JP2000274869A - 熱電モジュールを内蔵するマニホールド - Google Patents

熱電モジュールを内蔵するマニホールド

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JP2000274869A
JP2000274869A JP11076938A JP7693899A JP2000274869A JP 2000274869 A JP2000274869 A JP 2000274869A JP 11076938 A JP11076938 A JP 11076938A JP 7693899 A JP7693899 A JP 7693899A JP 2000274869 A JP2000274869 A JP 2000274869A
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JP
Japan
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thermoelectric module
manifold
heat
stirring member
cavity
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JP11076938A
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English (en)
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Toshio Kamitsuji
利夫 上辻
Shohei Inamori
昭平 稲森
Osao Kido
長生 木戸
Kenichi Morishita
賢一 森下
Shinji Fujimoto
真嗣 藤本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペルチェ効果を有する熱電モジュールを内蔵
するマニホールドに関するものであり、キャビティ内に
おいて攪拌翼を回転させる構成のものを改良する。攪拌
翼の羽根部分と、熱電モジュールの伝熱面との間に、熱
媒体が存在する空隙を確保して熱交換効率に優れる熱電
モジュールを内蔵するマニホールドを開発する。 【解決手段】 マニホールド本体17に熱電モジュール
7が内蔵され、さらにマニホールド本体17に固定子8
が外装されたものである。マニホールド本体17は、加
熱側マニホールド2と冷却側マニホールド3を持ち、そ
れぞれ加熱側攪拌部材5と冷却側攪拌部材6が配されて
いる。加熱側攪拌部材5,6の軸受け部材15f,25
fに支軸12,23が挿通されている。支軸12の先端
に係止部28,32かしめられている。加熱側攪拌部材
5,6は、軸支持部11a,22aと係止部28,32
によって挟まれており、回転可能であるが、軸方向には
一体的に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はペルチェ効果を有す
る熱電モジュールを内蔵するマニホールドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、フロンガスのオゾン層破壊作用が
地球的な問題となり、フロンガスを使用しない冷却装置
の開発が急がれている。そしてフロンガスを使用しない
冷却装置の一つとして、熱電モジュールを使用した冷却
装置が注目されている。
【0003】ここで熱電モジュールとは、ペルチェ(Pe
ltier)モジュール、又は熱電モジュールとして知られて
いるものであり、二つの伝熱面を有し、電流を流すこと
により一方の伝熱面が加熱され、他方の伝熱面が冷却さ
れる機能を持つ部材である。すなわち熱電モジュールで
は、一方の面が放熱面として機能し、他方が吸熱面とし
て機能する。熱電モジュールを使用した冷却装置は、例
えばWO92/13243号(特表平6−504361
号)に開示されている。WO92/13243号に開示
された発明は、熱電モジュールをマニホールドに内蔵
し、マニホールド内では熱電モジュールを挟んで二つの
キャビティが構成されている。そしてマニホールドの放
熱面に面するキャビティは、熱交換器とポンプによって
構成される閉回路に接続され、他方の吸熱面に面するキ
ャビティも同様に熱交換器とポンプによって構成される
閉回路に接続されている。この様にして、熱電モジュー
ルの放熱側の伝熱面を含む循環回路と、冷却側伝熱面を
含む循環回路を構成し、この回路に水を主体とする熱媒
体を循環させる。そして二つの循環回路の内、冷却側の
回路の熱交換器によって所望の冷却を行う。
【0004】上記したWO92/13243号に開示さ
れた発明は、熱電モジュールを使用して実用的な冷却を
行い得る技術である。しかしながらWO92/1324
3号に開示された技術は、冷却装置の基本的な構成を開
示するものに過ぎず、実際にこの発明を冷蔵庫等に適用
するには、改良すべき点や、新たに解決しなければなら
ない問題が山積みされている。すなわち熱電モジュール
を使用した冷却装置は、旧来のフロンガスを使用した冷
却装置に比べて冷却効率が低いのが現状である。
【0005】WO92/13243号に開示された技術
には、如何にして熱媒体と熱電モジュールの伝熱面の接
触を円滑化し、冷却効率を向上させるかという問題があ
る。熱電モジュールと熱媒体との間の熱交換をより円滑
に行うための改良手段として、WO95/31688号
(PCT/AU95/00271号)に開示された発明
が知られている。WO95/31688号に開示された
発明は、マニホールドのキャビティ内に攪拌翼を設け、
熱媒体と熱電モジュールの伝熱面との接触機会を増大さ
せるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】WO95/31688
号に開示された発明は、前記した様にキャビティ内にお
いて攪拌翼を回転させて熱媒体と熱電モジュールの伝熱
面との接触機会を増大させるものであり、旧来のものに
比べて高い熱伝達効率を発揮することが期待される。し
かしながら、WO95/31688号には、キャビティ
内の攪拌翼を回転させる具体的手段については開示され
ていない。すなわちWO95/31688号に開示され
た発明は、キャビティ内に攪拌翼を設けることにより、
上記の問題は幾分改善されてはいるものの、キャビティ
内の攪拌翼を回転させる具体的手段については開示され
ていない。
【0007】またキャビティ内において攪拌翼を回転さ
せ、熱媒体と熱電モジュールの伝熱面との接触を増大さ
せるためには、攪拌翼の羽根部分と、熱電モジュールの
伝熱面との間に、熱媒体が存在する空隙を確保する必要
があるが、WO95/31688号には、その具体的手
段が開示されていない。本発明は、従来技術の上記した
問題点に注目し、攪拌翼の羽根部分と、熱電モジュール
の伝熱面との間に、熱媒体が存在する空隙を確保する方
策を開示するものである。そして本発明は、熱交換効率
に優れる熱電モジュールを内蔵するマニホールドを開発
することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明は、吸熱面と放熱面とを有し電流を流すことに
より前記放熱面が加熱され前記吸熱面が冷却される熱電
モジュールと、前記吸熱面及び前記放熱面の少なくとも
一方との間にキャビティを形成するよう前記熱電モジュ
ールを内蔵するマニホールド本体と、少なくとも一つの
前記キャビティの内部に設けられて当該キャビティ内の
流体を撹拌する撹拌部材を有し、前記撹拌部材は、前記
吸熱面又は前記放熱面と交差する軸心回りに回転自在に
支持部材に支持され、前記支持部材は、前記撹拌部材が
前記熱電モジュールに近接する方向に移動することを規
制するように前記撹拌部材に係止する係止部を備え、前
記係止部は、前記熱電モジュールから離反されているこ
とを特徴とする熱電モジュールを内蔵するマニホールド
である。
【0009】また同様の課題を解決するためのもうひと
つの発明は、吸熱面と放熱面とを有し電流を流すことに
より前記放熱面が加熱され前記吸熱面が冷却される熱電
モジュールと、前記吸熱面及び前記放熱面の少なくとも
一方との間にキャビティを形成するよう前記熱電モジュ
ールを内蔵するマニホールド本体と、少なくとも一つの
前記キャビティの内部に設けられて当該キャビティ内の
流体を撹拌する撹拌部材を有し、前記撹拌部材は、前記
吸熱面又は前記放熱面と交差する軸心回りに回転自在に
支持部材に支持され、前記支持部材の先端には、前記撹
拌部材が前記熱電モジュールに近接する方向に移動する
ことを規制するように前記撹拌部材に係止する係止部が
取付けられており、前記係止部は、前記キャビティ内の
流体よりも熱伝導性の高い固体材料からなるとともに前
記熱電モジュールに面接触されており、前記係止部の周
囲に流体の流通路が形成されていることを特徴とする熱
電モジュールを内蔵するマニホールドである。
【0010】これにより、攪拌翼の羽根部分と、熱電モ
ジュールの伝熱面との間に、熱媒体が存在する空隙が確
保され、熱交換効率が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、吸熱面と放熱面とを有
し電流を流すことにより前記放熱面が加熱され前記吸熱
面が冷却される熱電モジュールと、前記吸熱面及び前記
放熱面の少なくとも一方との間にキャビティを形成する
よう前記熱電モジュールを内蔵するマニホールド本体
と、少なくとも一つの前記キャビティの内部に設けられ
て当該キャビティ内の流体を撹拌する撹拌部材を有し、
前記撹拌部材は、前記吸熱面又は前記放熱面と交差する
軸心回りに回転自在に支持部材に支持され、前記支持部
材は、前記撹拌部材が前記熱電モジュールに近接する方
向に移動することを規制するように前記撹拌部材に係止
する係止部を備え、前記係止部は、前記熱電モジュール
から離反されていることを特徴とする熱電モジュールを
内蔵するマニホールドである。
【0012】本発明のマニホールドでは、キャビティ内
に流れが発生し、熱媒体等の流体と熱電モジュールの伝
熱面の接触率が上がり、熱交換効率が向上する。また本
発明の熱電モジュールを内蔵するマニホールドでは、撹
拌部材は、支持部材によって支持されている。そして支
持部材は、撹拌部材が熱電モジュールに近接する方向に
移動することを規制するように撹拌部材に係止する係止
部を備える。そのため本発明の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールドでは、撹拌部材の軸方向への移動が制限
され、熱電モジュールの伝熱面との間に、流体が存在す
る空隙が確保される。また本発明の熱電モジュールを内
蔵するマニホールドでは、係止部が熱電モジュールから
離反されているため、撹拌部材の中心部においても熱電
モジュールの伝熱面との間に空隙が確保される。そのた
め本発明の構成によると、撹拌部材の中心部でも熱電モ
ジュールは流体と接する。さらにまた本発明の熱電モジ
ュールを内蔵するマニホールドでは、係止部が熱電モジ
ュールから離反されているため、攪拌部材が発生する振
動が、熱電モジュールに伝わらない。
【0013】請求項2に記載の発明は、支持部材が、マ
ニホールド本体に対して固定された支軸であり、係止部
は前記支軸先端部に一体的に固定されていることを特徴
とする請求項1に記載の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールドである。
【0014】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、支軸先端部に一体的に固定された係止部に
より、撹拌部材の熱電モジュールに近接する方向への移
動が規制される。
【0015】さらに請求項3に記載の熱電モジュールを
内蔵するマニホールドでは、支軸が、撹拌部材を回転駆
動させる電動モータの回転子を回転自在に支持してお
り、前記回転子の径中心側に、キャビティへの流体導入
通路が設けられていることを特徴とする請求項2に記載
の熱電モジュールを内蔵するマニホールドである。
【0016】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、支軸が、撹拌部材を回転駆動させる電動モ
ータの回転子を回転自在に支持している。すなわち本発
明の熱電モジュールを内蔵するマニホールドでは、支軸
周辺部が、電動モータの軸受け的機能を果たす。そして
本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホールドでは、
回転子自身の径中心側に、キャビティへの流体導入通路
が設けられている。すなわち本発明の本発明の熱電モジ
ュールを内蔵するマニホールドでは、回転子の中を流体
導入通路が設けられている。
【0017】また請求項4に記載の発明は、吸熱面と放
熱面とを有し電流を流すことにより前記放熱面が加熱さ
れ前記吸熱面が冷却される熱電モジュールと、前記吸熱
面及び前記放熱面の少なくとも一方との間にキャビティ
を形成するよう前記熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルド本体と、少なくとも一つの前記キャビティの内部に
設けられて当該キャビティ内の流体を撹拌する撹拌部材
を有し、前記撹拌部材は、前記吸熱面又は前記放熱面と
交差する軸心回りに回転自在に支持部材に支持され、前
記支持部材の先端には、前記撹拌部材が前記熱電モジュ
ールに近接する方向に移動することを規制するように前
記撹拌部材に係止する係止部が取付けられており、前記
係止部は、前記キャビティ内の流体よりも熱伝導性の高
い固体材料からなるとともに前記熱電モジュールに面接
触されており、前記係止部の周囲に流体の流通路が形成
されていることを特徴とする熱電モジュールを内蔵する
マニホールドである。
【0018】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、撹拌部材は、支持部材によって支持されて
いる。また本発明では、撹拌部材が熱電モジュールに近
接する方向に移動することを規制するため、支持部材の
先端に係止部が取付けられている。なお係止部は、支持
部材に対して一体的に固定された構成と、軸方向に移動
可能に取り付けられた構成の双方が可能である。係止部
を軸方向に移動可能とする構成を採用する場合は、係止
部が熱電モジュールと接触することにより、係止部が位
置決めされ、撹拌部材の熱電モジュールに近接する方向
への移動が規制されることとなる。本発明の熱電モジュ
ールを内蔵するマニホールドでは、撹拌部材の軸方向へ
の移動が制限され、熱電モジュールの伝熱面との間に、
流体が存在する空隙が確保される。また本発明の熱電モ
ジュールを内蔵するマニホールドでは、係止部は、前記
キャビティ内の流体よりも熱伝導性の高い固体材料から
なり、かつ係止部は熱電モジュールに面接触されてい
る。そのため本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、熱電モジュールの発熱又は冷熱が係止部に
伝わる。そして本発明では、さらに係止部の周囲に流体
の流通路が形成されている。そのため熱電モジュールか
ら熱伝達された発熱又は冷熱は、係止部を経由して流体
に伝達される。すなわち本発明の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドにおいて、係止部は、撹拌部材の位置
決めをする機能に加えて、熱電モジールの伝熱面積を実
質的に増大させる機能を持つ。
【0019】また請求項5に記載の発明は、係止部は、
吸熱面又は放熱面の中心部に接触されていることを特徴
とする請求項4に記載の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールドである。
【0020】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、係止部は、吸熱面又は放熱面の中心部に接
触されている。ここで熱電モジュールの吸熱面又は放熱
面の中心部は、一般的に最も高温又は低温になる部位で
ある。本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホールド
は、この最も低温となる部位又は高温となる部位の伝熱
面積を実質的に増大させる機能を持つので、熱交換効率
が高い。
【0021】さらに請求項6に記載の発明は、支持部材
が、マニホールド本体に対して固定された支軸であり、
前記支軸が、撹拌部材を回転駆動させる電動モータの回
転子を回転自在に支持しており、前記回転子の径中心側
に、キャビティへの流体導入通路が設けられていること
を特徴とする請求項4又は5に記載の熱電モジュールを
内蔵するマニホールドである。
【0022】発明の熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルドでは、支軸が、撹拌部材を回転駆動させる電動モー
タの回転子を回転自在に支持しており、支軸周辺部が、
電動モータの軸受け的機能を果たす。また本発明マニホ
ールドでは、回転子自身の径中心側に、キャビティへの
流体導入通路が設けられている。すなわち本発明の熱電
モジュールを内蔵するマニホールドでは、回転子の中に
流体導入通路が設けられている。
【0023】また請求項7に記載の発明は、マニホール
ド本体は、熱電モジュールの吸熱面側と放熱面側の双方
との間にキャビティを有し、双方のキャビティ内に攪拌
部材が設けられ、二つの攪拌部材の少なくとも一方には
磁石が設けられ、一方の攪拌部材の回転力が磁力によっ
て他方の攪拌部材に伝達されることを特徴とする請求項
1乃至6のいずれかに記載の熱電モジュールを内蔵する
マニホールドである。
【0024】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、ただ一つの原動機によって加熱側と冷却側
双方の攪拌部材を攪拌することができ、部品点数が少な
く、外形形状が小型となる。さらに本発明では、攪拌部
材間の動力伝達に磁気を利用する。本態様の構成による
と、非接触で攪拌部材間の動力伝達を行うことができる
ので、キャビティ同士の独立性を確保することができ
る。そのため加熱側と冷却側の流体が混ざることがな
い。
【0025】さらに請求項8に記載の発明は、マニホー
ルド本体は、熱電モジュールの伝熱面の一方だけを覆
い、熱電モジュールの他方の伝熱面は、熱伝導板に当接
されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールドであ
る。
【0026】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、熱伝導板によって直接的に冷却対象物や空
気等を冷却することができる。
【0027】
【実施例】以下さらに本発明の望ましい実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (実施例1)図1は、本発明の第1実施例の熱電モジュ
ールを内蔵するマニホールドの正面図である。図2は、
図1の右側面図である。図3は、図1の左側面図であ
る。図4は、図1の熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルドの正面断面図である。図5は、図4の支軸周辺部の
拡大図及びその変形例の拡大図である。図6は、図4の
熱電モジュール端部の拡大図である。図7は、図1のマ
ニホールドの分解斜視図である。図8(a)は、図1の
マニホールドの加熱側の詳細分解斜視図であり、(b)
はさらに加熱側攪拌部材の分解斜視図であり、(c)は
加熱側マニホールドの小径ボス部の断面図であり、
(d)は加熱側攪拌部材のボス部の断面図である。図9
は、図1のマニホールドの固定子周辺の詳細分解斜視図
である。図10は、図1のマニホールドの加熱側マニホ
ールドの正面図及び断面図である。図11は、図1のマ
ニホールドに内蔵されている攪拌部材の正面図である。
図12は、図11の攪拌部材の断面図である。図13
は、熱電モジュールの正面図である。図14は、熱電モ
ジールの断面図である。図15は、固定リングの正面断
面図及び左右の側面図である。図16は、固定リングの
締結手順を示す説明図である。図17は、図1のマニホ
ールドを活用した冷凍機の構成図である。図18は、空
気抜きチャンバーの断面図である。図19は、空気抜き
チャンバーの変形例の断面図である。
【0028】図1〜図4において、1は、本発明の第1
実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールドを示
す。熱電モジュールを内蔵するマニホールド1は、マニ
ホールド本体17に熱電モジュール7が内蔵され、さら
にマニホールド本体17に固定子8が外装されたもので
ある。固定子8の取付けには固定リング9が活用されて
いる。またマニホールド本体17は、加熱側マニホール
ド2と冷却側マニホールド3を持ち、それぞれ加熱側攪
拌部材5と冷却側攪拌部材6が配されている。以下詳細
に説明する。
【0029】加熱側マニホールド2は、ポリプロピレン
樹脂やポリエチレン樹脂を素材とする射出成形によって
作られたものである。加熱側マニホールド2の外観形状
は、図10の様に円板状のフランジ部2aと、これに続
くボス部2b,2cを持ち、さらに管部2d,2eが連
続している。すなわち加熱側マニホールド2は、フラン
ジ部2aを持ち、これに繋がる大径ボス部2bが設けら
れている。また大径ボス部2bは、これよりも小径の小
径ボス部2cに繋がっている。そして小径ボス部2cの
端部は、さらに細くなっていて大径管部2dが構成さ
れ、大径管部2dの端部はより細く作られていて小径管
部2eを構成している。前記した大径ボス部2b、小径
ボス部2c、大径管部2d及び小径管部2eはいずれも
同心状に配されているが、フランジ部2aについては、
図2で明らかなようにやや偏心している。このようにフ
ランジ部2aだけを偏心させた理由は、熱電モジュール
7に給電する端子2g(図2)を設けるためのスペース
を確保するためである。
【0030】本実施例で採用する加熱側マニホールド2
では、大径管部2dの外周部に3個の突起2fが設けら
れている。3個の突起2fは、同一円周状であって且つ
互いに等間隔となる位置に配されている。
【0031】加熱側マニホールド2の内部は空洞10に
なっており、加熱側マニホールド2は、当該空洞10に
よって小径管部2e側からフランジ2a側にかけて貫通
している。また加熱側マニホールド2の内部の空洞10
の断面形状は、いずれの部位も円形である。空洞10の
外径は、それぞれボス部2b,2c及び管部2d,2e
の外径に相応した大きさであり、小径管部2e側からフ
ランジ部2a側にかけて順次大きくなっている。すなわ
ち加熱側マニホールド2の内部の空洞10は、4段階に
区分され小径管部2e側から順次、第一空洞部10a,
第二空洞部10b、第一キャビティ10c、第二キャビ
ティ10dがあり、第二キャビティ10dはフランジ部
2a側に開口している。本実施例では、小径管部2e側
の開口13は、熱媒体導入口として機能する。
【0032】第二キャビティ10dの開口端部は、更に
二段階に縁取りされている。第二キャビティ10dの開
口の第一段10eには、環状の溝2hが設けられてい
る。当該溝2hには、オーリング31が挿入される。第
二キャビティ10d開口の第二段10fは、熱電モジュ
ール7の外周径と略一致する内径を持つ。また加熱側マ
ニホールド2では、フランジ部2aのフランジ面にも環
状の溝2iが設けられている。当該溝2iには、オーリ
ング30が挿入される。
【0033】そして加熱側マニホールド2の内部には軸
固定部11が設けられている。軸固定部11は、図4,
図5,図8,図10(a)の様に円柱状の軸支持部11
aを持つ。そして当該軸支持部11aは、リブ11bに
よって空洞部10内に同心状に支持されている。より詳
細に説明すると、大径管部2dの内部、すなわち第二空
洞部10bに3本のリブ11bが放射状に設けられてい
る。そして各リブ11bの端部は、いずれも軸支持部1
1aの側面と一体的に結合しており、軸支持部11aを
空洞部10の中心に支持している。軸支持部11aの軸
方向の位置は、第二空洞部10bと第一キャビティ10
cに跨がった部位である。
【0034】軸固定部11の軸支持部11aには、ステ
ンレス等で作られた支軸12が一体的に固定されてい
る。従って支軸12は、空洞部10と同心状に固定支持
されている。
【0035】また大径ボス部2bには、内部(第二キャ
ビティ10d)から外に向かって連通するパイプ状の熱
媒体排出口14が設けられている。熱媒体排出口14の
パイプ状部位14aは、図1,図2の様に第二キャビテ
ィ10dと同一平面上にあり、かつパイプ状部位14a
は、第二キャビティ10dに対して接線方向に延びてい
る。
【0036】加熱側攪拌部材5は、攪拌翼15と、モー
タの回転子16が一体化したものである。すなわち加熱
側攪拌部材5の攪拌翼15は、樹脂の射出成形によって
作られたものであり、ボス部15aと円板部15bを持
ち、円板部15bの一方の面に4個の羽根部材15cが
設けられてなるものである。羽根部材15cは、正面
(図11)から見て中心部分が細く、周方向に向かうに
従って幅広に作られており、さらにやや捩じれた形状を
している。羽根部材15cの外径dは、前記した加熱側
マニホールド2の第二キャビティ10dの外径Dを10
0とすると、94以下である。すなわち加熱側攪拌部材
5を加熱側マニホールド2に装着した時、羽根部材15
cと第二キャビティ10dの内周面との間に、第二キャ
ビティ10dの内周径の3%以上のクリアランスができ
る。なお、加熱側攪拌部材5の羽根の形状は、本実施例
に限定されるものではなく、風車状の羽根やプロペラ
状、あるいは円板に板体が垂直に立設されたものであっ
てもよい。
【0037】そして本実施例に特有の構成として、各羽
根部材15cの内部に立方体形状の永久磁石15dが取
り付けられている。
【0038】一方、ボス部15aは、円板部15eの3
分の1から、4分の1程度の外径を持つ筒状体である。
そしてボス部15aの中心には、図12の様に管状の軸
受け部材15fが設けられている。すなわち軸受け部材
15fは、ボス部15aの内側に設けられた3本のリブ
15gにより、ボス部15aの中心軸に一致する部位に
保持されている。本実施例において、リブ15gは、板
状であり、図12の様にその面が軸線に対して傾斜して
いる。後記する様に熱媒体は、ボス部15aの中を通過
するが、本実施例では、リブ15gが軸線に対して傾斜
しているので、熱媒体が巻き込まれる。
【0039】モータの回転子16は、具体的には円柱状
の永久磁石である。回転子16には、フランジ部16b
が設けられている。回転子16の磁石部分の外径は、攪
拌翼15の約2分の1である。また回転子16の中央に
は、前記したボス部15aの外径と一致する孔16aが
設けられている。そして回転子16は、中央の孔16a
が攪拌翼15のボス部15aに挿入され、さらにフラン
ジ部16bが円盤部15bにネジ止めされている。すな
わち回転子16はネジによって、攪拌翼15と一体的に
結合されている。
【0040】次に加熱側マニホールド2と加熱側攪拌部
材5との関係について説明する。加熱側攪拌部材5は、
加熱側マニホールド2の第一キャビティ10cと第二キ
ャビティ10dに配される。より具体的には、加熱側攪
拌部材5の円板部15bと羽根部材15cが第二キャビ
ティ10dに位置し、回転子16が第一キャビティ10
cに配される。また前記した様に、羽根部材15cと第
二キャビティ10dの内周面との間には、第二キャビテ
ィ10dの内周径の3%以上のクリアランスができる。
そして図5(a)の様に、加熱側攪拌部材5の軸受け部
材15fに、ブッシュ29が介在された上で、加熱側マ
ニホールド2の支軸12が挿通されている。本実施例で
採用するブッシュ29は、つば29aと本体部29bを
持つものであり、本体部29bは軸受け部材15fと略
等しい長さを持つ。
【0041】支軸12は、前記した様に加熱側攪拌部材
5の軸受け部材15fに挿通される。そしてその状態
で、支軸12の先端に係止部28が取り付けられてい
る。係止部28は、支軸12に対してかしめられてお
り、支軸12から脱落することはない。したがって、加
熱側攪拌部材5の、軸受け部材15fの前方端面は、ブ
ッシュ29のつば29aを介して係止部28と当接し、
加熱側攪拌部材5の熱電モジュール7に近接する方向の
力は、係止部28によって支持される。また軸受け部材
15fの後方端面は、軸支持部11aの前端と当接す
る。従って加熱側攪拌部材5の軸受け部材15fは、軸
支持部11aと係止部28によって挟まれている。その
ため本実施例では、加熱側攪拌部材5は、回転可能であ
るが、軸方向には一体的に加熱側マニホールド2に固定
されている。そして加熱側攪拌部材5が加熱側マニホー
ルド2に装着された状態において、係止部28は、加熱
側マニホールド2のフランジ部2aのフランジ面よりも
僅かに内側に位置する。より具体的には、係止部28の
先端は、加熱側マニホールド2の開口部の第一段10e
よりも、熱媒体導入口13側に位置にある。
【0042】なお本実施例では、図5(a)に示した様
に、ブッシュ29の本体部29bは、軸受け部材15f
と略等しい長さを持ち、ブッシュ29は軸受け部材15
fの全長に渡って挿入されている。しかしこれに代わっ
て、図5(b)に示す様にブッシュ29の本体部29b
の長さを軸受け部材15fよりも短く設計し、さらに軸
受け部材15fの後端にテーパ部15hを設ける構成も
推奨される。この構成は、熱媒体を潤滑剤として活用す
ることを意図したものである。すなわち後記する様に、
加熱側攪拌部材5の中心部は、熱媒体流路の一部として
機能し、使用時においては軸受け部材15fは熱媒体の
流れの中にさらされる。そこで図5(b)に示す様に、
軸受け部材15fの後端にテーパ部15hを設けると、
熱媒体がテーパ部15hによって集められ、軸受け部材
15fの中に導入される。その結果、熱媒体が潤滑剤と
して機能し、加熱側攪拌部材5が回転する際の摩擦抵抗
が低下する。
【0043】実施例の説明に戻ると、加熱側マニホール
ド2と加熱側攪拌部材5が組付けられた状態において、
加熱側マニホールド2の熱媒体導入口13と加熱側攪拌
部材5の円板部15eの前面側が連通する。すなわち熱
媒体導入口13は、第一空洞部10aと連通し、さらに
第一空洞部10aは、加熱側攪拌部材5のボス部15a
の開口と連通する。そしてボス部15aは、筒状であっ
て、その先端部分は、加熱側攪拌部材5の円板部15e
の前面側に開口している。従って加熱側マニホールド2
の熱媒体導入口13と加熱側攪拌部材5の円板部15e
の前面側が連通する。本実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドでは、上記した一連の連通路が熱媒体
の流路となる。すなわち本実施例では、回転子16の径
中心側に孔16aが設けられており、当該孔16aが直
接的に、あるいは当該孔16aに挿入されたボス部15
aの孔が、第二キャビティ10dに流体を導入する熱媒
体導入通路の一部として機能する。
【0044】次に冷却側マニホールド3及び冷却側攪拌
部材6の構成を説明する。冷却側マニホールド3は、前
記した加熱側のマニホールド2と略対掌形(左右勝手違
い)であり、円板状のフランジ部3aを持つ。冷却側マ
ニホールド3では、ボス部3bは一段である。またボス
部3bの後端部は、管部3c,3dに繋がっている。冷
却側マニホールド3の大径管部3dの外周部は、平滑な
円筒面であり、突起はない。冷却側マニホールド3の内
部は前記した加熱側のマニホールド2と同様に空洞20
になっており、小径管部3e側からフランジ部3a側に
かけて貫通している。そして空洞20の内径は、3段階
に区分され小径管部3e側から順次、第一空洞部20
a,第二空洞部20b及びキャビティ20dがあり、キ
ャビティ20dはフランジ部3a側に開口している。ま
た小径管部3e側の開口21は、熱媒体導入口として機
能する。
【0045】冷却側マニホールド3の内部には、加熱側
のマニホールド2と同様に軸固定部22が設けられてい
る。軸固定部22は円柱状の軸支持部22aを持つ。そ
して当該軸支持部22aは、リブ22bによって空洞部
20内に同心状に支持されている。リブ22bの形状や
取付け位置、数等は、前記した加熱側のマニホールド2
と同様であり、第二空洞部10bに3本のリブ22bが
放射状に設けられていると共にその他端側が軸支持部2
2aの側面と一体的に結合し、軸支持部22aを空洞部
10の中心に支持している。軸支持部22aの軸方向の
位置は、第二空洞部20bとキャビティ20dに跨がっ
た部位である。そして軸固定部22の軸支持部22aに
は、ステンレス等で作られた支軸23が一体的に固定さ
れ、支軸23は、空洞部20と同心状に固定支持されて
いる。
【0046】冷却側マニホールド3についても、パイプ
状の熱媒体排出口24が設けられているが、熱媒体排出
口24の角度は、前記した加熱側マニホールド2とは異
なる。すなわち加熱側マニホールド2では、熱媒体排出
口14のパイプ状部位14aは、第二キャビティ10d
と同一平面上にあり、かつパイプ状部位14aは、第二
キャビティ10dに対して接線方向に延びていたのに対
し、冷却側マニホールド3では、パイプ状部位24a
は、図1,図3の様にキャビティ20dの平面に対して
外側に傾斜した角度に取り付けられている。すなわち冷
却側マニホールド3では、パイプ状部位24aは、図3
の様に側面の投影図で観察すると、キャビティ20dの
接線方向に延びているが、正面図から明らかなように、
開口部分がキャビティ20dとは異なる平面にある。す
なわち冷却側マニホールド3では、パイプ状部位24a
は、キャビティ20dの平面に対して傾斜して取り付け
られている。
【0047】冷却側攪拌部材6は、攪拌翼である。すな
わち冷却側攪拌部材6は、固定子を持たない。冷却側攪
拌部材6は前記した加熱側攪拌部材5の羽根部材15c
と略同様の形状をしており、ボス部25aと円板部25
bを持ち、円板部25bの一方の面に4個の羽根部材2
5cが設けられたものである。羽根部材25cは、前記
した羽根部材15cと同様、中心部分が細く、周方向に
向かうに従って幅広に作られており、さらに時計方向に
捩じれた形状をしている。また各羽根部材25cの内部
に立方体形状の永久磁石25dが取り付けられている。
永久磁石25dの極性は、前記した加熱側攪拌部材5の
羽根部材15cに設けた永久磁石15dと反対の極であ
る。すなわち永久磁石25dは、熱電モジュール7を挟
んで永久磁石15dと引き合う様に極性が配置されてい
る。なお冷却側攪拌部材6に設けられた永久磁石25d
の極性は、その全てが加熱側攪拌部材5に設けられた永
久磁石15dと同一であって、両者が互いに反発しあう
関係であってもよい。また冷却側攪拌部材6側と加熱側
攪拌部材5の永久磁石15d,25dの幾つか、あるい
は一方の永久磁石15d,25dの全てを、鉄片等の磁
性体に置き換えてもよい。
【0048】ボス部25aの形状・構造は、全長が短い
点を除いて、前記した加熱側攪拌部材5と同一である。
すなわちボス部25aの内側にはリブ25gが設けら
れ、リブ25gによって管状の軸受け部材25fが中心
軸に一致する部位に保持されている。リブ25gは板状
であり、その面が軸線に対して傾斜していて、熱媒体が
巻き込まれる。
【0049】冷却側マニホールド3と冷却側攪拌部材6
との関係は、前記した加熱側と略同一であり、冷却側攪
拌部材6は、冷却側マニホールド3のキャビティ20d
に配される。そして冷却側攪拌部材6の軸受け部材25
fに、ブッシュ33が介在された上で、冷却側マニホー
ルド3の支軸23が挿通されている。また先端に係止部
32が取り付けられている。係止部32は、支軸23に
対してかしめられており、支軸23から脱落することは
ない。したがって、冷却側攪拌部材6の、軸受け部材2
5fの端面は、ブッシュ33のつばを介して係止部32
と当接し、冷却側攪拌部材6の軸方向力は、係止部32
によって支持される。従って、本実施例では、冷却側攪
拌部材6は、回転可能であるが、軸方向には一体的に冷
却側マニホールド3に固定されている。そして冷却側攪
拌部材6が冷却側マニホールド3に装着された状態にお
いて、係止部32は、冷却側マニホールド3のフランジ
部3aのフランジ面よりも僅かに内側に位置する。また
冷却側マニホールド3と冷却側攪拌部材6が組付けられ
た状態において、冷却側マニホールド3の熱媒体導入口
21と冷却側攪拌部材6の円板部の前面側が連通する。
【0050】次にその他の部材について説明する。本実
施例では、熱電モジュール7は、図13の様に円板状で
ある。熱電モジュール7は、公知のペルチェ素子を利用
したものであり、P型半導体とN型半導体が並べて設け
られたものである。熱電モジュール7の断面構造は、図
14の通りであり、P型とN型の熱電半導体7c,7d
を上下交互の電極7eで直列に接続し、上下をセラミッ
クの絶縁板7fで固定したものである。なおP型熱電半
導体7cとN型熱電半導体7dの組み合わせがペルチェ
素子の最小単位である。そして本実施例で使用する熱電
モジュール7では、アルミニウムの円板同士の間に、図
13の様にペルチェ素子を円形に配したものである。な
お本実施例で採用する熱電モジュール7では、円板の外
周近傍部分には、ペルチェ素子はない。熱電モジュール
7としては、他に一つの角形の熱電モジュールをアルミ
ニウムの円板で挟んだものも使用可能である。
【0051】固定子8は、モータを構成するコイルが内
蔵されたものである。固定子8の外径形状は、図7,
8,9の様にドーナツ状であり、中央に孔8aが設けら
れている。また側面に電極部8bが設けられている。
【0052】固定リング9は、図15の様に円板状であ
り、「卍」に似た特殊形状の開口27が設けられてい
る。開口27の形状を詳細に説明すると次の通りであ
る。すなわち固定リング9の中央には、円形の開口27
aが設けられ、当該円形の部位から放射状に3本の溝2
7bが延びている。当該溝27bは、いずれも直線であ
り、その軸線は、円形の開口27aの中心を通過する。
また直線状の溝27bの端部は、いずれも同一方向に旋
回している。当該旋回部の溝27cは、円形の開口27
aを中心とする円弧である。固定リング9には、この様
に直線状の溝27bと、旋回状の溝27cが設けられて
いるので、両溝によって囲まれる部位が半島状に残る。
すなわち固定リング9には、円形の開口27aの周囲
に、3個の半島部27dが設けられている。
【0053】次に固定リング9の表裏の面形状を見る
と、固定リング9の裏面側は、図15(a)の様に平滑
である。これに対して固定リング9の表面側は、図15
(c)の様に全ての端部に補強リブが設けられている。
また図において、E,F,Dで示される部位、すなわち
半島部27dの表面側端部には、傾斜が設けられてい
る。
【0054】次にマニホールド1の組み立て構造につい
て説明する。マニホールド1では、加熱側マニホールド
2と冷却側マニホールド3がオーリング30を挟んで一
体となり、その中央に二つのオーリング31を挟んで熱
電モジュール7が配されている。すなわち加熱側のマニ
ホールド2と、冷却側のマニホールド3は一体的に結合
され、その中間部分に熱電モジュール7が装着されてい
る。加熱側マニホールド2と冷却側マニホールド3との
結合は、それぞれのフランジ部2a,3aを合わせ、両
者にネジを挿通することにより行われる。ここで両者の
接合部に注目すると、図6の様に、熱電モジュール7の
ペルチェ素子が存在しない周辺部近傍が、加熱側マニホ
ールド2と冷却側マニホールド3に挟まれ、ている。言
い換えると、ペルチェ素子は、キャビティ10d,20
dに面した部位だけにある。そしてペルチェ素子が存在
しない熱電モジュール7の周辺部近傍にオーリング31
が当接している。本実施例では、ペルチェ素子が存在し
ない部位を加熱側マニホールド2と冷却側マニホールド
3で挟むことにより、ペルチェ素子の発熱或いは冷熱が
直接的に加熱側マニホールド2と冷却側マニホールド3
に伝わることを防いでいる。
【0055】本実施例では、加熱側のマニホールド2及
び冷却側のマニホールド3に、それぞれ攪拌部材5,6
が装着されているが、攪拌部材5,6は、いずれも支軸
12,23にかしめられた係止部28,32によって軸
方向力が支持され、マニホールド2、マニホールド3に
対して軸方向に一体的に固定されている。そして攪拌部
材5,6がマニホールド2,3に装着された状態におい
て、係止部28,32は、マニホールド2,3のフラン
ジ部2a,3aのフランジ面のよりも僅かに内側に位置
する。より具体的には、係止部28の先端は、加熱側マ
ニホールド2の開口部の第一段2iよりも、熱媒体導入
口13側に位置にある。そのため係止部28,32及び
攪拌部材5,6は、いずれも熱電モジュール7と接触せ
ず、攪拌部材5,6と熱電モジュール7との間には隙間
4が確保される。当該隙間は、凡そ1mm〜2mm程度
である。
【0056】また加熱側マニホールド2のボス部2cに
固定子8が外装される。固定子8の固定方法は、次の手
順による。すなわち固定子8の孔8aに加熱側マニホー
ルド2のボス部2cを挿通する。そして固定子8に続い
て固定リング9を加熱側マニホールド2に外装する。固
定リング9の装着に際しては、図16(a)の様に溝9
bと突起2fとを一致させる。こうすることにより、突
起2fは、固定リング9の半島部27dと干渉せず、半
島部27dは突起2fよりもフランジ部2a側に至る。
そして続いて固定リング9を図16の矢印の方向に回転
させ、半島部27dを突起2fと固定子8の間に挿入
し、突起2fと固定子8とを係合させる。その結果、固
定子8は、加熱側マニホールド2のボス部2cに一体的
に固定される。
【0057】次に本実施例にマニホールド1の作用につ
いて説明する。本実施例のマニホールド1は、図17に
示すような熱交換器40,41及び空気抜きチャンバー
43,44を含む冷凍装置45の一部として活用され
る。
【0058】ここで高温側及び低温側の空気抜きチャン
バー43,44は、何らかの理由で配管内に混入したガ
スを集め、ガスが配管経路を循環することを防止する機
能と、何らか理由で、熱媒体が減少した場合でも熱媒体
を円滑に循環させることを目的として設けられるもので
ある。空気抜きチャンバー43,44は、要するに配管
内のガスが集まる空間を設けるものであり、配管経路の
最も高い位置に、容積の大きな部位を設けたものであ
る。空気抜きチャンバー43,44の具体的構成は、図
18の通りであり、タンク状の容器47に熱媒体導入口
48と、熱媒体排出口49が設けられたものである。ま
たここで本実施例に特有の構成として、熱媒体導入口4
8と、熱媒体排出口49には、いずれもパイプが使用さ
れている。そして熱媒体導入口48を構成するパイプ
は、容器47の底面の中心から容器47に入る。また熱
媒体導入口48を構成するパイプは、容器47内におい
て、容器47の重心の近傍まで至り、容器47の重心近
傍で開口している。一方、熱媒体排出口49を構成する
パイプは、容器47の側面の中心から容器47に入る。
そして熱媒体導入口48を構成するパイプについても、
容器47内において、容器47の重心の近傍まで至り、
容器47の重心近傍で開口している。
【0059】本実施例で採用する空気抜きチャンバー4
3,44は、熱媒体導入口48及び熱媒体排出口49
が、容器47の重心部で開口するので、空気抜きチャン
バー43,44に方向性が無い。すなわち本実施例で採
用する空気抜きチャンバー43,44は、図18の様な
姿勢で使用することが望ましいが、何らかの理由で倒立
状態となっても、傾斜姿勢に置かれても、熱媒体導入口
48及び熱媒体排出口49の開口は、常に熱媒体に浸
る。そのため本実施例で採用する空気抜きチャンバー4
3,44は、傾斜姿勢で使用されても、熱媒体導入口4
8及び熱媒体排出口49の容器47内の開口から、空気
(又はガス)を吸い込むことがない。同様の作用・効果
が期待される空気抜きチャンバーとしては、図18に示
す空気抜きチャンバー53がある。図18に示す空気抜
きチャンバーでは、熱媒体導入口48及び熱媒体排出口
49が「L」字状に曲がった一本りパイプ51によって
構成されている。本実施例では、パイプ50の角の部位
が容器47の重心近傍にある。そして当該角の部位に開
口52が設けられている。
【0060】冷凍装置45の説明に戻ると、マニホール
ド1の高温側は、放熱用のコンデンサ(熱交換器)40
及び高温側空気抜きチャンバー43と配管結合される。
より具体的には、放熱用のコンデンサ(熱交換器)40
の吐出口と、マニホールド1の熱媒体導入口13が接続
される。またマニホールド1の熱媒体排出口14と高温
側空気抜きチャンバー46の導入口48が接続される。
また高温側気抜きチャンバー46の熱媒体排出口49と
放熱用のコンデンサ(熱交換器)40の導入口が接続さ
れている。こうしてマニホールド1の高温側、高温側気
抜きチャンバー46及び放熱用のコンデンサ(熱交換
器)40からなる一連の閉回路が構成される。
【0061】マニホールド1の冷却側の配管についても
同様であり、吸熱用のエバー(熱交換器)41及び低温
側気抜きチャンバー44と配管結合され、一連の閉回路
が構成されている。
【0062】そして配管回路内には、水を主体とする熱
媒体が循環される。なお、冷却側の配管回路内には、プ
ロピレングリコール等の不凍液を添加することが望まし
い。熱媒体は、比熱が大きい点から水を主体とする流体
を採用することが望ましいが、勿論他の液体であっても
良い。本実施形態の冷凍機では、マニホールド1が熱媒
体を移動させるポンプの機能を兼ねるので、特別のポン
プは設けられていない。
【0063】この状態で、マニホールド1の熱電モジュ
ール7に通電し、さらに固定子8にも通電を行う。その
結果、熱電モジュール7の加熱側伝熱面(放熱面)7a
の温度が上昇し、冷却側伝熱面(吸熱面)7bの温度が
低下する。
【0064】また固定子8が励磁され、磁力が加熱側マ
ニホールド2を貫通して内部の回転子16に作用する。
その結果、加熱側マニホールド2内の回転子16に回転
力が発生する。すなわち、本実施例の熱電モジュールを
内蔵するマニホールド1では、加熱側マニホールド2の
内外に設けられた回転子16と、固定子8とによって、
一つのモータが構成されている。そのため固定子8に通
電することにより、加熱側マニホールド2内の回転子1
6が回転する。その結果、回転子16と一体となった加
熱側攪拌部材5が回転し、加熱側攪拌部材5の攪拌翼1
5が回転を始める。
【0065】ここで本実施例のマニホールド1では、攪
拌部材5,6に磁石15d,25dが取り付けられてお
り、さらに攪拌部材5,6は熱電モジュール7を挟んで
対向した位置にある。また各磁石15d,25dの極性
は、互いに引きつけ合う方向に揃えられている。そのた
め攪拌部材5,6の磁石15d,25d同士が引き付け
合い、加熱側の第二キャビティ10d内にある加熱側攪
拌部材5の回転に伴って、冷却側の冷却側攪拌部材6も
回転を開始する。すなわち固定子8に通電することによ
り、各キャビティ内で攪拌部材5,6が回転する。
【0066】そして各キャビティ内の熱媒体が回転し、
熱媒体にエネルギーが付与される。そして回転力が付与
された熱媒体は、それぞれ熱媒体排出口14,24から
外部に吐出される。このように本実施例の熱電モジュー
ルを内蔵するマニホールド1は、ポンプとしての機能を
発揮するが、内部における熱媒体の流路は特異である。
すなわち本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルド1の加熱側においては、熱媒体は、加熱側マニホー
ルド2の端部にある熱媒体導入口13から入る。そして
熱媒体は、小径管部2e内の第一空洞部10aを流れ
る。続いて熱媒体は、大径管部2dの第二空洞部10b
のリブ11bの間を通過する。さらに熱媒体は、加熱側
攪拌部材5のボス部15aの中を流れ、リブ15gの間
を通過して加熱側攪拌部材5の円板部15eの前面側に
開口至る。
【0067】冷却側においても同様であり、熱媒体は、
冷却側マニホールド3の端部にある熱媒体導入口21か
ら入り、第一空洞部20aを流れ、第二空洞部20bの
リブ22bの間を通過して冷却側攪拌部材6のボス部2
5aの中を流れ、冷却側攪拌部材6の羽根部材25cの
中心に至る。本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールド1では、熱媒体は、直線的な経路を流れ、直接
的に加熱側攪拌部材5,6の羽根部材15c,25cの
中心部分に入る。ここで羽根部材15c,25cの中心
部分は、回転によって負圧傾向となる部位であるから、
本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールド1
は、ポンプとして高い効率を発揮する。
【0068】また羽根部材15c,25cの中心部分に
入った熱媒体は、羽根部材15c,25cによって攪拌
され、高い頻度で熱電モジュール7の放熱面又は吸熱面
と接触する。特に本実施例の熱電モジュールを内蔵する
マニホールド1では、熱電モジュール7の表面と羽根部
材15c,25cの間に1mm〜2mm程度の隙間が確
保されているので、当該隙間に熱媒体が進入し、高い頻
度で熱電モジュール7の伝熱面7a,7bと接触する。
さらに本実施例では、係止部28の先端と熱電モジュー
ル7との間にも隙間があるので、熱媒体は熱電モジュー
ル7の中心部にも回り込み、熱電モジュール7の中心部
においても熱交換が行われる。
【0069】また本実施例では、攪拌部材5,6のボス
部15a,25a内に設けられたリブ15g,25gが
板状であり、且つ図12の様にその面が軸線に対して傾
斜している。そのため熱媒体がボス部15a,25aを
通過する際、熱媒体が巻き込まれて付勢され、より高い
効率が期待できる。
【0070】羽根部材15c,25cの中心部分に入っ
た熱媒体は、羽根部材15c,25cの回転によって付
勢され、熱媒体排出口14,24からから排出される。
熱媒体の排出に伴い、熱媒体導入口13,21から新た
な熱媒体が吸い込まれる。なお本実施例の本実施例の熱
電モジュールを内蔵するマニホールド1では、熱媒体排
出口14,24の取り付け角度が、加熱側と冷却側で異
なる。すなわち前記した様に加熱側ではパイプ状部位1
4aは、第二キャビティ10dと同一平面上にあり、か
つパイプ状部位14aは、第二キャビティ10dに対し
て接線方向に延びていたのに対し、冷却側ではキャビテ
ィ20dの平面に対して外側に傾斜した角度に取り付け
られている。そのため加熱側ではパイプ状部位14aが
熱媒体の付勢方向のベクトルと一致するのに対し、冷却
側では両者のベクトルがずれている。従って本実施例の
熱電モジュールを内蔵するマニホールド1では、加熱側
と冷却側の吐出量が異なる。
【0071】本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールド1では、キャビティ内で、熱媒体が攪拌される
ので、熱媒体と伝熱面7a,7bの接触機会が多い。特
に本実施例では、熱媒体は、熱電モジュール7の伝熱面
7a,7bに対して垂直方向に入る。そのため熱媒体は
熱電モジュール7に対して垂直に当たる。従って、本実
施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールド1は、熱
媒体と伝熱面7a,7bとの熱交換効率が高い。
【0072】加えて本実施例の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールド1では、攪拌部材5,6が支軸12,2
3にかしめられた係止部28,32によって軸方向力が
支持されていると共に、係止部28,32が、マニホー
ルド2,3のフランジ部2a,3aの面よりも僅かに内
側に位置し、攪拌部材5,6と熱電モジュール7との間
に隙間4が確保されている。そのため本実施例の熱電モ
ジュールを内蔵するマニホールド1では、熱電モジュー
ル7の表面に必ず熱媒体が存在し、高い熱交換効率が期
待される。
【0073】(実施例2)次に本発明の第2実施例につ
いて説明する。なお、以下に説明する第2以降の実施例
の説明では、第1実施例と同一の機能を発揮する部材に
同一の番号を付して、重複した説明を省略する。図20
は、本発明の第2実施例の熱電モジュールを内蔵するマ
ニホールドの正面断面図及びその一部詳細図である。先
の実施例は、支軸12,23に係止部28,32をかし
めて攪拌部材5,6を軸方向に固定し、攪拌部材5,6
と熱電モジュール7との間に空隙が確保したものである
が、図17に示す熱電モジュールを内蔵するマニホール
ド1’では、他の方策をこうじることにより、攪拌部材
5,6の羽根部材15c,25cと熱電モジュール7と
の間に空隙を設けるものである。
【0074】すなわち本実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールド1’では、係止部28’,32’は金
属等の熱媒体よりも熱伝導の優れた素材が選択される。
また係止部28’,32’と支軸12,23は、軸方向
の相対移動を許す。より具体的には、係止部28’,3
2’に、貫通孔28’a,32’aが設けられており、
係止部28’,32’の貫通孔28’a,32’aに支
軸12,23が挿通されている。また係止部28’,3
2’は先の実施例よりも大きく、係止部28’,32’
の後端部がブッシュ29のつば29aの前面と当接し、
さらにブッシュ29のつば29aの背面が軸受け部材1
5f、25fの前面と当接した状態の時、係止部2
8’,32’の先端部分が羽根部材15c,25cの前
面から突出する。また係止部28’,32’の先端は平
坦である。
【0075】そして熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルド1’では、一体的に組み立てられたとき、係止部2
8’,32’の先端部分が熱電モジュール7の表面の中
央と面接触する。その結果、羽根部材15c,25cと
熱電モジュール7の伝熱面7a,7bの間に隙間4が確
保される。従って本実施例の熱電モジュールを内蔵する
マニホールド1’においても、熱電モジュール7の表面
に必ず熱媒体が存在し、高い熱交換効率が期待される。
加えて本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホール
ド1’では、係止部28’,32’が熱電モジュール7
の伝熱面7a,7bの中央部と面接触するため、熱電モ
ジュール7の伝熱面7a,7bの発熱又は冷熱が係止部
28’,32’に伝導され、係止部28’,32’を経
由して熱媒体に熱伝導される。そのため本実施例では、
係止部28’,32’通じた熱伝達が行われる。本実施
例では、熱電モジュール7の伝熱面積が、係止部2
8’,32’によって実質的に拡大される。
【0076】(実施例3)次に本発明の第3実施例につ
いて説明する。図21は、本発明の第3実施例の熱電モ
ジュールを内蔵するマニホールドの正面断面図及びその
一部詳細図である。図22は、図21の熱電モジュール
を内蔵するマニホールドの平面図である。図21,22
に示す第3実施例のマニホールド60は、マニホールド
が加熱側だけにあり、冷却側には設けられていない。加
熱側マニホールド2の構造は、先の実施例1のそれと全
く同一であり、本実施例は、先の例の冷却側マニホール
ド3をフィン部材61に置き換えたものである。すなわ
ち第3実施例のマニホールド60では、熱電モジュール
7の冷却側伝熱面7bは、直接的にフィン部材61の壁
面(熱伝導板)61a当接されている。本実施例のマニ
ホールドは、フィン部材61によって庫内の空気を冷や
す冷蔵庫に採用することが望ましいものである。
【0077】
【発明の効果】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールドは、キャビティ内に流れが発生し、熱媒体等の
流体と熱電モジュールの伝熱面の接触率が上がり、熱交
換効率が高く冷却能力が優れる。また本発明の熱電モジ
ュールを内蔵するマニホールドは、撹拌部材が熱電モジ
ュールに近接する方向に移動することが規制されている
ので、熱電モジュールの伝熱面との間に、熱媒体等の流
体が存在する空間が確保される。そのため本発明では、
熱媒体等の流体と熱電モジュールとの接触が確実であ
り、冷却能力が優れる。
【0078】特に請求項1に記載の熱電モジュールを内
蔵するマニホールドでは、係止部についても、熱電モジ
ュールから離反されている。そのため請求項1に記載の
マニホールドでは、係止部と熱電モジュールとの間にも
熱媒体等の流体が回り込み、より高い熱交換効率が期待
される。さらに請求項1に記載の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドには、攪拌部材が発生する振動が、熱
電モジュールに伝わらないという特有の効果がある。
【0079】また請求項2に記載の熱電モジュールを内
蔵するマニホールドは、請求項1に記載の発明を簡単な
構成で実用化する方策を開示するものである。
【0080】また特に請求項4に記載の熱電モジュール
を内蔵するマニホールドでは、係止部が流体よりも熱伝
導性の高い固体材料からなるとともに、係止部は熱電モ
ジュールに面接触されている。そのため熱電モジュール
の発熱又は冷熱は、係止部を経由して熱媒体等の流体に
伝達される。請求項4に記載の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールドにおいて、熱電モジールの伝熱面積を実
質的に増大させる機能を持つ ので、高い熱交換効率が
期待できる。
【0081】また請求項5に記載の熱電モジュールを内
蔵するマニホールドでは、係止部は、一般に最も熱交換
しにくいとされている吸熱面又は放熱面の中心部に接触
している。本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルドは、この最も低温となる部位又は高温となる部位の
伝熱面積を実質的に増大させる機能を持つので、熱交換
効率の向上が期待できる。
【0082】また請求項3,6に記載の熱電モジュール
を内蔵するマニホールドでは、回転子の中に流体導入通
路が設けられているので、流体の経路が直線的となり、
圧力損失が小さいという効果がある。
【0083】また請求項7に記載の熱電モジュールを内
蔵するマニホールドでは、部品点数が少なく、外形形状
が小型となる効果がある。
【0084】さらに請求項8に記載の熱電モジュールを
内蔵するマニホールドでは、熱伝導板によって直接的に
冷却対象物や空気等を冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールドの正面図
【図2】図1の右側面図
【図3】図1の左側面図
【図4】図1の熱電モジュールを内蔵するマニホールド
の正面断面図
【図5】図4の支軸周辺部の拡大図及びその変形例の拡
大図
【図6】図4の熱電モジュール端部の拡大図
【図7】図1のマニホールドの分解斜視図
【図8】(a)は、図1のマニホールドの加熱側の詳細
分解斜視図、(b)はさらに加熱側攪拌部材の分解斜視
図、(c)は加熱側マニホールドの小径ボス部の断面
図、(d)は加熱側攪拌部材のボス部の断面図
【図9】図1のマニホールドの固定子周辺の詳細分解斜
視図
【図10】図1のマニホールドの加熱側マニホールドの
正面図及び断面図
【図11】図1のマニホールドに内蔵されている攪拌部
材の正面図
【図12】図11の攪拌部材の断面図
【図13】熱電モジュールの正面図
【図14】熱電モジールの断面図
【図15】固定リングの正面断面図及び左右の側面図
【図16】固定リングの締結手順を示す説明図
【図17】図1のマニホールドを活用した冷凍機の構成
【図18】空気抜きチャンバーの断面図
【図19】空気抜きチャンバーの変形例の断面図
【図20】本発明の第2実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドの正面断面図及びその一部詳細図
【図21】本発明の第3実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドの正面断面図及びその一部詳細図
【図22】図21の熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルドの平面図
【符号の説明】
1 熱電モジュールを内蔵するマニホールド 2 加熱側マニホールド 3 冷却側マニホールド 4 隙間 5 加熱側攪拌部材 6 冷却側攪拌部材 7 熱電モジュール 8 固定子 9 固定リング 10a 第一空洞部 10b 第二空洞部 10c 第一キャビティ 10d 第二キャビティ 11,22 軸固定部 11a,22a 軸支持部 11b,22b リブ 12,23 支軸 13,21 熱媒体導入口 14,24 熱媒体排出口 14a パイプ状部位 15 攪拌翼 15a,25a ボス部 15b,25b 円板部 15c,25c 羽根部材 15d,25d 永久磁石 15f,25f 軸受け部材 15g,25g リブ 16 回転子 16a 孔 17 マニホールド本体 20d キャビティ 28,32,28’,32’ 係止部 29,33 ブッシュ 61a 壁面(熱伝導板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木戸 長生 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 森下 賢一 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 藤本 真嗣 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸熱面と放熱面とを有し電流を流すこと
    により前記放熱面が加熱され前記吸熱面が冷却される熱
    電モジュールと、前記吸熱面及び前記放熱面の少なくと
    も一方との間にキャビティを形成するよう前記熱電モジ
    ュールを内蔵するマニホールド本体と、少なくとも一つ
    の前記キャビティの内部に設けられて当該キャビティ内
    の流体を撹拌する撹拌部材を有し、前記撹拌部材は、前
    記吸熱面又は前記放熱面と交差する軸心回りに回転自在
    に支持部材に支持され、前記支持部材は、前記撹拌部材
    が前記熱電モジュールに近接する方向に移動することを
    規制するように前記撹拌部材に係止する係止部を備え、
    前記係止部は、前記熱電モジュールから離反されている
    ことを特徴とする熱電モジュールを内蔵するマニホール
    ド。
  2. 【請求項2】 支持部材が、マニホールド本体に対して
    固定された支軸であり、係止部は前記支軸先端部に一体
    的に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の
    熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  3. 【請求項3】 支軸が、撹拌部材を回転駆動させる電動
    モータの回転子を回転自在に支持しており、前記回転子
    の径中心側に、キャビティへの流体導入通路が設けられ
    ていることを特徴とする請求項2に記載の熱電モジュー
    ルを内蔵するマニホールド。
  4. 【請求項4】 吸熱面と放熱面とを有し電流を流すこと
    により前記放熱面が加熱され前記吸熱面が冷却される熱
    電モジュールと、前記吸熱面及び前記放熱面の少なくと
    も一方との間にキャビティを形成するよう前記熱電モジ
    ュールを内蔵するマニホールド本体と、少なくとも一つ
    の前記キャビティの内部に設けられて当該キャビティ内
    の流体を撹拌する撹拌部材を有し、前記撹拌部材は、前
    記吸熱面又は前記放熱面と交差する軸心回りに回転自在
    に支持部材に支持され、前記支持部材の先端には、前記
    撹拌部材が前記熱電モジュールに近接する方向に移動す
    ることを規制するように前記撹拌部材に係止する係止部
    が取付けられており、前記係止部は、前記キャビティ内
    の流体よりも熱伝導性の高い固体材料からなるとともに
    前記熱電モジュールに面接触されており、前記係止部の
    周囲に流体の流通路が形成されていることを特徴とする
    熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  5. 【請求項5】 係止部は、吸熱面又は放熱面の中心部に
    接触されていることを特徴とする請求項4に記載の熱電
    モジュールを内蔵するマニホールド。
  6. 【請求項6】 支持部材が、マニホールド本体に対して
    固定された支軸であり、前記支軸が、撹拌部材を回転駆
    動させる電動モータの回転子を回転自在に支持してお
    り、前記回転子の径中心側に、キャビティへの流体導入
    通路が設けられていることを特徴とする請求項4又は5
    に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  7. 【請求項7】 マニホールド本体は、熱電モジュールの
    吸熱面側と放熱面側の双方との間にキャビティを有し、
    双方のキャビティ内に攪拌部材が設けられ、二つの攪拌
    部材の少なくとも一方には磁石が設けられ、一方の攪拌
    部材の回転力が磁力によって他方の攪拌部材に伝達され
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
    熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  8. 【請求項8】 マニホールド本体は、熱電モジュールの
    伝熱面の一方だけを覆い、熱電モジュールの他方の伝熱
    面は、熱伝導板に当接されていることを特徴とする請求
    項1乃至7のいずれかに記載の熱電モジュールを内蔵す
    るマニホールド。
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