JP2000272447A - 自動車用衝撃吸収構造 - Google Patents

自動車用衝撃吸収構造

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JP2000272447A
JP2000272447A JP11081940A JP8194099A JP2000272447A JP 2000272447 A JP2000272447 A JP 2000272447A JP 11081940 A JP11081940 A JP 11081940A JP 8194099 A JP8194099 A JP 8194099A JP 2000272447 A JP2000272447 A JP 2000272447A
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fluid
discharge hole
housing
absorbing structure
housing portion
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JP11081940A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tajima
博幸 田嶌
Yutaka Nagai
裕 永井
Takeshi Hosokawa
武司 細川
Akiyoshi Nagano
昭義 永野
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】変形量が増加しても、変形荷重値の低下や増加
を抑えて、衝撃エネルギー吸収量を増大させることがで
きる自動車用衝撃吸収構造を提供すること。 【解決手段】車外側を剛性部材3に当接可能に配置され
る塑性変形可能なハウジング部12と、ハウジング部1
2内に収容される流動性を有した流体L1と、を備え
る。ハウジング部12は、衝撃力Fの作用時における内
圧上昇時に、流体L1を流出可能な排出孔21を備え
る。この衝撃吸収構造M1では、ハウジング部12自体
の塑性変形と流体L1の排出孔21を通過する流動抵抗
とを利用して、衝撃エネルギーを吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車内に配
置されて、乗員を受けて、乗員に作用する衝撃力を円滑
に吸収可能な衝撃吸収構造に関し、例えば、フロントピ
ラー部、ルーフサイドレール部、ニーパネル部、ドアト
リム部等に適用できる衝撃吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、この種の衝撃吸収構造
としては、ガーニッシュ等の自動車用内装品に塑性変形
可能な多数のリブを設けて構成したり、その内装品自体
の周壁を塑性変形可能に形成して構成したり、あるい
は、クッション性の良いパッド等を設けて構成したもの
があった(特開平8−119047号公報・実開昭60
−188052号公報等参照)。
【0003】しかしながら、塑性変形させて衝撃エネル
ギーを吸収する衝撃吸収構造では、塑性変形部位が塑性
変形し始めれば、すなわち、変形量が増加し始めれば、
変形荷重が低下することが避けられず、衝撃エネルギー
を効果的に増大させることが困難であった。
【0004】また、パッド等を利用する衝撃吸収構造で
は、変形量が大きくなれば、反力が増大して変形荷重を
正比例で増加させることから、これまた、衝撃エネルギ
ーの吸収に改善の余地があった。
【0005】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、変形量が増加しても、変形荷重値の低下や増加を抑
えることができて、衝撃エネルギー吸収量を増大させる
ことができる自動車用衝撃吸収構造を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る衝撃吸収構
造は、自動車の車内に配設されて、衝撃力を吸収可能な
自動車用衝撃吸収構造であって、車外側を剛性部材に当
接可能に配置される塑性変形可能なハウジング部と、該
ハウジング部内に収容される流動性を有した流体と、を
備えて構成され、前記ハウジング部が、衝撃力作用時に
おける内圧上昇時に、前記流体を流出可能な排出孔を備
え、前記ハウジング部の塑性変形と前記流体の前記排出
孔を通過する流動抵抗とを利用して、衝撃エネルギーを
吸収することを特徴とする。
【0007】前記排出孔は、前記ハウジング部の内圧上
昇時に開口する蓋部で覆うことが望ましい。
【0008】また、前記ハウジング部の車内側には、衝
撃力作用時に凹み可能なカバー部を配設させても良い。
【0009】さらに、前記ハウジング部における前記排
出孔の前記流体流出側には、隣接して、流出した前記流
体を貯留可能な貯留部を配設させても良い。
【0010】なお、本発明で使用する前記流体は、液体
や気体のみならず、流動性を有した粉体・顆粒等の固体
も含むものである。
【0011】
【発明の効果】本発明に係る自動車用衝撃吸収構造で
は、衝撃力がハウジング部に作用すれば、ハウジング部
が車外側を剛性部材に当接させていることから、ハウジ
ング部が塑性変形するとともに、ハウジング部内の内圧
が上昇し、ハウジング部内の流体が排出孔を経て流出
し、ハウジング部の塑性変形と流体の排出孔を通過する
流動抵抗とを利用して、衝撃エネルギーを吸収すること
となる。
【0012】そして、衝撃エネルギーの吸収量は、衝撃
力が作用した際の変形荷重値と変形量との関係を表わし
たグラフ図の面積で表わすことができ、そのグラフ図に
おいて、衝撃力作用時の変形荷重値が許容範囲内の高い
値を維持して、変形量が増加する場合が、衝撃エネルギ
ー吸収量に相当するグラフ図の面積を大きく確保でき
て、最も効果的に衝撃エネルギーを吸収することができ
ることとなる。
【0013】そのため、本発明に係る自動車用衝撃吸収
構造では、排出孔の開口面積を予め設定しておけば、変
形量が増加しても、ハウジング部自体の変形荷重値の低
下を流動抵抗で補うことができて、衝撃吸収構造全体の
変形荷重値を、許容範囲内の高い値で、減少・増加の変
動を抑えて一定に維持することが可能となり、効果的に
衝撃エネルギーの吸収量を増加させることができる。
【0014】そして、排出孔を、ハウジング部の内圧上
昇時に開口する蓋部で覆う構成としておけば、衝撃力作
用時以外には、不用意に流体がハウジング部から流出せ
ず、ハウジング部の運搬・取付等の取り扱いが便利とな
り、さらに、流体の蒸発・変質等も防止できるため、長
期間、自動車に取り付けておいても、衝撃吸収性能等の
品質を維持できる。
【0015】また、ハウジング部の車内側に、衝撃力作
用時に凹み可能なカバー部を配設させておけば、流体を
収容したハウジング部が、車内側に露出しないため、カ
バー部による装飾効果を得ることができて、見栄えを良
好にすることができ、さらに、不用意なハウジング部へ
の接触も避けることができる。
【0016】さらにまた、ハウジング部における排出孔
の流体流出側に隣接して、流出した流体を貯留可能な貯
留部を配設しておけば、流出する流体を貯留部で貯留で
きて、流体で車内を汚すことを防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0018】第1実施形態の自動車用衝撃吸収構造M1
は、図1〜3に示すように、自動車のフロントピラー部
FPに配設されているものであり、フロントピラー部F
Pは、ボディ1側の板金からなるインナパネル3及びア
ウタパネル4を有したフロントピラー本体2と、インナ
パネル3の車内側を覆うフロントピラーガーニッシュ8
と、を備えて構成されている。なお、フロントピラー本
体2における自動車の後方側の縁には、ドアガラスDG
とのシール性を確保するウェザストリップ5が組み付け
られ、フロントピラー本体2における自動車の前方側の
縁には、フロントガラスFGが組み付けられている。
【0019】フロントピラーガーニッシュ8は、ポリプ
ロピレン等の塑性変形可能な合成樹脂から形成されて、
車内側を覆う断面略U字形状のガーニッシュ本体9と、
本体9の車外側における自動車後方側の縁の上部側に配
置されるハウジング部12と、を備えて構成されてい
る。
【0020】ガーニッシュ本体9には、下部に配置され
て、ボディ1にボルト止めされるブラケット部10と、
車外側の面に配置されて、インナパネル3の取付孔(図
示せず)に係止させる図示しない所定数の取付脚部と、
を備えて構成されている。
【0021】ハウジング部12内には、流動性を有した
流体(実施形態では、二酸化けい素若しくは炭酸カルシ
ウム等の粉末)L1が封入されている。ハウジング部1
2は、車内側の正面壁13と、車外側の断面L字形の背
面壁14と、正面壁13と背面壁14とを連結する前方
側の側壁15及び車外側の側壁16と、正面壁13・背
面壁14・側壁15・16の上下を塞ぐ天井壁17及び
底壁18と、で流体L1を密封するように構成されてい
る。そして、正面壁13が、ガーニッシュ本体9と共用
されている。さらに、背面壁14が、衝撃力Fの作用
時、剛性部材としてのインナパネル3に、背面壁14の
略全面が的確に当接するように、インナパネル3の形状
に沿って、車内側に凹んで形成されている。
【0022】このハウジング部12自体(流体L1を封
入していない状態)の衝撃力Fの作用時における初期変
形荷重値は、4〜6kNとして、各壁13・14・15
・16・17・18の形状を設計しておく。初期変形荷
重値が、4kN未満では、変形荷重値が低く、衝撃エネ
ルギーの吸収量が小さくなり、初期変形荷重値が、6k
Nを超えては、許容変形荷重値を超える虞れ生ずるから
である。
【0023】そして、前方側の側壁15には、ハウジン
グ部12に衝撃力Fが作用してハウジング部12内の圧
力が上昇した際に、流体L1を流出可能な排出孔21を
形成可能に、薄肉で破断し易い蓋部20が形成されてい
る。この蓋部20は、前側壁15の上下方向に延びるよ
うに、前側壁15の全域にわたって、形成されている。
そのため、図2・4の二点鎖線で示すように、蓋部20
が破断して排出孔21が開口した時には、排出孔21
は、スリット状に開口することとなる。
【0024】実施形態の場合、前側壁15を構成するポ
リプロピレンの引張強度は20MPaとしており、図4
に示すように、衝撃力Fの作用時に蓋部20が破断する
ように、蓋部20の肉厚t1を1mm、蓋部20以外の一
般部の肉厚t0を、2mmとしている。また、薄肉の蓋部
20を形成するための凹部19は、開口角度θ1を60
°、底部の曲率半径R1を0.5mmとしている。
【0025】なお、この曲率半径R1は、蓋部20に応
力集中が生じ易いように、ハウジング部12における各
壁13・14・15・16・17・18相互の連結部位
の内周側の曲率半径より、小さく設定されている。
【0026】また、蓋部20の肉厚t1に関して、流体
L1を封入するハウジング部12を形成する材料の引張
強度が高くなれば、肉厚t1を薄くし、引張強度が低く
なれば、肉厚t1を厚くすることとなる。しかし、肉厚
t1の誤差が生じても、円滑に、排出孔21が形成され
るように、薄くなり過ぎては好ましくなく、逆に、肉厚
t1を厚くすれば、それに伴って、一般部の肉厚t0も
厚くさせることとなって、ガーニッシュ8の重量を増大
させることから、好ましくなく、蓋部20の肉厚t1
は、0.6〜2.0mm程度の範囲とすることが望まし
い。
【0027】そしてまた、その肉厚t1に対応させて、
通常の衝撃力Fの作用時の破断応力(引張応力)を考慮
すれば、ハウジング部12を形成する材料は、引張強度
を10〜30MPaとする合成樹脂材料から選択するこ
とが望ましい。
【0028】そして、このガーニッシュ8の製造は、流
体L1をハウジング部12に封入可能な開口を背面壁1
4等に残した状態で、ハウジング部12と共にガーニッ
シュ本体9をブロー成形して形成し、ついで、ハウジン
グ部12に残した開口から、流体L1をハウジング部1
2内に充填し、充填後、残っている開口の周縁を熱融着
等させて、その残っていた開口を閉塞すれば、製造する
ことができる。
【0029】このように製造したガーニッシュ8は、図
示しない取付脚部をインナパネル3の取付孔に係止させ
るとともに、ブラケット部12をフロントピラー部FP
の下方のボディ1にボルト止めすれば、車両に取り付け
ることができて、衝撃吸収構造M1を形成することがで
きる。
【0030】そして、車両へのガーニッシュ8への取付
後、図2の二点鎖線で示すように、衝撃力Fがハウジン
グ部12の部位に作用すれば、正面壁13が車外側に移
動し、背面壁14がインナパネル3に当接支持されて移
動しない。そのため、ハウジング部12が塑性変形する
とともに、ハウジング部12の内圧が上昇し、蓋部20
が破断して排出孔21を開口させ、内部の流体L1が排
出孔21を経て流出して、ハウジング部12の塑性変形
と流体L1の排出孔21を通過する流動抵抗とを利用し
て、衝撃力Fの衝撃エネルギーを吸収することとなる。
【0031】この衝撃エネルギーの吸収量は、図5に示
すように、衝撃力Fが作用した際の変形荷重値と変形量
との関係を表わしたグラフ図の面積(斜線を付けた面
積)で示すことができ、このグラフ図において、衝撃作
用時の変形荷重値が許容範囲内の高い値を維持して、変
形量が増加する場合が、衝撃エネルギー吸収量に相当す
るグラフ図の面積を大きく確保できて、最も効果的に衝
撃エネルギーを吸収することができることとなる。
【0032】そのため、実施形態の衝撃吸収構造M1で
は、ハウジング部12の排出孔21の開口面積を予め設
定しておけば、変形量が増加しても、ハウジング部12
自体の変形荷重値の低下を流動抵抗で補うことができ
て、衝撃吸収構造M1全体の変形荷重値を、許容範囲内
の高い値で、減少・増加の変動を抑えて一定に維持する
ことが可能となり、効果的に衝撃エネルギーの吸収量を
増加させることができる。
【0033】なお、図5のグラフ図において、二点鎖線
で示す線図は、流体L1を封入していない状態でのハウ
ジング部12自体の、変形荷重値と変形量との関係を表
わしたものである。
【0034】また、実施形態のハウジング部12では、
排出孔21が、ハウジング部12の内圧上昇時に開口す
る蓋部20で覆われる構成であり、衝撃力作用時以外に
は、不用意に流体L1がハウジング部12から流出せ
ず、ガーニッシュ8の運搬・取付等の取り扱いが便利と
なり、さらに、流体L1の蒸発・変質等も防止できるた
め、長期間、自動車に取り付けておいても、衝撃吸収性
能等の品質を維持することができる。
【0035】第2実施形態の自動車用衝撃吸収構造M2
は、図1・6・7に示すように、自動車のルーフサイド
レール部RRに配設されているものであり、ルーフサイ
ドレール部RRは、ボディ1側の板金からなるインナパ
ネル25及びアウタパネル26を有したルーフサイドレ
ール本体24と、インナパネル25の車内側を覆う衝撃
吸収部材31と、衝撃吸収部材31の車内側を覆うカバ
ー部29と、を備えて構成されている。なお、ルーフサ
イドレール本体24における下方側の縁には、ドアガラ
スDGとのシール性を確保するウェザストリップ27が
組み付けられている。
【0036】カバー部29は、実施形態の場合、衝撃力
Fの作用時に凹み可能な柔軟性を有した軟質塩化ビニル
等からなる天井材29から構成されており、周縁をウェ
ザストリップ27に係止させている。
【0037】衝撃吸収部材31は、流動性を有した流体
(実施形態では、ゲル状のポリウレタン)L2を封入さ
せた下部側のハウジング部32と上部側の貯留部45と
の二室を備えて、ポリプロピレン等の合成樹脂からブロ
ー成形を利用して形成されている。衝撃吸収部材31の
前後には、ハウジング部32の後述する背面壁34をイ
ンナパネル25に当接可能に、インナパネル25にボル
ト止めするためのブラケット部43・43が形成されて
いる。
【0038】ハウジング部32は、車内側の正面壁33
と、車外側の背面壁34と、正面壁13と背面壁14と
を連結する前方側の側壁35及び後方側の側壁36と、
正面壁33・背面壁34・側壁35・36の上下を塞ぐ
天井壁37及び底壁38と、で流体L2を密封するよう
に構成されている。
【0039】このハウジング部32も、第1実施形態と
同様に、流体L2を封入していない状態でのハウジング
部32の衝撃力Fの作用時における初期変形荷重値を、
4〜6kNとするように、各壁33・34・35・36
・37・38の形状が設計されている。
【0040】そして、ハウジング部32の天井壁37に
は、ハウジング部32に衝撃力Fが作用してハウジング
部32内の圧力が上昇した際に、流体L2を流出可能な
排出孔41を形成可能に、薄肉で破断し易い蓋部40が
形成されている。この蓋部40は、天井壁37の前後方
向に延びるように、天井壁37の全域にわたって、形成
されている。そのため、第1実施形態と同様に、蓋部4
0が破断して排出孔41が開口した時には、排出孔41
は、スリット状に開口することとなる。
【0041】また、第2実施形態の場合も、第1実施形
態と同様に、ハウジング部32を構成するポリプロピレ
ンの引張強度を20MPaとしており、衝撃力Fの作用
時に蓋部40が破断するように、蓋部40の肉厚を1m
m、蓋部40以外の一般部の肉厚を2mmとしている。ま
た、薄肉の蓋部40を形成するための凹部39の形状
も、第1実施形態の凹部19と同様な形状としている。
【0042】貯留部45は、ハウジング部32の上部
で、ハウジング部32の正面壁33・背面壁34・側壁
35・36から連なって上部に延びる正面壁46・背面
壁47・側壁48・49を備えるとともに、各壁46・
47・48・49の上部を連結する天井壁50を備え、
さらに、ハウジング部32の天井壁37を底壁51とし
て共用するように構成されている。天井壁50には、貯
留部45への流体L2の流入時に、貯留部45の内圧を
上昇させないように、排気口52が形成されている。
【0043】この衝撃吸収部材31の製造は、流体L2
をハウジング部32に封入可能な開口を背面壁34等に
残した状態で、ハウジング部32と貯留部45とを一体
的にブロー成形して形成し、ついで、ハウジング部32
に残した開口から、流体L2をハウジング部32内に充
填し、充填後、残っている開口の周縁を熱融着等させ
て、その残っていた開口を閉塞すれば、製造することが
できる。
【0044】このように製造した衝撃吸収部材31は、
ブラケット部43・43をインナパネル25にボルト止
めすれば、車両に取り付けることができ、さらに、天井
材29・ウェザストリップ27等を組み付ければ、衝撃
吸収構造M2を形成することができる。
【0045】その後、図6の二点鎖線で示すように、カ
バー部(天井材)29を介在させて、衝撃力Fがハウジ
ング部32の部位に作用すれば、正面壁33が車外側に
移動し、背面壁34がインナパネル25に当接支持され
て移動しない。そのため、ハウジング部32が塑性変形
するとともに、ハウジング部32の内圧が上昇し、蓋部
40が破断して排出孔41を開口させ、内部の流体L2
が排出孔41を経て貯留部45へ流出して、ハウジング
部32の塑性変形と流体L2の排出孔41を通過する流
動抵抗とを利用して、衝撃力Fの衝撃エネルギーを吸収
することとなる。
【0046】そして、第2実施形態の衝撃吸収構造M2
でも、ハウジング部32の排出孔41の開口面積を予め
設定しておけば、変形量が増加しても、ハウジング部3
2自体の変形荷重値の低下を流動抵抗で補うことができ
て、衝撃吸収構造M2全体の変形荷重値を、許容範囲内
の高い値で、減少・増加の変動を抑えて一定に維持する
ことが可能となり、効果的に衝撃エネルギーの吸収量を
増加させることができる。
【0047】また、第2実施形態のハウジング部32で
は、排出孔41が、ハウジング部32の内圧上昇時に開
口する蓋部40で覆われる構成であり、衝撃力作用時以
外には、不用意に流体L2がハウジング部32から流出
せず、衝撃吸収部材31の運搬・取付等の取り扱いが便
利となり、さらに、流体L2の蒸発・変質等も防止でき
るため、長期間、自動車に取り付けておいても、衝撃吸
収性能等の品質を維持することができる。
【0048】さらに、第2実施形態では、ハウジング部
32の車内側に、衝撃力作用時に凹み可能なカバー部2
9が配設されている。そのため、流体L2を収容したハ
ウジング部32が、車内側に露出しないことから、カバ
ー部29による装飾効果を得ることができて、見栄えを
良好にすることができ、さらに、不用意なハウジング部
32への接触も避けることができる。
【0049】さらにまた、第2実施形態では、ハウジン
グ部32における排出孔41の流体L2の流出側に隣接
して、流出した流体L2を貯留可能な貯留部45が配設
されている。そのため、ハウジング部32から流出した
流体L2を貯留部45で貯留でき、流体L2で車内を汚
すことを防止することができる。
【0050】なお、第2実施形態では、ハウジング部3
2に貯留部45を隣接して設けた場合を示したが、図8
に示すように、ハウジング部32を単体でカバー部29
とインナパネル25との間に配置させるようにしても良
い。
【0051】また、流体L2を封入したハウジング部3
2と排出孔41から流出する流体L2を貯留する貯留部
45とを設ける場合、図9に示すように、ハウジング部
32と貯留部45とを複数ずつ配設した衝撃吸収部材6
1を使用しても良い。
【0052】ちなみに、ハウジング部32と貯留部45
とを設ける場合、実施形態の衝撃吸収部材31・61の
ように、一体的に形成すれば、取り扱いに便利となり、
さらに、ニーパネル部やドアトリム部等の他の部位に配
置する場合でも、取り付けに便利となる。
【0053】また、貯留部45をハウジング部32に隣
接して設ける場合、排出孔41と共に、貯留部45は、
排出孔41からの流体L2の流出を疎外しないよう
に、、ハウジング部32における衝撃力Fの作用方向と
略直交する方向に、配置することが望ましい。勿論、貯
留部45を設けない場合の排出孔21の配置位置も、排
出孔21からの流体L1の流出を疎外しないように、ハ
ウジング部12における衝撃力Fの作用方向と略直交す
る方向に、配置することが望ましい。
【0054】さらに、第1・2実施形態では、流体L1
・L2を流出する排出孔21・41を蓋部20・40で
塞いだ場合を示した。しかし、図10に示すように、流
体L1・L2の滴下が無いように、上方側に開口してい
れば、予め、開口した排出孔71をハウジング部62に
配設しておいても良い。
【0055】さらにまた、蓋部20・40を設ける場
合、第1・2実施形態では、排出孔21・41がスリッ
ト状に開口するように、連続する線状に凹部19・39
を設けて、蓋部20・40を形成した場合を示したが、
凹部19・39は断続的に設けても良く、さらに、ハウ
ジング部12・32の側壁15・天井壁37等の所定壁
に、凹部19・39を、連続的あるいは断続的に、閉塞
する四角等の多角形状や円形状に配置させ、その凹部1
9・39で囲まれた部位を蓋部として、ハウジング部1
2・32の内圧上昇時に、蓋部を開かせて、排出孔を開
口させるように構成しても良い。ちなみに、このように
蓋部を開かせる場合には、蓋部周囲の所定の縁をヒンジ
部位とするように、蓋部の周囲の一部を残して、凹部1
9・39を配設しても良い。
【0056】さらに、ハウジング部12・32・62に
収容する流体L1・L2としては、各実施形態に限定さ
れるものでなく、粉体やゲル状の液体のみならず、流動
性を有すれば、空気等の気体、あるいは、顆粒状の樹脂
粒・金属粒・セラミック粒等の固体を使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1・2実施形態の自動車用衝
撃吸収構造を、車内側から見た図である。
【図2】第1実施形態の断面図であり、図1のII−II部
位に対応する。
【図3】同実施形態に使用するフロントピラーガーニッ
シュの概略斜視図である。
【図4】同実施形態のハウジング部の排出孔付近を示す
拡大断面図である。
【図5】同実施形態の衝撃力作用時の変形荷重値と変形
量との関係を表わすグラフ図である。
【図6】第2実施形態の断面図であり、図1のVI−VI部
位に対応する。
【図7】同実施形態で使用する衝撃吸収部材を示す概略
斜視図である。
【図8】同実施形態の変形例を示す断面図である。
【図9】同実施形態の衝撃吸収部材の変形例を示す部分
断面図である。
【図10】他の実施形態におけるハウジング部を示す斜
視図である。
【符号の説明】
3・25…(剛性部材)インナパネル、 12・32・62…ハウジング部、 20・40…蓋部、 21・41・71…排出孔、 29…(カバー部)、 45…貯留部、 L1・L2…流体、 M1・M2…自動車用衝撃吸収構造。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 9/04 F16F 9/04 9/10 9/10 (72)発明者 細川 武司 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 永野 昭義 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 3D003 AA00 AA05 BB01 CA33 CA40 DA17 DA21 3J066 AA23 BA03 BB01 BC01 BD10 BF20 3J069 AA36 DD21 DD22 EE01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の車内に配設されて、衝撃力を吸
    収可能な自動車用衝撃吸収構造であって、 車外側を剛性部材に当接可能に配置される塑性変形可能
    なハウジング部と、該ハウジング部内に収容される流動
    性を有した流体と、を備えて構成され、 前記ハウジング部が、衝撃力作用時における内圧上昇時
    に、前記流体を流出可能な排出孔を備え、 前記ハウジング部の塑性変形と前記流体の前記排出孔を
    通過する流動抵抗とを利用して、衝撃エネルギーを吸収
    することを特徴とする自動車用衝撃吸収構造。
  2. 【請求項2】 前記排出孔が、前記ハウジング部の内圧
    上昇時に開口する蓋部で覆われていることを特徴とする
    請求項1に記載の自動車用衝撃吸収構造。
  3. 【請求項3】 前記ハウジング部の車内側に、衝撃力作
    用時に凹み可能なカバー部が、配設されていることを特
    徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の自動車用衝
    撃吸収構造。
  4. 【請求項4】 前記ハウジング部における前記排出孔の
    前記流体流出側に隣接して、流出した前記流体を貯留可
    能な貯留部が配設されていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のいずれかに記載の自動車用衝撃吸収構
    造。
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