JP2000272033A - パルプモールド成形体の製造方法 - Google Patents
パルプモールド成形体の製造方法Info
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- JP2000272033A JP2000272033A JP11083998A JP8399899A JP2000272033A JP 2000272033 A JP2000272033 A JP 2000272033A JP 11083998 A JP11083998 A JP 11083998A JP 8399899 A JP8399899 A JP 8399899A JP 2000272033 A JP2000272033 A JP 2000272033A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形体に割れや肉厚むら等を発生させずに所
望の形状の成形体を容易に製造し得るパルプモールド成
形体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 外部より内部に連通する連通路が形成さ
れ且つ拡縮可能な抄紙型1を、所定の大きさにした状態
下にパルプスラリー2中に浸漬し、抄紙型1の表面に含
水状態のパルプモールド成形体4を形成した後、抄紙型
1を縮小させることで成形体4を所定の大きさまで縮小
させ、次いで縮小した成形体4を一組の割型5から構成
される形状付与金型のキャビティ内に装填し、装填後に
所定手段により成形体4を拡張させて前記キャビティ内
面に押圧して脱水するパルプモールド成形体の製造方
法。
望の形状の成形体を容易に製造し得るパルプモールド成
形体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 外部より内部に連通する連通路が形成さ
れ且つ拡縮可能な抄紙型1を、所定の大きさにした状態
下にパルプスラリー2中に浸漬し、抄紙型1の表面に含
水状態のパルプモールド成形体4を形成した後、抄紙型
1を縮小させることで成形体4を所定の大きさまで縮小
させ、次いで縮小した成形体4を一組の割型5から構成
される形状付与金型のキャビティ内に装填し、装填後に
所定手段により成形体4を拡張させて前記キャビティ内
面に押圧して脱水するパルプモールド成形体の製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプモールド成
形体の製造方法に関する。
形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パルプ
モールド成形体の製造方法に関する従来の技術として、
例えば特開平7−223230号公報には、内型と外型
とからなる成形型の内型に、膨張時に目的成形物の内側
形状と略同一な外形形状を形成する可撓膜を被着してお
き、内型と外型間で成形材料を挟圧すると共に流体パイ
プから可撓膜と内型との間に流体圧を及ぼして可撓膜を
膨張させる成形方法が記載されている。しかし、この方
法では、可撓膜と内型との間の一カ所から流体が供給さ
れるので、膨張した可撓膜による成形材料の押圧により
成形体に均一な伸びを発生させることが難しく、その結
果、成形体に割れや肉厚むらが発生するおそれがある。
モールド成形体の製造方法に関する従来の技術として、
例えば特開平7−223230号公報には、内型と外型
とからなる成形型の内型に、膨張時に目的成形物の内側
形状と略同一な外形形状を形成する可撓膜を被着してお
き、内型と外型間で成形材料を挟圧すると共に流体パイ
プから可撓膜と内型との間に流体圧を及ぼして可撓膜を
膨張させる成形方法が記載されている。しかし、この方
法では、可撓膜と内型との間の一カ所から流体が供給さ
れるので、膨張した可撓膜による成形材料の押圧により
成形体に均一な伸びを発生させることが難しく、その結
果、成形体に割れや肉厚むらが発生するおそれがある。
【0003】従って、本発明は、成形体に割れや肉厚む
ら等を発生させずに所望の形状の成形体を容易に製造し
得るパルプモールド成形体の製造方法を提供することを
目的とする。
ら等を発生させずに所望の形状の成形体を容易に製造し
得るパルプモールド成形体の製造方法を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部より内部
に連通する連通路が形成され且つ拡縮可能な抄紙型を所
定の大きさにした状態下にパルプスラリー中に浸漬し、
前記抄紙型の表面に含水状態のパルプモールド成形体を
形成した後、前記抄紙型を縮小させることで前記成形体
を所定の大きさまで縮小させ、次いで縮小した前記成形
体を一組の割型から構成される金型のキャビティ内に装
填し、装填後に所定手段により前記成形体を拡張させて
前記キャビティ内面に押圧して脱水するパルプモールド
成形体の製造方法を提供することにより前記目的を達成
したものである。
に連通する連通路が形成され且つ拡縮可能な抄紙型を所
定の大きさにした状態下にパルプスラリー中に浸漬し、
前記抄紙型の表面に含水状態のパルプモールド成形体を
形成した後、前記抄紙型を縮小させることで前記成形体
を所定の大きさまで縮小させ、次いで縮小した前記成形
体を一組の割型から構成される金型のキャビティ内に装
填し、装填後に所定手段により前記成形体を拡張させて
前記キャビティ内面に押圧して脱水するパルプモールド
成形体の製造方法を提供することにより前記目的を達成
したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図
2には、本発明のパルプモールド製造方法の一実施形態
に用いられる抄紙型の分解斜視図及び縦断面図がそれぞ
れ示されている。尚、図2に示す縦断面図は、図1にお
けるx方向の縦断面を示すものである。また、図示して
いないが、図1におけるy方向(x方向と直交する方
法)の縦断面も図2と略同様の構造となっている。
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図
2には、本発明のパルプモールド製造方法の一実施形態
に用いられる抄紙型の分解斜視図及び縦断面図がそれぞ
れ示されている。尚、図2に示す縦断面図は、図1にお
けるx方向の縦断面を示すものである。また、図示して
いないが、図1におけるy方向(x方向と直交する方
法)の縦断面も図2と略同様の構造となっている。
【0006】抄紙型1は、略直方体状のコア10、コア
10を嵌挿する中子20、中子20に嵌挿されたコア1
0を収容するコア収容体30、コア収容体30の外面を
被覆する網目状部材40、コア10の取付板50及びフ
ランジ60を備えている。尚、図1においては取付板5
0及びフランジ60は省略されている。
10を嵌挿する中子20、中子20に嵌挿されたコア1
0を収容するコア収容体30、コア収容体30の外面を
被覆する網目状部材40、コア10の取付板50及びフ
ランジ60を備えている。尚、図1においては取付板5
0及びフランジ60は省略されている。
【0007】コア10は、上部支持部材10aと、該上
部支持部材10aの下面に連設された下部支持部材10
bと、下部支持部材10bの下面に連設され且つコア1
0の底面を構成する底板10cを備えている。下部支持
部材10bは直方体状をしており、その対向面にエアシ
リンダ11,11がそれぞれ配されている。上部支持部
材10a及び下部支持部材10bには、抄紙型1の外部
からエアシリンダ11,11に通ずるエア供給路10d
が形成されている。また上部支持部材10aには、抄紙
型1の外部からコア10内に所定の流体を供給する流体
供給路10eが形成されている。
部支持部材10aの下面に連設された下部支持部材10
bと、下部支持部材10bの下面に連設され且つコア1
0の底面を構成する底板10cを備えている。下部支持
部材10bは直方体状をしており、その対向面にエアシ
リンダ11,11がそれぞれ配されている。上部支持部
材10a及び下部支持部材10bには、抄紙型1の外部
からエアシリンダ11,11に通ずるエア供給路10d
が形成されている。また上部支持部材10aには、抄紙
型1の外部からコア10内に所定の流体を供給する流体
供給路10eが形成されている。
【0008】エアシリンダ11は、下部支持部材10b
の高さ方向略中央部に配されている。エアシリンダ11
をはさんだ上下の対称の位置には一対の案内穴12a,
12bが凹設されており、これらの案内穴12a,12
bには、案内棒13a,13bが嵌挿されている。案内
棒13a,13bの先端は、ネジ14によって拡縮板1
5にそれぞれ固定されている。
の高さ方向略中央部に配されている。エアシリンダ11
をはさんだ上下の対称の位置には一対の案内穴12a,
12bが凹設されており、これらの案内穴12a,12
bには、案内棒13a,13bが嵌挿されている。案内
棒13a,13bの先端は、ネジ14によって拡縮板1
5にそれぞれ固定されている。
【0009】拡縮板15は、コア10の側面を構成する
部材であり、4つの部材から構成されている。図1には
これら4つの部材のうちの3つが表されている。各拡縮
板15は、図1に示すようにコア10の側面のうちの互
いに直交するx方向及びy方向の各面の半面ずつから構
成されている。各拡縮板15は、櫛歯状の継目部15a
によって隣接する拡縮板と係合している。そして、各拡
縮板15は、案内穴12a,12bに嵌挿された案内棒
13a,13bに案内されて、エアシリンダ11によっ
て、x方向及びy方向に進退自在となされている。その
結果、コア10は、その平面視において、その形状が相
似形的に拡縮可能になっている。
部材であり、4つの部材から構成されている。図1には
これら4つの部材のうちの3つが表されている。各拡縮
板15は、図1に示すようにコア10の側面のうちの互
いに直交するx方向及びy方向の各面の半面ずつから構
成されている。各拡縮板15は、櫛歯状の継目部15a
によって隣接する拡縮板と係合している。そして、各拡
縮板15は、案内穴12a,12bに嵌挿された案内棒
13a,13bに案内されて、エアシリンダ11によっ
て、x方向及びy方向に進退自在となされている。その
結果、コア10は、その平面視において、その形状が相
似形的に拡縮可能になっている。
【0010】中子20は、コア10の外形とほぼ同じ形
状の空間21を有し且つ上部に開口部22を有する中空
状の部材であり、該開口部21より該空間21内にコア
10が嵌挿される。コア10の嵌挿状態においては、中
子20は、図2に示すようにコア10のすべての側面及
び下面並びに上面の周縁部を被覆し、これにより中子2
0内が気密状態に保たれる。また、抄紙型1が組み立て
られた状態においては、図2に示すように、中子20の
上面とコア10の上面とは同一平面上に位置するように
なされている。中子20は、コア10の拡縮に従い拡縮
変形可能な材料から形成されている。斯かる材料として
は、引張強度、反発弾性及び伸縮性等に優れたウレタ
ン、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム又はエラストマー
等が好ましく用いられる。
状の空間21を有し且つ上部に開口部22を有する中空
状の部材であり、該開口部21より該空間21内にコア
10が嵌挿される。コア10の嵌挿状態においては、中
子20は、図2に示すようにコア10のすべての側面及
び下面並びに上面の周縁部を被覆し、これにより中子2
0内が気密状態に保たれる。また、抄紙型1が組み立て
られた状態においては、図2に示すように、中子20の
上面とコア10の上面とは同一平面上に位置するように
なされている。中子20は、コア10の拡縮に従い拡縮
変形可能な材料から形成されている。斯かる材料として
は、引張強度、反発弾性及び伸縮性等に優れたウレタ
ン、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム又はエラストマー
等が好ましく用いられる。
【0011】コア収容体30は、中子20に嵌挿された
コア10を収容する収容部31を有する略直方体状の中
空部材であり、その上部が開口している。中子20に嵌
挿されたコア10は、コア収容体30の上部から収容部
31内に収容される。コア収容体30の上縁部は、該上
縁部から外方に水平に延出する延出部32によって囲繞
されている。この延出部32は、取付板50とフランジ
60とによって挟持されるようになされている。収容部
31の深さは、中子20に嵌挿されたコア10が収容部
31に収容された状態で、図2に示すように、延出部3
2の上面と、中子20の上面及びコア10の上面とが同
一平面上に位置するような深さとされている。コア収容
体30の外面をなす各外側面及び底面は、網目状の凹凸
模様又は平坦な面を有している。
コア10を収容する収容部31を有する略直方体状の中
空部材であり、その上部が開口している。中子20に嵌
挿されたコア10は、コア収容体30の上部から収容部
31内に収容される。コア収容体30の上縁部は、該上
縁部から外方に水平に延出する延出部32によって囲繞
されている。この延出部32は、取付板50とフランジ
60とによって挟持されるようになされている。収容部
31の深さは、中子20に嵌挿されたコア10が収容部
31に収容された状態で、図2に示すように、延出部3
2の上面と、中子20の上面及びコア10の上面とが同
一平面上に位置するような深さとされている。コア収容
体30の外面をなす各外側面及び底面は、網目状の凹凸
模様又は平坦な面を有している。
【0012】収容部31の内側面は、該収容部31の高
さ方向に亘るV字状の溝が多数形成されるような鋸歯状
の形状となっている。収容部31の底面も同様にV字状
の溝が多数形成されるような鋸歯状の形状となっている
(図示せず)。また、コア収容体30は、その外側面及
び外底面から収容部31へ貫通する複数の貫通孔33を
有している。各貫通孔33は、コア収容体30の外面に
おける網目状の凹凸模様の網目の交点と、収容部31の
内面におけるV字状の溝の谷(底)部との間を貫通する
ように穿設されている。またコア収容体30の外面が平
坦な面である場合には、収容部31の内面におけるV字
状の溝の谷(底)部を貫通するように穿設されている。
その結果、中子20に嵌挿されたコア10が収容部31
に収容されると、収容部31の内面と中子20の外面と
の間にV字状の溝からなる多数の空間34が形成され、
更に該空間34と上述した貫通孔33とが連通した連通
路が形成される。貫通孔の直径は、一般に0.2〜6m
m、特に1〜4mm程度であることが均等な吸引が行え
ること及び穿設加工が容易であることから好ましい。ま
た貫通孔33は、コア収容体の外面において1cm2 当
たり1〜10個、特に1〜3個形成されていることが好
ましい。
さ方向に亘るV字状の溝が多数形成されるような鋸歯状
の形状となっている。収容部31の底面も同様にV字状
の溝が多数形成されるような鋸歯状の形状となっている
(図示せず)。また、コア収容体30は、その外側面及
び外底面から収容部31へ貫通する複数の貫通孔33を
有している。各貫通孔33は、コア収容体30の外面に
おける網目状の凹凸模様の網目の交点と、収容部31の
内面におけるV字状の溝の谷(底)部との間を貫通する
ように穿設されている。またコア収容体30の外面が平
坦な面である場合には、収容部31の内面におけるV字
状の溝の谷(底)部を貫通するように穿設されている。
その結果、中子20に嵌挿されたコア10が収容部31
に収容されると、収容部31の内面と中子20の外面と
の間にV字状の溝からなる多数の空間34が形成され、
更に該空間34と上述した貫通孔33とが連通した連通
路が形成される。貫通孔の直径は、一般に0.2〜6m
m、特に1〜4mm程度であることが均等な吸引が行え
ること及び穿設加工が容易であることから好ましい。ま
た貫通孔33は、コア収容体の外面において1cm2 当
たり1〜10個、特に1〜3個形成されていることが好
ましい。
【0013】コア収容体30は、コア10及び中子20
の拡縮に伴って拡縮変形可能な材料から形成されてい
る。そのような材料の例としては、可撓性ラバー、ウレ
タンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
の拡縮に伴って拡縮変形可能な材料から形成されてい
る。そのような材料の例としては、可撓性ラバー、ウレ
タンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0014】網目状部材40は、コア収容体30の外面
をなす各側面及び底面を、その表面形状に沿って密着被
覆するようになされている。尚、上述の通りコア収容体
30の外面は網目状の凹凸模様となっていることから、
網目状部材40が該外面を密着被覆した状態下において
も、網目状部材40と該外面との間には所定の空間が存
在している。またコア収容体30の外面が平坦な面であ
っても、網目状部材40が網目状であるため所定の空間
を形成することが可能である。網目状部材40は伸縮可
能な材料から形成されている。そのような材料には植物
繊維および動物繊維のような天然素材、再生樹脂、半合
成樹脂、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のような合成
樹脂、又は金属等がある。網目状部材40は単層および
複層の何れから構成されていもよい。網目状部材40が
単層から構成されている場合、網目状部材40として、
網目状部材40をコア収容体30の外面に密着被覆させ
た状態での平均開孔面積率が10〜80%、特に20〜
40%となるようなものを用いることが吸水性、通気性
及び強度の点から好ましい。
をなす各側面及び底面を、その表面形状に沿って密着被
覆するようになされている。尚、上述の通りコア収容体
30の外面は網目状の凹凸模様となっていることから、
網目状部材40が該外面を密着被覆した状態下において
も、網目状部材40と該外面との間には所定の空間が存
在している。またコア収容体30の外面が平坦な面であ
っても、網目状部材40が網目状であるため所定の空間
を形成することが可能である。網目状部材40は伸縮可
能な材料から形成されている。そのような材料には植物
繊維および動物繊維のような天然素材、再生樹脂、半合
成樹脂、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のような合成
樹脂、又は金属等がある。網目状部材40は単層および
複層の何れから構成されていもよい。網目状部材40が
単層から構成されている場合、網目状部材40として、
網目状部材40をコア収容体30の外面に密着被覆させ
た状態での平均開孔面積率が10〜80%、特に20〜
40%となるようなものを用いることが吸水性、通気性
及び強度の点から好ましい。
【0015】一方、網目状部材40が複層から構成され
ている場合には、網目状部材40を第1ネット層と該第
1ネット層より目の細かい第2ネット層とにより構成
し、第1ネット層をコア収容体30の外面に密着させて
被せると共に、第2ネット層を第1ネット層の上に被せ
ることが好ましい。或いは、第1ネット層をコア収容体
30の外面に密着させて被せると共に第2ネット層を第
1ネット層の上に一体形成させることが好ましい。網目
状部材40を複層から構成することにより、コア収容体
30に穿設される貫通孔の数を減らすことができ且つパ
ルプモールド成形体を均一な厚みで網目状部材40上に
形成させることができる。この場合、第1ネット層は、
これをコア収容体30の外面に密着被覆させた状態での
平均開孔面積率が10〜99%、特に40〜60%とな
るようなものであることが好ましく、また第2ネット層
に関しては前記平均開孔面積率が10〜80%、特に2
0〜40%となるようなものであることが好ましい。
ている場合には、網目状部材40を第1ネット層と該第
1ネット層より目の細かい第2ネット層とにより構成
し、第1ネット層をコア収容体30の外面に密着させて
被せると共に、第2ネット層を第1ネット層の上に被せ
ることが好ましい。或いは、第1ネット層をコア収容体
30の外面に密着させて被せると共に第2ネット層を第
1ネット層の上に一体形成させることが好ましい。網目
状部材40を複層から構成することにより、コア収容体
30に穿設される貫通孔の数を減らすことができ且つパ
ルプモールド成形体を均一な厚みで網目状部材40上に
形成させることができる。この場合、第1ネット層は、
これをコア収容体30の外面に密着被覆させた状態での
平均開孔面積率が10〜99%、特に40〜60%とな
るようなものであることが好ましく、また第2ネット層
に関しては前記平均開孔面積率が10〜80%、特に2
0〜40%となるようなものであることが好ましい。
【0016】取付板50は、平面視して矩形状をしてお
り、コア収容体30における延出部34の外形よりも大
きな形状となっている。フランジ60は、平面視して取
付板と同じ外形をしている。抄紙型1が組み立てられた
状態においては、図2に示すように、フランジ60の貫
通孔61に下側からネジ62が通され、該ネジ62が取
付板50にネジ止されることで、コア収容体30におけ
る延出部32が取付板50とフランジ60とによって挟
持固定される。
り、コア収容体30における延出部34の外形よりも大
きな形状となっている。フランジ60は、平面視して取
付板と同じ外形をしている。抄紙型1が組み立てられた
状態においては、図2に示すように、フランジ60の貫
通孔61に下側からネジ62が通され、該ネジ62が取
付板50にネジ止されることで、コア収容体30におけ
る延出部32が取付板50とフランジ60とによって挟
持固定される。
【0017】取付板50の中心部近傍には縦穴51及び
これに連通し且つ取付板50を水平方向に貫通する横孔
52が穿設されている。この縦穴51は、コア10にお
けるエア供給路10dに連通する位置に設けられてお
り、抄紙型1が組み立てられた状態においては、図2に
示すように横孔52、縦穴51及びエア供給路10dが
連通して、抄紙型1の外部からエアシリンダ11に通ず
る連通路が形成される。そして、この連通路内にエアを
供給することでエアシリンダ11が動作する。
これに連通し且つ取付板50を水平方向に貫通する横孔
52が穿設されている。この縦穴51は、コア10にお
けるエア供給路10dに連通する位置に設けられてお
り、抄紙型1が組み立てられた状態においては、図2に
示すように横孔52、縦穴51及びエア供給路10dが
連通して、抄紙型1の外部からエアシリンダ11に通ず
る連通路が形成される。そして、この連通路内にエアを
供給することでエアシリンダ11が動作する。
【0018】更に、取付板50には、第2の縦穴53及
びこれに連通する水平方向に延びた横穴54が穿設され
ている。第2の縦穴53は、コア10における流体供給
路10eに連通する位置に設けられており、抄紙型1が
組み立てられた状態においては、図2に示すように横穴
54、第2の縦穴53及び流体供給路10eが連通し
て、抄紙型1の外部からコア10の内部に通ずる連通路
が形成される。そして、この連通路内に所定の加圧流体
を供給することで、コア10が嵌挿された中子20が膨
張・収縮する。
びこれに連通する水平方向に延びた横穴54が穿設され
ている。第2の縦穴53は、コア10における流体供給
路10eに連通する位置に設けられており、抄紙型1が
組み立てられた状態においては、図2に示すように横穴
54、第2の縦穴53及び流体供給路10eが連通し
て、抄紙型1の外部からコア10の内部に通ずる連通路
が形成される。そして、この連通路内に所定の加圧流体
を供給することで、コア10が嵌挿された中子20が膨
張・収縮する。
【0019】図2に示すように、取付板50の下面側に
は4カ所に長穴状のマニホールド55が凹設されている
(図2においては2ケ所が示されている)。各マニホー
ルド55は、抄紙型1が組み立てられた状態において、
中子20に嵌挿されたコア10が収容部31に収容され
て形成されるV字状の溝からなる空間34(図2参照)
に対応する位置にそれぞれ設けられている。各マニホー
ルド55は、取付板50の側面において開口しており、
所定の吸引手段(図示せず)に接続される。
は4カ所に長穴状のマニホールド55が凹設されている
(図2においては2ケ所が示されている)。各マニホー
ルド55は、抄紙型1が組み立てられた状態において、
中子20に嵌挿されたコア10が収容部31に収容され
て形成されるV字状の溝からなる空間34(図2参照)
に対応する位置にそれぞれ設けられている。各マニホー
ルド55は、取付板50の側面において開口しており、
所定の吸引手段(図示せず)に接続される。
【0020】抄紙型1が上述の構成を有することによ
り、該抄紙型1が組み立てられた状態においては、マニ
ホールド55、V字状の溝からなる空間34及び貫通孔
33がこの順で連通し、該抄紙型1には外部より内部に
連通する吸引脱水連通路が成されることになる。
り、該抄紙型1が組み立てられた状態においては、マニ
ホールド55、V字状の溝からなる空間34及び貫通孔
33がこの順で連通し、該抄紙型1には外部より内部に
連通する吸引脱水連通路が成されることになる。
【0021】このようにして構成される抄紙型1の外形
は、後述する形状付与金型のキャビティの形状と相補形
状をなしている。
は、後述する形状付与金型のキャビティの形状と相補形
状をなしている。
【0022】次に、前記の抄紙型1を用いた本実施形態
のパルプモールド中空成形体の製造方法を説明する。図
4には本発明のパルプモールド中空成形体の製造方法に
おける工程が順次示されており、具体的には(a)は抄
紙工程、(b)は抄紙型の引き上げ工程、(c)は抄紙
型の縮小工程、(d)は抄紙型の形状付与金型への装填
工程、(e)は抄紙型の拡張工程、(f)は抄紙型の縮
小工程、(g)は抄紙型の取出工程、(h)は形状付与
金型を開く工程である。
のパルプモールド中空成形体の製造方法を説明する。図
4には本発明のパルプモールド中空成形体の製造方法に
おける工程が順次示されており、具体的には(a)は抄
紙工程、(b)は抄紙型の引き上げ工程、(c)は抄紙
型の縮小工程、(d)は抄紙型の形状付与金型への装填
工程、(e)は抄紙型の拡張工程、(f)は抄紙型の縮
小工程、(g)は抄紙型の取出工程、(h)は形状付与
金型を開く工程である。
【0023】先ず図3(a)に示すように、抄紙型1を
パルプスラリー2が満たされた容器3内に浸漬させる。
浸漬に際しては、抄紙型1の外形を、後述する形状付与
金型のキャビティの形状と同形とするか又はそれよりも
大きくしておく。本実施形態においては、キャビティの
形状は成形すべき成形体の外形と相補形状をなすことか
ら、抄紙型1の外形を、該成形体のの外形と同形とする
か又はそれよりも大きくしておく。抄紙型1の外形を、
成形すべき成形体の外形よりも大きくする場合には、浸
漬時の抄紙型1の表面積を、成形すべき成形体の表面積
の1.01〜1.4倍、特に1.01〜1.1倍として
おくことが、割れや肉厚むらを発生させずに成形体を成
形し得る点から好ましい。
パルプスラリー2が満たされた容器3内に浸漬させる。
浸漬に際しては、抄紙型1の外形を、後述する形状付与
金型のキャビティの形状と同形とするか又はそれよりも
大きくしておく。本実施形態においては、キャビティの
形状は成形すべき成形体の外形と相補形状をなすことか
ら、抄紙型1の外形を、該成形体のの外形と同形とする
か又はそれよりも大きくしておく。抄紙型1の外形を、
成形すべき成形体の外形よりも大きくする場合には、浸
漬時の抄紙型1の表面積を、成形すべき成形体の表面積
の1.01〜1.4倍、特に1.01〜1.1倍として
おくことが、割れや肉厚むらを発生させずに成形体を成
形し得る点から好ましい。
【0024】抄紙型1をパルプスラリー2中に浸漬した
状態下に、ポンプ等の吸引手段(図示せず)により、抄
紙型1をその外部から内部へ向けて吸引する。吸収は上
述した吸引脱水連通路を通じて行われる。即ち、吸引脱
水連通路を通じてパルプスラリー2中の水分が吸引され
て、抄紙型1の表面、即ち網目状部材40の表面に、パ
ルプの繊維が堆積されてなる含水状態のパルプモールド
成形体4が形成される。上述の通り、コア収容体30の
外面と網目状部材40との間には所定の空間が存在して
いるので、パルプ繊維の堆積は円滑に行われ均一な厚み
の成形体4が形成される。更に、網目状部材40が上述
した第1ネット層及び第2ネット層の複層構造から構成
されている場合には一層均一な成形体4が形成される。
この理由は、パルプ繊維が網目状部材40に絡まって局
所的に吸引が不均一になること等が一層効果的に防止さ
れるからである。尚、コア収容体30は、コア10の拡
縮に伴って変形可能な材料から構成されていることは上
述の通りであるが、これに加えてコア収容体30は、前
記吸引によって変形しない程度の剛性を有していること
が好ましい。
状態下に、ポンプ等の吸引手段(図示せず)により、抄
紙型1をその外部から内部へ向けて吸引する。吸収は上
述した吸引脱水連通路を通じて行われる。即ち、吸引脱
水連通路を通じてパルプスラリー2中の水分が吸引され
て、抄紙型1の表面、即ち網目状部材40の表面に、パ
ルプの繊維が堆積されてなる含水状態のパルプモールド
成形体4が形成される。上述の通り、コア収容体30の
外面と網目状部材40との間には所定の空間が存在して
いるので、パルプ繊維の堆積は円滑に行われ均一な厚み
の成形体4が形成される。更に、網目状部材40が上述
した第1ネット層及び第2ネット層の複層構造から構成
されている場合には一層均一な成形体4が形成される。
この理由は、パルプ繊維が網目状部材40に絡まって局
所的に吸引が不均一になること等が一層効果的に防止さ
れるからである。尚、コア収容体30は、コア10の拡
縮に伴って変形可能な材料から構成されていることは上
述の通りであるが、これに加えてコア収容体30は、前
記吸引によって変形しない程度の剛性を有していること
が好ましい。
【0025】パルプスラリー2は、パルプ繊維と水とか
らなるものでもよく、或いはこれらに加えてタルクやカ
オリナイト等の無機物、ガラス繊維やカーボン繊維等の
無機繊維、ポリオレフィン等の合成樹脂の粉末又は繊
維、非木材又は植物質繊維、多糖類等の成分を含有して
いてもよい。これらの成分の配合量は、前記パルプ繊維
及び該成分の合計量に対して1〜70重量%、特に5〜
50重量%であることが好ましい。パルプ繊維は、針葉
樹または広葉樹等の木材パルプや竹、わら等の非木材パ
ルプであるのが好ましい。また、パルプ繊維の長さと太
さは、それぞれ0.1mm以上10mm以下、0.01
mm以上0.05mm以下であるのが好ましい。
らなるものでもよく、或いはこれらに加えてタルクやカ
オリナイト等の無機物、ガラス繊維やカーボン繊維等の
無機繊維、ポリオレフィン等の合成樹脂の粉末又は繊
維、非木材又は植物質繊維、多糖類等の成分を含有して
いてもよい。これらの成分の配合量は、前記パルプ繊維
及び該成分の合計量に対して1〜70重量%、特に5〜
50重量%であることが好ましい。パルプ繊維は、針葉
樹または広葉樹等の木材パルプや竹、わら等の非木材パ
ルプであるのが好ましい。また、パルプ繊維の長さと太
さは、それぞれ0.1mm以上10mm以下、0.01
mm以上0.05mm以下であるのが好ましい。
【0026】所定の厚みの成形体4が形成されたら、図
3(b)に示すように抄紙型1をパルプスラリー2中か
ら引き上げ、吸引を停止する。次いで、抄紙型1におけ
るコア10内のエアシリンダ11を作動させて、拡縮板
15をコア10の中心方向に引き寄せ、コア10を収縮
させる。これに伴い中子20、コア収容体30及び網目
状部材40も縮小する。その結果、図3(c)に示すよ
うに、網目状部材40の表面に形成された含水状態の成
形体4も縮小する。縮小した成形体4の表面にはしわが
形成されることがある。この場合、縮小後の成形体4の
大きさを、後述する形状付与金型5のキャビティの形状
よりも小さくする。成形体4の縮小の程度は、縮小前の
成形体4の表面積に対する縮小後の成形体4の表面積
(後者/前者)が1/1.01〜1/1.4倍、特に1
/1.01〜1/1.1倍であることが、パルプ繊維の
剥落や成形体4に大きなしわが発生することを防止し得
る点から好ましい。
3(b)に示すように抄紙型1をパルプスラリー2中か
ら引き上げ、吸引を停止する。次いで、抄紙型1におけ
るコア10内のエアシリンダ11を作動させて、拡縮板
15をコア10の中心方向に引き寄せ、コア10を収縮
させる。これに伴い中子20、コア収容体30及び網目
状部材40も縮小する。その結果、図3(c)に示すよ
うに、網目状部材40の表面に形成された含水状態の成
形体4も縮小する。縮小した成形体4の表面にはしわが
形成されることがある。この場合、縮小後の成形体4の
大きさを、後述する形状付与金型5のキャビティの形状
よりも小さくする。成形体4の縮小の程度は、縮小前の
成形体4の表面積に対する縮小後の成形体4の表面積
(後者/前者)が1/1.01〜1/1.4倍、特に1
/1.01〜1/1.1倍であることが、パルプ繊維の
剥落や成形体4に大きなしわが発生することを防止し得
る点から好ましい。
【0027】次いで図3(d)に示すように、縮小した
成形体4を抄紙型1と共に一組の割型5,5から構成さ
れる形状付与金型のキャビティ内に装填する。本実施形
態に用いられる金型は2つの割型から構成される。しか
し、割型の数は成形すべき成形体の形状に応じて3つ以
上の割型から構成されていてもよい。装填された成形体
4は、キャビティ内において加圧脱水、形状付与、加熱
乾燥される。詳細には、先ず図3(d)に示すように、
互いに突き合わせることにより成形すべき成形体の外形
と相補形状をなすキャビティが形成される一対の割型
5,5により、表面に成形体4が形成された状態の抄紙
型1を両側から挟み込む。上述の通り成形体4の大きさ
は、キャビティの形状よりも小さくなされているので、
割型5,5に挟み込まれた時点では、該挟み込みによる
成形体4の変形は生じない。各割型5,5は予め所定の
温度に加熱されている。
成形体4を抄紙型1と共に一組の割型5,5から構成さ
れる形状付与金型のキャビティ内に装填する。本実施形
態に用いられる金型は2つの割型から構成される。しか
し、割型の数は成形すべき成形体の形状に応じて3つ以
上の割型から構成されていてもよい。装填された成形体
4は、キャビティ内において加圧脱水、形状付与、加熱
乾燥される。詳細には、先ず図3(d)に示すように、
互いに突き合わせることにより成形すべき成形体の外形
と相補形状をなすキャビティが形成される一対の割型
5,5により、表面に成形体4が形成された状態の抄紙
型1を両側から挟み込む。上述の通り成形体4の大きさ
は、キャビティの形状よりも小さくなされているので、
割型5,5に挟み込まれた時点では、該挟み込みによる
成形体4の変形は生じない。各割型5,5は予め所定の
温度に加熱されている。
【0028】次いで、抄紙型1におけるコア10内のエ
アシリンダ11を作動させて、拡縮板15を外方に押し
出し、コア10を拡張させる。これに伴い中子20、コ
ア収容体30及び網目状部材40も拡張変形する。その
結果、図3(e)に示すように、縮小状態にあった成形
体4が拡張変形して、キャビティの内面に押し付けられ
る。更に、抄紙型1の外部から所定の加圧流体をコア1
0内に供給し、コア10を嵌挿する中子20を膨張させ
る。この膨張によってもコア収容体30及び網目状部材
40が拡張変形し、キャビティ隅々の部分にまで成形体
4が押しつけられる。その結果、成形体4に前記キャビ
ティの内面形状が極めて良好に転写される。このよう
に、抄紙型1を所定の大きさにした状態で抄紙を行い成
形体4を形成し、該成形体4を一旦縮小させた後に再び
拡張して加圧脱水、形状付与、加熱乾燥するので、成形
体に割れや肉厚むら等が発生することが効果的に防止さ
れる。しかも、コア10の機械的な拡張及び中子20の
加圧流体による膨張を組み合わせた押圧を行うので、キ
ャビティの内面の形状が複雑であっても、押しむらも無
く精度良く該キャビティの内面の形状が成形体4に転写
されることになる。更に得られる成形体4の表面が極め
て平滑になる。本明細書において「平滑」とは、得られ
る成形体の外面又は内面の表面凹凸形状についての中心
線平均粗さ(Ra)が50μm以下で、且つ最大高さ
(Ry)が500μm以下であることをいう。
アシリンダ11を作動させて、拡縮板15を外方に押し
出し、コア10を拡張させる。これに伴い中子20、コ
ア収容体30及び網目状部材40も拡張変形する。その
結果、図3(e)に示すように、縮小状態にあった成形
体4が拡張変形して、キャビティの内面に押し付けられ
る。更に、抄紙型1の外部から所定の加圧流体をコア1
0内に供給し、コア10を嵌挿する中子20を膨張させ
る。この膨張によってもコア収容体30及び網目状部材
40が拡張変形し、キャビティ隅々の部分にまで成形体
4が押しつけられる。その結果、成形体4に前記キャビ
ティの内面形状が極めて良好に転写される。このよう
に、抄紙型1を所定の大きさにした状態で抄紙を行い成
形体4を形成し、該成形体4を一旦縮小させた後に再び
拡張して加圧脱水、形状付与、加熱乾燥するので、成形
体に割れや肉厚むら等が発生することが効果的に防止さ
れる。しかも、コア10の機械的な拡張及び中子20の
加圧流体による膨張を組み合わせた押圧を行うので、キ
ャビティの内面の形状が複雑であっても、押しむらも無
く精度良く該キャビティの内面の形状が成形体4に転写
されることになる。更に得られる成形体4の表面が極め
て平滑になる。本明細書において「平滑」とは、得られ
る成形体の外面又は内面の表面凹凸形状についての中心
線平均粗さ(Ra)が50μm以下で、且つ最大高さ
(Ry)が500μm以下であることをいう。
【0029】中子20を膨張させるために用いられる流
体としては、例えば圧縮空気(加熱空気)、油(加熱
油)、その他各種の液が使用される。また、流体を供給
する圧力は、流体の種類にもよるが、一般に0.1〜
2.0MPa、特に1.0〜1.5MPaであることが
好ましい。また、前記流体は所定温度に加熱されている
ことが、成形体4の乾燥時間の短縮化の点から好まし
い。
体としては、例えば圧縮空気(加熱空気)、油(加熱
油)、その他各種の液が使用される。また、流体を供給
する圧力は、流体の種類にもよるが、一般に0.1〜
2.0MPa、特に1.0〜1.5MPaであることが
好ましい。また、前記流体は所定温度に加熱されている
ことが、成形体4の乾燥時間の短縮化の点から好まし
い。
【0030】成形体4をキャビティの内面に押圧した状
態下に加熱乾燥する。このとき、蒸発した水分を、吸引
脱水連通路を通じて外部に排気できるので、得られる成
形体4の外面に汚れが付着することが効果的に抑えられ
る。その結果、成形体4の表面の仕上がりも良好とな
る。成形体4が十分に乾燥したら、図3(f)に示すよ
うに、抄紙型1におけるコア10内のエアシリンダ11
を作動させて、拡縮板15をコア10の中心方向に引き
寄せ、コア10を再び縮小させる。更に中子20内の加
圧流体を抜く。その結果、中子20、コア収容体30及
び網目状部材40も縮小する。しかし、成形体4は、前
記加熱乾燥によって保形性が付与されるので縮小せず、
縮小した網目状部材40の表面から剥がれてキャビティ
の内面に密着したままの状態を保つ。この状態下に図3
(g)に示すように、縮小した抄紙型1を成形体4の内
部から取り出す。この場合、網目状部材40が上述した
第1ネット層及び第2ネット層の複層構造から構成され
ている場合には、パルプ繊維が網目状部材40に絡まる
ことが効果的に防止されるので、上述の剥がれが極めて
良好に行われる。最後に図3(h)に示すように割型
5,5を開き、乾燥した成形体4を取り出す。
態下に加熱乾燥する。このとき、蒸発した水分を、吸引
脱水連通路を通じて外部に排気できるので、得られる成
形体4の外面に汚れが付着することが効果的に抑えられ
る。その結果、成形体4の表面の仕上がりも良好とな
る。成形体4が十分に乾燥したら、図3(f)に示すよ
うに、抄紙型1におけるコア10内のエアシリンダ11
を作動させて、拡縮板15をコア10の中心方向に引き
寄せ、コア10を再び縮小させる。更に中子20内の加
圧流体を抜く。その結果、中子20、コア収容体30及
び網目状部材40も縮小する。しかし、成形体4は、前
記加熱乾燥によって保形性が付与されるので縮小せず、
縮小した網目状部材40の表面から剥がれてキャビティ
の内面に密着したままの状態を保つ。この状態下に図3
(g)に示すように、縮小した抄紙型1を成形体4の内
部から取り出す。この場合、網目状部材40が上述した
第1ネット層及び第2ネット層の複層構造から構成され
ている場合には、パルプ繊維が網目状部材40に絡まる
ことが効果的に防止されるので、上述の剥がれが極めて
良好に行われる。最後に図3(h)に示すように割型
5,5を開き、乾燥した成形体4を取り出す。
【0031】本発明は上記実施形態に制限されず、例え
ば図3(d)において、縮小した成形体4のキャビティ
内への装填は、成形体4のみとし、抄紙型1は成形体4
から引き抜いてもよい。この場合、形状付与金型のキャ
ビティ内での成形体の拡張は、成形体内に加圧流体を直
接供給して行うか、又は別途用意した中空状をなす中子
を成形体内に挿入し、該中子内に加圧流体を供給して間
接に行えばよい。また、図3(d)において、形状付与
金型を用いずに、所定形状のキャビティを有する加圧脱
水金型を用い、該加圧脱水金型において図3(d)〜
(h)の操作と同様の操作で成形体4の加圧脱水のみを
行い、次いで該加圧脱水金型を開いて加圧脱水された成
形体を取り出し、この成形体を所定温度に加熱された形
状付与金型内に装填して、該成形体に形状付与及び加熱
乾燥を施してもよい。この形状付与及び加熱乾燥は、成
形体内に加圧流体を直接供給して行うか、又は別途用意
した中空状をなす中子を成形体内に挿入し、該中子内に
加圧流体を供給して間接に行えばよい。前記加圧脱水金
型のキャビティ形状は、成形すべき成形体の形状と相補
形状のものでもよく、或いはそれ以外の形状のものでも
よい。また、図3(c)において、成形体4の縮小に際
しては、パルプ繊維の剥落防止のために、補助板等を用
いて成形体4の外面を押さえた状態で成形体4を縮小さ
せてもよい。また、図3(h)において、成形体4を取
り出した後、該成形体4の外面及び/又は内面にプラス
チック層や塗工層等を設ける等の後加工を施し、成形体
4の強度を一層高めたり、内容物の漏れ出し等を効果的
に防止したり、或いは加飾を施してもよい。また、本発
明の製造方法は、内容物の収容に用いられる中空容器の
製造の他、置物等のオブジェのような各種形状の成形体
の製造に適用することができる。
ば図3(d)において、縮小した成形体4のキャビティ
内への装填は、成形体4のみとし、抄紙型1は成形体4
から引き抜いてもよい。この場合、形状付与金型のキャ
ビティ内での成形体の拡張は、成形体内に加圧流体を直
接供給して行うか、又は別途用意した中空状をなす中子
を成形体内に挿入し、該中子内に加圧流体を供給して間
接に行えばよい。また、図3(d)において、形状付与
金型を用いずに、所定形状のキャビティを有する加圧脱
水金型を用い、該加圧脱水金型において図3(d)〜
(h)の操作と同様の操作で成形体4の加圧脱水のみを
行い、次いで該加圧脱水金型を開いて加圧脱水された成
形体を取り出し、この成形体を所定温度に加熱された形
状付与金型内に装填して、該成形体に形状付与及び加熱
乾燥を施してもよい。この形状付与及び加熱乾燥は、成
形体内に加圧流体を直接供給して行うか、又は別途用意
した中空状をなす中子を成形体内に挿入し、該中子内に
加圧流体を供給して間接に行えばよい。前記加圧脱水金
型のキャビティ形状は、成形すべき成形体の形状と相補
形状のものでもよく、或いはそれ以外の形状のものでも
よい。また、図3(c)において、成形体4の縮小に際
しては、パルプ繊維の剥落防止のために、補助板等を用
いて成形体4の外面を押さえた状態で成形体4を縮小さ
せてもよい。また、図3(h)において、成形体4を取
り出した後、該成形体4の外面及び/又は内面にプラス
チック層や塗工層等を設ける等の後加工を施し、成形体
4の強度を一層高めたり、内容物の漏れ出し等を効果的
に防止したり、或いは加飾を施してもよい。また、本発
明の製造方法は、内容物の収容に用いられる中空容器の
製造の他、置物等のオブジェのような各種形状の成形体
の製造に適用することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明のパルプモールド成形体の製造方
法によれば、成形体に割れや肉厚むら等を発生させずに
所望の形状の成形体を容易に製造することができる。
法によれば、成形体に割れや肉厚むら等を発生させずに
所望の形状の成形体を容易に製造することができる。
【図1】本発明のパルプモールド成形体の製造方法の一
実施形態に用いられる抄紙型を示す分解斜視図である。
実施形態に用いられる抄紙型を示す分解斜視図である。
【図2】本発明のパルプモールド成形体の製造方法の一
実施形態に用いられる抄紙型を示す縦断面図である。
実施形態に用いられる抄紙型を示す縦断面図である。
【図3】本発明のパルプモールド成形体の製造方法の一
実施形態を示す工程図である。
実施形態を示す工程図である。
1 抄紙型 2 パルプスラリー 4 成形体 5 割型
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月1日(2000.3.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部と内部と
を連通させる連通路が形成され且つ拡縮可能な抄紙型を
所定の大きさにした状態下にパルプスラリー中に浸漬
し、前記抄紙型の表面に含水状態のパルプモールド成形
体を形成した後、前記抄紙型を縮小させることで前記成
形体を所定の大きさまで縮小させ、次いで縮小した前記
成形体を一組の割型から構成される金型のキャビティ内
に装填し、装填後に所定手段により前記成形体を拡張さ
せて前記キャビティ内面に押圧して脱水するパルプモー
ルド成形体の製造方法を提供することにより前記目的を
達成したものである。
を連通させる連通路が形成され且つ拡縮可能な抄紙型を
所定の大きさにした状態下にパルプスラリー中に浸漬
し、前記抄紙型の表面に含水状態のパルプモールド成形
体を形成した後、前記抄紙型を縮小させることで前記成
形体を所定の大きさまで縮小させ、次いで縮小した前記
成形体を一組の割型から構成される金型のキャビティ内
に装填し、装填後に所定手段により前記成形体を拡張さ
せて前記キャビティ内面に押圧して脱水するパルプモー
ルド成形体の製造方法を提供することにより前記目的を
達成したものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 外部より内部に連通する連通路が形成さ
れ且つ拡縮可能な抄紙型を所定の大きさにした状態下に
パルプスラリー中に浸漬し、前記抄紙型の表面に含水状
態のパルプモールド成形体を形成した後、前記抄紙型を
縮小させることで前記成形体を所定の大きさまで縮小さ
せ、次いで縮小した前記成形体を一組の割型から構成さ
れる金型のキャビティ内に装填し、装填後に所定手段に
より前記成形体を拡張させて前記キャビティ内面に押圧
して脱水するパルプモールド成形体の製造方法。 - 【請求項2】 縮小した前記成形体を前記抄紙型と共に
前記キャビティ内に装填し、装填後に前記抄紙型を拡張
させることで前記成形体を拡張させる請求項1記載のパ
ルプモールド成形体の製造方法。 - 【請求項3】 前記抄紙型を、その外形が前記キャビテ
ィの形状と同形又はそれよりも大きくした状態下に該抄
紙型の表面に含水状態の前記成形体を形成する請求項1
又は2記載のパルプモールド成形体の製造方法。 - 【請求項4】 前記抄紙型を縮小させて、該抄紙型の表
面に形成された前記成形体を、前記キャビティの形状よ
りも小さくした状態下に該キャビティ内に装填する請求
項1〜3の何れかに記載のパルプモールド成形体の製造
方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08399899A JP3144551B2 (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | パルプモールド成形体の製造方法 |
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