JP2004210638A - 半導体結晶の成長方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 縦型ブリッジマン法によって半導体結晶を成長させる際に、混晶比や不純物濃度を結晶の長手方向に一定に保持できる方法を提供すること。
【解決手段】 上下方向に独立に出力を制御できるヒータを複数個設けた縦型結晶成長炉に、石英るつぼと熱電対挿入管の周囲を断熱材で覆ったものを装入する。熱電対挿入管に上下動自由に熱電対を入れる。ヒータ熱は断熱材を経て間接的にるつぼ内の原料融液・固体を加熱する。断熱材でるつぼが覆われ断熱材を横切る熱量よりも上下方向の熱量が大きく、上から固液界面へ流入する熱量の方が、下へ逃げる熱量よりも大きくその差の熱量は中心へ向かう熱量となり、固液界面が上に凸となり結晶性の良いものが得られる。
【選択図】 図1

Description

この発明は縦型ブリッジマン法による半導体結晶の成長方法に関する。半導体結晶の成長方法には様々な方法が知られている。Si単結晶の場合はチョクラルスキ−法が最も有力である。ほとんどのSi単結晶はこの方法で作られる。原料をるつぼに入れてヒ−タによって周りから加熱し融液とし、種結晶を上から垂らして種付けし回転させながら種結晶を引き上げることにより単結晶を引き上げる。単結晶の直径は、るつぼの半分以下であることが多い。チョクラルスキ−法は代表的な結晶成長方法でSi以外にも広く使われる。
GaAs、InPなどの化合物半導体の場合は、V族元素の蒸気圧が高いのでV族の解離を防ぐための特別の工夫が必要である。代表的な方法は水平ブリッジマン法と液体封止チョクラルスキ−法である。
水平ブリッジマン法は、半円断面のボ−トに原料を入れ、これを中間隔壁で仕切られた長い石英管の一方の空間に入れ、他方の空間にAsやPを入れた状態で封入し、これを温度勾配のある炉の中へ入れて成長させるものである。ボ−トの一端には種結晶を置く。全体を高温に加熱して原料を溶融してから、種結晶の側から徐々に冷却する。種結晶と同じ方位の単結晶が横方向に成長してゆく。成長方向が水平であるので水平という限定が付く。
ブリッジマン法というのは、融液と単結晶が同じ容器内にあり、断面積も同じであるという特徴がある。境界面(固液界面)が少しずつ動いてゆく。温度勾配のある炉の中を、石英管を動かすことにより固液界面を動かす。水平ブリッジマン法は、結晶を引き上げるということをしないので、応力がかからず歪みの小さい結晶を得ることができる。ために転位密度の低い良質の単結晶を製造することができる。発光素子、高周波素子などの化合物半導体の結晶はこの方法で作られる。
液体封止チョクラルスキ−法は、るつぼに原料を入れBなどの封止剤を更に入れる。高温に加熱し高圧をかけてV族元素の揮発を防止する。種結晶を上から垂らして種付けし回転しながら引き上げる。高圧が封止剤を押さえるのでV族の揮発を防ぐことができるが、封止剤の断熱性が大きく温度勾配が大きくなるので熱歪みが入りやすい。この方法で作った結晶は転位密度が高い。
本発明の対象とする縦型ブリッジマン法はこれらの代表的な化合物半導体の成長方法のいずれとも異なる。水平ブリッジマンを縦型にしたようなものである。原料を入れた縦型のるつぼを、上が高温、下が低温の縦型の温度勾配炉に入れ、全体を溶融し融液にしてから、るつぼを下方に移動させて、下方から徐々に原料融液を固化する。下が固体で上が液体であるので、チョクラルスキ−法とは温度勾配が反対になる。
縦型ブリッジマン法がどうして必要なのかをまず説明する。チョクラルスキ−法は使い慣れた方法であり、固体と液体の境界がはっきりしており、制御も容易である。結晶の重量は上軸に取り付けたロ−ドセルにより測定できる。境界は目視観察、テレビカメラで観察できる。しかし、チョクラルスキ−法は、一様な不純物濃度のものや、一様な組成の混晶を成長させることができない。一般にるつぼ内の原料は、平衡状態で、固体と液体の界面とで不純物の濃度が異なる。固体中の不純物濃度を液体(融液)の不純物濃度で割った値は温度のみによる定数である。この比の値を偏析係数という。偏析係数が1より小さいと、引き上げとともに融液中の不純物が濃縮されるので、結晶中の不純物濃度が上昇してゆく。偏析係数が1より大きいと反対に不純物濃度が減少してゆく。
これは不純物の場合であるが、混晶の場合も同様である。平行状態にある融液と固体に含まれる原料組成が同一でない。ために成長とともに混晶比が変動してくる。一様な組成の混晶を得ることができない。このような欠点は水平ブリッジマン法でも同様である。融液と固体(結晶)が熱平衡にあるので、固体と融液での原料組成が同一でない。
縦型ブリッジマン法により結晶を成長させる方法としては、
特開平1−212291号(1989.8.25)…複数箇所に熱電対を設けて複数箇所での温度を求め、これを基に温度分布を計算推定し、成長界面形状、成長界面位置の変化を制御する。 PCT出願 WO 91/02832(1991.3.7)…外部の主ヒ−タの他に、原料融液の内部に円板状の補助ヒ−タを設けている。補助ヒ−タの作用で原料融液の動きが抑えられる。これは実効偏析係数をほぼ1に等しくし、不純物濃度が一定の結晶を成長させることができるというわけである。
縦型ブリッジマン法は、混晶や不純物を含む結晶に適する方法と言われているが、必ずしも長手方向に混晶比や、不純物濃度の一定したものができる訳ではない。この方法は固体部と液体部の界面がどこであるのかはっきりせず、結晶成長条件を長手方向に一様に保持するのが難しい。るつぼを一定方向に一定速度で移動し成長を行う時、るつぼ移動に伴う機械的ノイズや、るつぼが移動することにより引き起こる炉内熱環境の変化などの諸要因が成長速度(固液界面速度)を変化させており、これによりストリエ−ション(ミクロな組成変動)が生じる。
混晶半導体の場合は、やはり長手方向に混晶比が揺らぐ。不純物をド−プした半導体は、長手方向に不純物濃度が変動する。アンド−プ半導体の場合は双晶が入りやすく結晶性が悪い。前記の特許文献1は構造が複雑になる。また再現性に問題がある。特許文献2は原料融液へ不純物が混入する惧れがある。
本発明は、縦型ブリッジマン法において、原料の結晶化位置(融点位置、あるいは、固液界面位置)を一定とすることにより、成長速度を一定とし、不純物濃度や混晶比の安定した結晶を成長させることを目的とする。
本発明の半導体結晶の成長方法は、縦型のるつぼと、るつぼ外周を包囲する筒状縦型の断熱材と、断熱材とるつぼを支持し昇降させることのできる下軸と、断熱材の周囲上下方向に複数個設けられ独立に出力制御でき縦方向に温度分布を形成することのできるヒ−タと、るつぼの外周に設置した温度センサとを含む半導体結晶の成長装置を用い、るつぼの中に原料固体を収容し、ヒ−タに通電しヒータの熱が断熱材とるつぼを加熱するようにし、その熱で原料を溶融して原料融液とし、ヒ−タの出力を調整して上方を高温部、下方を低温部とし、断熱材を通過する熱量が縦方向の熱量よりも小さくなるようにヒ−タ制御を行いながら、下方から原料融液を固化し固液界面が上に凸になるように維持しながら結晶成長する。
るつぼの外周に断熱材を設けているので原料融液をヒ−タと外界から遮断し原料融液、固体の温度分布を安定化させる。るつぼの周囲が断熱材に囲まれるので熱の流れは主に縦方向になる。断熱材を横切る熱流は小さいものとなる。断熱材がないと原料融液から輻射で放熱し、ヒータの輻射で原料が加熱されるから温度変動が大きいものとなるが本発明の場合は断熱材で包むので融液・固体部での温度の安定性が優れたものとなる。また断熱材がヒ−タからの熱輻射を遮断するので温度センサによる温度測定が精密になる。
或いは、融点位置に設定する温度センサの他に、上にひとつ以上、下にひとつ以上の温度センサを設ける。温度センサを増やすので、るつぼ外周の温度分布をより精密に測定することができる。
融点の位置より上方から融点の位置へ流れる熱量が、融点の位置より下方から流れる熱量よりも大きく断熱材を横方向へ通過する熱量が小さいのだから差の熱量は結晶の中心部へ向かうことになり固液界面が上方へ凸になる。
本発明は、縦長の断熱材に囲まれた縦型のるつぼに原料を入れて融液とし、複数個上下方向に配置された独立のヒータを制御して下方が低温、上方が高温となる温度分布を作り、下方が低温、上方が高温となった温度勾配の中を、断熱材、るつぼ、融液を下げてゆくことにより、原料融液の下方から固化させる。るつぼの外周で断熱材より内部に縦長の空間を形成し、ここに熱電対のような温度センサを昇降自在に設けて、原料融液の温度を測定する。断熱材で囲まれヒータの輻射を直接に受けないので温度センサの信頼性が高い。本発明は、温度センサの位置と固液界面の位置は不変とし、下軸を下方に変位させることにより、原料融液と結晶を下方へ下げて行く。こうすると原料融液が固化する条件が時間的に変わらない。また原料の融点の位置に温度センサを固定しているので、原料中の固液界面と、温度センサの関係が一定である。ために、固液界面の高さが一定となる。縦型ブリッジマン法の難点は固液界面が分からないことにある。しかし本発明は、常に固液界面の位置を精密に知ることができる。縦型ブリッジマンの欠点を解消する有力な方法である。
図1は本発明の縦型ブリッジマン装置の概略構成図である。真空に引くことのできるチャンバ1の内部には、独立してパワ−を制御できるヒ−タ2、3、4、5が縦方向に設置される。これによって、任意の温度分布を形成することができる。チャンバ1の中央部には、縦長のるつぼ6がある。るつぼの外周面は筒状の断熱材12によって包囲されている。るつぼ6の下底および断熱材の下端は、下軸8によって支持される。るつぼ6の側方断熱材の内側には縦長の熱電対挿入管9が形成される。熱電対挿入管9には上方から熱電対10が挿入される。縦長るつぼ6の内部には原料融液7が収容される。るつぼ6の上部開口は蓋11で閉じられる。ヒータからの輻射熱は直接に断熱材を加熱する。断熱材を昇温し断熱材を熱伝導で伝わった熱が内部のるつぼへいたり熱伝導によってるつぼ内部の原料を加熱し融液とする。断熱材がヒータからの直接加熱を遮断し原料融液から外部への直接の放熱を防ぐ。
この状態ではすべてが融液である。ヒ−タによる温度環境は、下方が低温、上方が高温になっている。下軸8を下げることにより、融液が下の方から次第に固化してゆく。熱電対10の位置は変わらないようにする。しかも熱電対10は常に固液界面に位置するように調節する。下軸の下降速度を加減して、このような条件を満足させる。固液界面の高さが常に一定である。結晶は上下方向に同一の条件によって成長するということになる。品質の安定した、不純物密度の一様な結晶を成長させることができる。
本発明はるつぼと温度センサの外周面を断熱材で覆うのでヒータ輻射がるつぼに直接に当たらず、るつぼから熱が輻射で側方へ逃げない。断熱性が高いので、るつぼ内部の原料融液・固体の温度分布が安定し時間的な擾乱を受けない。ヒ−タからの輻射が温度センサに当たると、測定値が高めに出るが、断熱材で包むと、輻射が遮られる。熱伝導のみになるので、融液の温度をより正確に測定することができる。
温度センサの数はひとつでも良いが、複数にすることにより、るつぼ内の温度分布をより正確に求めることができるようになる。前記の固液界面に固定するものの他に、これより上に一つ以上、下に一つ以上の温度センサを設ける。この方法では、縦型るつぼの下から固化してゆくので、下の温度センサは結晶の温度を監視し、上の温度センサは融液温度を監視することができる。
先述のように縦型ブリッジマンは固液界面が分からないという欠点があるが、本発明に於いて、3つ以上の温度センサを設けることにより、縦方向の原料融液、結晶の温度分布が求められる。るつぼの下降の速度や、ヒ−タのパワ−の制御のためのデ−タとして温度分布を用いることができる。
図2は3つの熱電対を設けた装置の例を示す。熱電対挿入管9に、3つの熱電対10、13、14が挿入されている。中間の熱電対10は、原料の融液7と、結晶15の境界である固液界面16の高さにある。一つの熱電対13は、より上方の点にあって、融液の温度をモニタしている。他の熱電対14はより下方の点にあって、結晶の温度をモニタしている。
上熱電対13、中間熱電対10、下熱電対14の温度をそれぞれT、T、Tとする。Tは原料の融点に固定してある。T>T>Tである。中間の熱電対10と上方の熱電対13の高さの差をL、中間の熱電対10と下方の熱電対14の高さの差をLとする。
優れた結晶性のものを作ろうとすると、図3に示すように、原料の固液界面は固体側が凸に、融液側が凹になっていなければならない。つまり、固液界面が中央で高く、周辺で低くなるような曲面になっているのが結晶性の点で望ましい。このためには、固液界面の周辺部において固液界面へ上方から流入する熱量Qと固液界面から下方へ流れ去る熱量Qとを比較し、QがQより大きくすると良い。図4に熱流の関係を示す。QがQより大きいと、その差Q=Q−Qは、るつぼの中心へ向かう熱流となる。側方に断熱材があるから外界とるつぼ内の半径方向の熱のやり取りは小さくなり、断熱材を通る熱が殆どないとして上のQ=Q−Qが成り立つ。
このような中心に向かう熱流が存在するということは、原料結晶、融液の外周の方が、中央部よりも温度が高いということである。温度は下方で低く、上方で高いのであるから、上向きに凸の等温線が形成される。このため固液界面が、上向きに凸となる。これにより良好な結晶性を持つ結晶ができる。Q>Qという条件を温度分布によって書き表わしてみよう。
縦方向上向きにZ軸を定義する。上向きの熱流の大きさは、−λ(δT/δz)によって表現することができる。ここでλは熱伝導率である。Tは温度、zはZ軸上の座標である。温度センサを上(融液)、中(固液界面)、下(結晶)の3つの異なる高さに設けている場合は、これらの点での温度を実測できる。
上の温度センサと、中(固液界面)の温度センサの距離をL、中の温度センサと下(固体)の温度センサの距離をLとする。上記の熱流Q、Qは、これら3点の温度T(融液)、T(固液界面)、T(結晶)と距離によって次のように表すことができる。
融液側から固液界面に向かう下向きの熱流Qは、Q=λ(T−T)/Lとなる。ここでλは融液中の熱伝導率である。固液界面から結晶側に流れる下向きの熱流Qは、Q=λ(T−T)/Lである。λは固体中の熱伝導率である。固液界面を上向きに凸型にするためには、Q>Qであれば良いので、結局λ(T−T)/L>λ(T−T)/Lであれば良い。
本発明は、縦型温度勾配炉において、るつぼを断熱材で囲み、一定高さに保持される熱電対を融点に保つように、るつぼの全体を下降また上昇させる。これによりるつぼ内の温度分布を安定化させ、固化の条件を常に一定に保つことができ、混晶半導体の混晶比や、不純物ド−プ半導体の不純物濃度を軸方向にほぼ一様にすることができる。混晶半導体は、混晶比を変えることにより、格子定数を変えることができる。本発明は所望の混晶比のものを作ることができるから、電子デバイスを混晶を使って製造する際に極めて有効である。更に、アンド−プ半導体の場合でも、双晶の発生を防ぐことができる。
[実施例 1]
図1の縦型温度勾配炉を用いて、InGaAsの混晶を成長させた。目標の混晶比は、In97%、Ga3%である。予め合成された、In1−xGaAs(x=0.03)33.25gを、内径12mmの石英るつぼ6に真空封入した。石英るつぼ6と熱電対挿入管9を断熱材12に挿入し、これらを下軸8の上に固定した。チャンバ1を閉じて真空に引いてからヒ−タに電流を流し、るつぼ6、原料を加熱した。るつぼを上方に上げておき、高温に加熱し全体を原料融液にした。熱電対挿入管9には熱電対10が挿入される。るつぼ6、下軸8を4mm/hの速度で下降させる。原料融液は下方から固化し結晶になってゆく。この間、熱電対10の高さが一定でしかも原料の融点に等しいようにする。
この場合は、ヒ−タのパワ−を適当に調整して、熱電対の温度が融点になるようにする。下軸を下げてゆき、原料の全体を固化させる。全体が結晶になる。
混晶比の軸方向の変動が問題である。縦型ブリッジマンを使うのは一様な組成の混晶を作れる可能性があるからである。その期待に添うものであるかどうかを確かめなければならない。そこで、結晶を薄い薄片に切り出し、その試料中のGaの濃度を調べた。多くの薄片(ウエハ)のGa濃度を測定することにより軸方向のGa濃度の変化を知ることができる。この結果を図5に示す。横軸は固化率gである。縦軸はGa濃度である。
固化率というのは原料全体の重量で、結晶の重量を割った値のことである。しかし固化率はここでは、結晶の下の端からの距離を表現していると言って良い。固化率gの点というのは、結晶の下からその点までの結晶の重さを、はじめの原料の重さで割った値がgである点ということである。もしも結晶が完全に円柱で、原料がすべて結晶になったとすれば、測定点までの下からの距離をs、結晶半径をr、密度をρ、結晶長さをLとして、g=πρrs/πρrL=s/Lである。
図5に示すように、結晶化の初めに、Ga濃度はかなり高い値になっている。しかし直ぐにGa濃度が下がり以後ほぼ同じ値を保持する。固化率が0.05〜0.7の広い範囲でGa濃度がほとんど変動しない。固化率が0.7を越えると、Ga濃度が一様に低下してゆく。この結晶は、始端部と終端部を除けば一様な混晶比のものとなる。一定混晶比の長さが長いから一定比率の混晶を製造する方法として生産性が高い。それは断熱材によってるつぼを覆ったことにより熱分布の安定性が増したということと、固液界面が上に凸であること、固液界面の位置が不変であるという本発明の効果である。
[比較例 1]
図1の縦型温度勾配炉から断熱材を除去した結晶成長装置を用い、固液界面の高さを制御しないで、InGaAsの混晶を成長させた。断熱材がないということと固液界面を制御しないという他は、実施例1と同じ条件である。この方法で成長させたInGaAs混晶のGa濃度の軸方向の変動を図6に示した。Ga濃度の変化が著しく、一様濃度である部分が殆どない。たとえ、始端と終端を切り除いてもGa濃度の一様な結晶を得ることができない。
図5と図6の結果を比べてみれば、本発明のように、断熱材でるつぼを覆って温度安定性を増大させ固液界面の高さを一定に保ちながら結晶を低温側へ移動して成長させることが、一様混晶比を得るのに極めて有効であることが分かる。
[実施例 2]
図2の縦型温度勾配炉を用いてTeド−プGaAsを成長させた。図2の装置は3つの温度センサを用いて、るつぼの3点の温度を監視することにより成長条件を設定するものである。不純物濃度の一様性というのは縦型ブリッジマン法の長所である。29.96gのGaAsと、1.2mgのTeを、内径12mmの石英るつぼに入れて真空に引き密封した。これをチャンバに入れ、下軸上に固定した。チャンバを閉じて真空に引く。ヒ−タに通電し、上が高温、下が低温になるようにする。るつぼを上方に上げておき、るつぼと原料を加熱する。GaAsの原料が融液になる。全体が融液になった後、下軸を4mm/hの速さで下降させ、下方から原料融液を固化させる。成長した後、成長方向と平行な面で結晶を切断した。つまり縦に結晶を切った。切断面を研磨した。研磨面をクロム酸+フッ酸よりなるエッチング液に浸した。エッチングされた面に光を照射し、成長縞を観察した。成長縞は、成長方向に凹となっていた。これは、結晶成長の間、固液界面が融液側へ凸になるような曲面であるということを意味している。つまり図3のような固液界面ができているのである。この結果から本発明によれば、固液界面の形状を制御できることが分かる。
断熱材でるつぼを覆い熱電対を1つ用いる本発明の第1の実施例に係る半導体成長装置の概略断面図。 断熱材でるつぼを覆い熱電対を3つ用いる本発明の第2の実施例に係る半導体成長装置の概略断面図。 望ましい固液界面の形状を示す断面図。 結晶の固液界面近くでの熱流の関係を説明する概略図。 断熱材でるつぼを覆って熱電対を1つもつ図1の装置を用い、固液界面の位置を一定高さに保持しながらInGaAsの混晶を成長させた場合の、軸方向のGa濃度分布の測定値を示すグラフ。 図1の装置において断熱材を除去し、固液界面の位置を制御せずに、InGaAsの混晶を成長させた場合の、軸方向のGa濃度分布の測定値を示すグラフ。
符号の説明
1 チャンバ
2 ヒ−タ
3 ヒ−タ
4 ヒ−タ
5 ヒ−タ
6 るつぼ
7 原料融液
8 下軸
9 熱電対挿入管
10 熱電対
11 蓋
12 断熱材
13 熱電対
14 熱電対
15 結晶
16 固液界面

Claims (9)

  1. チャンバと、チャンバ内部に設けられ縦方向に並び独立に制御できる複数のヒ−タと、ヒ−タで囲まれた縦長筒状の断熱材と、縦長断熱材の内部に設けられ原料融液を保持するための縦長のるつぼとを含む結晶成長装置を用いて半導体結晶を成長させる方法であって、半導体原料をるつぼに入れ、独立した複数のヒ−タで断熱材とるつぼ内部の原料を加熱し、複数のヒータの出力を調整して断熱材とるつぼの内部に下が低温、上が高温になるよう軸方向に温度勾配のある温度分布を形成し、るつぼ内部の原料を融液とし、下方から原料融液を固化させることによって下から上に半導体結晶を成長させるようにしたことを特徴とする半導体結晶の成長方法。
  2. 複数の独立したヒータの温度を制御することによって、固液界面の上方から原料融液に流入する熱量と、下方へ流出する熱量を調整することを特徴とする請求項1に記載の半導体結晶の成長方法。
  3. 複数の独立したヒータの温度を制御することによって、結晶外周で、固液界面の上方から原料融液に流入する熱量が下方へ流出する熱量より大きくなるように熱量を調整することを特徴とする請求項2に記載の半導体結晶の成長方法。
  4. 複数の独立したヒータの温度を制御することによって、固液界面の上方から原料融液に流入する熱量と下方へ流出する熱量を調整し、固液界面の近傍において原料融液および結晶内で中心方向へ流れる熱流の強さを制御することを特徴とする請求項1に記載の半導体結晶の成長方法。
  5. 複数の独立したヒータの温度を制御することによって、結晶外周で、固液界面の上方から原料融液に流入する熱量が下方へ流出する熱量より大きくなるように熱量を調整し、固液界面の近傍において原料融液および結晶内で中心方向へ流れる熱流の強さを制御することを特徴とする請求項4に記載の半導体結晶の成長方法。
  6. 複数の独立したヒータの温度を制御することによって、固液界面の上方から原料融液に流入する熱量と下方へ流出する熱量を調整し、固液界面の近傍において原料融液および結晶内で中心方向へ流れる熱流の強さを制御することにより、固液界面が上に凸になるようにすることを特徴とする請求項1に記載の半導体結晶の成長方法。
  7. 複数の独立したヒータの温度を制御することによって、結晶外周で、固液界面の上方から原料融液に流入する熱量が下方へ流出する熱量より大きくなるように熱量を調整し、固液界面の近傍において原料融液および結晶内で中心方向へ流れる熱流の強さを制御することにより、固液界面が上に凸になるようにすることを特徴とする請求項6に記載の半導体結晶の成長方法。
  8. 断熱材はるつぼの外周に接触するように設けてあることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の半導体結晶の成長方法。
  9. 断熱材との接触部分に近い固液界面の端部において原料融液の上方から固液界面へ流入する熱量と、下方の固体へ流出する熱量に対して、断熱材を横切って流れる熱量が小さくて、上方から固液界面へ流れる熱量と固液界面から固体中を下方へ流れる熱量を調整して熱流が固体部で中心へ向かって流れるようにしたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の半導体結晶の成長方法。
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KR101069911B1 (ko) * 2004-12-24 2011-10-05 주식회사 엘지실트론 실리콘 단결정 잉곳 성장장치의 제어방법
CN107541769A (zh) * 2016-06-29 2018-01-05 安徽中科镭泰激光科技有限公司 一种制备宝石晶体的装置和方法

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KR101069911B1 (ko) * 2004-12-24 2011-10-05 주식회사 엘지실트론 실리콘 단결정 잉곳 성장장치의 제어방법
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