JP2000274873A - 熱電モジュールを内蔵するマニホールド - Google Patents

熱電モジュールを内蔵するマニホールド

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JP2000274873A
JP2000274873A JP11076940A JP7694099A JP2000274873A JP 2000274873 A JP2000274873 A JP 2000274873A JP 11076940 A JP11076940 A JP 11076940A JP 7694099 A JP7694099 A JP 7694099A JP 2000274873 A JP2000274873 A JP 2000274873A
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heat medium
heating
cooling
manifold
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JP11076940A
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Toshio Kamitsuji
利夫 上辻
Shohei Inamori
昭平 稲森
Osao Kido
長生 木戸
Kenichi Morishita
賢一 森下
Shinji Fujimoto
真嗣 藤本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱電モジュール内蔵マニホールドにおいて、
熱媒体の流量を適正化することにより熱交換効率を向上
し得る新たな技術を提供する。 【解決手段】 熱電モジュール7を内蔵するマニホール
ド1において、冷却側熱媒体の流量と加熱側熱媒体の流
量とを異ならせることにより、熱交換効率の向上を図
る。また、冷却側熱媒体の低温度化を図るために、加熱
側熱媒体の流量よりも冷却側熱媒体の流量が小さくなる
ように、マニホールド1内の流路抵抗の設計や、渦巻き
ポンプを構成するインペラ5,6などのポンプ構成部材
を内蔵する場合には当該ポンプ構成部材の熱媒体送出能
力の設計を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はペルチェ効果を有す
る熱電モジュールを内蔵するマニホールドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、フロンガスのオゾン層破壊作用が
地球的な問題となり、フロンガスを使用しない冷却装置
の開発が急がれている。また、コンプレッサを用いる一
般的な冷却装置では、使用される環境が静寂である場合
にはコンプレッサの駆動音が耳障りである。フロンガス
並びにコンプレッサを使用しない冷却装置の一つとし
て、熱電モジュールを使用した冷却装置が注目されてい
る。
【0003】ここで熱電モジュールとは、ペルチェ(Pe
ltier)モジュールとして知られているものであり、二つ
の伝熱面を有し、直流電流を流すことにより一方の伝熱
面が加熱され、他方の伝熱面が冷却される機能を持つ部
材である。すなわち熱電モジュールでは、一方の面が放
熱面として機能し、他方が吸熱面として機能する。
【0004】熱電モジュールを使用した冷却装置は、例
えば特表平6−504361号公報に開示されている。
【0005】特表平6−504361号公報に開示され
た発明は、熱電モジュールをマニホールドに内蔵し、マ
ニホールド内では熱電モジュールを挟んで二つのキャビ
ティが構成されている。そしてマニホールドの放熱面に
面するキャビティは、熱交換器とポンプによって構成さ
れる閉回路に接続され、他方の吸熱面に面するキャビテ
ィも同様に熱交換器とポンプによって構成される閉回路
に接続されている。この様にして、熱電モジュールの放
熱側の伝熱面を含む循環回路と、冷却側伝熱面を含む循
環回路を構成し、この回路に水を主体とする熱媒体を循
環させる。そして二つの循環回路の内、冷却側の回路の
熱交換器によって所望の冷却を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した特表平6−5
04361号公報に開示された発明は、熱電モジュール
を使用して実用的な冷却を行い得る技術である。しかし
ながら、この技術は、冷却装置の基本的な構成を開示す
るものに過ぎず、実際にこの発明を冷蔵庫等に適用する
には、改良すべき点や、新たに解決しなければならない
多くの問題が存在している。すなわち、上記従来の熱電
モジュールを使用した冷却装置は、フロンガスを使用し
た冷却装置に比べて冷却効率が低いのが現状である。
【0007】冷却効率を向上させるために、熱電モジュ
ールと熱媒体との間の熱交換がより円滑に行われように
する改良手段として、WO95/31688号(PCT
/AU95/00271号)に開示された発明が知られ
ている。WO95/31688号に開示された発明は、
マニホールドのキャビティ内に攪拌翼を設け、熱媒体と
熱電モジュールの伝熱面との接触機会を増大させるもの
である。
【0008】しかし、冷却側熱媒体を所望の温度に冷却
するためには、熱電モジュールの吸熱面によって奪われ
る単位時間あたりの熱量と、冷却側熱媒体の単位時間あ
たりの流量との関係が重要となる。冷却熱量に比して流
量が多い場合には、攪拌翼によって熱媒体を十分に攪拌
させたとしても、熱媒体を所望の温度にまで冷却させる
ことはできない。
【0009】本発明は、従来技術の上記した問題点に注
目し、冷却装置等の構成要素となる熱電モジュール内蔵
マニホールドにおいて、熱媒体の流量を適正化すること
により熱交換効率を向上し得る新たな技術を提供するこ
とを目的とする。
【0010】また、本発明は、熱媒体の流量設計を容易
に行い得る技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱電モジュー
ルの特性に着目し、冷却側熱媒体(冷却用流体)の流量
と加熱側熱媒体(加熱用流体)の流量とを適正化するこ
とによって、マニホールド内における熱交換効率を向上
させた。即ち、熱電モジュールでは、ペルチェ効果によ
って吸熱面側の熱が放熱面側に移動される。一方、吸熱
面と放熱面との温度差が生じると、熱電モジュールを構
成する多数の半導体素子を介する熱伝導によって、放熱
面側の熱が吸熱面側に移動する。したがって、所定の電
流密度下では、吸熱面と放熱面の温度差は無限に大きく
なることはなく、モジュールの構造や使用環境に応じた
温度差に収束する。
【0012】これにより、吸熱面の温度は、放熱面の温
度にほぼ比例して上下するので、放熱面を加熱側熱媒体
により十分に冷却させて吸熱面を所望の低温にするため
に、加熱側熱媒体の流量は可及的に大きくなされ、外部
の熱交換器(放熱フィンなど)により加熱側熱媒体を冷
却しつつ循環される。一方、冷却側熱媒体は、冷却キャ
ビティ内で長い時間滞留する程、吸熱面との熱交換によ
って冷却される。すなわち、冷却側熱媒体は、加熱側熱
媒体とは異なり、冷却キャビティから吐出されるときに
「所望の温度」(例えば5°C)に冷却されていること
が要求されている。冷却側熱媒体を加熱側熱媒体と同じ
流量としてしまうと、十分に冷却される前に吐出されて
しまい、冷却効率が悪い。
【0013】そこで、本発明では、熱電モジュールを内
蔵するマニホールドにおいて、冷却側熱媒体の流量と加
熱側熱媒体の流量とを異ならせることにより、熱交換効
率の向上を図ったものである。冷却側熱媒体の低温度化
を図るためには、加熱側熱媒体の流量よりも、冷却側熱
媒体の流量が小さくなるように、マニホールド内の流路
抵抗の設計や、渦巻きポンプを構成するインペラなどの
ポンプ構成部材を内蔵する場合には、このポンプ構成部
材の熱媒体送出能力の設計を行う。
【0014】これによれば、加熱側熱媒体の流量は、外
部の放熱フィンなどからなる熱交換器との間で循環させ
ることで放熱面から多くの熱量を奪うように最適設計す
る一方で、冷却側熱媒体の流量は、所望の温度が得られ
るように最適設計することができるため、良好な効率が
得られる。
【0015】流量設計を行う場合、微小な構造変更によ
り流量が大きく変動してしまうと、流量の最適化設計が
行い難くなる。また、特にインペラを内蔵するマニホー
ルドにおいて、吐出口構造に無理な設計をすると、流量
が大幅に低減してしまい、実用上の問題が生じることも
ある。したがって、マニホールド内のキャビティからの
熱媒体吐出方向などの構造の変化の度合いに対する流量
の変動量が緩やかな数値範囲を予め見いだしておくこと
は、流量の最適化設計を容易に行うために有用である。
そして、種々のテストにより予め求められた数値範囲内
で、熱媒体吐出管の開口方向、径、構造等を設計するこ
とが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールドは、内部に加熱側キャビティと冷却側キ
ャビティとを有するマニホールド本体と、加熱側キャビ
ティ及び冷却側キャビティの内部にそれぞれ設けられた
インペラと、前記インペラの一方を回転させる駆動手段
と、前記一方のインペラの回転力を他方のインペラに伝
達する動力伝達部材と、電流を流すと前記加熱側キャビ
ティに面する放熱面を加熱し前記冷却側キャビティに面
する吸熱面を冷却する熱電モジュールとを備え、前記マ
ニホールド本体には、前記加熱側キャビティに連通する
熱媒体導入口及び熱媒体吐出口と、前記冷却側キャビテ
ィに連通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出口とが設けら
れているとともに、前記加熱側キャビティ内の前記イン
ペラの回転により前記加熱側キャビティの熱媒体導入口
から熱媒体吐出口へ送出される熱媒体の単位時間あたり
の流量と、前記冷却側キャビティ内の前記インペラの回
転により前記冷却側キャビティの熱媒体導入口から熱媒
体吐出口へ送出される熱媒体の単位時間あたりの流量と
が異なるように構成されているものである。
【0017】かかる本発明によれば、各キャビティ内に
設けたインペラの回転により、各キャビティの熱媒体導
入口から熱媒体が導入され、キャビティ内に導入された
熱媒体はインペラにより撹拌されるとともに、熱媒体吐
出口から吐出される。キャビティ内では、熱媒体が撹拌
されることにより、加熱側熱媒体と熱電モジュールの放
熱面、及び、冷却側熱媒体と熱電モジュールの吸熱面の
接触機会が増大し、各熱媒体との効率の良い熱交換が行
われる。また、マニホールドにインペラを内蔵したの
で、外部のポンプを用いる必要がなく、全体の構造の簡
素化、小型化を図り得る。また、一方のインペラの回転
力を他方のインペラに伝達することにより両インペラを
回転駆動させたので、モータ部材の削減が図られ、部品
点数の削減による小型化とコスト低減とが図られる。さ
らに、冷却側の熱媒体の流量と、加熱側の熱媒体の流量
とに差を設けたのは、加熱側と冷却側とで熱媒体の流量
の適正値が異なるからである。したがって、本発明で
は、加熱側と冷却側とでそれぞれの目的に応じた最適設
計を行うことができ、より一層の効率の向上が図られ、
冷却装置に本発明のマニホールドを適用した場合におい
ては冷却効率のさらなる向上が図られる。
【0018】なお、一方のインペラの駆動手段として
は、例えば、流体圧モータや電動モータを用いることが
できる。この電動モータは、マニホールド本体に外付け
されたものであって、モータの回動軸を一方のインペラ
に取付けたものとすることができる。また、構造の簡素
化、小型化を図るために、一方のインペラに回転子を取
付け、この回転子とともに電動モータを構成する固定子
をマニホールド本体に取付けても良い。また、インペラ
の動力伝達部材としては、各インペラに永久磁石(常磁
性体)を取付け、熱電モジュールを透過する磁力の作用
によって一方のインペラの回転力を他方のインペラに伝
達するものが好ましい。なお、この場合、各インペラに
設けた永久磁石の異極同士を対向させてN極とS極の吸
引力を用いてもよく、また、各インペラに設けた永久磁
石の同極同士を対向させて各磁石の反発力を用いて回転
力を伝達させてもよい。また、動力伝達部材として、両
インペラ間に設けられた伝動ギアなどを用いることもで
きる。また、複数の熱電モジュールを並設し、その一端
側の伝熱面を吸熱面として冷却側キャビティに対面さ
せ、他端側の伝熱面を放熱面として加熱側キャビティに
対面させることもできる。この場合、複数の熱電モジュ
ールを接触配置してもよく、熱電モジュール間に伝熱キ
ャビティを形成し、該キャビティ内の伝熱用熱媒体を介
在させてもよい。
【0019】上記した本発明のマニホールドにおいて、
冷却側キャビティ内に導入される冷却側熱媒体の温度を
一層低下させるためには、加熱側キャビティ内のインペ
ラの回転により前記加熱側キャビティの熱媒体導入口か
ら熱媒体吐出口へ送出される熱媒体の単位時間あたりの
流量よりも、冷却側キャビティ内のインペラの回転によ
り前記冷却側キャビティの熱媒体導入口から熱媒体吐出
口へ送出される熱媒体の単位時間あたりの流量の方が小
さくなるように構成することが好ましい。これによれ
ば、冷却側熱媒体は、加熱側に比して、より長い時間キ
ャビティ内で滞留され、熱電モジュールの吸熱面に接触
することで所望の温度にまで冷却される。
【0020】上記本発明のマニホールドにおいて、加熱
側と冷却側の熱媒体の流量に差を設ける手段は、特に限
定されない。キャビティの形状、熱媒体導入口や熱媒体
吐出口の構造、インペラの構造等の変更によって、流量
設計を行うことができる。
【0021】加熱側キャビティにおける単位時間あたり
の熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける単位時間あ
たりの熱媒体送出量とに差を設ける手段の一つは、加熱
側キャビティ及び冷却側キャビティの内周面をほぼ円形
状に形成し、前記加熱側キャビティの内周面の接線方向
に対する前記加熱側キャビティの熱媒体吐出口の開口方
向の角度と、前記冷却側キャビティの内周面の接線方向
に対する前記冷却側キャビティの熱媒体吐出口の開口方
向の角度とを異ならせることである。このように各キャ
ビティにおける熱媒体吐出口の開口方向を変えることに
より、冷却側キャビティ内からその熱媒体吐出口に至る
までの流路抵抗と、加熱側キャビティ内からその熱媒体
吐出口に至るまでの流路抵抗とに差が生じる。したがっ
て、各キャビティ内に設けたインペラの流体送出能力が
同等であったとしても、流路抵抗が異なることにより、
加熱側キャビティにおける単位時間あたりの熱媒体送出
量と冷却側キャビティにおける単位時間あたりの熱媒体
送出量とに差が生じる。この場合において、加熱側キャ
ビティにおける単位時間あたりの熱媒体送出量よりも冷
却側キャビティにおける単位時間あたりの熱媒体送出量
の方を小さくするためには、加熱側キャビティの内周面
の接線方向に対する加熱側キャビティの熱媒体吐出口の
開口方向の角度よりも、冷却側キャビティの内周面の接
線方向に対する冷却側キャビティの熱媒体吐出口の開口
方向の角度を大きくすればよい。
【0022】ここで、インペラの撹拌作用により、各キ
ャビティ内においては、熱媒体は各キャビティの軸心部
から外周側に向けて渦巻いているので、吐出口の開口角
度をキャビティの接線方向に対して大きくしすぎると、
流路抵抗が大きくなりすぎ、ポンプとして適正な機能を
果たさなくなる。本願発明者は、吐出口の開口方向角度
と流量との関係を実験したところ、図27に示す結果が
得られた。同図に示されるように、熱媒体吐出口の開口
方向角度が、キャビティ内周面の接線方向に対して10
°を超えると、流量低下率は急峻なものとなっている。
したがって、加熱側キャビティの内周面の接線方向に対
する前記加熱側キャビティの熱媒体吐出口の開口方向の
角度、及び/又は、冷却側キャビティの内周面の接線方
向に対する前記冷却側キャビティの熱媒体吐出口の開口
方向の角度を、10°以下に設定しておくことが、流量
確保のためには好ましい。冷却効率向上のためには、加
熱側熱媒体の流量を大きくし、冷却側熱媒体の流量を小
さくすることが好ましいため、この場合には、加熱側キ
ャビティの内周面の接線方向に対する前記加熱側キャビ
ティの熱媒体吐出口の開口方向の角度を10°以下に設
定し、冷却側キャビティの内周面の接線方向に対する前
記冷却側キャビティの熱媒体吐出口の開口方向の角度を
10°を超える角度に設定することができる。
【0023】加熱側キャビティにおける単位時間あたり
の熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける単位時間あ
たりの熱媒体送出量とに差を設ける他の手段は、加熱側
キャビティ内のインペラの大きさと、冷却側キャビティ
内のインペラの大きさとを異ならせることである。各イ
ンペラの大きさを変えることにより、各インペラによる
流体送出能力に差が設けられ、これにより流量の適正化
が図られる。インペラの大きさを変える方法としては、
例えば、加熱側キャビティ内のインペラの径と冷却側キ
ャビティ内のインペラの径とが異なるものとしたり、ま
た、加熱側キャビティ内のインペラの軸長と冷却側キャ
ビティ内のインペラの軸長とが異なるものとすることが
できる。
【0024】インペラの構造により流量設計を行う場合
において、加熱側キャビティにおける単位時間あたりの
熱媒体送出量よりも冷却側キャビティにおける単位時間
あたりの熱媒体送出量の方を小さくして、冷却効率を上
げるためには、加熱側キャビティ内のインペラの大きさ
よりも、冷却側キャビティ内のインペラの大きさを小さ
くする。例えば、加熱側キャビティ内のインペラの径よ
りも、冷却側キャビティ内のインペラの径を小さくする
ことができ、また、加熱側キャビティ内のインペラの軸
長よりも、冷却側キャビティ内のインペラの軸長を小さ
くすることもできる。
【0025】加熱側キャビティにおける単位時間あたり
の熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける単位時間あ
たりの熱媒体送出量とに差を設けるためのさらに他の手
段は、加熱側キャビティの熱媒体吐出口の断面積と、冷
却側キャビティの熱媒体吐出口の断面積とを異ならせる
ことである。このように各キャビティの熱媒体吐出口の
断面積を変えることにより、各吐出口の流路抵抗に差が
生じる。したがって、各キャビティ内に設けたインペラ
の流体送出能力が同等であってとしても、流路抵抗が異
なることにより、加熱側キャビティにおける単位時間あ
たりの熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける単位時
間あたりの熱媒体送出量とに差が生じる。この場合にお
いて、加熱側キャビティにおける単位時間あたりの熱媒
体送出量よりも冷却側キャビティにおける単位時間あた
りの熱媒体送出量の方を小さくするためには、加熱側キ
ャビティの熱媒体吐出口の断面積よりも、冷却側キャビ
ティの熱媒体吐出口の断面積を小さくすればよい。
【0026】加熱側キャビティにおける単位時間あたり
の熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける単位時間あ
たりの熱媒体送出量とに差を設けるためのさらに他の手
段は、加熱側キャビティの熱媒体導入口の断面積と、冷
却側キャビティの熱媒体導入口の断面積とを異ならせる
ことである。このように各キャビティの熱媒体導入口の
断面積を変えることにより、各導入口の流路抵抗に差が
生じる。したがって、各キャビティ内に設けたインペラ
の流体送出能力が同等であってとしても、流路抵抗が異
なることにより、加熱側キャビティにおける単位時間あ
たりの熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける単位時
間あたりの熱媒体送出量とに差が生じる。この場合にお
いて、加熱側キャビティにおける単位時間あたりの熱媒
体送出量よりも冷却側キャビティにおける単位時間あた
りの熱媒体送出量の方を小さくするためには、加熱側キ
ャビティの熱媒体導入口の断面積よりも、冷却側キャビ
ティの熱媒体導入口の断面積を小さくすればよい。
【0027】上記した加熱側キャビティにおける単位時
間あたりの熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける単
位時間あたりの熱媒体送出量とに差を設けるための各手
段は、それぞれ単独でマニホールドに適用してもよく、
また、適宜組み合わせてマニホールドに適用することが
できる。
【0028】上記した本発明のマニホールドにおいて、
放熱面と吸熱面とを平行に配置し、各インペラの回転軸
心を前記放熱面及び前記吸熱面に対して垂直に向けて配
置することができる。これによれば、インペラの軸心が
放熱面及び吸熱面に対して垂直に向けられているので、
このインペラによる撹拌効率が良く、放熱面又は吸熱面
の全面に熱媒体を均一に接触させることができる。さら
に、各インペラの回転軸心を同一軸心上に配置できるの
で、回転力伝達のロスも少なく、動力効率が向上され
る。
【0029】また、加熱側キャビティの熱媒体導入口を
前記加熱側キャビティ内のインペラの回転軸心に沿って
開口形成し、前記インペラの中心部に、軸方向に貫通す
る熱媒体流通路を形成することができる。これによれ
ば、熱媒体導入口から加熱側キャビティ内への加熱側熱
媒体の流入が直線的なものとなるので、円滑に熱媒体が
導入され、加熱側キャビティ内での乱流も生じにくくな
るとともに、導入口から導入される熱媒体の流れのベク
トルが熱電モジュールの吸熱面に向けてほぼ垂直である
ので、放熱面との熱交換効率も向上する。
【0030】また、冷却側キャビティの熱媒体導入口を
前記冷却側キャビティ内のインペラの回転軸心に沿って
開口形成し、前記インペラの中心部に、軸方向に貫通す
る熱媒体流通路を形成することができる。これによれ
ば、熱媒体導入口から冷却側キャビティ内への冷却側熱
媒体の流入が直線的なものとなるので、円滑に熱媒体が
導入され、冷却側キャビティ内での乱流も生じにくくな
るとともに、導入口から導入される熱媒体の流れのベク
トルが熱電モジュールの吸熱面に向けてほぼ垂直である
ので、吸熱面との熱交換効率も向上する。
【0031】さらに、本願発明者は、各キャビティ内の
インペラの回転軸心と直交する平面に対する各熱媒体吐
出口の開口方向の角度と流量との関係を実験により導出
した。この結果を図28に示す。同図に示すように、前
記角度が5°を超えると、角度の変化に対する流量減少
量が大きくなっている。したがって、加熱側熱媒体の流
量を大きくするためには、加熱側キャビティ内のインペ
ラの回転軸心と直交する平面に対する前記加熱側キャビ
ティの熱媒体吐出口の開口方向の角度を5°以下に設定
することが好ましい。また、冷却側熱媒体の流量を大き
くするためには、冷却側キャビティ内のインペラの回転
軸心と直交する平面に対する前記冷却側キャビティの熱
媒体吐出口の開口方向の角度を5°以下に設定すること
が好ましい。勿論、冷却効率向上のためには、上述した
ように冷却側熱媒体の流量を比較的少なくすることが好
ましいため、冷却側キャビティ内のインペラの回転軸心
と直交する平面に対する前記冷却側キャビティの熱媒体
吐出口の開口方向の角度を5°を超える角度に設定する
とともに、加熱側キャビティ内のインペラの回転軸心と
直交する平面に対する前記加熱側キャビティの熱媒体吐
出口の開口方向の角度を5°以下に設定することができ
る。
【0032】上記本発明において、各熱媒体吐出口は、
マニホールド本体に設けたL字状に屈曲する吐出管の先
端開口によって形成することができる。この場合におい
て、吐出管の曲げ位置がキャビティから近すぎると、吐
出路の流路抵抗が急激に大きくなり、熱媒体の吐出量が
大幅に低減すると考えられる。そこで、本願発明者は、
L字状吐出管の基端部から屈曲部までの距離の前記吐出
管内径に対する比と、熱媒体の吐出量(流量)との関係
を実験により導出した。その結果を図29に示す。同図
に示されるように、吐出管の基端部から屈曲部までの距
離の前記吐出管内径に対する比が1.5を下回ると、流
量が急激に減少することが判明した。したがって、加熱
側キャビティの熱媒体吐出口及び/又は冷却側キャビテ
ィの熱媒体吐出口を、マニホールド本体に設けられたL
字状に屈曲する吐出管の先端開口によって形成する場合
には、前記吐出管の基端部から屈曲部までの距離の前記
吐出管内径に対する比を1.5以上に設定することが好
ましい。
【0033】上記したマニホールドは、インペラを内蔵
してポンプ機能をも内包するものであるが、インペラ内
蔵マニホールドのみならずインペラを単なる撹拌部材と
してポンプを外部に設けたマニホールドにおいても、冷
却側熱媒体と加熱側熱媒体の流量設計を行い、効率の向
上を図ることも可能である。即ち、本発明の熱電モジュ
ールを内蔵するマニホールドは、内部に加熱側キャビテ
ィと冷却側キャビティとを有するマニホールド本体を備
え、前記マニホールド本体には、加熱側キャビティに連
通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出口が設けられている
とともに、冷却側キャビティに連通する熱媒体導入口及
び熱媒体吐出口が設けられており、前記マニホールド本
体内に、電流を流すと前記加熱側キャビティに面する放
熱面を加熱し前記冷却側キャビティに面する吸熱面を冷
却する熱電モジュールを内蔵しているとともに、前記冷
却側の熱媒体導入口から熱媒体吐出口に至る流路の流路
抵抗と、前記加熱側の熱媒体導入口から熱媒体吐出口に
至る流路の流路抵抗とが異なっているものである。
【0034】これによれば、マニホールド内にインペラ
を内蔵する場合も、マニホールドの外部にポンプを設け
た場合でも、冷却側と加熱側のそれぞれの流路抵抗が異
なることにより、流量の適正化が図られ、熱電モジュー
ルを介して冷却側熱媒体と加熱側熱媒体との間で効率の
良い熱交換が行われるようになる。
【0035】冷却効率の向上を目的とする場合には、加
熱側の熱媒体導入口から熱媒体吐出口に至る流路の流路
抵抗よりも、冷却側の熱媒体導入口から熱媒体吐出口に
至る流路の流路抵抗を大きくすればよい。
【0036】冷却側の流路抵抗と加熱側の流路抵抗とに
差を設ける手段の一つは、加熱側キャビティ及び冷却側
キャビティの内周面を円形状に形成し、加熱側キャビテ
ィ内周面の接線方向に対する前記加熱側キャビティの熱
媒体吐出口の開口方向の角度と、前記冷却側キャビティ
内周面の接線方向に対する熱媒体吐出口の開口方向の角
度とを異ならせることである。この場合において、加熱
側の流路抵抗よりも冷却側の流路抵抗を大きくして冷却
側の流量を比較的小さくするためには、加熱側キャビテ
ィ内周面の接線方向に対する前記加熱側キャビティの熱
媒体吐出口の開口方向の角度よりも、前記冷却側キャビ
ティ内周面の接線方向に対する熱媒体吐出口の開口方向
の角度を大きくすればよい。
【0037】冷却側の流路抵抗と加熱側の流路抵抗とに
差を設ける他の手段は、加熱側キャビティの熱媒体吐出
口の断面積と、冷却側キャビティの熱媒体吐出口の断面
積とを異ならせることである。この場合において、加熱
側の流路抵抗よりも冷却側の流路抵抗を大きくして冷却
側の流量を比較的小さくするためには、加熱側キャビテ
ィの熱媒体吐出口の断面積よりも、冷却側キャビティの
熱媒体吐出口の断面積を小さくすればよい。
【0038】冷却側の流路抵抗と加熱側の流路抵抗とに
差を設けるためのさらに他の手段は、加熱側キャビティ
の熱媒体導入口の断面積と、冷却側キャビティの熱媒体
導入口の断面積とを異ならせることである。この場合に
おいて、加熱側の流路抵抗よりも冷却側の流路抵抗を大
きくして冷却側の流量を比較的小さくするためには、加
熱側キャビティの熱媒体導入口の断面積よりも、冷却側
キャビティの熱媒体導入口の断面積を小さくすればよ
い。
【0039】また、本発明の熱電モジュールを内蔵する
マニホールドは、内部に加熱側キャビティと冷却側キャ
ビティとを有するマニホールド本体を備え、前記マニホ
ールド本体には、加熱側キャビティに連通する熱媒体導
入口及び熱媒体吐出口が設けられているとともに、冷却
側キャビティに連通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出口
が設けられており、前記マニホールド本体内に、電流を
流すと前記加熱側キャビティに面する放熱面を加熱し前
記冷却側キャビティに面する吸熱面を冷却する熱電モジ
ュールを内蔵しているとともに、前記加熱側キャビティ
及び前記冷却側キャビティ内に熱媒体送出能力の異なる
ポンプ構成部材がそれぞれ配設されているものである。
これによれば、各ポンプ構成部材の作動によって各キャ
ビティの熱媒体導入口から熱媒体が導入され、熱媒体吐
出口から吐出される。キャビティ内では、加熱側熱媒体
と熱電モジュールの放熱面、及び、冷却側熱媒体と熱電
モジュールの吸熱面が接触することにより、各熱媒体と
の効率の良い熱交換が行われる。さらに、冷却側のポン
プ構成部材の流体送出能力と、加熱側のポンプ構成部材
の流体送出能力とに差を設けたので、冷却側の熱媒体の
流量と、加熱側の熱媒体の流量とに差が生じ、効率の向
上が図られる。
【0040】特に、冷却効率の向上を主眼とする場合に
は、加熱側キャビティ内のポンプ構成部材の熱媒体送出
能力よりも、冷却側キャビティ内のポンプ構成部材の熱
媒体送出能力の方を小さくすることが好ましい。これに
よれば、冷却側熱媒体が比較的長い時間、冷却側キャビ
ティ内で滞留することになるので、該冷却側熱媒体の熱
を吸熱面に接触させることで奪い、所望の温度にまで冷
却することができる。
【0041】上記ポンプ構成部材はインペラからなるも
のであれば、加熱側キャビティ内のインペラの大きさよ
りも、冷却側キャビティ内のインペラの大きさの方を小
さくすることで、冷却側熱媒体の流量を比較的小さくし
て、冷却効率の向上を図ることが可能とである。
【0042】また、本発明は、内部に加熱側キャビティ
と冷却側キャビティとを有するマニホールド本体と、加
熱側キャビティ及び冷却側キャビティの内部にそれぞれ
設けられたインペラと、前記インペラを回転させる駆動
手段とを備え、前記マニホールド本体には、加熱側キャ
ビティに連通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出口が設け
られているとともに、冷却側キャビティに連通する熱媒
体導入口及び熱媒体吐出口が設けられており、前記加熱
側キャビティ及び冷却側キャビティの内周面はほぼ円形
状に形成されており、前記マニホールド本体内に、電流
を流すと前記加熱側キャビティに面する放熱面を加熱し
前記冷却側キャビティに面する吸熱面を冷却する熱電モ
ジュールを内蔵しているとともに、加熱側キャビティの
内周面の接線方向に対する前記加熱側キャビティの熱媒
体吐出口の開口方向の角度、及び/又は、冷却側キャビ
ティの内周面の接線方向に対する前記冷却側キャビティ
の熱媒体吐出口の開口方向の角度が、10°以下に設定
されているものである。これによれば、熱媒体の流量が
大幅に減少しない範囲で、各熱媒体吐出口の構造の最適
設計を行うことができる。
【0043】また、本発明は、内部に加熱側キャビティ
と冷却側キャビティとを有するマニホールド本体と、加
熱側キャビティ及び冷却側キャビティの内部にそれぞれ
設けられたインペラと、前記インペラを回転させる駆動
手段と、電流を流すと前記加熱側キャビティに面する放
熱面を加熱し前記冷却側キャビティに面する吸熱面を冷
却する熱電モジュールとを備え、前記マニホールド本体
には、前記加熱側キャビティに連通する熱媒体導入口及
び熱媒体吐出口と、前記冷却側キャビティに連通する熱
媒体導入口及び熱媒体吐出口とが設けられ、前記インペ
ラの回転により各キャビティの熱媒体導入口から熱媒体
吐出口へと熱媒体が送出されるように構成されていると
ともに、加熱側キャビティ内のインペラの回転軸心と直
交する平面に対する前記加熱側キャビティの熱媒体吐出
口の開口方向の角度、及び/又は、冷却側キャビティ内
のインペラの回転軸心と直交する平面に対する前記冷却
側キャビティの熱媒体吐出口の開口方向の角度が、5°
以下に設定されているものである。これによれば、熱媒
体の流量が大幅に減少しない範囲で、各熱媒体吐出口の
構造の最適設計を行うことができる。
【0044】また、本発明は、内部に加熱側キャビティ
と冷却側キャビティとを有するマニホールド本体と、加
熱側キャビティ及び冷却側キャビティの内部にそれぞれ
設けられたインペラと、前記インペラを回転させる駆動
手段と、電流を流すと前記加熱側キャビティに面する放
熱面を加熱し前記冷却側キャビティに面する吸熱面を冷
却する熱電モジュールとを備え、前記マニホールド本体
には、前記加熱側キャビティに連通する熱媒体導入口及
び熱媒体吐出口と、前記冷却側キャビティに連通する熱
媒体導入口及び熱媒体吐出口とが設けられ、前記インペ
ラの回転により各キャビティの熱媒体導入口から熱媒体
吐出口へと熱媒体が送出されるように構成されており、
前記加熱側キャビティの熱媒体吐出口及び/又は前記冷
却側キャビティの熱媒体吐出口は、前記マニホールド本
体に設けられたL字状に屈曲する吐出管の先端開口によ
って形成されており、前記吐出管の基端部から屈曲部ま
での距離の前記吐出管内径に対する比が、1.5以上に
設定されているものである。これによれば、熱媒体の流
量が大幅に減少しない範囲で、L字状に屈曲する各熱媒
体吐出管の構造の最適設計を行うことができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明による熱電モジュールを内蔵す
るマニホールドの実施例について、図面を参照しながら
説明する。
【0046】(実施例1)
【0047】図1は、本発明の実施例1の熱電モジュー
ルを内蔵するマニホールドの正面図である。図2は、図
1の右側面図である。図3は、図1の左側面図である。
図4は、図1の熱電モジュールを内蔵するマニホールド
の正面断面図である。図5は、図4の支軸周辺部の拡大
図及びその変形例の拡大図である。図6は、図4の熱電
モジュール端部の拡大図である。図7は、図1のマニホ
ールドの分解斜視図である。図8(a)は、図1のマニ
ホールドの加熱側の詳細分解斜視図であり、(b)はさ
らに加熱側攪拌部材の分解斜視図であり、(c)は加熱
側マニホールドの小径ボス部の断面図であり、(d)は
加熱側攪拌部材のボス部の断面図である。図9は、図1
のマニホールドの固定子周辺の詳細分解斜視図である。
図10は、図1のマニホールドの加熱側マニホールドの
正面図及び断面図である。図11は、図1のマニホール
ドに内蔵されている攪拌部材の正面図である。図12
は、図11の攪拌部材の断面図である。図13は、熱電
モジュールの正面図である。
【0048】図14は、熱電モジールの断面図である。
図15は、固定リングの正面断面図及び左右の側面図で
ある。図16は、固定リングの締結手順を示す説明図で
ある。図17は、図1のマニホールドを活用した冷凍機
の構成図である。図18は、図14に使用する空気抜き
チャンバーの断面図である。図19は、空気抜きチャン
バーの変形例の断面図である。
【0049】図1〜図4において、1は、本発明の実施
例1の熱電モジュールを内蔵するマニホールドを示す。
熱電モジュールを内蔵するマニホールド1は、マニホー
ルド本体17に熱電モジュール7が内蔵され、さらにマ
ニホールド本体17に固定子8が外装されたものであ
る。固定子8の取付けには固定リング9が活用されてい
る。またマニホールド本体17は、加熱側マニホールド
2と冷却側マニホールド3を持ち、それぞれ加熱側攪拌
部材5と冷却側攪拌部材6が配されている。これら撹拌
部材5,6は、マニホールド本体17とともに渦巻きポ
ンプを構成するインペラ(羽根車)としても機能するも
のである。
【0050】以下詳細に説明する。
【0051】加熱側マニホールド2は、ポリプロピレン
樹脂やポリエチレン樹脂を素材とする射出成形によって
作られたものである。
【0052】加熱側マニホールド2の外観形状は、図1
0の様に円板状のフランジ部2aと、これに続くボス部
2b,2cを持ち、さらに管部2d,2eが連続してい
る。すなわち加熱側マニホールド2は、フランジ部2a
を持ち、これに繋がる大径ボス部2bが設けられてい
る。また大径ボス部2bは、これよりも小径の小径ボス
部2cに繋がっている。そして小径ボス部2cの端部
は、さらに細くなっていて大径管部2dが構成され、大
径管部2dの端部はより細く作られていて小径管部2e
を構成している。
【0053】前記した大径ボス部2b、小径ボス部2
c、大径管部2d及び小径管部2eはいずれも同心状に
配されているが、フランジ部2aについては、図2で明
らかなようにやや偏心している。このようにフランジ部
2aだけを偏心させた理由は、熱電モジュール7に給電
する端子2g(図2参照)を設けるためのスペースを確
保するためである。
【0054】本実施例で採用する加熱側マニホールド2
では、大径管部2dの外周部に3個の突起2fが設けら
れている。3個の突起2fは、同一円周状であって且つ
互いに等間隔となる位置に配されている。
【0055】加熱側マニホールド2の内部は空洞10に
なっており、加熱側マニホールド2は、当該空洞10に
よって小径管部2e側からフランジ2a側にかけて貫通
している。また加熱側マニホールド2の内部の空洞10
の断面形状は、いずれの部位も円形である。空洞10の
外径は、それぞれボス部2b,2c及び管部2d,2e
の外径に相応した大きさであり、小径管部2e側からフ
ランジ部2a側にかけて順次漸次大きくなっている。
【0056】すなわち加熱側マニホールド2の内部の空
洞10は、4段階に区分され小径管部2e側から順次、
第一空洞部10a,第二空洞部10b、第三空洞部10
c、第四空洞部10dがあり、第四空洞部10dはフラ
ンジ部2a側に開口している。本実施例では、小径管部
2e側の開口13は、熱媒体導入口として機能する。ま
た、上記第四空洞部10dにより冷却側キャビティが構
成されており、該空洞部10dの内周面は円形状に形成
されている。
【0057】第四空洞部10dの開口端部は、更に二段
階に縁取りされている。第四空洞部10d開口の第一段
10eには、環状の溝2iが設けられている。当該溝2
iには、オーリング31が嵌入される。
【0058】第四空洞部10d開口の第二段10fは、
熱電モジュール7の外周径と略一致する内径を持つ。
【0059】また加熱側マニホールド2では、フランジ
部2aのフランジ面にも環状の溝2iが設けられてい
る。当該溝2iには、オーリング30が嵌入される。
【0060】そして加熱側マニホールド2の内部には軸
固定部11が設けられている。軸固定部11は、図4,
図5,図8,図10(a)の様に円柱状の軸支持部11
aを持つ。そして当該軸支持部11aは、リブ11bに
よって空洞部10内に同心状に支持されている。より詳
細に説明すると、大径管部2dの内部、すなわち第二空
洞部10bに3本のリブ11bが放射状に設けられてい
る。そして各リブ11bの端部は、いずれも軸支持部1
1aの側面と一体的に結合しており、軸支持部11aを
空洞部10の中心に支持している。軸支持部11aの軸
方向の位置は、第二空洞部10bと第三空洞部10cに
跨がった部位である。
【0061】軸固定部11の軸支持部11aには、ステ
ンレス等で作られた支軸12が一体的に固定されてい
る。従って支軸12は、空洞部10と同心状に固定支持
されている。
【0062】また大径ボス部2bには、内部(第四空洞
部10d)から外に向かって連通するパイプ状の熱媒体
吐出管14aが設けられている。この吐出管14aの先
端開口が、熱媒体吐出口14となる。熱媒体吐出管14
aは、図1,図2の様に第四空洞部10dと同一平面上
にあり、かつ、第四空洞部10dに対して接線方向に延
びている。即ち、第四空洞部10d(加熱側キャビテ
ィ)の内周面の接線方向に対する吐出口14の開口方向
の角度は、ほぼ0°であり、また、撹拌部材5の回転軸
心と直交する平面に対する吐出口14の開口方向の角度
も、ほぼ0°とされている。
【0063】加熱側攪拌部材5は、攪拌翼15と、モー
タの回転子16が一体化したものである。すなわち加熱
側攪拌部材5の攪拌翼15は、樹脂の射出成形によって
作られたものであり、ボス部15aと円板部15bを持
ち、円板部15bの一方の面に4個の羽根部材15cが
設けられてなるものである。
【0064】羽根部材15cは、正面(図11)から見
て中心部分が細く、周方向に向かうに従って幅広に作ら
れており、さらにやや捩じれた形状をしている。
【0065】羽根部材15cの外径dは、前記した加熱
側マニホールド2の第四空洞部10dの外径Dを100
とすると、94以下である。すなわち加熱側攪拌部材5
を加熱側マニホールド2に装着した時、羽根部材15c
と第四空洞部10dのの内周面との間に、第四空洞部1
0dの内周径の3%以上のクリアランスができる。
【0066】なお、加熱側攪拌部材5の羽根の形状は、
本実施例に限定されるものではなく、風車状の羽根やプ
ロペラ状、あるいは円板に板体が垂直に立設されたもの
であってもよい。
【0067】そして本実施例に特有の構成として、各羽
根部材15cの内部に立方体形状の永久磁石15dが取
り付けられている。
【0068】一方、ボス部15aは、円板部15eの3
分の1から、4分の1程度の外径を持つ筒状体である。
そしてボス部15aの中心には、図12の様に管状の軸
受け部材15fが設けられている。すなわち軸受け部材
15fは、ボス部15aの内側に設けられた3本のリブ
15gにより、ボス部15aの中心軸に一致する部位に
保持されている。
【0069】本実施例において、リブ15gは、板状で
あり、図12の様にその面が軸線に対して傾斜してい
る。後記する様に熱媒体は、ボス部15aの中を通過す
るが、本実施例では、リブ15gが軸線に対して傾斜し
ているので、熱媒体が巻き込まれる。
【0070】モータの回転子16は、具体的には円柱状
の永久磁石である。回転子16の外径は、攪拌翼15の
約2分の1である。また回転子16の中央には、前記し
たボス部15aの外径と一致する孔16aが設けられて
いる。
【0071】そして回転子16は、攪拌翼15のボス部
15aに圧入され、両者は一体化されている。すなわち
回転子16の径中央に設けられた孔16aがボス部15
aに圧入され、攪拌翼15と回転子16が一体的に結合
される。
【0072】次に加熱側マニホールド2と加熱側攪拌部
材5との関係について説明する。加熱側攪拌部材5は、
加熱側マニホールド2の第三空洞部10cと第四空洞部
10dに配される。より具体的には、加熱側攪拌部材5
の円板部15bと羽根部材15cが第三空洞部10cに
位置し、回転子16が第三空洞部10cに配される。ま
た前記した様に、羽根部材15cと第四空洞部10dの
内周面との間には、第四空洞部10dの内周径の3%以
上のクリアランスができる。
【0073】そして図5(a)の様に、加熱側攪拌部材
5の軸受け部材15fに、ブッシュ29が介在された上
で、加熱側マニホールド2の支軸12が挿通されてい
る。本実施例で採用するブッシュ29は、つば29aと
本体部29bを持つものであり、本体部29bは軸受け
部材15fと略等しい長さを持つ。
【0074】支軸12は、前記した様に加熱側攪拌部材
5の軸受け部材15fに挿通される。そしてその状態
で、支軸12の先端に係止部28が取り付けられてい
る。係止部28は、支軸12に対してかしめられてお
り、支軸12から脱落することはない。したがって、加
熱側攪拌部材5の、軸受け部材15fの前方端面は、ブ
ッシュ29のつば29aを介して係止部28と当接し、
加熱側攪拌部材5の熱電モジュール7に近接する方向の
力は、係止部28によって支持される。また軸受け部材
15fの後方端面は、軸支持部11aの前端と当接す
る。従って加熱側攪拌部材5の軸受け部材15fは、軸
支持部11aと係止部28によって挟まれている。その
ため本実施例では、加熱側攪拌部材5は、回転可能であ
るが、軸方向には一体的に加熱側マニホールド2に固定
されている。そして加熱側攪拌部材5が加熱側マニホー
ルド2に装着された状態において、係止部28は、加熱
側マニホールド2のフランジ部2aのフランジ面よりも
僅かに内側に位置する。より具体的には、係止部28の
先端は、加熱側マニホールド2の開口部の第一段10e
よりも、熱媒体導入口13側に位置にある。
【0075】なお本実施例では、図5(a)に示した様
に、ブッシュ29の本体部29bは、軸受け部材15f
と略等しい長さを持ち、ブッシュ29は軸受け部材15
fの全長に渡って挿入されている。しかしこれに代わっ
て、図5(b)に示す様にブッシュ29の本体部29b
の長さを軸受け部材15fよりも短く設計し、さらに軸
受け部材15fの後端にテーパ部15hを設ける構成も
推奨される。この構成は、熱媒体を潤滑剤として活用す
ることを意図したものである。すなわち後記する様に、
加熱側攪拌部材5の中心部は、熱媒体流路の一部として
機能し、使用時においては軸受け部材15fは熱媒体の
流れの中にさらされる。そこで図5(b)に示す様に、
軸受け部材15fの後端にテーパ部15hを設けると、
熱媒体がテーパ部15hによって集められ、軸受け部材
15fの中に導入される。その結果、熱媒体が潤滑剤と
して機能し、加熱側攪拌部材5が回転する際の摩擦抵抗
が低下する。
【0076】実施例の説明に戻ると、加熱側マニホール
ド2と加熱側攪拌部材5が組付けられた状態において、
加熱側マニホールド2の熱媒体導入口13と加熱側攪拌
部材5の円板部15eの前面側が連通する。すなわち熱
媒体導入口13は、第一空洞部10aと連通し、さらに
第一空洞部10aは、加熱側攪拌部材5のボス部15a
の開口と連通する。そしてボス部15aは、筒状であっ
て、その先端部分は、加熱側攪拌部材5の円板部15e
の前面側に開口している。従って加熱側マニホールド2
の熱媒体導入口13と加熱側攪拌部材5の円板部15e
の前面側が連通する。
【0077】本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールドでは、上記した一連の連通路が熱媒体の流路と
なる。すなわち本実施例では、撹拌部材5及び回転子1
6の径中心側に孔16aが設けられており、当該孔16
aが直接的に、あるいは当該孔16aに挿入されたボス
部15aの孔が、第四空洞部10dに熱媒体を導入する
熱媒体導入通路の一部として機能する。
【0078】次に冷却側マニホールド3及び冷却側攪拌
部材6の構成を説明する。冷却側マニホールド3は、前
記した加熱側のマニホールド2と略対掌形(左右勝手違
い)であり、円板状のフランジ部3aを持つ。冷却側マ
ニホールド3では、ボス部3bは一段である。またボス
部3bの後端部は、管部3c,3dに繋がっている。冷
却側マニホールド3の大径管部3dの外周部は、平滑な
円筒面であり、突起はない。
【0079】冷却側マニホールド3の内部は前記した加
熱側のマニホールド2と同様に空洞20になっており、
小径管部3e側からフランジ部3a側にかけて貫通して
いる。そして空洞20の内径は、3段階に区分され小径
管部3e側から順次、第一空洞部20a,第二空洞部2
0b及び第三空洞部20dがあり、第三空洞部20dは
フランジ部3a側に開口している。小径管部3e側の開
口21は、熱媒体導入口として機能する。また、第三空
洞部20dにより冷却側キャビティが構成され、この第
三空洞部20dの内周面は円形状に形成されている。
【0080】冷却側マニホールド3の内部には、加熱側
のマニホールド2と同様に軸固定部22が設けられてい
る。軸固定部22は円柱状の軸支持部22aを持つ。そ
して当該軸支持部22aは、リブ22bによって空洞部
20内に同心状に支持されている。リブ22bの形状や
取付け位置、数等は、前記した加熱側のマニホールド2
と同様であり、第二空洞部10bに3本のリブ22bが
放射状に設けられていると共にその他端側が軸支持部2
2aの側面と一体的に結合し、軸支持部22aを空洞部
10の中心に支持している。軸支持部22aの軸方向の
位置は、第二空洞部20bと第三空洞部20dに跨がっ
た部位である。
【0081】そして軸固定部22の軸支持部22aに
は、ステンレス等で作られた支軸23が一体的に固定さ
れ、支軸23は、空洞部20と同心状に固定支持されて
いる。
【0082】冷却側マニホールド3についても、パイプ
状の熱媒体吐出管24aが設けられており、この吐出管
24aの先端開口により冷却側熱媒体吐出口24が形成
されている。熱媒体吐出口24の開口方向の角度は、前
記した加熱側マニホールド2とは異なっている。すなわ
ち加熱側マニホールド2では、熱媒体吐出管14aは、
第四空洞部10dと同一平面上にあり、かつ、第四空洞
部10dに対して接線方向に延びていたのに対し、冷却
側マニホールド3では、熱媒体吐出管24aは、図1,
図3の様に第三空洞部20dの平面に対して外側に傾斜
した角度に取り付けられている。
【0083】すなわち冷却側マニホールド3では、熱媒
体吐出管24aは、図3の様に側面の投影図で観察する
と、第三空洞部20dの接線方向に延びているが、正面
図から明らかなように、開口部分(吐出口24)が第三
空洞部20dとは異なる平面にある。すなわち冷却側マ
ニホールド3では、吐出管24aは、第三空洞部20d
の平面に対して傾斜して取り付けられている。したがっ
て、吐出管24aの先端の冷却側熱媒体吐出口24の開
口方向は、第三空洞部20d(冷却側キャビティ)の内
周面の接線方向に対して所定角度傾斜しているととも
に、撹拌部材6の回転軸心に直交する平面に対して所定
角度傾斜されている。なお、上記接線方向に対する吐出
口24の開口方向の角度と、上記平面に対する吐出口2
4の開口方向の角度とは、図示実施例のように、図3に
示す側面視において吐出管24aが接線方向に延びてい
る場合には同一となるが、側面視において吐出管24a
が接線方向に対して一定の角度で設けられている場合に
は同一とはならないことはいうまでもない。
【0084】かかる吐出管24aの構成により、冷却側
の熱媒体導入口21から熱媒体吐出口24に至る流路の
流路抵抗が、加熱側の流路抵抗よりも大きく設定されて
おり、これにより冷却側熱媒体の単位時間あたりの流量
が、加熱側熱媒体の単位時間あたりの流量よりも少なく
なるように構成されている。
【0085】冷却側攪拌部材6は、攪拌翼である。すな
わち冷却側攪拌部材6は、回転子を持たない。冷却側攪
拌部材6は前記した加熱側攪拌部材5の羽根部材15c
と略同様の形状をしており、ボス部25aと円板部25
bを持ち、円板部25bの一方の面に4個の羽根部材2
5cが設けられたものである。羽根部材25cは、前記
した羽根部材15cと同様、中心部分が細く、周方向に
向かうに従って幅広に作られており、さらに時計方向に
捩じれた形状をしている。
【0086】また各羽根部材25cの内部に立方体形状
の永久磁石25d(常磁性体)が取り付けられている。
永久磁石25dの極性は、前記した加熱側攪拌部材5の
羽根部材15cに設けた永久磁石15dと反対の極であ
る。すなわち永久磁石25dは、熱電モジュール7を挟
んで永久磁石15dと引き合う様に極性が配置されてい
る。
【0087】なお冷却側攪拌部材6に設けられた永久磁
石25dの極性は、その全てが加熱側攪拌部材5に設け
られた永久磁石15dと同一であって、両者が互いに反
発しあう関係であってもよい。また冷却側攪拌部材6側
と加熱側攪拌部材5の永久磁石15d,25dの幾つ
か、あるいは一方の永久磁石15d,25dの一部又は
全てを、鉄片等の強磁性体に置き換えてもよい。
【0088】ボス部25aの形状・構造は、全長が短い
点を除いて、前記した加熱側攪拌部材5と同一である。
すなわちボス部25aの内側にはリブ25gが設けら
れ、リブ25gによって管状の軸受け部材25fが中心
軸に一致する部位に保持されている。リブ25g板状で
あり、その面が軸線に対して傾斜していて、熱媒体が巻
き込まれる。
【0089】冷却側マニホールド3と冷却側攪拌部材6
との関係は、前記した加熱側と略同一であり、冷却側攪
拌部材6は、冷却側マニホールド3の第三空洞部20d
に配される。そして冷却側攪拌部材6の軸受け部材25
fに、ブッシュ33が介在された上で、冷却側マニホー
ルド3の支軸23が挿通されている。また先端に係止部
32が取り付けられている。係止部32は、支軸23に
対してかしめられており、支軸23から脱落することは
ない。したがって、冷却側攪拌部材6の、軸受け部材2
5fの端面は、ブッシュ33のつばを介して係止部32
と当接し、冷却側攪拌部材6の軸方向力は、係止部32
によって支持される。従って、本実施例では、冷却側攪
拌部材6は、回転可能であるが、軸方向には一体的に冷
却側マニホールド3に固定されている。そして冷却側攪
拌部材6が冷却側マニホールド3に装着された状態にお
いて、係止部32は、冷却側マニホールド3のフランジ
部3aのフランジ面よりも僅かに内側に位置する。
【0090】また冷却側マニホールド3と冷却側攪拌部
材6が組付けられた状態において、冷却側マニホールド
3の熱媒体導入口21と冷却側攪拌部材6の円板部の前
面側が連通する。
【0091】次にその他の部材について説明する。本実
施例では、熱電モジュール7は、図13の様に円板状で
ある。熱電モジュール7は、公知のペルチェ素子を利用
したものであり、P型半導体とN型半導体が並べて設け
られたものである。熱電モジュール7の断面構造は、図
14の通りであり、P型とN型の熱電半導体7c,7d
を上下交互の電極7eで直列に接続し、上下をセラミッ
クの絶縁板7fで固定したものである。なおP型熱電半
導体7cとN型熱電半導体7dの組み合わせがペルチェ
素子の最小単位である。そして本実施例で使用する熱電
モジュール7では、アルミニウムの円板同士の間に、図
13の様にペルチェ素子を円形に配したものである。な
お本実施例で採用する熱電モジュール7では、円板の外
周近傍部分(即ち、Oリングが当接する部分)には、熱
電半導体7c、7dは配設されていない。
【0092】熱電モジュール7としては、他に一つの角
形の熱電モジュールをアルミニウムの円板で挟んだもの
も使用可能である。
【0093】固定子8は、電動モータを構成するコイル
が内蔵されたものである。固定子8の外径形状は、図
7,8,9の様にドーナツ状であり、中央に孔8aが設
けられている。また側面に電極部8bが設けられてい
る。
【0094】固定リング9は、図15の様に円板状であ
り、「卍」に似た特殊形状の開口27が設けられてい
る。開口27の形状を詳細に説明すると次の通りであ
る。
【0095】すなわち固定リング9の中央には、円形の
開口27aが設けられ、当該円形の部位から放射状に3
本の溝27bが延びている。当該溝27bは、いずれも
直線であり、その軸線は、円形の開口27aの中心を通
過する。
【0096】また直線状の溝27bの端部は、いずれも
同一方向に旋回している。当該旋回部の溝27cは、円
形の開口27aを中心とする円弧である。
【0097】固定リング9には、この様に直線状の溝2
7bと、旋回状の溝27cが設けられているので、両溝
によって囲まれる部位が半島状に残る。すなわち固定リ
ング9には、円形の開口27aの周囲に、3個の半島部
27dが設けられている。
【0098】次に固定リング9の表裏の面形状を見る
と、固定リング9の裏面側は、図15(a)の様に平滑
である。これに対して固定リング9の表面側は、図15
(c)の様に全ての端部に補強リブが設けられている。
また図において、E,F,Dで示される部位、すなわち
半島部27dの表面側端部には、傾斜が設けられてい
る。
【0099】次にマニホールド1の組み立て構造につい
て説明する。マニホールド1では、加熱側マニホールド
2と冷却側マニホールド3がオーリング30を挟んで一
体となり、その中央に二つのオーリング31を挟んで熱
電モジュール7が配されている。すなわち加熱側のマニ
ホールド2と、冷却側のマニホールド3は一体的に結合
され、その中間部分に熱電モジュール7が装着されてい
る。
【0100】加熱側マニホールド2と冷却側マニホール
ド3との結合は、それぞれのフランジ部2a,3aを合
わせ、両者にネジを挿通することにより行われる。ここ
で両者の接合部に注目すると、図6の様に、熱電モジュ
ール7のペルチェ素子が存在しない周辺部近傍が、加熱
側マニホールド2と冷却側マニホールド3に挟まれ、て
いる。言い換えると、ペルチェ素子は、キャビティ10
d,20dに面した部位だけにある。そしてペルチェ素
子が存在しない熱電モジュール7の周辺部近傍にオーリ
ング31が当接している。
【0101】本実施例では、ペルチェ素子が存在しない
部位を加熱側マニホールド2と冷却側マニホールド3で
挟むことにより、ペルチェ素子の発熱或いは冷熱が直接
的に加熱側マニホールド2と冷却側マニホールド3に伝
わることを防いでいる。
【0102】本実施例では、加熱側のマニホールド2及
び冷却側のマニホールド3に、それぞれ攪拌部材5,6
が装着されているが、攪拌部材5,6は、いずれも支軸
12,23にかしめられた係止部28,32によって軸
方向力が支持され、マニホールド2、マニホールド3に
対して軸方向に一体的に固定されている。そして攪拌部
材5,6がマニホールド2,3に装着された状態におい
て、係止部28,32は、マニホールド2,3のフラン
ジ部2a,3aのフランジ面のよりも僅かに内側に位置
する。より具体的には、係止部28の先端は、加熱側マ
ニホールド2の開口部の第一段2iよりも、熱媒体導入
口13側に位置にある。そのため係止部28,32及び
攪拌部材5,6は、いずれも熱電モジュール7と接触せ
ず、攪拌部材5,6と熱電モジュール7との間には隙間
4が確保される。当該隙間は、凡そ1mm〜2mm程度
である。
【0103】また加熱側マニホールド2のボス部2cに
固定子8が外装される。固定子8の固定方法は、次の手
順による。
【0104】すなわち固定子8の孔16aに加熱側マニ
ホールド2のボス部2cを挿通する。そして固定子8に
続いて固定リング9を加熱側マニホールド2に外装す
る。固定リング9の装着に際しては、図16(a)の様
に溝9bと突起2fとを一致させ、る。こうすることに
より、突起2fは、固定リング9の半島部27dと干渉
せず、半島部27dは突起2fよりもフランジ部2a側
に至る。
【0105】そして続いて固定リング9を図16(a)
の矢印の方向に回転させ、半島部27dを突起2fと固
定子8の間に挿入し、図16(b)に示すように突起2
fと固定子8とを係合させる。その結果、固定子8は、
加熱側マニホールド2のボス部2cに一体的に固定され
る。
【0106】次に本実施例にマニホールド1の作用につ
いて説明する。
【0107】本実施例のマニホールド1は、図17に示
すような熱交換器40,41及び空気抜きチャンバー4
3,44を含む冷凍装置45の一部として活用される。
【0108】ここで高温側及び低温側の空気抜きチャン
バー43,44は、何らかの理由で配管内に混入したガ
スを集め、ガスが配管経路を循環することを防止する機
能と、何らか理由で、熱媒体液が減少した場合でも熱媒
体を円滑に循環させるとを目的として設けられるもので
ある。空気抜きチャンバー43,44は、要するに配管
内のガスが集まる空間を設けるものであり、配管経路の
最も高い位置に、容積の大きな部位を設けたものであ
る。
【0109】空気抜きチャンバー43,44の具体的構
成は、図18の通りであり、タンク状の容器47に熱媒
体導入口48と、熱媒体吐出口49が設けられたもので
ある。
【0110】またここで本実施例に特有の構成として、
熱媒体導入口48と、熱媒体吐出口49には、いずれも
パイプが使用されている。そして熱媒体導入口48を構
成するパイプは、容器47の底面の中心から容器47に
入る。また熱媒体導入口48を構成するパイプは、容器
47内において、容器47の重心の近傍まで至り、容器
47の重心近傍で開口している。
【0111】一方、熱媒体吐出口49を構成するパイプ
は、容器47の側面の中心から容器47に入る。そして
熱媒体導入口48を構成するパイプについても、容器4
7内において、容器47の重心の近傍まで至り、容器4
7の重心近傍で開口している。
【0112】本実施例で採用する空気抜きチャンバー4
3,44は、熱媒体導入口48及び熱媒体吐出口49
が、容器47の重心部で開口するので、空気抜きチャン
バー43,44に方向性が無い。すなわち本実施例で採
用する空気抜きチャンバー43,44は、図18の様な
姿勢で使用することが望ましいが、何らかの理由で倒立
状態となっても、傾斜姿勢に置かれても、熱媒体導入口
48及び熱媒体吐出口49の開口は、常に熱媒体に浸
る。そのため本実施例で採用する空気抜きチャンバー4
3,44は、傾斜姿勢で使用されても、熱媒体導入口4
8及び熱媒体吐出口49の容器47内の開口から、空気
(又はガス)を吸い込むことがない。
【0113】同様の作用・効果が期待される空気抜きチ
ャンバーとしては、図18に示す空気抜きチャンバー5
3がある。図18に示す空気抜きチャンバーでは、熱媒
体導入口48及び熱媒体吐出口49が「L」字状に曲が
った一本りパイプ51によって構成されている。本実施
例では、パイプ50の角の部位が容器47の重心近傍に
ある。そして当該角の部位に開口52が設けられてい
る。
【0114】冷凍装置45の説明に戻ると、マニホール
ド1の高温側は、放熱用のコンデンサ(熱交換器)40
及び高温側空気抜きチャンバー43と配管結合される。
【0115】より具体的には、放熱用のコンデンサ(熱
交換器)40の吐出口と、マニホールド1の熱媒体導入
口13が接続される。またマニホールド1の熱媒体吐出
口14と高温側空気抜きチャンバー46の導入口48が
接続される。また高温側気抜きチャンバー46の熱媒体
吐出口49と放熱用のコンデンサ(熱交換器)40の導
入口が接続されている。
【0116】こうしてマニホールド1の高温側、高温側
気抜きチャンバー46及び放熱用のコンデンサ(熱交換
器)40からなる一連の閉回路が構成される。
【0117】マニホールド1の冷却側の配管についても
同様であり、吸熱用のエバー(熱交換器)41及び低温
側気抜きチャンバー44と配管結合され、一連の閉回路
が構成されている。
【0118】そして配管回路内には、水を主体とする熱
媒体が循環される。なお、冷却側の配管回路内には、プ
ロピレングリコール等の不凍液を添加することが望まし
い。熱媒体は、比熱が大きい点から水を主体とするもの
を採用することが望ましいが、勿論他の液体であっても
良い。
【0119】本実施形態の冷凍機では、マニホールド1
が熱媒体を移動させるポンプの機能を兼ねるので、特別
のポンプは設けられていない。
【0120】この状態で、マニホールド1の熱電モジュ
ール7に通電し、さらに固定子8にも通電を行う。
【0121】その結果、熱電モジュール7の加熱側伝熱
面(放熱面)7aの温度が上昇し、冷却側伝熱面(吸熱
面)7bの温度が低下する。そして、放熱面7aの熱
は、加熱側キャビティ10d内に導入される加熱用熱媒
体によって冷却される一方、冷却側キャビティ20d内
に導入される冷却用熱媒体が、吸熱面7bに接触するこ
とにより低温に冷却される。ここで、本実施例では、冷
却用熱媒体の流量が、加熱用熱媒体の流量に比して小さ
く設定されているので、冷却用熱媒体はキャビティ20
d内で十分に冷却されて吐出口24から吐出される。
【0122】また固定子8が励磁され、磁力が加熱側マ
ニホールド2を貫通して内部の回転子16に作用する。
その結果、加熱側マニホールド2内の回転子16に回転
力が発生する。すなわち、本実施例の熱電モジュールを
内蔵するマニホールド1では、加熱側マニホールド2の
内外に設けられた回転子16と固定子8とによって、一
つの電動モータ(駆動手段)が構成されている。そのた
め固定子8に通電することにより、加熱側マニホールド
2内の回転子16が回転する。その結果、回転子16と
一体となった加熱側攪拌部材5が回転し、加熱側攪拌部
材5の攪拌翼15が回転を始める。
【0123】ここで本実施例のマニホールド1では、攪
拌部材5,6に磁石15d,25dが取り付けられてお
り、さらに攪拌部材5,6は熱電モジュール7を挟んで
対向した位置にある。また各磁石15d,25dの極性
は、互いに引きつけ合う方向に揃えられている。そのた
め攪拌部材5,6の磁石15d,25d同士が引き付け
合い、加熱側の第四空洞部10d内にある加熱側攪拌部
材5の回転に伴って、冷却側の冷却側攪拌部材6も回転
を開始する。而して、これら磁石15d、25dによっ
て、加熱側撹拌部材5の回転力を冷却側撹拌部材6に伝
達する動力伝達部材が構成されている。
【0124】すなわち固定子8に通電することにより、
各キャビティ内で攪拌部材5,6が回転する。
【0125】そして各キャビティ内の熱媒体が回転し、
熱媒体に旋回エネルギーが付与される。そして回転力が
付与された熱媒体は、それぞれ熱媒体吐出口14,24
から外部に吐出される。このように本実施例の熱電モジ
ュールを内蔵するマニホールド1では、各撹拌部材5,
6が渦巻きポンプのインペラ(ポンプ構成部材)として
作用し、全体としてポンプとしての機能を発揮するが、
内部における熱媒体の流路は特異である。
【0126】すなわち本実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールド1の加熱側においては、熱媒体は、加
熱側マニホールド2の端部にある熱媒体導入口13から
入る。そして熱媒体は、小径管部2e内の第一空洞部1
0aを流れる。続いて熱媒体は、大径管部2dの第二空
洞部10bのリブ11bの間を通過する。さらに熱媒体
は、加熱側攪拌部材5のボス部15aの中を流れ、リブ
15gの間を通過して加熱側攪拌部材5の円板部15e
の前面側に開口至る。
【0127】冷却側においても同様であり、熱媒体は、
冷却側マニホールド3の端部にある熱媒体導入口21か
ら入り、第一空洞部20aを流れ、第二空洞部20bの
リブ22bの間を通過して冷却側攪拌部材6のボス部2
5aの中を流れ、冷却側攪拌部材6の羽根部材25cの
中心に至る。
【0128】本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールド1では、熱媒体は、直線的な経路を流れ、直接
的に加熱側攪拌部材5,6の羽根部材15c,25cの
中心部分に入る。ここで羽根部材15c,25cの中心
部分は、回転によって負圧傾向となる部位であるから、
本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールド1
は、ポンプとして高い効率を発揮する。
【0129】また羽根部材15c,25cの中心部分に
入った熱媒体は、羽根部材15c,25cによって攪拌
され、高い頻度で熱電モジュール7の放熱面又は吸熱面
と接触する。特に本実施例の熱電モジュールを内蔵する
マニホールド1では、熱電モジュール7の表面と羽根部
材15c,25cの間に1mm〜2mm程度の隙間が確
保されているので、当該隙間に熱媒体が進入し、高い頻
度で熱電モジュール7の伝熱面7a,7bと接触する。
さらに本実施例では、係止部28の先端と熱電モジュー
ル7との間にも隙間があるので、熱媒体は熱電モジュー
ル7の中心部にも回り込み、熱電モジュール7の中心部
においても熱交換が行われる。
【0130】また本実施例では、攪拌部材5,6のボス
部15a,25a内に設けられたリブ15g,25gが
板状であり、且つ図12の様にその面が軸線に対して傾
斜している。そのため熱媒体がボス部15a,25aを
通過する際、熱媒体が巻き込まれて付勢され、より高い
効率が期待できる。
【0131】羽根部材15c,25cの中心部分に入っ
た熱媒体は、羽根部材15c,25cの回転によって付
勢され、熱媒体吐出口14,24からから排出される。
熱媒体の排出に伴い、熱媒体導入口13,21から新た
な熱媒体が吸い込まれる。
【0132】なお本実施例の本実施例の熱電モジュール
を内蔵するマニホールド1では、熱媒体吐出口14,2
4の取り付け角度が、加熱側と冷却側で異なる。すなわ
ち前記した様に加熱側ではパイプ状部位14aは、第四
空洞部10dと同一平面上にあり、かつパイプ状部位1
4aは、第四空洞部10dに対して接線方向に延びてい
たのに対し、冷却側では第三空洞部20dの平面に対し
て外側に傾斜した角度に取り付けられている。そのため
加熱側ではパイプ状部位14aが熱媒体の付勢方向のベ
クトルと一致するのに対し、冷却側では両者のベクトル
がずれている。従って本実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールド1では、加熱側と冷却側の吐出量が異
なる。
【0133】本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールド1では、キャビティ内で、熱媒体が攪拌される
ので、熱媒体と伝熱面7a,7bの接触機会が多い。特
に本実施例では、熱媒体は、熱電モジュール7の伝熱面
7a,7bに対して垂直方向に入る。そのため熱媒体は
熱電モジュール7に対して垂直に当たる。従って、本実
施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールド1は、熱
媒体と伝熱面7a,7bとの熱交換効率が高い。
【0134】加えて本実施例の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールド1では、攪拌部材5,6が支軸12,2
3にかしめられた係止部28,32によって軸方向力が
支持されていると共に、係止部28,32が、マニホー
ルド2,3のフランジ部2a,3aの面よりも僅かに内
側に位置し、攪拌部材5,6と熱電モジュール7との間
に隙間4が確保されている。そのため本実施例の熱電モ
ジュールを内蔵するマニホールド1では、熱電モジュー
ル7の表面に必ず熱媒体が存在し、高い熱交換効率が期
待される。
【0135】なお、上記実施例1において、マニホール
ド本体17内の加熱側熱媒体の流路の流路抵抗と、冷却
側熱媒体の流路の流路抵抗とに差を設けるための導入口
13,21及び吐出口14,24の構造として、これら
の断面積を変えることができる。例えば、冷却側熱媒体
の流量を加熱側に比して小さくして冷却効率を向上させ
るためには、加熱側キャビティ10dの熱媒体導入口1
3の断面積よりも、冷却キャビティ20dの熱媒体導入
口21の断面積を小さくすることができる。また、加熱
側キャビティ10dの熱媒体吐出口14の断面積より
も、冷却側キャビティ20dの熱媒体吐出口24の断面
積を小さくすることによっても、冷却側流量を小さくし
て、冷却効率の向上を図ることができる。
【0136】(実施例2)
【0137】次に本発明の第2実施例について説明す
る。なお、以下に説明する第2以降の実施例の説明で
は、第1実施例と同一の機能を発揮する部材に同一の番
号を付して、重複した説明を省略する。
【0138】図20は、本発明の第2実施例の熱電モジ
ュールを内蔵するマニホールドの正面断面図及びその一
部詳細図である。
【0139】先の実施例は、支軸12,23に係止部2
8,32をかしめて攪拌部材5,6を軸方向に固定し、
攪拌部材5,6と熱電モジュール7との間に空隙が確保
したものであるが、図17に示す熱電モジュールを内蔵
するマニホールド1’では、他の方策をこうじることに
より、攪拌部材5,6の羽根部材15c,25cと熱電
モジュール7との間に空隙を設けるものである。
【0140】すなわち本実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールド1’では、係止部28’,32’は金
属(好ましくはアルミニウムなど)等の熱媒体よりも熱
伝導の優れた素材が選択される。
【0141】また係止部28’,32’と支軸12,2
3は、軸方向の相対移動を許す。より具体的には、係止
部28’,32’に、貫通孔28’a,32’aが設け
られており、係止部28’,32’の貫通孔28’a,
32’aに支軸12,23が挿通されている。
【0142】また係止部28’,32’は先の実施例よ
りも大きく、係止部28’,32’の後端部がブッシュ
29のつば29aの前面と当接し、さらにブッシュ29
のつば29aの背面が軸受け部材15f、25fの前面
と当接した状態の時、係止部28’,32’の先端部分
が羽根部材15c,25cの前面から突出する。
【0143】また係止部28’,32’の先端は平坦で
ある。
【0144】そして熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルド1’では、一体的に組み立てられたとき、係止部2
8’,32’の先端部分が熱電モジュール7の表面の中
央と面接触する。その結果、羽根部材15c,25cと
熱電モジュール7の伝熱面7a,7bの間に隙間4が確
保される。
【0145】従って本実施例の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールド1’においても、熱電モジュール7の表
面に必ず熱媒体が存在し、高い熱交換効率が期待され
る。
【0146】加えて本実施例の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールド1’では、係止部28’,32’が熱電
モジュール7の伝熱面7a,7bの中央部と面接触する
ため、熱電モジュール7の伝熱面7a,7bの発熱又は
冷熱が係止部28’,32’に伝導され、係止部2
8’,32’を経由して熱媒体に熱伝導される。そのた
め本実施例では、係止部28’,32’通じた熱伝達が
行われる。本実施例では、熱電モジュール7の伝熱面積
が、係止部28’,32’によって実質的に拡大され
る。
【0147】(実施例3)
【0148】次に本発明の第3実施例について説明す
る。図21は、本発明の第3実施例の熱電モジュールを
内蔵するマニホールドの正面断面図である。
【0149】本実施例では、ポンプ構成部材であるイン
ペラ5,6の流体送出能力を、加熱側に比して冷却側で
小さくすることにより、冷却側熱媒体の流量を加熱側熱
媒体の流量よりも少なくしている。即ち、加熱側インペ
ラ5の羽根部材15cの軸長(厚さ)よりも、冷却側イ
ンペラ6の羽根部材25cの軸長が短くなされている。
両インペラ5,6は磁力によって連動回転し、回転数は
同じであるから、各インペラ5,6の大きさに応じて各
キャビティ10d,20d内の熱媒体の旋回エネルギー
が異なってくる。冷却側インペラ6の回転によって冷却
側キャビティ20d内の熱媒体に付与される旋回エネル
ギーは、加熱側インペラ5の回転によって加熱側キャビ
ティ10d内の熱媒体に付与される旋回エネルギーより
も小さくなるから、冷却側インペラ6の流体送出能力
は、加熱側インペラ5のそれよりも小さい。したがっ
て、実施例1の構造に比して、本実施例3の構造によれ
ば、より一層冷却側熱媒体の流量が低減され、冷却効率
の向上が図られることが期待される。
【0150】(実施例4)
【0151】次に本発明の第4実施例について説明す
る。図22は、本発明の第4実施例の熱電モジュールを
内蔵するマニホールドの正面断面図である。
【0152】本実施例においても、上記実施例3と同様
に、ポンプ構成部材であるインペラ5,6の流体送出能
力を、加熱側に比して冷却側で小さくすることにより、
冷却側熱媒体の流量を加熱側熱媒体の流量よりも少なく
しているが、そのための手段が実施例3とは異なる。
【0153】即ち、本実施例4では、加熱側インペラ5
の羽根部材15cの径よりも、冷却側インペラ6の羽根
部材25cの径を短くしている。したがって、本実施例
4の構造によっても、より一層冷却側熱媒体の流量が低
減され、冷却効率の向上が図られることが期待される。
【0154】(実施例5)
【0155】次に本発明の第5実施例について説明す
る。図23は、本発明の第5実施例の熱電モジュールを
内蔵するマニホールドの右側面図(加熱側側面図)であ
る。
【0156】本実施例5においては、加熱側熱媒体吐出
管70は、キャビティ10dの内周面の接線方向に沿う
ようにマニホールド本体17に連設された第一管部70
aと、該第一管部70aの先端部から垂直な方向に連設
する第二管部70bとから、全体としてほぼL字状に屈
曲する構造を呈している。そして、この吐出管70の第
二管部70bの先端開口により、加熱側熱媒体吐出口7
1が形成される。
【0157】この吐出管70の基端部から屈曲部までの
距離Lの吐出管70内径Rに対する比は、凡そ2.5と
なされている。なお、本発明において、吐出管70の屈
曲部とは、図23に示すように、吐出管70の第一管部
70aの軸心と第二管部70の軸心との交差部であり、
吐出管70の基端部とは、屈曲部から最も近いキャビテ
ィ内面位置をいう。
【0158】本実施例によれば、熱媒体吐出口71の開
口方向を、配管構造に応じて最適な方向(図示例では、
熱媒体導入口13の開口方向と同方向)に向けることが
できるものでありながら、L字状吐出管70の基端部か
ら屈曲部までの距離Lを、管径Rに応じて最適化するこ
とにより流量が極端に低減することを防止できる。
【0159】(実施例6)
【0160】次に本発明の第6実施例について説明す
る。図24は、本発明の第6実施例の熱電モジュールを
内蔵するマニホールドの正面断面図である。図25は、
同マニホールドの左側面図である。図26は、同マニホ
ールドの右側面図である。
【0161】本実施例6では、加熱側熱媒体吐出管72
並びに冷却側熱媒体吐出管73は、ともに略L字状の屈
曲管により構成されている。各吐出管72,73は、キ
ャビティ10d,20dに連通するようにマニホールド
本体17に設けられた第一管部72a,73aと、該第
一管部72a,73aの先端部に連設された第二管部7
2b,73bとから構成されている。
【0162】各第一管部72a,73aの軸心は、イン
ペラ5,6の回転軸心に直交する平面に対して傾斜され
ており、その先端側が外側に傾斜されている。また、第
二管部72b,73bの軸心は、インペラ5,6の回転
軸心に平行とされている。
【0163】加熱側吐出管72の先端開口により構成さ
れる加熱側熱媒体吐出口74は、加熱側熱媒体導入口1
3と同方向に開口されている。また、冷却側吐出管73
の先端開口により構成される冷却側熱媒体吐出口75
は、冷却側熱媒体導入口21と同方向に開口されてい
る。
【0164】本実施例では、加熱側熱媒体と冷却側熱媒
体との流量の調節は、各吐出管72,73の屈曲部の位
置を変えることにより行われている。即ち、冷却側吐出
管73の基端部から屈曲部までの距離は、加熱側吐出管
72の基端部から屈曲部までの距離よりも小さく(図示
例で凡そ二分の一)設定されており、これにより冷却側
流路の流路抵抗を加熱側流路の流路抵抗よりも大きくし
て、冷却側熱媒体の流量を加熱側熱媒体の流量よりも小
さくなるようにし、冷却効率の向上を図っている。
【0165】なお、本実施例では、固定子8をマニホー
ルド本体17に取付固定するための固定リング76は、
マニホールド本体17の管部2e外周にねじ止めされて
いる。
【0166】
【発明の効果】本発明によれば、内部に加熱側キャビテ
ィと冷却側キャビティとを有するマニホールド本体と、
加熱側キャビティ及び冷却側キャビティの内部にそれぞ
れ設けられたインペラと、前記インペラの一方を回転さ
せる駆動手段と、前記一方のインペラの回転力を他方の
インペラに伝達する動力伝達部材と、電流を流すと前記
加熱側キャビティに面する放熱面を加熱し前記冷却側キ
ャビティに面する吸熱面を冷却する熱電モジュールとを
備え、前記マニホールド本体には、前記加熱側キャビテ
ィに連通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出口と、前記冷
却側キャビティに連通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出
口とが設けられているとともに、前記加熱側キャビティ
内の前記インペラの回転により前記加熱側キャビティの
熱媒体導入口から熱媒体吐出口へ送出される熱媒体の単
位時間あたりの流量と、前記冷却側キャビティ内の前記
インペラの回転により前記冷却側キャビティの熱媒体導
入口から熱媒体吐出口へ送出される熱媒体の単位時間あ
たりの流量とが異なるように構成したので、効率が最も
良くなるように加熱側と冷却側の各熱媒体の流量を適正
値することができ、冷却装置においては冷却効率の向上
を図ることができる。
【0167】また、各キャビティの熱媒体導入口を当該
キャビティ内のインペラの回転軸心に沿って開口形成
し、インペラの中心部に、軸方向に貫通する熱媒体流通
路を形成したので、効率よく熱媒体をキャビティ内に導
入するとともに、導入した熱媒体を直接的に熱電モジュ
ールの放熱面又は吸熱面に接触させることで、熱交換効
率の一層の向上を図ることができる。
【0168】また、各キャビティ内のインペラの回転軸
心と直交する平面に対する当該キャビティの熱媒体吐出
口の開口方向の角度を5°以下に設定することで、熱媒
体の流量の大幅な低減を防止することができる。
【0169】また、各キャビティの熱媒体吐出口を、マ
ニホールド本体に設けられたL字状に屈曲する吐出管の
先端開口によって形成し、吐出管の基端部から屈曲部ま
での距離の吐出管内径に対する比を、1.5以上に設定
することによっても、熱媒体の流量の大幅な低減を防止
することができる。
【0170】また、各キャビティの内周面の接線方向に
対する当該キャビティの熱媒体吐出口の開口方向の角度
を10°以下に設定することによっても、熱媒体の流量
の大幅な低減を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールドの正面図
【図2】図1の右側面図
【図3】図1の左側面図
【図4】図1の熱電モジュールを内蔵するマニホールド
の正面断面図
【図5】図4の支軸周辺部の拡大図及びその変形例の拡
大図
【図6】図4の熱電モジュール端部の拡大図
【図7】図1のマニホールドの分解斜視図
【図8】(a)は、図1のマニホールドの加熱側の詳細
分解斜視図、(b)はさらに加熱側攪拌部材の分解斜視
図、(c)は加熱側マニホールドの小径ボス部の断面
図、(d)は加熱側攪拌部材のボス部の断面図
【図9】図1のマニホールドの固定子周辺の詳細分解斜
視図
【図10】図1のマニホールドの加熱側マニホールドの
正面図及び断面図
【図11】図1のマニホールドに内蔵されている攪拌部
材の正面図
【図12】図11の攪拌部材の断面図
【図13】熱電モジュールの正面図
【図14】熱電モジールの断面図
【図15】固定リングの正面断面図及び左右の側面図
【図16】固定リングの締結手順を示す説明図
【図17】図1のマニホールドを活用した冷凍機の構成
【図18】図14に使用する空気抜きチャンバーの断面
【図19】空気抜きチャンバーの変形例の断面図
【図20】(a)は本発明の第2実施例の熱電モジュー
ルを内蔵するマニホールドの正面断面図、(b)は
(a)の一部詳細断面図
【図21】本発明の第3実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドの正面断面図
【図22】本発明の第4実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドの正面断面図
【図23】本発明の第5実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドの側面図
【図24】本発明の第6実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドの正面断面図
【図25】図24のマニホールドの左側面図
【図26】図24のマニホールドの右側面図
【図27】キャビティの内周面の接線方向に対するキャ
ビティの熱媒体吐出口の開口方向の角度と、熱媒体の流
量との関係を示すグラフ
【図28】キャビティ内のインペラの回転軸心と直交す
る平面に対するキャビティの熱媒体吐出口の開口方向の
角度と、熱媒体の流量との関係を示すグラフ
【図29】L字状の吐出管の基端部から屈曲部までの距
離の吐出管内径に対する比と、熱媒体の流量との関係を
示すグラフ
【符号の説明】
1,1’ 熱電モジュールを内蔵するマニホールド 2 加熱側マニホールド 3 冷却側マニホールド 5 加熱側インペラ(ポンプ構成部材) 6 冷却側インペラ(ポンプ構成部材) 7 熱電モジュール 7a 放熱面 7b 吸熱面 8 固定子(回転駆動手段) 10d 加熱側キャビティ(第四空洞部) 13,21 熱媒体導入口 14,24 熱媒体吐出口 14a,24a 熱媒体吐出管 15d,25d 動力伝達部材(磁石) 16 回転子(回転駆動手段) 17 マニホールド本体 20d 冷却側キャビティ 70 L字状熱媒体吐出管 71 熱媒体吐出口 72,73 L字状熱媒体吐出管 74,75 熱媒体吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木戸 長生 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 森下 賢一 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 藤本 真嗣 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に加熱側キャビティと冷却側キャビ
    ティとを有するマニホールド本体と、加熱側キャビティ
    及び冷却側キャビティの内部にそれぞれ設けられたイン
    ペラと、前記インペラの一方を回転させる駆動手段と、
    前記一方のインペラの回転力を他方のインペラに伝達す
    る動力伝達部材と、電流を流すと前記加熱側キャビティ
    に面する放熱面を加熱し前記冷却側キャビティに面する
    吸熱面を冷却する熱電モジュールとを備え、前記マニホ
    ールド本体には、前記加熱側キャビティに連通する熱媒
    体導入口及び熱媒体吐出口と、前記冷却側キャビティに
    連通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出口とが設けられて
    いるとともに、前記加熱側キャビティ内の前記インペラ
    の回転により前記加熱側キャビティの熱媒体導入口から
    熱媒体吐出口へ送出される熱媒体の単位時間あたりの流
    量と、前記冷却側キャビティ内の前記インペラの回転に
    より前記冷却側キャビティの熱媒体導入口から熱媒体吐
    出口へ送出される熱媒体の単位時間あたりの流量とが異
    なるように構成されている熱電モジュールを内蔵するマ
    ニホールド。
  2. 【請求項2】 加熱側キャビティ内のインペラの回転に
    より前記加熱側キャビティの熱媒体導入口から熱媒体吐
    出口へ送出される熱媒体の単位時間あたりの流量より
    も、冷却側キャビティ内のインペラの回転により前記冷
    却側キャビティの熱媒体導入口から熱媒体吐出口へ送出
    される熱媒体の単位時間あたりの流量の方が小さくなる
    ように構成されている請求項1に記載の熱電モジュール
    を内蔵するマニホールド。
  3. 【請求項3】 加熱側キャビティ及び冷却側キャビティ
    の内周面はほぼ円形状に形成されており、前記加熱側キ
    ャビティの内周面の接線方向に対する前記加熱側キャビ
    ティの熱媒体吐出口の開口方向の角度と、前記冷却側キ
    ャビティの内周面の接線方向に対する前記冷却側キャビ
    ティの熱媒体吐出口の開口方向の角度とを異ならせるこ
    とにより、加熱側キャビティにおける単位時間あたりの
    熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける単位時間あた
    りの熱媒体送出量とに差が設けられている請求項1に記
    載の熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  4. 【請求項4】 加熱側キャビティ及び冷却側キャビティ
    の内周面はほぼ円形状に形成されており、前記加熱側キ
    ャビティの内周面の接線方向に対する前記加熱側キャビ
    ティの熱媒体吐出口の開口方向の角度よりも、前記冷却
    側キャビティの内周面の接線方向に対する前記冷却側キ
    ャビティの熱媒体吐出口の開口方向の角度を大きくする
    ことにより、加熱側キャビティにおける単位時間あたり
    の熱媒体送出量よりも冷却側キャビティにおける単位時
    間あたりの熱媒体送出量の方が小さくなされている請求
    項2に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  5. 【請求項5】 加熱側キャビティの内周面の接線方向に
    対する前記加熱側キャビティの熱媒体吐出口の開口方向
    の角度、及び/又は、冷却側キャビティの内周面の接線
    方向に対する前記冷却側キャビティの熱媒体吐出口の開
    口方向の角度が、10°以下に設定されている請求項3
    又は4に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホール
    ド。
  6. 【請求項6】 加熱側キャビティ内のインペラの大きさ
    と、冷却側キャビティ内のインペラの大きさとを異なら
    せることにより、加熱側キャビティにおける単位時間あ
    たりの熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける単位時
    間あたりの熱媒体送出量とに差が設けられている請求項
    1に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  7. 【請求項7】 加熱側キャビティ内のインペラの径と冷
    却側キャビティ内のインペラの径とが異なっている請求
    項6に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  8. 【請求項8】 加熱側キャビティ内のインペラの軸長と
    冷却側キャビティ内のインペラの軸長とが異なっている
    請求項6又は7に記載の熱電モジュールを内蔵するマニ
    ホールド。
  9. 【請求項9】 加熱側キャビティ内のインペラの大きさ
    よりも、冷却側キャビティ内のインペラの大きさを小さ
    くすることにより、加熱側キャビティにおける単位時間
    あたりの熱媒体送出量よりも冷却側キャビティにおける
    単位時間あたりの熱媒体送出量の方が小さくなされてい
    る請求項2に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホー
    ルド。
  10. 【請求項10】 加熱側キャビティ内のインペラの径よ
    りも、冷却側キャビティ内のインペラの径が小さくなさ
    れている請求項9に記載の熱電モジュールを内蔵するマ
    ニホールド。
  11. 【請求項11】 加熱側キャビティ内のインペラの軸長
    よりも、冷却側キャビティ内のインペラの軸長が小さく
    なされている請求項9又は10に記載の熱電モジュール
    を内蔵するマニホールド。
  12. 【請求項12】 加熱側キャビティの熱媒体吐出口の断
    面積と、冷却側キャビティの熱媒体吐出口の断面積とを
    異ならせることにより、加熱側キャビティにおける単位
    時間あたりの熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける
    単位時間あたりの熱媒体送出量とに差が設けられている
    請求項1に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホール
    ド。
  13. 【請求項13】 加熱側キャビティの熱媒体吐出口の断
    面積よりも、冷却側キャビティの熱媒体吐出口の断面積
    を小さくすることにより、加熱側キャビティにおける単
    位時間あたりの熱媒体送出量よりも冷却側キャビティに
    おける単位時間あたりの熱媒体送出量の方が小さくなさ
    れている請求項2に記載の熱電モジュールを内蔵するマ
    ニホールド。
  14. 【請求項14】 加熱側キャビティの熱媒体導入口の断
    面積と、冷却側キャビティの熱媒体導入口の断面積とを
    異ならせることにより、加熱側キャビティにおける単位
    時間あたりの熱媒体送出量と冷却側キャビティにおける
    単位時間あたりの熱媒体送出量とに差が設けられている
    請求項1に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホール
    ド。
  15. 【請求項15】 加熱側キャビティの熱媒体導入口の断
    面積よりも、冷却側キャビティの熱媒体導入口の断面積
    を小さくすることにより、加熱側キャビティにおける単
    位時間あたりの熱媒体送出量よりも冷却側キャビティに
    おける単位時間あたりの熱媒体送出量の方が小さくなさ
    れている請求項2に記載の熱電モジュールを内蔵するマ
    ニホールド。
  16. 【請求項16】 放熱面と吸熱面とは平行に配置され、
    各インペラの回転軸心が前記放熱面及び前記吸熱面に対
    して垂直に向けられている請求項1から請求項15のい
    ずれかに記載の熱電モジュールを内蔵するマニホール
    ド。
  17. 【請求項17】 加熱側キャビティの熱媒体導入口が前
    記加熱側キャビティ内のインペラの回転軸心に沿って開
    口形成されており、前記インペラの中心部に、軸方向に
    貫通する熱媒体流通路が形成されている請求項1から請
    求項16のいずれかに記載の熱電モジュールを内蔵する
    マニホールド。
  18. 【請求項18】 冷却側キャビティの熱媒体導入口が前
    記冷却側キャビティ内のインペラの回転軸心に沿って開
    口形成されており、前記インペラの中心部に、軸方向に
    貫通する熱媒体流通路が形成されている請求項1から請
    求項17のいずれかに記載の熱電モジュールを内蔵する
    マニホールド。
  19. 【請求項19】 加熱側キャビティ内のインペラの回転
    軸心と直交する平面に対する前記加熱側キャビティの熱
    媒体吐出口の開口方向の角度、及び/又は、冷却側キャ
    ビティ内のインペラの回転軸心と直交する平面に対する
    前記冷却側キャビティの熱媒体吐出口の開口方向の角度
    が、5°以下に設定されている請求項1から請求項18
    のいずれかに記載の熱電モジュールを内蔵するマニホー
    ルド。
  20. 【請求項20】 加熱側キャビティの熱媒体吐出口及び
    /又は冷却側キャビティの熱媒体吐出口は、マニホール
    ド本体に設けられたL字状に屈曲する吐出管の先端開口
    によって形成されており、前記吐出管の基端部から屈曲
    部までの距離の前記吐出管内径に対する比が、1.5以
    上に設定されている請求項1から請求項19のいずれか
    に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールド
  21. 【請求項21】 内部に加熱側キャビティと冷却側キャ
    ビティとを有するマニホールド本体を備え、前記マニホ
    ールド本体には、加熱側キャビティに連通する熱媒体導
    入口及び熱媒体吐出口が設けられているとともに、冷却
    側キャビティに連通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出口
    が設けられており、前記マニホールド本体内に、電流を
    流すと前記加熱側キャビティに面する放熱面を加熱し前
    記冷却側キャビティに面する吸熱面を冷却する熱電モジ
    ュールを内蔵しているとともに、前記冷却側の熱媒体導
    入口から熱媒体吐出口に至る流路の流路抵抗と、前記加
    熱側の熱媒体導入口から熱媒体吐出口に至る流路の流路
    抵抗とが異なっている熱電モジュールを内蔵するマニホ
    ールド。
  22. 【請求項22】 加熱側の熱媒体導入口から熱媒体吐出
    口に至る流路の流路抵抗よりも、冷却側の熱媒体導入口
    から熱媒体吐出口に至る流路の流路抵抗が大きくなされ
    ている請求項21に記載の熱電モジュールを内蔵するマ
    ニホールド。
  23. 【請求項23】 加熱側キャビティ及び冷却側キャビテ
    ィの内周面は円形状に形成されており、加熱側キャビテ
    ィ内周面の接線方向に対する前記加熱側キャビティの熱
    媒体吐出口の開口方向の角度と、前記冷却側キャビティ
    内周面の接線方向に対する熱媒体吐出口の開口方向の角
    度とを異ならせることにより、冷却側の流路抵抗と加熱
    側の流路抵抗とに差が設けられている請求項21に記載
    の熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  24. 【請求項24】 加熱側キャビティ及び冷却側キャビテ
    ィの内周面は円形状に形成されており、加熱側キャビテ
    ィ内周面の接線方向に対する前記加熱側キャビティの熱
    媒体吐出口の開口方向の角度よりも、前記冷却側キャビ
    ティ内周面の接線方向に対する熱媒体吐出口の開口方向
    の角度を大きくすることにより、加熱側の流路抵抗より
    も冷却側の流路抵抗が大きくなされている請求項22に
    記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  25. 【請求項25】 加熱側キャビティの熱媒体吐出口の断
    面積と、冷却側キャビティの熱媒体吐出口の断面積とを
    異ならせることにより、冷却側の流路抵抗と加熱側の流
    路抵抗とに差が設けられている請求項21に記載の熱電
    モジュールを内蔵するマニホールド。
  26. 【請求項26】 加熱側キャビティの熱媒体吐出口の断
    面積よりも、冷却側キャビティの熱媒体吐出口の断面積
    を小さくすることにより、加熱側の流路抵抗よりも冷却
    側の流路抵抗が大きくなされている請求項22に記載の
    熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  27. 【請求項27】 加熱側キャビティの熱媒体導入口の断
    面積と、冷却側キャビティの熱媒体導入口の断面積とを
    異ならせることにより、冷却側の流路抵抗と加熱側の流
    路抵抗とに差が設けられている請求項21に記載の熱電
    モジュールを内蔵するマニホールド。
  28. 【請求項28】 加熱側キャビティの熱媒体導入口の断
    面積よりも、冷却側キャビティの熱媒体導入口の断面積
    を小さくすることにより、加熱側の流路抵抗よりも冷却
    側の流路抵抗が大きくなされている請求項22に記載の
    熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  29. 【請求項29】 内部に加熱側キャビティと冷却側キャ
    ビティとを有するマニホールド本体を備え、前記マニホ
    ールド本体には、加熱側キャビティに連通する熱媒体導
    入口及び熱媒体吐出口が設けられているとともに、冷却
    側キャビティに連通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出口
    が設けられており、前記マニホールド本体内に、電流を
    流すと前記加熱側キャビティに面する放熱面を加熱し前
    記冷却側キャビティに面する吸熱面を冷却する熱電モジ
    ュールを内蔵しているとともに、前記加熱側キャビティ
    及び前記冷却側キャビティ内に熱媒体送出能力の異なる
    ポンプ構成部材がそれぞれ配設されている熱電モジュー
    ルを内蔵するマニホールド。
  30. 【請求項30】 加熱側キャビティ内のポンプ構成部材
    の熱媒体送出能力よりも、冷却側キャビティ内のポンプ
    構成部材の熱媒体送出能力の方が小さくなされている請
    求項29に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホール
    ド。
  31. 【請求項31】 ポンプ構成部材はインペラからなり、
    加熱側キャビティ内のインペラの大きさよりも、冷却側
    キャビティ内のインペラの大きさの方が小さくなされて
    いる請求項30に記載の熱電モジュールを内蔵するマニ
    ホールド。
  32. 【請求項32】 内部に加熱側キャビティと冷却側キャ
    ビティとを有するマニホールド本体と、加熱側キャビテ
    ィ及び冷却側キャビティの内部にそれぞれ設けられたイ
    ンペラと、前記インペラを回転させる駆動手段とを備
    え、前記マニホールド本体には、加熱側キャビティに連
    通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出口が設けられている
    とともに、冷却側キャビティに連通する熱媒体導入口及
    び熱媒体吐出口が設けられており、前記加熱側キャビテ
    ィ及び冷却側キャビティの内周面はほぼ円形状に形成さ
    れており、前記マニホールド本体内に、電流を流すと前
    記加熱側キャビティに面する放熱面を加熱し前記冷却側
    キャビティに面する吸熱面を冷却する熱電モジュールを
    内蔵しているとともに、加熱側キャビティの内周面の接
    線方向に対する前記加熱側キャビティの熱媒体吐出口の
    開口方向の角度、及び/又は、冷却側キャビティの内周
    面の接線方向に対する前記冷却側キャビティの熱媒体吐
    出口の開口方向の角度が、10°以下に設定されている
    熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  33. 【請求項33】 内部に加熱側キャビティと冷却側キャ
    ビティとを有するマニホールド本体と、加熱側キャビテ
    ィ及び冷却側キャビティの内部にそれぞれ設けられたイ
    ンペラと、前記インペラを回転させる駆動手段と、電流
    を流すと前記加熱側キャビティに面する放熱面を加熱し
    前記冷却側キャビティに面する吸熱面を冷却する熱電モ
    ジュールとを備え、前記マニホールド本体には、前記加
    熱側キャビティに連通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出
    口と、前記冷却側キャビティに連通する熱媒体導入口及
    び熱媒体吐出口とが設けられ、前記インペラの回転によ
    り各キャビティの熱媒体導入口から熱媒体吐出口へと熱
    媒体が送出されるように構成されているとともに、加熱
    側キャビティ内のインペラの回転軸心と直交する平面に
    対する前記加熱側キャビティの熱媒体吐出口の開口方向
    の角度、及び/又は、冷却側キャビティ内のインペラの
    回転軸心と直交する平面に対する前記冷却側キャビティ
    の熱媒体吐出口の開口方向の角度が、5°以下に設定さ
    れている熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  34. 【請求項34】 内部に加熱側キャビティと冷却側キャ
    ビティとを有するマニホールド本体と、加熱側キャビテ
    ィ及び冷却側キャビティの内部にそれぞれ設けられたイ
    ンペラと、前記インペラを回転させる駆動手段と、電流
    を流すと前記加熱側キャビティに面する放熱面を加熱し
    前記冷却側キャビティに面する吸熱面を冷却する熱電モ
    ジュールとを備え、前記マニホールド本体には、前記加
    熱側キャビティに連通する熱媒体導入口及び熱媒体吐出
    口と、前記冷却側キャビティに連通する熱媒体導入口及
    び熱媒体吐出口とが設けられ、前記インペラの回転によ
    り各キャビティの熱媒体導入口から熱媒体吐出口へと熱
    媒体が送出されるように構成されており、前記加熱側キ
    ャビティの熱媒体吐出口及び/又は前記冷却側キャビテ
    ィの熱媒体吐出口は、前記マニホールド本体に設けられ
    たL字状に屈曲する吐出管の先端開口によって形成され
    ており、前記吐出管の基端部から屈曲部までの距離の前
    記吐出管内径に対する比が、1.5以上に設定されてい
    る熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
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