JP2006249966A - 遠心ポンプ及びそれを用いた冷却装置 - Google Patents

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利彦 松田
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隆 難波
Shiro Yamashita
士郎 山下
Yohei Minezaki
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Abstract

【課題】本発明は、熱伝導部中央部分での熱交換の効率化を図り、かつその遠心ポンプ内の空気の泡を円滑に除去することにより、その冷却性能を向上した冷却装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、遠心ポンプ1が、第1ケーシング9と、第1ケーシング9と嵌合して内部に液体冷媒を流すための空間を形成する第2ケーシング7と、その間に隔壁部材11とを備え、第1ケーシング9又は隔壁部材11の相互に対向する側のいずれかの面に、液体冷媒を導入する伝熱導入路15に連通した周回伝熱室12を形成するための1乃至複数の案内板9fを突設し、伝熱導入路15を吸込伝熱室の一方側から中央を越えた位置まで延ばすとともに、隔壁部材11には貫通穴11aと脱泡穴11hを設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、パーソナルコンピュータ等に使われるマイクロプロセッシングユニット(以下、MPUと称する)等の発熱する半導体、またはその他の発熱部を有する電子部品などの発熱電子部品を液体冷媒の循環により冷却する冷却装置と、その冷却装置で使用される遠心ポンプに関するものである。
最近のコンピュータなどの電子機器におけるデータ処理の高速化の動きはきわめて急速であり、MPUなどの発熱電子部品のクロック周波数は以前と比較して格段に大きなものになってきているので、その発熱量が増大している。このため、各発熱電子部品が動作温度範囲を越えてしまい、電子部品が誤動作することが少なからず発生している。
したがって、その電子機器内に実装された各発熱電子部品を動作温度範囲内に保つことは、それらの各発熱電子部品を正常に動作させることとなり、その結果、その電子機器を安定して操作できるようにするための重要な課題となってきている。
従来のように発熱電子部品の放熱方法として複数個の放熱フィンから構成されたヒートシンクを発熱電子部品に接触させて自然放熱する方法だけでなく、そのヒートシンクをファン装置で送風冷却する方法、受熱部からヒートパイプを用いて放熱部に熱接続したヒートシンクモジュールにおいてその放熱部をファン装置により強制的に送風冷却する方法、あるいは、液体冷媒をポンプにより強制的に液循環させ受熱部から放熱部へ熱輸送を行なった液冷却方式による冷却装置などが必要不可欠になっており、今後さらにそれら冷却装置の冷却能力の向上と併せて小型軽量化も必要とされている。
そこで、発熱電子部品に対しては十分な冷却能力が得られない場合には、例えば(特許文献1)に記載された、より冷却能力の高く、高効率の冷却装置が用いられる。
図11は、その液冷却装置における受熱部一体型の遠心ポンプ100の断面図で、基板101に実装された発熱電子部品102から受熱した熱が熱伝導部103を経由し、遠心ポンプ100の内部でのシャフト104により軸支された羽根車105の回転運動により矢印で示した方向に循環する液体冷媒と熱交換し、さらに図示しない放熱器へと熱輸送される状態を示している。
詳しく説明すると、吸込路106から流入し回転する羽根車105の略中心に開口した吸液口105aより吸い込まれた液体冷媒が、その後羽根車105に形成された複数の渦巻状又は螺旋状の流路(図示せず)を遠心方向に流れ、その周縁部に設けられた吐液口105bを通過して吐出路107の方向へ流出する。
つまり、羽根車105の回転運動によって液体冷媒への遠心方向の推進力が与えられ、それが遠心ポンプ100の液循環力となっている。
特開2004−134423号公報(第10頁、図2)
しかしながら、前述した(特許文献1)の冷却装置では、液体冷媒が羽根車の中心から遠心方向に向かって羽根車に形成された複数の渦巻状又は螺旋状の流路を流れながら、その一部は温められた熱伝導部と接触し熱交換を行なうものの、他の部分は羽根車の周縁方向に直接流れ、最も温度が高くなる発熱電子部品の略中央部分に対向した熱伝導部中央領域と液体冷媒の実効的な接触面積が小さくなるので効率的かつ十分な熱交換を行なうことが困難であるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、受熱部一体型の遠心ポンプの構造を改良し、熱伝導部中央部分での熱交換の効率化を図り、さらに受熱部一体型の遠心ポンプ内で大きな熱抵抗となる空気の泡を円滑に除去することにより、冷却性能を向上した冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係わる遠心ポンプは、発熱電子部品と接触し受熱するための受熱面を形成する第1ケーシングと、第1ケーシングと嵌合して内部に液体冷媒を流すための空間を形成する第2ケーシングと、第1ケーシングと第2ケーシング間に挟装され第1ケーシングとの間で吸込伝熱室を形成するとともに前記第2ケーシングとの間では羽根車を収容するポンプ室を形成する隔壁部材とを備え、第1ケーシング又は隔壁部材の相互に対向する側のいずれかの面に液体冷媒を導入する伝熱導入路に連通した周回伝熱室を形成するための1乃至複数の仕切り部を突設し、伝熱導入路を吸込伝熱室の一方側から中央を越えた位置まで延ばすとともに、隔壁部材には吸込伝熱室とポンプ室を連通する貫通穴と脱泡穴を設けたことを主要な特徴としている。
本発明の冷却装置は、熱伝導部中央部分での熱交換の効率化を図り、かつその遠心ポンプ内の空気の泡を円滑に除去することにより、その冷却性能を向上できるという効果を奏する。
本発明の請求項1記載の発明は、発熱電子部品と接触し受熱するための受熱面を形成する第1ケーシングと、第1ケーシングと嵌合して内部に液体冷媒を流すための空間を形成する第2ケーシングと、第1ケーシングと第2ケーシング間に挟装され第1ケーシングとの間で吸込伝熱室を形成するとともに前記第2ケーシングとの間では羽根車を収容するポンプ室を形成する隔壁部材とを備え、第1ケーシング又は隔壁部材の相互に対向する側のいずれかの面に液体冷媒を導入する伝熱導入路に連通した周回伝熱室を形成するための1乃至複数の仕切り部を突設し、伝熱導入路を吸込伝熱室の一方側から中央を越えた位置まで延ばすとともに、隔壁部材には吸込伝熱室とポンプ室を連通する貫通穴と脱泡穴を設けたことを特徴とする遠心ポンプであって、吸込伝熱室は仕切り部により仕切られ、その内側の伝熱導入路とその外側周辺の周回伝熱室によって構成されており、最初に伝熱導入路に流入した液体冷媒を仕切り部によって伝熱導入路より周回伝熱室に迂回させることで、最も温度が高くなる発熱電子部品の略中央部分に対向した第1ケーシングの中央部全体を占める伝熱導入路において液体冷媒を高速で接触させることにより十分な熱交換を行い、その後、周回伝熱室に迂回した液体冷媒が第1ケーシング外周の周回伝熱室において、発熱電子部品から短い伝熱経路にて液体冷媒が第1ケーシングと接触するので、第1ケーシングの中央部分と外周部分の全体としての熱抵抗を小さくでき、液体媒体との熱交換をより効率的に行なうことができる。
しかも、循環路を通過した微量の空気が循環する液体冷媒に混入し遠心ポンプまで到達し、第1ケーシングと隔壁部材の間に滞留するおそれがある場合でも、脱泡穴を通過させることによりその空気の泡をポンプ室側に円滑に逃がすこともできる。その結果、液体冷媒との熱交換の妨げともなる熱抵抗の大きな空気の泡が第1ケーシングと隔壁部材間に滞留し蓄積することもなくなるので、それらの相乗効果により冷却性能を向上することができる。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に従属する発明で、第1ケーシングの隔壁部材に対向する側の面に複数の放熱用突起を設けたことを特徴とする遠心ポンプであって、伝熱導入路及び周回伝熱室内の液体冷媒と第1ケーシングとの接触面積を増大させることができ、伝熱効率が向上し、全体としての冷却性能をさらに向上することができる。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に従属する発明で、隔壁部材において、貫通穴を第一ケーシングの隔壁部材に対向する側の面に突設した仕切り部の対向部より外周側に配置し、脱泡穴の吸込伝熱室側開口を周回伝熱室側に配置したことを特徴とする遠心ポンプであって、伝熱導入路へ流入した液体冷媒がその伝熱導入路から直接的に貫通穴を通過してポンプ室に流出するのを防止し、仕切り部によって液体冷媒を伝熱導入路より周回伝熱室に十分迂回させることができる。
つまり、まずは発熱電子部品の略中央部分に対向した温度が最も高くなる第1ケーシングの中央部全体を占める伝熱導入路において液体冷媒を高速で接触させることにより十分な熱交換を行い、その後さらに、周回伝熱室に迂回した液体冷媒が第1ケーシングの外周に位置する周回伝熱室において、発熱電子部品から短い伝熱経路にて液体冷媒が第1ケーシングと接触し続けるので、第1ケーシングの中央部分と外周部分の全体としての熱抵抗をより小さくでき、その結果、液体媒体との熱交換をより効率的に行なうことができる。
また、循環路を通過した微量の空気が循環する液体冷媒に混入し遠心ポンプまで到達し、第1ケーシングと隔壁部材の間に滞留するおそれがある場合でも、その空気の泡がより滞留しやすい周回伝熱室側に脱泡穴の吸込伝熱室側開口を配置したことで容易かつ円滑にポンプ室側に逃がすこともできる。
その結果、液体冷媒との熱交換の妨げともなる熱抵抗の大きな空気の泡が第1ケーシングと隔壁部材間に滞留し蓄積することもなくなるので、それらの相乗効果により冷却性能を向上することができる。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明に従属する発明で、隔壁部材において、貫通穴のポンプ室側開口を吸込伝熱室側開口よりも羽根車の回転中心側に配置したことを特徴とする遠心ポンプであって、十分熱交換を行なうために貫通穴の吸込伝熱室側開口を放熱用突起の対向部のより外周部分に近づくように配置したとしても、貫通穴のポンプ室側開口をその位置よりも羽根車の回転中心側に配置し連通することにより、ポンプ室側への液体冷媒の流入位置が羽根車の回転中心側により近づくこととなり、その分遠心方向の推進力が高まりポンプの液駆動性を損なうことなく、遠心ポンプの液循環能力を最大に活用することができ、より冷却性能を向上できる。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明に従属する発明で、仕切り部が伝熱導入路を形成する一対の案内板であることを特徴とする遠心ポンプであって、伝熱導入路に流入した液体冷媒を一対の案内板で構成された仕切り部によって伝熱導入路より周回伝熱室に均等に迂回させることで、まず最も温度が高くなる発熱電子部品の略中央部分に対向した第1ケーシングの中央部全体を占める伝熱導入路に対して集中的に液体冷媒を高速に接触させることができより十分な熱交換を行い、その後、周回伝熱室に迂回した液体冷媒が第1ケーシング外周の周回伝熱室において、発熱電子部品から短い伝熱経路にて液体冷媒が第1ケーシングと接触するから、第1ケーシングの中央部分と外周部分の全体としての熱抵抗を小さくできるので、液体媒体との熱交換をさらに効率的に行なうことができ伝熱効率が向上し、より冷却性能を向上できる。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明に従属する発明で、第1ケーシング又は隔壁部材に、伝熱導入路から流出した液体冷媒を周回伝熱室の2方向に分流する分流壁を設けたことを特徴とする遠心ポンプであって、伝熱導入路から流出した液体冷媒が分流壁により偏流することなく均等に分流されるので、周回伝熱室のそれぞれにおいて均等に液体冷媒と接触することとなり、第1ケーシングの外周部でも効率的かつ均等に熱交換を行なえるので、全体としてより冷却性能を向上できる。
本発明の請求項7記載の発明は、液体冷媒を循環するための閉循環路に放熱器と請求項1記載の遠心ポンプを備えたことを特徴とする冷却装置であって、遠心ポンプの伝熱導入路に流入した液体冷媒を仕切り部によって伝熱導入路より周回伝熱室に迂回させることで、まず最も温度が高くなる発熱電子部品の略中央部分に対向した第1ケーシングの中央部全体を占める伝熱導入路において液体冷媒を高速で接触させることができ十分な熱交換を行い、その後、周回伝熱室に迂回した液体冷媒が第1ケーシング外周の周回伝熱室において、発熱電子部品から短い伝熱経路にて液体冷媒が第1ケーシングと接触するから、第1ケーシングの中央部分と外周部分の全体としての熱抵抗を小さくできるので、液体媒体との熱交換をより効率的に行なうことができる。
しかも、その冷却装置の循環路を通過した微量の空気が循環する液体冷媒に混入し遠心ポンプまで到達し、第1ケーシングと隔壁部材の間に滞留するおそれがある場合でも、脱泡穴を通過させることによりその空気の泡をポンプ室側に円滑に逃がすこともできる。その結果、液体冷媒との熱交換の妨げともなる熱抵抗の大きな空気の泡が第1ケーシングと隔壁部材間に滞留し蓄積することもなくなるので、それらの相乗効果によりその冷却装置全体の冷却性能を向上することができる。
以下本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1〜図4において、図1は本発明の実施例1における遠心ポンプ1の断面図で、図2は同実施例における第1ケーシング9の斜視図で、図3はそれとは別形状の第1ケーシング9の斜視図で、図4は同実施例における隔壁部材11の斜視図である。
なお、図1における本発明の特徴部分である放熱用突起である放熱フィン9c、仕切り部である案内板9f、貫通穴11a、及び脱泡穴11hについては、本来同一断面図上に現れないが、説明を容易にするため同一の断面図上に示した。
まず、図1に基づいて遠心ポンプ1の内部構成について説明する。図1において、羽根車2は遠心ポンプ1の略中心部に軸支され、オープン型の羽根2aが羽根車2の表面に略放射状に複数個立設され、羽根車2の中心部近傍には小孔2bが設けられ、マグネットロータ3が羽根車2の内周側方に設けられている。
羽根車2はマグネットロータ3と別体で構成してもよいが、マグネットロータ3となる部分に着磁させた一体型の羽根車2とするのが好適である。
この羽根車2が液体冷媒内で回転すると、羽根2aの外周側における液体冷媒の圧力は羽根2aの周縁の方が羽根車2の入口(図1のKで示した中央の部分)より高くなり、また羽根車2の入口の圧力は小孔2bによって連通した羽根車2の裏側圧力と略同一であるから、液体冷媒は羽根車2の裏面を通り、小孔2bを抜けて入口へ少量還流する。これにより小孔2bがない場合と比較して羽根車2へスラスト力が軽減され羽根車2の回転がよりスムーズになる。
なお、実施例1の遠心ポンプ1は小型で一般の遠心ポンプに対して数十分の一、若しくは数百分の一以下の大きさであり、一例としてその諸元を示すと、厚さ3mm〜50mm、半径方向代表寸法10mm〜100mm、回転数は1000rpm〜8000rpm、ヘッド0.5m〜10m程度のポンプである。
次に、マグネットロータ3の内周側にはステータ4が設けられ、磁界を発生させるコイル5がステータ4に巻かれ、回路基板6はコイル5に電流を流す電気回路が実装されている。ここで、ステータ4は渦電流損失を少なくするため珪素鋼板を複数枚積層して構成されることが望ましく、コイル5としては絶縁皮膜のついた銅線が適しており、コイル5の線径と巻数は使用される電源電圧、線積率を鑑み最適化される。
そして、回路基板6上には、マグネットロータ3の回転位置を検出するホール素子、電流方向切り替え用のトランジスタやダイオードが実装されている。
また、第2ケーシング7は羽根車2を収容すると同時に羽根車2により推進力を与えられた液体冷媒をその側面に接続された吐出路7aの方向へ導き、また吸込路7bも第2ケーシング7の側面の同じ方向に接続されている。
さらに、第2ケーシング7はその形状が複雑であり、加えてある程度の耐熱性が要求されることから、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)等の樹脂成型での製作がより好適である。
反面、第2ケーシング7を金属で製作することは、ステータ4等の磁気回路が発生する磁束変動により渦電流損失を発生させるので好ましくない。
そして、ポンプ室8ではオープン型の羽根2aにより推進力を与えられた液体冷媒が吐出路7aへと導かれる。
一方、第1ケーシング9は熱伝導性グリース等(図示せず)を介し発熱電子部品10と直接的に接触するので、その表面はなるべく平面度を高くし、高熱伝導率で放熱性のよい銅、アルミニウム等の金属材料を用いて、鋳造、鍛造、機械加工やこれらの組み合わせの加工方法により製作される。そして、第1ケーシング9は第2ケーシング7と嵌合され、その内部にポンプ室8などの液体冷媒を流すための所定の空間を形成する。
ところで、この第1ケーシング9は、発熱電子部品10から受け取った熱を液体冷媒と高効率で熱交換するために、図2又はそれとは別形状の図3に示すような構造が好ましく、以下、この第1ケーシング9について説明する。
まず、第1ケーシング9の外周部には第2ケーシング7と当接する鍔部9aが形成され、その下部には2点鎖線で示した発熱電子部品10との接触面である受熱面9bが設けられ、その背面側には複数の放熱用突起である放熱フィン9cが配置され、その液体冷媒との接触面積を増大し熱伝導を促進し、発熱電子部品10から受け取った熱を効率的に液体冷媒に伝える働きを行なう。
またベース部9dの上部外周部にはリング状凸部9eが形成され、その内側には仕切り部となる案内板9fがベース部9dに略垂直に立つように形成され、第1ケーシング9上に流入してきた液体冷媒がベース部9dの上方に位置する吸込伝熱室(後述する)の略中心を通り抜けるように液体冷媒の流れ方向を規制する役目をしている。
なお、第1ケーシング9と液体冷媒との接触面積をより大きくするため、仕切り部となる案内板9fを第1ケーシング9と一体に形成したが、製造上の都合により、後述する皿形状の隔壁部材11の裏面に形成したり、単品の部品で構成したりすることも可能である。
また、仕切り部である案内板9fから流入した液体冷媒の流れを周回伝熱室12内で2方向に分流するための分流壁9g(図2にて後述する)が、流入する液体冷媒の流れと向かい合うようにリング状凸部9eに設けられている。なお、この分流壁9gは、第1ケーシング9のリング状凸部9eと一体に形成したが、隔壁部材11の第1ケーシング9に対向する側の面に設けても構わない。
ところで遠心ポンプ1は、複数の放熱用突起として図2に示すような複数のピン状の放熱フィン9cを立設しているが、これに代えて、図3のようにピン状のフィンとプレート状、リブ状、又はその他の形状のフィンと混在させてもよく、あるいはそれらのうちのいずれかの形状のフィンのみでその放熱用突起を構成してもよい。
ここで、図2に示すピン状の放熱フィン9cの場合は、特に放熱面積を大きく増加させることができ、熱伝導が比較的高効率で行えるが、一方、複数の放熱突起として図3のようなプレート状又はリブ状の放熱フィン9cと組み合わす場合には、放熱面積を増加させることができる上に、この放熱フィン9cが通過する液体冷媒に対して大きな流路抵抗となることを抑制することができる。
また、図1で示されるように隔壁部材11と第1ケーシング9の間で吸込伝熱室が形成されており、その吸込伝熱室は、図2や図3で示されるように、第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面に突設した仕切り部である2個の案内板9fにより仕切られ、その案内板9fの内側の伝熱導入路15と、その外周側に位置し伝熱導入路15と連通した1乃至複数の周回伝熱室12とにより構成されている。
また、2個の案内板9fが伝熱導入路15を吸込伝熱室の一方側から中央を越えた位置まで延ばされているので、伝熱導入路15に流入した液体冷媒を2個の案内板9fによって伝熱導入路15より周回伝熱室12に十分迂回させることで、まず最も温度が高くなる発熱電子部品10の略中央部分に対向した第1ケーシング9の中央部全体を占める伝熱導入路15において液体冷媒を高速で接触させることができ十分な熱交換を行い、その後、周回伝熱室12に迂回した液体冷媒が第1ケーシング9の外周側の周回伝熱室12において、発熱電子部品10から短い伝熱経路にて液体冷媒が第1ケーシング9と接触するから、第1ケーシング9の中央部分と外周部分の全体としての熱抵抗を小さくできる。
なお、本実施例においては放熱性を考慮し、仕切り部である案内板9fは、第1ケーシング9と液体冷媒の接触面積を増加させるため、第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面に突設したが、隔壁部材11の第1ケーシング9に対向する側の面に突設してもよく、適宜選択すればよい。
さらに、第1ケーシング9には熱伝導性のよい金属材料を用いているので、その剛性が高まり、遠心ポンプ1を強い力で発熱電子部品10側に押圧しても、第1ケーシング9の応力による変形を抑えることができ、発熱電子部品10と受熱面9bの間に隙間ができることを防ぐことができる。そして強い力で発熱電子部品10に押圧できれば、発熱電子部品10と受熱面9bの間に塗布されている熱伝導性グリース(図示せず)を薄く伸ばすことができ、これによって熱伝導性グリースでの熱抵抗を小さくすることができ、製品の振動・衝撃落下時の部品外れを予防することができる。
もちろん、繰り返すが複数の放熱突起である放熱フィン9cの形状として、ピン状ではなく、プレート状、リブ状、その他の形状が採用されてよい。さらに、以上の説明は仕切り部である案内板9fで挟まれた放熱フィン9cに関するものであるが、案内板9fの外側でも同様で、ピン状、プレート状、リブ状、又はその他の形状のフィンであってもよいし、それらを混在させた放熱フィンでもよい。
ここで、遠心ポンプ1の構成についてさらに図1に基づいて説明すると、第2ケーシング7の中心にはインサート成型により耐食性の高いステンレス等の材質で製作されたシャフト13が一体的に固定され、羽根車2を回転自在に軸支している。
また、皿形状の隔壁部材11は第2ケーシング7と嵌合してポンプ室8を形成し、その隔壁部材11と第1ケーシング9の鍔部9aとの間に挟装されたOリング等のシール部材14は第2ケーシング7と第1ケーシング9の間から液体冷媒が漏れるのを防止し、周回伝熱室12は隔壁部材11と第1ケーシング9との間に形成され、第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面に突設した仕切り部である案内板9fとリング状凸部9eとによって拡大反転路となっており、隔壁部材11の略中央に位置する貫通穴11a(図4に図示した)に連通され、伝熱導入路15は仕切り部である一対の案内板9fによって挟まれ第1ケーシング9と天板部11bとで形成されている。
この隔壁部材11も、第2ケーシング7と同様に形状が複雑であり、耐熱性が要求されることから、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)等の樹脂成型での製作が好適であり、図4に示すような構成とした。
また、円筒部11cは第1ケーシング9のリング状凸部9eの側面と嵌合し、その状態で略円錐形状の隔壁11dに対向して同じく略円錐状の傾斜羽根2aがわずかな間隔が保ちながら近接配置される。
一方、隔壁部材11の天板部11bは第1ケーシングの上部に形成された仕切り部である案内板9fの上方を塞ぐようにも位置しているので、液体冷媒を周回伝熱室12へ導くための伝熱導入路15を形成し、図4に示したように、半月状の2つの貫通穴11aは天板部11bの両側に形成され、スラスト受け部11eは羽根車2のスラスト力を受け止めるもので、吐出連通口11fは隔壁部材11の上側に形成されたポンプ室8と吐出路7aを連通し、吸込連通口11gは隔壁部材11の下側に形成されたポンプ室8と吸込路7bを連通する。
ここで、本発明における吸込伝熱室は隔壁部材11と第1ケーシング9との間に形成される伝熱導入路15と周回伝熱室12とにより構成され、仕切り部は一対の案内板9fにより構成される。
なお、本実施例では、製造を容易にする目的で、ポンプ室8を形成する隔壁11dを隔壁部材11に一体に形成したが、隔壁11dの剛性確保等の目的により、隔壁11dを隔壁部材11と別部品にしても構わない。また、隔壁11dの形状は円錐面状となっているが、特にこのような円錐面状でなくても構わず、平坦形状でもよいが、その場合は、その形状にあわせて羽根2aの先端形状も平坦とする必要がある。
ここで、隔壁部材11の2個の貫通穴11aは第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面に突設した仕切り部である案内板9fの対向部より外周側に配置され、2個の略長方形の脱泡穴11hを周回伝熱室12側に配置し、混入した空気の泡を容易かつ円滑にポンプ室8側に逃がすようにしている。
通常、ポンプ室8側に送られた空気の泡は、吐出路7aから図示しない循環路側よりその一部に設けられたリザーブタンクまで送出され、そのリザーブタンクに内蔵した気液分離機構により液体冷媒より除去されるようにしている。
仮に、図示しない循環路を通過した微量の空気がその内部を循環する液体冷媒に混入し遠心ポンプ1まで到達しても、貫通穴11aを通過してポンプ室8の方向に液体冷媒と一緒に流出すれば問題はないのだが、その方向に流出することなく、第1ケーシング9と隔壁部材11の間の滞留するおそれのある空気についても、その空気の泡がより滞留しやすい周回伝熱室側12側に2個の略長方形の脱泡穴11hを配置することで容易かつ円滑にポンプ室8の方向に逃がすことができる。
また、ここでは2個の脱泡穴11hをスラスト受け部11eに対して略対称に配置したが、その形状、大きさ、数、及び配置する場所については、その冷却装置の構成だけでなく、その冷却装置の実装される電子機器の用途、目的、設置方法などに応じて適宜選択すればよい。
その結果、液体冷媒との熱交換の妨げともなる熱抵抗の大きな空気が第1ケーシング9と隔壁部材11との間に滞留し蓄積することもなくなるので、それらの相乗効果によりより冷却性能を向上することができる。
以上説明した遠心ポンプ1を組み立てるときは、まず、第2ケーシング7とインサート成型により一体的に固定されたシャフト13に羽根車2を挿入する。次いで、第2ケーシング7に第1ケーシング9を嵌合し、ねじ等(図示せず)を用いて固定される。
一方、別工程でステータ4にコイル5を巻回し、さらに羽根車2を回転駆動する電子部品を実装した回路基板6をステータ4に取り付けておく。この組み立て体を第2ケーシング7のくぼみの中に挿入した後、充填剤(図示せず)を流し込み、その後恒温槽等を用いてその充填剤を硬化させる。充填剤を使用する理由は回路基板6に実装された電子部品の放熱のためと、万が一に液体冷媒が漏れた場合でも回路基板6に直接触れないようにし信頼性を向上するためであり、そのような充填剤としてはエポキシ系のポッティング剤が好ましい。
次にこの冷却装置の遠心ポンプ1の作用について説明する。まず、回路基板6を動作させ、ステータ4に交番磁界を発生させると、この交番磁界によりマグネットロータ3と一体化された羽根車2が回転し、液体冷媒に運動量を与え中央部が負圧となる。これにより、液体冷媒は吸込路7bから流入して吸込連通口11gを通り、第1ケーシング9と天板部11bで構成された伝熱導入路15に流入する。流入した液体冷媒は発熱電子部品10の真上に位置する高温のベース部9dの熱を効率的に奪う。
その後、液体冷媒はベース部9dの端部に達し、進行方向に対して左右の2方向に分流される。そして分流された液体冷媒はそれぞれ案内板9fとリング状凸部9eの間の周回伝熱室12を周回し、羽根車2の入口(図1のKで示した中央の部分)が負圧であるため再びベース部9dの中心部に吸引され、2つの貫通穴11aから流入する。この際も、発熱電子部品10から短距離でベース部9dを伝導してきた熱を液体冷媒が奪い取る。
なお、ベース部9dの端部に達した液体冷媒が分流壁9gで進行方向に対して左右の2方向に分流する方式を取って、流路の圧力損失を小さくするようにし、第1ケーシング9の外周部を均等に冷却するようにしたが、このような分流壁9gを設けることなく片方の一方向のみに液体冷媒が迂回するようにしてもよい。
最終的に液体冷媒は、羽根2aの回転運動により遠心方向の推力となる運動量を与えられてポンプ室8の外周部へと導かれ、吐出連通口11fを通り吐出路7aから流出される。
以上のように、案内板9fと天板部11bを設けて伝熱導入路15を形成したことにより、遠心ポンプ1に流入した液体冷媒が外に漏れることなく第1ケーシング9の中央部を直線的に端から端まで流れることができるため、最も高温である第1ケーシング9の中央部の広い表面積と液体冷媒が高速で接触し熱交換を行なう。
また、第1ケーシング9の中央部の吸込連通口11gと反対側に位置する液体冷媒の淀みも少なく、冷却効率が向上する。
また、第1ケーシング9は、伝熱導入路15の周囲に周回伝熱室12を設けベース部9dの形状を平坦にすることにより、受熱面9bより受熱した熱を第1ケーシング9の内部の放熱フィン9c、ベース部9dの表面へ短い経路で伝熱し、液体冷媒の広範囲に対して熱交換を行なうことができる。
つまり、熱の伝達経路が短いということは、その分その間の熱抵抗が小さいことを意味し、放熱フィン9c、ベース部9dの表面温度を受熱面9bと接触した発熱電子部品10の表面温度により近づけることができ、冷却効率が向上する。
さらに、液体冷媒が上述したように第1ケーシング9の中央部に流入し、第1ケーシング9の周回伝熱室12を周回しながら、隔壁部材11の貫通穴11aを通過して第2ケーシング側に流出するまでの間、受熱した熱が伝達し高温になった放熱フィン9c、ベース部9dの表面と羽根車2により循環駆動された液体冷媒が高速で接触するので温度境界層はより薄いものとなり、液体冷媒は効率よく第1ケーシング9と熱交換を行なうことができる。
そして、第1ケーシング9の外周側の周回伝熱室12にも表面積の大きな放熱フィン9cを設けているので、さらに、液体冷媒との接触面積を格段に増やせ、熱交換効率を高めている。
以上のように、羽根車2と第1ケーシング9との間の所定位置に隔壁11dを設けることにより、受熱した熱を液体冷媒に伝える機能は第1ケーシング9のベース部9dや放熱フィン9cの表面に分担させ、一方、ポンプ室8の壁を構成する機能は隔壁部材11の隔壁11dに分担させることができ、その結果、重要なポンプ性能にも影響を与えることなく、高効率の熱伝導性能の得られる冷却装置を実現することができる。
つまり、本発明の実施例1における冷却装置は、熱伝導部中央部分での熱交換の効率化を図り、かつ遠心ポンプ1内の空気の泡を円滑に除去することにより、その冷却性能を向上できる。
(実施例2)
図5〜図9において、図5は本発明の実施例2における遠心ポンプ1の断面図で、図6(a)は同実施例における第1ケーシング9と隔壁部材11の関係を示す組み立て前の斜視図、(b)は同斜視図における隔壁部材11のラインAAの断面図で、図7(a)は同実施例における隔壁部材11と第1ケーシング9の組み立て後の斜視図、(b)は同実施例における隔壁部材11と第1ケーシング9の組み立て後の平面図、(c)は同実施例における隔壁部材11と第1ケーシング9の組み立て後の側面図で、図8(a)は同平面図におけるラインBBの断面図、(b)は同側面図におけるラインCCの断面図で、図9(a)〜(c)は同実施例における脱泡穴11hとは別形状の隔壁部材11の平面図である。
なお、実施例2の説明とその図面において、実施例1の場合と同一の構成要素については同一の符号を付し、それら構成要素の大きさ、形状、及び位置関係などについては適宜決められており本質的部分は同一であるので実施例1の説明と重複する説明については一部を省略し、以下、差異について重点的に説明する。
まず、図5における本発明の特徴である貫通穴11aと脱泡穴11hについては、本来同一断面図上に現れないが、説明を容易にするため他の構成要素と併せて同一の断面図上に示した。
次に、本実施例における第1ケーシング9の形状は実施例1の場合のそれと大きく異なり、実施例1におけるリング状凸部9eや分流壁9gを設けていないが、隔壁部材11には後述する吸込連通口側案内板11iや反吸込連通口側案内板11kが設けられている。
また、図5において、放熱用突起としての放熱フィン9cの形状がプレート状となっていることで、伝熱導入路15の液体冷媒の流れる方向と略平行となるように設けられていて、流路抵抗をより抑制しながら放熱面積も大きく増加させている。その結果、より熱交換の効率が高まり冷却性能を向上できる。
図6(a)において、第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面の略中央には前述したプレート状の放熱フィン9cが隔壁部材11の吸込連通口11gより流入する液体冷媒の流れる方向と略平行となるように複数設けられている。これら同一形状の放熱フィン9cと並列させて、組み立て後において隔壁部材11の内周側に設けられた2個の吸込連通口側案内板11iのそれぞれと連なるように放熱フィン9cと同一形状の2個の案内板9fが第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面に突設している。
また、隔壁部材11の2個の貫通穴11aは第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面に突設した仕切り部である案内板9fの対向部より外周側に配置され、開口形状が略正方形の2個の脱泡穴11hを周回伝熱室12側に配置している。
つまり、組み立て後において、隔壁部材11と第1ケーシング9の間で吸込伝熱室を形成しており、2個の案内板9fが吸込連通口11gより流入した液体冷媒を仕切ることにより、その内側には伝熱導入路15を、そしてその外周側には伝熱導入路と連通した1乃至複数の周回伝熱室12を形成しており、2個の案内板9fにより仕切られた伝熱導入路15が吸込伝熱室の一方側から中央を越えた位置まで延ばされているので、伝熱導入路に流入した液体冷媒を2個の案内板9fによって伝熱導入路15より周回伝熱室12に十分迂回させることで、まず最も温度が高くなる2点鎖線で示した発熱電子部品10の略中央部分に対向した第1ケーシング9の中央部全体を占める伝熱導入路15において液体冷媒を高速で接触させることができ十分な熱交換を行い、その後、周回伝熱室12に迂回した液体冷媒が第1ケーシング9の外周側の周回伝熱室12において、発熱電子部品10から短い伝熱経路にて液体冷媒が第1ケーシング9と接触するので、第1ケーシング9の中央部分と外周部分の全体としての熱抵抗を小さくできる。
また、隔壁部材11の吸込連通口11gの略反対側には、反吸込連通口側案内板11kが設けられており、実施例1における分流壁9gがなくとも、円筒部11cにぶつかった液体冷媒が、略左右均等に円滑に周回伝熱室12の方向に迂回させるようにしている。
また、図6(b)は隔壁部材11のラインAAの断面図で、開口形状が長方形である2個の貫通穴11aは、本図では上方に位置するポンプ室8側開口を本図では下方に位置する吸込伝熱室側開口よりも羽根車の回転中心側、すなわち本図ではスラスト受け部11eに近くなるように配置した。
つまり、十分熱交換を行なうために貫通穴11aの吸込伝熱室側開口を第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面に突設した仕切り部である案内板9fの対向部より外周側により近づく方向に配置したとしても、貫通穴11aのポンプ室8側開口をその位置よりも羽根車2の回転中心側に配置し、それらを連通しているので、ポンプ室8側への液体冷媒の流入位置が羽根車2の回転中心側により近づくこととなり、その分遠心推力が高まり遠心ポンプ1の液駆動性を損なうことなく、遠心ポンプ1の液循環能力を最大に活用することができる。
次に、図7(a)は隔壁部材11と第1ケーシング9を組み立て後の斜視図で、図6(a)の斜視図の反対方向から見た斜視図である。
また、図7(b)の平面図におけるラインBBの断面図を図8(a)に、図7(c)の側面図におけるラインCCの断面図を図8(b)に示した。
ここで、図8(a)で示される開口形状が略正方形の2個の脱泡穴11hは、周回伝熱室12の2箇所においてポンプ室8と連通し、第1ケーシング9と隔壁部材11との間に滞留するおそれのある空気の泡を放熱フィン9cの対向部より外周側に配置した脱泡穴11hにより容易かつ円滑にポンプ室8側に円滑に逃がすようにしている。
一方、図8(b)で示すように、第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面の略中央には前述したプレート状の放熱フィン9cが隔壁部材11の吸込連通口11gより流入する液体冷媒の流れる方向と略平行となるように複数設けられている。これら放熱フィン9cはそれぞれ同一形状となっているが、それらと同一形状ではあるが、組み立て後において隔壁部材11の内周側に設けられた2個の吸込連通口側案内板11iのそれぞれと連なるように仕切り部である2個の案内板9fが第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面に突設している。
ここで、隔壁部材11と第1ケーシング9の間で吸込伝熱室が形成されており、その吸込伝熱室は、第1ケーシング9の隔壁部材11に対向する側の面に突設した仕切り部である2個の案内板9fにより仕切られ、その案内板9fの内側の伝熱導入路15とその外周側に位置し伝熱導入路15と連通した複数の周回伝熱室12とにより構成されている。
また、貫通穴11aの吸込伝熱室側開口は、案内板9fの対向部よりも外周側である黒く塗りつぶした貫通穴対向部Hの部分に対向するように配置されており、まずは発熱電子部品10の略中央部分に対向した温度が最も高くなる第1ケーシング9の中央部全体を占める伝熱導入路15において液体冷媒が高速で接触することにより十分な熱交換を行なった後に、案内板9fを迂回し、貫通穴11aを通過してポンプ室8に流出する。
一方、貫通穴11aから流出せず周回伝熱室12まで迂回する液体冷媒についても第1ケーシング9の外周に位置する周回伝熱室12に到達する間において、放熱フィン9cと接触し、2点鎖線で示した発熱電子部品10から短い伝熱経路にて液体冷媒が第1ケーシング9と接触し続けることとなるので、第1ケーシング9の中央部分と外周部分の全体としての熱抵抗をより小さくできる。
さらに、略正方形の2個の脱泡穴11hを、周回伝熱室12側である黒く塗りつぶした脱泡穴対向部Pの部分に対向するように配置することで容易かつ円滑にポンプ室8の方向に逃がすことができる。
図9(a)〜(c)は同実施例とは別形状の脱泡穴11hを設けた隔壁部材の平面図であり、脱泡穴11hがさまざまに変形されており、図9(a)は開口形状が略丸形の2個の脱泡穴11hで、図9(b)は開口形状が略長方形の2個の脱泡穴11hで、図9(c)は開口形状が略正方形の6個の脱泡穴11hが示されているが、同図に示すようにその形状、大きさ、数、及び配置する場所については、その冷却装置の構成だけでなく、その冷却装置の実装される電子機器の用途、目的、設置方法などに応じて適宜選択すればよい。
なお、以上の説明において、吸込伝熱室を伝熱導入路15と周回伝熱室12に2分する仕切り部である案内板9fは、隔壁部材11の第1ケーシング9に対向する側の面に突設してもよく、その突設場所、形状、位置、数について本実施例1,2に限定されず、適宜変更しても構わない。
特に、発熱電子部品10の発熱部分が略中央ではなく、発熱部分が偏心している場合などは、適宜、それに対応して構造を変形すればよく、場合によって、その案内板は1個でもよい。
また、隔壁部材11の貫通穴11a、脱泡穴11hの配置場所、形状、位置、数についても、その冷却装置の実装される電子機器の用途、目的、設置方法などに応じて適宜選択すればよく、隔壁部材11の材質や形状についても、本実施例1、2に限定されず樹脂材料ではなく熱伝導性のよい金属材料を用いてもよく、第1ケーシング又は第2ケーシングのいずれかとインサート成型により一体的に構成してもよく、あるいは、そのいずれかとアルミダイキャスト成型のように完全一体としても構わない。
図10は、以上説明したような本発明に係わる冷却装置をノートPCに実装した全体構成図である。
ここで、電子機器であるノートPCの筐体16の内部には冷却装置が搭載され、そのノートPCのキーボード17の下に、MPU等の発熱電子部品10と接触して受熱する遠心ポンプ1が実装されている。発熱電子部品10は基板18に実装され、ノートPCのディスプレイの背面(裏側)には発熱電子部品10から受熱した液体冷媒の熱を外部に放熱する放熱器19が配置されており、循環路20は遠心ポンプ1と放熱器19のそれぞれと接続されていて、その閉路中を液体冷媒が循環している。
なお、この液体冷媒としては、エチレングリコール水溶液やプロピレングリコール水溶液等の不凍液が適当であり、第1ケーシング9の材料として銅等を使用するため、防食添加剤を添加するのが望ましい。
また、放熱器19は、熱伝導率が高く放熱性のよい材料、例えば銅、アルミニウム等の薄板材で構成され、内部に液体冷媒の流路とリザーブタンクなどが形成されている。
さらに、放熱器19に強制的に空気を当てて冷却効果を向上する目的でファン装置を別に設けてもよい。さらに循環路20は、配管レイアウトの自由度を確保するため、フレキシブルでガス透過性の少ないゴム、例えばブチルゴムなどのゴムチューブで構成されている。
本発明は、発熱電子部品を液体冷媒の循環により冷却する発熱電子部品の冷却装置に適用することができる。
本発明の実施例1における遠心ポンプの断面図 同実施例における第1ケーシングの斜視図 同実施例における別形状の第1ケーシングの斜視図 同実施例における隔壁部材の斜視図 本発明の実施例2における遠心ポンプの断面図 (a)は同実施例における第1ケーシングと隔壁部材の関係を示す組み立て前の斜視図、(b)は同斜視図における隔壁部材のラインAAの断面図 (a)は同実施例における隔壁部材と第1ケーシングの組み立て後の斜視図、(b)は同実施例における隔壁部材と第1ケーシングの組み立て後の平面図、(c)は同実施例における隔壁部材と第1ケーシングの組み立て後の側面図 (a)は同図7(b)におけるラインBBの断面図、(b)は同図7(c)におけるラインCCの断面図 (a)〜(c)は同実施例とは別形状の脱泡穴11hを設けた隔壁部材の平面図 本発明に係わる冷却装置をノートPCに実装した全体構成図 従来の冷却装置における遠心ポンプの断面図
符号の説明
1 遠心ポンプ
2 羽根車
2a 羽根
2b 小孔
3 マグネットロータ
4 ステータ
5 コイル
6 回路基板
7 第2ケーシング
7a 吐出路
7b 吸込路
8 ポンプ室
9 第1ケーシング
9a 鍔部
9b 受熱面
9c 放熱フィン
9d ベース部
9e リング状凸部
9f 案内板
9g 分流壁
10 発熱電子部品
11 隔壁部材
11a 貫通穴
11b 天板部
11c 円筒部
11d 隔壁
11e スラスト受け部
11f 吐出連通口
11g 吸込連通口
11h 脱泡穴
11i 吸込連通口側案内板
11k 反吸込連通口側案内板
12 周回伝熱室
13 シャフト
14 シール部材
15 伝熱導入路
16 筐体
17 キーボード
18 基板
19 放熱器
20 循環路
K 羽根車の入口
H 貫通穴対向部
P 脱泡穴対向部

Claims (7)

  1. 発熱電子部品と接触し受熱するための受熱面を形成する第1ケーシングと、前記第1ケーシングと嵌合して内部に液体冷媒を流すための空間を形成する第2ケーシングと、前記第1ケーシングと前記第2ケーシング間に挟装され前記第1ケーシングとの間で吸込伝熱室を形成するとともに前記第2ケーシングとの間では羽根車を収容するポンプ室を形成する隔壁部材とを備え、前記第1ケーシング又は前記隔壁部材の相互に対向する側のいずれかの面に液体冷媒を導入する伝熱導入路に連通した周回伝熱室を形成するための1乃至複数の仕切り部を突設し、前記伝熱導入路を前記吸込伝熱室の一方側から中央を越えた位置まで延ばすとともに、前記隔壁部材には前記吸込伝熱室と前記ポンプ室を連通する貫通穴と脱泡穴を設けたことを特徴とする遠心ポンプ。
  2. 前記第1ケーシングの前記隔壁部材に対向する側の面に複数の放熱用突起を設けたことを特徴とする請求項1記載の遠心ポンプ。
  3. 前記隔壁部材において、前記貫通穴を前記第一ケーシングの前記隔壁部材に対向する側の面に突設した仕切り部の対向部より外周側に配置し、前記脱泡穴の吸込伝熱室側開口を周回伝熱室側に配置したことを特徴とする請求項1記載の遠心ポンプ。
  4. 前記隔壁部材において、前記貫通穴のポンプ室側開口を吸込伝熱室側開口よりも前記羽根車の回転中心側に配置したことを特徴とする請求項1記載の遠心ポンプ。
  5. 前記仕切り部が前記伝熱導入路を形成する一対の案内板であることを特徴とする請求項1記載の遠心ポンプ。
  6. 前記第1ケーシング又は前記隔壁部材に、前記伝熱導入路から流出した液体冷媒を前記周回伝熱室の2方向に分流する分流壁を設けたことを特徴とする請求項1記載の遠心ポンプ。
  7. 液体冷媒を循環するための閉循環路に放熱器と請求項1記載の遠心ポンプを備えたことを特徴とする冷却装置。
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