JP2000273453A - 没食子酸から誘導される長鎖アルコキシ基を有するフェノール系酸化防止剤組成物 - Google Patents

没食子酸から誘導される長鎖アルコキシ基を有するフェノール系酸化防止剤組成物

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JP2000273453A
JP2000273453A JP11078081A JP7808199A JP2000273453A JP 2000273453 A JP2000273453 A JP 2000273453A JP 11078081 A JP11078081 A JP 11078081A JP 7808199 A JP7808199 A JP 7808199A JP 2000273453 A JP2000273453 A JP 2000273453A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化、分散、洗浄、起泡時に酸化防止の目的
に使用しうる組成物を提供すること。 【解決手段】一般式(1)、式(2)で示される4−ア
ルコキシ−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド
および3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイ
ックアシド誘導体の単一物または2種以上の混合物(式
中R1は直鎖アルキルあるいは分枝アルキル、置換基を
有してもよいアルキル鎖を示す。 アルキルの炭素数は
4−100である。式中R2は水素、金属、あるいは1
価カチオンである。)を含む乳化物を使用すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乳化物の油相に対す
る様々な親和能力を有する新規なイオン性酸化防止剤を
含む乳化物に関するものであり、乳化物の強力な酸化防
止機能として作用するものに関するものである。さらに
詳しくは長鎖アルコキシ基と親水基からなる構造を有
し、フェノール性水酸基を持つ物質を酸化防止剤として
使用した乳化物に関するものである。このものは乳化、
分散、洗浄、起泡の目的時に酸化防止の目的で工業用、
食品用、化粧品用、医薬品用などに利用できる。
【0002】
【従来の技術】近年フェノール誘導体の酸化防止作用が
明らかになりつつあり、たとえば没食子酸にはきわめて
優れた酸化防止効果があることから各種油脂等へ応用さ
れている。また油脂をエマルジョン系にするためにはt
ween20のような各種界面活性剤でその溶液を乳化
してそれを安定化している。またその保存用としてα−
トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール(BH
A)やブチルヒドロキシトルエン(BHT)のような酸
化防止剤を別途添加する必要があり、その酸化防止能の
調節には酸化防止剤の種類をかえて選定することや、そ
の添加量の増減によって制御していた。(例としてJ.
Am.Oil Chem.Soc., 74,1059
(1997)., J. Agric. Food C
hem., 44, 2619(1996)., J.
Agric.Food Chem.,45, 3738
(1997).等)しかしこの方法では酸化防止能の微
妙な調節は不可能であり、また酸化防止剤の種類が変わ
ることにより製品の物性が変化することになる。このよ
うなことから製品の物性を変化させることなく乳化物の
ための微妙な酸化防止能を調節できる機能を持つ物質や
それを含む乳化物の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は一分子内
に長鎖アルコキシ基を有し、かつフェノール性水酸基を
持つことにより酸化防止剤として機能する物を用いて乳
化物を得ることを目的とするものである。またこの物質
の乳化物の油相に対する親和性を長鎖アルコキシ基の鎖
長により制御することによって乳化物の酸化防止能を自
由に制御できることを目的とする。これにより酸化防止
剤の量やその種類を変える必要が無く、酸化防止剤を含
む組成を変えることなくその酸化防止能を適切に制御で
きうる。これにより乳化、分散、洗浄、起泡の目的時に
酸化防止の目的に使用しうる物質とそれを含む乳化物を
提供することを目的とする。すなわち一般式(1)、式
(2)中R以外の芳香環構造を変えることなく、R1の
鎖長を変えることによって酸化防止剤濃度や種類に選ら
ず乳化物中で自由にその酸化防止能を制御することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本研究者は、エーテル結
合として長鎖炭化水素基を含む没食子酸誘導体がその鎖
長により様々な乳化物の油相親和性を有すること、かつ
酸化防止能を有し、 その物質を使用した乳化物がa−
トコフェロールと同程度の強力な酸化防止能を有するこ
とや、その結果としてその鎖長の長さを制御することに
よってその疎水性の程度を制御でき、その鎖長の長さに
よって自由に酸化防止能が制御できることを見いだし、
本発明にいたったものである。
【0005】 すなわち本発明は一般式(1)、式(2)で示される4
−アルコキシ−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシ
ド および3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベン
ゾイックアシド誘導体の単一物または2種以上の混合物
(式中R1は直鎖アルキルあるいは分枝アルキル、置換
基を有してもよいアルキル鎖を示す。 アルキルの炭素
数は4−100である。式中R2は水素、金属、あるい
は1価カチオンである。) 、及び上記本願物質を使用した乳化物に関するものであ
る。また一般式(1)、式(2)中R以外の芳香環構造
を変えることなく、R1の鎖長を変えることによって酸
化防止剤濃度や種類によらず自由にその酸化防止能を制
御することに関するものである。すなわち 1)一般式(1)、式(2)で示される4−アルコキシ
−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド および
3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイックア
シド誘導体の単一物または2種以上の混合物を用いた乳
化物(式中R1は直鎖アルキルあるいは分枝アルキル、
置換基を有してもよいアルキル鎖を示す。アルキルの炭
素数は4−100である。式中R2は水素、金属、ある
いは1価カチオンである。)に関するものである。 2)一般式(1)、式(2)で示される4−アルコキシ
−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド および
3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイックア
シド誘導体の単一物または2種以上の混合物(式中R1
は直鎖アルキルあるいは分枝アルキル、置換基を有して
もよいアルキル鎖を示す。 アルキルの炭素数は4−1
00である。式中R2は水素、金属、あるいは1価カチ
オンである。)を用いて乳化物中で一般式(1)、式
(2)中R1,R2以外の芳香環構造を変えることなく
R1の鎖長を変えることによって自由にその酸化防止能
を制御することに関するものである。 3)好ましくは一般式(1)、式(2)で示される4−
アルコキシ−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド
および3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾ
イックアシド誘導体の単一物または2種以上の混合物を
用いた乳化物(式中R1は直鎖アルキルあるいは分枝ア
ルキル、置換基を有してもよいアルキル鎖を示す。 ア
ルキルの炭素数は4−16である。式中R2は水素、金
属、あるいは1価カチオンである。)に関するものであ
る。 4)好ましくは一般式(1)式(2)で示される4−ア
ルコキシ−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド
および3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイ
ックアシド誘導体の単一物または2種以上の混合物(式
中R1は直鎖アルキルあるいは分枝アルキル、置換基を
有してもよいアルキル鎖を示す。 アルキルの炭素数は
4−16である。式中R2は水素、金属、あるいは1価
カチオンである。)を用いて乳化物中で一般式(1)、
式(2)中R1,R2以外の芳香環構造を変えることな
くR1の鎖長を変えることによって自由にその酸化防止
能を制御することに関するものである。 5)一般式(1)で示される4−アルコキシ−3、5−
ジヒドロキシベンゾイックアシド および3、4−ジア
ルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイックアシド誘導体の
単一物または2種以上の混合物(式中R1は直鎖アルキ
ルあるいは分枝アルキル、置換基を有してもよいアルキ
ル鎖を示す。 アルキルの炭素数は4−100である。
式中R2は水素、金属、あるいは1価カチオンであ
る。)に関するものである。 6)一般式(2)で示される4−アルコキシ−3、5−
ジヒドロキシベンゾイックアシド および3、4−ジア
ルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイックアシド誘導体の
単一物または2種以上の混合物(式中R1は直鎖アルキ
ルあるいは分枝アルキル、置換基を有してもよいアルキ
ル鎖を示す。 アルキルの炭素数は4−100である。
式中R2は水素、金属、あるいは1価カチオンであ
る。)に関するものである。 5)好ましくは一般式(1)で示される4−アルコキシ
−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド および
3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイックア
シド誘導体の単一物または2種以上の混合物(式中R1
はC4からC16の直鎖アルキルを示す。 式中R2は
水素、Na、Kである。)に関するものである。 6)好ましくは一般式(2)で示される4−アルコキシ
−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド および
3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイックア
シド誘導体の単一物または2種以上の混合物(式中R1
はC4からC16の直鎖アルキルを示す。 式中R2は
水素、Na、Kである。)に関するものである。 7)一般式(1)で示される4−アルコキシ−3、5−
ジヒドロキシベンゾイックアシド および3、4−ジア
ルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイックアシド誘導体の
単一物または2種以上の混合物の溶液(水、有機溶剤
等)(式中R1は直鎖アルキルあるいは分枝アルキル、
置換基を有してもよいアルキル鎖を示す。アルキルの炭
素数は4−100である。式中R2は水素、金属、ある
いは1価カチオンである。)に関するものである。 8)一般式(2)で示される4−アルコキシ−3、5−
ジヒドロキシベンゾイックアシド および3、4−ジア
ルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイックアシド誘導体の
単一物または2種以上の混合物の溶液(水、有機溶剤
等)(式中R1は直鎖アルキルあるいは分枝アルキル、
置換基を有してもよいアルキル鎖を示す。アルキルの炭
素数は4−100である。式中R2は水素、金属、ある
いは1価カチオンである。)に関するものである。 9)好ましくは一般式(1)で示される4−アルコキシ
−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド および
3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイックア
シド誘導体の単一物または2種以上の混合物の溶液
(水、有機溶剤等)(式中R1はC4からC16の直鎖
アルキルを示す。 式中R2は水素、Na、Kであ
る。)に関するものである。 10)好ましくは一般式(2)で示される4−アルコキ
シ−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド および
3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイックア
シド誘導体の単一物または2種以上の混合物の溶液
(水、有機溶剤等)(式中R1はC4からC16の直鎖
アルキルを示す。 式中R2は水素、Na、Kであ
る。)に関するものである。 11)一般に食品などの有機物や乳化物などの製品の保
存においては酸化防止剤の量と種類の選定によって、そ
の酸化防止に有効な酸化が進行するまでの誘導期間が決
定され、この期間の長短でもって製品の有効保存期間を
決めている。この本願物質を使用した乳化物中では一般
式(1)、式(2)中R1以外の芳香環構造を変えるこ
となくR1の鎖長を変えることによって自由にその酸化
防止能を制御することが可能になる。たとえば酸化防止
剤として一般式(1)R=16物質を使用した乳化剤の
約1/2の効率の乳化剤を得るためには一般式(1)R
=12物質を使用すればよいことになる。すなわちその
酸化防止能が酸化防止剤の量と種類の選定によらず正確
に決定できる。また製品の化学的等の物性の変化は酸化
防止剤の種類を変えていないことからほぼ同一の物が得
られる。 12)このことは本願物質を使用した乳化物を塗料など
の製品として使用するとき硬化までの時間を正確に制御
できることを示す。すなわち硬化時間が正確に設定でき
る機能性塗料の調製が可能である。ことからこの本願物
質を使用する方法は産業界への応用の効果が大きい。こ
のような本願請求項の内容による方法は現在までには報
告されていない新規な方法である。
【0006】本発明における式(1)あるいは(2)で
示されるこのフェノール誘導体の合成の方法には、何ら
制約はないが、たとえば次のような方法がある。すなわ
【0007】1)エーテル化工程 この行程は没食子酸のヒドロキシ基をエーテル化する反
応である。ここでは一般に使用されるエーテル化条件が
適用できる。たとえば直鎖アルキルブロミドが使用でき
る.使用される反応溶媒としては特に限定はないがDM
F(ジメチルホルムアミド)のような非プロトン性溶媒
などが使用できる。また炭酸カリウムのような塩基を加
える。反応温度は通常は室温から摂氏120度程度で反
応時間は数時間を要する。この反応ではカルボキシル基
が同時にエステル化される。このようにして得られた目
的化合物は種々の方法を適宜組み合わせることによって
採取、分離、精製することができる。たとえば反応液を
水に注いだあと、塩酸酸性にしエーテルで抽出後、濃縮
し蒸留あるいはクロマトグラフィーにより分離できる。
【0008】2)加水分解工程 この反応ではエーテル化行程1)で生じたエステル部分
を必要により加水分解し、カルボキシル基に変換する工
程である。反応させる試薬としては水酸化ナトリウムの
ような塩基を使用することができる。反応溶媒はメタノ
ール、エタノールなどが使用することができる。反応温
度は使用する溶媒によって異なるが摂氏60度から75
度程度で反応時間は1−10時間程度で反応は完結す
る。
【0009】3)中和工程 この反応では必要に応じて加水分解工程2)で生じたカ
ルボキシル基をその塩に変換する工程である。反応させ
る試薬としては水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのよ
うな塩基を使用することができる。
【0010】本発明のフェノール化合物は酸化防止剤等
に用いられるが、特にエマルジョンの酸化防止剤して優
れた効果を有する。また芳香環及び長鎖炭化水素基を有
することから油脂や樹脂に対して優れた相溶性を有す
る。すなわち水溶液や溶剤単独中でも優れた効果があ
り、使用することができる。
【0011】このものは乳化、分散、洗浄、起泡の目的
時に酸化防止の目的で工業用、食品用、化粧品用、医薬
品用などに酸化防止剤として利用できる。このような適
用の具体的な乳化物の例として乳液、乳化重合されたポ
リマー、潤滑油、グリース、切削油などがあげられる。
また溶液の形としては潤滑油、切削油があげられ、水溶
液としても利用できる。
【0012】また本願式(1)、式(2)物質のカルボ
キシル基を他の置換基たとえばエステル化することによ
りさらに油溶性を増加させることも可能である。またO
R基をアルキル基や他の置換基を有する炭化水素鎖に変
えることもできる。
【0013】
【実施例】以下、本願式(1)R1=C8、R2=Hの
物質の実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明は、これら実施例に限定されるものではな
い。
【0014】
【実施例1】エーテル化工程 没食子酸から没食子酸オ
クチルエーテル、オクチルエステルの合成 還流冷却器をつけた100mlの三口フラスコに没食子
酸5.64g(30mmol)をN、N−ジメチルホル
ムアミド53mlに溶かし無水炭酸カリウム15gを加
えた。激しく撹拌しながら100℃に加熱したあとn−
オクチルブロミド11.7g(61mmol)を15分
間で滴下した。
【0015】さらに105℃で3時間保った後、固体を
濾過し液相に水を加えた後エーテル抽出した。無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、濃縮し、ついでシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で分取して下
記式
【0016】
【化2】
【0017】で示されるモノエーテル4.49g(1.
13mmol 収率37.9%) 下記式
【0018】
【化3】
【0019】で示されるジエーテル1.32g(3.3
0mmol 収率10.7%)を得た。
【0020】(化2)で示されるモノエーテルのスペク
トルデータ 無色液体 IR(neat、cm−1):3524
(OH)、3404(OH)、3082、2959−2
856、1693(C=O)1599、1522、14
52、1396、1348、1251(C−O)、11
80、1057、773。 1H NMR(90MHz
CDCl3) δ)7.27 (s、2H、Ar)、
5.70 (br、2H、OH)、4.27 (t、2
H、COOCH2−)、4.16 (t、2H、OCH
2−)、1.65 (br、4H、OCH2CH2−
andCOOCH2CH2−)、1.31 (s、16
H、−CH2−)、0.89 (m、6H、CH3)。
【0021】(化3)で示されるジエーテルのスペクト
ルデータ 無色固体 mp53.7−58.0℃ IR(KB
r、cm−1):3447(OH)、3127、295
9−2853、1701(C=O)、1591、150
6、1468、1404、1359、1230、116
9、1101、765. 1H NMR(90MHz
CDCl3)δ)7.12 (m、2H、Ar)、5.
70 (br、1H、OH)、4.27 (m、2H、
COOCH2−)、4.06 (m、4H、OCH2
−)、1.71 (br、6H、OCH2CH2− a
ndCOOCH2CH2−)、1.24 (s、24
H、−CH2−)、0.81 (m、9H、CH3)。
【0022】
【実施例2】加水分解工程 没食子酸ジオクチルエーテル、オクチルエステルの加水
分解による酸の合成 還流冷却器をつけた100mlの三口フラスコに(化
3)で示される没食子酸オクチルエーテル、エステル
0.951g(0.582mmol)をエタノール2
2.3mlに溶かし0.1M NaOH水溶液18.6
mlを加えた。還流下11時間保った後、塩酸酸性にし
固体を濾過して下記式
【0023】
【化4】
【0024】で示される没食子酸ジオクチルエーテル
(2置換体)0.22g(0.56mmol)収率9
5.9%を得た。
【0025】ヘキサンから再結晶して0.186g
(0.47mmol)収率81.1%を得た。
【0026】(化4)で示される没食子酸ジオクチルエ
ーテルのスペクトルデータ 無色針状結晶 mp67.9−68.5℃ IR
(KBr、cm−1):3493(OH)、3074、
2957−2855、2656、2602、2519、
1695(C=O)、1597、1510、1466、
1448、1423、1392、1346、1278、
1226、1174、1126、1103、1005、
978、956、871、769、727、657、6
07。1HNMR(90MHz d6−DMSO+CD
Cl3)δ)9.26(br、1H、OH)、7.04
(d、2H、Ar)、3.94 (t、4H、OCH
2−)、1.67 (br、4H、OCH2CH2
−)、1.27 (s、24H、−CH2−)、0.8
6 (t、6H、CH3)。
【0027】
【実施例3】加水分解工程 没食子酸モノオクチルエーテル、オクチルエステルの加
水分解による酸の合成 還流冷却器をつけた100mlの三口フラスコに(化
2)で示される没食子酸モノオクチルエーテル、エステ
ル0.35g(0.87mmol)をメタノール33m
lに溶かし0.1M NaOH水溶液28mlを加え
た。6.5時間環還流した後、塩酸酸性にしジクロロメ
タンで抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮
して下記式
【0028】
【化5】
【0029】で示される没食子酸モノオクチルエーテル
(1置換体)0.21g(0.70mmol)収率8
3.5%を得た。ヘキサン−CH2Cl2から再結晶し
て0.17g(0.56mmol)収率66.8%を得
た。
【0030】(化5)で示される没食子酸モノオクチル
エーテルのスペクトルデータ 無色板状結晶 mp124.2−125.5℃ I
R(KBr、cm−1):3402(OH)、328
1、3076、2953−2855、2664、259
6、2507、1701(C=O)、1601、152
2、1504、1435、1392、1346、126
3、1182、1113、1093、1049、103
3、983、954、873、769、721。 1H
NMR(90MHz d6−DMSO+CDCl3)
δ)9.14 (br、2H、OH)、6.91
(s、2H、Ar)、3.94 (t、2H、OCH2
−)、1.66 (t、2H、OCH2CH2−)、
1.27 (s、12H、−CH2−)、0.86
(t、3H、CH3)。
【0031】
【実施例4】中和工程 没食子酸ジオクチルエーテルのナトリウム塩の合成。
(化4)で示される没食子酸ジオクチルエーテル1
0.7mg(0.027mol)に0.01N NaO
H 1.35ml(当モル量)を加え濃縮乾固して
【0032】
【化6】
【0033】で示される白色固体を得た。
【0034】(化6)で示される没食子酸ナトリウムジ
オクチルエーテルのスペクトルデータ無色固体 IR
(KBr、cm−1):3192、2957、292
4、2855、1587、1556(C=O)、152
0、1469、1414、1383、1271、122
4、1190、1095、979、968、875、7
87.
【0035】
【実施例5】中和工程 没食子酸モノオクチルエーテル
のナトリウム塩の合成(化5)で示される没食子酸オク
チルエーテル4.8mg(0.017mmol)に0.
01N NaOH 0.85ml(当モル量)を加え濃
縮乾固して
【0036】
【化7】
【0037】で示される白色固体を得た。
【0038】(化7)で示される没食子酸ナトリウムモ
ノオクチルエーテルのスペクトルデータ 無色固体 IR(KBr、cm−1):3520、3
150、2957、2926、2856、2729、1
668、1554(C=O)、1394、1192、1
051、968、877、794、761、721、6
55、553、461。
【0039】本発明における式(1)あるいは(2)で
示されるこのフェノール誘導体を用いた乳化物の製法に
は、何ら制約はないが、たとえば次のような方法があ
る。すなわち
【0040】
【実施例6】本願物質を用いた乳化物及びその製法 式(1)あるいは(2)で示されるフェノール誘導体の
エタノール溶液2.0mlに油分として2.5%リノー
ル酸含有エタノール溶液2.0mlと0.05Mリン酸
緩衝液4.0ml(pH7.0)と水2mlを20ml
のネジ口試験管に入れホモジナイザーで5分間分散させ
た.乳化物の安定性の結果を(表1)に示す。乳化物は
6日後でも分離せず良好な安定性を有した。
【0041】
【0042】これより本願物質を用いた乳化物は良好な
分散をしていることは明らかである。またリノール酸の
みならず他の油脂たとえば綿実油、機械油などにも同様
な分散効果を得た。
【0043】乳化物の製法としてはホモジナイザー撹
拌、プロペラ撹拌などの機械撹拌の他、超音波など、他
の撹拌手段を用いてもよい。乳化物組成としては溶剤/
水系、水/溶剤系のどちらでもよく、混合する順序を問
わない。油分としてはリノール酸を始め綿実油、鉱油な
ど種類を問わない。またこの溶液に他の成分を添加し新
たな機能を発現させることも可能である。
【0044】
【試験例1】疎水性 本研究者は、本願物質であるエーテル結合として長鎖炭
化水素基を1あるいは2個含む没食子酸誘導体が、その
鎖長により様々な乳化物の油相親和性を有することや、
その結果としてその鎖長の長さを制御することによって
その疎水性の程度を制御でき、自由に酸化防止能が制御
できることを見いだした。この試験法としてこれら本願
式(1)、式(2)物質を規定濃度での水溶液を25℃
においてウイルヘルミー法で表面張力を測定し、その値
でもってその物質の疎水性の程度として評価した。次に
各々の物質の疎水性(表面張力値)を(表2)に示す。
【0045】
【0046】(表2)より本願式(1)、式(2)物質
がその鎖長によって様々な表面張力を有すること、すな
わち様々な疎水性を有することは明らかである。このこ
とは乳化物に対する様々な親和性を有することを示して
いる。
【0047】
【試験例2】酸化防止能試験法(抗酸化試験法) 抗酸化試験法はリノール酸ミセル中で生成する過酸化物
を抑制する程度を評価する方法を用いた。即ち、被検物
のエタノール溶液2.0mlに2.5%リノール酸含有
エタノール溶液2.0mlと0.05Mリン酸緩衝液
4.0ml(pH7.0)と水2mlを20mlのネジ
口試験管に入れ40℃の恒温糟中に遮光保存した。この
際ブランクとして試料溶媒を試料の代わりに添加したも
のを同条件下で保存した。なお被検物の最終濃度は0.
005%にした。また比較物質としてa−トコフェロー
ル、BHA、BHTについても検討した。保存期間中、
反応液を経時的にサンプリングし、生成した過酸化物を
イソチオシアネート法(ロダン鉄法)で定量した。
【0048】測定結果 本願式(1)、式(2)物質の物質について抗酸化性の
有無を調べた。1週間後における生成過酸化脂質量(5
00nmでの吸光度)の結果を(図1)に示した。縦軸
は物質の種類、横軸は生成する過酸化物価 (ペルオキ
シドバリュー)を示す。
【0049】酸化防止能測定結果
【図1】
【0050】これより本願式(1)、式(2)物質の物
質はリノール酸に対する抗酸化作用が認められたが、特
に側鎖の長いものあるいは2鎖型のものはa−トコフェ
ロールに匹敵する強力な酸化防止剤であることがわか
る。
【0051】また(図1)と実施例6より本願式
(1)、式(2)物質の物質を含む乳化物は安定であり
かつリノール酸に対する抗酸化作用が認められることは
明らかである。
【0052】また本願式(1)、式(2)物質の物質を
含む有機溶媒,水溶液も同様な抗酸化作用を示しその効
果を利用できることが容易に考えられる。
【0053】また(図1)から本願式(1)、式(2)
物質のR1,R2以外の芳香環構造を変えることなくR
1の鎖長のみを変えることにより、酸化防止剤の濃度を
変えることなしにその酸化防止能を自由に制御すること
ができることは明らかである。
【0054】
【発明の効果】 本発明によれば、優れた酸化防止能を
持つ物質を提供すること、すなわち安定な乳化、起泡、
洗浄、分散時にα−トコフェロールに匹敵するような強
力な酸化防止作用が期待出る。またそれを使用した乳化
物はリノール酸のみならず他の油脂を含む系においても
良好な乳化、分散とα−トコフェロールに匹敵するよう
な強力な酸化防止作用が期待出る。また本願物質の鎖長
を変えることによって自由に酸化防止能を制御すること
ができることは明らかである。このことは従来の酸化防
止剤では不可能であった新しい製品の製造も可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明物質について抗酸化性の評価の図であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)、式(2)で示される4−ア
    ルコキシ−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド
    および3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイ
    ックアシド誘導体の単一物または2種以上の混合物を用
    いた乳化物(式中R1は直鎖アルキルあるいは分枝アル
    キル、置換基を有してもよいアルキル鎖を示す。 アル
    キルの炭素数は4−100である。式中R2は水素、金
    属、あるいは1価カチオンである。)
  2. 【請求項2】一般式(1)、式(2)で示される4−ア
    ルコキシ−3、5−ジヒドロキシベンゾイックアシド
    および3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキシベンゾイ
    ックアシド誘導体の単一物または2種以上の混合物(式
    中R1は直鎖アルキルあるいは分枝アルキル、置換基を
    有してもよいアルキル鎖を示す。 アルキルの炭素数は
    4−100である。式中R2は水素、金属、あるいは1
    価カチオンである。)を用いて乳化物中で一般式
    (1)、式(2)中R1,R2以外の芳香環構造を変え
    ることなくR1の鎖長を変えることによって自由にその
    酸化防止能を制御すること。
  3. 【請求項3】好ましくは一般式(1)、式(2)で示さ
    れる4−アルコキシ−3、5−ジヒドロキシベンゾイッ
    クアシド および3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキ
    シベンゾイックアシド誘導体の単一物または2種以上の
    混合物(式中R1は直鎖アルキルあるいは分枝アルキ
    ル、置換基を有してもよいアルキル鎖を示す。 アルキ
    ルの炭素数は4−16である。式中R2は水素、金属、
    あるいは1価カチオンである。)を用いた乳化物。
  4. 【請求項4】好ましくは一般式(1)、式(2)で示さ
    れる4−アルコキシ−3、5−ジヒドロキシベンゾイッ
    クアシド および3、4−ジアルコキシ−5−ヒドロキ
    シベンゾイックアシド誘導体の単一物または2種以上の
    混合物(式中R1は直鎖アルキルあるいは分枝アルキ
    ル、置換基を有してもよいアルキル鎖を示す。 アルキ
    ルの炭素数は4−16である。式中R2は水素、金属、
    あるいは1価カチオンである。)を用いて乳化物中で一
    般式(1)、式(2)中R以外の芳香環構造を変えるこ
    となくRの鎖長を変えることによって自由にその酸化防
    止能を制御すること。 【化1】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040019806A (ko) * 2002-08-30 2004-03-06 박근형 항산화 활성을 갖는 4-하이드록시벤조산,4-하이드록시-3-메톡시벤조산, 3,4-디하이드록시벤조산,3,4,5-트리하이드록시벤조산, 3,4-디하이드록시시나믹산등의 천연 항산화 활성물질을 포함한 항산화 기능을 갖는복분자착즙조제물 및 제조방법

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KR20040019806A (ko) * 2002-08-30 2004-03-06 박근형 항산화 활성을 갖는 4-하이드록시벤조산,4-하이드록시-3-메톡시벤조산, 3,4-디하이드록시벤조산,3,4,5-트리하이드록시벤조산, 3,4-디하이드록시시나믹산등의 천연 항산화 활성물질을 포함한 항산화 기능을 갖는복분자착즙조제물 및 제조방법

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