JP2000274870A - 熱電モジュールを内蔵するマニホールド - Google Patents

熱電モジュールを内蔵するマニホールド

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JP2000274870A
JP2000274870A JP11076960A JP7696099A JP2000274870A JP 2000274870 A JP2000274870 A JP 2000274870A JP 11076960 A JP11076960 A JP 11076960A JP 7696099 A JP7696099 A JP 7696099A JP 2000274870 A JP2000274870 A JP 2000274870A
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manifold
thermoelectric module
stator
heating
cavity
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JP11076960A
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Toshio Kamitsuji
利夫 上辻
Shohei Inamori
昭平 稲森
Osao Kido
長生 木戸
Kenichi Morishita
賢一 森下
Shinji Fujimoto
真嗣 藤本
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペルチェ効果を有する熱電モジュールを内蔵
するマニホールドに関するものであり、キャビティ内に
おいて攪拌翼を回転させる合理的手段を開示する。ま
た、熱媒体と熱電モジュールの伝熱面との接触機会を増
大させて熱交換効率に優れる熱電モジュールを内蔵する
マニホールドを開発する。 【解決手段】 マニホールド本体17に熱電モジュール
7が内蔵され、さらにマニホールド本体17に固定子8
が外装されている。マニホールド本体17は、加熱側マ
ニホールド2と冷却側マニホールド3を持ち、それぞれ
加熱側攪拌部材5と冷却側攪拌部材6が配されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はペルチェ効果を有す
る熱電モジュールを内蔵するマニホールドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、フロンガスのオゾン層破壊作用が
地球的な問題となり、フロンガスを使用しない冷却装置
の開発が急がれている。そしてフロンガスを使用しない
冷却装置の一つとして、熱電モジュールを使用した冷却
装置が注目されている。
【0003】ここで熱電モジュールとは、ペルチェ(Pe
ltier)モジュール、又は熱電モジュールとして知られて
いるものであり、二つの伝熱面を有し、電流を流すこと
により一方の伝熱面が加熱され、他方の伝熱面が冷却さ
れる機能を持つ部材である。すなわち熱電モジュールで
は、一方の面が放熱面として機能し、他方が吸熱面とし
て機能する。熱電モジュールを使用した冷却装置は、例
えばWO92/13243号(特表平6−504361
号)に開示されている。WO92/13243号に開示
された発明は、熱電モジュールをマニホールドに内蔵
し、マニホールド内では熱電モジュールを挟んで二つの
キャビティが構成されている。そしてマニホールドの放
熱面に面するキャビティは、熱交換器とポンプによって
構成される閉回路に接続され、他方の吸熱面に面するキ
ャビティも同様に熱交換器とポンプによって構成される
閉回路に接続されている。この様にして、熱電モジュー
ルの放熱側の伝熱面を含む循環回路と、冷却側伝熱面を
含む循環回路を構成し、この回路に水を主体とする熱媒
体を循環させる。そして二つの循環回路の内、冷却側の
回路の熱交換器によって所望の冷却を行う。
【0004】上記したWO92/13243号に開示さ
れた発明は、熱電モジュールを使用して実用的な冷却を
行い得る技術である。しかしながらWO92/1324
3号に開示された技術は、冷却装置の基本的な構成を開
示するものに過ぎず、実際にこの発明を冷蔵庫等に適用
するには、改良すべき点や、新たに解決しなければなら
ない問題が山積みされている。すなわち熱電モジュール
を使用した冷却装置は、旧来のフロンガスを使用した冷
却装置に比べて冷却効率が低いのが現状である。
【0005】WO92/13243号に開示された技術
には、如何にして熱媒体と熱電モジュールの伝熱面の接
触を円滑化し、冷却効率を向上させるかという問題があ
る。熱電モジュールと熱媒体との間の熱交換をより円滑
に行うための改良手段として、WO95/31688号
(PCT/AU95/00271号)に開示された発明
が知られている。WO95/31688号に開示された
発明は、マニホールドのキャビティ内に攪拌翼を設け、
熱媒体と熱電モジュールの伝熱面との接触機会を増大さ
せるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】WO95/31688
号に開示された発明は、前記した様にキャビティ内にお
いて攪拌翼を回転させて熱媒体と熱電モジュールの伝熱
面との接触機会を増大させるものであり、旧来のものに
比べて高い熱伝達効率を発揮することが期待される。し
かしながら、WO95/31688号には、キャビティ
内の攪拌翼を回転させる具体的手段については開示され
ていない。すなわちWO95/31688号に開示され
た発明は、キャビティ内に攪拌翼を設けることにより、
上記の問題は幾分改善されてはいるものの、キャビティ
内の攪拌翼を回転させる具体的手段については開示され
ていない。またキャビティ内の攪拌翼を回転させるため
には、回転軸の軸シールが必要となり、熱媒体の漏れに
対する対策が必要となる。
【0007】本発明は、従来技術の上記した問題点に注
目し、キャビティ内において攪拌翼を回転させる合理的
手段を開示するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明は、吸熱面と放熱面とを有し電流を流すことに
より前記放熱面が加熱され前記吸熱面が冷却される熱電
モジュールと、前記熱電モジュールを内蔵し、前記吸熱
面及び前記放熱面の少なくとも一方との間に流体が入る
キャビティを形成すると共に外部からキャビティに至る
空洞部が設けられたマニホールド本体と、攪拌部と回転
子が一体化され前記マニホールド本体内に配されていて
少なくとも一つの前記キャビティ内の流体を撹拌する撹
拌部材と、マニホールド本体に外装された固定子とを有
し、前記マニホールド本体内に配された回転子と、前記
マニホールド本体に外装された固定子とによってモータ
が構成され、前記固定子に通電することにより前記キャ
ビティ内で攪拌部材が回転することを特徴とする熱電モ
ジュールを内蔵するマニホールドである。
【0009】これにより、マニホールド本体のキャビテ
ィ内で、攪拌部材を回転させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、吸熱面と放熱面とを有
し電流を流すことにより前記放熱面が加熱され前記吸熱
面が冷却される熱電モジュールと、前記熱電モジュール
を内蔵し、前記吸熱面及び前記放熱面の少なくとも一方
との間に流体が入るキャビティを形成すると共に外部か
らキャビティに至る空洞部が設けられたマニホールド本
体と、攪拌部と回転子が一体化され前記マニホールド本
体内に配されていて少なくとも一つの前記キャビティ内
の流体を撹拌する撹拌部材と、マニホールド本体に外装
された固定子とを有し、前記マニホールド本体内に配さ
れた回転子と、前記マニホールド本体に外装された固定
子とによってモータが構成され、前記固定子に通電する
ことにより前記キャビティ内で攪拌部材が回転すること
を特徴とする熱電モジュールを内蔵するマニホールドで
ある。
【0011】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、回転子はマニホールド本体の中にあり、攪
拌部材と一体化されている。そして本発明の熱電モジュ
ールを内蔵するマニホールドでは、固定子がマニホール
ド本体に外装されており、前記した回転子と固定子によ
って一つのモータが構成されている。そのため本発明の
熱電モジュールを内蔵するマニホールドでは、外部の固
定子に通電することにより前記キャビティ内で攪拌部材
が回転する。本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、回転子がマニホールドの中に設けられてい
るので、軸シールが不要である。そのため本発明の構成
によると、流体の漏れが少ない。
【0012】固定子の装着位置は、回転子配置部位の外
周側(請求項2)または回転子配置部位の端面側(請求
項3)が適切である。請求項2に記載した構成の様に、
回転子配置部位の外周側に固定子を設ける場合は、磁束
の漏れが少なく、効率が高い。一方、請求項3の構成の
様に回転子配置部位の端面側(請求項3)に固定子を設
ける場合は、全体の外形を小さくしたい場合の構成とし
て推奨される。
【0013】攪拌部材における攪拌部と回転子との位置
関係は、攪拌部と回転子を軸方向に離間して配置(請求
項4)してもよく、また攪拌部と回転子を、同心状(請
求項5)に配してもよい。すなわち請求項4に記載の発
明は、攪拌部材を構成する攪拌部と回転子は、中心軸が
同一であり、かつ両者は軸方向に離間した位置に設けら
れていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールドである。
また請求項5に記載の発明は、攪拌部材を構成する攪拌
部と回転子は、同心状に設けられていることを特徴とす
る請求項1乃至3のいずれかに記載の熱電モジュールを
内蔵するマニホールドである。攪拌部材における攪拌部
と回転子との位置関係と、前記した固定子の装着位置と
の組合せは任意である。
【0014】また請求項6に記載の発明は、マニホール
ド本体は、熱電モジュールの吸熱面側と放熱面側の双方
との間にキャビティを有し、双方のキャビティ内に攪拌
部材が設けられ、二つの攪拌部材の少なくとも一方には
磁石が設けられ、一方の攪拌部材の回転力が磁力によっ
て他方の攪拌部材に伝達されることを特徴とする請求項
1乃至5のいずれかに記載の熱電モジュールを内蔵する
マニホールドである。
【0015】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、ただ一つの原動機によって加熱側と冷却側
双方の攪拌部材を攪拌することができ、部品点数が少な
く、外形形状が小型となる。さらに本発明では、攪拌部
材間の動力伝達に磁気を利用する。本態様の構成による
と、非接触で攪拌部材間の動力伝達を行うことができる
ので、キャビティ同士の独立性を確保することができ
る。そのため加熱側と冷却側の熱媒体が混ざることがな
い。
【0016】そして請求項7に記載の発明は、攪拌部材
に設けられた磁石が回転子を兼ねることを特徴とする請
求項6に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールド
である。
【0017】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、攪拌部材に設けられた磁石が固定子として
機能する他、隣接するキャビティの攪拌部材に回転力を
伝える働きをする。
【0018】また請求項8に記載の発明は、マニホール
ド本体は、熱電モジュールの伝熱面の一方だけを覆い、
熱電モジュールの他方の伝熱面は、熱伝導板に当接され
ていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
載の熱電モジュールを内蔵するマニホールドである。
【0019】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、熱伝導板によって直接的に冷却対象物や空
気等を冷却することができる。
【0020】さらに請求項9に記載の発明は、固定子は
中央に開口を有し、固定子は前記開口をマニホールドの
外周に挿入することにより所定の位置に装着されている
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の熱
電モジュールを内蔵するマニホールドである。
【0021】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドは、固定子の開口をマニホールドの外周に挿入す
ることにより所定の位置に装着するものであり、組み立
てが簡単である。
【0022】また請求項10に記載の発明は、マニホー
ルドの外周部にはネジが形成され、前記ネジにナット部
材が係合し、前記ナット部材によって固定子が位置決め
されていることを特徴とする請求項9に記載の熱電モジ
ュールを内蔵するマニホールドである。
【0023】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドは、ナット部材によって固定子を固定するので、
組み立てが簡単である。
【0024】さらに請求項11に記載の発明は、マニホ
ールドの外周部であって固定子の装着位置の近傍に係合
突起が設けられ、前記突起が設けられた部位の投影形状
よりも大きな開口と、係合片が設けられた固定部材を有
し、前記固定部材は所定の姿勢の時に係合突起の部位を
通過することが可能であり、他の所定の姿勢の時には前
記係合突起と係合片が係合し、前記固定子と係合突起の
間に固定部材が装着されることによって固定子が位置決
めされていることを特徴とする請求項9に記載の熱電モ
ジュールを内蔵するマニホールドである。
【0025】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドは、固定部材の姿勢を変更することにより、マニ
ホールドに対して係合状態と非係合状態の変更が可能で
ある。そのため本発明の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールドは、組み立てが簡単である。
【0026】
【実施例】以下さらに本発明の望ましい実施例につい
て、図面を参照しながら説明する。 (実施例1)図1は、本発明の第1実施例の熱電モジュ
ールを内蔵するマニホールドの正面図である。図2は、
図1の右側面図である。図3は、図1の左側面図であ
る。図4は、図1の熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルドの正面断面図である。図5は、図4の支軸周辺部の
拡大図及びその変形例の拡大図である。図6は、図4の
熱電モジュール端部の拡大図である。図7は、図1のマ
ニホールドの分解斜視図である。図8(a)は、図1の
マニホールドの加熱側の詳細分解斜視図であり、(b)
はさらに加熱側攪拌部材の分解斜視図であり、(c)は
加熱側マニホールドの小径ボス部の断面図であり、
(d)は加熱側攪拌部材のボス部の断面図である。図9
は、図1のマニホールドの固定子周辺の詳細分解斜視図
である。図10は、図1のマニホールドの加熱側マニホ
ールドの正面図及び断面図である。図11は、図1のマ
ニホールドに内蔵されている攪拌部材の正面図である。
図12は、図11の攪拌部材の断面図である。図13
は、(a)は、図1のマニホールドに内蔵されている固
定子の正面断面図であり、(b)は左側面図である。図
14は、熱電モジュールの正面図である。図15は、熱
電モジールの断面図である。図16は、固定リングの正
面断面図及び左右の側面図である。図17は、固定リン
グの締結手順を示す説明図である。図18は、図1のマ
ニホールドを活用した冷凍機の構成図である。図19
は、空気抜きチャンバーの断面図である。図20は、空
気抜きチャンバーの変形例の断面図である。
【0027】図1〜図4において、1は、本発明の第1
実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールドを示
す。熱電モジュールを内蔵するマニホールド1は、マニ
ホールド本体17に熱電モジュール7が内蔵され、さら
にマニホールド本体17に固定子8が外装されたもので
ある。固定子8の取付けには固定リング(固定部材)9
が活用されている。またマニホールド本体17は、加熱
側マニホールド2と冷却側マニホールド3を持ち、それ
ぞれ加熱側攪拌部材5と冷却側攪拌部材6が配されてい
る。そして本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホ
ールドでは、加熱側攪拌部材5に回転子16が一体的に
固定され、マニホールド本体17に外装された固定子8
とマニホールド本体17内に配された回転子16によっ
てモータが形成されている。以下詳細に説明する。
【0028】加熱側マニホールド2は、ポリプロピレン
樹脂やポリエチレン樹脂を素材とする射出成形によって
作られたものである。加熱側マニホールド2の外観形状
は、図10の様に円板状のフランジ部2aと、これに続
くボス部2b,2cを持ち、さらに管部2d,2eが連
続している。すなわち加熱側マニホールド2は、フラン
ジ部2aを持ち、これに繋がる大径ボス部2bが設けら
れている。また大径ボス部2bは、これよりも小径の小
径ボス部2cに繋がっている。そして小径ボス部2cの
端部は、さらに細くなっていて大径管部2dが構成さ
れ、大径管部2dの端部はより細く作られていて小径管
部2eを構成している。前記した大径ボス部2b、小径
ボス部2c、大径管部2d及び小径管部2eはいずれも
同心状に配されているが、フランジ部2aについては、
図2で明らかなようにやや偏心している。このようにフ
ランジ部2aだけを偏心させた理由は、熱電モジュール
7に給電する端子2g(図2)を設けるためのスペース
を確保するためである。
【0029】本実施例で採用する加熱側マニホールド2
では、大径管部2dの外周部に3個の係合突起2fが設
けられている。3個の係合突起2fは、同一円周状であ
って且つ互いに等間隔となる位置に配されている。
【0030】加熱側マニホールド2の内部は空洞10に
なっており、加熱側マニホールド2は、当該空洞10に
よって小径管部2e側からフランジ2a側にかけて貫通
している。また加熱側マニホールド2の内部の空洞10
の断面形状は、いずれの部位も円形である。空洞10の
外径は、それぞれボス部2b,2c及び管部2d,2e
の外径に相応した大きさであり、小径管部2e側からフ
ランジ部2a側にかけて順次大きくなっている。すなわ
ち加熱側マニホールド2の内部の空洞10は、4段階に
区分され小径管部2e側から順次、第一空洞部10a,
第二空洞部10b、第一キャビティ(回転子配置部位)
10c、第二キャビティ10dがあり、第二キャビティ
10dはフランジ部2a側に開口している。本実施例で
は、小径管部2e側の開口13は、熱媒体導入口として
機能する。
【0031】第二キャビティ10dの開口端部は、更に
二段階に縁取りされている。第二キャビティ10dの開
口の第一段10eには、環状の溝2hが設けられてい
る。当該溝2hには、オーリング31が挿入される。第
二キャビティ10d開口の第二段10fは、熱電モジュ
ール7の外周径と略一致する内径を持つ。また加熱側マ
ニホールド2では、フランジ部2aのフランジ面にも環
状の溝2iが設けられている。当該溝2iには、オーリ
ング30が挿入される。
【0032】そして加熱側マニホールド2の内部には軸
固定部11が設けられている。軸固定部11は、図4,
図5,図8,図10(a)の様に円柱状の軸支持部11
aを持つ。そして当該軸支持部11aは、リブ11bに
よって空洞部10内に同心状に支持されている。より詳
細に説明すると、大径管部2dの内部、すなわち第二空
洞部10bに3本のリブ11bが放射状に設けられてい
る。そして各リブ11bの端部は、いずれも軸支持部1
1aの側面と一体的に結合しており、軸支持部11aを
空洞部10の中心に支持している。軸支持部11aの軸
方向の位置は、第二空洞部10bと第一キャビティ10
cに跨がった部位である。
【0033】軸固定部11の軸支持部11aには、ステ
ンレス等で作られた支軸12が一体的に固定されてい
る。従って支軸12は、空洞部10と同心状に固定支持
されている。
【0034】また大径ボス部2bには、内部(第二キャ
ビティ10d)から外に向かって連通するパイプ状の熱
媒体排出口14が設けられている。熱媒体排出口14の
パイプ状部位14aは、図1,図2の様に第二キャビテ
ィ10dと同一平面上にあり、かつパイプ状部位14a
は、第二キャビティ10dに対して接線方向に延びてい
る。
【0035】加熱側攪拌部材5は、攪拌翼15と、モー
タの回転子16が一体化したものである。すなわち加熱
側攪拌部材5の攪拌翼15は、樹脂の射出成形によって
作られたものであり、ボス部15aと円板部15bを持
ち、円板部15bの一方の面に4個の羽根部材15cが
設けられてなるものである。本実施例では、4個の羽根
部材15cが攪拌部として機能する。そして攪拌部を構
成する各羽根は、正面(図11)から見て中心部分が細
く、周方向に向かうに従って幅広に作られており、さら
にやや捩じれた形状をしている。4個の羽根部材(攪拌
部)15cの外径dは、前記した加熱側マニホールド2
の第二キャビティ10dの外径Dを100とすると、9
4以下である。すなわち加熱側攪拌部材5を加熱側マニ
ホールド2に装着した時、羽根部材(攪拌部)15cと
第二キャビティ10dの内周面との間に、第二キャビテ
ィ10dの内周径の3%以上のクリアランスができる。
なお、加熱側攪拌部材5の羽根の形状は、本実施例に限
定されるものではなく、風車状の羽根やプロペラ状、あ
るいは円板に板体が垂直に立設されたものであってもよ
い。
【0036】そして本実施例に特有の構成として、各羽
根部材(攪拌部)15cの内部に立方体形状の永久磁石
15dが取り付けられている。
【0037】一方、ボス部15aは、円板部15eの3
分の1から、4分の1程度の外径を持つ筒状体である。
そしてボス部15aの中心には、図12の様に管状の軸
受け部材15fが設けられている。すなわち軸受け部材
15fは、ボス部15aの内側に設けられた3本のリブ
15gにより、ボス部15aの中心軸に一致する部位に
保持されている。本実施例において、リブ15gは、板
状であり、図12の様にその面が軸線に対して傾斜して
いる。本実施例においてリブ15gは、軸受け部材15
fを支持する機能の他、羽根部材としても機能する。後
記する様に熱媒体は、ボス部15aの中を通過するが、
本実施例では、リブ15gが軸線に対して傾斜している
ので、熱媒体が巻き込まれる。
【0038】モータの回転子16は、具体的には円柱状
の永久磁石である。また回転子16には、フランジ部1
6bが設けられている。回転子16の磁石部分の外径
は、攪拌翼15の約2分の1である。また回転子16の
中央には、前記したボス部15aの外径と一致する孔1
6aが設けられている。そして回転子16は、中央の孔
16aが攪拌翼15のボス部15aに挿入され、さらに
フランジ部16bが円板部15bにネジ止めされてい
る。すなわち回転子16は、ネジによって攪拌翼15と
一体的に結合されている。上記した様に、本実施例で採
用する加熱側攪拌部材5では、回転子16は攪拌部たる
羽根部材15cとは軸方向にずれた位置に設けられてい
る。すなわち本実施例では、攪拌部材5を構成する攪拌
部(4個の羽根部材15c)と回転子16は、中心軸が
同一であり、かつ両者は軸方向に離間した位置に設けら
れている。
【0039】次に加熱側マニホールド2と加熱側攪拌部
材5との関係について説明する。加熱側攪拌部材5は、
加熱側マニホールド2の第一キャビティ10cと第二キ
ャビティ10dに配される。より具体的には、加熱側攪
拌部材5の円板部15bと羽根部材(攪拌部)15cが
第二キャビティ10dに位置し、回転子16が第一キャ
ビティ10cに配される。また前記した様に、羽根部材
(攪拌部)15cと第二キャビティ10dの内周面との
間には、第二キャビティ10dの内周径の3%以上のク
リアランスができる。本実施例では、前記した様に第一
キャビティ10cに回転子16が配される。従って本実
施例では、第一キャビティ10cが回転子配置部位とし
て機能する。そして図5(a)の様に、加熱側攪拌部材
5の軸受け部材15fに、ブッシュ29が介在された上
で、加熱側マニホールド2の支軸12が挿通されてい
る。本実施例で採用するブッシュ29は、つば29aと
本体部29bを持つものであり、本体部29bは軸受け
部材15fと略等しい長さを持つ。
【0040】支軸12は、前記した様に加熱側攪拌部材
5の軸受け部材15fに挿通される。そしてその状態
で、支軸12の先端に係止部28が取り付けられてい
る。係止部28は、支軸12に対してかしめられてお
り、支軸12から脱落することはない。したがって、加
熱側攪拌部材5の、軸受け部材15fの前方端面は、ブ
ッシュ29のつば29aを介して係止部28と当接し、
加熱側攪拌部材5の熱電モジュール7に近接する方向の
力は、係止部28によって支持される。また軸受け部材
15fの後方端面は、軸支持部11aの前端と当接す
る。従って加熱側攪拌部材5の軸受け部材15fは、軸
支持部11aと係止部28によって挟まれている。その
ため本実施例では、加熱側攪拌部材5は、回転可能であ
るが、軸方向には一体的に加熱側マニホールド2に固定
されている。そして加熱側攪拌部材5が加熱側マニホー
ルド2に装着された状態において、係止部28は、加熱
側マニホールド2のフランジ部2aのフランジ面よりも
僅かに内側に位置する。より具体的には、係止部28の
先端は、加熱側マニホールド2の開口部の第一段10e
よりも、熱媒体導入口13側に位置にある。
【0041】なお本実施例では、図5(a)に示した様
に、ブッシュ29の本体部29bは、軸受け部材15f
と略等しい長さを持ち、ブッシュ29は軸受け部材15
fの全長に渡って挿入されている。しかしこれに代わっ
て、図5(b)に示す様にブッシュ29の本体部29b
の長さを軸受け部材15fよりも短く設計し、さらに軸
受け部材15fの後端にテーパ部15hを設けて穴の端
部を拡径する構成も推奨される。この構成は、熱媒体を
潤滑剤として活用することを意図したものである。すな
わち後記する様に、加熱側攪拌部材5の中心部は、熱媒
体流路の一部として機能し、使用時においては軸受け部
材15fは熱媒体の流れの中にさらされる。そこで図5
(b)に示す様に、軸受け部材15fの後端にテーパ部
15hを設けると、熱媒体がテーパ部15hによって集
められ、軸受け部材15fの中に導入される。その結
果、熱媒体が潤滑剤として機能し、加熱側攪拌部材5が
回転する際の摩擦抵抗が低下する。
【0042】図5(b)に示した構成は、軸受け部材1
5fの後端にテーパ部15hを設けて穴の端部を拡径し
たが、端部をテーパ状にすることなく、単に拡径した穴
を設けるだけであっても、ある程度の効果が期待でき
る。テーパ状にすることなく、拡径した穴を設ける場合
では、軸受け部材15fの穴の後端部分は、段状とな
る。
【0043】実施例の説明に戻ると、加熱側マニホール
ド2と加熱側攪拌部材5が組付けられた状態において、
加熱側マニホールド2の熱媒体導入口13と加熱側攪拌
部材5の円板部15eの前面側が連通する。すなわち熱
媒体導入口13は、第一空洞部10aと連通し、さらに
第一空洞部10aは、加熱側攪拌部材5のボス部15a
の開口と連通する。そしてボス部15aは、筒状であっ
て、その先端部分は、加熱側攪拌部材5の円板部15e
の前面側に開口している。従って加熱側マニホールド2
の熱媒体導入口13と加熱側攪拌部材5の円板部15e
の前面側が連通する。本実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドでは、上記した一連の連通路が熱媒体
の流路となる。すなわち本実施例では、回転子16の径
中心側に孔16aが設けられており、当該孔16aが直
接的に、あるいは当該孔16aに挿入されたボス部15
aの孔が、第二キャビティ10dに流体を導入する熱媒
体導入通路の一部として機能する。
【0044】次に冷却側マニホールド3及び冷却側攪拌
部材6の構成を説明する。冷却側マニホールド3は、前
記した加熱側のマニホールド2と略対掌形(左右勝手違
い)であり、円板状のフランジ部3aを持つ。冷却側マ
ニホールド3では、ボス部3bは一段である。またボス
部3bの後端部は、管部3c,3dに繋がっている。冷
却側マニホールド3の大径管部3dの外周部は、平滑な
円筒面であり、突起はない。冷却側マニホールド3の内
部は前記した加熱側のマニホールド2と同様に空洞20
になっており、小径管部3e側からフランジ部3a側に
かけて貫通している。そして空洞20の内径は、3段階
に区分され小径管部3e側から順次、第一空洞部20
a,第二空洞部20b及びキャビティ20dがあり、キ
ャビティ20dはフランジ部3a側に開口している。ま
た小径管部3e側の開口21は、熱媒体導入口として機
能する。
【0045】冷却側マニホールド3の内部には、加熱側
のマニホールド2と同様に軸固定部22が設けられてい
る。軸固定部22は円柱状の軸支持部22aを持つ。そ
して当該軸支持部22aは、リブ22bによって空洞部
20内に同心状に支持されている。リブ22bの形状や
取付け位置、数等は、前記した加熱側のマニホールド2
と同様であり、第二空洞部10bに3本のリブ22bが
放射状に設けられていると共にその他端側が軸支持部2
2aの側面と一体的に結合し、軸支持部22aを空洞部
10の中心に支持している。軸支持部22aの軸方向の
位置は、第二空洞部20bとキャビティ20dに跨がっ
た部位である。そして軸固定部22の軸支持部22aに
は、ステンレス等で作られた支軸23が一体的に固定さ
れ、支軸23は、空洞部20と同心状に固定支持されて
いる。
【0046】冷却側マニホールド3についても、パイプ
状の熱媒体排出口24が設けられているが、熱媒体排出
口24の角度は、前記した加熱側マニホールド2とは異
なる。すなわち加熱側マニホールド2では、熱媒体排出
口14のパイプ状部位14aは、第二キャビティ10d
と同一平面上にあり、かつパイプ状部位14aは、第二
キャビティ10dに対して接線方向に延びていたのに対
し、冷却側マニホールド3では、パイプ状部位24a
は、図1,図3の様にキャビティ20dの平面に対して
外側に傾斜した角度に取り付けられている。すなわち冷
却側マニホールド3では、パイプ状部位24aは、図3
の様に側面の投影図で観察すると、キャビティ20dの
接線方向に延びているが、正面図から明らかなように、
開口部分がキャビティ20dとは異なる平面にある。す
なわち冷却側マニホールド3では、パイプ状部位24a
は、キャビティ20dの平面に対して傾斜して取り付け
られている。
【0047】冷却側攪拌部材6は、攪拌翼だけを持つ。
すなわち冷却側攪拌部材6は、固定子を持たない。冷却
側攪拌部材6は前記した加熱側攪拌部材5の羽根部材1
5cと略同様の形状をしており、ボス部25aと円板部
25bを持ち、円板部25bの一方の面に4個の羽根部
材25cが設けられたものである。羽根部材25cは、
前記した羽根部材(攪拌部)15cと同様、中心部分が
細く、周方向に向かうに従って幅広に作られており、さ
らに時計方向に捩じれた形状をしている。また各羽根部
材25cの内部に立方体形状の永久磁石25dが取り付
けられている。永久磁石25dの極性は、前記した加熱
側攪拌部材5の羽根部材(攪拌部)15cに設けた永久
磁石15dと反対の極である。すなわち永久磁石25d
は、熱電モジュール7を挟んで永久磁石15dと引き合
う様に極性が配置されている。なお冷却側攪拌部材6に
設けられた永久磁石25dの極性は、その全てが加熱側
攪拌部材5に設けられた永久磁石15dと同一であっ
て、両者が互いに反発しあう関係であってもよい。また
冷却側攪拌部材6側と加熱側攪拌部材5の永久磁石15
d,25dの幾つか、あるいは一方の永久磁石15d,
25dの全てを、鉄片等の磁性体に置き換えてもよい。
【0048】ボス部25aの形状・構造は、全長が短い
点を除いて、前記した加熱側攪拌部材5と同一である。
すなわちボス部25aの内側にはリブ25gが設けら
れ、リブ25gによって管状の軸受け部材25fが中心
軸に一致する部位に保持されている。リブ25gは、板
状であり、その面が軸線に対して傾斜している。実施例
においてリブ25gは、軸受け部材25fを支持する機
能の他、羽根部材としても機能する。そして熱媒体は、
ボス部25aの中を通過する際、リブ25gに巻き込ま
れて付勢される。
【0049】冷却側マニホールド3と冷却側攪拌部材6
との関係は、前記した加熱側と略同一であり、冷却側攪
拌部材6は、冷却側マニホールド3のキャビティ20d
に配される。そして冷却側攪拌部材6の軸受け部材25
fに、ブッシュ33が介在された上で、冷却側マニホー
ルド3の支軸23が挿通されている。また先端に係止部
32が取り付けられている。係止部32は、支軸23に
対してかしめられており、支軸23から脱落することは
ない。したがって、冷却側攪拌部材6の、軸受け部材2
5fの端面は、ブッシュ33のつばを介して係止部32
と当接し、冷却側攪拌部材6の軸方向力は、係止部32
によって支持される。従って、本実施例では、冷却側攪
拌部材6は、回転可能であるが、軸方向には一体的に冷
却側マニホールド3に固定されている。そして冷却側攪
拌部材6が冷却側マニホールド3に装着された状態にお
いて、係止部32は、冷却側マニホールド3のフランジ
部3aのフランジ面よりも僅かに内側に位置する。また
冷却側マニホールド3と冷却側攪拌部材6が組付けられ
た状態において、冷却側マニホールド3の熱媒体導入口
21と冷却側攪拌部材6の円板部の前面側が連通する。
【0050】次にその他の部材について説明する。本実
施例では、熱電モジュール7は、図14の様に円板状で
ある。熱電モジュール7は、公知のペルチェ素子を利用
したものであり、P型半導体とN型半導体が並べて設け
られたものである。熱電モジュール7の断面構造は、図
15の通りであり、P型とN型の熱電半導体7c,7d
を上下交互の電極7eで直列に接続し、上下をセラミッ
クの絶縁板7fで固定したものである。なおP型熱電半
導体7cとN型熱電半導体7dの組み合わせがペルチェ
素子の最小単位である。そして本実施例で使用する熱電
モジュール7では、アルミニウムの円板同士の間に、図
14の様にペルチェ素子を円形に配したものである。な
お本実施例で採用する熱電モジュール7では、円板の外
周近傍部分には、ペルチェ素子はない。熱電モジュール
7としては、他に一つの角形の熱電モジュールをアルミ
ニウムの円板で挟んだものも使用可能である。
【0051】固定子8は、モータを構成するコイルが内
蔵されたものである。固定子8の外径形状は、図7,
8,9の様にドーナツ状であり、中央に孔(開口)8a
が設けられている。また側面に電極部8bが設けられて
いる。固定子8は、通常のモータのそれと同様に、孔
(開口)8aの内部に回転磁界又は交番磁界を発生させ
るものである。
【0052】固定リング(固定部材)9は、図16の様
に円板状であり、「卍」に似た特殊形状の開口27が設
けられている。開口27の形状を詳細に説明すると次の
通りである。すなわち固定リング(固定部材)9の中央
には、円形の開口27aが設けられ、当該円形の部位か
ら放射状に3本の溝27bが延びている。当該溝27b
は、いずれも直線であり、その軸線は、円形の開口27
aの中心を通過する。また直線状の溝27bの端部は、
いずれも同一方向に旋回している。当該旋回部の溝27
cは、円形の開口27aを中心とする円弧である。固定
リング9には、この様に直線状の溝27bと、旋回状の
溝27cが設けられているので、両溝によって囲まれる
部位が半島状に残る。すなわち固定リング9には、円形
の開口27aの周囲に、3個の半島部(係合片)27d
が設けられている。固定リング(固定部材)9の開口2
7は、円形の開口27aと直線状の溝27bによって形
成される形状が、大径管部2dの係合突起2f部分の投
影形状よりも大きい。
【0053】次に固定リング9の表裏の面形状を見る
と、固定リング9の裏面側は、図16(a)の様に平滑
である。これに対して固定リング9の表面側は、図15
(c)の様に全ての端部に補強リブが設けられている。
また図において、E,F,Dで示される部位、すなわち
半島部(係合片)27dの表面側端部には、傾斜が設け
られている。
【0054】次にマニホールド1の組み立て構造につい
て説明する。マニホールド1では、加熱側マニホールド
2と冷却側マニホールド3がオーリング30を挟んで一
体となり、その中央に二つのオーリング31を挟んで熱
電モジュール7が配されている。すなわち加熱側のマニ
ホールド2と、冷却側のマニホールド3は一体的に結合
され、その中間部分に熱電モジュール7が装着されてい
る。加熱側マニホールド2と冷却側マニホールド3との
結合は、それぞれのフランジ部2a,3aを合わせ、両
者にネジを挿通することにより行われる。ここで両者の
接合部に注目すると、図6の様に、熱電モジュール7の
ペルチェ素子が存在しない周辺部近傍が、加熱側マニホ
ールド2と冷却側マニホールド3に挟まれ、ている。言
い換えると、ペルチェ素子は、キャビティ10d,20
dに面した部位だけにある。そしてペルチェ素子が存在
しない熱電モジュール7の周辺部近傍にオーリング31
が当接している。本実施例では、ペルチェ素子が存在し
ない部位を加熱側マニホールド2と冷却側マニホールド
3で挟むことにより、ペルチェ素子の発熱或いは冷熱が
直接的に加熱側マニホールド2と冷却側マニホールド3
に伝わることを防いでいる。
【0055】本実施例では、加熱側のマニホールド2及
び冷却側のマニホールド3に、それぞれ攪拌部材5,6
が装着されているが、攪拌部材5,6は、いずれも支軸
12,23にかしめられた係止部28,32によって軸
方向力が支持され、マニホールド2、マニホールド3に
対して軸方向に一体的に固定されている。そして攪拌部
材5,6がマニホールド2,3に装着された状態におい
て、係止部28,32は、マニホールド2,3のフラン
ジ部2a,3aのフランジ面のよりも僅かに内側に位置
する。より具体的には、係止部28の先端は、加熱側マ
ニホールド2の開口部の第一段2iよりも、熱媒体導入
口13側に位置にある。そのため係止部28,32及び
攪拌部材5,6は、いずれも熱電モジュール7と接触せ
ず、攪拌部材5,6と熱電モジュール7との間には隙間
4が確保される。当該隙間は、凡そ1mm〜2mm程度
である。
【0056】また加熱側マニホールド2のボス部2cの
外周部に固定子8が外装される。すなわち本実施例にお
いて、固定子8の取付位置は、図4に示すように加熱側
マニホールド2の回転子配置部位たる第一キャビティ1
0cの外周部である。従って本実施例では、通常のモー
タと同様に、固定子8によって回転子16が包み込まれ
る。
【0057】なお固定子8の固定方法は、次の手順によ
る。すなわち固定子8の孔(開口)8aに加熱側マニホ
ールド2のボス部2cを挿通する。そして固定子8に続
いて固定リング9を加熱側マニホールド2に外装する。
固定リング9の装着に際しては、図17(a)の様に溝
9bと係合突起2fとを一致させる。こうすることによ
り、係合突起2fは、固定リング9の半島部(係合片)
27dと干渉せず、固定リング9は係合突起2fの部位
を通過し、半島部(係合片)27dは係合突起2fより
もフランジ部2a側に至る。そして続いて固定リング9
を図17の矢印の方向に回転させ、半島部(係合片)2
7dを係合突起2fと固定子8の間に挿入し、係合突起
2fと半島部(係合片)27dを係合させる。その結
果、固定子8は、加熱側マニホールド2のボス部2cに
一体的に固定される。
【0058】次に本実施例にマニホールド1の作用につ
いて説明する。本実施例のマニホールド1は、図18に
示すような熱交換器40,41及び空気抜きチャンバー
43,44を含む冷凍装置45の一部として活用され
る。
【0059】ここで高温側及び低温側の空気抜きチャン
バー43,44は、何らかの理由で配管内に混入したガ
スを集め、ガスが配管経路を循環することを防止する機
能と、何らか理由で、熱媒体が減少した場合でも熱媒体
を円滑に循環させることを目的として設けられるもので
ある。空気抜きチャンバー43,44は、要するに配管
内のガスが集まる空間を設けるものであり、配管経路の
最も高い位置に、容積の大きな部位を設けたものであ
る。空気抜きチャンバー43,44の具体的構成は、図
19の通りであり、タンク状の容器47に熱媒体導入口
48と、熱媒体排出口49が設けられたものである。ま
たここで本実施例に特有の構成として、熱媒体導入口4
8と、熱媒体排出口49には、いずれもパイプが使用さ
れている。そして熱媒体導入口48を構成するパイプ
は、容器47の底面の中心から容器47に入る。また熱
媒体導入口48を構成するパイプは、容器47内におい
て、容器47の重心の近傍まで至り、容器47の重心近
傍で開口している。一方、熱媒体排出口49を構成する
パイプは、容器47の側面の中心から容器47に入る。
そして熱媒体導入口48を構成するパイプについても、
容器47内において、容器47の重心の近傍まで至り、
容器47の重心近傍で開口している。
【0060】本実施例で採用する空気抜きチャンバー4
3,44は、熱媒体導入口48及び熱媒体排出口49
が、容器47の重心部で開口するので、空気抜きチャン
バー43,44に方向性が無い。すなわち本実施例で採
用する空気抜きチャンバー43,44は、図19の様な
姿勢で使用することが望ましいが、何らかの理由で倒立
状態となっても、傾斜姿勢に置かれても、熱媒体導入口
48及び熱媒体排出口49の開口は、常に熱媒体に浸
る。そのため本実施例で採用する空気抜きチャンバー4
3,44は、傾斜姿勢で使用されても、熱媒体導入口4
8及び熱媒体排出口49の容器47内の開口から、空気
(又はガス)を吸い込むことがない。同様の作用・効果
が期待される空気抜きチャンバーとしては、図19に示
す空気抜きチャンバー53がある。図19に示す空気抜
きチャンバーでは、熱媒体導入口48及び熱媒体排出口
49が「L」字状に曲がった一本りパイプ51によって
構成されている。本実施例では、パイプ50の角の部位
が容器47の重心近傍にある。そして当該角の部位に開
口52が設けられている。
【0061】冷凍装置45の説明に戻ると、マニホール
ド1の高温側は、放熱用のコンデンサ(熱交換器)40
及び高温側空気抜きチャンバー43と配管結合される。
より具体的には、放熱用のコンデンサ(熱交換器)40
の吐出口と、マニホールド1の熱媒体導入口13が接続
される。またマニホールド1の熱媒体排出口14と高温
側空気抜きチャンバー46の導入口48が接続される。
また高温側気抜きチャンバー46の熱媒体排出口49と
放熱用のコンデンサ(熱交換器)40の導入口が接続さ
れている。こうしてマニホールド1の高温側、高温側気
抜きチャンバー46及び放熱用のコンデンサ(熱交換
器)40からなる一連の閉回路が構成される。
【0062】マニホールド1の冷却側の配管についても
同様であり、吸熱用のエバー(熱交換器)41及び低温
側気抜きチャンバー44と配管結合され、一連の閉回路
が構成されている。
【0063】そして配管回路内には、水を主体とする熱
媒体が循環される。なお、冷却側の配管回路内には、プ
ロピレングリコール等の不凍液を添加することが望まし
い。熱媒体は、比熱が大きい点から水を主体とする流体
を採用することが望ましいが、勿論他の液体であっても
良い。本実施形態の冷凍機では、マニホールド1が熱媒
体を移動させるポンプの機能を兼ねるので、特別のポン
プは設けられていない。
【0064】この状態で、マニホールド1の熱電モジュ
ール7に通電し、さらに固定子8にも通電を行う。その
結果、熱電モジュール7の加熱側伝熱面(放熱面)7a
の温度が上昇し、冷却側伝熱面(吸熱面)7bの温度が
低下する。
【0065】また固定子8が励磁され、固定子8の孔
(開口)8a内に回転磁界又は交番磁界が発生する。そ
して固定子8の磁力が加熱側マニホールド2を貫通して
内部の回転子16に作用する。ここで本実施例のマニホ
ールド1では、固定子8は、図4に示すように加熱側マ
ニホールド2の回転子配置部位たる第一キャビティ10
cの外周部に設けられているため、固定子8の孔(開
口)8a内に発生する回転磁界等により、加熱側マニホ
ールド2内の回転子16に回転力が発生する。すなわち
本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールド1で
は、加熱側マニホールド2の内外に設けられた回転子1
6と、固定子8とによって、一つのモータが構成されて
いる。そのため固定子8に通電することにより、加熱側
マニホールド2内の回転子16が回転する。その結果、
回転子16と一体となった加熱側攪拌部材5が回転し、
加熱側攪拌部材5の攪拌翼15が回転を始める。ここで
本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールド1で
は、固定子8と回転子16の位置関係が、通常のモータ
と同様であり、回転子16の周囲に固定子8がある。そ
のため、本実施例によると、磁束の漏れが少なく、モー
タとしての効率が高い。
【0066】また本実施例の熱電モジュールを内蔵する
マニホールド1では、モータの回転子16が加熱側マニ
ホールド2内に設けられているので、軸シールが不要で
ある。すなわち本実施例の本実施例の熱電モジュールを
内蔵するマニホールド1では、密閉状態となった加熱側
マニホールド2の中で回転子16を回転させるので、液
封が確実であり、熱媒体の洩れは少ない。
【0067】さらに本実施例のマニホールド1では、攪
拌部材5,6に磁石15d,25dが取り付けられてお
り、さらに攪拌部材5,6は熱電モジュール7を挟んで
対向した位置にある。また各磁石15d,25dの極性
は、互いに引きつけ合う方向に揃えられている。そのた
め攪拌部材5,6の磁石15d,25d同士が引き付け
合い、加熱側の第二キャビティ10d内にある加熱側攪
拌部材5の回転に伴って、冷却側の冷却側攪拌部材6も
回転を開始する。すなわち固定子8に通電することによ
り、各キャビティ内で攪拌部材5,6が回転する。従っ
て本実施例のマニホールド1で冷却側についても、密閉
状態を維持して攪拌部材6が回転する。
【0068】そして各キャビティ内の熱媒体が回転し、
熱媒体にエネルギーが付与される。回転力が付与された
熱媒体は、それぞれ熱媒体排出口14,24から外部に
吐出される。このように本実施例の熱電モジュールを内
蔵するマニホールド1は、ポンプとしての機能を発揮す
るが、内部における熱媒体の流路は特異である。すなわ
ち本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールド1
の加熱側においては、熱媒体は、加熱側マニホールド2
の端部にある熱媒体導入口13から入る。そして熱媒体
は、小径管部2e内の第一空洞部10aを流れる。続い
て熱媒体は、大径管部2dの第二空洞部10bのリブ1
1bの間を通過する。さらに熱媒体は、加熱側攪拌部材
5のボス部15aの中を流れ、リブ15gの間を通過し
て加熱側攪拌部材5の円板部15eの前面側に開口至
る。すなわち流体は、回転子16の開口8の部分を抜
け、直線経路をもって直接的に第二キャビティ10dに
入る。そのためマニホールド1内における圧力損失は小
さい。
【0069】冷却側においても同様であり、熱媒体は、
冷却側マニホールド3の端部にある熱媒体導入口21か
ら入り、第一空洞部20aを流れ、第二空洞部20bの
リブ22bの間を通過して冷却側攪拌部材6のボス部2
5aの中を流れ、冷却側攪拌部材6の羽根部材25cの
中心に至る。本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールド1では、熱媒体は、直線的な経路を流れ、直接
的に加熱側攪拌部材5,6の羽根部材(攪拌部)15
c,25cの中心部分に入る。ここで羽根部材(攪拌
部)15c,25cの中心部分は、回転によって負圧傾
向となる部位であるから、本実施例の熱電モジュールを
内蔵するマニホールド1は、ポンプとして高い効率を発
揮する。
【0070】また羽根部材(攪拌部)15c,25cの
中心部分に入った熱媒体は、羽根部材(攪拌部)15
c,25cによって攪拌され、高い頻度で熱電モジュー
ル7の放熱面又は吸熱面と接触する。特に本実施例の熱
電モジュールを内蔵するマニホールド1では、熱電モジ
ュール7の表面と羽根部材(攪拌部)15c,25cの
間に1mm〜2mm程度の隙間が確保されているので、
当該隙間に熱媒体が進入し、高い頻度で熱電モジュール
7の伝熱面7a,7bと接触する。さらに本実施例で
は、係止部28の先端と熱電モジュール7との間にも隙
間があるので、熱媒体は熱電モジュール7の中心部にも
回り込み、熱電モジュール7の中心部においても熱交換
が行われる。
【0071】また本実施例では、攪拌部材5,6のボス
部15a,25a内に設けられたリブ(羽根部材)15
g,25gが板状であり、且つ図12の様にその面が軸
線に対して傾斜している。またリブ15g,25gは、
攪拌部材5,6と共に回転する。そのため熱媒体がボス
部15a,25aを通過する際、熱媒体がリブ15g,
25gに巻き込まれて付勢され、より高い効率が期待で
きる。すなわち本実施例では、リブ15g,25gが回
転することによって、軸流ポンプと同様の機能を発揮
し、熱媒体は付勢されて、直接的に熱電モジュールと衝
突する。
【0072】羽根部材(攪拌部)15c,25cの中心
部分に入った熱媒体は、羽根部材(攪拌部)15c,2
5cの回転によって付勢され、熱媒体排出口14,24
からから排出される。熱媒体の排出に伴い、熱媒体導入
口13,21から新たな熱媒体が吸い込まれる。なお本
実施例の本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルド1では、熱媒体排出口14,24の取り付け角度
が、加熱側と冷却側で異なる。すなわち前記した様に加
熱側ではパイプ状部位14aは、第二キャビティ10d
と同一平面上にあり、かつパイプ状部位14aは、第二
キャビティ10dに対して接線方向に延びていたのに対
し、冷却側ではキャビティ20dの平面に対して外側に
傾斜した角度に取り付けられている。そのため加熱側で
はパイプ状部位14aが熱媒体の付勢方向のベクトルと
一致するのに対し、冷却側では両者のベクトルがずれて
いる。従って本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールド1では、加熱側と冷却側の吐出量が異なる。
【0073】本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールド1では、キャビティ内で、熱媒体が攪拌される
ので、熱媒体と伝熱面7a,7bの接触機会が多い。特
に本実施例では、熱媒体は、熱電モジュール7の伝熱面
7a,7bに対して垂直方向に入る。そのため熱媒体は
熱電モジュール7に対して垂直に当たる。従って、本実
施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールド1は、熱
媒体と伝熱面7a,7bとの熱交換効率が高い。
【0074】また本実施例の熱電モジュールを内蔵する
マニホールド1は、壁面を貫通する回転軸を持たない。
すなわち本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルド1は、密閉状態の中で回転子16が回転し、攪拌部
材5,6を回転する。そのため本実施例のマニホールド
1は、熱媒体の洩れが少ない。
【0075】(実施例2)次に本発明の第2実施例につ
いて説明する。なお、以下に説明する第2以降の実施例
の説明では、先に説明した実施例と同一の機能を発揮す
る部材に同一の番号を付して、重複した説明を省略す
る。図21は、本発明の第2実施例における熱電モジュ
ールを内蔵するマニホールドの正面断面図である。図2
2は、ナット部材の正面図てある。図23は、ナット部
材の側面図である。図24は、ナット部材の背面図であ
る。
【0076】前述した第1実施例では、加熱側攪拌部材
5を構成する攪拌部(4個の羽根部材15c)と回転子
16は、中心軸が同一であり、かつ両者は軸方向に離間
した位置に設けられた構成を例示した。また先の実施例
では、固定子8は、回転子配置部(第一キャビティ10
c)の外周部に設けた構成を示した。しかしながら本発
明は、第1実施例の攪拌部材5の構成や、固定子8を回
転子配置部(第一キャビティ10c)の外周部に設ける
構成に限定されるものではない。攪拌部材の構成につい
て述べるなら、攪拌部と回転子16は、同心状に配され
ていてもよい。また固定子8と回転子との位置関係につ
いて述べるなら、固定子8は、マニホールドの回転子配
置部位の端面側に装着されてた構成も採用可能である。
【0077】図21に示した第2実施例の熱電モジュー
ルを内蔵するマニホールド70は、固定子72がマニホ
ールド本体17の回転子配置部位(第一キャビティ10
c)の端面側に装着された例を示すものである。加熱側
攪拌部材5を構成する攪拌部(4個の羽根部材15c)
と回転子16は、先の例と同様に中心軸が同一であり、
かつ両者は軸方向に離間した位置に設けられている。
【0078】第2実施例のマニホールド70では、小径
ボス部2cと大径管部2dの間の段差71が大きく、内
部においては、第一キャビティ10cと第二空洞部10
bとの内径比が大きい。そして回転子16は、第一キャ
ビティ10cに配されており、その端面の面積の内の大
部分が、小径ボス部2cと大径管部2dの間の段差71
と面している。
【0079】固定子72は、通常のモータの固定子とは
捲線の状態が異なり、端面72a側に回転磁界又は交番
磁界を発生させるものである。本実施例においては、固
定子72は、小径ボス部2cに外装されており、回転磁
界又は交番磁界が発生する端面72aが、小径ボス部2
cと大径管部2dの間の段差71に面している。従って
本実施例では、固定子72は、マニホールド本体17の
回転子配置部位(第一キャビティ10c)の端面側に装
着された構成となっている。
【0080】第2実施例で採用する固定子72は、先の
実施例と同様に孔(開口)8aを有し、この孔(開口)
8aをマニホールド本体17の大径管部2dに挿通する
が、本実施例においては、固定子72の固定にはナット
部材75が使用されている。すなわち本実施例では、大
径管部2dの外周部にネジ76が形成されている。一
方、ナット部材75は、図22,23,24に示す様な
円板状であり、中央に雌ネジ75aが設けられている。
本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニホールド70
では、大径管部2dに固定子72を挿通した後、ナット
部材75を締め込み、ナット部材75を固定子72に当
接して固定子72を固定する。
【0081】本実施例のマニホールド70の固定子72
に通電すると、固定子72の端面72aに回転磁界また
は交番磁界が発生する。そして固定子72の磁力が加熱
側マニホールド2の段差71を貫通して内部の回転子1
6に作用する。第2実施例のマニホールド70では、固
定子72は、加熱側マニホールド2の回転子配置部位た
る第一キャビティ10cの端面側に装着されているた
め、固定子72の端面72aに発生する回転磁界等によ
り、加熱側マニホールド2内の回転子16に回転力が発
生する。すなわち、本実施例の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールド1では、加熱側マニホールド2の内外に
設けられた回転子16と、固定子72とによって、一つ
のモータが構成されている。そのため固定子72に通電
することにより、加熱側マニホールド2内の回転子16
が回転する。その結果、回転子16と一体となった加熱
側攪拌部材5が回転し、加熱側攪拌部材5の攪拌翼15
が回転を始める。
【0082】(実施例3)次に本発明の第3実施例につ
いて説明する。図25は、本発明の第3実施例における
熱電モジュールを内蔵するマニホールドの正面断面図で
ある。図25に示した第3実施例の熱電モジュールを内
蔵するマニホールド80は、加熱側攪拌部材5を構成す
る攪拌部(4個の羽根部材15c)と回転子16が同心
状に配された例を示すものである。また本実施例では、
固定子81は、回転子配置部(本実施例では第二キャビ
ティ10d)の外周部に設けている。
【0083】すなわち本実施例で採用する加熱側攪拌部
材81では、羽根部材15cの外周部に回転子82が取
り付けられている。本実施例では、攪拌部の外周に回転
子82があり、攪拌部と回転子82とは同心である。ま
た本実施例で採用する加熱側攪拌部材81でも、羽根部
材(攪拌部)15cの内部に立方体形状の永久磁石15
dが取り付けられており、当該磁石15dが隣接する冷
却側羽根部材6の磁石25dに作用して冷却側羽根部材
6を回転させる。
【0084】固定子81は、円筒形部81aとフランジ
部81bを持ち、フランジ部81aに開口81cが設け
られている。また固定子81の円筒形部81aの内径
は、第一ボス部10bのそれと等しい。本実施例では固
定子81の円筒形部81aが、第一ボス部10bに取り
付けられ、フランジ部81bにナット部材75が当接し
て、固定子81を固定している
【0085】本実施例の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールド80では、固定子81が励磁されると、円筒形
部81a内に回転磁界又は交番磁界が発生する。そして
固定子8の磁力が加熱側マニホールド2を貫通して内部
の回転子82に作用し、加熱側攪拌部材5が回転し、加
熱側攪拌部材81が回転する。また羽根部材(攪拌部)
15cの永久磁石15dの作用により、隣接する冷却側
羽根部材6が回転する。
【0086】(実施例4)次に本発明の第4実施例につ
いて説明する。図26は、本発明の第4実施例における
熱電モジュールを内蔵するマニホールドの正面断面図で
ある。図26に示した第4実施例の熱電モジュールを内
蔵するマニホールド85は、前記した第2実施例のマニ
ホールド80の固定子81と、隣接する冷却側羽根部材
6に動力を伝達するための永久磁石15dを、一個の磁
石86よって併用したものである。本実施例の熱電モジ
ュールを内蔵するマニホールド80では、回転子と冷却
側羽根部材6に動力を伝達するための永久磁石の区別は
なく、これらは単一の磁石86によって賄われている。
【0087】(実施例5)次に本発明の第5実施例につ
いて説明する。図27は、本発明の第5実施例における
熱電モジュールを内蔵するマニホールドの正面断面図で
ある。図27に示した第5実施例の熱電モジュールを内
蔵するマニホールド90は、前記した第2実施例と、第
4実施例を組み合わせたものであり、加熱側攪拌部材5
を構成する攪拌部(4個の羽根部材15c)と回転子1
6が同心状に配され、かつ回転子と冷却側羽根部材6に
動力を伝達するための永久磁石の区別はなく、これらは
単一の磁石86によって賄われている。固定子81は、
回転子配置部(本実施例では第二キャビティ10d)の
外周部に設けられている。
【0088】(実施例6)次に本発明の第6実施例につ
いて説明する。図28は、本発明の第2実施例の熱電モ
ジュールを内蔵するマニホールドの正面断面図である。
図29は、図28の熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルドの平面図である。図28,29に示す第2実施例の
マニホールド60は、マニホールドが加熱側だけにあ
り、冷却側には設けられていない。加熱側マニホールド
2の構造は、先の実施例1のそれと全く同一であり、本
実施例は、先の例の冷却側マニホールド3をフィン部材
61に置き換えたものである。すなわち第2実施例のマ
ニホールド60では、熱電モジュール7の冷却側伝熱面
7bは、直接的にフィン部材61の壁面(熱伝導板)6
1a当接されている。本実施例のマニホールドは、フィ
ン部材61によって庫内の空気を冷やす冷蔵庫に採用す
ることが望ましいものである。
【0089】以上説明した二つの第1,第2実施例で
は、回転子16は、いずれも永久磁石を採用したが、通
常の誘導モータと同様の捲線も使用できる。ただし捲線
を本発明の固定子として活用する場合には、絶縁に注意
を要する。
【0090】また以上説明した実施例では、いずれも攪
拌部材5,の中心部に貫通孔を設け、当該貫通孔を熱媒
体の流路としたが、回転子16と、第二キャビティ10
bとの間のクリアランスを大きく設計し、当該クリアラ
ンスの部分を熱媒体の流路とする構成も考えられる。
【0091】
【発明の効果】本発明の熱電モジュールを内蔵するマニ
ホールドでは、回転子はマニホールド本体の中にあり、
攪拌部材と一体化され、外部に設けられた固定子と共に
一つのモータを構成している。そのため本発明の熱電モ
ジュールを内蔵するマニホールドでは、外部の固定子に
通電することによりキャビティ内で攪拌部材が回転す
る。本発明の熱電モジュールを内蔵するマニホールドで
は、回転子がマニホールドの中に設けられているので、
軸シールが不要である。従って本発明の熱電モジュール
を内蔵するマニホールドは、流体の洩れが少ないという
効果がある。
【0092】また特に請求項2に記載の熱電モジュール
を内蔵するマニホールドでは、磁束の漏れが少なく、効
率が高いという効果がある。
【0093】また請求項3の構成の熱電モジュールを内
蔵するマニホールドは、外形を小さくすることができる
効果がある。
【0094】また特に請求項6に記載の発明は、ただ一
つの原動機によって加熱側と冷却側双方の攪拌部材を攪
拌することができ、部品点数が少なく、外形形状が小型
となる。また本発明では、攪拌部材間の動力伝達に磁気
を利用する。本態様の構成によると、非接触で攪拌部材
間の動力伝達を行うことができるので、キャビティ同士
の独立性を確保することができる。そのため加熱側と冷
却側の熱媒体が混ざることがない。
【0095】また請求項7に記載の熱電モジュールを内
蔵するマニホールドでは、攪拌部材に設けられた磁石が
固定子として機能する他、隣接するキャビティの攪拌部
材に回転力を伝える働きをする。そのため本発明の熱電
モジュールを内蔵するマニホールドは、部品点数が少な
く、製造が容易であるという効果がある。
【0096】また請求項8に記載の熱電モジュールを内
蔵するマニホールドでは、熱伝導板によって直接的に冷
却対象物や空気等を冷却することができる効果がある。
【0097】さらに請求項9、10,11に記載の熱電
モジュールを内蔵するマニホールドは、固定子の取付が
容易であり、組み立てが簡単であるとい優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の熱電モジュールを内蔵す
るマニホールドの正面図
【図2】図1の右側面図
【図3】図1の左側面図
【図4】図1の熱電モジュールを内蔵するマニホールド
の正面断面図
【図5】図4の支軸周辺部の拡大図及びその変形例の拡
大図
【図6】図4の熱電モジュール端部の拡大図
【図7】図1のマニホールドの分解斜視図
【図8】(a)は、図1のマニホールドの加熱側の詳細
分解斜視図、(b)はさらに加熱側攪拌部材の分解斜視
図、(c)は加熱側マニホールドの小径ボス部の断面
図、(d)は加熱側攪拌部材のボス部の断面図
【図9】図1のマニホールドの固定子周辺の詳細分解斜
視図
【図10】図1のマニホールドの加熱側マニホールドの
正面図及び断面図
【図11】図1のマニホールドに内蔵されている攪拌部
材の正面図
【図12】図11の攪拌部材の断面図
【図13】(a)は、図1のマニホールドに内蔵されて
いる固定子の正面断面図、(b)は左側面図
【図14】熱電モジュールの正面図
【図15】熱電モジールの断面図
【図16】固定リングの正面断面図及び左右の側面図
【図17】固定リングの締結手順を示す説明図
【図18】図1のマニホールドを活用した冷凍機の構成
【図19】空気抜きチャンバーの断面図
【図20】空気抜きチャンバーの変形例の断面図
【図21】本発明の第2実施例における熱電モジュール
を内蔵するマニホールドの正面断面図
【図22】ナット部材の正面図
【図23】ナット部材の側面図
【図24】ナット部材の背面図
【図25】本発明の第3実施例における熱電モジュール
を内蔵するマニホールドの正面断面図
【図26】本発明の第4実施例における熱電モジュール
を内蔵するマニホールドの正面断面図
【図27】本発明の第5実施例における熱電モジュール
を内蔵するマニホールドの正面断面図で
【図28】本発明の第6実施例の熱電モジュールを内蔵
するマニホールドの正面断面図
【図29】図28の熱電モジュールを内蔵するマニホー
ルドの平面図
【符号の説明】
1,60,80,85,90 熱電モジュールを内蔵す
るマニホールド 2 加熱側マニホールド 2f 係合突起 3 冷却側マニホールド 5 加熱側攪拌部材 6 冷却側攪拌部材 7 熱電モジュール 8,72,81 固定子 10c 第一キャビティ 10d 第二キャビティ 15 攪拌翼 15a,25a ボス部 15b,25b 円板部 15c,25c 羽根部材(攪拌部) 15d,25d 永久磁石 15f,25f 軸受け部材 15g,25g リブ 16,82 回転子 17 マニホールド本体 20d キャビティ 61a 壁面(熱伝導板) 86 回転子(磁石)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木戸 長生 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 森下 賢一 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 藤本 真嗣 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸熱面と放熱面とを有し電流を流すこと
    により前記放熱面が加熱され前記吸熱面が冷却される熱
    電モジュールと、前記熱電モジュールを内蔵し、前記吸
    熱面及び前記放熱面の少なくとも一方との間に流体が入
    るキャビティを形成すると共に外部からキャビティに至
    る空洞部が設けられたマニホールド本体と、攪拌部と回
    転子が一体化され前記マニホールド本体内に配されてい
    て少なくとも一つの前記キャビティ内の流体を撹拌する
    撹拌部材と、マニホールド本体に外装された固定子とを
    有し、前記マニホールド本体内に配された回転子と、前
    記マニホールド本体に外装された固定子とによってモー
    タが構成され、前記固定子に通電することにより前記キ
    ャビティ内で攪拌部材が回転することを特徴とする熱電
    モジュールを内蔵するマニホールド。
  2. 【請求項2】 固定子は、マニホールドの回転子配置部
    位の外周側に装着されていることを特徴とする請求項1
    に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  3. 【請求項3】 固定子は、マニホールドの回転子配置部
    位の端面側に装着されていることを特徴とする請求項2
    に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  4. 【請求項4】 攪拌部材を構成する攪拌部と回転子は、
    中心軸が同一であり、かつ両者は軸方向に離間した位置
    に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の熱電モジュールを内蔵するマニホール
    ド。
  5. 【請求項5】 攪拌部材を構成する攪拌部と回転子は、
    同心状に設けられていることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載の熱電モジュールを内蔵するマニホ
    ールド。
  6. 【請求項6】 マニホールド本体は、熱電モジュールの
    吸熱面側と放熱面側の双方との間にキャビティを有し、
    双方のキャビティ内に攪拌部材が設けられ、二つの攪拌
    部材の少なくとも一方には磁石が設けられ、一方の攪拌
    部材の回転力が磁力によって他方の攪拌部材に伝達され
    ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の
    熱電モジュールを内蔵するマニホールド。
  7. 【請求項7】 攪拌部材に設けられた磁石が回転子を兼
    ねることを特徴とする請求項6に記載の熱電モジュール
    を内蔵するマニホールド。
  8. 【請求項8】 マニホールド本体は、熱電モジュールの
    伝熱面の一方だけを覆い、熱電モジュールの他方の伝熱
    面は、熱伝導板に当接されていることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載の熱電モジュールを内蔵す
    るマニホールド。
  9. 【請求項9】 固定子は中央に開口を有し、固定子は前
    記開口をマニホールドの外周に挿入することにより所定
    の位置に装着されていることを特徴とする請求項1乃至
    8のいずれかに記載の熱電モジュールを内蔵するマニホ
    ールド。
  10. 【請求項10】 マニホールドの外周部にはネジが形成
    され、前記ネジにナット部材が係合し、前記ナット部材
    によって固定子が位置決めされていることを特徴とする
    請求項9に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホール
    ド。
  11. 【請求項11】 マニホールドの外周部であって固定子
    の装着位置の近傍に係合突起が設けられ、前記突起が設
    けられた部位の投影形状よりも大きな開口と、係合片が
    設けられた固定部材を有し、前記固定部材は所定の姿勢
    の時に係合突起の部位を通過することが可能であり、他
    の所定の姿勢の時には前記係合突起と係合片が係合し、
    前記固定子と係合突起の間に固定部材が装着されること
    によって固定子が位置決めされていることを特徴とする
    請求項9に記載の熱電モジュールを内蔵するマニホール
    ド。
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