JP2000273742A - 織物芯地 - Google Patents

織物芯地

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JP2000273742A
JP2000273742A JP11077240A JP7724099A JP2000273742A JP 2000273742 A JP2000273742 A JP 2000273742A JP 11077240 A JP11077240 A JP 11077240A JP 7724099 A JP7724099 A JP 7724099A JP 2000273742 A JP2000273742 A JP 2000273742A
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multifilament
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Toshizo Hatta
利三 八田
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GOKASHO ORIMONO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度の剛性を備え熱収縮率が低く、また、こ
れらの経緯差が小さくて、形態安定性が高い織物芯地を
提供することである。 【解決手段】 紡績糸からなる経糸12を用いた織物で
あって、紡績糸からなる緯糸14とマルチフィラメント
からなる緯糸16とを用いて製織された織物芯地10と
されることである。さらに、紡績糸からなる緯糸14
が、綿とポリエステル短繊維との混紡糸であり、マルチ
フィラメントからなる緯糸16がポリエステルマルチフ
ィラメントとされることである。また、紡績糸からなる
緯糸14が、100番手以上5番手以下の太さとされる
ことであり、紡績糸からなる緯糸14とマルチフィラメ
ントからなる緯糸16との太さの比が、0.5〜2.0
の範囲で組み合わされることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芯地に関し、特に、
シャツ、ドレスシャツの衿、衿台、袖等に適した織物芯
地に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来からある織物芯地
は、経糸および緯糸が紡績糸のみか、あるいはフィラメ
ント糸のみから構成されている。紡績糸のみから構成さ
れているものは、曲げ剛性が大きく硬い織物であり、フ
ィラメント糸のみから構成されているものは、曲げ剛性
が小さく柔らかい織物であって、この中間の適度な硬さ
をもつ織物芯地はこれまでになかった。一方、最近編地
の芯地も開発されているが非常に柔らかく(せん断剛性
Gが小さい)、婦人用、紳士用上衣の前身頃等に使用す
るには良いが、シャツ、ドレスシャツの衿、衿台、袖等
に使用するには不向きである。
【0003】また、従来の織物芯地、特に紡績糸からな
る織物芯地では収縮率が大きいという問題があった。収
縮率が大きいと洗濯や熱プレスを繰り返すうちに収縮し
てしまい、表地に皺や弛みや膨らみが生じるので好まし
くない。
【0004】また、従来の織物芯地では、収縮率や曲げ
剛性が経緯間で大きく異なっていた。このため、バイヤ
ス方向に裁断して使用しても衿や袖がカールしたり変形
したりする問題が生じていた。経緯間のこの異方性の原
因は、主に経糸が大きく屈曲していることによる。すな
わち、紡績糸からなる織物芯地を例にして説明すれば、
緯糸に硬い紡績糸が使用されていること、比較的細い経
糸が用いられていること、織機におけるヘルドが強制的
に経糸を曲げること等により経糸は大きく屈曲させられ
る。図6は、従来の織物芯地50における経糸52の屈
曲状態を模式的に説明するものであり、緯糸54を軸に
して波状に屈曲している。同図(b)に示されるよう
に、経方向Lに対する屈曲角度θ1は急角度である。
【0005】織物芯地は、芯地用織物が織り上がった後
に、経糸に付着した糊を落とす精練や漂白を行うための
加工や、ヒートセットや樹脂加工やサンフォライズ加工
が行われて得られるが、各加工時において経方向Lに強
い張力を受けて伸長し、経糸52は屈曲角度θ1を減ず
るように変形する。そして、この経糸52が受けた変形
の一部は、十分に緩和されずに残留歪みとなって残り、
織物芯地に熱収縮をもたらす大きな原因となっている。
屈曲角度θ1が大きいほど変形されやすく残留歪みが大
きくなり、洗濯されたりプレスされたりする時に、この
残留歪みが解消されるように大きく収縮することにな
る。すなわち、従来の織物芯地では、経糸52が大きく
屈曲していたために経方向の収縮率が大きかったのであ
る。
【0006】そこで、本発明者は上述した従来技術の問
題点を解決するため、適度の剛性を備え、熱収縮率が低
くて経緯差が小さく、形態安定性が高い織物芯地につい
て鋭意検討した結果本発明に至ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するため次の手段をとるものである。すなわち、本発
明にかかわる織物芯地は、紡績糸からなる経糸を用いた
織物であって、紡績糸からなる緯糸とマルチフィラメン
トからなる緯糸とを用いて製織される。
【0008】また特に、紡績糸からなる緯糸が、綿とポ
リエステル短繊維との混紡糸とされ、マルチフィラメン
トからなる緯糸が、ポリエステルマルチフィラメントと
される。
【0009】さらに、かかる織物芯地において、紡績糸
からなる緯糸の太さが、英式綿番手にて100番手以上
5番手以下であり、マルチフィラメントからなる緯糸の
太さの、紡績糸からなる緯糸の太さに対する比が、英式
綿番手換算にて、0.5〜2.0の範囲とされる。
【0010】さらにまた、かかる織物芯地において、紡
績糸からなる緯糸の多くとも2本と、マルチフィラメン
トからなる緯糸の多くとも2本とが、交互に繰り返し配
列された芯地用織物とされる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るの実施の形態
を図面に基づいて詳しく説明する 。
【0012】図1には、本発明の織物芯地の一例として
平織織物が示されているが、経糸12は全て紡績糸から
なり、緯糸には、紡績糸からなる緯糸14とマルチフィ
ラメント糸からなる緯糸16とが交互に用いられてい
る。マルチフィラメントは結束が緩く柔軟なため、図2
に示されるように、緯糸16は経糸12に食い込んだ状
態で交差する。また、マルチフィラメントは曲げ剛性が
小さいため、緯糸16自体が曲がることになって、経糸
12を曲げようとする応力発生が抑制される。その結
果、本発明の織物芯地10では、図3で模式的に示され
る経糸12の屈曲角度θ2が、従来織物芯地の屈曲角度
θ1より小さくなる。
【0013】したがって、本発明の織物芯地10は、精
練や漂白工程、ヒートセットや樹脂加工やサンフォライ
ズ加工時等に経方向に伸長応力を受けても、経糸12に
は残留歪みがあまり残らず、芯地として使用されてから
洗濯されたりプレスされたりしても経方向に収縮しにく
くなる。一方、緯方向の収縮率は、緯糸の屈曲が大きく
なる分収縮率も大きくなると考えられる。しかしなが
ら、実際は、緯糸に挿入したフィラメント糸の収縮率が
小さいため、緯方向の収縮率も小さくなっている。すな
わち、本発明によれば、経方向の収縮率も緯方向の収縮
率も共に低下し、かつ、両者の差が小さな織物芯地が得
られる。
【0014】本発明の芯地用織物は、例えば、平織、綾
織、朱子織等々とされるが、これらの例に限定されるも
のではない。用途によって最適の織り方が選択される
が、平織は異方性が少ないので、シャツ、ドレスシャツ
の衿、衿台、袖等の芯地に適している。
【0015】本発明の織物芯地を構成する繊維は、天然
繊維や合成繊維や化学繊維であり、特に限定されない。
例えば、綿糸、麻糸、ポリエステル繊維、レーヨン繊
維、又はこれらの複合糸等々を用いることが出来る。本
発明では紡績糸とマルチフィラメントが用いられるが、
織物芯地として用いるときには、洗濯や熱プレスによっ
て変形されないだけの耐収縮性が要求される。紡績糸に
は綿糸や、綿とポリエステルとの混紡糸や、ポリエステ
ル等々が用いられ、また広い意味で、綿とポリエステル
コアヤーンとからなる複合糸等も用いられる。マルチフ
ィラメントにはポリエステル繊維、ナイロン繊維、レイ
ヨン繊維等々が用いられる。
【0016】請求項2に記載される本発明の特に有効な
実施形態では、紡績糸からなる緯糸14に綿とポリエス
テルとの混紡糸、マルチフィラメントからなる緯糸16
にポリエステルマルチフィラメントが用いられる。綿と
ポリエステルとの混紡率は特に限定されないが、例え
ば、綿35%とポリエステル65%、綿40%とポリエ
ステル60%、等とされるのが好ましい。ポリエステル
繊維は熱や水によって収縮しにくく適度の剛性を備えて
おり寸法安定性が要請される芯地用途に特に適してい
る。また、マルチフィラメントと同一素材の短繊維を混
紡した紡績糸とすれば、触感、染色性、風合い、外観等
々をマルチフィラメントのそれに近づけることができ、
紡績糸とマルチフィラメントとを緯糸に用いた織物芯地
の均斉度が高められる効果がある。
【0017】請求項3は緯糸の太さに関し、紡績糸から
なる緯糸の太さが、英式綿番手にて100番手以上5番
手以下であり、マルチフィラメントからなる緯糸の太さ
の、紡績糸からなる緯糸の太さに対する比が、英式綿番
手換算にて、0.5〜2.0の範囲とされる。通常、マ
ルチフィラメントの太さはデニール番手で表示される
が、英式綿番手=5314.88÷デニール番手として
換算できる。例えば、200Dは26.5744英式綿
番手であり、400Dは13.2872英式綿番手に換
算される。
【0018】シャツ、ドレスシャツの衿、衿台、袖等に
使用される芯地は、前身頃芯や婦人物襟芯等に使用され
る芯地より柔らかく、インサイドベルト芯や帯芯等に使
用される芯地より固いことが要請される。本発明者は、
綿とポリエステルとの混紡糸からなる緯糸14と、ポリ
エステルマルチフィラメントからなる緯糸16とを種々
組み合わせ、シャツ、ドレスシャツの衿、衿台、袖等に
特に適した芯地物性が得られる条件を検討し、上記範囲
を見出したのである。
【0019】すなわち、これら用途に適する紡績糸の太
さは100番手以上5番手以下が好ましく、特に好まし
くは、50番手以上10番手以下である。紡績糸が細す
ぎれば柔らか過ぎる織物芯地となり、紡績糸が太すぎれ
ば固過ぎる織物芯地となるので好ましくない。また、マ
ルチフィラメントからなる緯糸と紡績糸からなる緯糸の
太さの比は、英式綿番手換算で0.5〜2.0が好まし
く、特に好ましくは、0.8〜1.7とされる。一般
に、細いマルチフィラメントを用いれば経方向の収縮率
を下げる効果が大となるが、細過ぎれば生地の表面に横
縞が目立つようになって好ましくない。また、マルチフ
ィラメントからなる緯糸が太すぎれば、緯糸16が固く
なって、経糸12の屈曲をむしろ増長する結果となるの
で好ましくない。したがって、マルチフィラメントの太
さは、紡績糸の太さの1/2から2倍の範囲にあるのが
実用的に好ましく、格別に好ましくは略60%から12
5%の範囲で組み合わされる。
【0020】図1において、紡績糸からなる緯糸14と
マルチフィラメントからなる緯糸16とは交互1本ずつ
配列されているが、本発明は図1に示される1本交互配
列の例に限定されない。すなわち、紡績糸からなる緯糸
14とマルチフィラメントからなる緯糸16とを2本交
互、3本交互、あるいは紡績糸1本の次にフィラメント
糸2本又は3本、あるいはマルチフィラメント1本の次
に紡績糸を2本又は3本、等とされてもよい。配列のさ
れ方は、用途から求められる芯地の硬さや風合いに応じ
て自由に設計できる。織機に付属している緯糸選択自動
交換装置を用いれば、異種の緯糸を適当な配列で織り込
める。
【0021】しかしながら、本発明のさらに有効な実施
態様では、紡績糸からなる緯糸の多くとも2本と、マル
チフィラメントからなる緯糸の多くとも2本とが、交互
に繰り返し配列された芯地用織物とされる。上述したよ
うに、緯糸14と緯糸16の太さを適切に選択すること
により、シャツ、ドレスシャツの衿、衿台、袖等に特に
適した芯地物性と外観を備えた織物芯地が得られるが、
さらに、それぞれの割合を詳細に設定することによっ
て、より優れた物性の織物芯地を得ることができる。織
物の剛性や風合いは、織物を構成する繊維の太さや固さ
を基本とし、その繊維が何本使用されるかということに
大略依存する。本発明者は、シャツ、ドレスシャツの
衿、衿台、袖等に特に適した織物芯地を得るための数多
くの実験を重ねた結果上記最適範囲を見出したものであ
る。
【0022】図4及び図5は本請求項に係わる実施態様
を示すものである。図4では、紡績糸からなる緯糸14
とマルチフィラメントからなる緯糸16とが1対1の割
合で配列され、同図(a)では図1に示されるのと同様
に1本ずつが交互に、同図(b)では2本ずつが交互に
配列されている。また図5(a)では、紡績糸からなる
緯糸14の1本と、マルチフィラメントからなる緯糸1
6の2本とが交互に配列され、同図(b)では、紡績糸
からなる緯糸14の2本と、マルチフィラメントからな
る緯糸16の1本とが交互に配列されている。緯糸1
4、16のそれぞれの太さが請求項3において記載され
る範囲とされても、同種の緯糸が多数本並べば横縞が発
生して目立つようになるので、表地に影となって写るよ
うになり好ましくない。したがって本請求項では多くと
も2本並べる範囲とされている。
【0023】図4及び図5で明らかなように、本請求項
によれば、紡績糸からなる緯糸14の本数と、マルチフ
ィラメントからなる緯糸16本数との比は、0.5〜
2.0の範囲とされる。比が2.0以上とされ、紡績糸
がマルチフィラメントの2倍以上であれば、マルチフィ
ラメントを導入する所期の目的、すなわち、経糸の屈曲
を緩めようとする目的が十分達成できない。また、比が
0.5以下であれば、緯方向の収縮率が大きくなり経緯
間のバランスが崩れて好ましくない。
【0024】本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、
織物の組織、経糸や緯糸の材質や構成や太さや撚り状態
等につき、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、
変形を加えた態様で実施し得るものである。
【0025】本発明の実施例を以下に詳しく説明する。
【0026】実施例1〜3 経糸12と紡績糸からなる緯糸14には、綿35%とポ
リエステル65%の混紡糸を用い、緯糸16にはポリエ
ステルマルチフィラメントを使用して図1の組織図によ
り平織生機を製織した。緯糸14と緯糸16とは1本ず
つ交互に配列されており、織上げ幅は38.5インチで
あった。次に、150℃〜250℃の温度で、精錬、ヒ
ートセット、樹脂加工、サンフォライズ加工等を施して
芯地に仕上げた。
【0027】比較例1〜3 全ての緯糸に、綿35%とポリエステル65%の混紡糸
を用いた他は、実施例1〜3と同一の条件で製織した。
【0028】実施例1〜3と比較例1〜3につき、それ
ぞれの芯地に用いられた繊維の太さと組織を纏めて表1
に示す。また、得られたベース芯地の特性を表2に、ト
ップヒューズ芯地の特性を表3に示す。各特性は下記の
方法に基づいて測定した。 洗濯収縮率:JIS L−1042(F−2法) プレス収縮率:JIS L−1042(H−3) 貼り合わせ時収縮率:160℃×15秒×2.4kg/
cm2
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】表1で示されるように、実施例1〜3で
は、それぞれ16番手、17番手、11.5番手の紡績
糸が使用され、英式綿番手に換算されたマルチフィラメ
ントの太さは、それぞれ、17.72番手、17.72
番手、11.19番手であった。したがって、紡績糸と
マルチフィラメントの太さの比は、それぞれ、1.1
1、1.04、0.97である。
【0033】表2に示されるベース芯地の特性におい
て、実施例1〜3の織物芯地は、比較例1〜3の織物芯
地と較べ、収縮率が経緯両方向で共に小さく経緯間の差
も減少している。また、表3に示されるトップヒューズ
芯地特性においても、実施例1〜3の織物芯地は、収縮
率が経緯両方向で共に小さく経緯間の差も減少している
のが明らかであり、本発明の効果は顕著であった。
【0034】実施例4〜6、比較例4〜5 紡績糸からなる緯糸14とマルチフィラメントからなる
緯糸16との配列を変えた平織の芯地用織物を製織し、
実施例1〜3と同様の加工を施して5種のベース芯地を
得た。経糸12と紡績糸からなる緯糸14には、綿35
%とポリエステル65%の混紡糸(16S)を用い、マ
ルチフィラメントからなる緯糸16には、ポリエステル
マルチフィラメント(300D)を用いた。得られた芯
地用織物の特性を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】表4で示されるように、緯糸14と緯糸1
6とが、1本:2本、2本:2本、2本:1本として配
列される実施例4〜6では、洗濯収縮率が1.9%以下
であって比較例1より大幅に減少しているが、1本:3
本とされた比較例4では、緯方向の洗濯収縮率が大きく
なってしまい好ましくない結果となっている。また、3
本:1本とされた比較例5では、経方向の洗濯収縮率が
あまり改善されていない。
【0037】
【発明の効果】本発明の織物芯地によれば、紡績糸から
なる緯糸とマルチフィラメント糸からなる緯糸が用いら
れているので、柔軟なマルチフィラメントの緯糸に経糸
が食い込んだ状態で交差する。また、マルチフィラメン
トの緯糸自体が曲がることになって、経糸を曲げようと
する応力発生が抑制され、経糸の屈曲角度が小さくな
る。その結果、精練や漂白を行うための加工時やヒート
セット、樹脂加工、サンフォライズ加工時等に経方向に
伸長応力を受けても、経糸には残留歪みがあまり残ら
ず、芯地として使用されてから洗濯されたりプレスされ
たりしても経方向に収縮しにくくなる。また、フィラメ
ント糸の収縮率が小さいため緯方向の収縮率も従来より
減少し、経緯両方向の収縮率が共に低下し、かつ、両者
の差が小さな良好な芯地用織物が得られる。
【0038】また本発明の芯地用織物では、曲がりやす
いマルチフィラメントが緯糸に混ぜられているので、芯
地用織物全体が適度に柔らかくなると共に経緯間の剛性
率差が減少する。また、経方向の曲がり構造と緯方向の
曲がり構造とが、従来の織物よりも類似するため、バイ
ヤス方向に裁断してもカールや変形が生じにくくなる。
【0039】特に、紡績糸からなる緯糸に綿とポリエス
テルとの混紡糸、マルチフィラメントからなる緯糸にポ
リエステルマルチフィラメントが用いられれば、ポリエ
ステルの特性に基づき、熱や水によって収縮しにくく適
度の剛性を備えた織物芯地が得られる。また、マルチフ
ィラメントと同一素材の短繊維が混紡されるので、触
感、染色性、風合い、外観等々がマルチフィラメントの
それに近づき、均斉度の高い織物芯地が得られる。
【0040】さらに、このような芯地用織物において、
紡績糸からなる緯糸の太さが、英式綿番手にて100番
手以上5番手以下とされれば、シャツ、ドレスシャツの
衿、衿台、袖等に特に適した適度の曲げ剛性と低い収縮
特性を有する織物芯地が得られる。また、マルチフィラ
メントからなる緯糸の太さの、紡績糸からなる緯糸の太
さに対する比が、英式綿番手換算にて、0.5〜2.0
の範囲とされれば、目立った横縞や毛羽が生じないの
で、表地に芯地模様が写り出ることがない。
【0041】さらにまた、このような織物芯地におい
て、紡績糸からなる緯糸の多くとも2本と、マルチフィ
ラメントからなる緯糸の多くとも2本とが、交互に繰り
返し配列されることにより、収縮率の経緯間差が格別に
改善された織物芯地得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる織物芯地の一例を説明する模式
図であり、同図(a)は要所の上面図、同図(b)は要
所の側方断面図である。
【図2】本発明に係わり、経糸と緯糸との交差部を模式
的に示す側面図である。
【図3】本発明に係わり、経糸の屈曲角度を模式的に示
す側方説明図である。
【図4】本発明に係わり、紡績糸からなる緯糸とマルチ
フィラメントからなる緯糸との配列例を示す上面図であ
り、同図(a)は1本ずつの交互配列、同図(b)は2
本ずつの交互配列の例である。
【図5】本発明に係わり、紡績糸からなる緯糸とマルチ
フィラメントからなる緯糸との配列例を示す上面図であ
り、同図(a)は1本と2本の繰り返し配列、同図
(b)は2本と1本の繰り返し配列の例である。
【図6】従来例に係わる芯地用織物の一例を説明する模
式図であり、同図(a)は要所の側方断面図、同図
(b)は経糸の屈曲角度を模式的に示す側方説明図であ
る。
【符号の説明】
10、50:織物芯地 12、52:経糸 14、16、54:緯糸 L:経方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡績糸からなる経糸を用いた織物であっ
    て、紡績糸からなる緯糸とマルチフィラメントからなる
    緯糸とを用いて製織されたことを特徴とする織物芯地。
  2. 【請求項2】 前記紡績糸からなる緯糸が、綿とポリエ
    ステル短繊維との混紡糸であり、前記マルチフィラメン
    トからなる緯糸が、ポリエステルマルチフィラメントで
    あることを特徴とする前記請求項1に記載する織物芯
    地。
  3. 【請求項3】 前記紡績糸からなる緯糸の太さが、英式
    綿番手にて100番手以上5番手以下であり、前記マル
    チフィラメントからなる緯糸の太さの、該紡績糸からな
    る緯糸の太さに対する比が、英式綿番手換算にて、0.
    5〜2.0の範囲にあることを特徴とする前記請求項1
    又は請求項2に記載する織物芯地。
  4. 【請求項4】 前記紡績糸からなる緯糸の多くとも2本
    と、前記マルチフィラメントからなる緯糸の多くとも2
    本とが、交互に繰り返し配列されたことを特徴とする前
    記請求項3に記載する織物芯地。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8071492B2 (en) 2001-08-20 2011-12-06 Pbi Performance Products, Inc. Textile fabric for the outer shell of a firefighter's garment
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