JP2000274868A - 冷却装置 - Google Patents

冷却装置

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JP2000274868A
JP2000274868A JP11076936A JP7693699A JP2000274868A JP 2000274868 A JP2000274868 A JP 2000274868A JP 11076936 A JP11076936 A JP 11076936A JP 7693699 A JP7693699 A JP 7693699A JP 2000274868 A JP2000274868 A JP 2000274868A
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heat medium
container
heat
cooling device
heating
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JP11076936A
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English (en)
Inventor
Toshio Kamitsuji
利夫 上辻
Shohei Inamori
昭平 稲森
Osao Kido
長生 木戸
Kenichi Morishita
賢一 森下
Shinji Fujimoto
真嗣 藤本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペルチェ効果を利用した冷却装置に関するも
のであり、配管内の気泡を除去して熱媒体と熱電モジュ
ールの伝熱面との接触機会を増大させる方策を開示す
る。また傾斜姿勢でも支障なく使用することができる冷
却装置を開発する 【解決手段】 空気抜きチャンバー43,44では、熱
媒体導入口48と、熱媒体排出口49には、いずれもパ
イプ(管状部材)70,71が使用され、熱媒体導入口
48及び熱媒体排出口49は、容器体47の内部に延長
されている。パイプ70,71は、容器47の底面の中
心から容器体47に入る。また熱媒体導入口48を構成
するパイプ70は、容器47内において、容器47の重
心の近傍まで至り、容器47の重心近傍で開口してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はペルチェ効果を応用
した冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フロンガスのオゾン層破壊作用が
地球的な問題となり、フロンガスを使用しない冷却装置
の開発が急がれている。そしてフロンガスを使用しない
冷却装置の一つとして、熱電モジュールを使用した冷却
装置が注目されている。
【0003】ここで熱電モジュールとは、ペルチェ(Pe
ltier)モジュール、又は熱電モジュールとして知られて
いるものであり、二つの伝熱面を有し、電流を流すこと
により一方の伝熱面が加熱され、他方の伝熱面が冷却さ
れる機能を持つ部材である。すなわち熱電モジュールで
は、一方の面が放熱面として機能し、他方が吸熱面とし
て機能する。熱電モジュールを使用した冷却装置は、例
えばWO92/13243号(特表平6−504361
号)に開示されている。WO92/13243号に開示
された発明は、熱電モジュールをマニホールドに内蔵
し、マニホールド内では熱電モジュールを挟んで二つの
キャビティが構成されている。そしてマニホールドの放
熱面に面するキャビティは、熱交換器とポンプによって
構成される閉回路に接続され、他方の吸熱面に面するキ
ャビティも同様に熱交換器とポンプによって構成される
閉回路に接続されている。この様にして、熱電モジュー
ルの放熱側の伝熱面を含む循環回路と、冷却側伝熱面を
含む循環回路を構成し、この回路に水を主体とする熱媒
体を循環させる。そして二つの循環回路の内、冷却側の
回路の熱交換器によって所望の冷却を行う。
【0004】上記したWO92/13243号に開示さ
れた発明は、熱電モジュールを使用して実用的な冷却を
行い得る技術である。しかしながらWO92/1324
3号に開示された技術は、冷却装置の基本的な構成を開
示するものに過ぎず、実際にこの発明を冷蔵庫等に適用
するには、改良すべき点や、新たに解決しなければなら
ない問題が山積みされている。すなわち熱電モジュール
を使用した冷却装置は、旧来のフロンガスを使用した冷
却装置に比べて冷却効率が低いのが現状である。
【0005】特にWO92/13243号に開示された
技術には、如何にして熱媒体と熱電モジュールの伝熱面
の接触を円滑化し、冷却効率を向上させるかという問題
がある。熱電モジュールと熱媒体との間の熱交換をより
円滑に行うための改良手段として、WO95/3168
8号(PCT/AU95/00271号)に開示された
発明が知られている。WO95/31688号に開示さ
れた発明は、マニホールドのキャビティ内に攪拌翼を設
け、熱媒体と熱電モジュールの伝熱面との接触機会を増
大させるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしWO95/31
688号に開示された発明は、攪拌翼を回転させること
によって熱媒体と熱電モジュールの伝熱面との接触を増
大させるものであり、攪拌翼を回転させることによっ
て、キャビティ内に気泡を巻き込むことがあるため、気
泡によって熱媒体と熱電モジュールの伝熱面との接触が
阻害される懸念がある。
【0007】また熱電モジュールを使用した冷却装置
は、圧縮機を要せず軽量であるため、携帯用の冷蔵庫へ
の適用が有望であるが、携帯用の冷蔵庫は、携行の際に
水平姿勢を保つことが困難である。たとえば携帯用の冷
蔵庫は、傾斜姿勢で携行されたり、天地逆の状態で携行
される事態も予想される。そのため熱電モジュールを使
用した冷却装置を携帯用の冷蔵庫に適用する場合には、
姿勢変更の際に於ける気泡の巻き込みにも留意しなけれ
ばならない。
【0008】本発明は、従来技術の上記した問題点に注
目し、配管内の気泡を除去して熱媒体と熱電モジュール
の伝熱面との接触機会を増大させる方策を開示するもの
である。すなわち本発明は、熱電モジュールの伝熱面近
傍への気泡混入を阻止し、冷却効率が高い冷蔵装置を開
発することを課題とするものである。また本発明は、傾
斜姿勢でも支障なく使用することができる冷却装置を開
発するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明は、二以上の伝熱面を有し電流を流すことによ
り一方の伝熱面が加熱され他方の伝熱面が冷却される熱
電モジュールを内蔵し、液状熱媒体を通過させることに
より少なくとも一方の伝熱面と熱媒体との間で熱交換が
可能である熱交換ユニットと、熱交換器と、ポンプ部材
と、ガス抜きチャンバーと、これらの間を環状に接続す
ると共に液状熱媒体で満たされた配管を有し、前記ガス
抜きチャンバーは、密閉状の容器体に熱媒体導入口と熱
媒体排出口が設けられていて両者の間が連通するもので
あり、熱媒体導入口と熱媒体排出口はそれぞれ管状部材
によって容器の内部に延長されていることを特徴とする
冷却装置である。
【0010】これにより、配管の気泡が除去され、冷却
効率が向上する。また傾斜姿勢でも使用することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、二以上の伝熱面を有し
電流を流すことにより一方の伝熱面が加熱され他方の伝
熱面が冷却される熱電モジュールを内蔵し、液状熱媒体
を通過させることにより少なくとも一方の伝熱面と熱媒
体との間で熱交換が可能である熱交換ユニットと、熱交
換器と、ポンプ部材と、ガス抜きチャンバーと、これら
の間を環状に接続すると共に液状熱媒体で満たされた配
管を有し、前記ガス抜きチャンバーは、密閉状の容器体
に熱媒体導入口と熱媒体排出口が設けられていて両者の
間が連通するものであり、熱媒体導入口と熱媒体排出口
はそれぞれ管状部材によって容器の内部に延長されてい
ることを特徴とする冷却装置である。
【0012】本発明の冷却装置では、配管経路内にガス
抜きチャンバーが設けられている。ガス抜きチャンバー
は、密閉状の容器体に熱媒体導入口と熱媒体排出口が設
けられていて両者の間が連通するものである。本発明の
冷却装置では、配管内のガスの気泡がガス抜きチャンバ
ーの容器内に入ったとき、ガスは容器内で浮上して容器
の上部に溜まる。そのため配管内の気泡は、すべてガス
抜きチャンバーに集められ、熱電モジュールの伝熱面は
熱媒体だけが接触する。また本発明の冷却装置では、熱
媒体導入口と熱媒体排出口はそれぞれ管状部材によって
容器の内部に延長されている。そのため冷却装置を傾斜
姿勢においても、容器体の内部において熱媒体導入口と
熱媒体排出口が露出せず、常時熱媒体に浸った状態を維
持する。そのため本発明の冷却装置では、傾斜姿勢にお
いても、配管経路に気泡が混入しない。
【0013】また請求項2に記載の発明は、熱媒体導入
口及び熱媒体排出口の容器体内部における開口は、容器
体によって囲まれる範囲であって、その重心から容器体
の体積が2分の1の相似形範囲内にあることを特徴とす
る請求項1に記載の冷却装置である。
【0014】請求項3に記載の発明は、熱媒体導入口及
び熱媒体排出口の容器体内部における開口は、容器体に
よって囲まれる範囲であって、その中心から容器体の体
積が2分の1の相似形範囲内にあることを特徴とする請
求項1に記載の冷却装置である。
【0015】請求項2,3に記載の冷却装置では、熱媒
体導入口及び熱媒体排出口の容器体内部における開口
が、いずれも容器体の中心部に設けられている。そのた
め冷却装置が傾斜姿勢となっても、熱媒体導入口及び熱
媒体排出口の開口が露出せず、配管経路中に気体が混入
しない。
【0016】さらに請求項4に記載の発明は、熱媒体導
入口及び熱媒体排出口の容器体内部における開口は、容
器体の容積の80%相当の熱媒体を封入して容器体を任
意に軸を中心として回転したとき、常に熱媒体によって
封鎖される位置に設けられていることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれかに記載の冷却装置である。
【0017】本発明の冷却装置では、熱媒体導入口及び
熱媒体排出口の容器体内部における開口が特定の位置に
設けられているので、冷却装置が傾斜姿勢となっても、
熱媒体導入口及び熱媒体排出口の開口が露出しない。
【0018】さらに請求項5に記載の冷却装置は、熱媒
体導入口及び熱媒体排出口は、容器体の内部において一
連の管体によって接続されており、当該管体の一部に開
口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の
いずれかに記載の冷却装置である。
【0019】本発明の冷却装置では、熱媒体導入口及び
熱媒体排出口は、容器体の内部において一連の管体によ
って接続されており、当該管体の一部に開口が設けられ
ている。本発明の冷却装置では、配管経路中の気泡は、
管体の一部に設けられた開口から抜け、容器体の上部に
溜まる。
【0020】さらに請求項6に記載の冷却装置は、熱交
換ユニットは、熱電モジュールの少なくとも一方の伝熱
面との間にキャビティを有し、当該キャビティの内部に
撹拌部材が設けられたものであることを特徴とする請求
項1乃至5のいずれかに記載の冷却装置である。
【0021】本発明の冷却装置では、熱交換ユニットの
キャビティ内に流れが発生し、熱媒体と熱電モジュール
の伝熱面の接触率が上がり、熱交換効率が向上する。
【0022】
【実施例】以下さらに本発明の望ましい実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (実施例1)図1は、本発明の冷却装置の構成図であ
る。図2は、図1の冷却装置で使用する熱交換ユニット
の正面図である。図3は、図2の右側面図である。図4
は、図2の左側面図である。図5は、図2の熱電モジュ
ールを内蔵する熱交換ユニットの正面断面図である。図
6は、図5の支軸周辺部の拡大図である。図7は、図4
の熱電モジュール端部の拡大図である。図8は、図2の
熱交換ユニットの分解斜視図である。図9(a)は、図
2の熱交換ユニットの加熱側の詳細分解斜視図であり、
(b)はさらに加熱側攪拌部材の分解斜視図であり、
(c)は加熱側熱交換ユニットの小径ボス部の断面図で
あり、(d)は加熱側攪拌部材のボス部の断面図であ
る。図10は、図2のマニホールドの固定子周辺の詳細
分解斜視図である。図11は、図2のマニホールドの加
熱側マニホールドの正面図及び断面図である。図12
は、図2のマニホールドに内蔵されている攪拌部材の正
面図である。図13は、図12の攪拌部材の断面図であ
る。図14は、熱電モジュールの正面図である。図15
は、熱電モジールの断面図である。図16は、固定リン
グの正面断面図及び左右の側面図である。図17は、固
定リングの締結手順を示す説明図である。図18は、空
気抜きチャンバーの断面図である。図19は、空気抜き
チャンバーの断面斜視図である。図20は、空気抜きチ
ャンバーの機能を説明する断面図である。
【0023】図1において、45は、本実施例の冷却装
置を示す。本実施例の冷却装置45は、熱交換ユニット
1と、熱交換器40,41及び空気抜きチャンバー(ガ
ス抜きチャンバー)43,44によって構成される。以
下、熱交換ユニット1の構成から、順次説明する。
【0024】熱交換ユニット1は、ユニット本体17に
熱電モジュール7が内蔵され、さらにユニット本体17
に固定子8が外装されたものである。固定子8の取付け
には固定リング9が活用されている。またユニット本体
17は、加熱側ユニット片2と冷却側ユニット片3を持
ち、それぞれ加熱側攪拌部材5と冷却側攪拌部材6が配
されている。
【0025】加熱側ユニット片2は、ポリプロピレン樹
脂やポリエチレン樹脂を素材とする射出成形によって作
られたものである。加熱側ユニット片2の外観形状は、
図11の様に円板状のフランジ部2aと、これに続くボ
ス部2b,2cを持ち、さらに管部2d,2eが連続し
ている。すなわち加熱側ユニット片2は、フランジ部2
aを持ち、これに繋がる大径ボス部2bが設けられてい
る。また大径ボス部2bは、これよりも小径の小径ボス
部2cに繋がっている。そして小径ボス部2cの端部
は、さらに細くなっていて大径管部2dが構成され、大
径管部2dの端部はより細く作られていて小径管部2e
を構成している。前記した大径ボス部2b、小径ボス部
2c、大径管部2d及び小径管部2eはいずれも同心状
に配されているが、フランジ部2aについては、図3で
明らかなようにやや偏心している。このようにフランジ
部2aだけを偏心させた理由は、熱電モジュール7に給
電する端子2g(図3)を設けるためのスペースを確保
するためである。
【0026】本実施例で採用する加熱側ユニット片2で
は、大径管部2dの外周部に3個の突起2fが設けられ
ている。3個の突起2fは、同一円周状であって且つ互
いに等間隔となる位置に配されている。
【0027】加熱側ユニット片2の内部は空洞10にな
っており、加熱側ユニット片2は、当該空洞10によっ
て小径管部2e側からフランジ2a側にかけて貫通して
いる。また加熱側ユニット片2の内部の空洞10の断面
形状は、いずれの部位も円形である。空洞10の外径
は、それぞれボス部2b,2c及び管部2d,2eの外
径に相応した大きさであり、小径管部2e側からフラン
ジ部2a側にかけて順次大きくなっている。すなわち加
熱側ユニット片2の内部の空洞10は、4段階に区分さ
れ小径管部2e側から順次、第一空洞部10a,第二空
洞部10b、第一キャビティ10c、第二キャビティ1
0dがあり、第二キャビティ10dはフランジ部2a側
に開口している。本実施例では、小径管部2e側の開口
13は、熱媒体導入口として機能する。
【0028】第二キャビティ10dの開口端部は、更に
二段階に縁取りされている。第二キャビティ10dの開
口の第一段10eには、環状の溝2hが設けられてい
る。当該溝2hには、オーリング31が挿入される。第
二キャビティ10d開口の第二段10fは、熱電モジュ
ール7の外周径と略一致する内径を持つ。また加熱側ユ
ニット片2では、フランジ部2aのフランジ面にも環状
の溝2iが設けられている。当該溝2iには、オーリン
グ30が挿入される。
【0029】そして加熱側ユニット片2の内部には軸固
定部11が設けられている。軸固定部11は、図5,図
6,図9,図11(a)の様に円柱状の軸支持部11a
を持つ。そして当該軸支持部11aは、リブ11bによ
って空洞部10内に同心状に支持されている。より詳細
に説明すると、大径管部2dの内部、すなわち第二空洞
部10bに3本のリブ11bが放射状に設けられてい
る。そして各リブ11bの端部は、いずれも軸支持部1
1aの側面と一体的に結合しており、軸支持部11aを
空洞部10の中心に支持している。軸支持部11aの軸
方向の位置は、第二空洞部10bと第一キャビティ10
cに跨がった部位である。
【0030】軸固定部11の軸支持部11aには、ステ
ンレス等で作られた支軸12が一体的に固定されてい
る。従って支軸12は、空洞部10と同心状に固定支持
されている。
【0031】また大径ボス部2bには、内部(第二キャ
ビティ10d)から外に向かって連通するパイプ状の熱
媒体排出口14が設けられている。
【0032】加熱側攪拌部材5は、攪拌翼15と、モー
タの回転子16が一体化したものである。すなわち加熱
側攪拌部材5の攪拌翼15は、樹脂の射出成形によって
作られたものであり、ボス部15aと円板部15bを持
ち、円板部15bの一方の面に4個の羽根部材15cが
設けられてなるものである。羽根部材15cは、正面
(図12)から見て中心部分が細く、周方向に向かうに
従って幅広に作られており、さらにやや捩じれた形状を
している。羽根部材15cの外径dは、前記した加熱側
ユニット片2の第二キャビティ10dの外径Dを100
とすると、94以下である。すなわち加熱側攪拌部材5
を加熱側ユニット片2に装着した時、羽根部材15cと
第二キャビティ10dの内周面との間に、第二キャビテ
ィ10dの内周径の3%以上のクリアランスができる。
なお、加熱側攪拌部材5の羽根の形状は、本実施例に限
定されるものではなく、風車状の羽根やプロペラ状、あ
るいは円板に板体が垂直に立設されたものであってもよ
い。
【0033】また各羽根部材15cの内部に立方体形状
の永久磁石15dが取り付けられている。
【0034】一方、ボス部15aは、円板部15eの3
分の1から、4分の1程度の外径を持つ筒状体である。
そしてボス部15aの中心には、図13の様に管状の軸
受け部材15fが設けられている。すなわち軸受け部材
15fは、ボス部15aの内側に設けられた3本のリブ
15gにより、ボス部15aの中心軸に一致する部位に
保持されている。本実施例において、リブ15gは、板
状であり、図13の様にその面が軸線に対して傾斜して
いる。後記する様に熱媒体は、ボス部15aの中を通過
するが、本実施例では、リブ15gが軸線に対して傾斜
しているので、熱媒体が巻き込まれる。
【0035】モータの回転子16は、具体的には円柱状
の永久磁石である。回転子16には、フランジ部16b
が設けられている。回転子16の磁石部分の外径は、攪
拌翼15の約2分の1である。また回転子16の中央に
は、前記したボス部15aの外径と一致する孔16aが
設けられている。そして回転子16は、中央の孔16a
が攪拌翼15のボス部15aに挿入され、さらにフラン
ジ部16bが円盤部15bにネジ止めされている。すな
わち回転子16はネジによって、攪拌翼15と一体的に
結合されている。
【0036】次に加熱側ユニット片2と加熱側攪拌部材
5との関係について説明する。加熱側攪拌部材5は、加
熱側ユニット片2の第一キャビティ10cと第二キャビ
ティ10dに配される。より具体的には、加熱側攪拌部
材5の円板部15bと羽根部材15cが第二キャビティ
10dに位置し、回転子16が第一キャビティ10cに
配される。そして図6の様に、加熱側攪拌部材5の軸受
け部材15fに、ブッシュ29が介在された上で、加熱
側ユニット片2の支軸12が挿通されている。
【0037】支軸12は、前記した様に加熱側攪拌部材
5の軸受け部材15fに挿通される。そしてその状態
で、支軸12の先端に係止部28が取り付けられてい
る。係止部28は、支軸12に対してかしめられてお
り、支軸12から脱落することはない。したがって、加
熱側攪拌部材5の、軸受け部材15fの前方端面は、ブ
ッシュ29のつば29aを介して係止部28と当接し、
加熱側攪拌部材5の熱電モジュール7に近接する方向の
力は、係止部28によって支持される。また軸受け部材
15fの後方端面は、軸支持部11aの前端と当接す
る。従って加熱側攪拌部材5の軸受け部材15fは、軸
支持部11aと係止部28によって挟まれている。その
ため本実施例では、加熱側攪拌部材5は、回転可能であ
るが、軸方向には一体的に加熱側ユニット片2に固定さ
れている。そして加熱側攪拌部材5が加熱側ユニット片
2に装着された状態において、係止部28は、加熱側ユ
ニット片2のフランジ部2aのフランジ面よりも僅かに
内側に位置する。より具体的には、係止部28の先端
は、加熱側ユニット片2の開口部の第一段10eより
も、熱媒体導入口13側に位置にある。
【0038】加熱側ユニット片2と加熱側攪拌部材5が
組付けられた状態において、加熱側ユニット片2の熱媒
体導入口13と加熱側攪拌部材5の円板部15eの前面
側が連通する。すなわち熱媒体導入口13は、第一空洞
部10aと連通し、さらに第一空洞部10aは、加熱側
攪拌部材5のボス部15aの開口と連通する。そしてボ
ス部15aは、筒状であって、その先端部分は、加熱側
攪拌部材5の円板部15eの前面側に開口している。従
って加熱側ユニット片2の熱媒体導入口13と加熱側攪
拌部材5の円板部15eの前面側が連通する。本実施例
の熱電モジュールを内蔵する熱交換ユニットでは、上記
した一連の連通路が熱媒体の流路となる。すなわち本実
施例では、回転子16の径中心側に孔16aが設けられ
ており、当該孔16aが直接的に、あるいは当該孔16
aに挿入されたボス部15aの孔が、第二キャビティ1
0dに流体を導入する熱媒体導入通路の一部として機能
する。
【0039】次に冷却側ユニット片3及び冷却側攪拌部
材6の構成を説明する。冷却側ユニット片3は、前記し
た加熱側のユニット片2と略対掌形(左右勝手違い)で
あり、円板状のフランジ部3aを持つ。冷却側ユニット
片3では、ボス部3bは一段である。またボス部3bの
後端部は、管部3c,3dに繋がっている。冷却側ユニ
ット片3の大径管部3dの外周部は、平滑な円筒面であ
り、突起はない。冷却側ユニット片3の内部は前記した
加熱側のユニット片2と同様に空洞20になっており、
小径管部3e側からフランジ部3a側にかけて貫通して
いる。そして空洞20の内径は、3段階に区分され小径
管部3e側から順次、第一空洞部20a,第二空洞部2
0b及びキャビティ20dがあり、キャビティ20dは
フランジ部3a側に開口している。また小径管部3e側
の開口21は、熱媒体導入口として機能する。
【0040】冷却側ユニット片3の内部には、加熱側の
ユニット片2と同様に軸固定部22が設けられている。
軸固定部22は円柱状の軸支持部22aを持つ。そして
当該軸支持部22aは、リブ22bによって空洞部20
内に同心状に支持されている。リブ22bの形状や取付
け位置、数等は、前記した加熱側のユニット片2と同様
であり、第二空洞部10bに3本のリブ22bが放射状
に設けられていると共にその他端側が軸支持部22aの
側面と一体的に結合し、軸支持部22aを空洞部10の
中心に支持している。軸支持部22aの軸方向の位置
は、第二空洞部20bとキャビティ20dに跨がった部
位である。そして軸固定部22の軸支持部22aには、
ステンレス等で作られた支軸23が一体的に固定され、
支軸23は、空洞部20と同心状に固定支持されてい
る。
【0041】冷却側攪拌部材6は、攪拌翼である。すな
わち冷却側攪拌部材6は、固定子を持たない。冷却側攪
拌部材6は前記した加熱側攪拌部材5の羽根部材15c
と略同様の形状をしており、ボス部25aと円板部25
bを持ち、円板部25bの一方の面に4個の羽根部材2
5cが設けられたものである。羽根部材25cは、前記
した羽根部材15cと同様、中心部分が細く、周方向に
向かうに従って幅広に作られており、さらに時計方向に
捩じれた形状をしている。また各羽根部材25cの内部
に立方体形状の永久磁石25dが取り付けられている。
永久磁石25dは、熱電モジュール7を挟んで永久磁石
15dと引き合う様に極性が配置されている。
【0042】ボス部25aの形状・構造は、全長が短い
点を除いて、前記した加熱側攪拌部材5と同一である。
すなわちボス部25aの内側にはリブ25gが設けら
れ、リブ25gによって管状の軸受け部材25fが中心
軸に一致する部位に保持されている。
【0043】冷却側ユニット片3と冷却側攪拌部材6と
の関係は、前記した加熱側と略同一であり、冷却側攪拌
部材6は、冷却側ユニット片3のキャビティ20dに配
される。そして冷却側攪拌部材6の軸受け部材25f
に、ブッシュ33が介在された上で、冷却側ユニット片
3の支軸23が挿通されている。また先端に係止部32
が取り付けられている。係止部32は、支軸23に対し
てかしめられており、支軸23から脱落することはな
い。
【0044】熱電モジュール7は、図14の様に円板状
である。熱電モジュール7は、公知のペルチェ素子を利
用したものであり、P型半導体とN型半導体が並べて設
けられたものである。熱電モジュール7の断面構造は、
図15の通りであり、P型とN型の熱電半導体7c,7
dを上下交互の電極7eで直列に接続し、上下をセラミ
ックの絶縁板7fで固定したものである。なおP型熱電
半導体7cとN型熱電半導体7dの組み合わせがペルチ
ェ素子の最小単位である。そして本実施例で使用する熱
電モジュール7では、アルミニウムの円板同士の間に、
図14の様にペルチェ素子を円形に配したものである。
なお本実施例で採用する熱電モジュール7では、円板の
外周近傍部分には、ペルチェ素子はない。熱電モジュー
ル7としては、他に一つの角形の熱電モジュールをアル
ミニウムの円板で挟んだものも使用可能である。
【0045】固定子8は、モータを構成するコイルが内
蔵されたものである。固定子8の外径形状は、図6,
9,10の様にドーナツ状であり、中央に孔8aが設け
られている。また側面に電極部8bが設けられている。
【0046】固定リング9は、図16の様に円板状であ
り、「卍」に似た特殊形状の開口27が設けられてい
る。開口27の形状を詳細に説明すると次の通りであ
る。すなわち固定リング9の中央には、円形の開口27
aが設けられ、当該円形の部位から放射状に3本の溝2
7bが延びている。当該溝27bは、いずれも直線であ
り、その軸線は、円形の開口27aの中心を通過する。
また直線状の溝27bの端部は、いずれも同一方向に旋
回している。当該旋回部の溝27cは、円形の開口27
aを中心とする円弧である。固定リング9には、この様
に直線状の溝27bと、旋回状の溝27cが設けられて
いるので、両溝によって囲まれる部位が半島状に残る。
すなわち固定リング9には、円形の開口27aの周囲
に、3個の半島部27dが設けられている。
【0047】次に固定リング9の表裏の面形状を見る
と、固定リング9の裏面側は、図16(a)の様に平滑
である。これに対して固定リング9の表面側は、図16
(c)の様に全ての端部に補強リブが設けられている。
また図において、E,F,Dで示される部位、すなわち
半島部27dの表面側端部には、傾斜が設けられてい
る。
【0048】次に熱交換ユニット1の組み立て構造につ
いて説明する。熱交換ユニット1では、加熱側ユニット
片2と冷却側ユニット片3がオーリング30を挟んで一
体となり、その中央に二つのオーリング31を挟んで熱
電モジュール7が配されている。すなわち加熱側のユニ
ット片2と、冷却側のユニット片3は一体的に結合さ
れ、その中間部分に熱電モジュール7が装着されてい
る。
【0049】また加熱側ユニット片2のボス部2cに固
定子8が外装される。固定子8の固定方法は、次の手順
による。すなわち固定子8の孔8aに加熱側ユニット片
2のボス部2cを挿通する。そして固定子8に続いて固
定リング9を加熱側ユニット片2に外装する。固定リン
グ9の装着に際しては、図17aの様に溝9bと突起2
fとを一致させ、る。こうすることにより、突起2f
は、固定リング9の半島部27dと干渉せず、半島部2
7dは突起2fよりもフランジ部2a側に至る。そして
続いて固定リング9を図17の矢印の方向に回転させ、
半島部27dを突起2fと固定子8の間に挿入し、突起
2fと固定子8とを係合させる。その結果、固定子8
は、加熱側ユニット片2のボス部2cに一体的に固定さ
れる。
【0050】次に空気抜きチャンバー43,44につい
て説明する。高温側及び低温側の配管に設けられた空気
抜きチャンバー43,44は、何らかの理由で配管内に
混入したガスを集め、ガスが配管経路を循環することを
防止する機能と、何らか理由で、熱媒体が減少した場合
でも熱媒体を円滑に循環させることを目的として設けら
れるものである。空気抜きチャンバー43,44は、要
するに配管内のガスが集まる空間を設けるものであり、
配管経路の最も高い位置に、容積の大きな部位を設けた
ものである。
【0051】空気抜きチャンバー43,44の具体的構
成は、図18の通りであり、タンク状の容器体47に熱
媒体導入口48と、熱媒体排出口49が設けられたもの
である。ここで本実施例に特有の構成として、空気抜き
チャンバー43,44では、熱媒体導入口48と、熱媒
体排出口49には、いずれもパイプ(管状部材)70,
71が使用され、熱媒体導入口48及び熱媒体排出口4
9は、容器体47の内部に延長されている。すなわち熱
媒体導入口48を構成するパイプ70は、容器47の底
面の中心から容器体47に入る。また熱媒体導入口48
を構成するパイプ70は、容器47内において、容器4
7の重心の近傍まで至り、容器47の重心近傍で開口し
ている。
【0052】より具体的に説明すると、熱媒体導入口4
8の容器体内部における開口73は、容器体47の内壁
75によって囲まれる範囲であって、容器体47の中心
又は重心76と中心又は重心76が共通し、体積が容器
体47の体積の2分の1の相似形の領域77内にある。
またより望ましくは、熱媒体導入口48の容器体内部に
おける開口73は、容器体47の内壁75によって囲ま
れる範囲であって、容器体47の中心又は重心76と中
心又は重心76が共通し、体積が容器体47の体積の4
分の1の相似形の領域77内に設けられる。
【0053】一方、熱媒体排出口49を構成するパイプ
71は、容器47の側面から容器体47に入る。また熱
媒体導入口49を構成するパイプ71は、容器47内に
おいて、容器47の重心の近傍まで至り、容器47の重
心近傍で開口している。すなわち熱媒体排出口49を構
成するパイプ71についても、熱媒体導入口48の容器
体内部における開口78は、容器体47の内壁75によ
って囲まれる範囲であって、容器体47の中心又は重心
76と中心又は重心76が共通し、体積が容器体47の
体積の2分の1の相似形の領域77内にある。またより
望ましくは、熱媒体導入口48の容器体内部における開
口78は、容器体47の内壁75によって囲まれる範囲
であって、容器体47の中心又は重心76と中心又は重
心76が共通し、体積が容器体47の体積の4分の1の
相似形の領域77内に設けられる。
【0054】熱交換器40,41は、公知の放熱用のコ
ンデンサおよび吸熱用のエバーである。
【0055】次に本実施例の冷却装置45の配管につい
て説明する。本実施例の冷却装置45では、熱交換ユニ
ット1の高温側は、放熱用のコンデンサ(熱交換器)4
0及び高温側空気抜きチャンバー43と配管結合され
る。より具体的には、放熱用のコンデンサ(熱交換器)
40の吐出口と、熱交換ユニット1の熱媒体導入口13
が接続される。また熱交換ユニット1の熱媒体排出口1
4と高温側空気抜きチャンバー46の導入口48が接続
される。また高温側空気抜きチャンバー46の熱媒体排
出口49と放熱用のコンデンサ(熱交換器)40の導入
口が接続されている。こうして熱交換ユニット1の高温
側、高温側空気抜きチャンバー46及び放熱用のコンデ
ンサ(熱交換器)40からなる一連の閉回路が構成され
る。
【0056】熱交換ユニット1の冷却側の配管について
も同様であり、吸熱用のエバー(熱交換器)41及び低
温側空気抜きチャンバー44と配管結合され、一連の閉
回路が構成されている。
【0057】そして配管回路内には、水を主体とする熱
媒体が循環される。なお、冷却側の配管回路内には、プ
ロピレングリコール等の不凍液を添加することが望まし
い。熱媒体は、比熱が大きい点から水を主体とする流体
を採用することが望ましいが、勿論他の液体であっても
良い。本実施形態の冷却装置では、熱交換ユニット1が
熱媒体を移動させるポンプ部材の機能を兼ねるので、特
別のポンプは設けられていない。
【0058】この状態で、熱交換ユニット1の熱電モジ
ュール7に通電し、さらに固定子8にも通電を行う。そ
の結果、熱電モジュール7の加熱側伝熱面(放熱面)7
aの温度が上昇し、冷却側伝熱面(吸熱面)7bの温度
が低下する。
【0059】また固定子8が励磁され、磁力が加熱側ユ
ニット片2を貫通して内部の回転子16に作用する。そ
の結果、加熱側ユニット片2内の回転子16に回転力が
発生する。すなわち、本実施例の熱電モジュールを内蔵
する熱交換ユニット1では、加熱側ユニット片2の内外
に設けられた回転子16と、固定子8とによって、一つ
のモータが構成されている。そのため固定子8に通電す
ることにより、加熱側ユニット片2内の回転子16が回
転する。その結果、回転子16と一体となった加熱側攪
拌部材5が回転し、加熱側攪拌部材5の攪拌翼15が回
転を始める。
【0060】また攪拌部材5,6の磁石15d,25d
同士が引き付け合い、加熱側の第二キャビティ10d内
にある加熱側攪拌部材5の回転に伴って、冷却側の冷却
側攪拌部材6も回転を開始する。
【0061】そして各キャビティ内の熱媒体が回転し、
熱媒体にエネルギーが付与される。そして回転力が付与
された熱媒体は、それぞれ熱媒体排出口14,24から
外部に吐出される。また熱交換ユニット1内では、羽根
部材15c,25cの中心部分に入った熱媒体は、羽根
部材15c,25cによって攪拌され、高い頻度で熱電
モジュール7の放熱面又は吸熱面と接触する。
【0062】また熱媒体は、羽根部材15c,25cの
回転によって付勢され、熱媒体排出口14,24からか
ら排出される。熱媒体の排出に伴い、熱媒体導入口1
3,21から新たな熱媒体が吸い込まれる。
【0063】こうして熱交換ユニット1の高温側と、空
気抜きチャンバー46及び放熱用のコンデンサ(熱交換
器)40からなる一連の高温側配管と、熱交換ユニット
1の冷却側、吸熱用のエバー(熱交換器)41及び低温
側空気抜きチャンバー44からなる一連の低温側配管の
それぞれに熱媒体が循環する。そして低温側配管には、
熱交換ユニット1の低温側伝熱面によって冷却された熱
媒体が循環し、熱交換器41によって所望の冷却が行わ
れる。例えば冷蔵庫であれば、熱交換器41によって庫
内の空気が冷却される。
【0064】またそれぞれの配管に何らかの理由で混入
した気体の気泡90は、それぞれの配管に設けられた空
気抜きチャンバー44,46に集められる。すなわち各
配管に気体が混入し、気泡が発生した場合、気泡は、熱
媒体の循環に伴って移動し、空気抜きチャンバー44,
46の熱媒体導入口48から容器体47内に入る。そし
て気泡は、熱媒体と共に、容器体内部における開口73
から一旦容器体47の大容積部分に開放される。ここで
気泡は、熱媒体に比べて極めて軽いために浮上し、容器
体47の上部に溜まる。そのため容器体47内で、熱媒
体と気体が分離される。そして熱媒体導入口48の容器
体内部における開口78からは、熱媒体だけが吸い込ま
れ、配管経路には、熱媒体だけが循環する。
【0065】以上は、空気抜きチャンバー44,46の
機能を説明したものであるが、本実施例で採用する空気
抜きチャンバー44,46は、傾斜姿勢でも使用するこ
とができる。すなわち本実施例で採用する空気抜きチャ
ンバー43,44は、熱媒体導入口48及び熱媒体排出
口49が、容器47の中心部又は重心部で開口するの
で、空気抜きチャンバー43,44の方向性が希薄であ
る。従って、本実施例で採用する空気抜きチャンバー4
3,44は、図18又は図20(a)の様な水平姿勢で
使用することが望ましいが、図20(b)の様に何らか
の理由で傾斜状態となっても、熱媒体導入口48及び熱
媒体排出口49の開口は、常に熱媒体に浸っている。そ
のため本実施例で採用する空気抜きチャンバー43,4
4は、傾斜姿勢で使用されても、熱媒体導入口48及び
熱媒体排出口49の容器47内の開口78から、空気
(又はガス)を吸い込むことがない。
【0066】なお、空気抜きチャンバー43,45内に
おける熱媒体導入口48の開口73及び、熱媒体排出口
49の開口78は、前記した様に、所定範囲の相似形領
域に配されるが、これとは別の設計指針として、容器体
の容積の80%相当の熱媒体を封入して容器体を任意に
軸を中心として回転したとき、常に熱媒体によって封鎖
される位置に開口73、78を設ける方策も推奨され
る。すなわち空気抜きチャンバー内の熱媒体は、長期使
用によってその容積の20%程度が気体と置換される場
合があるため、熱媒体導入口及び熱媒体排出口の容器体
内部における開口を上記した範囲に設けるのである。
【0067】以上説明した実施例では、高温側と低温側
の二つの閉回路を有する例を開示し、その両方に空気抜
きチャンバー43,45を設けたが、閉回路の一方だけ
に空気抜きチャンバーを設けてもよい。またそもそも二
つの閉回路を持たない冷却装置もあるため、当該構成の
冷却装置に本発明を適用する場合には、単一の閉回路に
空気抜きチャンバーを設けることとなる。
【0068】(実施例2)次に本発明の第2実施例につ
いて説明する。なお、以下に説明する第2以降の実施例
の説明では、第1実施例と同一の機能を発揮する部材に
同一の番号を付して、重複した説明を省略する。図21
は、空気抜きチャンバーの変形例の断面図である。第2
実施例で採用する空気抜きチャンバー80は、図21に
示す構造である。図21に示す空気抜きチャンバー80
では、熱媒体導入口48及び熱媒体排出口49が「L」
字状に曲がった一本のパイプ51によって構成されてい
る。本実施例では、パイプ50の角の部位が容器47の
重心又は中心にある。そして当該角の部位に開口52が
設けられている。本実施例の空気抜きチャンバー80
は、姿勢の自由度をより重要視した構成である。本実施
例の空気抜きチャンバー80によると、気泡は、熱媒体
の循環に伴って移動し、空気抜きチャンバー80の容器
体47内に入る。そして気泡は、角の部位に設けられた
開口51から容器体47の大容積部分に逃げ、熱媒体と
気体が分離される。そして配管経路には、熱媒体だけが
循環する。
【0069】本実施例の空気抜きチャンバー80は、
「L」字状に曲がった一本のパイプ51を使用するもの
であり、熱媒体導入口48及び排出口49の開口(第一
実施例では、73,78)を角に設けた開口51によっ
て共通化したものである。すなわち開口51の一部が熱
媒体導入口48の開口に相当し、他の一部が熱媒体排出
口49の開口として機能する。本実施例の構成は、共通
開口たる開口51をパイプの一部に設けたので、開口5
1を容器体47のより中心又は重心に近い位置に配置し
やすい。しかしながら、何らかの理由で、開口51を容
器体47の中心又は重心に配置できない場合は、第一実
施例と同様に容器体47の中心又は重心76と中心又は
重心76が共通し、体積が容器体47の体積の2分の1
の相似形の領域77内に設けることが推奨される。
【0070】ここで本実施例に特有の構成として、熱媒
体導入口48と、熱媒体排出口49には、いずれもパイ
プ(管状部材)70,71が使用され、熱媒体導入口4
8及び熱媒体排出口49は、容器体47の内部に延長さ
れている。すなわち熱媒体導入口48を構成するパイプ
70は、容器47の底面の中心から容器体47に入る。
また熱媒体導入口48を構成するパイプ70は、容器4
7内において、容器47の重心の近傍まで至り、容器4
7の重心近傍で開口している。より具体的に説明する
と、熱媒体導入口48の容器体内部における開口73
は、容器体47の内壁75によって囲まれる範囲であっ
て、容器体47の中心又は重心76と中心又は重心76
が共通し、体積が容器体47の体積の2分の1の相似形
の領域77内にある。またより望ましくは、熱媒体導入
口48の容器体内部における開口73は、容器体47の
内壁75によって囲まれる範囲であって、容器体47の
中心又は重心76と中心又は重心76が共通し、体積が
容器体47の体積の4分の1の相似形の領域77内に設
けられる。
【0071】
【発明の効果】本発明の冷却装置では、配管経路内にガ
ス抜きチャンバーが設けられている。そして本発明の冷
却装置では、配管内のガスの気泡がガス抜きチャンバー
の容器内に入ったとき、ガスは容器内で浮上して容器の
上部に溜まる。そのため配管内の気泡は、すべてガス抜
きチャンバーに集められ、熱電モジュールの伝熱面は熱
媒体だけが接触する。そのため本発明の冷却装置は、配
管の気泡が除去され、冷却効率が高い。また傾斜姿勢で
も支障なく使用することができる。また本発明の冷却装
置では、熱媒体導入口と熱媒体排出口はそれぞれ管状部
材によって容器の内部に延長されているので、冷却装置
を傾斜させても熱媒体導入口と熱媒体排出口が露出せ
ず、常時熱媒体に浸った状態を維持する。そのため本発
明の冷却装置では、傾斜姿勢においても、配管経路に気
泡が混入しない。従って本発明の冷却装置は、傾斜姿勢
でもしようするこができる効果がある。
【0072】また請求項2,3に記載の冷却装置では、
熱媒体導入口及び熱媒体排出口の容器体内部における開
口が、いずれも容器体の中心部に設けられている。その
ため請求項2,3に記載の冷却装置は、傾斜姿勢でしよ
うすることができる効果がより顕著である。
【0073】請求項4に記載の冷却装置では、熱媒体導
入口及び熱媒体排出口の容器体内部における開口が特定
の位置に設けられているので、冷却装置が傾斜姿勢とな
っても、熱媒体導入口及び熱媒体排出口の開口が露出し
ない。そのため請求項4に記載の冷却装置は、傾斜姿勢
でしようすることができる効果がより顕著である。
【0074】また請求項5に記載の冷却装置では、配管
経路中の気泡は、管体の一部に設けられた開口から抜
け、容器体の上部に溜まる。そのため本発明の冷却装置
は、配管の気泡が除去され、冷却効率が高い。また傾斜
姿勢でも支障なく使用することができる。
【0075】さらに請求項6に記載の冷却装置は、 本
発明の冷却装置では、熱交換ユニットのキャビティ内に
流れが発生するので、熱交換効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却装置の構成図
【図2】図1の冷却装置で使用する熱交換ユニットの正
面図
【図3】図2の右側面図
【図4】図2の左側面図
【図5】図2の熱電モジュールを内蔵する熱交換ユニッ
トの正面断面図
【図6】図5の支軸周辺部の拡大図
【図7】図4の熱電モジュール端部の拡大図
【図8】図2の熱交換ユニットの分解斜視図
【図9】(a)は、図2の熱交換ユニットの加熱側の詳
細分解斜視図、(b)はさらに加熱側攪拌部材の分解斜
視図、(c)は加熱側熱交換ユニットの小径ボス部の断
面図、(d)は加熱側攪拌部材のボス部の断面図
【図10】図2のマニホールドの固定子周辺の詳細分解
斜視図
【図11】図2のマニホールドの加熱側マニホールドの
正面図及び断面図
【図12】図2のマニホールドに内蔵されている攪拌部
材の正面図
【図13】図12の攪拌部材の断面図
【図14】熱電モジュールの正面図
【図15】熱電モジールの断面図
【図16】固定リングの正面断面図及び左右の側面図
【図17】固定リングの締結手順を示す説明図
【図18】空気抜きチャンバーの断面図
【図19】空気抜きチャンバーの断面斜視図
【図20】空気抜きチャンバーの機能を説明する断面図
【図21】空気抜きチャンバーの変形例の断面図
【符号の説明】
1 熱交換ユニット 5 加熱側攪拌部材 6 冷却側攪拌部材 7 熱電モジュール 45 冷却装置 40,41 熱交換器 43,44 空気抜きチャンバー(ガス抜きチャンバ
ー) 47 容器体 51 パイプ 52 開口 73 開口 78 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木戸 長生 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 森下 賢一 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 藤本 真嗣 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二以上の伝熱面を有し電流を流すことに
    より一方の伝熱面が加熱され他方の伝熱面が冷却される
    熱電モジュールを内蔵し、液状熱媒体を通過させること
    により少なくとも一方の伝熱面と熱媒体との間で熱交換
    が可能である熱交換ユニットと、熱交換器と、ポンプ部
    材と、ガス抜きチャンバーと、これらの間を環状に接続
    すると共に液状熱媒体で満たされた配管を有し、前記ガ
    ス抜きチャンバーは、密閉状の容器体に熱媒体導入口と
    熱媒体排出口が設けられていて両者の間が連通するもの
    であり、熱媒体導入口と熱媒体排出口はそれぞれ管状部
    材によって容器の内部に延長されていることを特徴とす
    る冷却装置。
  2. 【請求項2】 熱媒体導入口及び熱媒体排出口の容器体
    内部における開口は、容器体によって囲まれる範囲であ
    って、その重心から容器体の体積が2分の1の相似形範
    囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の冷却装
    置。
  3. 【請求項3】 熱媒体導入口及び熱媒体排出口の容器体
    内部における開口は、容器体によって囲まれる範囲であ
    って、その中心から容器体の体積が2分の1の相似形範
    囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の冷却装
    置。
  4. 【請求項4】 熱媒体導入口及び熱媒体排出口の容器体
    内部における開口は、容器体の容積の80%相当の熱媒
    体を封入して容器体を任意に軸を中心として回転したと
    き、常に熱媒体によって封鎖される位置に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    冷却装置。
  5. 【請求項5】 熱媒体導入口及び熱媒体排出口は、容器
    体の内部において一連の管体によって接続されており、
    当該管体の一部に開口が設けられていることを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれかに記載の冷却装置。
  6. 【請求項6】 熱交換ユニットは、熱電モジュールの少
    なくとも一方の伝熱面との間にキャビティを有し、当該
    キャビティの内部に撹拌部材が設けられたものであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の冷却
    装置。
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