JP3566934B2 - ナイロンストレッチ糸とそれを使用したスパンライク織物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナイロンの風合いのよいストレッチ糸及びそれを使用した織物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スポーツ衣料等にストレッチ糸としては、ウレタンを使用したカバリング糸がよく知られているが、これは高価であるだけでなく、その製織においては伸長率の高い緯糸を飛走させるために、レピア織機を低速で使用する必要があり、作業的にも問題があった。
また、エアー交絡加工糸であるタスラン加工糸を使用した織物も知られるが、従来のタスラン加工糸は、スパンライクな風合いを得るには適しているが、タスラン加工により、伸長率が低下するためストレッチ糸として、有効に使用できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ナイロンを使用してストレッチ糸が得られるとは考えられなかったが、本発明では、従来の欠点を解消し、ナイロンからなる実用的なストレッチ糸を提供し、これを使用してスポーツ衣料に適したストレッチ織物をも、比較的安価に提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明では、芯糸にナイロンマルチフィラメントの仮撚加工糸を使用し、鞘糸にナイロン半延伸糸(POY)のマルチフィラメントを使用し、これらをタスラン加工することにより、ナイロンからなる伸長率10%以上のストレッチ糸の提供を可能とした。なお、このストレッチ糸(タスラン加工して得た複合糸)は、芯糸と鞘糸の繊度の比率が0.5〜2:1で、複合糸の繊度が100〜300dtexであることを特徴とする。
【0005】
本発明では、このように、従来全く実施されたことのない、仮撚加工糸を芯糸にしてタスラン加工するという方法で、所望の目的を達成したものであるが、これは、ヤング率が低く、高伸度のナイロン糸を鞘糸に使用すれば、タスラン加工をしても伸度が保てるということを見い出し、完成されたのである。
【0006】
本発明において、芯糸及び鞘糸共に、ナイロン66又はナイロン6のいずれからなるものであってもよいが、芯糸にナイロン66を使用する場合には、単糸繊度が3dtex以下、例えば1〜3dtexのマルチフィラメントの仮撚加工糸を使用するのが好ましく、また芯糸にナイロン6を使用する場合には、単糸繊度が4dtex以上、例えば4〜8dtexのナイロン6からなるマルチフィラメントの仮撚加工糸を使用するのが好ましい。
【0007】
なお、芯糸の単糸繊度が前記範囲を逸脱すると、ストレッチ糸の伸びの回復率が悪くなったり、またタスラン加工時にエアー交絡斑が生じる危険性がある。
【0008】
次に、鞘糸は、単糸繊度2dtex以下、例えば0.8〜2dtexのナイロン半延伸糸からなるマルチフィラメントを使用するのが好ましく、また、ナイロン6であるのがよい。
【0009】
なお、鞘糸の単糸繊度が大となると、ストレッチ糸の伸びの回復率や風合いが悪くなり、またタスラン加工の加工性も悪くなる。
【0010】
本発明のストレッチ糸では、鞘糸に、例えば70本以上のフィラメントからなるハイマルチの半延伸糸を使用し、芯糸にナイロンマルチフィラメントの仮撚加工糸を使用して、タスラン加工されているため、鞘糸が芯糸の伸びに追従して、安定して伸張率に優れたものとなり、しかもスパンライクな風合いのよいものとなるのである。
【0011】
かかる本発明のストレッチ糸は、これを緯糸に使用し、経糸に通常のナイロン糸を使用して製織することにより、全体にナイロンの、ストレッチ性に優れたスパンライク織物、例えば横方向に10〜30%の伸長率を80%の回復率で有する織物の提供を可能とする。なお、該織物は、容易に、カバーファクター1600〜2800というような防風性あるものとなしうる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を次に示す。
実施例1 ストレッチ糸の製造
表1の芯糸と鞘糸を使用してタスラン加工して、ストレッチ糸を製造した。
得られた糸の物性を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
実施例2
実施例1で得たNo.2の糸を緯糸に使用して、表2に示すような3種の織物を合成繊維の汎用織機であるウオータージェットルームを使用し織機回転数480RPMで製造した。
3種の織物はいずれも、横方向に約20%以上の伸張率を有するもので、その回復率も90%以上であった。また、織物のカバーファクター2000を越すものであり、非常に防風性に富んだものとなった。
【0015】
【表2】
【0016】
実施例3
表2の平織物と綾織物を精錬し、常法に従って酸性染料で染色したところ、ナイロン66とナイロン6との組み合わせによる織物は染着性の違いを活かして杢調の表面感が得られ、均一に染めることが出来た。また、ナイロン6からなる織物は全体に均一に美しく染め上がった。なお、いずれの製品も、スポーツカジュアルの中・外衣などルーズフィットな衣料に適した伸長率約20%を有し、スパンライクな表面感と風合いを備えたものとなった。
精錬及び染色等の条件及び処理後の織物の状態は表3の通りである。
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】
本発明では、ナイロン繊維のみを使用して、ストレッチ性に優れた糸や織物を得ることができるので、比較的安価に、染色性のよい、スポーツ衣料を提供できる。また、カバーファクターが非常に大きなスパンライクの織物を得ることができるので、感触よく、防風及び防水性に富んだ衣料の提供が可能となる。
Claims (6)
- 芯糸にナイロンマルチフィラメントの仮撚加工糸を使用し、鞘糸にナイロン半延伸糸のマルチフィラメントを使用し、これらをタスラン加工してなる複合糸であり、芯糸と鞘糸の繊度の比率が0.5〜2:1で、前記複合糸の繊度が100〜300dtexであり、かつ前記複合糸が10%以上の伸長率を有することを特徴とするナイロンストレッチ糸。
- 前記芯糸が単糸繊度3dtex以下のナイロン66からなるマルチフィラメントの仮撚加工糸であり、前記鞘糸が単糸繊度2dtex以下のナイロン半延伸糸からなるマルチフィラメントである請求項1のナイロンストレッチ糸。
- 前記芯糸が単糸繊度4dtex以上のナイロン6からなるマルチフィラメントの仮撚加工糸であり、前記鞘糸が単糸繊度2dtex以下のナイロン半延伸糸からなるマルチフィラメントである請求項1のナイロンストレッチ糸。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のナイロンストレッチ糸を緯糸に使用し、経糸に通常のナイロン糸を使用してなることを特徴とするストレッチ性を有するスパンライク織物。
- 横方向に、10〜30%の伸長率を80%の回復率で有する請求項4のスパンライク織物。
- カバーファクターが1600〜2800である請求項4又は5のスパンライク織物。
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