JP2000273000A - 磁性半導体の製造方法 - Google Patents

磁性半導体の製造方法

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JP2000273000A
JP2000273000A JP11084254A JP8425499A JP2000273000A JP 2000273000 A JP2000273000 A JP 2000273000A JP 11084254 A JP11084254 A JP 11084254A JP 8425499 A JP8425499 A JP 8425499A JP 2000273000 A JP2000273000 A JP 2000273000A
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crystal
crucible
single crystal
magnetic semiconductor
solvent
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Hiroki Sato
浩樹 佐藤
Koichi Onodera
晃一 小野寺
Hiroyuki Oba
裕行 大場
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/40Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials of magnetic semiconductor materials, e.g. CdCr2S4
    • H01F1/401Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials of magnetic semiconductor materials, e.g. CdCr2S4 diluted
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した結晶の育成ができ、組成変動の小さ
い磁性半導体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 底部から順に石英るつぼ2にCd0.6
Mn0.4Te種結晶8、溶媒となるCd0.25Mn
0.2Hg0.55Te41、Cd0.53Mn
0.28Hg0.19Te多結晶6を充填し、真空封入
する。この時、Cd .6Mn0.4Te種結晶8の下
に、石英10を置いた状態とする。この石英るつぼ2を
電気炉3に縦型に配置し、大気圧のもとで加熱し、単結
晶5を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性半導体の製造
方法に関し、特に、回転角45±1degを有する、イ
ンラインアイソレータ素子用のCd1−x−yMn
Te(0<x,y<1)単結晶及びCd1−xMn
Te(0≦x<1)単結晶の製造に適した種結晶、溶
媒、多結晶原料を用い、溶媒の位置を移動させることに
より結晶を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、Cd1−xMnTe単結晶(0
≦x<1)を育成する際、るつぼ内にCd、Mn、及び
Teを原料として、配合比がCd1−xMnTeとな
るように充填し、真空封入したるつぼを目的の温度勾配
をもつ加熱装置の所定の位置に置き、Cd1−xMn
Te原料を溶解させ、るつぼをある一定の速度で加熱装
置内を下方へ移動させることでCd1−xMnTe単
結晶を製造していた。
【0003】さらに、Cd1−x−yMnHgTe
単結晶(0<x、y<1)あるいはCd1−xMn
e単結晶を育成する際、るつぼ内にCd1−xMn
e種結晶(0<x<1)、Cd1−x−yMnHg
Te溶媒(0<x,y<1,z>1)、あるいはCd
1−xMnTe溶媒(0≦x<1,z>1)、Cd
1−x−yMnHgTe多結晶原料(0<x,y<
1)あるいはCd1− MnTe多結晶原料を充填
し、真空封入した後、加熱装置の所定の温度勾配のもと
で、Cd1−x−yMnHgTe溶媒の全部ある
いはCd1−xMnTe溶媒の全部及びCd1−x
MnTe種結晶の一部を溶解させ、るつぼを所定の速
度で加熱装置内を下方へ移動させることでCd
1−x−yMnHgTe多結晶原料あるいはCd
1−xMnTe多結晶原料を溶解させながら種結晶の
上部に種結晶と同じ結晶構造のCd1−x−yMn
Te単結晶あるいはCd1−xMnTe単結晶を
製造していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術で
Cd1−x−yMnHgTe単結晶あるいはCd
−xMnTe単結晶の製造を行うと、加熱部の温度を
一定に保っているにもかかわらず、加熱部とるつぼとの
間の所定の位置の温度がるつぼの降下に伴い上昇してい
た。即ち、単結晶の製造中に温度条件が変化していた。
従って、結晶の製造中の温度変動により結晶の製造が不
安定になり、育成した単結晶の育成方向の組成変動が大
きくなっていた。
【0005】従って、本発明の目的は、るつぼの降下に
伴う温度上昇を抑えることで、安定した結晶の育成がで
き、組成変動の小さい磁性半導体の製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、単結晶化した
Cd1−xMnTe種結晶(0<x<1)、CdMn
Hg:Te=1:p(p>1)なる組成の溶媒となるC
1−x−yMnHgTe(0<x、y<1、z
>1)及び目標とする結晶組成Cd1−x−yMn
Teの多結晶原料(0<x、y<1)を、るつぼの
底部から順に充填し、真空封入し、該るつぼを、目的の
温度勾配を有する加熱装置の所定の位置に置き、前記溶
媒となるCd1−x−yMnHgTeの全部及び
前記Cd 1−xMnTe種結晶の一部を溶解し、前記
るつぼをある一定の速度で、前記加熱装置内を下方へ移
動させることで、前記Cd1−x−yMnHgTe
の多結晶原料を溶解しながら、前記Cd1−xMn
e種結晶の上部に、該Cd 1−xMnTe種結晶と同
じ結晶構造のCd1−x−yMnHgTe単結晶を
育成する磁性半導体の製造方法において、前記Cd
1−xMnTe種結晶の下に、育成するCd
1−x−yMnHgTe単結晶と同等の熱伝導率を
有し、かつ前記加熱装置の加熱温度より高い融点を有す
る物質を置くことを特徴とする磁性半導体の製造方法で
ある。
【0007】また、本発明は、単結晶化したd1−x
Te種結晶(0≦x<1)、CdMn:Te=1:
p(p>1)なる組成の溶媒となるCd1−xMn
溶媒(0≦x<1、z>1)及び目標とする結晶組
成Cd1−xMnTe多結晶原料(0≦x<1)を、
るつぼの底部から順に充填し、真空封入し、該るつぼ
を、目的の温度勾配を有する加熱装置の所定の位置に置
き、前記溶媒となるCd 1−xMnTeの全部及び
前記Cd1−xMnTe種結晶の一部を溶解し、前記
るつぼをある一定の速度で、前記加熱装置内を下方へ移
動させることで、前記Cd1−xMnTeの多結晶原
料を溶解しながら、前記Cd1−xMnTe種結晶の
上部に、該Cd1−xMnTe種結晶と同じ結晶構造
のCd1− MnTe単結晶を育成する磁性半導体の
製造方法において、前記Cd1−xMnTe種結晶の
下に、育成するCd1−xMnTe単結晶と同等の熱
伝導率を有し、かつ前記加熱装置の加熱温度より高い融
点を有する物質を置くことを特徴とする磁性半導体の製
造方法である。
【0008】また、本発明は、上記の磁性半導体の製造
方法において、前記物質として、石英を用いることを特
徴とする磁性半導体の製造方法である。
【0009】また、本発明は、上記の磁性半導体の製造
方法において、前記物質として、Cd1−xMnTe
多結晶(0≦x<1)を用いることを特徴とする磁性半
導体の製造方法である。
【0010】また、本発明は、上記の磁性半導体の製造
方法において、前記物質の長さが、前記るつぼの内径以
上であることを特徴とする磁性半導体の製造方法であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明のCd
0.53Mn0.28Hg0.19Te単結晶の製造方
法について説明する。
【0012】まず、Cd0.6Mn0.4Te種結晶
を、図2の結晶製造装置を用いて作製した。Cd、Mn
及びTeを原料として、配合組成がCd0.5Mn
0.5Te 1.05となるように、全量で100gを秤
量し、充填空間の内径20mm、長さ約100mmの石
英るつぼ2に充填し、真空封入した。
【0013】この石英るつぼ2を縦型に配置し、大気圧
のもとで加熱した。石英るつぼ2が、常にCd0.5
0.5Te1.054の融点である1080℃を越え
る温度にあって、局部的には最高約1180℃で、かつ
1100℃付近となる場所では、約25℃/cmの温度
勾配となる温度プロファイルを形成する電気炉3と、る
つぼ昇降機構1とによって単結晶5を作製した。
【0014】電気炉3で石英るつぼ2内のCd0.5
0.5Te1.054をすべて溶解した後、石英るつ
ぼ2を2mm/hrの速度で連続的に降下することによ
って、下部より単結晶5が生成した。石英るつぼ2が降
下距離220mmに至った後、室温まで降温し単結晶5
を回収した。
【0015】このようにして得られたCd0.6Mn
0.4Te単結晶を、径が20mmで厚さが4mmにな
るように加工し、これを種結晶として使用した。
【0016】次に、溶媒となるCd0.25Mn0.2
Hg0.55Teを作製した。Cd、Mn、Hg及び
Teを原料として、配合組成がCd0.25Mn0.2
Hg 0.55Teとなるように、全量で35gを秤量
し、充填空間の内径20mm、長さ約100mmの石英
るつぼに充填し、真空封入した。加圧炉によって約28
気圧、約850℃に加熱し、るつぼに充填した原料を溶
解した後、急冷して作製したCd0.25Mn0.2
0.55Teを、径が20mmで厚さが13mmに
なるように加工し、これを溶媒として使用した。
【0017】さらに、Cd0.53Mn0.28Hg
0.19Te多結晶原料を作製した。Cd、Mn、Hg
及びTeを原料として、配合組成がCd0.53Mn
0.28Hg0.19Teとなるように、全量で100
gを秤量し、充填空間の内径20mm、長さ約100m
mの石英るつぼに充填し、真空封入した。加圧炉によっ
て約165気圧、1100℃に加熱し、るつぼに充填し
た原料を溶解した後、急冷して作製したCd0.53
0.28Hg0.19Te多結晶を、径が20mmで
厚さが40mmとなるように加工し、これを原料として
使用した。
【0018】図1に示すように、Cd0.6Mn0.4
Te種結晶8の下に、長さが5、10、15、20、3
0、40mmで内径20mmの石英10あるいは長さが
5、40mmのCd0.6Mn0.4Te多結晶20を
置いた状態で、内径10、20、30、長さ約100m
mの石英るつぼ2に充填し、真空封入した。
【0019】この石英るつぼ2を縦型に配置し、大気圧
のもとで加熱した。即ち、石英るつぼ2内の溶媒となる
Cd0.25Mn0.2Hg0.55Te41の全
部、Cd0.6Mn0.4Te種結晶8の一部が溶解す
るようにCd0.25Mn0. Hg0.55Te
1の融点である650℃を超える温度にあって、局部的
には最高約750℃で、かつCd0.6Mn0.4Te
種結晶8とCd0.25Mn0.2Hg0.55Te
41との境界となる場所では、約10℃/cmの温度勾
配となり、Cd0.25Mn0.2Hg0.55Te
41とCd0.5 Mn0.28Hg0.19Te多結
晶6との境界となる場所では、約90℃/cmの温度勾
配となる温度プロファイルを形成する電気炉3とるつぼ
昇降機構1とによって単結晶5を作製した。
【0020】単結晶の作製開始時点には、溶媒となるC
0.25Mn0.2Hg0.55Teの全部、Cd
0.6Mn0.4Te種結晶の一部が溶解しているが、
るつぼの移動に伴ってCd0.25Mn0.2Hg
0.55Teの溶融部が移動し、Cd0.53Mn
0.28Hg0.19Te多結晶原料を溶解しながら、
Cd 0.6Mn0.4Te種結晶の上部にCd0.6
0.4Te種結晶と同じ結晶構造のCd0.53Mn
0.28Hg0.19Te単結晶が育成される。石英る
つぼが十分な距離を移動した後、室温まで降温し単結晶
を回収した。
【0021】(実施の形態2)本発明のCd0.6Mn
0.4Te単結晶の製造方法について説明する。
【0022】まず、Cd0.6Mn0.4Te種結晶
を、実施の形態1と同様に作製した。
【0023】次に、溶媒となるCd0.345Mn
0.655Teを作製した。Cd、Mn、Hg及びT
eを原料として、配合組成がCd0.345Mn
0.655Te となるように、全量で35gを秤量
し、充填空間の内径20mm、長さ約100mmの石英
るつぼに充填し、真空封入した。加圧炉によって大気圧
で約850℃に加熱し、るつぼに充填した原料を溶解し
た後、急冷して作製したCd0.3 45Mn0.655
Teを、径が20mmで厚さが13mmになるように
加工し、これを溶媒として使用した。
【0024】さらに、Cd0.6Mn0.4Te多結晶
原料を作製した。Cd、Mn及びTeを原料として、配
合組成がCd0.6Mn0.4Teとなるように、全量
で100gを秤量し、充填空間の内径20mm、長さ約
100mmの石英るつぼに充填し、真空封入した。加圧
炉によって大気圧で1180℃に加熱し、るつぼに充填
した原料を溶解した後、急冷して作製したCd0.6
0.4Te多結晶を、径が20mmで厚さが40mm
となるように加工し、これを原料として使用した。
【0025】図1に示すように、Cd0.6Mn0.4
Te種結晶8の下に、長さが5、10、15、20、3
0、40mmで内径20mmの石英10あるいは長さが
5、40mmのCd0.6Mn0.4Te多結晶20を
置いた状態で、内径10、20、30、長さ約100m
mの石英るつぼ2に充填し、真空封入した。
【0026】この石英るつぼ2を縦型に配置し、大気圧
のもとで加熱した。即ち、石英るつぼ2内の溶媒となる
Cd0.345Mn0.655Te42の全部、Cd
0. Mn0.4Te種結晶8の一部が溶解するように
Cd0.345Mn0.65 Te42の融点である
750℃を超える温度にあって、局部的には最高約85
0℃で、かつCd0.6Mn0.4Te種結晶8とCd
0.345Mn0.6 55Te42との境界となる場
所では、約10℃/cmの温度勾配となり、Cd
0.345Mn0.655Te42とCd0.6Mn
0.4Te多結晶61との境界となる場所では、約90
℃/cmの温度勾配となる温度プロファイルを形成する
電気炉3とるつぼ昇降機構1とによって単結晶5を作製
した。その後、実施の形態1と同様に単結晶を回収し
た。
【0027】(比較例1)従来のCd0.6Mn0.4
Te単結晶の製造方法について説明する。
【0028】図2に示すように、Cd、Mn及びTeを
原料として、配合組成がCd0.5Mn0.5Te
1.05となるように、全量で100gを秤量し、充填
空間の内径20mm、長さ約100mmの石英るつぼ2
に充填し、真空封入した。
【0029】この石英るつぼ2を縦型に配置し、大気圧
のもとで加熱した。石英るつぼ2が、常にCd0.5
0.5Te1.054の融点である1080℃を越え
る温度にあって、局部的には最高約1180℃で、かつ
1100℃付近となる場所では、約25℃/cmの温度
勾配となる温度プロファイルを形成する電気炉3と、る
つぼ昇降機構1とによって単結晶5を作製した。
【0030】電気炉3で石英るつぼ2内のCd0.5
0.5Te1.054をすべて溶解した後、石英るつ
ぼ2を2mm/hrの速度で連続的に降下することによ
って、下部より単結晶5が生成した。石英るつぼ2が降
下距離220mmに至った後、室温まで降温し単結晶5
を回収した。
【0031】(比較例2)従来のCd0.53Mn
0.28Hg0.19Te単結晶の製造方法について説
明する。
【0032】比較例1にて作製したCd0.6Mn
0.4Te単結晶を、径が20mmで厚さが4mmにな
るように加工し、これを種結晶として使用した。
【0033】また、Cd、Mn、Hg及びTeを原料と
して、配合組成がCd0.25Mn 0.2Hg0.55
Teとなるように、全量で35gを秤量し、充填空間
の内径20mm、長さ約100mmの石英るつぼに充填
し、真空封入した。加圧炉によって約28気圧、約85
0℃に加熱し、るつぼに充填した原料を溶解した後、急
冷して作製したCd0.25Mn0.2Hg0.55
を、径が20mmで厚さが13mmになるように加
工し、これを溶媒として使用した。
【0034】また、Cd、Mn、Hg及びTeを原料と
して、配合組成がCd0.53Mn 0.28Hg
0.19Teとなるように、全量で100gを秤量し、
充填空間の内径20mm、長さ約100mmの石英るつ
ぼに充填し、真空封入した。加圧炉によって約165気
圧、1100℃に加熱し、るつぼに充填した原料を溶解
した後、急冷して作製したCd0.53Mn0.28
0.19Te多結晶を、径が20mmで厚さが40m
mとなるように加工し、これを原料として使用した。
【0035】図3に示すように、このように作製したC
0.6Mn0.4Te種結晶8、溶媒となるCd
0.25Mn0.2Hg0.55Te41、Cd
0.53Mn 0.28Hg0.19Te多結晶6をこの
順番で、内径10、20,30mm、長さ約100mm
の石英るつぼ2に充填し、真空封入した。
【0036】この石英るつぼ2を縦型に配置し、大気圧
のもとで加熱した。即ち、石英るつぼ2内の溶媒となる
Cd0.25Mn0.2Hg0.55Te41の全
部、Cd0.6Mn0.4Te種結晶8の一部が溶解す
るようにCd0.25Mn0. Hg0.55Te
1の融点である650℃を超える温度にあって、局部的
には最高約750℃で、かつCd0.6Mn0.4Te
種結晶8とCd0.25Mn0.2Hg0.55Te
41との境界となる場所では、約10℃/cmの温度勾
配となり、Cd0.25Mn0.2Hg0.55Te
41とCd0.5 Mn0.28Hg0.19Te多結
晶6との境界となる場所では、約90℃/cmの温度勾
配となる温度プロファイルを形成する電気炉3とるつぼ
昇降機構1とによって単結晶5を作製した。
【0037】単結晶の作製開始時点には、溶媒となるC
0.25Mn0.2Hg0.55Teの全部、Cd
0.6Mn0.4Te種結晶の一部が溶解しているが、
るつぼの移動に伴ってCd0.25Mn0.2Hg
0.55Teの溶融部が移動し、Cd0.53Mn
0.28Hg0.19Te多結晶原料を溶解しながら、
Cd 0.6Mn0.4Te種結晶の上部にCd0.6
0.4Te種結晶と同じ結晶構造のCd0.53Mn
0.28Hg0.19Te単結晶が育成される。石英る
つぼが十分な距離を移動した後、室温まで降温し単結晶
を回収した。
【0038】(比較例3)従来のCd0.6Mn0.4
Te単結晶の製造方法について説明する。
【0039】比較例1にて作製したCd0.6Mn
0.4Te単結晶を、径が20mmで厚さが4mmにな
るように加工し、これを種結晶として使用した。
【0040】また、Cd、Mn、Hg及びTeを原料と
して、配合組成がCd0.345Mn0.655Te
となるように、全量で35gを秤量し、充填空間の内径
20mm、長さ約100mmの石英るつぼに充填し、真
空封入した。加熱炉によって、大気圧で約850℃に加
熱し、るつぼに充填した原料を溶解した後、急冷して作
製したCd0.345Mn0.655Teを、径が2
0mmで厚さが13mmになるように加工し、これを溶
媒として使用した。
【0041】また、Cd、Mn及びTeを原料として、
配合組成がCd0.6Mn0.4Teとなるように、全
量で100gを秤量し、充填空間の内径20mm、長さ
約100mmの石英るつぼに充填し、真空封入した。加
圧炉によって大気圧で1180℃に加熱し、るつぼに充
填した原料を溶解した後、急冷して作製したCd0.
Mn0.4Te多結晶を、径が20mmで厚さが40m
mとなるように加工し、これを原料として使用した。
【0042】図3に示すように、このように作製したC
0.6Mn0.4Te種結晶8、溶媒となるCd
0.345Mn0.655Te42、Cd0.6Mn
0.4Te多結晶61をこの順番で石英るつぼ2に充填
し、真空封入した。
【0043】この石英るつぼ2を縦型に配置し、大気圧
のもとで加熱した。即ち、石英るつぼ2内の溶媒となる
Cd0.345Mn0.655Te42の全部、Cd
0. Mn0.4Te種結晶8の一部が溶解するように
Cd0.345Mn0.65 Te42の融点である
750℃を超える温度にあって、局部的には最高約85
0℃で、かつCd0.6Mn0.4Te種結晶8とCd
0.345Mn0.6 55Te42との境界となる場
所では、約10℃/cmの温度勾配となり、Cd
0.345Mn0.655Te42とCd0.6Mn
0.4Te多結晶61との境界となる場所では、約90
℃/cmの温度勾配となる温度プロファイルを形成する
電気炉3とるつぼ昇降機構1とによって単結晶5を作製
した。その後、比較例2と同様に単結晶を回収した。
【0044】実施の形態1、比較例2による結晶の製造
における、るつぼの移動に伴う図4に示す位置の温度変
化を図5に示す。図5の横軸は、るつぼの降下距離で、
縦軸は、るつぼ降下前の温度を基準にした相対的な温度
変化を示す。図5において、Cd0.6Mn0.4Te
種結晶の下に置く石英あるいはCd0.6Mn0.4
e多結晶の長さが長くなるに従って、温度変化が小さく
なっている。20mmの石英(e)、40mmのCd
0.6Mn0.4Te多結晶(i)を置いたときは、ほ
とんど温度が変化していない。実施の形態1の場合、2
0mm以上の石英、Cd0.6Mn0.4Te多結晶を
置くことで温度変化を最小限に抑えることが可能とな
る。
【0045】また、内径10mm、30mmの石英るつ
ぼを用いて同様に種結晶の下に石英を置いたときの温度
変化を図6、図7に示す。図6、図7より、育成中の温
度が安定するのは、内径10mmの石英るつぼにおい
て、長さ10mm以上の石英、内径30mmの石英るつ
ぼにおいて、長さ30mm以上の石英であることがわか
る。即ち、育成中の温度の安定は、種結晶の下に、石英
るつぼの内径以上の石英あるいはCd0.6Mn0.4
Te多結晶を置くことによって実現可能となる。なお、
実施の形態2で作製した単結晶においても、同様の傾向
が見られた。
【0046】次に、実施の形態2、比較例1、比較例3
の方法で作製したCd0.6Mn .4Te単結晶の組
成分布を図8に示す。図8より、従来の育成方法である
比較例1(A)、比較例3(C)に比較して実施の形態
2(E)で作製した結晶の組成が非常に安定しているこ
とがわかる。
【0047】また、実施の形態1、比較例2の方法で作
製したCd0.53Mn0.28Hg0.19Te単結
晶のMn、Hg組成分布を図9、図10に示す。図9、
図10より、Mn組成、Hg組成分布ともに、実施の形
態1(D)で作製した結晶の方が安定していることがわ
かる。るつぼを降下させている時の温度変化が小さくな
り、育成条件が安定したため、組成の安定した結晶が得
られる。
【0048】また、実施の形態2、比較例1、比較例3
の方法で作製したCd0.6Mn .4Te単結晶の透
過損失分布、ファラデー回転角分布をそれぞれ図11〜
図13及び図14に示す。Cd0.6Mn0.4Te単
結晶のファラデー回転角、透過損失の測定は結晶厚さ
1.0mm、SmCo磁石を用いて行った。図11〜図
13より、透過損失においては、育成方向に対する変動
がほとんどなく、育成方法によってそれほど変化は認め
られないことがわかる。しかし、図14より、ファラデ
ー回転角は育成に伴い変化し、比較例1(A)、比較例
3(C)で作製したCd0.6Mn0.4Te単結晶
は、育成に伴いファラデー回転角が小さくなっているこ
とがわかる。また、実施の形態2(E)で作製したCd
0.6Mn .4Te単結晶は、ほぼ全面にわたりファ
ラデー回転角45±1deg程度で安定していることが
わかる。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明には、従来の
方法と比較して以下の利点がある。種結晶、溶媒、多結
晶原料を用いたCd1−xMnTe、Cd1−x−y
MnHgTe結晶の育成において、種結晶の下に、
育成する結晶と同等の熱伝導率を有し、その融点が育成
温度より高い物質を置くことで、育成中の温度の変動を
抑えることが可能となった。このため、結晶育成が安定
し、育成する結晶の組成変化を小さくできた。従って、
るつぼの降下に伴う温度変動を抑えることで、安定した
結晶の育成を行うことができ、育成しようとするCd
1−x−yMnHgTe単結晶あるいはCd1−x
MnTe単結晶の組成安定化の効果を得ることができ
た。厳密な組成安定化が実現した結果として、育成した
結晶長のほぼ全領域においてファラデー回転角の精度4
5±1degが確保できた。それゆえに、厳しいファラ
デー回転角の精度45±1degが要求されるインライ
ン光アイソレータを歩留よく製造することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1、2で用いた結晶製造装置の概略
及び温度勾配を示した説明図。
【図2】比較例1(従来の製造方法)で用いた結晶製造
装置の概略及び温度勾配を示した説明図。
【図3】比較例2、3(従来の製造方法)で用いた結晶
製造装置の概略及び温度勾配を示した説明図。
【図4】実施の形態1,2、比較例1,2,3における
モニター温度の測定位置を示した説明図。
【図5】内径20mmの石英るつぼを用いたCd
0.53Mn0.28Hg0.19Te単結晶の育成
(実施の形態1、比較例2)において、種結晶の下に置
く石英あるいはCd0.6Mn0.4Te多結晶の長さ
を変えたときの育成に伴うモニター温度の変化を示した
図。
【図6】内径10mmの石英るつぼを用いたCd
0.53Mn0.28Hg0.19Te単結晶の育成
(実施の形態1、比較例2)において、種結晶の下に置
く石英の長さを変えたときの育成に伴うモニター温度の
変化を示した図。
【図7】内径30mmの石英るつぼを用いたCd
0.53Mn0.28Hg0.19Te単結晶の育成
(実施の形態1、比較例2)において、種結晶の下に置
く石英の長さを変えたときの育成に伴うモニター温度の
変化を示した図。
【図8】実施の形態2、比較例1、3で育成したCd
0.6Mn0.4Te単結晶のMn組成分布を示した
図。
【図9】実施の形態1、比較例2で育成したCd
0.53Mn0.28Hg0.19Te単結晶のHg組
成分布を示した図。
【図10】実施の形態1、比較例2で育成したCd
0.53Mn0.28Hg0.19Te単結晶のMn組
成分布を示した図。
【図11】比較例1で育成したCd0.6Mn0.4
e単結晶において、厚さ1.0mmにおける透過損失を
示した図。
【図12】比較例3で育成したCd0.6Mn0.4
e単結晶において、厚さ1.0mmにおける透過損失を
示した図。
【図13】実施の形態2で育成したCd0.6Mn
0.4Te単結晶において、厚さ1.0mmにおける透
過損失を示した図。
【図14】実施の形態2、比較例1、3で育成したCd
0.6Mn0.4Te単結晶において、厚さ1.0mm
におけるファラデー回転角を示した図。
【符号の説明】
1 るつぼ昇降機構 2 石英るつぼ 3 電気炉 4 Cd0.5Mn0.5Te1.05 5 単結晶 6 Cd0.53Mn0.28Hg0.19Te多結
晶 7 るつぼ反転機構 8 Cd0.6Mn0.4Te種結晶 9 石英るつぼ固定治具 10 石英 12 石英炉心管 14 熱電対 20,61 Cd0.6Mn0.4Te多結晶 41 (溶媒となる)Cd0.25Mn0.2Hg
0.55Te 42 (溶媒となる)Cd0.345Mn0.655
Te A 比較例1 B 比較例2 C 比較例3 D 実施の形態1 E 実施の形態2 a 何も置かない場合(従来) b 5mmの石英を置いた場合 c 10mmの石英を置いた場合 d 15mmの石英を置いた場合 e 20mmの石英を置いた場合 f 30mmの石英を置いた場合 g 40mmの石英を置いた場合 h 5mmのCd0.6Mn0.4Te多結晶を置い
た場合 i 40mmのCd0.6Mn0.4Te多結晶を置
いた場合
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA02 BE36 CE01 CE02 ED01 HA03 HA06 5E040 AA20 BD05 CA11 HB11 HB16 NN01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶化したCd1−xMnTe種結
    晶(0<x<1)、CdMnHg:Te=1:p(p>
    1)なる組成の溶媒となるCd1−x−yMnHg
    Te(0<x、y<1、z>1)及び目標とする結晶
    組成Cd1− x−yMnHgTeの多結晶原料(0
    <x、y<1)を、るつぼの底部から順に充填し、真空
    封入し、該るつぼを、目的の温度勾配を有する加熱装置
    の所定の位置に置き、前記溶媒となるCd1−x−y
    HgTeの全部及び前記Cd1−xMnTe
    種結晶の一部を溶解し、前記るつぼをある一定の速度
    で、前記加熱装置内を下方へ移動させることで、前記C
    1−x−yMnHgTeの多結晶原料を溶解しな
    がら、前記Cd1−xMnTe種結晶の上部に、該C
    1−xMnTe種結晶と同じ結晶構造のCd
    1−x−yMnHgTe単結晶を育成する磁性半導
    体の製造方法において、前記Cd1−xMnTe種結
    晶の下に、育成するCd1−x−yMnHgTe単
    結晶と同等の熱伝導率を有し、かつ前記加熱装置の加熱
    温度より高い融点を有する物質を置くことを特徴とする
    磁性半導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 単結晶化したCd1−xMnTe種結
    晶(0≦x<1)、CdMn:Te=1:p(p>1)
    なる組成の溶媒となるCd1−xMnTe 溶媒(0
    ≦x<1、z>1)及び目標とする結晶組成Cd1−x
    MnTe多結晶原料(0≦x<1)を、るつぼの底部
    から順に充填し、真空封入し、該るつぼを、目的の温度
    勾配を有する加熱装置の所定の位置に置き、前記溶媒と
    なるCd1−xMnTeの全部及び前記Cd1−x
    MnTe種結晶の一部を溶解し、前記るつぼをある一
    定の速度で、前記加熱装置内を下方へ移動させること
    で、前記Cd1−xMnTeの多結晶原料を溶解しな
    がら、前記Cd1−xMn Te種結晶の上部に、該C
    1−xMnTe種結晶と同じ結晶構造のCd −x
    MnTe単結晶を育成する磁性半導体の製造方法にお
    いて、前記Cd1− MnTe種結晶の下に、育成す
    るCd1−xMnTe単結晶と同等の熱伝導率を有
    し、かつ前記加熱装置の加熱温度より高い融点を有する
    物質を置くことを特徴とする磁性半導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の磁性半導体の製
    造方法において、前記物質として、石英を用いることを
    特徴とする磁性半導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の磁性半導体の製
    造方法において、前記物質として、Cd1−xMn
    e多結晶(0≦x<1)を用いることを特徴とする磁性
    半導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の磁性半導体の製
    造方法において、前記物質の長さが、前記るつぼの内径
    以上であることを特徴とする磁性半導体の製造方法。
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