JP2000274958A - 金属溶解炉及び金属溶解方法 - Google Patents

金属溶解炉及び金属溶解方法

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JP2000274958A
JP2000274958A JP8516399A JP8516399A JP2000274958A JP 2000274958 A JP2000274958 A JP 2000274958A JP 8516399 A JP8516399 A JP 8516399A JP 8516399 A JP8516399 A JP 8516399A JP 2000274958 A JP2000274958 A JP 2000274958A
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伸明 小林
Takanori Ariga
敬記 有賀
Hiroshi Igarashi
弘 五十嵐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶湯の凝固による溶湯流路の閉塞を防止する
とともに、金属原料の酸化を抑制し、炉壁を構成する耐
火物の溶損を防止することができる金属溶解炉及び金属
溶解方法を提供する。 【解決手段】 酸素バーナー11又は酸素ランスのいず
れかと炭素質原料吹込みランス12を備えた湯溜室13
と酸素バーナー14又はアーク発生用電極のいずれかと
出湯口15を備えた保持室16とを溶湯流路17を介し
て連設するとともに、湯溜室13の一部に酸素バーナー
18を設けて湯溜室内に溶解部を形成し、該溶解部の上
方に金属原料予熱室を配設する。炭素質原料吹込みラン
ス12により、湯溜室13の溶湯中の炭素濃度を0.0
5〜2%に制御し、かつ湯溜室のスラグ中の全鉄濃度を
15〜30%に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属溶解炉及びこ
の金属溶解炉を使用した金属の溶解方法に係り、詳しく
は、スクラップやリターン材等の鉄(鋼を含む)又は還
元鉄等の原料を、酸素あるいは酸素富化空気を支燃性ガ
スとした酸素バーナーを主体に効率良く連続して溶解処
理する金属溶解炉及び金属溶解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スクラップやリターン材等の鉄
(鋼を含む)原料を溶解する方式では、主たるエネルギ
ー源が電気であるアーク式電気炉が多く用いられてい
る。このような電気を利用した溶解法は、昇温が容易で
温度管理も簡便であるなどの利点を有するものの、別途
に発生させた電気を使用するため、総合的な燃料の利用
効率やエネルギーコスト面で問題があった。
【0003】一方、エネルギー源として、前記電気に代
えて、酸素あるいは酸素富化空気を支燃性ガスとする酸
素バーナーで化石燃料を燃焼させ、その燃焼熱で鉄等の
スクラップや製造時のリターン材等の鉄原料を溶解させ
ることが行われている。このような酸素バーナーを利用
した鉄原料の溶解法は、例えば特開平9−176753
号公報,特開平11−14263号公報,特開平11−
23156号公報等に記載されている。
【0004】また、特開平11−23156号公報に開
示されている金属溶解炉は、図2に示されるように、金
属原料溶解用酸素バーナー1を備えた溶解室2の上方
に、金属原料予熱室3を配設し、前記溶解室2の底部
に、排ガス流路を兼ねた溶湯流路4を介して溶湯保熱用
酸素バーナー5を備えた湯溜室6を連設し、該湯溜室6
の下流側に、排ガス流路を兼ねた溶湯流路7介して、酸
素バーナー8及び出湯口9を備えた保持室10を連設し
ている。この構造の金属溶解炉は、溶解室2,湯溜室6
及び保持室10の順序で流れる溶湯流と対向して、保持
室10,湯溜室6及び溶解室2で発生した排ガスを流通
して、予熱室3から排出させることによって、エネルギ
ー効率の良い溶解が可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の金属
溶解炉では、溶解室2で溶解された溶湯は、溶湯流路4
を介して湯溜室6に流れ込んでいるが、溶解室6で溶解
された鉄原料は、その原料の略融点に近い温度でかつ炭
素分の少ない溶湯として溶湯流路4を流れるため、加熱
不足になると溶湯流路4で溶湯が凝固して溶湯流路4を
閉塞してしまい、凝固部分がなくなるまで、溶解室2の
酸素バーナー1の燃焼量を抑えて溶解量を低下させなけ
ればならなかった。また、溶解室2の鉄原料の一部は、
酸素バーナー1によって酸化され、生成された酸化鉄が
溶湯とともに溶湯流路4を流れ、溶湯流路4を構成する
耐火物を溶損するおそれがあった。
【0006】そこで本発明は、溶湯の凝固による溶湯流
路の閉塞を防止するとともに、金属原料の酸化を抑制
し、炉壁を構成する耐火物の溶損を防止することができ
る金属溶解炉及び金属溶解方法を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明の金属溶解炉は、溶湯保熱用加熱手段及び炭素
質原料吹込みランスを備えた湯溜室と加熱手段及び出湯
口を備えた保持室とを溶湯流路を介して連設するととも
に、前記湯溜室の一側に金属原料溶解用加熱手段を設け
て湯溜室の一側部分に溶解部を形成し、該溶解部の上方
に金属原料予熱室を配設したことを特徴とし、前記溶湯
保熱用加熱手段として、少なくとも酸素バーナー又は酸
素ランスのいずれか一方を備えていること、前記保持室
の加熱手段として、少なくとも酸素バーナー又はアーク
発生用電極のいずれか一方を備えていることを特徴とし
ている。
【0008】さらに、本発明の金属の溶解方法は、予熱
室に連続的に投入した金属原料を、溶解部で金属原料溶
解用加熱手段にて溶解して湯溜室に連続的に流下させる
とともに、該湯溜室で溶湯保熱用加熱手段にて溶湯状態
を保持しながら保持室に流出し、該保持室で加熱手段に
より溶湯状態を保持しながら、出湯口から間欠的に出湯
する方法であって、炭素質原料吹込みランスにより、前
記湯溜室の溶湯中の炭素濃度を0.05〜2%に制御
し、かつ湯溜室のスラグ中の全鉄濃度を15〜30%に
制御すること、また、前記溶湯保熱用加熱手段である酸
素バーナーから、燃料を完全燃焼するために必要な酸素
量の1.5〜5倍の酸素を流すことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る金属溶解炉及
び金属溶解方法の一形態例を図1に基づいてさらに詳し
く説明する。
【0010】この金属溶解炉は、溶湯保熱用加熱手段と
しての酸素バーナー11と炭素質原料吹込みランス12
とを備えた湯溜室13と加熱手段としての酸素バーナー
14及び出湯口15を備えた保持室16とを溶湯流路1
7を介して連設するとともに、前記湯溜室13の一側に
金属原料溶解用加熱手段としての酸素又は酸素富化空気
を支燃性ガスとした酸素バーナー18を設けて、湯溜室
13の一側部分に溶解部19を形成し、該溶解部19の
上方に金属原料予熱室20を配設している。21,22
は、湯溜室13又は保持室16の溶湯に高純度アルゴン
ガス又は窒素を吹き込む溶湯撹拌用ノズルである。
【0011】このように、湯溜室13の一部を溶解部1
9とした金属溶解炉は、従来のこの種金属溶解炉の如
く、溶解室と湯溜室との間に溶融流路がないから、溶解
部19で溶解した溶湯は、酸素バーナー11によって保
熱されている湯溜室13の溶湯に直接流れ込むので、凝
固することがない。また、湯溜室13内の一部が溶解部
19に形成されているため、湯溜室13は部分的に固体
原料が進入する構造となり、この固体原料が骨材となっ
て、溶湯が安定して湯溜室13に落下して流れ込むこと
になる。
【0012】尚、湯溜室13に設けた溶湯保熱用加熱手
段である酸素バーナー11は、酸素ランスでもよい。溶
湯を保持して貯湯するための保持室16に設けた加熱手
段である酸素バーナー14は、アーク発生用電極でもよ
いが、このアーク発生用電極を用いる場合は、アークの
放熱を抑えるために、スラグフォーミングの目的で、炭
素質原料吹込ランスと酸素ランスとを備える。また、溶
解部19,湯溜室13及び保持室16で発生した排ガス
は、この順序に沿って流れる溶湯流と対向した流れで流
通して予熱室20を経て排出される流路を形成してい
る。
【0013】次に、この金属溶解炉を使用した金属溶解
方法の実施の形態について説明する。まず、予熱室20
に連続的に投入した金属原料(例えば、鉄原料)を、溶
解部19で酸素バーナー18,18にて溶解する。この
とき、必要に応じて、鉄原料に加えてフラックスや炭素
原料(銑鉄を含む)を投入する。
【0014】溶解部19で溶融した溶湯は、湯溜室13
に連続的に流下する。湯溜室13では、炭素質原料吹込
ランス12から炭素質原料を溶湯に吹き込み、溶湯中の
炭素濃度を0.05〜2%に制御する。これにより、溶
湯の融点を低下させて、溶湯内に入った鉄原料(低炭素
で融点が高い)を直ちに溶解させることなく、溶解部上
部の原料を維持させることができるので、固体原料の湯
溜室13への侵入量を制限できるとともに、溶解部19
で溶解された溶湯を湯溜室13に安定して流下させるこ
とができる。
【0015】湯溜室13に流下した低炭素で融点の高い
溶湯は、炭素濃度の低い溶湯と混合され、直ちに炭素質
原料吹込ランス12から吹き込まれる炭素材料により加
炭される。加炭エネルギーは、湯溜室13の酸素バーナ
ー11(又は酸素ランス)による加熱あるいは一酸化炭
素(CO)の燃焼によって補われる。また、湯溜室13
の溶湯の融点を低下させることにより、下流側の保持室
16への溶湯流路17内での溶湯の凝固や、溶湯の凝固
による流路内の閉塞を防止することができる。
【0016】さらに、炭素質原料ランス12から、炭素
質原料を湯溜室13に吹き込み、溶解部19で酸化した
鉄原料を還元して、原料歩留を向上させるとともに、ス
ラグ中の全鉄濃度を15〜35%に制御して、耐火物の
溶損を防止する。湯溜室13の昇温,加炭および還元に
必要な熱量は、酸素バーナー11による加熱や、酸素バ
ーナー11から燃料を完全燃焼するのに必要な酸素量の
1.5〜5倍の酸素を流すことにより、炭素質原料投入
によって発生した一酸化炭素(CO)を燃焼すること、
あるいは、酸素バーナー11の代わりに設けた酸素ラン
スによって一酸化炭素(CO)を燃焼することによって
補う。
【0017】加炭,昇温した溶湯は、溶湯流路17を通
じて保持室16に流出し、酸素バーナー14により所定
温度に昇温し、所定量保持した後、出湯口15から間欠
的に排出する。
【0018】
【実施例】実施例1 図1に示す金属溶解炉用いて鉄スクラップを溶解した。
この金属溶解炉は、全高150cm,内径120cmの
溶解部19を除く湯溜室13は、全高80cm,全幅9
0cmであり、溶解部19の底部は、湯溜部室13の最
深部の底部に向かって22度の傾斜を有している。溶解
部19の上方は、水平面に対して80度の傾斜角度で絞
り込まれ、全高130cm,内径85cmの予熱室20
に直接連通している。湯溜室13と保持室16とを連通
する溶湯流路17は、内径40cmで、長さ65cmで
あり、保持室16は、全高285cm,内径120cm
である。
【0019】湯溜室13の溶解部19には、重油を燃料
とし、純酸素を支燃性ガスとする酸素バーナー18を、
水平面に対して60度の傾斜角で3本配置した。湯溜室
13には、重油を燃料とし、純酸素を支燃性ガスとする
酸素バーナー11を、水平面に対して70度の傾斜角で
上方より底部に向かって1本、窒素又は空気を搬送ガス
とする炭素質原料吹込ランス12を、垂直方向下向きに
1本、それぞれ配置するとともに、底部に溶湯撹拌用ノ
ズル21を1本配置した。保持室16には、重油を燃料
とし、純酸素を支燃性ガスとする酸素バーナー14を、
水平面に対して70度の傾斜角で上方より底部に向かっ
て1本配置するとともに、底部に溶湯撹拌用ノズル22
を1本設置した。
【0020】このような仕様の金属溶解炉では、先ず全
体の耐火物を保熱するために、溶解部19,湯溜室1
3,保持室16の酸素バーナー18,11,14を燃焼
させて耐火物を昇熱する。昇熱完了次第、各酸素バーナ
ー18,11,14を消火するとともに、予熱室20の
上部に設けた蓋を開けて、開口部より5トンの鉄スクラ
ップと、鉄スクラップ1トン当り45kgのフラックス
と、鉄スクラップ1トン当り20kgのコークスを投入
し、各酸素バーナー18,11,14を燃焼させて溶解
を開始した。
【0021】溶解部19に溶湯が生成し、湯溜室13に
流出し始めたら、湯溜室13の酸素バーナー11の燃料
を徐々に増量し燃焼させるとともに、炭素質原料吹込ラ
ンス12から、窒素を搬送ガスとしてコークスを吹き込
んだ。溶解が進行し、湯溜室13から保持部16に溶湯
が流出する段階になった時点で保持室16の酸素バーナ
ー14の燃料流量を増量させた。
【0022】尚、上記した操業の進行中、予熱室20内
の原料投入レベルが下がるに伴い予熱室20の上部より
逐次連続的に上記割合の鉄スクラップ,フラックス及び
コークスを投入した。
【0023】このようにして、保持室16に1560〜
1630℃の溶湯が約6トン溜まった時点で、溶湯を保
持室16から取鍋に出湯した。この出湯操作を繰り返し
て行うと、2回目以降から出湯時間の間隔が短くなると
ともに、燃料原単位等が徐々に低下し、3回目以降で略
一定値になった。
【0024】また、酸素バーナー18,11,14に供
給する重油の流量を変化させて、重油量による変動も確
認した。溶解部2の3本の酸素バーナー18には、毎時
60〜70リットル,湯溜室13の1本の酸素バーナー
11には、毎時20〜50リットル、保持室16の1本
の酸素バーナー14には、毎時100〜120リットル
の重油を供給した。なお、酸素は、酸素バーナー18及
び酸素バーナー14については、酸素比が1になるよう
に、それぞれ毎時120〜140Nm (溶解部1
9),200〜240Nm (保持室16)を供給し
た。
【0025】湯溜室13の酸素バーナー11には、炭素
質原料吹込ランス12から湯溜室13に吹き込まれるコ
ークス量に応じて湯溜室13で発生する一酸化炭素(C
O)を燃焼させるために、酸素比を1〜5の範囲で、毎
時100Nm 供給した。また、湯溜室13の炭素質
原料吹込ランス5には、毎時60〜90kgのコークス
と、搬送ガスとして毎時40Nm の窒素をそれぞれ
吹き込んだ。さらに、湯溜部室13及び保持室16の溶
湯撹拌ノズル21,22から溶湯湯中に窒素を毎時約6
Nm の流量で吹き込んだ。
【0026】このようにして、湯溜室13で生成された
溶湯の炭素含有量は、1.0〜1.5%の範囲であり、
同室のスラグ中の全鉄濃度(T.Fe)は25%であっ
た。また、溶解後の湯溜室13の側壁及び溶湯流路17
を構成する耐火物の溶損は観察されず、溶損が抑制され
ていることが判明した。また、溶解部19の覗き窓から
の目視で、安定した溶解が観察され、凝固による閉塞は
見られなかった。
【0027】実施例2 実施例1と同様に、鉄原料として鉄スクラップとブリケ
ット状の還元鉄とを混合し、還元鉄の混合割合を20〜
60%に変化させて、溶解部19の溶解状況,湯溜室1
3の溶湯の炭素の濃度,スラグ組成を測定した。減量中
の還元鉄割合を増加させると、湯溜室13のコークスの
吹込量は毎時90〜120kgに増加した。
【0028】比較例 図2に示す従来の金属溶解炉を使用して鉄スクラップを
溶解し、溶解室2下部の溶湯の流れ性と湯溜室6の溶湯
中の炭素濃度とスラグ組成を調べ、実施例1及び2のも
のと比較した。
【0029】溶解室2の内径や湯溜室6の全幅及び全高
及びその他の各部の大きさ,形状等は、実施例1と略同
一とした。溶解室2及び保持室10の酸素バーナー1,
8は実施例と同じ条件で行った。
【0030】比較例1では、湯溜室6に酸素バーナー5
のみを使用し、比較例2では、実施例1と同様に酸素バ
ーナー5と炭素質原料吹込ランスからコークスを吹き込
む条件とした。
【0031】実施例1と同様に、最初に5トンの鉄スク
ラップを予熱室3から投入して溶解を開始し、湯溜室6
の溶湯中の炭素濃度とスラグ組成を調べ、併せて溶解室
2下部の溶解状態及び溶湯流路4,7の状況を目視によ
り観察した。さらに、操業後に溶湯流路4,7及び湯溜
室6の耐火物の溶損状況を調べ、両者を比較した。この
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明は、湯溜室に溶解部を形成して、
溶解部と湯溜室とを直結し、両者間に溶湯流路を設けな
い構造としたから、溶湯室と湯溜室との間に溶湯流路を
有する比較例1及び2では、溶湯流路に一部閉塞がみら
れるのに対し、実施例1及び2にも示す如く、溶解部と
湯溜室との間に溶湯の凝固は生じず、両者間を閉塞する
ことなく、安定した溶解が可能となる。
【0034】また、湯溜室の溶湯へ炭素質原料を吹き込
んで、溶湯中の炭素濃度を0.05〜2%に制御するこ
とにより、湯溜室の溶湯の融点を低下させて、溶湯内に
落下した固体原料を直ちに溶解させることなく、かつ周
囲の溶湯も凝固させることなく、溶解部上部の原料の落
下を防止させることができるので、固体原料の湯溜室へ
の侵入量を制限できるとともに、溶解部で溶解された溶
湯を固定原料に沿って湯溜室の溶湯に安定して流下させ
ることができる。
【0035】さらに、表1によれば、湯溜室の溶湯に炭
素質原料を吹き込むことにより、溶解部で酸化された一
部の原料を還元し、その際に発生する一酸化炭素(C
O)を、湯溜室の酸素バーナーの酸素比を1より高くす
ること又は酸素ランスにより燃焼して、湯溜室の溶湯を
効果的に昇温できる。
【0036】また、溶解部で原料を溶解する際に、原料
の一部が酸化して生成した酸化物は、耐火物に接触せず
に、湯溜室の溶湯に流下し、直ちに吹き込まれた炭素質
原料により還元される。このため、比較例1及び2で
は、溶解室で一部酸化された酸化物が、溶融流路の耐火
物表面を流れて耐火物を溶損したが、本発明によれば、
耐火物の溶損の原因となるスラグ中の鉄酸化物濃度を低
減でき、実施例1及び2にも示す如く、耐火物の溶損を
防止できる。
【0037】以上のように、本発明によれば、溶湯温度
を下げても、金属溶解中に溶湯が凝固して溶湯流路を閉
塞することを防止するとともに、原料の酸化を抑制し、
耐火物の溶損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一形態例を示す金属溶解炉の断面図
【図2】 従来の金属溶解炉を示す断面図
【符号の説明】
11,14,18…酸素バーナー、12…炭素質原料吹
込みランス、13…湯溜室13、15…出湯口、16…
保持室、17…溶湯流路、19…溶解部、20…予熱
室、21,22…溶湯撹拌用ノズル
フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 弘 東京都港区西新橋1−16−7 日本酸素株 式会社内 Fターム(参考) 4K014 CB01 CB02 CB07 CC01 4K045 AA01 AA03 AA06 BA02 RB02 RB12 RB16 RB21 4K063 AA04 AA12 AA13 BA02 CA03 CA06 FA53 GA02 GA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯保熱用加熱手段及び炭素質原料吹込
    みランスを備えた湯溜室と加熱手段及び出湯口を備えた
    保持室とを溶湯流路を介して連設するとともに、前記湯
    溜室の一側に金属原料溶解用加熱手段を設けて湯溜室の
    一側部分に溶解部を形成し、該溶解部の上方に金属原料
    予熱室を配設したことを特徴とする金属溶解炉。
  2. 【請求項2】 前記溶湯保熱用加熱手段は、少なくとも
    酸素バーナー又は酸素ランスのいずれか一方であること
    を特徴とする請求項1記載の金属溶解炉。
  3. 【請求項3】 前記保持室の加熱手段は、少なくとも酸
    素バーナー又はアーク発生用電極のいずれか一方である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の金属溶解炉。
  4. 【請求項4】 予熱室に連続的に投入した金属原料を、
    溶解部で金属原料溶解用加熱手段にて溶解して湯溜室に
    連続的に流下させるとともに、該湯溜室で溶湯保熱用加
    熱手段にて溶湯状態を保持しながら保持室に流出し、該
    保持室で加熱手段により溶湯状態を保持しながら、出湯
    口から間欠的に出湯する金属溶解方法において、炭素質
    原料吹込みランスにより、前記湯溜室の溶湯中の炭素濃
    度を0.05〜2%に制御し、かつ湯溜室のスラグ中の
    全鉄濃度を15〜30%に制御することを特徴とする金
    属属溶解方法。
  5. 【請求項5】 前記溶湯保熱用加熱手段である酸素バー
    ナーから、燃料を完全燃焼するために必要な酸素量の
    1.5〜5倍の酸素を流すことを特徴とする請求項4記
    載の金属溶解方法。
  6. 【請求項6】 予熱室に連続的に投入した金属原料を、
    溶解部で金属原料溶解用加熱手段にて溶解して湯溜室に
    連続的に流出するとともに、該湯溜室で溶湯保熱用加熱
    手段にて溶湯状態を保持しながら保持室に流下し、該保
    持室で加熱手段により溶湯状態を保持しながら、出湯口
    から間欠的に出湯する金属溶解方法において、前記溶湯
    保熱用加熱手段である酸素バーナーから、燃料を完全燃
    焼するために必要な酸素量の1.5〜5倍の酸素を流す
    ことを特徴とする金属溶解方法。
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