JP2000274303A - 車両用電子制御装置 - Google Patents

車両用電子制御装置

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JP2000274303A
JP2000274303A JP11079592A JP7959299A JP2000274303A JP 2000274303 A JP2000274303 A JP 2000274303A JP 11079592 A JP11079592 A JP 11079592A JP 7959299 A JP7959299 A JP 7959299A JP 2000274303 A JP2000274303 A JP 2000274303A
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Japan
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thermostat
engine
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cooling water
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JP11079592A
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English (en)
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Kazuyoshi Ishihara
和嘉 石原
Yoshifumi Ozeki
良文 尾関
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両運転時の特定期間に限り実施条件が成立す
る演算処理について、その演算結果を確実に記憶保持す
る。 【解決手段】エンジン冷却水の循環経路の途中において
エンジン11とラジエータ15との間には、サーモスタ
ット13が配設されている。エンジン冷却水の温度は水
温センサ20により検出され、その検出値がECU30
に取り込まれる。ECU30は、エンジン11の冷間始
動時に限りサーモスタット13の異常判定条件が成立し
たと判断し、エンジン冷却水の温度変化に基づいてサー
モスタット13の異常の有無を判定する。また、ECU
30は、サーモスタット13の異常判定が終了した時、
直ぐにその判定結果をEEPROM(不揮発性メモリ)
に記憶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエンジンの
冷間始動時においてサーモスタットの異常判定を行い、
その判定結果を示すコード情報等をメモリに記憶する車
両用電子制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、車両エンジンを制御
するための電子制御装置(ECU)に、エンジン制御シ
ステムや、エンジン状態を検出する各種センサや、エン
ジンを駆動する各種アクチュエータ等の異常を判定する
機能を持たせ、異常判定時に異常対象を示すコード情報
を電子制御装置内のメモリに記憶するものがある。そし
て、車両整備者はこのコード情報に基づいて異常箇所を
特定し、異常発生部品を修理、交換する。従って、コー
ド情報は消去されることなく保持されているのが望まし
く、車両が停止しバッテリ電源が供給されない状態下で
も記憶内容が保持でき、且つ電気的に書換え可能な不揮
発性メモリ(例えばEEPROM)にコード情報を記憶
していた。
【0003】ところで、一般に不揮発性メモリにデータ
を転送する場合、不揮発性メモリに記憶されているデー
タを消去した後に新データを書き込むといった処理を必
要とし、この処理を完了するためには数10ms程度の
所定時間が必要となる。このため、車両電源がオフ(イ
グニッションオフ)するタイミングから所定時間は電子
制御装置に電源供給する機能を設け、この所定時間にて
コード情報をRAMから不揮発性メモリに転送してい
る。
【0004】実際には、図6(a)に示されるように、
イグニッションオンで且つ電子制御装置への電源がオン
となる期間で、部品A,Bの各々で異常発生すると(図
の時刻t1,t2)、それら異常の旨が判定されてその
コード情報が一旦RAMに記憶される。そして、イグニ
ッションオフ後の所定時間Ta内で、コード情報がRA
MからEEPROMに転送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記手
法では、図6(b)に示されるように、部品A,Bに異
常が発生してそのコード情報をRAMに記憶した後、R
AM値のデータ化けなどの異常が発生すると(図の時刻
t3)、RAMが初期化され、それまでに記憶したコー
ド情報が消去されるおそれがあった。仮に、部品Bの異
常はRAMの初期化後も判定条件が成立し必要に応じて
異常判定が可能となるのに対し、部品Aの異常は特殊な
条件でしか判定できない場合、部品Bの異常は図6
(b)の時刻t4で再度判定されるが、部品Aの異常は
再度判定が不可能となる。そのため、イグニッションオ
フ後の所定時間Ta内で、RAMデータをEEPROM
に転送する際、部品B異常のコード情報は正しく転送さ
れるものの、部品A異常のコード情報は転送することが
できなかった。
【0006】本発明は上記問題に着目してなされたもの
であって、その目的とするところは、車両運転時の特定
期間に限り実施条件が成立する演算処理について、その
演算結果を確実に記憶保持することができる車両用電子
制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の車両用
電子制御装置では、電源供給が遮断されても格納データ
を消失せずに保持する不揮発性メモリと、車両運転時の
特定期間に限り実施条件が成立し、その条件成立時に所
定の演算処理を行う手段と、該演算処理が終了した時、
直ぐにその演算結果を不揮発性メモリに記憶する手段
と、を備える。
【0008】要するに、車両運転時の特定期間に実施条
件が成立すると、所定の演算処理が行われ、それに引き
続いて直ぐに演算結果がEEPROM等の不揮発性メモ
リに記憶されるので、演算結果をRAM(揮発性メモ
リ)に一旦記憶し電源遮断時に不揮発性メモリに転送し
ていた従来装置とは異なり、仮にRAM値のデータ化け
(データ破壊)が生じたとしても、上記演算結果が消失
されることなく確実に記憶保持できる。
【0009】請求項2に記載の発明では、車両運転時に
何度も実施条件が成立する第1の演算処理と、車両運転
時の特定期間に限り実施条件が成立する第2の演算処理
とを実施する車両用電子制御装置において、電源供給時
にデータを一時的に保持する揮発性メモリと、電源供給
が遮断されても格納データを消失せずに保持する不揮発
性メモリとを備え、前記第1の演算処理が実施される
と、その演算結果を揮発性メモリに一旦記憶し、電源供
給の遮断時に揮発性メモリの記憶データを不揮発性メモ
リに転送する一方、前記第2の演算処理が実施される
と、その直後に演算結果を不揮発性メモリに記憶する。
【0010】要するに、第2の演算処理が実施される
と、それに引き続いて直ぐに演算結果がEEPROM等
の不揮発性メモリに記憶されるので、演算結果をRAM
(揮発性メモリ)に一旦記憶し電源遮断時に不揮発性メ
モリに転送していた従来装置とは異なり、仮にRAM値
のデータ化け(データ破壊)が生じたとしても、上記演
算結果が消失されることなく確実に記憶保持できる。ま
た、第1の演算処理については、RAM値のデータ化け
が生じたとしても、当該演算処理が再度実施されるため
に新たな演算結果が得られることとなり、電源遮断時に
不揮発性メモリに転送される。この場合、演算直後にそ
の結果が不揮発性メモリに書き込まれるのは第2の演算
処理だけであり、第1の演算処理による演算結果は不揮
発性メモリに書き込まれないため、車両運転中に不揮発
性メモリへの書き込みが頻繁に発生し車両制御の演算に
支障を来すといった不都合も生じない。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
2に記載の発明において、車両運転時の特定期間に限り
実施条件が成立する演算処理とは、エンジンの冷間始動
時に限り実施条件が成立するサーモスタットの異常判定
処理であり、該サーモスタットの異常判定が終了した
時、直ぐにその判定結果を不揮発性メモリに記憶する。
【0012】サーモスタットの異常判定を実施するに
は、エンジンの冷間始動時における冷却水温度の変化を
モニタするとよく、その温度変化はエンジンの暖機完了
後にはモニタ不可能となる。かかる異常判定処理では、
その判定結果が消失されると再び得られることはない
が、上述の通り異常判定後、直ぐに判定結果(異常コー
ド情報等)を不揮発性メモリに記憶することで、その判
定結果を確実に記憶保持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明を車両用エンジン
の制御装置に具体化した一実施の形態を図面に従って説
明する。
【0014】先ずはじめに、図1に基づいて車両用エン
ジンの冷却系全体の概略構成を説明する。エンジン11
のシリンダブロック及びシリンダヘッドの内部にはウォ
ータジャケット12が設けられ、このウォータジャケッ
ト12内に冷却水が注入されている。ウォータジャケッ
ト12の出口部にはサーモスタット13が設けられ、こ
のサーモスタット13を通過する高温の冷却水が冷却水
循環路14を介してラジエータ15に送られる。ラジエ
ータ15で放熱されて温度低下した冷却水は、冷却水循
環路16を介してウォータジャケット12内に戻され
る。従って、サーモスタット13の開弁時には、冷却水
がウォータジャケット12→サーモスタット13→冷却
水循環路14→ラジエータ15→冷却水循環路16→ウ
ォータジャケット12という経路で循環し、エンジン1
1を適温に冷却する。
【0015】ここで、サーモスタット13の作動と配設
理由とを簡単に説明する。サーモスタット13は、エン
ジン11の暖機運転時に閉弁して冷却水の循環を停止さ
せる。これにより、冷却水(特に暖機運転時は冷却水温
が低い)がエンジン11に供給されないので、エンジン
11が速やかに暖機され、燃費向上、エミッション低減
を図ることができる。そして、エンジン11側の冷却水
温が所定のサーモスタット開弁温度(例えば80℃程
度)に達しサーモスタット13が開弁すると、ラジエー
タ15側の冷えた冷却水がエンジン11側へ循環され、
エンジン温度を適正温度域まで冷却させることができ
る。
【0016】また、ウォータジャケット12の入口部に
はウォータポンプ17が設けられている。ウォータポン
プ17はラジエータ15の後方に設置された冷却ファン
18と連結されており、ベルト19を介して伝達される
エンジン動力によってこれらウォータポンプ17と冷却
ファン18とが一体的に回転駆動される。ウォータポン
プ17の回転により上記冷却水循環経路での冷却水の循
環が促進される。また、冷却ファン18の回転によりラ
ジエータ15の放熱効果が高められ、ラジエータ15内
の冷却水の冷却が促進される。
【0017】エンジン11のシリンダブロックには、ウ
ォータジャケット12内の冷却水温を検出するための水
温センサ20が設けられている。水温センサ20の取付
位置は、サーモスタット13よりもエンジン11側の冷
却水循環経路であれば良く、例えばウォータジャケット
12のシリンダヘッド側の部分であっても良い。
【0018】水温センサ20の出力信号は電子制御装置
30(以下「ECU」と略記する)に取り込まれる。こ
のECU30は、マイクロコンピュータを主体として構
成され、エンジン制御やサーモスタット13の異常診断
などの機能を有するものであるが、その詳細は後述す
る。
【0019】ECU30には、エンジン制御やサーモス
タット異常診断を行うための情報として、水温センサ2
0からの冷却水温信号の他、エンジン回転数センサ21
からのエンジン回転数信号、吸気量センサ22からの吸
気量信号、吸気温センサ23からの吸気温信号、車速セ
ンサ24からの車速信号が読み込まれ、更に、空調装置
25のブロワモータの作動状態を示す信号も読み込まれ
る。ECU30は、サーモスタット13やその他の異常
を判定したときにそれを警告する警告ランプ26に信号
を出力する。
【0020】図2はECU30内及びその周辺の電気的
構成を示したブロック図である。ECU30内にはワン
チップマイクロコンピュータ40が設けられている。ま
た、ECU30には併せて、入出力インターフェース
(I/O)31、及び外部装置接続インターフェース
(I/F)32が設けられており、これらインターフェ
ース31及び32を通じて、各種センサ・アクチュエー
タ等とワンチップマイクロコンピュータ40との間での
データ授受、及び外部装置50とワンチップマイクロコ
ンピュータ40との間でのデータ授受、がそれぞれ実現
されるようになっている。
【0021】ここで、外部装置50は、データ通信機能
を備えたパーソナルコンピュータ等からなる装置であっ
て、ワンチップマイクロコンピュータ40内に記憶保持
された異常コード情報を読み出し、表示する機能を有し
ている。
【0022】ワンチップマイクロコンピュータ40は、
CPU41、ROM42、RAM43、EEPROM4
4、そしてこれら各要素と上記インターフェース31及
び32とを電気的に接続するアドレスデータバス45が
1つのIC(LSI)チップ内に集積された構成となっ
ている。ROM42には、エンジン制御プログラムやサ
ーモスタット異常判定プログラム等が予め記憶されてい
る。RAM43は、電源供給時にデータを一時的に保持
する揮発性メモリとして構成され、同RAM43にはエ
ンジン制御や異常診断の際の演算結果が書き込まれる。
また、EEPROM44は、電源供給が遮断されても格
納データを消失せずに保持する不揮発性メモリとして構
成され、同EEPROM44には異常判定された対象を
示す異常コード情報や異常発生時の運転状態を示すデー
タなど異常を特定する上で有用な異常情報が格納され
る。
【0023】また、ECU30には電源回路33が設け
られており、電源回路33にてバッテリ電源を所定の定
電圧(5V)に変換してECU30内の各種電子部品に
電源供給している。また、イグニッションオフを検出し
てもECU30に電源が供給されるようにメインリレー
51が設けられており、ECU30はイグニッションオ
フ後に所定の処理を行った後に自らの電源を遮断すべく
メインリレー51に対し制御信号を出力する。
【0024】ところで本実施の形態では、エンジン11
の冷間始動直後に限り、エンジン冷却水の温度変化をモ
ニタしてサーモスタット13の異常を判定することとし
ている。すなわち、サーモスタット13が開き放しにな
る「開故障」が発生すると、エンジン11の冷間始動時
でもその当初からラジエータ15内の冷えた冷却水がウ
ォータジャケット12内に循環されるため、エンジン1
1側の冷却水温の上昇が妨げられる。従って、冷却水温
の上昇度合(傾き)を検出して正常時と比較すること
で、サーモスタット13の開故障の有無を判定し、故障
発生時にはその旨を運転者に警告する。かかる場合、サ
ーモスタット13の開故障は、エンジン11の冷間始動
時において冷却水温の上昇過程がモニタできる期間での
み判定可能となり、それ以降は判定できないため、始動
時に得られた異常コード情報は消失することなく保持す
ることが望まれる。
【0025】因みに、サーモスタット13の異常モード
としては、開故障の他に、サーモスタット13が閉じ放
しになる「閉故障」があり、その閉故障が発生すると、
エンジン11側の冷却水温が上昇してもラジエータ15
側の冷えた冷却水がエンジン11側に循環されず、エン
ジン11がオーバーヒートしてしまうおそれがある。従
って、やはりエンジン冷却水の温度変化をモニタして閉
故障の有無を判定し、故障発生時にはその旨を運転者に
警告する。但し、サーモスタット13の閉故障は、エン
ジン11の冷間始動時に限らず常時判定可能であるた
め、仮にRAM値が消失したとしても再度の異常判定に
より異常コード情報が取得できる。
【0026】次に、サーモスタット開故障の判定処理
を、それに付随する水温センサ20の異常判定処理や、
EEPROM44へのRAMデータ転送処理と併せて説
明する。
【0027】図3は、水温センサ20の異常判定処理を
示すフローチャートであり、同処理は所定時間毎(例え
ば65ms)にCPU41により実行される。ステップ
101,102では、水温センサ20の出力電圧Vth
wが所定の下限値Vminから上限値Vmaxまでの範
囲内にあるか否かを判別する。下限値Vmin及び上限
値Vmaxは実際に存在しうる水温値に基づいて設定さ
れ、水温センサ20の出力電圧Vthwが例えば水温=
−40〜120℃に相当する適正な電圧値であれば、ス
テップ101,102が共に肯定判別される。
【0028】出力電圧Vthwが適正範囲内にありステ
ップ101,102が共にYESの場合、ステップ10
6に進み、水温センサ20の異常判定回数を計数するた
めの異常判定カウンタNを0にリセットし、本処理を一
旦終了する。
【0029】一方、出力電圧Vthwが適正範囲外とな
りステップ101,102の何れかNOの場合、水温セ
ンサ20が断線、或いはショートしたと判断してステッ
プ103に進む。ステップ103では、異常判定カウン
タNを1インクリメントし、5回連続で異常判定がなさ
れステップ104が肯定判別されるとステップ105に
進む。ステップ105では、水温センサ20の異常を示
すコード情報をRAM43に記憶し、本処理を終了す
る。
【0030】なお、水温センサ20以外の異常判定も判
定方法自体は異なるものの、異常発生の旨が判定される
と上記ステップ105と同じく異常コード情報をRAM
43に記憶する処理が実行される。
【0031】このようにして各種の異常コード情報がR
AM43に記憶されるが、RAM43は電源供給が遮断
される(イグニッションオフされる)とデータを保持で
きなくなるので、イグニッションオフ時に異常コード情
報をEEPROM44に転送する。なお、一般に、イグ
ニッションオフしても電源供給されるバックアップ電源
経路を設けて、RAM内データを保持し続けるもの(バ
ックアップRAM、SRAMと称されるもの)もある
が、バッテリを外すとやはりRAM内データが消去して
しまう。よって、このような理由からもEEPROM4
4に転送する必要がある。
【0032】図4は、RAM43からEEPROM44
へのデータ転送処理を示すフローチャートであり、同処
理は所定時間毎(例えば4ms)にCPU41により実
行される。
【0033】ステップ201でイグニッションスイッチ
(図示せず)がオフされたことを判別すると、ステップ
202では、RAM43内のデータをEEPROM44
に転送する。転送データは異常コード情報だけでなく、
例えば、ISC弁やEGR弁等のアクチュエータの全閉
位置や空燃比制御量に関わる学習値データも含み、これ
ら各データが併せて転送される。そして、全データの転
送が完了してステップ203に進むと、メインリレー5
1をオフしてECU30への電源供給を停止させ、本処
理を終了する。
【0034】上記図3に示す水温センサ20の異常判定
処理は、車両運転時に何度も実施条件が成立する「第1
の演算処理」に相当し、同処理に関しては上述の通りイ
グニッションオフ後に異常コード情報(RAM値)をE
EPROM44に転送する。この処理は従来既存の装置
と同様である。これに対し、以下に説明するサーモスタ
ット13の異常判定処理(開故障の判定処理)は、車両
運転時の特定期間に限り実施条件が成立する「第2の演
算処理」に相当し、異常判定の直後に異常コード情報を
EEPROM44に記憶することとしている。その詳細
を図5を用いて説明する。
【0035】図5は、サーモスタット13の異常判定処
理を示すフローチャートであり、同処理は所定時間毎
(例えば65ms)にCPU41により実行される。本
処理によれば、サーモスタット13の異常モードのう
ち、開故障(開き放し異常)が判定される。
【0036】先ずステップ301では、水温センサ20
により検出された冷却水温を読み込み、RAM43の所
定エリアに格納する。ステップ302では、異常判定条
件が成立するか否かを判別する。本実施の形態では、異
常判定条件を、 1.冷却水温がサーモスタット13の開弁温度以下であ
ること、 2.判定完了フラグがセットされていないこと、 3.水温センサ20が正常判定されていること(図3の
処理で判定)、 とし、これら各条件が全て成立した時にステップ303
に進む。
【0037】ステップ303では、内部タイマの計時を
スタートさせ、続くステップ304では、タイマの値に
基づいてエンジン始動後に所定時間(約2,3分程度の
時間)が経過したか否かを判別する。このタイマの値が
所定時間となるまで、ステップ301〜304の処理を
繰り返す。そして、ステップ304が肯定判別されると
ステップ305に進み、今回読み込んだ水温データとエ
ンジン始動直後に読み込んだ水温データとの差をとっ
て、始動後所定時間の経過に伴う冷却水温の変化量ΔT
hwを算出する。
【0038】ステップ306では、前記算出した冷却水
温の変化量ΔThwが所定値TH以下であるか否かを判
別する。なお、所定値THは、予め設定される固定値で
もよいし、又は、その時々のエンジンの運転履歴(吸気
量や車速等)に応じて設定される可変値でもよい。後者
の場合、例えば吸気量が多いほど、又は車速が大きいほ
ど、所定値THが大きい値に設定される。
【0039】サーモスタット13が正常であれば、エン
ジン11の冷間始動に際してサーモスタット13が閉弁
状態で保持され、冷却水の循環が停止されて冷却水温は
素早く上昇する。そのため、所定時間経過後の冷却水温
の変化量ΔThwは比較的大きく、ステップ306では
ΔThw>THであると判別される。これに対し、サー
モスタット13の開故障が発生すると、冷間始動時でも
その当初からラジエータ15内の冷えた冷却水がエンジ
ン11のウォータジャケット12内に循環されるため、
始動後の冷却水温の上昇は鈍く暖機完了まで時間がかか
る。それ故、所定時間経過後の冷却水温の変化量ΔTh
wは小さく、ステップ306ではΔThw≦THである
と判別される。
【0040】従って、ΔThw>Thであれば、サーモ
スタット13が正常であるとみなしてステップ308に
進み、判定完了フラグに1をセットすると共に、内部タ
イマを停止させ、その後本処理を終了する。
【0041】また、ΔThw≦THであれば、サーモス
タット13が開故障しているとみなしてステップ307
に進み、当該故障の旨を示すコード情報をEEPROM
44に記憶する。続いてステップ308では、判定完了
フラグに1をセットすると共に、内部タイマを停止さ
せ、その後本処理を終了する。
【0042】エンジン始動直後に上記一連の異常判定処
理が実施されると、以降は判定完了フラグがセットされ
ているためステップ302が否定判定され、ステップ3
01,302を繰り返すことになる。すなわち、サーモ
スタット13の開故障判定が再度実施されることはな
い。
【0043】上述の通り、エンジン11の冷間始動時に
おいてサーモスタット13が開故障か否かが正しく判定
され、その判定結果がEEPROM44に直ちに書き込
まれることで、RAM値が破壊されたとしても異常コー
ド情報が消去されることはない。従って、エンジン11
の暖機完了後に異常判定が不可能であっても、異常コー
ド情報が取得できずに正確な異常診断を実施することが
できない、といった不具合が解消される。
【0044】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (1)エンジン11の冷間始動時においてサーモスタッ
ト13の異常発生の旨が判定されると、それに引き続い
て直ぐに異常コード情報がEEPROM44に記憶され
るので、同コード情報をRAM43に一旦記憶し電源遮
断時にEEPROM44に転送していた従来装置とは異
なり、仮にRAM値のデータ化け(データ破壊)が生じ
たとしても、上記コード情報が消失されることなく確実
に記憶保持できる。従って、サーモスタット13の異常
(開故障)が誤判定されることもない。
【0045】(2)水温センサ20の異常判定処理な
ど、何度も実施条件が成立する演算処理に関しては、そ
の演算結果をRAM43に一旦記憶し、イグニッション
オフ後にRAM値をEEPROM44に転送するので、
車両運転中にEEPROM44への書き込みが頻繁に発
生し車両制御の演算に支障を来すといった不都合も生じ
ない。
【0046】なお本発明は、上記以外に次の形態にて具
体化できる。上記実施の形態では、エンジン11側に配
設した水温センサ20の検出結果を基に、エンジンの冷
間始動時における所定期間の水温変化量からサーモスタ
ット13の開故障(開き放し異常)を判定したが、こう
した異常判定手法を適宜変更してもよい。例えばサーモ
スタット13よりもラジエータ15側に別の水温センサ
を設け、その水温センサの検出結果を用いてサーモスタ
ット13の開故障を判定する。この場合、サーモスタッ
ト13よりもエンジン11側の水温データと、サーモス
タット13よりもラジエータ側の水温データとを比較
し、その温度差に応じて異常の有無を判定するとよい
(本出願人による特開平10−176534号公報の
「サーモスタット故障検出装置」参照)。
【0047】異常コード情報等を記憶保持する不揮発性
メモリとしては、上記EEPROM44に限らず、他の
書き換え可能なROM(EPROMやフラッシュROM
等)を採用することができる。
【0048】上記実施の形態では、車両運転時の特定期
間に限り実施条件が成立する演算処理(第2の演算処
理)として、エンジン11の冷間始動時におけるサーモ
スタット13の異常判定処理を例示したが、他の演算処
理に適用することも可能である。車両運転時に1度だけ
実施条件が成立する演算処理や、数時間毎に実施条件が
成立する演算処理など、頻繁に実施されない他の演算処
理について、その実施直後に演算結果をEEPROM
(不揮発性メモリ)に記憶する構成とすれば、演算結果
の消失が防止でき、既述の通り演算結果が確実に記憶保
持できる等の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるエンジン冷却系全体
の概略を示す構成図。
【図2】ECU内及びその周辺の電気的構成を示すブロ
ック図。
【図3】水温センサの異常判定処理を示すフローチャー
ト。
【図4】EEPROMへのデータ転送処理を示すフロー
チャート。
【図5】サーモスタットの異常判定処理を示すフローチ
ャート。
【図6】RAM正常時とRAM異常発生時とについてデ
ータ転送の様子を示すタイムチャート。
【符号の説明】
11…エンジン、13…サーモスタット、14,16…
冷却水循環路、15…ラジエータ、30…ECU、41
…CPU、43…揮発性メモリとしてのRAM、44…
不揮発性メモリとしてのEEPROM。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 CA01 DA27 EA07 EA11 EB02 EB06 EB22 FA20 FA36 5B018 GA04 KA03 MA23 NA06 QA05 QA20 5H209 AA10 DD13 FF05 GG04 HH02 HH06 HH40 5H215 AA10 BB11 CC05 CX04 HH03 9A001 BB02 BB03 LL02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電源供給が遮断されても格納データを消失
    せずに保持する不揮発性メモリと、 車両運転時の特定期間に限り実施条件が成立し、その条
    件成立時に所定の演算処理を行う手段と、 該演算処理が終了した時、直ぐにその演算結果を不揮発
    性メモリに記憶する手段と、を備えることを特徴とする
    車両用電子制御装置。
  2. 【請求項2】車両運転時に何度も実施条件が成立する第
    1の演算処理と、車両運転時の特定期間に限り実施条件
    が成立する第2の演算処理とを実施する車両用電子制御
    装置において、 電源供給時にデータを一時的に保持する揮発性メモリ
    と、電源供給が遮断されても格納データを消失せずに保
    持する不揮発性メモリとを備え、 前記第1の演算処理が実施されると、その演算結果を揮
    発性メモリに一旦記憶し、電源供給の遮断時に揮発性メ
    モリの記憶データを不揮発性メモリに転送する一方、前
    記第2の演算処理が実施されると、その直後に演算結果
    を不揮発性メモリに記憶することを特徴とする車両用電
    子制御装置。
  3. 【請求項3】エンジン冷却水の循環経路の途中において
    エンジンとラジエータとの間にサーモスタットが設けら
    れ、冷却水温度の変化によりサーモスタットの異常を判
    定する車両用電子制御装置であって、 車両運転時の特定期間に限り実施条件が成立する演算処
    理とは、エンジンの冷間始動時に限り実施条件が成立す
    るサーモスタットの異常判定処理であり、該サーモスタ
    ットの異常判定が終了した時、直ぐにその判定結果を不
    揮発性メモリに記憶する請求項1又は2に記載の車両用
    電子制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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