JP5213618B2 - パルプモールド成形体の製造方法、パルプモールド成形体および成形型 - Google Patents

パルプモールド成形体の製造方法、パルプモールド成形体および成形型 Download PDF

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Description

本発明は、パルプ繊維等を原料とするパルプモールド成形体、特に角形の容器形状を有し、角部近傍の強度や寸法精度、外観等の品質に優れるパルプモールド成形体を製造する方法に関する。また、この方法により製造されるパルプモールド成形体および製造に使用される成形型に関するものである。
パルプ繊維を主として含有するパルプモールド成形体は、柔軟性やクッション性を利用した緩衝材や包装材、使い捨て容器等に広く使用されている。パルプモールド成形体は、天然系材料を原料繊維としていることから、安全性が高く、燃焼時に有害ガスを発生しないので、樹脂材料等に比べて廃棄や焼却時の環境への負荷が小さい。また、資源枯渇が世界的な問題となっている原油由来の樹脂材料に比べて安定供給可能であるといった利点を有する。このため、製造方法を改良して成形体の品質を高めることで、種々の分野への応用が期待されている。
従来、パルプモールド成形体を製造する方法として、湿式パルプモールド法が知られている。この方法は、パルプ繊維を含むスラリーに成形体形状に応じた抄紙型を浸漬して、その表面にパルプ繊維を堆積させ、得られた含水状態の成形体を、脱水・乾燥させてパルプモールド成形体とするものである。
脱水・乾燥工程では、通常、一対の雌型と雄型からなる成形型を用い、加圧圧縮して、水分を排出する。同時に、成形型の表面形状を転写することにより、より精密な形状の成形体を得ることができる。このような製造方法は、例えば、特許文献1ないし3に記載されている。
特開2002−146700号公報 特許第3144551号公報 特開2003−306899号公報
特許文献1の方法は、シリコーンゴム等の弾性変形可能な材料からなる凸型を抄紙型として用い、その外表面にパルプ層を形成する。これを成形用の雄型として、成形体に対応する形状とした雌型の凹部内に挿通し、パルプ層の底部を凹部の底部に当接させる。次いで、凸型を押圧変形させて、凹部の隙間を埋めるようにすると、両者の間に挟まれたパルプ層が圧縮、脱水される。
特許文献2の方法は、抄紙型を、拡縮可能なコアと追従変形可能なコア収容体にて構成し、コアを拡大した状態で外表面にパルプ層を形成する。次いで、コアを縮小してパルプ層を所定の大きさまで縮小させた状態で雌型の凹部内に装填し、コアを拡張させて雌型の凹部内面に押圧、脱水する。コアの拡張は、コア内に収容したエアシリンダを作動し、さらにコアの周囲を被覆する弾性変形可能な材料よりなる中子に、加圧流体を供給して膨張させることにより行うことができる。
特許文献3の方法は、部位によって密度の異なるパルプモールド成形体を製造する方法で、抄紙型を用いてパルプを堆積させた中間成形体を形成し、次いで、中間成形体を、一対の型体にて構成される乾燥型内に装填して乾燥させる際に、中間成形体の中空部内に、エア流入により膨張可能な中空チューブよりなる膨張体を配置する。これを型締めして、膨張体を膨張させると乾燥型との間で低密度に圧縮されたパルプモールド成形体が得られる。また、乾燥体を構成する型体の一方に貫通穴を設けてプレスコアブロックを嵌挿し、他方の型体との間でパルプモールド成形体の一部を高密度に圧縮する。低密度に圧縮された部分は、例えば、吸音性を有する中空の外殻部として、高密度に圧縮された部分は、例えば、剛性を有する取付部として利用される。
ところが、従来のパルプモールド成形体の応用として、種々の形状の容器体を製造する場合、特に上面が開口する角形形状の容器において、エッジ部やフランジ部に十分な強度が得られず、耐久性が低下する問題が発生した。これは、例えば、特許文献1に開示された製造方法では、含水成形体を押圧する凸型をゴム材料等の弾性体で構成しているために、雌型の凹部を成形体形状に応じた角形形状とした場合、凹部隅々まで押圧力を付与することができないからで、全体を均一に圧縮することができない。このため、肉厚が不均一となって、強度が部分的に低下しやすく、容器体としての機能が制約される上、内外表面の平滑性、転写性が悪化し、良好な外観が得られない。
特許文献2の方法も、拡縮可能なコアの周囲を弾性材料よりなる中子が覆い、膨張して成形体を押圧する点で同様であり、特許文献1と同様の問題が生じる。また、コア内にエアシリンダやエア供給機構、さらに中子への加圧流体供給機構等を設置する必要があり、構成が複雑でコストが上昇しやすい。
特許文献3の方法は、型内にプレスコアブロックを嵌挿して押圧することにより、部分的に高密度な中実部を形成することができるが、筒状の外殻部の形成には、特許文献1、2と同様の膨張体を使用しており、低密度の圧縮体しか得られない。
このように、従来の製造方法では、成形型の雄型凸部が弾性変形して含水成形体を圧縮するため、含水成形体の内面全体に押圧力を均一に付与できず、均一な肉厚の成形体が得られない。特に角部を有する形状において、設計形状に沿うエッジ形状が得られず、強度も低下するため、用途が大きな制約を受ける。また、得られる成形体の内外表面は、雄型凸部の外表面と雌型凹部の内表面形状が転写された形状となるが、押圧力が小さい部位では、鮮明な形状が得られず、あるいは平滑面とならずに外観が損なわれる欠点があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、上面に開口部を有する角形容器形状のパルプモールド成形体を、成形型を用いて製造するに際し、成形型内で全体を均一に圧縮して、角部近傍の強度を高め、外形や内外表面形状等の設計形状を忠実に再現可能な製造方法および成形型を提供すること、そして、パルプモールド成形体をその利点を活かした種々の用途へ利用可能とすることを目的とする。
本願請求項1の発明は、上面に開口部を有する角形容器形状のパルプモールド成形体を製造する方法であって、
一対の雌型と雄型からなる成形型を用い、パルプモールド成形体の外表面形状に対応する形状の上記雌型の凹部内表面と、パルプモールド成形体の内表面形状に対応する形状の上記雄型の凸部外表面との間に、含水成形体に配置して、厚み方向に圧縮することにより含水成形体に含まれる水分を排出させる脱水・乾燥工程を備え、
上記成形型の上記雄型は、
剛性体からなる拡縮可能な容器状の型本体と、その内部に収容可能な剛性体からなる中子にて構成され、上記型本体の最大拡大時に、その外面が上記凸部外表面を形成するとともに、その内面に上記中子が密着する形状であり、
上記脱水・乾燥工程は、
上記成形型の上記雌型内に、上記凹部内表面に沿う形状に整えられた上記含水成形体を配置する工程と、
上記成形型の上記雄型を、上記型本体が縮小している状態で、上記含水成形体の内部に載置する工程と、
上記雄型の上記型本体内に上記中子を挿通し、上記型本体を拡大させるのに伴って、その外面が、上記含水成形体の内表面に密着し、外方へ押圧する工程を有する。
本発明方法によれば、上面に開口部を有する角形容器形状のパルプモールド成形体を、成形型を用いて製造するに際し、成形型内で全体を均一に圧縮して、角部近傍の強度を高めることができる。そして、エッジ部やフランジ部といった角部を有する外形や、内外表面形状等の設計形状を忠実に再現することが可能となり、パルプモールド成形体の利点を活かして種々の用途へ利用可能とすることができる。
本願請求項2の発明では、上記脱水・乾燥工程を、上記成形型の上記雌型および上記雄型の一方、または両方に熱を加えた状態で実施する。
これにより、パルプモールド成形体の脱水・乾燥を促進し、より均質かつ高強度のパルプモールド成形体を得ることができる。
本願請求項3の発明では、上記成形型の上記雌型および上記雄型の一方、または両方を通気可能に構成し、上記脱水・乾燥工程において、含水成形体から蒸発する水分を外部へ排出可能とする。
これにより、パルプモールド成形体に含まれる水分の排出を促進し、脱水・乾燥を良好に行って、より均質かつ高強度のパルプモールド成形体を得ることができる。
本願請求項4の発明において、上記含水成形体は、木材パルプまたは非木材パルプを含む原料繊維をスラリー状としたパルプスラリーに、抄紙型を浸漬してその表面に繊維を堆積させる抄紙工程により得られ、パルプモールド成形体に対応する概略形状を有する含水状態の成形体である。
具体的には、予め抄紙型を用いた抄紙工程により所定の含水状態とされた成形体を、脱水・乾燥工程に使用することが望ましい。
本願請求項の発明は、上面に開口部を有する角形容器形状のパルプモールド成形体を製造するための成形型であって、一対の雌型と雄型からなる。
上記雌型は、パルプモールド成形体の外表面形状に対応する形状の凹部内表面を有しており、
上記雄型は、剛性体からなる拡縮可能な容器状の型本体と、その内部に収容可能な剛性体からなる中子にて構成され、上記型本体の最大拡大時に、その外面がパルプモールド成形体の内表面形状に対応する形状の凸部外表面を形成するとともに、その内面に上記中子が密着する形状である。
本発明の成形型によれば、含水成形体を剛性体よりなる雌型と雄型の間に挟んだ状態で内外から押圧し、角部を含む全体を均一に圧縮することができる。したがって、全体を高密度に圧縮して高強度なパルプモールド成形体を得ることができ、内表面と外表面に別々の形状を付与したり、部位に応じて肉厚を設定したりすることが可能で、設計形状を良好に実現することができる。
本願請求項の発明は、上記雄型の型本体は、矩形の底板と、該底板の外周縁部に対して内外方向にスライド可能に配置された厚肉角筒形の拡縮部からなり、該拡縮部を複数の分割片にて構成するとともに、これら複数の分割片が面接触を維持しながら相対移動することにより外形を拡大ないし縮小可能な形状としたものである。
これにより、上記雄型の、拡縮可能な容器状の型本体を容易に実現し、含水成形体に均一な押圧力を付与して、高品質のパルプモールド成形体を容易に得ることができる。
以下、図面に基づいて本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態において使用される一対の雌型5と雄型である乾燥コア1からなる成形型と、この成形型を使用してパルプモールド成形体4を製造する方法を示す図である。本発明の製造方法は、特に、上面に開口部を有する角形容器状、箱形形状の成形体をパルプモールド成形するのに適しており、本実施形態では、一例として上端開口縁にフランジ部43を有する直方体容器状のパルプモールド成形体4の製造例について説明する。図2は、成形型の特徴部分である乾燥コア1の構造を示す図であり、図3、図4は、乾燥コア1の型本体である乾燥コア本体2の詳細構造を示す図である。
本発明のパルプモールド成形体の製造方法は、公知の抄紙工程を経て所定の概略形状とした含水状態のパルプモールド成形体(以下、適宜含水成形体という)40を、図1の成形型を用いて脱水・乾燥させ、所定の最終形状とする脱水・乾燥工程を備える。本発明において、パルプモールド成形体4は、パルプ繊維を主として含有する原料繊維からなり、木材系パルプ繊維の他、非木材系パルプ繊維を使用することもできる。また、これらパルプ繊維に、その他繊維を適宜配合した原料繊維を用いることもできる。これら繊維の繊維長や繊維径、配合割合等は任意に選択可能であり、原料繊維に、公知の各種添加剤、例えば撥水剤、難燃剤等を添加して、パルプモールド成形体4の用途に応じた特性を付与することもできる。
抄紙工程では、これら原料繊維および必要に応じて添加剤を含むパルプスラリーを調製し、通常公知の抄紙型を浸漬させて、パルプ層を堆積させた含水成形体を得る。抄紙型は、例えば網状体からなり、パルプモールド成形体4の概略形状に応じた角形容器形状を有して、その表面に所定厚のパルプ層を堆積させることができる。網状体の網目はパルプスラリー中の水分を通過させて原料繊維を堆積可能に調整されており、通常は真空ポンプ等を用いて水分を吸引することにより、予備脱水を行って、製造しようとするパルプモールド成形体4に対応する概略形状の含水成形体40を形成する。
脱水・乾燥工程では、抄紙型から取り外した含水成形体40を、パルプモールド成形体4の外表面形状に対応する内表面形状の雌型5と、パルプモールド成形体の内表面形状に対応する外表面形状を有する、雄型としての乾燥コア1との間に配置し、厚み方向に圧縮しながら、含水成形体に含まれる水分を排出させる。この手順を、図1の(i)〜(v)に示す各工程に沿って順次説明する。
図1の(i)の工程において、剛性体からなる雌型5に設けた凹部51内には、抄紙工程で得られた含水成形体40が配置される。含水成形体40は、本実施形態では上面が開口する直方体容器状とし、その上端縁から外方へ張り出すフランジ部を有する概略形状となるように成形されている。この状態では、含水成形体40の外表面は、雌型5の凹部51内表面52には密着しておらず、両者の間に空隙が形成されていてもよい。雌型5を構成する剛性体材料としては、例えば金属、プラスチック等が挙げられる。
次いで、図1の(ii)〜(iii)の工程において、含水成形体40内に乾燥コア1が挿置される。本発明で使用する乾燥コア1は、型本体となる拡縮可能な容器状の乾燥コア本体2と、乾燥コア本体2の内部に収容可能な中子3にて構成されている。乾燥コア本体2は、上部開口から中子3が内部へ圧入されるのに伴い外方へ拡大し、最大拡大時にその内面に中子3が密着すると同時に、その外表面23にて形成される凸部が、含水成形体40に密着して圧縮力を付与する。本発明において、乾燥コア1の乾燥コア本体2および中子は、いずれも金属、プラスチック等の剛性体材料にて構成されている。
図2〜4に、乾燥コア1の具体的構成例を示す。図2は、拡縮機構を有する乾燥コア本体2が縮小している状態を示す縦断面図で、上面が開口する空洞部21は、内表面22が内方へ傾斜する傾斜面となっており、上方ほど開口面積が広くなる形状となっている。中子3は空洞部21にほぼ沿う形状のブロック体で、外表面31が内表面22に対応する傾斜面となり、下方ほど外形が縮小する形状を有する。乾燥コア本体2が縮小している状態では、中子3の下端面32と空洞部21の上部開口が同等の大きさとなっている。
図3(a)は、乾燥コア本体2が拡大した状態を示す縦断面図で、図3(b)に示す平面図のIIIa−IIIa線断面である。図3(a)において、乾燥コア本体2は、最大拡大時の外形が、製造しようとする所望のパルプモールド成形体4の内形に対応した形状となるように構成されており、複数の分割片からなるフランジ付き側面拡縮部11と底板12、側面拡縮部11のフランジ部13上面に位置する摺動ガイド板14を備えている。乾燥コア本体2の底板12および側面拡縮部11を構成する分割片は、それぞれ金属、プラスチック等の剛性体材料よりなる。
図3(b)に示すように、フランジ付き側面拡縮部11は、長方形の開口形状を有し、その四辺の中央部にそれぞれ位置する略台形断面形状の楔形ブロックよりなるフランジ付き中央拡縮部2Aと、その四つのコーナー部をそれぞれ含む略L字形状のブロックよりなるフランジ付きコーナー拡縮部2Bとに分割されている。中央拡縮部2Aは、空洞部21側に幅広の面が外側に幅狭の面が位置するように、隣り合う2つのコーナー拡縮部2B間に配置され、分割片となるこれら合計8個の側面ブロックを組み合わせて、全体が厚肉角筒状のフランジ付き側面拡縮部11を構成する。コーナー拡縮部2Bの両側端面は、隣接する中央拡縮部2Aの側端面に沿う形状のテーパ面で、隣り合う2つのコーナー拡縮部2B間に外側へ向けて幅狭となる空間部を形成し、該空間部内に中央拡縮部2Aが密着配置される。
図4は乾燥コア本体2の分解斜視図である。図示するように、底板12は厚肉の平板で長方形の外形を有し、外周縁部121が外方へ向けて下り傾斜する傾斜面となっている。底板12上に載置されるフランジ付き側面拡縮部11は、外周縁部121と接触する底部接面111を、外周縁部121に対応する傾斜面として(図2、図3(a)参照)、外周縁部121上を底部接面111が、面接触を維持しながら内外方向にスライド可能なスロープが形成されている。
なお、剛性体からなる側面拡縮部11の中央拡縮部2Aとコーナー拡縮部2B、底板12とが密接しながら摺動する構成であることから、拡大・縮小時の剛性体間の摩擦を軽減するため、および脱水・乾燥工程後にパルプモールド成形体を取り出す際の乾燥コア1との引き剥がしを容易にするために、剛性体からなる各部材表面には、予めフッ素樹脂コーティング等を施して、摺動性の良好な材料からなるコーティング層を形成しておくことが望ましい。剛性体からなる雌型5、乾燥コア本体2内を摺動する中子3等も、同様に摺動性の良好な材料からなるコーティング層を形成しておくとよい。
フランジ付き側面拡縮部11のフランジ部13には、複数のボルト穴131が形成される。本実施形態では、中央拡縮部2Aのフランジ部13には、中央の1箇所にボルト穴131を形成し、コーナー拡縮部2Bのフランジ部13には、角部と両端部の3箇所に、それぞれボルト穴131を形成している。フランジ部13上面に載置される摺動ガイド板14には、ボルト穴131に対応する位置に摺動ガイド穴15が設けられ、摺動部連結ボルト16を、摺動ガイド穴15を介してボルト穴131に螺結することにより、フランジ付き側面拡縮部11と摺動ガイド板14とが連結される。同時に、フランジ付き側面拡縮部11を構成するフランジ付き中央拡縮部2Aとフランジ付きコーナー拡縮部2Bとが、互いに連結される。
図3(b)に示すように、摺動ガイド板14は拡大時のフランジ部13と略同一形状のフレーム状平板であり、摺動ガイド穴15は、拡縮方向を長軸方向とする楕円形状である。摺動部連結ボルト16は、中央拡縮部2Aの中央の1箇所に対応して摺動部連結ボルト16aが、コーナー拡縮部2Bの角部と両端部の3箇所に対応して摺動部連結ボルト16b、16c、16dが、それぞれ設けられる。図示の拡大時において、これら摺動部連結ボルト16a、16b、16c、16dは、摺動ガイド穴15の最外方位置にある。
上記構成の乾燥コア1を用いることにより、上記図1の(ii)〜(iii)工程における、含水成形体40の脱水・乾燥を効果的に行うことができる。これは、図5(a)、(b)に示すように、乾燥コア本体2のフランジ付き側面拡縮部11が縮小、拡大自在な剛性体で構成されていることによる。図5(a)は図2のVa−Va線断面に相当し、摺動部連結ボルト16が摺動ガイド穴15の最内側に位置して、フランジ付き側面拡縮部11は、中央拡縮部2Aがコーナー拡縮部2Bより内側に突出している。この時、中央拡縮部2Aの側面113がコーナー拡縮部2Bの側面112に対して内方にスライドし、乾燥コア本体2は最小まで縮小している。
図1の(ii)工程では、雌型5の凹部51に内挿されている容器状の含水成形体40の内側に、乾燥コア本体2を縮小させた状態で挿通配置する。中子3を空洞部21に押し込む前の図示の状態では、中子3は底部が乾燥コア本体2のフランジ面近傍にあり、フランジ付き側面拡縮部11の中央拡縮部2Aが空洞部21内方へ突出している。それに伴い、コーナー拡縮部2Bも空洞部21側に摺動しているので、乾燥コア本体2は、長軸方向、短軸方向ともに所望の成形体形状より小さくなっている。
したがって、縮小状態の乾燥コア1を含水成形体40に挿入する際に、含水成形体4の内表面に乾燥コア本体2が密着することはない。ここで、前段の抄紙工程で堆積させたパルプ層からなる含水成形体40は、最終成形体形状よりも厚く、表面が平滑でないため、剛性体からなる雄型を用いた場合には、挿入時の接触や摩擦が懸念されるが、本実施形態では上述したように雄型となる乾燥コア1が拡縮可能に構成されているので、含水成形体40との接触を回避して損傷を防止することができる。
次に、図1の(iii)工程において、乾燥コア本体2の空洞部21に配した中子3を、乾燥コア本体2のフランジ面から底方向に押し込む。すると、側面拡縮部11の中央拡縮部2A内周面に対して中子3の外表面が摺動しながら、これを外方へ押し拡げ、さらに中央拡縮部2Aがコーナー拡縮部2Bを押し拡げる。摺動ガイド穴15に案内されて、側面拡縮部11が所定位置まで外方に拡がり、中子3が底部12に当接すると、図5(b)の最大拡大状態となる。
図5(b)は図3(a)のVb−Vb線断面に相当し、側面拡縮部11の中央拡縮部2A内外表面が、コーナー拡縮部2Bの内外表面と同一平面となるまで外方へスライドすると、中央拡縮部2Aの側面113がコーナー拡縮部2Bの側面112と一致して、摺動部連結ボルト16は摺動ガイド穴15の最外側位置となる。また、側面拡縮部11の底部接面111が、底板12の外周縁部121上をスライドし同一平面を形成する。この時、側面拡縮部11と底板12が一体化した凸部を形成し、その外表面23が、形成しようとするパルプモールド成形体4の内表面形状と一致する。
この過程で、徐々に拡張する乾燥コア本体2が含水成形体40を雌型5の凹部51内表面52に押圧し、両者の間に挟まれた含水成形体40の全体を均一に圧縮して内部の水分を排出させる。乾燥コア本体2は、側面拡縮部11と底板12とが別体となっており、また側面拡縮部11は複数の拡縮部2A、2Bに分割されているので、それら部材間に形成される間隙を介して空洞部21側と含水成形体40側とが通気可能である。また、雌型5にその壁面を貫通する複数のスリットや通気孔を形成しておくことで、雌型5の凹部51側と外部とを通気可能とすることができる。したがって、含水成形体40から蒸発する水分は、乾燥コア本体2または雌型5を介して外部へ良好に排出され、脱水が促進される。
(ii)、(iii)工程は、好適には、成形型を構成する雌型5と乾燥コア1の一方または両方に図示しないヒータ機構を設け、所定温度に加熱した状態で実施することが望ましい。ここでは、例えば雌型5をヒータ機構にて所定温度に昇温維持可能とし、所定時間保持することによって、含水成形体40全体を均一に加熱し、乾燥を促進される。これにより、含水成形体40の内表面には、乾燥コア本体2拡大時の外表面23形状が転写され、外表面には、雌型5の凹部51内表面52形状が転写されて、所望のパルプモールド成形体4形状とすることができる。
図1の(iv)工程は、上記(ii)〜(iii)工程とは逆の手順で、乾燥コア1を取り出す。まず押圧を緩めて中子3を乾燥コア本体2の空洞部21底面からフランジ方向へ移動させると、乾燥コア本体2の側面拡縮部11が再び縮小する。この縮小した状態の乾燥コア1は、雌型5の凹部51内表面52に押圧されているパルプモールド成形体4より小さく、容易に取り外しができる。しかる後に、図1の(v)工程にて、所望の形状が付与されたパルプモールド成形体4を雌型5から取り外し、外部へ取り出す。
このようにして得られたパルプモールド成形体4は、全体が均一かつ高密度に圧縮された直方体容器形状の成形体となる。本発明の製造方法では、含水成形体40を加圧圧縮する一対の型が剛性体からなり、雌型5の凹部51と乾燥コア1の凸部(乾燥コア本体2の外表面)の間に含水成形体40を挟持して、その内外から均等に押圧力を付与することができるので、底面42から側面41へ立ち上がるエッジ部や、上端外周縁に張り出すフランジ部43を、押圧ムラなく成形し、かつ内外表面に所望の形状を鮮明に転写することができる。
したがって、本発明によれば、従来方法では高密度化が難しい角形容器状のパルプモールド成形体を、設計形状通りに成形することができる。そして、成形体細部に渡って、密度の均一化・高密度化を実現できるので、従来のパルプモールド成形体に比べて強度が向上し、耐久性を高めることができる。また、全体が高密度に圧縮されて均質であり、平滑性に優れる上、表面形状が鮮明であるので、美観・外観に優れる。さらに、均一な高密度で平滑な表面となることで、従来方法では難しかったコーティング層を表面全体に均一形成可能で、塗膜や耐水樹脂層等のコーティングを施すことにより、従来のパルプモールド成形体にはない特性を付与し、種々の用途に使用を拡大することが可能となる。
(実施例1)
次に、本発明のパルプモールド成形体の製造方法を、図6に示す形状のフランジ付き紙製コンテナCの製造に適用した実施例について説明する。図6(a)は、両手で持ち運び可能なフランジ付き紙製コンテナCの平面図であり、フランジ部C1を下側とし、底面C2を上側として配置している。図6(b)、(c)は直方体容器状の紙製コンテナCの長手方向であるVIb−VIb線断面図、短手方向であるVIc−VIc線断面図を示している。
フランジ付き紙製コンテナCは、開口縁部の外周囲に所定幅でフランジ部C1を形成し、フランジ部C1には外周縁部に沿って上面側が凹陥し下面側に突出する環状リブC3を設けて、持ち運びの際に手で把持し易くしている。また、底面C2の外周縁に沿って段付部C4を形成して底面C2の外形を開口部C6より小さくし、スタッキングを可能とするとともに、底面C2の外表面全体に滑り止めとなる格子状の凸部C5を形成する。一方、紙製コンテナCの内表面(側部および底部)は、外観良好で内部に物が収容しやすい平滑な面としている。紙製コンテナCの設計寸法は、開口部C6の長さ290mm、幅165mm、深さ90mmとし、フランジ部C1は幅25mmとし、また紙製コンテナCの肉厚を1mmとした。
上記図1〜図4に示した本発明の成形型を用いて、図6のフランジ付き紙製コンテナCの製造を実施した。成形型の雌型5の凹部51は、フランジ付き紙製コンテナCの外形に応じた大きさとし、その内表面は、フランジ部C1のリブC3、底面C2の段付部C4、格子状の凸部C5に対応する形状に加工されている。また、乾燥コア1の乾燥コア本体2は、拡大時の外形をフランジ付き紙製コンテナCの開口部C6に応じた大きさとし、拡大時の乾燥コア本体2の外表面を、フランジ部C1のリブC3、底面C2の段付部C4に対応する形状に加工してある。
この雌型5の凹部51内に、公知の抄紙型を用いて予めフランジ付き紙製コンテナCと同等の概略形状とした含水率70%の含水成形体40を内挿し、さらに含水成形体40内に縮小状態とした乾燥コア本体2を挿通位置させた。その後、乾燥コア本体2の空洞部21に中子3を挿入し、底方向へ摺動させながら底板12に当接するまで押し込んで、側面拡縮部11を最大拡大状態まで拡張させた。この時、雌型5は、約180℃に加熱してあり、この状態で約5分間保持することにより、含水成形体40の脱水・乾燥を行った。
その後、乾燥コア本体2内の中子3を上方に摺動させて、側面拡縮部11を縮小状態に戻し、乾燥コア1を取り外した。続いて雌型5の凹部51内表面52からパルプモールド成形体4を剥がして外部に取り出し、フランジ付き紙製コンテナCを得た。得られたフランジ付き紙製コンテナCは、開口部C6の長さ290mm、幅165mm、深さ90mm、フランジ部C1の幅25mmであり、ほぼ設計寸法通りの形状であった。また、内外表面は平滑で、全体が均一に圧縮されており、角部に圧縮ムラや変形等は見られず、底面C2の凸部C5、リブC3の形状も鮮明に転写されて、良好な外観が得られた。
図7(a)は、本実施例にて得られた同形状のフランジ付き紙製コンテナCを、複数スタッキングした状態を示す図である。本実施例のフランジ付き紙製コンテナCは高密度に圧縮されて強度が向上しており、寸法精度に優れるため、図示するように、上下に積み重ねても安定して変形を生じず、スタッキング使用が可能であることを確認した。また、図7(b)に示すように、フランジ付き紙製コンテナCの上端開口縁部において、コンテナ内側面とフランジ上面との接続部C7がなす角度をほぼ直角としているので、スタッキングが確実となり上方に載置されたフランジ付き紙製コンテナC底部の段付き部C4が安定して保持できる。
この時、図7(b)に示すように、コンテナ外側面からフランジ背面側への接続部C8を曲面状として部分的に厚肉とすると、フランジ部C1を把持した時の内容物荷重によるフランジ付き紙製コンテナC全体の変形、あるいはスタッキングされた時のフランジ部C1の変形を防止することができ、より好ましい。
(実施例2、比較例1)
本発明のパルプモールド成形体の製造方法により、図8に示す形状のフランジ付き紙製コンテナCの製造に適用した実施例について説明する。図8(a)は、フランジ部C1を上側とし、底面C2を下側とした平面図であり、基本構造は図6の実施例1と同様である。図8(b)は、スタッキング状態を示す概略図、図8(c)はフランジ部C1近傍の設計形状(代表例)を示す概略断面図である。
本実施例のフランジ付き紙製コンテナCは、積み重ねて使用するスタッキングに加えて、使用しない時には重ねて収納するネスティングが可能な形状となっている。このため、内外側面が平面ではなく、交互に内方または外方に突出する凹凸形状としてあり、対向する2つの短辺は左右対称な凹凸形状、対向する2つの長辺は凹部と凸部位置を上下で入れ替えた形状となっている。開口縁部から外方へ突出するフランジ部C1は、外形が一定で幅が側面の凹凸に応じて異なっており、図示するように、フランジ部C1のうち、幅広の部位をA部、幅狭の部位をB部とする。この時、同一形状のフランジ付き紙製コンテナCを同じ向きに重ねたネスティング状態から、水平方向に180°回転させると、図8(b)のスタッキング状態とすることができる。
実施例1と同様に、上記図1〜図4に示した本発明の成形型を用いて、図8のフランジ付き紙製コンテナCの製造を実施した。成形型の雌型5の凹部51内表面52形状、乾燥コア1の乾燥コア本体2外表面23形状(拡大時)を、フランジ付き紙製コンテナCの寸法、内外形状に応じて加工した以外は、実施例1と同様の方法で、含水成形体40の脱水・乾燥を行った。
その後、成形型からパルプモールド成形体4を外部に取り出し、実施例2のフランジ付き紙製コンテナCを得た。得られたフランジ付き紙製コンテナCは、設計寸法通りの形状で、図8のフランジ部C1形状、および内外表面の形状が鮮明に転写されて、ほぼ設計寸法通りの形状であった。
次に、比較のため、従来のパルプモールド成形方法を用いて、図8のフランジ付き紙製コンテナCの製造を実施した。成形型は、雌型には凹部が本発明の雌型5の凹部51と同じ構成・形状のものを使用し、雄型には凸部がゴム弾性体からなるものを使用した。雄型の凸部は、外表面がフランジ付き紙製コンテナCの内表面形状に対応する形状となるように、設計寸法よりやや小さく形成されている。
実施例1と同様にして、雌型の凹部内に含水成形体を内挿した後、雄型の凸部をその内部に挿通し、加圧することにより雄型の凸部を外方へ拡張させ、含水成形体に密着させた。その後、実施例1と同様の条件で所定時間保持し、脱水・乾燥を行って比較例1のフランジ付き紙製コンテナCを得た。得られたフランジ付き紙製コンテナCは、全体が均質に圧縮されておらず、角部、フランジ部の形状に難があった。
実施例2と比較例1のフランジ付き紙製コンテナCについて、フランジ部C1のA部、B部近傍の切断断面を観察し、図8(c)の設計形状に対するずれを調べた。図9(a)に、実施例2のフランジ部C1のA部、B部近傍における切断断面を設計形状と比較した結果を、図9(b)に、比較例1のフランジ部C1のA部、B部近傍における切断断面を設計形状と比較した結果を、それぞれ示す。また、図10(a)、(b)と図10(c)、(d)に、実施例2と比較例1のフランジ部C1のA部、B部近傍における切断断面の状態および表面の状態をそれぞれ示した。
なお、図8(c)において、幅広のA部、幅狭のB部は、部位により表面形状が若干異なるが、スタッキング時に同等の機能を有する部位としてまとめて示す。ここでは、A部の代表例として、長辺中央部から内方に突出する部位を、一方、B部の代表例には、短辺から外方に突出する部位を選択した。フランジ部C1のA部は、内方に突出する幅広の部位で、スタッキング時に上側に位置するフランジ付き紙製コンテナCの底部を当接保持する機能を有し、B部はその他の幅狭の部位である。
図9(a)、(b)を比較して明らかなように、実施例2のフランジ付き紙製コンテナCは、フランジ部C1外周縁部の傾斜面がやや肉厚となった以外は、ほぼ設計形状通りであるのに対し、比較例1のフランジ付き紙製コンテナCは、肉厚ムラが大きい。特に、幅広のA部において、上端開口縁部の肉厚がコンテナ内側面では不足し、垂直かつ平坦な面となっていない。フランジ上面は、上端開口縁部側が盛り上がっており、段差が形成されて外観を損ねている。このためコンテナ内側面とフランジ上面とが丸みを帯びて接続され、エッジ部が形成されない。幅広のB部は、コンテナ内側面はほほ垂直面となっているものの、フランジ上面は凹状となって肉厚ムラが大きく、水平かつ平坦な面となっていない。
比較例1において、肉厚が不均一になるのは、その部位の加圧圧縮が不十分であることを示している。その結果、肉厚ムラが生じた部分の強度が低下し、持ち運びをする際の許容最大荷重、スタッキング時の許容最大荷重を引き下げることになる。この結果は、図10(a)、(b)と図10(c)、(d)の各断面・表面性状を比較しても明らかで、比較例1のフランジ付き紙製コンテナCは、肉厚が大きい部分の圧縮不足で密度が低く、表面が粗く毛羽立ちも見られる。これに対し、実施例2のフランジ付き紙製コンテナCは、全体が均一に圧縮されて硬質であり、表面の平滑性が高いため、美観を大きく向上させている。
これらの差異により、スタッキングを実施した時に、実施例2のフランジ付き紙製コンテナCは、図8(b)の通り、上下の連結部にガタツキを生じることなく、安定したスタッキング状態とすることができた。一方、比較例1では、上下のフランジ付き紙製コンテナCの間に、不必要な隙間が形成されて、不安定となっており、コンテナ搬送時等に横揺れが大きくなる懸念がある。また、比較例1では、フランジ部C1の上面が凸状部が生じていることにより、スタッキング状態にある時、上下のフランジ付き紙製コンテナCの接触が、面接触ではなく点接触となり、縦方向においても不安定となる。また、フランジ上面全体に不規則な突起があるために、フランジ部C1を把持する動作に対して邪魔になり、外観を重視する製品用途への使用が制限される。
以上のように、本発明方法によれば、従来、製造が困難であった上面に開口部を有する角形容器形状のパルプモールド成形体を、成形性よく製造し、角部近傍を含む全体を均一に圧縮して、高強度かつ高密度で表面平滑性に優れる製品を得ることができる。しかも、パルプモールド成形体の内表面と外表面に別々の形状を付与することが容易にでき、また、必要な強度に応じて部分的に肉厚や角部の角度を変更し、あるいは曲面に形成するといった詳細構造を任意に設定することができるので、製品用途が格段に拡がる。よって、用途に応じた製品性状・必要特性を備える高耐久性のパルプモールド成形体を実現することができる。
なお、本発明の製造方法は、上述した形状のパルプモールド成形体に限らず、種々の形状に適用することができる。例えば、上記実施形態および上記実施例では、直方体容器状のフランジ付きパルプモールド成形体について説明したが、開口部形状は正方形または多角形であってもよく、フランジ部のない形状とすることもできる。また、内外側壁が垂直面またはテーパを付けた傾斜面としたり、内外表面の一方または両方に模様を付けたりすることも可能である。
本発明のパルプモールド成形体の製造方法を説明するための各工程を示す成形型およびパルプモールド成形体の模式的断面図である。 本発明において使用する雄型としての乾燥コアが縮小した状態を示す縦断面図である。 (a)は乾燥コアが拡大した状態を示す縦断面図で、(b)のIIIa−IIIa線断面図、(b)は乾燥コアの正面図である。 乾燥コアの分解斜視図である。 (a)は乾燥コアが縮小した状態を示す横断面図で、図2のVa−Va線断面図、(b)は乾燥コアが縮小した状態を示す横断面図で、図3(a)のVb−Vb線断面図である。 (a)は本発明実施例1で製造したフランジ付き紙製コンテナの平面図であり、(b)、(c)はそれぞれ(a)のVIb−VIb線断面図、VIc−VIc線断面図である。 (a)は実施例1のフランジ付き紙製コンテナを複数スタッキングした状態を示す模式的断面図、(b)は(a)のVIIb部の拡大図である。 (a)は本発明実施例2で製造したフランジ付き紙製コンテナの平面図であり、(b)はスタッキング状態を示す概略図、(c)はフランジ部近傍の設計形状(代表例)を示す概略断面図である。 (a)は実施例2のフランジ部のA部、B部近傍における切断断面を設計形状と比較した結果、(b)は、比較例1のフランジ部のA部、B部近傍における切断断面を設計形状と比較した結果を示す概略断面図である。 (a)、(b)は実施例2のフランジ部のA部、B部近傍における切断断面および表面状態を示す部分拡大断面図、(c)、(d)は比較例1のフランジ部のA部、B部近傍における切断断面および表面状態を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1 乾燥コア(雄型)
11 側面拡縮部
12 底板
13 フランジ部
14 摺動ガイド板
15 摺動ガイド穴
16 摺動部連結ボルト16
2 乾燥コア本体
21 空洞部
22 内表面
23 外表面
3 中子
4 パルプモールド成形体
40 含水成型体
41 側面
42 底面
43 フランジ部
5 雌型
51 凹部
52 内表面

Claims (6)

  1. 上面に開口部を有する角形容器形状のパルプモールド成形体を製造する方法であって、
    一対の雌型と雄型からなる成形型を用い、パルプモールド成形体の外表面形状に対応する形状の上記雌型の凹部内表面と、パルプモールド成形体の内表面形状に対応する形状の上記雄型の凸部外表面との間に、含水成形体を配置して、厚み方向に圧縮することにより含水成形体に含まれる水分を排出させる脱水・乾燥工程を備え、
    上記成形型の上記雄型は、
    剛性体からなる拡縮可能な容器状の型本体と、その内部に収容可能な剛性体からなる中子にて構成され、上記型本体の最大拡大時に、その外面が上記凸部外表面を形成するとともに、その内面に上記中子が密着する形状であり、
    上記脱水・乾燥工程は、
    上記成形型の上記雌型内に、上記凹部内表面に沿う形状に整えられた上記含水成形体を配置する工程と、
    上記成形型の上記雄型を、上記型本体が縮小している状態で、上記含水成形体の内部に載置する工程と、
    上記雄型の上記型本体内に上記中子を挿通し、上記型本体を拡大させるのに伴って、その外面が、上記含水成形体の内表面に密着し、外方へ押圧する工程を有することを特徴とするパルプモールド成形体の製造方法。
  2. 上記脱水・乾燥工程を、上記成形型の上記雌型および上記雄型の一方、または両方に熱を加えた状態で実施する請求項1記載のパルプモールド成形体の製造方法。
  3. 上記成形型の上記雌型および上記雄型の一方、または両方を通気可能に構成し、上記脱水・乾燥工程において、含水成形体から蒸発する水分を外部へ排出可能とする請求項1または2記載のパルプモールド成形体の製造方法。
  4. 上記含水成形体は、木材パルプまたは非木材パルプを含む原料繊維をスラリー状としたパルプスラリーに、抄紙型を浸漬してその表面に繊維を堆積させる抄紙工程により得られ、パルプモールド成形体に対応する概略形状を有する含水状態の成形体である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のパルプモールド成形体の製造方法。
  5. 上面に開口部を有する角形容器形状のパルプモールド成形体を製造するための成形型であって、一対の雌型と雄型からなり、
    上記雌型は、パルプモールド成形体の外表面形状に対応する形状の凹部内表面を有しており、
    上記雄型は、剛性体からなる拡縮可能な容器状の型本体と、その内部に収容可能な剛性体からなる中子にて構成され、上記型本体の最大拡大時に、その外面がパルプモールド成形体の内表面形状に対応する形状の凸部外表面を形成するとともに、その内面に上記中子が密着する形状であることを特徴とするパルプモールド成形型。
  6. 上記雄型の型本体は、矩形の底板と、該底板の外周縁部に対して内外方向にスライド可能に配置された厚肉角筒形の拡縮部からなり、該拡縮部を複数の分割片にて構成するとともに、これら複数の分割片が面接触を維持しながら相対移動することにより外形を拡大ないし縮小可能な形状とした請求項5記載のパルプモールド成形型。
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