添加を、
添加液量を329mLとしたままで添加時間が27分間
となるように添加流量を変更。流量加速は最終流量が初
期流量の1.6倍になるようにする。また、X−3水溶
液の添加は、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが
8.30を保つように行う。
【0349】得られた乳剤は、球相当径0.99μm、
アスペクト比の平均値が12.5、かつ粒子の全投影面
積の60%がアスペクト比9.0以上15.0以下であ
り、AgI含有量の平均値が3.94モル%、平行な主
平面が(111)面である平板状ハロゲン化銀粒子から
成り、XPSで測定されたハロゲン化銀粒子表面のAg
I含有量は2.6モル%であった。
【0350】なお、乳剤C−1では、増感色素Exs−
1の添加量がハロゲン化銀1モル当たり7.48×10
-4モルの時に最適に化学増感された。
【0351】(乳剤C−2の調製)前記の乳剤C−1の
調製条件に対して、以下の変更を行った調製条件で乳剤
C−2を調製した。
【0352】(添加5)の2分前に添加するAgI微
粒子乳剤の添加量を93.7gとする。 (添加5)のAg−4水溶液の添加を、流量を変えず
に添加時間を8.80分間に短縮し、X−4水溶液の添
加時間を3.10分間に短縮する。
【0353】得られた乳剤は、球相当径0.99μm、
アスペクト比の平均値が12.5、かつ粒子の全投影面
積の60%がアスペクト比9.0以上15.0以下であ
り、AgI含有量の平均値が4.61モル%、平行な主
平面が(111)面である平板状ハロゲン化銀粒子から
成り、XPSで測定されたハロゲン化銀粒子表面のAg
I含有量は4.4モル%であった。
【0354】なお、乳剤C−2では、増感色素Exs−
1の添加量がハロゲン化銀1モル当たり7.48×10
-4モルの時に最適に化学増感された。
【0355】(乳剤C−3の調製)前記の乳剤C−1の
調製条件に対して、以下の変更を行った調製条件で乳剤
C−3を調製した。
【0356】(添加5)の2分前に添加するAgI微
粒子乳剤の添加量を113.2gとする。 (添加5)のAg−4水溶液の添加を、流量を変えず
に添加時間を8.58分間に短縮し、X−4水溶液の添
加時間を2.88分間に短縮する。
【0357】得られた乳剤は、球相当径0.99μm、
アスペクト比の平均値が12.5、かつ粒子の全投影面
積の60%がアスペクト比9.0以上15.0以下であ
り、AgI含有量の平均値が5.27モル%、平行な主
平面が(111)面である平板状ハロゲン化銀粒子から
成り、XPSで測定されたハロゲン化銀粒子表面のAg
I含有量は6.1モル%であった。
【0358】なお、乳剤C−3では、増感色素Exs−
1の添加量がハロゲン化銀1モル当たり7.48×10
-4モルの時に最適に化学増感された。
【0359】(乳剤C−4の調製)前記の乳剤C−1の
調製条件に対して、以下の変更を行った調製条件で乳剤
C−4を調製した。
【0360】(添加5)の2分前に添加するAgI微
粒子乳剤の添加量を133.0gとする。 (添加5)のAg−4水溶液の添加を、流量を変えず
に添加時間を8.37分間に短縮し、X−4水溶液の添
加時間を2.67分間に短縮する。
【0361】得られた乳剤は、球相当径0.99μm、
アスペクト比の平均値が12.5、かつ粒子の全投影面
積の60%がアスペクト比9.0以上15.0以下であ
り、AgI含有量の平均値が5.94モル%、平行な主
平面が(111)面である平板状ハロゲン化銀粒子から
成り、XPSで測定されたハロゲン化銀粒子表面のAg
I含有量は8.0モル%であった。
【0362】なお、乳剤C−4では、増感色素Exs−
1の添加量がハロゲン化銀1モル当たり7.48×10
-4モルの時に最適に化学増感された。
【0363】前記の乳剤A−1、A−4、B−1、B−
4、C−1〜C−4について400kVの透過型電子顕
微鏡を用いて液体窒素温度で観察したところ、いずれの
粒子においても平板粒子のフリンジ部に転位線が10本
以上存在していることがわかった。
【0364】また、前記の乳剤A−1、A−4、B−
1、B−4、C−1〜C−4は、前記の乳剤調製工程に
おける(添加2)の直前に4,5−ジヒドロキシ−1,
3−ジスルホン酸ジナトリウム一水和物および二酸化チ
オ尿素を添加したことにより還元増感がなされている。
【0365】さらに、前記の乳剤A−1、A−4、B−
1、B−4、C−1〜C−4は、前記の乳剤調製におけ
る化学増感工程で増感色素Exs−1を添加し分光増感
を行ったことにより、分光感度が最大となる波長が55
0mnである緑色感光性ハロゲン化銀乳剤となってい
る。
【0366】下塗り層を設けてある三酢酸セルロースフ
ィルム支持体に下記表1に示すような塗布条件で、前記
の乳剤A−1、A−4、B−1、B−4、C−1〜C−
4の塗布を行った。
【0367】
【表1】
【0368】塗布する乳剤、ハロゲン化銀乳剤層に添加
する亜硫酸ナトリウム、一般式(I)、一般式(III)、
一般式(IV)および一般式(V)の化合物の添加量を表
2−1から表2−6に示したように変えることにより、
試料1−1〜1−58を作成した。
【0369】
【表2】
【0370】
【表3】
【0371】
【表4】
【0372】
【表5】
【0373】
【表6】
【0374】
【表7】
【0375】
【表8】
【0376】
【表9】
【0377】
【表10】
【0378】
【表11】
【0379】
【表12】
【0380】
【表13】
【0381】
【化60】
【0382】各々の化合物の添加時期は、一般式(I)
および一般式(III)の化合物は乳剤調製工程の化学増
感開始の直前に、亜硫酸ナトリウムは乳剤調製工程の化
学増感終了の直前に、一般式(V)の化合物は乳剤調製
工程の化学増感終了の直後に、一般式(IV)の化合物は
塗布時に使用するカプラーの乳化分散物を調製する際に
添加し、該乳化分散物の油滴中が主たる存在場所となる
形で塗布されるようにした。
【0383】これらの試料を40℃、相対湿度70%の
条件下で14時間硬膜処理を施した。その後、富士フイ
ルム(株)製ゼラチンフィルターSC−50(カットオ
フ波長が500nmである長波長光透過フィルター)と
連続ウェッジを通して1/100秒間露光を行い、後述の現
像処理を行なった試料を緑色フィルターで濃度測定する
ことにより写真性能の評価を行った。
【0384】また、前記の塗布試料が燃焼で発生するガ
ス(本実施例ではガソリン自動車からの排気ガス)に晒
されることにより発生するかぶりの度合は、以下の2通
りの方法で評価した。
【0385】1つは、燃料として、昭和シェル石油
(株)社製レギュラーガソリンを搭載した、日産自動車
(株)社製E−S14を、原動機がアイドリング状態
(原動機回転数1000rpm)で静止した状態にし
て、排気管出口から排出されるガスをそのまま採取し清
浄な空気で1/5に希釈した後、25℃、1atm、相
対湿度60%の状態に調整し、前記調整後のガスを満た
した空間内に未露光である前記の試料1−1〜1−58
を5日間放置した。その後、前記の露光および現像処理
を行い、前記と同様に緑色フィルターでかぶり部分の濃
度を測定して、前記E−S14からの排出ガスに晒さな
かった場合のかぶり部分の濃度に対する濃度上昇幅を求
め、その値を相対比較した。
【0386】もう1つは、ガスの圧力、相対湿度は前記
と同じにして、温度を33℃とし、15時間放置した条
件で前記と同様の評価を行った。
【0387】富士写真フイルム(株)製ネガプロセサー
FP−350を用い、以下に記載の方法で(液の累積補
充量がその母液タンク容量の3倍になるまで)処理し
た。
【0388】 (処理方法) 工 程 処理時間 処理温度 補充量 発色現像 2分45秒 38℃ 45mL 漂 白 1分00秒 38℃ 20mL 漂白液オーバーフローは 漂白定着タンクに全量流入 漂白定着 3分15秒 38℃ 30mL 水洗 (1) 40秒 35℃ (2) から(1) への 向流配管方式 水洗 (2) 1分00秒 35℃ 30mL 安 定 40秒 38℃ 20mL 乾 燥 1分15秒 55℃ *補充量は35mm巾1.1m長さ当たり(24Ex.1本相当)。
【0389】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.4 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.4 0.7 ヨウ化カリウム 1.5mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2.8 4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 −2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 5.5 水を加えて 1.0L 1.0L pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.10。
【0390】 (漂白液) タンク液、補充液共通(単位 g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 120.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 臭化アンモニウム 100.0 硝酸アンモニウム 10.0 漂白促進剤 0.005モル (CH3)2N-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-N(CH3)2・2HCl アンモニア水(27%) 15.0mL 水を加えて 1.0L pH(アンモニア水と硝酸にて調整) 6.3。
【0391】 (漂白定着液) タンク液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 50.0 − エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 5.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 12.0 20.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/L) 240.0 mL 400.0mL アンモニア水(27%) 6.0 mL − 水を加えて 1.0 L 1.0L pH(アンモニア水と酢酸にて調整) 7.2 7.3。
【0392】(水洗液) タンク液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型ア
ニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充
填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシ
ウムイオン濃度を3mg/L以下に処理し、続いて二塩化
イソシアヌール酸ナトリウム20mg/Lと硫酸ナトリウ
ム0.15g/Lを添加した。この液のpHは6.5〜
7.5の範囲にあった。
【0393】 (安定液) タンク液、補充液共通(単位 g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1− イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0 L pH 8.5。
【0394】前記の2通りの方法で評価を行った結果
を、下記の表3に示す。感度はかぶり濃度プラス0.2
の濃度に到達するのに必要な露光量の逆数の相対値で表
示した。(試料1−1の感度を100とした。)
【0395】
【表14】
【0396】
【表15】
【0397】
【表16】
【0398】
【表17】
【0399】
【表18】
【0400】表3の結果から以下の事柄が明らかであ
る。1つは、緑色感光性ハロゲン化銀乳剤のハロゲン化
銀平板粒子のアスペクト比を大きくして、ハロゲン化銀
1モル当たりの分光増感色素の添加量を増やすことによ
り高感度化が図れるが、一方で、自動車の排気ガスに晒
された場合に生じるかぶりが顕著に増加するという問題
が発生することである。もう1つは、前記のかぶりは、
本発明の構成要件である、XPSで測定されるハロゲ
ン化銀粒子表面のAgI含有量を5モル%以下にするこ
と、前記の一般式(I)で表され、かつ、logP’
が1.80〜4.30である化合物を感光性ハロゲン化
銀乳剤1モル当たり3×10-5〜6×10 -3の量で感光
材料に含有させることにより、顕著に低減できることで
ある。前記のおよびの構成要件のいずれかが1つ欠
けただけでも、前記の効果は著しく低下していることか
ら、本発明の効果は、前記構成要件のおよびが全て
満たされたときに特異的に発現するものであることがわ
かる。
【0401】特に、前記のについては、たとえ一般式
(I)を満たす化合物であっても、logP’が前記の
の範囲をはずれる化合物では、本発明の効果は殆ど見
られない。
【0402】前記の本発明の構成要件を満たした上で、
さらに亜硫酸イオンを緑感性ハロゲン化銀乳剤1モル当
たり2×10-5モル〜1×10-2モルの量で感光材料に
含有させると、本発明の効果が著しく促進されること
も、表3の結果から明らかである。
【0403】また、本発明においては、前記の一般式
(III)で表され、かつ、logP’が−1.50〜−
0.50である化合物を感光性ハロゲン化銀乳剤1モル
当たり3×10-5〜3×10-3の量で感光材料に含有さ
せることにより、本発明の効果を増大させることができ
る。特に感光材料が高温で短時間、自動車の排気ガスに
晒された場合に生じるかぶりを抑制する効果が顕著に増
大する。
【0404】さらに、本発明においては、前記の一般式
(IV)で表される化合物およびまたは前記の一般式
(V)で表される化合物を緑感性ハロゲン化銀乳剤層中
に含有させることで、本発明の効果を増大させることが
できる。
【0405】以上の事柄も、表3の結果から明らかであ
る。
【0406】なお、前記の実施例において評価に使用す
る燃焼で発生するガスを、他のガソリン自動車から採取
した排気ガスとした場合、石油温風ヒーターから排出さ
れるガスとした場合、あるいは燃焼中の石油ストーブ近
傍で採取したガスとした場合においても、前記の実施例
の結果と同様の結果が得られた。
【0407】(実施例2)以下の製法によりハロゲン化
銀乳剤D〜G、H−a、H−b、I−a、I−b、なら
びにJ〜Rを調製した。
【0408】(乳剤Dの製法)フタル化率97%のフタ
ル化した分子量15000の低分子量ゼラチン31.7
g、KBr31.7gを含む水溶液42.2Lを35℃
に保ち激しく撹拌した。AgNO3,316.7gを含
む水溶液1583mLとKBr、221.5g、実施例
1のゼラチン−4を52.7gを含む水溶液1583m
Lをダブルジェット法で1分間に渡り添加した。添加終
了後、直ちにKBr52.8gを加えて、AgNO3
398.2gを含む水溶液2485mLとKBrを29
1.1gを含む水溶液2581mLをダブルジェット法
で2分間に渡り添加した。添加終了後、直ちにKBr、
44.8gを添加した。その後、40℃に昇温し、熟成
した。熟成終了後、実施例1のゼラチン−2を923g
とKBr、79.2gを添加し、AgNO3、5103
gを含む水溶液15947mLとKBr水溶液をダブル
ジェット法で最終流量が初期流量の1.4倍になるよう
に流量加速して10分間に渡り添加した。この時、反応
容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.90に保った。
水洗した後、実施例1のゼラチン−1を加えpH、5.
7、pAg、8.8、乳剤1kg当たりの銀換算の重量
131.8g、ゼラチン重量64.1gに調整し、種乳
剤とした。実施例1のゼラチン−2を46g、KBr
1.7gを含む水溶液1211mLを75℃に保ち激し
く撹拌した。前述した種乳剤を9.9g加えた後、変成
シリコンオイル(日本ユニカ−株式会社製品、L760
2)を0.3g添加した。H2SO4を添加してpHを
5.5に調整した後、AgNO3を7.0gを含む水溶
液67.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最
終流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して
6分間に渡り添加した。この時、反応容器内のバルク乳
剤溶液のpAgを8.15に保った。ベンゼンチオスル
ホン酸ナトリウム2mgと二酸化チオ尿素2mgを添加
した後、AgNO3を105.6gを含む水溶液、32
8mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が
初期流量の3.7倍になるように流量加速して56分間
に渡り添加した。この時、0.037μの粒子サイズの
AgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が27mol%にな
るように同時に流量加速して添加し、かつ反応容器内の
バルク乳剤溶液のpAgを8.60に保った。AgNO
3を45.6gを含む水溶液121.3mLとKBr水
溶液をダブルジェット法で22分間に渡り添加した。こ
の時、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを7.60
に保った。82℃に昇温し、KBrを添加して反応容器
内のバルク乳剤溶液のpAgを8.80に調整した後、
前述したAgI微粒子乳剤をKI重量換算で6.33g
添加した。添加終了後、直ちに、AgNO3を66.4
g含む水溶液206.2mLを16分間に渡り添加し
た。添加初期の5分間はKBr水溶液で反応容器内のバ
ルク乳剤溶液のpAgを8.80に保った。水洗した
後、実施例1のゼラチン−1を添加し40℃でpH、
5.8、pAg、8.7に調整した。TAZ−1を添加
した後、60℃に昇温した。増感色素Exs−2および
Exs−3を添加した後に、チオシアン酸カリウム、塩
化金酸、チオ硫酸ナトリウム、N,N−ジメチルセレノ
ウレアを添加し最適に化学増感した。化学増感終了時に
MER−1およびMER−3を添加した。ここで、最適
に化学増感するとは、増感色素ならびに各化合物をハロ
ゲン化銀1モルあたり10-1から10-8モルの添加量範
囲から選択したことを意味する。
【0409】
【化61】
【0410】
【化62】
【0411】(乳剤Eの製法)実施例1のゼラチン−4
を0.96g、KBr、0.9gを含む水溶液1192
mLを40℃に保ち、激しく撹拌した。AgNO3
1.49gを含む水溶液37.5mLとKBrを1.0
5g含む水溶液37.5mLをダブルジェット法で30
秒間に渡り添加した。KBrを1.2g添加した後、7
5℃に昇温し熟成した。熟成終了後、実施例1のゼラチ
ン−3を35g添加し、pHを7に調整した。二酸化チ
オ尿素6mgを添加した。AgNO3、29gを含む水
溶液116mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最
終流量が初期流量の3倍になるように流量加速して添加
した。この時、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
8.15に保った。AgNO3を110.2gを含む水
溶液440.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法
で最終流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速
して30分間に渡り添加した。この時、乳剤Dの調製で
使用したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が15.8
mol%になるように同時に流量加速して添加し、かつ
反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを7.85に保っ
た。AgNO3を24.1gを含む水溶液96.5mL
とKBr水溶液をダブルジェット法で3分間に渡り添加
した。この時、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
7.85に保った。エチルチオスルホン酸ナトリウム2
6mgを添加した後、55℃に降温し、KBr水溶液を
添加し、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.8
0に調整した。前述したAgI微粒子乳剤をKI重量換
算で8.5g添加した。添加終了後、直ちにAgNO3
を57gを含む水溶液228mLを5分間に渡り添加し
た。この時、添加終了時の反応容器内のバルク乳剤溶液
のpAgが8.75になるようにKBr水溶液で調整し
た。乳剤Dとほぼ同様に水洗し、化学増感した。
【0412】(乳剤Fの製法)実施例1のゼラチン−2
を1.02g、KBr0.9gを含む水溶液1192m
Lを35℃に保ち、激しく撹拌した。AgNO3、4.
47gを含む水溶液、42mLとKBr、3.16g含
む水溶液、42mLをダブルジェット法で9秒間に渡り
添加した。KBrを2.6g添加した後、63℃に昇温
し熟成した。熟成終了後、実施例1のゼラチン−3を4
1.2gとNaCl、18.5gを添加した。pHを
7.2に調整した後、ジメチルアミンボラン、8mgを
添加した。AgNO3を26gを含む水溶液203mL
とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流
量の3.8倍になるように添加した。この時、反応容器
内のバルク乳剤溶液のpAgを8.65に保った。Ag
NO3を110.2gを含む水溶液440.6mLとK
Br水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の
5.1倍になるように流量加速して24分間に渡り添加
した。この時、乳剤Dの調製で使用したAgI微粒子乳
剤をヨウ化銀含有率が2.3mol%になるように同時
に流量加速して添加し、かつ反応容器内のバルク乳剤溶
液のpAgを8.50に保った。1Nのチオシアン酸カ
リウム水溶液10.7mLを添加した後、AgNO3
24.1gを含む水溶液153.5mLとKBr水溶液
をダブルジェット法で2分30秒間に渡り添加した。こ
の時、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを8.05
に保った。KBr水溶液を添加して反応容器内のバルク
乳剤溶液のpAgを9.25に調整した。前述したAg
I微粒子乳剤をKI重量換算で6.4g添加した。添加
終了後、直ちにAgNO3、57gを含む水溶液404
mLを45分間に渡り添加した。この時、添加終了時の
反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが8.65になる
ようにKBr水溶液で調整した。乳剤Dとほぼ同様に水
洗し、化学増感した。
【0413】(乳剤Gの製法)乳剤Fの調製において核
形成時のAgNO3添加量を2.3倍に変更した。そし
て、最終のAgNO3を57gを含む水溶液404mL
の添加終了時の反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが
6.85になるようにKBr水溶液で調整するように変
更した。それ以外は乳剤Fとほぼ同様にして調製した。
【0414】(乳剤H−aの製法)実施例1の乳剤C−
3の調製において、化学増感を行う前に、TAZ−1を
添加する工程を付加し、また化学増感の最初に添加され
る増感色素をExs−1、Exs−4およびExs−5
の組み合わせに変更した。それ以外は乳剤C−3とほぼ
同様にして調製した。なお、各増感色素の使用量は、ハ
ロゲン化銀1モル当たり、Exs−1が5.50×10
-4モル、Exs−4が1.30×10-4モル、Exs−
5が4.65×10-5モルである。
【0415】
【化63】
【0416】
【化64】
【0417】(乳剤H−bの製法)実施例1の乳剤C−
1の調製において、化学増感を行う前に、TAZ−1を
添加する工程を付加し、また化学増感の最初に添加され
る増感色素をExs−1、Exs−4およびExs−5
の組み合わせに変更した。それ以外は乳剤C−1とほぼ
同様にして調製した。なお、各増感色素の使用量は、前
記の乳剤H−aと同じである。
【0418】(乳剤I−aの製法)実施例1のゼラチン
−4を0.75g、KBr,0.9gを含む水溶液12
00mLを39℃に保ち、pHを1.8に調整し激しく
撹拌した。AgNO3を1.85gを含む水溶液と1.
5mol%のKIを含むKBr水溶液をダブルジェット
法で16秒間に渡り添加した。この時、KBrの過剰濃
度を一定に保った。54℃に昇温し熟成した。熟成終了
後、実施例1のゼラチン−2を20g添加した。pHを
5.9に調整した後、KBr、2.9gを添加した。A
gNO3、27.4gを含む水溶液288mLとKBr
水溶液をダブルジェット法で53分間に渡り添加した。
この時、粒子サイズ0.03μのAgI微粒子乳剤をヨ
ウ化銀含有率が4.1mol%になるように同時に添加
し、かつ反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.4
0に保った。KBr、2.5gを添加した後、AgNO
3、87.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジ
ェット法で最終流量が初期流量の1.2倍になるように
流量加速して63分間に渡り添加した。この時、上述の
AgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が10.5mol%
になるように同時に流量加速して添加し、かつ反応容器
内のバルク乳剤溶液のpAgを9.50に保った。Ag
NO3、41.8gを含む水溶液132mLとKBr水
溶液をダブルジェット法で25分間に渡り添加した。添
加終了時の反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが8.
15になるようにKBr水溶液の添加を調整した。pH
を7.3に調整し、二酸化チオ尿素、1mgを添加し
た。KBrを添加して反応容器内のバルク乳剤溶液のp
Agを9.50に調整した後、上述のAgI微粒子乳剤
をKI重量換算で8.78g添加した。添加終了後、直
ちにAgNO3、63.3gを含む水溶液609mLを
10分間に渡り添加した。添加初期の6分間はKBr水
溶液で反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.50
に保った。水洗した後、実施例1のゼラチン−1を添加
し40℃でpH6.5、pAg、8.2に調整した。乳
剤H−aとほぼ同様に化学増感した。なお、増感色素の
使用量は、ハロゲン化銀1モル当たり、Exs−1が
1.08×10-3モル、Exs−4が2.56×10-4
モル、Exs−5が9.16×10-5モルである。
【0419】(乳剤I−bの製法)乳剤I−aの調製に
おいて、最終のAgNO3を含む水溶液609mLの添
加の添加の直前に添加されるAgI微粒子乳剤の量をK
I重量換算で5.73gとし、かつ前記のAgNO3
含む水溶液609mL中に含まれるAgNO3の量を6
6.4gに変更した。それ以外は乳剤I−aとほぼ同様
にして調製した。
【0420】(乳剤Jの製法)実施例1のゼラチン−4
を0.70g、KBr、0.9g、KI、0.175
g、乳剤Dの調製で使用した変成シリコンオイル0.2
gを含む水溶液1200mLを33℃に保ち、pHを
1.8に調製し激しく撹拌した。AgNO3を1.8g
を含む水溶液と3.2mol%のKIを含むKBr水溶
液をダブルジェット法で9秒間に渡り添加した。この
時、KBrの過剰濃度を一定に保った。62℃に昇温し
熟成した。熟成終了後、実施例1のゼラチン−3を2
7.8g添加した。pHを6.3に調製した後、KB
r、2.9gを添加した。AgNO3、27.58gを
含む水溶液270mLとKBr水溶液をダブルジェット
法で37分間に渡り添加した。この時、実施例1のゼラ
チン−4の水溶液とAgNO3水溶液とKI水溶液を特
開平10−43570号に記載の磁気カップリング誘導
型撹拌機を有する別のチャンバー内で添加前直前混合し
て調製した粒子サイズ0.008μのAgI微粒子乳剤
をヨウ化銀含有率が4.1mol%になるように同時に
添加し、かつ反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
9.15に保った。KBr、2.6gを添加した後、A
gNO3を87.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダ
ブルジェット法で最終流量が初期流量の3.1倍になる
ように流量加速して49分間に渡り添加した。この時、
上述の添加前直前混合して調製した。AgI微粒子乳剤
をヨウ化銀含有率が7.9mol%になるように同時に
流量加速し、かつ反応容器内のバルク乳剤溶液のpAg
を9.30に保った。二酸化チオ尿素、1mgを添加し
た後、AgNO3、41.8gを含む水溶液132mL
とKBr水溶液をダブルジェット法で20分間に渡り添
加した。添加終了時の反応容器内のバルク乳剤溶液のp
Agが7.90になるようにKBr水溶液の添加を調整
した。78℃に昇温し、pHを9.1に調整した後、K
Brを添加して反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
8.70にした。乳剤Dの調製で使用したAgI微粒子
乳剤をKI重量換算で5.73g添加した。添加終了
後、直ちにAgNO 3、66.4gを含む水溶液321
mLを4分間に渡り添加した。添加初期の2分間はKB
r水溶液で反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを8.
70に保った。乳剤H−aとほぼ同様に水洗し、化学増
感した。なお、増感色素の使用量は、ハロゲン化銀1モ
ル当たり、Exs−1が1.25×10-3モル、Exs
−4が2.85×10-4モル、Exs−5が3.29×
10-5モルである。
【0421】(乳剤Kの製法)実施例1のゼラチン−1
を17.8g、KBr、6.2g、KI、0.46gを
含む水溶液を45℃に保ち激しく撹拌した。AgN
3、11.85gを含む水溶液とKBrを3.8g含
む水溶液をダブルジェット法で45秒間に渡り添加し
た。63℃に昇温後、実施例1のゼラチン−1を24.
1g添加し、熟成した。熟成終了後、AgNO3、13
3.4gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット
法で最終流量が初期流量の2.6倍になるように20分
間に渡って添加した。この時、反応容器内のバルク乳剤
溶液のpAgを7.60に保った。また添加開始10分
後にK2IrCl6を0.1mg添加した。NaClを7
g添加した後、AgNO3を45.6g含む水溶液とK
Br水溶液をダブルジェット法で12分間に渡って添加
した。この時、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを
6.90に保った。また添加開始から6分間に渡って黄
血塩を29mg含む水溶液100mLを添加した。KB
rを14.4g添加した後、乳剤Dの調製で使用したA
gI微粒子乳剤をKI重量換算で6.3g添加した。添
加終了後、直ちにAgNO3を42.7gを含む水溶液
とKBr水溶液をダブルジェット法で11分間に渡り添
加した。この時、反応容器内のバルク乳剤溶液のpAg
を6.90に保った。乳剤H−aとほぼ同様に水洗し、
化学増感した。なお、増感色素の使用量は、ハロゲン化
銀1モル当たり、Exs−1が5.79×10-4モル、
Exs−4が1.32×10-4モル、Exs−5が1.
52×10-5モルである。
【0422】(乳剤Lの製法)乳剤Kの調製において核
形成時の温度を35℃に変更した以外はほぼ同様にして
調製した。なお、増感色素の使用量は、ハロゲン化銀1
モル当たり、Exs−1が9.66×10-4モル、Ex
s−4が2.20×10-4モル、Exs−5が2.54
×10-5モルである。
【0423】(乳剤Mの製法)実施例1のゼラチン−4
を0.75g、KBr、0.9gを含む水溶液1200
mLを39℃に保ち、pHを1.8に調整し激しく撹拌
した。AgNO30.34gを含む水溶液と1.5mo
l%のKIを含むKBr水溶液をダブルジェット法で1
6秒間に渡り添加した。この時、KBrの過剰濃度を一
定に保った。54℃に昇温し熟成した。熟成終了後、実
施例1のゼラチン−2を20gを添加した。pHを5.
9に調整した後、KBr、2.9gを添加した。二酸化
チオ尿素、3mgを添加した後、AgNO3、28.8
gを含む水溶液288mLとKBr水溶液をダブルジェ
ット法で58分間に渡り添加した。この時、粒子サイズ
0.03μのAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が4.
1mol%になるように同時に添加し、かつ反応容器内
のバルク乳剤溶液のpAgを9.40に保った。KB
r、2.5gを添加した後、AgNO3、87.7gを
含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流
量が初期流量の1.2倍になるように流量加速して69
分間に渡り添加した。この時、上述のAgI微粒子乳剤
をヨウ化銀含有率が10.5mol%になるように同時
に流量加速して添加し、かつ反応容器内のバルク乳剤溶
液のpAgを9.50に保った。AgNO3、41.8
gを含む水溶液132mLとKBr水溶液をダブルジェ
ット法で27分間に渡り添加した。添加終了時の反応容
器内のバルク乳剤溶液のpAgを8.15になるように
KBr水溶液の添加を調整した。ベンゼンチオスルホン
酸ナトリウム2mgを添加した後、KBrを添加して反
応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.50に調整し
た後、上述のAgI微粒子乳剤をKI重量換算で5.7
3g添加した。添加終了後、直ちにAgNO3、66.
4gを含む水溶液609mLを11分間に渡り添加し
た。添加初期の6分間はKBr水溶液で反応容器内のバ
ルク乳剤溶液のpAgを9.50に保った。水洗した
後、ゼラチンを添加し40℃でpH6.5、pAg、
8.2に調整した。その後、TAZ−1を添加し、56
℃に昇温した。増感色素Exs−1およびExs−6を
添加し、その後、チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チ
オ硫酸ナトリウム、N,N−ジメチルセレノウレアを添
加し熟成し最適に化学増感した。化学増感終了時にME
R−1およびMER−3を添加した。なお、増感色素の
使用量は、ハロゲン化銀1モル当たり、Exs−1が
3.69×10-4モル、Exs−6が8.19×10-4
モルである。
【0424】
【化65】
【0425】
【化66】
【0426】
【化67】
【0427】(乳剤Nの製法)実施例1のゼラチン−2
を0.38g、KBrを0.9g含む水溶液1200m
Lを60℃に保ち、pHを2に調整し激しく撹拌した。
AgNO3を1.03gを含む水溶液とKBrを0.8
8g、KIを0.09gを含む水溶液をダブルジェット
法で30秒間に渡り添加した。熟成終了後、実施例1の
ゼラチン−3を12.8gを添加した。pHを5.9に
調整した後、KBr、2.99g、NaCl、6.2g
を添加した。AgNO3を27.3g含む水溶液60.
7mLとKBr水溶液をダブルジェット法で39分間に
渡り添加した。この時、反応容器内のバルク乳剤溶液の
pAgを9.05に保った。AgNO3、65.6gを
含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流
量が初期流量の2.1倍になるように流量加速して46
分間に渡り添加した。この時、乳剤Dの調製で使用した
AgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有量が6.5mol%に
なるように同時に流量加速して添加し、かつ反応容器内
のバルク乳剤溶液のpAgを9.05に保った。二酸化
チオ尿素、1.5mgを添加した後、AgNO3、4
1.8gを含む水溶液132mLとKBr水溶液をダブ
ルジェット法で16分間に渡り添加した。添加終了時の
反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgが7.70になる
ようにKBr水溶液の添加を調整した。ベンゼンチオス
ルホン酸ナトリウム2mgを添加した後、KBrを添加
して反応容器内のバルク乳剤溶液のpAgを9.80に
調整した。上述のAgI微粒子乳剤をKI重量換算で
6.2g添加した。添加終了後、直ちにAgNO3、8
8.5gを含む水溶液300mLを10分間に渡り添加
した。添加終了時の反応容器内のバルク乳剤溶液のpA
gが7.40になるようにKBr水溶液の添加で調整し
た。水洗した後、実施例1のゼラチン−1を添加し40
℃でpH6.5、pAg、8.2に調整した。TAZ−
1を添加した後、58℃に昇温した。増感色素Exs−
7、Exs−8およびExs−9を添加した後、K2
rCl6、チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸
ナトリウム、N,N−ジメチルセレノウレアを添加し最
適に化学増感した。化学増感終了時にMER−1および
MER−3を添加した。
【0428】
【化68】
【0429】
【化69】
【0430】
【化70】
【0431】(乳剤Oの製法)乳剤Nの調製において、
核形成時に添加するAgNO3の量を1.96gに、K
Brの量を1.67gに、KIの量を0.172gにそ
れぞれ変更し、また、化学増感時の温度を58℃から6
1℃に変更した。それ以外は、乳剤Nとほぼ同様にして
調製した。
【0432】(Em−Pの製法)実施例1のゼラチン−
4を4.9g、KBr、5.3gを含む水溶液1200
mLを40℃に保ち激しく撹拌した。AgNO3、8.
75gを含む水溶液27mLとKBr、6.45gを含
む水溶液36mLを1分間に渡りダブルジェット法で添
加した。75℃に昇温した後、AgNO3、6.9gを
含む水溶液21mLを2分間に渡り添加した。NH4
3、26g、1N、NaOH、56mLを順次、添加
した後、熟成した。熟成終了後pHを4.8に調製し
た。AgNO3、141gを含む水溶液438mLとK
Brを102.6g含む水溶液458mLをダブルジェ
ット法で最終流量が初期流量の4倍になるように添加し
た。55℃に降温した後、AgNO3を7.1gを含む
水溶液240mLとKIを6.46g含む水溶液をダブ
ルジェット法で5分間に渡り添加した。KBrを7.1
g添加した後、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム、4
mgとK2IrCl6、0.05mg添加した。AgNO
3、57.2gを含む水溶液177mLとKBr、4
0.2gを含む水溶液、223mLを8分間に渡ってダ
ブルジェット法で添加した。乳剤Nとほぼ同様に水洗
し、化学増感した。
【0433】(乳剤QおよびRの製法)乳剤Kまたは乳
剤Lとほぼ同様にして調製した。但し化学増感は乳剤O
とほぼ同様の方法で行った。
【0434】前記のハロゲン化銀乳剤の特性値を表4−
1から表4−3にまとめて示した。表面ヨード含有率は
XPSにより下記の如く調べることができる。試料を1
×10torr移管の真空中で−115℃まで冷却し、
プローブX線としてMgKαをX線源電圧8kV、X線
電流20mAで照射し、Ag3d5/2、Br3d、I
3d5/2電子について測定し、測定されたピークの積
分強度を感度因子で補正し、これらの強度比から表面の
ヨード含有率を求めた。なお、前記の乳剤D〜G、H−
1、H−2、I−1、I−2、ならびにJ〜Rのハロゲ
ン化銀粒子には特開平3− 237450号に記載され
ているような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察され
ている。
【0435】
【表19】
【0436】
【表20】
【0437】
【表21】
【0438】
【表22】
【0439】
【表23】
【0440】
【表24】
【0441】1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。
【0442】ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリ
マー100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin
P.326(チバ・ガイギーCiba−Geigy社
製)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T
型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行
い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに
250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのPEN(ポ
リエチレンナフタレート)フィルムを得た。なおこのP
ENフィルムにはブルー染料、マゼンタ染料及びイエロ
ー染料(公開技法:公技番号94−6023号記載のI
−1、I−4、I−6、I−24、I−26、I−2
7、II−5)を適当量添加した。さらに、直径20cm
のステンレス巻き芯に巻き付けて、110℃、48時間
の熱履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0443】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン0.1g/m2、ソウジウムα−スルホジ−2−
エチルヘキシルサクシネート0.01g/m2、サリチ
ル酸0.04g/m2、p−クロロフェノール0.2g
/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH
20.012g/m2、ポリアミド−エピクロルヒドリン
重縮合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10m
L/m2、バーコーター使用)、下塗層を延伸時高温面
側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾー
ンのローラーや搬送装置はすべて115℃となってい
る)。
【0444】3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0445】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチ
ン0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2
HCO)2CH20.02g/m2、ポリ(重合度10)
オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.005g/
2及びレゾルシンと塗布した。
【0446】3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%)で被覆処理された
コバルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸
0.14μm、単軸0.03μm、飽和磁化89emu
/g、Fe+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸
化珪素で酸化鉄の2重量%で処理されている)0.06
g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC25C(CH2OC ONH−C6
3(CH3)NCO)30.3g/m2を、溶媒としてア
セトン、メ チルエチルケトン、シクロヘキサノンを用
いてバーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁気記録
層を得た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と
3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%)で処理被覆された
研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ10m
g/m2となるように添加した。乾燥は115℃、6分
実施した(乾燥ゾーンの ローラーや搬送装置はすべて
115℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気
記録層のDB の色濃度増加分は約0.1、また磁気記
録層の飽和磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力
7.3×104A/m、角形比は65%であった。
【0447】3−3)滑り層の調整 ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C613CH
(OH)C1020COOC4081(化合物a,6mg/
2)/C50101O(CH2CH2O)16H(化合物b,
9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合物
は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル(1/
1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチ
ルエーテル(10倍量)に注加分散して作製した後、ア
セトン中で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから
添加した。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と
研磨剤の3−ポリ(重合度15)オキシエチレンプロピ
ルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で被覆され
た酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ15mg/m
2となるように添加した。乾燥は115℃、6分行った
(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115
℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのステ
ンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静
摩擦係数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面
と滑り層の動摩擦係数も0.12と優れた特性であっ
た。
【0448】4)感光層の塗設(試料2−1) 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガ感光材料である試料2
−1を作成した。
【0449】(感光層の組成)各層に使用する素材の主
なものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 (具体的な化合物は以下の記載で、記号の次に数値が付
けられ、後ろに化学式が挙げられている)。
【0450】各成分に対応する数字は、g/m2単位で
表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については銀換算の
塗布量を示す。
【0451】 第1層(第1ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.155 沃臭化銀乳剤T 銀 0.01 ゼラチン 0.87 ExC−1 0.002 ExC−3 0.002 Cpd−2 0.001 HBS−1 0.004 HBS−2 0.002。
【0452】 第2層(第2ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.066 ゼラチン 0.407 ExM−1 0.050 ExF−1 2.0×10-3 HBS−1 0.074 固体分散染料 ExF−2 0.015 固体分散染料 ExF−3 0.020。
【0453】 第3層(中間層) 沃臭化銀乳剤S 0.020 ExC−2 0.022 ポリエチルアクリレートラテックス 0.085 ゼラチン 0.294。
【0454】 第4層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤R 銀 0.065 沃臭化銀乳剤Q 銀 0.258 ExC−1 0.109 ExC−3 0.044 ExC−4 0.072 ExC−5 0.011 ExC−6 0.003 Cpd−2 0.025 Cpd−4 0.025 HBS−1 0.17 ゼラチン 0.80。
【0455】 第5層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤P 銀 0.21 沃臭化銀乳剤O 銀 0.62 ExC−1 0.14 ExC−2 0.026 ExC−3 0.020 ExC−4 0.12 ExC−5 0.016 ExC−6 0.007 Cpd−2 0.036 Cpd−4 0.028 HBS−1 0.16 ゼラチン 1.18。
【0456】 第6層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤N 銀 1.47 ExC−1 0.18 ExC−3 0.07 ExC−6 0.029 ExC−7 0.010 ExY−5 0.008 Cpd−2 0.046 Cpd−4 0.077 HBS−1 0.25 HBS−2 0.12 ゼラチン 2.12。
【0457】 第7層(中間層) Cpd−1 0.089 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.83 ゼラチン 0.84。
【0458】 第8層(赤感層へ重層効果を与える層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.560 Cpd−4 0.030 ExM−2 0.096 ExM−3 0.028 ExY−1 0.031 ExG−1 0.006 HBS−1 0.085 HBS−3 0.003 ゼラチン 0.58。
【0459】 第9層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 0.39 沃臭化銀乳剤K 銀 0.28 沃臭化銀乳剤J 銀 0.35 ExM−2 0.36 ExM−3 0.045 ExG−1 0.005 HBS−1 0.28 HBS−3 0.01 HSB−4 0.27 ゼラチン 1.39。
【0460】 第10層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I−a 銀 0.45 ExC−6 0.009 ExM−2 0.031 ExM−3 0.029 ExY−1 0.006 ExM−4 0.028 ExG−1 0.005 HBS−1 0.064 HBS−3 2.1×10-3 ゼラチン 0.44。
【0461】 第11層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I−a 銀 0.30 沃臭化銀乳剤H−a 銀 0.69 ExC−6 0.004 ExM−1 0.016 ExM−3 0.036 ExM−4 0.020 ExM−5 0.004 ExY−5 0.003 ExM−2 0.013 ExG−1 0.005 Cpd−4 0.007 HBS−1 0.18 ポリエチルアクリレートラテックス 0.099 ゼラチン 1.11。
【0462】 第12層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.047 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.010 固体分散染料ExF−6 0.010 固体分散染料ExF−8 0.020 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.082 ゼラチン 1.057。
【0463】 第13層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤G 銀 0.18 沃臭化銀乳剤E 銀 0.20 沃臭化銀乳剤F 銀 0.07 ExC−1 0.041 ExC−8 0.012 ExY−1 0.035 ExY−2 0.71 ExY−3 0.10 ExY−4 0.005 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.24 ゼラチン 1.41。
【0464】 第14層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 0.75 ExC−1 0.013 ExY−2 0.31 ExY−3 0.05 ExY−6 0.062 Cpd−2 0.075 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.91。
【0465】 第15層(第1保護層) 沃臭化銀乳剤S 銀 0.30 UV−1 0.21 UV−2 0.13 UV−3 0.20 UV−4 0.025 F−18 0.009 F−19 0.005 F−20 0.005 HBS−1 0.12 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 2.3。
【0466】 第16層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径1.7μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.75。
【0467】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために、W−1ないしW−5、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−18及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ルテニウム塩、ロジウム
塩が含有されている。また、第8層の塗布液にハロゲン
化銀1モル当たり8.5×10-3グラム、第11層に
7.9×10-3グラムのカルシウムを硝酸カルシウム水
溶液で添加し、試料を作製した。
【0468】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−3を次の方法で分散した。即ち、水2
1.7mL及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエ
トキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3mL並びに5
%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレン
エーテル(重合度10)0.5gとを700mLのポッ
トミルに入れ、染料ExF−2を5.0gと酸化ジルコ
ニウムビーズ(直径1mm)500mLを添加して内容
物を2時間分散した。この分散には中央工機製のBO型
振動ボールミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、
12.5%ゼラチン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過
して除き、染料のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の
平均粒径は0.44μmであった。
【0469】同様にして、ExF−4の固体分散物を得
た。染料微粒子の平均粒径はそれぞれ、0.24μm、
0.45μm、0.52μmであった。ExF−2は欧
州特許出願公開(EP)第549,489A号明細書の
実施例1に記載の微小析出(Microprecipi
tation)分散方法により分散した。平均粒径は
0.06μmであった。
【0470】ExF−6の固体分散物を以下の方法で分
散した。
【0471】水を18%含むExF−6のウェットケー
キ2800gに4000gの水及びW−2の3%溶液を
376g加えて攪拌し、ExF−6の濃度32%のスラ
リーとした。次にアイメックス(株)製ウルトラビスコ
ミル(UVM−2)に平均粒径0.5mmのジルコニア
ビーズを1700mL充填し、スラリーを通して周速約
10m/sec、吐出量0.5L/minで8時間粉砕
した。
【0472】上記各層の形成に用いた化合物は、以下に
示すとおりである。
【0473】
【化71】
【0474】
【化72】
【0475】
【化73】
【0476】
【化74】
【0477】
【化75】
【0478】
【化76】
【0479】
【化77】
【0480】
【化78】
【0481】
【化79】
【0482】
【化80】
【0483】
【化81】
【0484】
【化82】
【0485】
【化83】
【0486】
【化84】
【0487】
【化85】
【0488】
【化86】
【0489】(試料2−2〜2−17の作成)試料2−
1に対して、第10層および第11層のハロゲン化銀乳
剤、第8層から第11層までの塗布液中の亜硫酸ナトリ
ウムの含有量、第9層から第11層における一般式(I
V)および一般式(V)の化合物の含有量、および、感光
材料中の一般式(I)および一般式(III)の化合物の含
有量を表5−1から表5−4に示したように変えること
により、試料2−2〜2−17を作成した。
【0490】
【表25】
【0491】
【表26】
【0492】
【表27】
【0493】
【表28】
【0494】
【表29】
【0495】
【表30】
【0496】
【表31】
【0497】
【表32】
【0498】
【化87】
【0499】各々の化合物の添加時期は、亜硫酸ナトリ
ウムは第8層から第11層までのハロゲン化銀乳剤調製
工程の化学増感終了の直前に、一般式(V)の化合物は
第9層から第11層までのハロゲン化銀乳剤調製工程の
化学増感終了の直後に、一般式(IV)の化合物は第9層
から第11層までの塗布時に使用するカプラーの乳化分
散物を調製する際に添加し、該乳化分散物の油滴中が主
たる存在場所となる形で塗布されるようにした。また、
一般式(I)および一般式(III)の化合物は、第8層か
ら第11層までのハロゲン化銀乳剤調製工程の化学増感
開始の直前にハロゲン化銀1モル当たり表5−1から表
5−4に示した量を添加すると共に、第15層の塗布液
調製時に添加し、合計の添加量が感光材料中の全ての感
光性ハロゲン化銀に対して表5−1から表5−4に示し
た量になるように添加した。
【0500】これらの試料を40℃、相対湿度70%の
条件下で14時間硬膜処理を施した。その後、富士フイ
ルム(株)製ゼラチンフィルターSC−39(カットオ
フ波長が390nmである長波長光透過フィルター)と
連続ウェッジを通して1/100秒間露光した。現像は富士
写真フイルム社製自動現像機FP−360Bを用いて以
下により行った。尚、漂白浴のオーバーフロー液を後浴
へ流さず、全て廃液タンクへ排出する様に改造を行っ
た。このFP−360Bは発明協会公開技法94−49
92号に記載の蒸発補正手段を搭載している。
【0501】処理工程及び処理液組成を以下に示す。
【0502】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分 5秒 37.8 ℃ 20 mL 11.5L 漂 白 50秒 38.0 ℃ 5 mL 5L 定着 (1) 50秒 38.0 ℃ − 5L 定着 (2) 50秒 38.0 ℃ 8 mL 5L 水 洗 30秒 38.0 ℃ 17 mL 3L 安定 (1) 20秒 38.0 ℃ − 3L 安定 (2) 20秒 38.0 ℃ 15 mL 3L 乾 燥 1分30秒 60.0 ℃ *補充量は感光材料35mm幅1.1m当たり(24Ex.1本相当)。
【0503】安定液及び定着液は(2)から(1)への
向流方式であり、水洗水のオーバーフロー液は全て定着
浴(2)へ導入した。尚、現像液の漂白工程への持ち込
み量、漂白液の定着工程への持ち込み量、及び定着液の
水洗工程への持ち込み量は感光材料35mm幅1.1m
当たりそれぞれ2.5mL、2.0mL、2.0mLで
あった。また、クロスオーバーの時間はいずれも6秒で
あり、この時間は前工程の処理時間に包含される。
【0504】上記処理機の開口面積は発色現像液で10
0cm2、漂白液で120cm2、その他の処理液は約1
00cm2であった。
【0505】以下に処理液の組成を示す。
【0506】 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 3.0 カテコール−3,5−ジスルホン酸 ジナトリウム 0.3 0.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.3 炭酸カリウム 39.0 39.0 ジナトリウム−N,N−ビス(2−スル ホナートエチル)ヒドロキシルアミン 1.5 2.0 臭化カリウム 1.3 0.3 沃化カリウム 1.3mg − 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3, 3a,7−テトラザインデン 0.05 − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸塩 4.5 6.5 水を加えて 1.0L 1.0L pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.18。
【0507】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二 鉄アンモニウム一水塩 113 170 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 コハク酸 34 51 マレイン酸 28 42 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水で調整〕 4.6 4.0。
【0508】(定着(1)タンク液)上記漂白タンク液
と下記定着タンク液の5対95(容量比)混合液(pH
6.8)。
【0509】 (定着(2)) タンク液(g) 補充液(g) チオ硫酸アンモニウム水溶液 240mL 720 mL (750g/L) イミダゾール 7 21 メタンチオスルホン酸アンモニウム 5 15 メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30 エチレンジアミン四酢酸 13 39 水を加えて 1.0L 1.0L pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.4 7.45。
【0510】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3m
g/L以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナ
トリウム20mg/Lと硫酸ナトリウム150mg/L
を添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあ
った。
【0511】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2 (平均重合度10) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン・ナトリウム 0.10 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1− イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0L pH 8.5。
【0512】処理済の試料を緑色フィルターで濃度測定
することにより写真性能の評価を行った。また、前記の
試料2−1〜2−17が燃焼で発生するガスに晒される
ことにより発生するかぶりの度合は、実施例1と同様の
方法で評価した。得られた結果を下記表6に示す。感度
はマゼンタ濃度が、かぶり濃度プラス0.2の濃度に到
達するのに必要な露光量の逆数の相対値で表示した(試
料2−1の感度を100とした。)。
【0513】
【表33】
【0514】
【表34】
【0515】表6より、ハロゲン化銀多層カラー感光材
料においても、実施例1と同様に本発明の効果は明らか
である。すなわち中感度および高感度の緑感乳剤層であ
る、第10層および第11層の沃臭化銀乳剤粒子の表面
のAgI含量が5モル%以下とし、かつ、感光材料中に
前記の一般式(I)で表されlogP’が1.80〜
4.30である化合物を本発明の推奨量含有させた試料
は、自動車の排気ガスに晒された場合に生じるかぶりが
小さく好ましい。
【0516】また、一般式(I)の化合物の効果のlo
gP’依存性、亜硫酸イオン、一般式(III)の化合
物、一般式(IV)の化合物、および一般式(V)の化合
物を感光材料中に含有させることによる効果も実施例1
とほぼ同様であった。
【0517】
【発明の効果】本発明によれば、高感度でありながら自
動車の排気ガス等の燃焼時に発生する有害ガスによるか
ぶり増加が小さく、該有害ガスに対する耐性が顕著に改
良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供するこ
とができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一つのハロゲン化
    銀乳剤層と少なくとも一つの非感光性層を有し、露光
    後、発色現像処理工程とそれに続く脱銀工程を経て画像
    形成するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、以
    下の(a)および(b)の要件を満たすことを特徴とす
    るハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (a)該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層に、平行
    な主平面が(111)面でありアスペクト比が5以上で
    あって、表面沃化銀含量が5mol%以下である沃臭化
    銀または塩沃臭化銀よりなる平板状ハロゲン化銀写真乳
    剤を全投影面積の50%以上含有する。 (b)下記一般式(I)で表される化合物の中で、親疎
    水性を表す物性値であるlogPの推算値logP’が
    1.80以上、かつ、4.30以下である化合物の少な
    くとも一つを、全ての層の感光性ハロゲン化銀乳剤1モ
    ル当たり2×10-5モル以上6×10-3モル以下含有す
    る。 一般式(I) 【化1】 式中、Ra1は脂肪族炭化水素基または環状アルキル基を
    表す。Ra2は水素原子、脂肪族炭化水素基または環状ア
    ルキル基を表す。ただし、Ra1およびRa2中にはSi−
    O結合を含んではならない。Ra1とRa2は互いに結合し
    て、5〜7員環を形成しても良い。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも一つの緑感性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有し、該緑感性ハロゲン化銀乳剤層の
    少なくとも1層に、平行な主平面が(111)面であり
    アスペクト比が5以上であって、表面沃化銀含量が5m
    ol%以下である沃臭化銀または塩沃臭化銀よりなる平
    板状ハロゲン化銀写真乳剤を全投影面積の50%以上含
    有することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀
    カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 亜硫酸イオンを緑感性ハロゲン化銀乳剤
    1モル当たり1×10-5モル以上5×10-3モル以下含
    有することを特徴とする請求項1または2に記載のハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記平板状ハロゲン化銀写真乳剤が下記
    一般式(II)で表されるシアニン増感色素の少なくとも
    1つをハロゲン化銀1モル当たり5×10-4モル以上含
    有することを特徴とする請求項2または3に記載のハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(II) 【化2】 式中、Z1およびZ2は互いに独立して酸素原子とともに
    複素環核を形成するに必要な原子群を表す。L1及びL2
    は互いに独立してメチン基または置換メチン基を表わ
    す。X1 -は酸アニオン基を表わす。n1は1または2を
    表す。R1及びR2は互いに独立してアルキル基または置
    換アルキル基を表す。
  5. 【請求項5】 下記一般式(III)で表される化合物の
    中で、親疎水性を表す物性値であるlogPの推算値l
    ogP’が−1.50以上、かつ、−0.5以下である
    化合物の少なくとも一つを、全ての層の感光性ハロゲン
    化銀乳剤1モル当たり2×10-5モル以上2×10-3
    ル以下含有することを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(III) 【化3】 式中、Rb1は脂肪族炭化水素基または環状アルキル基を
    表す。Rb2は水素原子、脂肪族炭化水素基または環状ア
    ルキル基を表す。ただし、Rb1およびRb2中にはSi−
    O結合を含んではならない。Rb1とRb2は互いに結合し
    て、5〜7員環を形成しても良い。
  6. 【請求項6】 下記一般式(IV)で表される化合物の少
    なくとも1種を緑感性ハロゲン化銀乳剤層に含有するこ
    とを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載
    のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(IV) 【化4】 式中、R31、R32、R33およびR34はそれぞれ水素原子
    または置換基を表す。ただし、R31とR34あるいはR32
    とR33がそれぞれアルキル基の場合、全く同じ炭素数の
    置換基をとらない。
  7. 【請求項7】 下記一般式(V)で表される化合物の少
    なくとも1種を緑感性ハロゲン化銀乳剤層に含有するこ
    とを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載
    のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(V) 【化5】 式中、Hetはハロゲン化銀への吸着基である。但し、
    Hetで示される基には、少なくとも1つの−(Q)k2
    −(Hy)が置換している。Qは炭素原子、窒素原子、
    硫黄原子及び酸素原子のうち少なくとも1種を含む原子
    または原子団からなる2価の連結基を表わす。HyはR
    1R2N−NR3R4で表わされるヒドラジン構造を有する
    基を表わす。R1、R2、R3およびR4は各々脂肪族基、
    アリール基または複素環基を表わし、R1とR2、R3と
    R4、R1とR3又はR2とR4が互いに結合して環を形成
    してもよい。ただし、R1、R2、R3及びR4の少なくと
    も1つは一般式(V)における−(Q)k2−(Het)k
    1が置換するための二価の脂肪族基、アリール基又は複
    素環基である。k1及びk3は1、2、3または4を表わ
    し、k2は0または1を表す。
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WO2004046821A1 (ja) * 2002-11-15 2004-06-03 Konica Minolta Photo Imaging, Inc. ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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