JP2000273324A - 複合プラスチックおよびそれを用いた燃料フィルタ - Google Patents

複合プラスチックおよびそれを用いた燃料フィルタ

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JP2000273324A
JP2000273324A JP11082055A JP8205599A JP2000273324A JP 2000273324 A JP2000273324 A JP 2000273324A JP 11082055 A JP11082055 A JP 11082055A JP 8205599 A JP8205599 A JP 8205599A JP 2000273324 A JP2000273324 A JP 2000273324A
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composite plastic
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plastic
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Kunimoto Sugiyama
晋元 杉山
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Roki Co Ltd
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Toyo Roki Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 他の材料または部材に対して、通常の接着剤
を用いては十分に接着させることができない難接着性プ
ラスチックを、接着可能にさせた複合プラスチックおよ
びそれを用いた燃料フィルタを提供する。 【解決手段】 難接着性プラスチック4に、接着剤5に
対して吸着性を有する樹脂吸着性物質2と、接着剤5に
対する濡れ性を改良する濡れ性改良剤3とを含有させて
なる複合プラスチック1により、上記課題を解決する。
樹脂吸着性物質2として、カーボンからなる物質を使用
し、濡れ性改良剤3としては、おがくずまたは酸化チタ
ンからなる物質を使用することが好ましい。また、難接
着性プラスチック4として、ポリアセタール等の熱可塑
性プラスチックを用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、他の材料または部
材に対して、通常の接着剤を用いては十分に接着させる
ことができない難接着性プラスチックを、接着可能にさ
せた複合プラスチックおよびそれを用いた燃料フィルタ
に関し、更に詳しくは、樹脂吸着性物質と濡れ性改良剤
とを含有させた複合プラスチックおよび燃料フィルタに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリアセタール、フッ素樹
脂、シリコーン樹脂等のプラスチックは、優れた耐薬品
性や耐候性等の理由から種々の用途に用いられている。
例えば、ポリアセタールは、耐ガソリン性に優れた性質
を有することから、自動車等のガソリンタンク内に収容
されている燃料フィルタのケーシング等に用いられてい
る。
【0003】しかしながら、こうしたプラスチックは、
その材料の持つ特性から、通常使用されている接着剤に
対する接着性が不十分であり、その接着剤を介して他の
材料や部材に接着させることができないという問題があ
った。例えば、ポリアセタールは、優れた耐ガソリン性
を有するにもかかわらず、通常の接着剤ではフィルタ本
体との接着性を十分に保つことが困難であるため、接着
剤を用いた仕様の燃料フィルタを自由に設計することが
できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するため、他の材料または部材に対して、通常の接
着剤を用いては十分に接着させることができない難接着
性プラスチックを、接着可能にさせた複合プラスチック
およびそれを用いた燃料フィルタの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の複合プラスチッ
クは、難接着性プラスチックに、接着剤に対して吸着性
を有する樹脂吸着性物質と、前記接着剤に対する濡れ性
を改良する濡れ性改良剤とを含有させてなることに特徴
を有する。この発明によれば、難接着性プラスチックに
含有した樹脂吸着性物質および濡れ性改良剤は、得られ
た複合プラスチックの表面に存在して、難接着性プラス
チックに、接着剤に対する吸着性能と濡れ性を発現させ
る。その結果、得られた複合プラスチックの表面は、通
常の接着剤に対する接着性が向上するので、その接着剤
を介して他の材料や部材に接着可能となる。
【0006】本発明においては、上述の作用を有する樹
脂吸着性物質として、カーボンからなる物質が好ましく
使用される。その樹脂吸着性物質の含有量は、全体重量
を基準として10重量%以下であることが好ましい。ま
た、濡れ性改良剤としては、おがくずまたは酸化チタン
からなる物質が好ましく使用される。その濡れ性改良剤
の含有量は、全体重量を基準として10重量%以下であ
ることが好ましい。この発明によれば、カーボン等の樹
脂吸着性樹脂は、複合プラスチック表面で接着剤に対す
る吸着性能を発揮して、接着剤との間の接着強度を向上
させることができる。また、おがくず、酸化チタン等の
濡れ性改良剤は、複合プラスチックの表面で接着剤に対
する濡れ性を改良して、従来濡れ性に乏しかった難接着
性プラスチックの表面の濡れ性を改善することができ
る。
【0007】本発明で適用される難接着性プラスチック
は、熱可塑性プラスチックであることが好ましく、特
に、ポリアセタール、ポリプロピレン、フッ素樹脂また
はシリコーン樹脂の何れかであることが好ましい。この
発明によれば、上記のポリアセタール等から作製された
複合プラスチックは、通常の接着剤を用いて容易に他の
材料や部材に接着させることができるので、その優れた
耐薬品性や耐候性を生かして広範囲に応用することがで
きる。また、これらの難接着性プラスチックは、何れも
熱可塑性プラスチックであり、加熱によって液状化する
ので、上述の樹脂吸着性物質と濡れ性改良剤とを容易に
含有させることができる。
【0008】本発明の燃料フィルタは、上述の複合プラ
スチックを用いたことに特徴を有する。この発明によれ
ば、用いた複合プラスチックは、優れた耐薬品性や耐候
性を有し、尚且つ通常の接着剤によって他の材料や部材
に接着可能であるので、エンジンに燃料を供給する燃料
供給装置に用いられる燃料フィルタの構成材料として、
好ましく使用することができる。その結果、燃料に対す
る耐久性能に優れた燃料フィルタを、接着剤を用いた仕
様で自由に設計することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。
【0010】本発明の複合プラスチックは、難接着性プ
ラスチックに、接着剤に対して吸着性を有する樹脂吸着
性物質と、接着剤に対する濡れ性を改良する濡れ性改良
剤とを含有させてなるものである。難接着性プラスチッ
クに含有した樹脂吸着性物質と濡れ性改良剤は、得られ
た複合プラスチックの表面に存在して、従来接着剤との
間で十分な接着性を保持することができない難接着性プ
ラスチックに、接着剤に対する吸着性能と濡れ性を発現
させる。その結果、得られた複合プラスチックの表面
は、接着剤に対する接着性が向上するので、その接着剤
を介して他の材料や部材に接着可能となる。
【0011】適用される難接着性プラスチックは、接着
剤との間で十分な接着性を保持することができないとい
う理由により、その接着剤を介して他の材料や部材に接
着させることができない難接着性プラスチックであれば
特に限定されるものではない。こうした難接着性プラス
チックとしては、例えばポリアセタール、ポリプロピレ
ン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができ
る。これらの難接着性プラスチックは、その有する優れ
た耐薬品性や耐候性等の特性によって、燃料フィルタの
構成材料やその他の構成材料に好ましく用いられるもの
である。特にポリアセタールは、耐ガソリン性に優れる
ので燃料フィルタの構成材料に用いられている。しか
し、これらの難接着性プラスチックは、通常工業的に使
用されている接着剤に対して十分な濡れ性を示さないの
で、接着剤を介して他の材料や部材に接着させることが
できないという不具合を兼ね備えたものである。
【0012】適用される難接着性プラスチックは、何れ
も熱可塑性プラスチックであることが好ましい。熱可塑
性プラスチックは、加熱によって液状化するので、樹脂
吸着性物質と濡れ性改良剤とを容易に含有させることが
できる。
【0013】なお、適用される難接着性プラスチックに
対する接着強度が乏しく、十分な接着性を示さない接着
剤としては、従来から工業用として一般に用いられてい
るもの、例えば一液性または二液性のエポキシ系接着
剤、塩ビ系接着剤、フェノール系接着剤、スチレンブタ
ジエンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、変性アク
リル系接着剤、シリコン系接着剤、瞬間接着剤等を挙げ
ることができる。
【0014】樹脂吸着性物質と濡れ性改良剤は、通常そ
れぞれ異なる物質であり、その一方を欠いても本発明の
複合プラスチックを得ることができないが、単一物質か
らなるものであっても、接着剤に対する吸着性能と濡れ
性の改良という両方の作用を有するものであれば、必ず
しも二種類以上の物質でなくてもよい。なお、樹脂吸着
性物質と濡れ性改良剤は、製造上の容易さから、難接着
性プラスチックに均一に分散されていることが好ましい
が、少なくとも難接着性プラスチックの表面に存在する
ことが本発明においては必要である。
【0015】濡れ性改良剤は、接着剤に対する濡れ性を
改良する作用を有する物質であれば、その種類は特に限
定されないが、おがくずまたは酸化チタンからなる物質
が好ましく使用される。こうした物質は単一種でも二種
以上のものから複合されたものであってもよく、濡れ性
を改良する作用以外の特性も考慮して選択される。濡れ
性改良剤の含有量は、全体重量を基準として1重量%以
上10重量%以下であることが好ましい。その含有量が
1重量%未満では、得られた複合プラスチックの表面
に、濡れ性を改良させる程度の濡れ性改良剤を存在させ
ることができない。その含有量が10重量%を超える
と、濡れ性改良剤の添加効果が飽和する。
【0016】こうした濡れ性改良剤のうち、おがくずを
用いた場合においては、おがくずの含有量をさらに4重
量%以下に限定することが好ましい。おがくずの含有量
が4重量%を超えると、濡れ性改良剤としての効果は依
然としてあるものの、得られた複合プラスチックが一定
の素材強度を保持できなくなってしまうという新たな問
題が発生する。なお、おがくずの含有量の下限値は、上
記と同様、1重量%であることが好ましい。おがくず
は、木材セルロースを主成分としており、おがくずが含
有した複合プラスチックの濡れ性は、木材セルロースに
基づくものと推測される。従って、おがくずに限らず、
木材セルロースないしは他のセルロース等の材料によっ
ても、おがくずと同様な作用を発揮させることができる
ことが推測され、そうした材料を用いることも可能であ
る。
【0017】酸化チタンは、アナターゼ型の酸化チタン
が好ましく用いられるが、ルチル型の酸化チタンであっ
てもよい。酸化チタンが含有した複合プラスチックは、
その表面に存在する酸化チタンによって、接着剤に対す
る濡れ性が改良される。こうした酸化チタンを用いた場
合において、その含有量をさらに4重量%以下に限定す
ることが好ましい。その含有量が4重量%を超えると、
濡れ性改良剤としての効果は依然としてあるものの、硬
い酸化チタンが複合プラスチックの成形型を傷めたり、
成形された複合プラスチックが燃料フィルタ等に使用さ
れた際に接触する他の部材を傷めたりする。なお、酸化
チタンの含有量の下限値は、上記と同様、1重量%であ
ることが好ましい。
【0018】このように濡れ性改良剤は、濡れ性を改良
する作用に加えて、それ以外の特性に由来した作用を有
するので、その点を考慮して含有量が設定される。例え
ば、素材強度との関係で4重量%以下が好ましいおがく
ずと、硬度との関係で4重量%以下が好ましい酸化チタ
ンとを同時に含有させ、8重量%以下の濡れ性改良剤と
して含有させることができる。従って、一種類の物質で
は濡れ性改良作用以外の特性に基づく影響に制約され
て、十分に含有させることができない場合は、他の種類
の濡れ性改良剤を同時に含有させて濡れ性改良作用を補
うこともできる。
【0019】樹脂吸着性物質は、接着剤に対する吸着作
用を有する物質であれば、その種類は特に限定されない
が、カーボンからなる物質が好ましく使用される。こう
した物質は単一種でも二種以上のものから複合されたも
のであってもよく、何れも比表面積が大きな物質であ
る。複合プラスチックの表面に存在する樹脂吸着性物質
は、濡れ性改良剤の作用により設けられた接着剤に対し
て、十分な吸着性能を発揮する。そして、樹脂吸着性物
質は、接着剤を、複合プラスチックの表面上に十分な強
度で保持することができ、接着剤と複合プラスチックの
界面での剥離を防ぐことができる。樹脂吸着性物質の含
有量は、全体重量を基準として1重量%以上10重量%
以下であることが好ましい。その含有量が1重量%未満
では、得られた複合プラスチックの表面に、接着剤に対
して吸着性を発揮させる程度の樹脂吸着性物質を存在さ
せることができない。その含有量が10重量%を超える
と、樹脂吸着性物質の添加効果が飽和する。なお、カー
ボンとしては、比表面積が大きい活性炭が好ましく用い
られる。こうした樹脂吸着性物質を含有させることによ
って、接着強度が向上するのは、樹脂吸着性物質の有す
る大きな比表面積に由来した吸着性能に基づくものと推
測される。
【0020】樹脂接着性物質の種類と含有量は、接着剤
に対する吸着性以外の特性に由来した作用も考慮して選
択され、その種類と含有量が決定される。従って、一種
類の物質では吸着性以外の特性に基づく影響に制約され
て、十分に含有させることができない場合は、他の種類
の樹脂吸着性物質を同時に含有させて吸着性を補うこと
もできる。
【0021】本発明の複合プラスチックは、難接着性プ
ラスチックを加熱して液状化または溶融状態とし、そこ
に樹脂吸着性物質と濡れ性改良剤を加え、それらを均一
に含有させた後に冷却して得ることができる。この複合
プラスチックを用いて成形部材やシートを成形する方法
は、従来から知られている方法を適用することができ
る。例えば、複合プラスチックの樹脂ペレットを作製
し、これを用いてインサート射出成形、ブロー成形、押
出成形等の方法を適宜採用し、目的形状の成形部材を簡
便に成形することができる。なお、こうした成形を効率
的に行うために、射出成形用の滑剤を複合プラスチック
に含有させて射出成形することができる。
【0022】本発明の複合プラスチックが接着剤に対し
て十分な接着性を有するのは、上述した樹脂吸着性物質
と濡れ性改良剤が、少なくとも複合プラスチック表面に
存在するからである。従って、そうした樹脂吸着性物質
と濡れ性改良剤は、複合プラスチックの全域に亘って均
一に存在している必要はなく、接着剤と接触する表面部
分にのみ存在すれば足りる。そのため、樹脂吸着性物質
と濡れ性改良剤を上述の含有量で含有させたときに、複
合プラスチックの表面に存在する量に相当する量を、そ
の表面に存在させることによって本発明の目的とする複
合プラスチックを作製することもできる。また、接着剤
が塗布される複合プラスチックの表面のみに、樹脂吸着
性物質と濡れ性改良剤を存在させてもよい。こうした態
様は、目的とする複合プラスチックの製造のし易さ、得
られる特性等を考慮して選択することができる。
【0023】図1は、樹脂吸着性物質2と濡れ性改良剤
3が、難接着性プラスチック4の全域に亘って含有した
本発明の複合プラスチック1を示す断面図であり、図2
は、樹脂吸着性物質2と濡れ性改良剤3が、難接着性プ
ラスチック4の表面部分に含有した本発明の複合プラス
チック10を示す断面図である。図2に示すような複合
プラスチック10を作製する方法としては、例えば、溶
融状態の難接着性プラスチック4の表面に、所定量の樹
脂吸着性物質2と濡れ性改良剤3を載せて、加圧成形等
を行ってその表面に含有させて作製する方法等を挙げる
ことができる。
【0024】本発明の燃料フィルタは、接着剤に対する
接着性が向上した上述の複合プラスチックが構成部材の
材料として用いたものである。複合プラスチックは、接
着剤を介して他の材料や部材に接着可能であると共に、
優れた耐薬品性や耐候性を有するので、エンジンに燃料
を供給する燃料供給装置に用いられる燃料フィルタの構
成材料として、好ましく使用することができる。その結
果、燃料に対する耐久性能に優れた燃料フィルタを、接
着剤を用いた仕様で自由に設計することができる。
【0025】
【実施例】実施例と比較例によって、本発明を更に具体
的に説明する。
【0026】(実施例1)難接着性プラスチックとし
て、ポリアセタール(商品名:ジュラコン、グレード:
M90−44、ポリプラスチックス株式会社製)を用い
た。この難接着性プラスチックを、テフロン板を介した
200℃の熱板上で溶融させた。溶融した難接着性プラ
スチックに、全体重量を基準として5重量%のカーボン
(樹脂吸着性物質)と、全体重量を基準として4重量%
のおがくず(濡れ性改良剤)とを均一に含有させた。そ
の後、加圧成形し、そのままの状態で放冷して複合プラ
スチック板を成形し、実施例1のプレートとした。この
とき、カーボンとして、粒径が500μm以下の微粉活
性炭を用い、おがくずとして、最長2mm以下のものを
用いた。
【0027】(実施例2)実施例1で用いたおがくずの
代わりに、全体重量を基準として4重量%のアナターゼ
型で粒径5μm以下の酸化チタン(濡れ性改良剤)を用
い、実施例1と同じ方法で複合プラスチック板を成形し
て、実施例2のプレートとした。
【0028】(比較例1)樹脂吸着性物質と濡れ性改良
剤の何れも含有していない実施例1の難接着性プラスチ
ック(材質:ポリアセタール、商品名:ジュラコン、グ
レード:M90−44、ポリプラスチックス株式会社
製)を、比較例1のプレートとした。
【0029】(比較例2)実施例1で用いたおがくずの
代わりに、全体重量を基準として1重量%のアナターゼ
型で粒径5μm以下の酸化チタン(濡れ性改良剤)を用
い、実施例1と同じ方法で複合プラスチック板を成形し
て、比較例2のプレートとした。このとき、樹脂吸着性
物質は含有させなかった。
【0030】(比較例3)カーボン(樹脂吸着性物質)
を、全体重量を基準として8重量%含有させ、実施例1
と同じ方法で複合プラスチック板を成形して、比較例2
のプレートとした。このとき、濡れ性改良剤は含有させ
なかった。また、使用したカーボンは、実施例1と同じ
ものを用いた。
【0031】(接着剤塗布形状、接着剤および硬化条
件)接着性確認試験および燃料浸漬耐久試験に使用する
試験片を作製した。先ず、接着剤に対する条件を一致さ
せるため、実施例1〜2のプレートと比較例1〜3のプ
レートの表面を、No.400〜No.410のサンド
ペーパーで研磨し、各プレートの面粗度を約12.5S
にした。次いで、面粗度が調節された実施例1〜2およ
び比較例1〜3の各プレート上に、直径10mmの大き
さでエポキシ系接着剤(商品名:ET−3F、日本NS
C株式会社製)を塗布し、140℃で20分間硬化さ
せ、さらに常温で48時間放置して各試験片を作製し
た。
【0032】(接着性試験および燃料浸漬耐久試験)接
着性は、各試験片上で、硬化した接着剤の上から指圧に
よってセロハンテープを貼り、その後、一挙に剥がし
て、接着剤の剥がれの有無および剥がれ状態等を観察し
て評価した。次いで、剥がれが無い試験片について、加
速試験である燃料浸漬耐久試験を行った。燃料浸漬耐久
試験は、トルエンとイソオクタンが等量配合された液体
に、全体重量に対して20重量%となるようにエタノー
ルを配合した60℃の浸漬液を用いた。ここで、接着性
試験後の試験片は、100時間、200時間、300時
間、500時間と順次浸漬時間を長くしていき、その都
度接着性試験を行って、剥がれの有無を評価した。な
お、浸漬させた後の試験片の接着性試験は、浸漬液から
取り出して24時間放置後に行った。その結果を、含有
させた樹脂吸着性物質と濡れ性改良剤の含有量と共に、
表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】(試験結果)実施例1および実施例2のプ
レートを用いた試験片は、300時間浸漬させた後であ
っても、剥がれが無かった。しかし、500時間浸漬さ
せた後は、接着剤の中間部分に割れが発生した。この原
因は、各時間毎に行った接着性試験によって、接着剤に
繰り返し応力が加わったために起こったものと推測され
た。従って、接着剤とプレートとの間の接着力の低下に
依存するものではないと推測された。
【0035】比較例1〜比較例3のプレートを用いた試
験片は、何れも初期に、接着剤とプレートとの間で剥が
れが生じた。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合プラ
スチックによれば、難接着性プラスチックに含有した樹
脂吸着性物質および濡れ性改良剤は、得られた複合プラ
スチックの表面に存在して、難接着性プラスチックに、
接着剤に対する吸着性能と濡れ性を発現させる。その結
果、得られた複合プラスチックの表面は、通常の接着剤
に対する接着性が向上するので、その接着剤を介して他
の材料や部材に接着可能となる。ポリアセタール等の難
接着性プラスチックから作製された複合プラスチック
は、通常の接着剤を用いて容易に他の材料や部材に接着
させることができるので、その優れた耐薬品性や耐候性
を生かして広範囲に応用することができる。
【0037】本発明の燃料フィルタによれば、用いた複
合プラスチックが、優れた耐薬品性や耐候性を有し、尚
且つ通常の接着剤によって他の材料や部材に接着可能で
あるので、エンジンに燃料を供給する燃料供給装置に用
いられる燃料フィルタの構成材料として、好ましく使用
することができる。その結果、燃料に対する耐久性能に
優れた燃料フィルタを、接着剤を用いた仕様で自由に設
計することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂吸着性物質と濡れ性改良剤が、難接着性プ
ラスチックの全域に亘って含有した本発明の複合プラス
チックを示す断面図である。
【図2】樹脂吸着性物質と濡れ性改良剤が、難接着性プ
ラスチックの表面部分に含有した本発明の複合プラスチ
ックを示す断面図である。
【符号の説明】
1、10 複合プラスチック 2 樹脂吸着性物質 3 濡れ性改良剤 4 難接着性プラスチック素材 5 接着剤 6 接着面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27/12 C08L 27/12 59/00 59/00 83/04 83/04 97/02 97/02 // C08J 5/00 CES C08J 5/00 CES CEW CEW CFA CFA CFH CFH Fターム(参考) 4D019 AA03 BA03 BA06 BA12 BA13 BA17 BB01 BC12 BC20 4F071 AA20 AA26 AA40 AA67 AA73 AB03 AB17 AH02 BB05 BB06 4J002 AA001 AH002 BB121 BD121 CB001 CP031 DA016 DE137 GN00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難接着性プラスチックに、接着剤に対し
    て吸着性を有する樹脂吸着性物質と、前記接着剤に対す
    る濡れ性を改良する濡れ性改良剤とを含有させてなるこ
    とを特徴とする複合プラスチック。
  2. 【請求項2】 前記樹脂吸着性物質は、カーボンからな
    る物質であることを特徴とする請求項1に記載の複合プ
    ラスチック。
  3. 【請求項3】 前記樹脂吸着性物質の含有量が、全体重
    量を基準として10重量%以下であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の複合プラスチック。
  4. 【請求項4】 前記濡れ性改良剤は、おがくずまたは酸
    化チタンからなる物質であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項3の何れかに記載の複合プラスチック。
  5. 【請求項5】 前記濡れ性改良剤の含有量が、全体重量
    を基準として10重量%以下であることを特徴とする請
    求項1乃至請求項4に記載の複合プラスチック。
  6. 【請求項6】 前記難接着性プラスチックが、熱可塑性
    プラスチックであることを特徴とする請求項1乃至請求
    項5の何れかに記載の複合プラスチック。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性プラスチックが、ポリアセ
    タール、ポリプロピレン、フッ素樹脂またはシリコーン
    樹脂の何れかであることを特徴とする請求項6に記載の
    複合プラスチック。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の
    複合プラスチックを用いたことを特徴とする燃料フィル
    タ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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