JP2000273630A - イオンガン及びイオンビームスパッタ成膜装置 - Google Patents
イオンガン及びイオンビームスパッタ成膜装置Info
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Abstract
うにする。 【解決手段】 イオンを引き出すグリッドを2組有し、
それら2組のグリッド32,33をそれぞれ大径の穴3
5と小径の穴36とが均等に配列形成されたものとし
て、互いの大径の穴35と小径の穴36とが重なるよう
に配置し、それらグリッド32,33の一側にシャッタ
34を配置する。シャッタ34は移動可能とし、第1の
位置において対向するグリッド(スクリーングリッド)
33aの小径の穴36のみを全て塞ぎ、第2の位置にお
いてグリッド33aの大径の穴35のみを全て塞ぐ構造
とする。シャッタ移動により、グリッド32(32a,
32b)とグリッド33(33a,33b)の一方が選
択使用される。
Description
ッタ成膜装置とそれに用いるイオンガンに関する。
数百eVから数KeV のエネルギーを持つイオンビームをイ
オンガンによって生成し、そのイオンビームをターゲッ
トに照射してターゲット材料をスパッタアウトさせ、そ
のスパッタアウトしたターゲット材料を基板上に堆積さ
せることにより、基板上に所望の薄膜を形成することが
できるものである。
例えばそれら材料のターゲットをターゲットホルダに予
め取り付けておき、ターゲットホルダを回転させてター
ゲットを切り換えることにより、真空を破ることなく、
連続して成膜することができる。図5は上記のような構
成を有するイオンビームスパッタ成膜装置を模式的に示
したものであり、図中、11は真空チャンバ、12はイ
オンガン、13は回転機構(図示せず)を備えたターゲ
ットホルダ、14は基板ホルダを示し、15,16はタ
ーゲット、17は基板を示す、なお、矢印18はイオン
ビームを示し、矢印19は粒子のスパッタアウト方向を
示す。
ものであり、イオンガン12はその筒体21の内部で生
成したイオンをグリッド22によって引き出す構造とな
っており、これによりイオンが加速されてイオンビーム
18とされる。なお、図中、23はRFコイル、24は
ガス導入口を示す。グリッド22は一般にスクリーング
リッド22aと加速用グリッド22bとの2枚1組によ
って構成されており、これらグリッド22a,22bは
従来においては共に例えばカーボンやモリブデン等の材
料によって形成されていた。
リッドを構成する材料は成膜過程において薄膜中に混入
するため、ターゲット材料とグリッド材料とが異なる場
合には、グリッド材料は不純物として薄膜中に混入する
ことになる。従って、例えば2種類の材料よりなる多層
膜を形成する場合、従来のイオンガンにおいては仮に積
層する一方の材料とグリッド材料とを一致させたとして
も、他方の材料によって形成された薄膜中にはグリッド
材料が不純物として混入することになる。
よっては大きな問題となり、例えば多層膜光学素子にお
いてはその光学性能の低下が問題となる。多層膜光学素
子は屈折率の異なる数種類の物質の積層構造からなるも
ので、使用する波長によって用いる材料と膜の厚さが選
定され、例えば紫外線〜可視〜赤外線の領域ではSiO
2 とTiO2 あるいはTa2 O5 といった誘電体材料が
使用されているが、このような物質にモリブデンなどの
物質が混入すると、吸収損失の大きい膜となってしま
い、光学性能が低下してしまう。
デンが混入しているSiO2 膜を成膜したサンプルの透
過分光特性を示したものであり、グラフ中、実線で示し
たガラス基板の透過分光特性から点線で示したサンプル
の透過分光特性を引いたものが、このSiO2 膜の吸収
損失となり、図に示したように大きな吸収損失が存在し
ている。
真空を破ることなく、ターゲット材料に合わせてイオン
ガンのグリッドを切り換えることができるようにしたイ
オンビームスパッタ成膜装置を提供することにあり、さ
らにそれに用いるイオンガンを提供することにある。
ば、イオンビームスパッタ成膜装置用のイオンガンは、
イオンを引き出すグリッドを2組有し、それら2組のグ
リッドはそれぞれ大径の穴と小径の穴とが均等に配列形
成されて、互いの大径の穴と小径の穴とが重なるように
配置され、それら2組のグリッドの一側にシャッタが対
向配置され、そのシャッタは移動可能とされて、第1の
位置において対向するグリッドの小径の穴のみを全て塞
ぎ、第2の位置において上記対向するグリッドの大径の
穴のみを全て塞ぐ構造とされる。
にイオンガンと、複数のターゲットを保持できるターゲ
ットホルダと、基板を保持する基板ホルダとが配置され
てなるイオンビームスパッタ成膜装置において、イオン
ガンがイオンを引き出すグリッドを2組有し、それら2
組のグリッドはそれぞれ大径の穴と小径の穴とが均等に
配列形成されて、互いの大径の穴と小径の穴とが重なる
ように配置され、それら2組のグリッドの一側にシャッ
タが対向配置され、そのシャッタは移動可能とされて、
第1の位置において対向するグリッドの小径の穴のみを
全て塞ぎ、第2の位置において上記対向するグリッドの
大径の穴のみを全て塞ぐ構造とされ、上記シャッタに駆
動手段が連結され、その駆動手段により、真空チャンバ
の真空を破ることなく、シャッタが駆動される構成とさ
れる。
いて、ターゲットホルダがターゲットを2個保持できる
構造とされ、そのターゲットホルダに保持される各ター
ゲット材料と上記2組のグリッドの各組の構成材料が同
じものとされる。
照して実施例により説明する。図1はこの発明によるイ
オンガンの一実施例の構成概要を示したものであり、こ
の例ではイオンガン31は異なる材料よりなる2組のグ
リッド32,33を有するものとされ、さらにそれら2
組のグリッド32,33の内側にシャッタ34を有する
ものとされる。
と加速用グリッド32bとの2枚1組によって構成さ
れ、同様にグリッド33もスクリーングリッド33aと
加速用グリッド33bとの2枚1組によって構成されて
いる。図2A,Bはこれら2組のグリッド32,33の
形状を示したものであり、一方の組のスクリーングリッ
ド32aと加速用グリッド32bとは同一形状とされて
図2Aに示したような形状とされ、即ち円板状の板面に
多数の大径の穴35と小径の穴36とが縦横に交互に均
等に配列形成されたものとなっている。
aと加速用グリッド33bも同一形状とされて図2Bに
示したような形状とされ、円板状の板面に多数の大径の
穴35と小径の穴36とが縦横に交互に均等に配列形成
されたものとなっている。なお、これら2組のグリッド
32,33は重ね合わせた時、互いの大径の穴35と小
径の穴36とが重なるように形成されており、つまり大
径の穴35の位置と小径の穴36の位置とが逆に形成さ
れている。
であり、シャッタ34はこの例では矩形板状とされて、
その板面に大径の穴35が配列形成されたものとなって
いる。このシャッタ34の大径の穴35の位置はグリッ
ド32の大径の穴35の位置と対応しており、さらに下
側に一列多く形成されている。グリッド32と33は図
1に示したように、スクリーングリッド32aと33a
とが重ね合わされ、加速用グリッド32bと33bとが
重ね合わされて筒体37に取り付けられる。なお、図1
中、38はこれらスクリーングリッド32a,33aと
加速用グリッド32b,33bとを絶縁離間するための
碍子を示し、39はこれら2組のグリッド32,33を
一体に固定するセラミックネジを示す。また、41はR
Fコイル、42はガス導入口を示す。
と対向して配置され、そのスクリーングリッド33aの
板面と平行に移動可能とされる。シャッタ34の下端に
はシャッタ34を駆動するためのシャフト43が取り付
けられており、シャフト43はベローズ44を介して筒
体37の外部に導出されている。図3はシャッタ34の
位置によって使用するグリッド32,33が切り換えら
れる様子を示したものであり、シャッタ34は図3Aに
示した第1の位置において対向するスクリーングリッド
33aの小径の穴36を全て塞ぐと共に、大径の穴35
がスクリーングリッド33aの大径の穴35と対向する
状態となり、よってこの状態ではグリッド32によって
イオンビーム18が引き出されることになる。
ャッタ34を図3Bに示したように矢印方向に下げる。
この下げた第2の位置においては、シャッタ34は対向
するスクリーングリッド33aの大径の穴35を全て塞
ぎ、つまりグリッド32の小径の穴36を全て塞ぐこと
になり、大径の穴35がスクリーングリッド33aの小
径の穴36と対向する状態となってグリッド33が使用
される。なお、図3Cは図3Aの状態を一部拡大して示
したものである。
によれば、2組のグリッド32,33を切り換え使用す
ることができ、かつその切り換えを簡易に行うことがで
きる。図4は上述したイオンガン31を具備するイオン
ビームスパッタ成膜装置の構成を模式的に示したもので
あり、図5と対応する部分には同一符号を付けてある。
られているシャフト43はこの例では真空チャンバ11
の外部に導出されて、駆動手段45に連結されている。
駆動手段45は例えばウォームギアを備えたモータ等に
よって構成され、この駆動手段45を作動させることに
より、シャッタ34を駆動することができ、つまり真空
チャンバ11の真空を破ることなく、シャッタ34を移
動させてグリッド32,33を切り換えられるものとな
っている。なお、図4中、46はベローズを示す。
膜装置によれば、成膜したい物質に応じて、つまりター
ゲット材料に応じて使用するグリッドを簡易に切り換え
ることができる。従って、2組のグリッド32,33を
ターゲットホルダ13に保持される2個のターゲット1
5,16とそれぞれ同じ材料で構成し、ターゲット1
5,16の切り換えに合わせてグリッド32,33を切
り換えて使用するようにすれば、成膜された膜内にグリ
ッド材料が不純物として混入するといった問題を解消す
ることができる。
SiO2 膜とTiO2 膜との積層構造からなる多層膜光
学素子を形成する場合を一例として挙げれば、グリッド
32をSiで形成し、グリッド33をTiで形成するこ
とにより、グリッド材料が薄膜中に不純物として混入す
るのを防止することができ、よって良好な光学性能を有
する多層膜光学素子を得ることができる。
オンガンによれば、例えば取り付け、取り外しといった
面倒な作業を伴うことなく、2組のグリッドを簡易に切
り換えて使用することができる。また、この発明による
イオンビームスパッタ成膜装置によれば、真空を破るこ
となく、イオンガンの2組のグリッドを切り換えて使用
することができ、よって例えば異種材料の積層膜を連続
成膜によって形成するような場合に、それらのターゲッ
ト材料と同じ材料で2組のグリッドを構成し、ターゲッ
ト材料に合わせて使用するグリッドを切り換えるように
すれば、グリッド材料が膜中に不純物として混入するの
を防ぐことが可能となる。
図。
グリッド33の正面図、Cはシャッタ34の正面図。
Aはグリッド32を使用する場合、Bはグリッド33を
使用する場合を示し、CはAの部分拡大図を示す。
図。
示す図。
膜の透過分光特性の低下を説明するためのグラフ。
Claims (3)
- 【請求項1】 イオンビームスパッタ成膜装置用のイオ
ンガンであって、 イオンを引き出すグリッドを2組有し、それら2組のグ
リッドはそれぞれ大径の穴と小径の穴とが均等に配列形
成されて、互いの大径の穴と小径の穴とが重なるように
配置され、 それら2組のグリッドの一側にシャッタが対向配置さ
れ、 そのシャッタは移動可能とされて、第1の位置において
対向するグリッドの小径の穴のみを全て塞ぎ、第2の位
置において上記対向するグリッドの大径の穴のみを全て
塞ぐ構造とされていることを特徴とするイオンガン。 - 【請求項2】 真空チャンバ内に、イオンガンと、複数
のターゲットを保持できるターゲットホルダと、基板を
保持する基板ホルダとが配置されてなるイオンビームス
パッタ成膜装置において、 上記イオンガンがイオンを引き出すグリッドを2組有
し、それら2組のグリッドはそれぞれ大径の穴と小径の
穴とが均等に配列形成されて、互いの大径の穴と小径の
穴とが重なるように配置され、それら2組のグリッドの
一側にシャッタが対向配置され、そのシャッタは移動可
能とされて、第1の位置において対向するグリッドの小
径の穴のみを全て塞ぎ、第2の位置において上記対向す
るグリッドの大径の穴のみを全て塞ぐ構造とされ、 上記シャッタに駆動手段が連結され、 その駆動手段により、上記真空チャンバの真空を破るこ
となく、上記シャッタが駆動される構成とされているこ
とを特徴とするイオンビームスパッタ成膜装置。 - 【請求項3】 請求項2記載のイオンビームスパッタ成
膜装置において、 上記ターゲットホルダはターゲットを2個保持できる構
造とされ、 そのターゲットホルダに保持される各ターゲット材料と
上記2組のグリッドの各組の構成材料が同じものとされ
ていることを特徴とするイオンビームスパッタ成膜装
置。
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- 1999-03-26 JP JP08293899A patent/JP4175723B2/ja not_active Expired - Fee Related
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