JP3136146B2 - 多層パルプモールド中空成形体 - Google Patents

多層パルプモールド中空成形体

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JP3136146B2 JP2000015046A JP2000015046A JP3136146B2 JP 3136146 B2 JP3136146 B2 JP 3136146B2 JP 2000015046 A JP2000015046 A JP 2000015046A JP 2000015046 A JP2000015046 A JP 2000015046A JP 3136146 B2 JP3136146 B2 JP 3136146B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のパルプ繊維
を含有するスラリーを抄紙原料とする多層パルプモール
ド中空成形体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パルプ
モールド成形体に特定のパルプ繊維を用いて性能を向上
させる試みがなされている。例えば、特開平8−929
00号公報に記載の技術は、低叩解度パルプ繊維からな
るパルプモールドにおける該パルプ繊維間の空隙を高叩
解度パルプで充填することにより、得られる成形体の耐
水性や湿潤強度を高めることを目的としている。特開平
8−158299号公報に記載の技術は、フィブリル化
処理した植物繊維とフィブリル化処理していない繊維と
を所定の割合で含有するスラリーを成形原料とすること
により、植物繊維の水素結合度を抑え、得られる成形体
の柔軟性や弾力性を高め、また収縮による変形を少なく
することを目的としている。
【0003】しかし、上記公報に記載の何れの繊維を用
いても、肉厚が均一で、抄紙時に割れが発生しない成形
体を得ることはできない。また、得られる成形体に金型
の表面形状が忠実に転写されず、表面の平滑性に優れた
成形体や小さな凹凸形状が忠実に転写された成形体を得
ることはできない(以下、この特性を転写性という)。
特に、開口部、胴部及び底部を有する中空成形体におい
て、該胴部につなぎ目を生じさせることなく、深さの深
い中空成形体を得ることはできない。
【0004】従って、本発明は、肉厚が均一で、抄紙時
に割れが発生せず、金型表面形状の転写性に優れた多層
パルプモールド中空成形体を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、最外層及び最
内層を有する多層パルプモールド中空成形体において、
上記最内層は、長さ加重平均繊維長が0.8〜2.0m
m、カナディアン・スタンダード・フリーネスが100
〜600ccで、繊維長の度数分布において繊維長0.
4mm以上1.4mm以下の範囲の繊維が全体の20〜
90%を占め且つ1.4mm超30mm以下の範囲の繊
維が全体の5〜50%を占めるパルプ繊維を含有するス
ラリーを用いて形成されており、上記最外層は、長さ加
重平均繊維長が0.2〜1.0mm、カナディアン・ス
タンダード・フリーネス50〜600ccで、繊維長の
度数分布において繊維長0.4mm以上1.4mm以下
の範囲の繊維が全体の50〜95%を占めるパルプ繊維
を含有するスラリーを用いて形成されており、且つ 上記
最内層に含有される上記パルプ繊維及び上記最外層に含
有される上記パルプ繊維は、それぞれ物性の異なるパル
プ繊維である多層パルプモールド中空成形体を提供する
ことにより上記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多層パルプモール
ド中空成形体(以下、単に成形体という)を、その好ま
しい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本
実施形態の成形体は図1に示すように三層構造であり、
最内層1及び最外層2を有し、また両層間に混合層3を
有している。最内層1及び最外層2は、それぞれ物性の
異なるパルプ繊維を含有する二種類のスラリーを抄紙原
料として用いてそれぞれ形成されている。各パルプ繊維
としては、その長さ加重平均繊維長(以下、単に平均繊
維長という)、カナディアン・スタンダード・フリーネ
ス(以下、単にフリーネスという)及び繊維長の度数分
布に関する値がそれぞれ特定の範囲内であるものが用い
られる。斯かる二種類のスラリーから多層の成形体を形
成することで、肉厚ムラが無く、抄紙時に割れが発生せ
ず且つ金型表面形状の転写性に優れた成形体を得ること
ができる。本明細書にいう平均繊維長とは、パルプ繊維
の繊維長の度数分布を測定し、その長さ加重平均から求
められる値をいう。測定にはKAJAANI FS-200繊維長測定
器〔バルメットオートメーション(株)社製〕を用い、
測定条件は、ファイバーカウント2万以上とした。
【0007】最内層1を形成するスラリー(以下、この
スラリーを最内層用スラリーという)に含有されるパル
プ繊維は、主に抄紙時に割れ及び肉厚ムラが発生するこ
とを防止する作用を有し、該パルプ繊維としては、平均
繊維長が0.8〜2.0mm、好ましくは0.9〜1.
8mm、更に好ましくは1.0〜1.5mmであるもの
が用いられる。平均繊維長が0.8mmに満たないと抄
紙時又は乾燥時に、成形体にひび割れが生じたり、衝撃
強度等の機械物性に劣る成形体となってしまい、2.0
mmを超えると抄紙時に形成されるパルプ層に肉厚ムラ
が発生しやすく、成形体の表面平滑性が劣るものとなっ
てしまう。
【0008】また、上記パルプ繊維としては、フリーネ
スが100〜600cc、好ましくは200〜500c
c、更に好ましくは300〜400ccのものが用いら
れる。フリーネスが100ccに満たないと濾水性が低
過ぎ成形サイクルの高速化が難しく、成形体の脱水不良
となってしまい、600ccを超えると濾水性が高過ぎ
抄紙時に形成されるパルプ層に肉厚ムラが生じる。
【0009】更に、上記パルプ繊維としては、繊維長の
度数分布において繊維長0.4mm以上1.4mm以下
の範囲(以下、この範囲を範囲Aという)の繊維が全体
の20〜90%を占め且つ1.4mm超30mm以下の
範囲(以下、この範囲を範囲Bという)の繊維が全体の
5〜50%を占めるものが用いられる。最内装用スラリ
ーに含有されるパルプ繊維として好ましく用いられるパ
ルプ繊維の繊維長の度数分布の一例は図2に示す通りで
あり、度数分布曲線における範囲Aの部分の面積(図
中、斜線で示す)の、全体の面積に対する比率が、範囲
Aの繊維長を有するパルプ繊維の占める割合(%)に相
当する。同様に、度数分布曲線における範囲Bの部分の
面積(図中、斜線で示す)の、全体の面積に対する比率
が、範囲Bの繊維長を有するパルプ繊維の占める割合
(%)に相当する。そして、斯かる度数分布を有するパ
ルプ繊維を用いることによって、平均繊維長及びフリー
ネスを上記範囲内とすることと相俟って、肉厚が均一
で、抄紙時に割れが発生せず、表面の平滑性に優れた成
形体を得ることができる。範囲Aの繊維長を有するパル
プ繊維は好ましくは全体の30〜80%、更に好ましく
は35〜65%を占め、範囲Bの繊維長を有するパルプ
繊維は好ましくは7.5〜40%、更に好ましくは10
〜35%を占める。
【0010】特に、図2に示すように、範囲A及び範囲
Bにそれぞれ度数分布のピークPA、PB を有すること
が、上述の効果が一層高められる点から好ましい。
【0011】上述の平均繊維長、フリーネス及び繊維長
の度数分布を有するパルプ繊維は、例えばその種類(例
えばNBKPやLBKP、古紙パルプなど)、叩解条件
(例えばパルプ繊維のフィブリル化又はカッティング
化)、複数種類のパルプのブレンド条件等を制御するこ
とで得ることが出来る。特に、平均繊維長1.5〜30
mmの比較的長いパルプ繊維と、平均繊維長0.3〜
1.0mmの比較的短いパルプ繊維とを、前者/後者の
ブレンド比が90/10〜40/60(重量基準)とな
るようにブレンドして上記のパルプ繊維を得ることが、
表面平滑性の高い成形体が得られる点から好ましい。
【0012】最外層2を形成するスラリー(以下、この
スラリーを最外層用スラリーという)に含有されるパル
プ繊維は、主に金型表面形状の転写性を向上させる作用
を有し、該パルプ繊維としては、平均繊維長が0.2〜
1.0mm、好ましくは0.25〜0.9mm、更に好
ましくは0.3〜0.8mmであるものが用いられる。
平均繊維長が0.2mmに満たないと、抄紙時に形成さ
れるパルプ層の歩留りが劣ってしまい(パルプ繊維がネ
ットの網目を通過する量が多くなる)、1.0mmを超
えると金型の抄紙面の形状の転写性または表面平滑性に
劣る成形体となってしまう。
【0013】また、上記パルプ繊維としては、フリーネ
スが50〜600cc、好ましくは100〜500c
c、更に好ましくは200〜400ccのものが用いら
れる。フリーネスが50ccに満たないと濾水性が低過
ぎ、成形サイクルの短縮化が難しく、成形体が脱水不良
になってしまい、600ccを超えると濾水性が高過
ぎ、抄紙時に形成されるパルプ層に肉厚むらが生じてし
まう。
【0014】更に、上記パルプ繊維としては、繊維長の
度数分布において繊維長0.4mm以上1.4mm以下
の範囲(範囲A)の繊維が全体の50〜95%、好まし
くは60〜95%、更に好ましくは70〜95%を占め
るものが用いられる。斯かる度数分布を有するパルプ繊
維を用いることによって、平均繊維長及びフリーネスを
上記範囲内とすることと相まって、肉厚が均一で、抄紙
時に割れが発生せず、表面平滑性、金型の抄紙面の形状
の転写性に優れた成形体となる。この場合、繊維長1.
4mm超のパルプ繊維及び0.4mm以下のパルプ繊維
の割合に特に制限は無い。
【0015】上述の平均繊維長、フリーネス及び繊維長
の度数分布を有するパルプ繊維は、最内層用スラリーに
含有されるパルプ繊維と同様の手段で得ることが出き、
特にパルプ繊維をカッティング化して得ることが、短繊
維化する効率が良くなるので好ましい。
【0016】最内層用スラリー及び最外層用スラリー
は、それぞれ上記パルプ繊維と水とからなるものでもよ
く、或いはこれらに加えてタルクやカオリナイト等の無
機物、ガラス繊維やカーボン繊維等の無機繊維、ポリオ
レフィン等の合成樹脂の粉末又は繊維、非木材又は植物
質繊維、多糖類等の成分を含有していてもよい。これら
の成分の配合量は、上記パルプ繊維及び該成分の合計量
に対して1〜70重量%、特に5〜50重量%であるこ
とが好ましい。また、最内層用スラリー及び/又は最外
層用スラリーに、和紙原料を含有させることも好まし
い。
【0017】本実施形態の成形体は多層構造となってい
るので、各層に個別に機能を付与することが可能であ
る。例えば、最外層用スラリーにのみ着色物質、例えば
顔料又は染料等の着色剤や有色の合成繊維又は和紙原料
を配合することで、最外層2のみを着色層とすることが
できる。最外層用スラリーにのみ着色剤を配合すること
は、同スラリーに白色度の比較的低いパルプ、例えば脱
墨パルプ等の古紙を原料とするパルプを配合する場合
(例えば白色度が60%以上、特に70%以上)に、そ
の色調を容易に調整でき、着色剤の配合量を減らすこと
が可能となり、成形品を安価に製造し得ることから有効
である。着色物質の配合量は、パルプ繊維の配合量の
0.1〜15重量%であることが好ましい。また、脱墨
パルプの使用量が少なくなり成形品を安価に製造し得る
ことから好ましい。
【0018】また、最外層用スラリーに撥水剤、耐水
剤、防湿剤、定着剤、防黴剤、帯電防止剤等の添加剤を
配合させておくことで、最外層2に各添加剤の機能に応
じた機能を付与することができる。これらの添加剤が配
合された最外層2は、その表面張力が10dyn/cm
以下であることが好ましく、また撥水度(JIS P8
137)がR10であることが好ましい。更に、最外層
用スラリーに熱可塑性合成樹脂の粉末又は繊維を配合さ
せておくことで、最外層2に耐摩耗性を付与し、毛羽立
ち等を抑えることができる。この耐摩耗性の程度は、鉛
筆引掻強度(JIS K 5400)で表して3H以上
であることが好ましい。
【0019】本実施形態の成形体においては、図1に示
すように、最内層1と最外層2との間に混合層3が介在
している。混合層3は、最外層2の配合組成から最内層
1の配合組成へと組成が連続的に変化した層である。最
内層1と最外層2との間に混合層3が介在することによ
り、最内層1と最外層2との間の接合強度が高まり、両
層間の層間剥離が効果的に防止される。最内層1と最外
層2との間に混合層3が形成されていることは、成形体
の断面の顕微鏡観察により確認できる。
【0020】最内層1、最外層2及び混合層3それぞれ
の厚みは、成形体の用途等に応じて適宜決定することが
できる。特に、最内層の厚みが、成形体全体の厚みの3
0〜95%、特に50〜90%であると、成形時の割れ
や肉厚ムラの発生が効果的に防止できることから好まし
い。また、最外層2の厚みが、成形体全体の厚みの10
%以上50%未満であると、内層側に白色度の低いパル
プ繊維を用いた場合に、外部からみて十分な隠蔽性が発
現し得ることから好ましい。各層の厚みは、成形体製造
時のスラリーの注入量及び濃度によって決定される。
【0021】本発明の成形体を製造する方法に特に制限
は無く、例えば特公昭51−34002号公報及び特開
平8−232200号公報に記載の方法を用いることが
出来る。また、開口部、胴部及び底部を有する中空成形
体を製造する場合には、一対の抄紙用割型を突き合わせ
ることによりキャビティが形成される金型の該キャビテ
ィ内に、最外層用スラリーを注入した後、最内層用スラ
リーを該キャビティ内に注入する方法を用いると、胴部
につなぎ目が無い中空成形体が得られることから好まし
い。とりわけ、図1に示すような混合層3が最内層1と
最外層2との間に介在する成形体を製造する場合には、
上記キャビティ内に最外層用スラリーを加圧注入し;該
キャビティ内を脱水して該キャビティの内面に最外層2
を形成させつつ、該キャビティ内に、最内層用スラリー
を加圧注入し;該キャビティ内を更に脱水して、最外層
2上に、最外層2の配合組成から最内層1の配合組成へ
と組成が連続的に変化した混合層3を形成すると共に混
合層3上に最内層1を形成する方法を用いることが好ま
しい。図3には、斯かる方法によって図1に示す構造の
成形体を製造する工程のうちの抄紙工程を順次示す工程
図が示されており、(a)は最外層用スラリーの注入工
程、(b)は最外層用スラリーの脱水及び最内層用スラ
リーの注入工程、(c)は最内層用スラリーの脱水工
程、(d)は中子挿入工程、(e)は加圧・脱水工程、
(f)は金型を開く工程である。
【0022】先ず、図3(a)に示すように、一対の割
型11,12を突き合わせることにより成形すべき成形
体の外形に対応した形状のキャビティ13が内部に形成
される金型10の上部開口部からキャビティ13内に所
定量の最外層用スラリーIを加圧注入させる。各割型1
1,12には、外部とキャビティ13とを連通する複数
の連通孔14がそれぞれ設けられている。また、各割型
11,12の内面は、所定の大きさの網目を有するネッ
ト(図示せず)によってそれぞれ被覆されている。最外
層用スラリーIの加圧注入には例えばポンプが用いられ
る。最外層用スラリーIの加圧注入の圧力は好ましくは
0.01〜5MPa、更に好ましくは0.01〜3MP
aとする。
【0023】キャビティ13内は加圧されているので、
最外層用スラリー中の水分は金型10の外へ排出される
と共に図3(b)に示すように最外層用スラリー中のパ
ルプ繊維がキャビティ13の内面に堆積されて、キャビ
ティ13の内面に最外層2が形成される。次いで、金型
10の上部開口部からキャビティ13内に、最内層用ス
ラリーIIを加圧注入させる。これによって、キャビティ
13内には、最外層用スラリーと最内層用スラリーとの
混合スラリーが存在することになる。最内層用スラリー
IIの加圧注入の圧力は、最外層用スラリーIの加圧注入
の圧力と同程度とすることができる。
【0024】最内層用スラリーの加圧注入と共にキャビ
ティ13内の脱水を引き続き行うと、上記混合スラリー
の成分からなるパルプの混合層(図示せず)が、最外層
2上に形成される。この場合、上記混合スラリーにおい
ては、経時的且つ連続的に最内層用スラリーの割合を最
外層用スラリーの割合に比して多くすることができるの
で、最外層2上に形成される混合層においては、最外層
用スラリーの配合組成から最内層用スラリーの配合組成
へと組成が連続的に変化していくことになる。
【0025】図3(c)に示すように最内層用スラリー
IIの加圧注入して加圧・脱水を引き続き行うと、キャビ
ティ13内の上記混合スラリーの配合組成は最終的に最
内層用スラリーの配合組成と同じになり、結果的に同図
に示すように、混合層上に、最内層用スラリーの成分が
堆積された最内層1が形成される。
【0026】このように、本製造方法においては、最外
層用スラリーI及び最内層用スラリーIIを連続的にキャ
ビティ13内に注入するので、効率的に成形体を製造す
ることができる。
【0027】所定厚みの最内層1が形成されたら、最内
層用スラリーの加圧注入を停止し、キャビティ13内に
空気を圧入して加圧・脱水する。引き続き、図3(d)
に示すように、空気の圧入を停止し、キャビティ13内
を吸引・減圧すると共に、弾性を有し伸縮自在で且つ中
空状をなす中子18をキャビティ13内に挿入させる。
中子18は、キャビティ13内において風船のように膨
らませて、最内層、混合層及び最外層からなる積層体
(以下、パルプ積層体という)をキャビティ13の内面
に押圧させることにより、キャビティ13の内面形状を
付与するのに使用される。従って、中子18は引張強
度、反発弾性及び伸縮性等に優れたウレタン、フッ素系
ゴム、シリコーン系ゴム又はエラストマー等によって形
成されている。
【0028】次に、図3(e)に示すように、中子18
内に加圧流体を供給して中子18を膨張させ、膨張した
中子18により上記成形体をキャビティ13の内面に押
圧させる。すると、上記パルプ積層体は、膨張した中子
18によってキャビティ13の内面に押し付けられ、上
記パルプ積層体にキャビティ13の内面形状が転写され
ると共に脱水が更に進行する。このように、キャビティ
13の内部から上記パルプ積層体がキャビティ13の内
面に押し付けられるために、キャビティ13の内面の形
状が複雑であっても、精度良くキャビティ13の内面の
形状が上記パルプ積層体に転写されることになる。その
上、従来のパルプモールドの製造方法と異なり、貼り合
わせ工程を用いる必要が無いので、得られる成形体には
貼り合わせによるつなぎ目及び肉厚部は存在しない。そ
の結果、得られる成形体の強度が高まると共に外観の印
象が良好となる。中子18を膨張させるために用いられ
る加圧流体としては、例えば圧縮空気(加熱空気)、油
(加熱油)、その他各種の液が使用される。また、加圧
流体を供給する圧力は、0.01〜5MPa、特に0.
1〜3MPaとなすことが好ましい。
【0029】パルプ積層体にキャビティ13の内面の形
状が十分に転写され且つパルプ積層体を所定の含水率ま
で脱水できたら、図3(f)に示すように、中子18内
の加圧流体を抜く。すると、中子18が自動的に縮んで
元の大きさに戻る。次いで、縮んだ中子18をキャビテ
ィ13内より取出し、更に金型10を開いて所定の含水
率を有する湿潤した状態のパルプ積層体19を取り出
す。
【0030】取り出されたパルプ積層体19は次に加熱
・乾燥工程に付される。加熱・乾燥工程では、抄紙・脱
水を行わない以外は、図3に示す抄紙工程と同様の操作
が行われる。即ち、先ず、一対の割型を突き合わせるこ
とにより成形すべき成形体の外形に対応した形状のキャ
ビティが形成される金型を所定温度に加熱し、加熱され
た該金型内に湿潤した状態の上記パルプ積層体を装填す
る。
【0031】次に、上記抄紙工程で用いた中子18と同
様の中子を上記パルプ積層体内に挿入させ、該中子内に
加圧流体を供給して該中子を膨張させ、膨張した該中子
により上記パルプ積層体を上記キャビティの内面に押圧
させる。中子の材質及び加圧流体の供給圧力は、上記抄
紙工程と同様とすることができる。この状態下に、上記
パルプ積層体を加熱乾燥させる。上記パルプ積層体が、
十分に乾燥したら、上記中子内の加圧流体を抜き、該中
子を縮ませて取り出す。更に上記金型を開いて、成形さ
れた成形体を取り出す。
【0032】このようにして得られた本実施形態の成形
体4は、図3(g)に示すように、開口部5の直径が胴
部6の直径よりも小さい円筒形状のボトル(中空容器)
であり、粉状体や粒状体等の内容物の収容に好適に使用
される。この成形体4には、開口部5、胴部6及び底部
7の何れにもにつなぎ目が無く、且つ開口部5、胴部6
及び底部7が一体的に形成されている。従って、成形体
4の強度が高まると共に外観の印象が良好となる。ま
た、金型の表面形状の転写が容易でない底部7から胴部
6にかけての立ち上がり部等の部位の形状や開口部5に
ネジを形成する場合の転写も良好に行われる。
【0033】本発明の成形体は図1に示す層構造よりも
多層の構造でもよい。また、成形体の抄造後、外面及び
/又は内面にプラスチック層や塗工層等を設け、成形体
の強度を一層高めたり、内容物の漏れ出し等を効果的に
防止したり、或いは加飾を施してもよい。また、成形体
の使用に際して負荷がかかる部分、例えば開口部や底部
にプラスチック等からなる補強部材を配して、成形体の
耐久性を向上させるようにしてもよい。また、これらの
部分の一部をプラスチック等から形成してもよい。ま
た、本発明の成形体は、開口部の横断面形状と胴部の横
断面形状とがほぼ同様な略直方体状のカートン型の容器
となしてもよい。また、本発明の成形体を、内容物の収
容に用いられる中空容器としての用途以外に、置物等の
オブジェ等の用途に適用してもよい。
【0034】
【実施例】以下の実施例及び比較例において、特に詳述
しない限り「%」は「重量%」を意味する。
【0035】〔実施例1〜4及び比較例1〜3〕一対の
割型を突き合わせることにより成形すべき成形体の外形
に対応した形状のキャビティが内部に形成される抄紙金
型の上部開口部からキャビティ内に、下記の表1に示す
物性を有するパルプ繊維を1.0%含む最外層用スラリ
ーを圧力0.3MPaで加圧注入した。キャビティ内を
脱水してキャビティ内面に、最外層用スラリーによる最
外層を形成させた。最外層の形成と平行して、下記の表
1に示す物性を有するパルプ繊維を1.0%を含む最内
層用スラリーを、キャビティ内に圧力0.3MPaで加
圧注入した。更に金型の上部開口部からキャビティ内に
空気を圧力0.1MPaで圧入し、最外層上に、最外層
用スラリーの配合組成から最内層用スラリーの配合組成
へと配合組成が連続的に変化した混合層を形成し、更に
この混合層上に最内層用スラリーによる最内層を形成し
た。このようにして得られたパルプ積層体内に弾性体か
らなる中子を挿入し、中子内に空気を圧力1.5MPa
で圧入してパルプ積層体をキャビティ内面に押しつけて
更に脱水を行った。次いで、抄紙金型を開きパルプ積層
体を取り出し、これを加熱金型内に装填した。加熱金型
は抄紙金型と同様の形状のキャビティを有するものであ
る。加熱金型内に装填されたパルプ積層体内に弾性体か
らなる中子を挿入し、中子内に空気を圧力1.5MPa
で圧入してパルプ積層体をキャビティ内面に押しつけた
状態下に加熱金型を200℃に加熱してパルプ積層体を
乾燥させた。パルプ積層体が十分に乾燥したところで加
熱金型を開き、ボトル状の成形体を取り出した。
【0036】得られた成形体の成形性を表1に示す。ま
た成形体の表面粗さを(株)東京精密のサーフコム12
0Aによって測定した。また、キャビティ内面形状の成
形品への転写性を目視により評価した。更に、得られた
成形体から長さ70mm×幅20mmの切片を切り出
し、この切片を混合層の部分で剥離させて、Y字型の試
料片を作成した。この試料片を引張試験器にチャック間
距離20mmで装着し、引張速度30mm/minにて
180°剥離試験を行った。これらの結果を表1に示
す。
【0037】〔実施例5〕最外層用スラリーをキャビテ
ィ内に注入し最外層を完全に形成した後に、最内層用ス
ラリーをキャビティ内に注入し最外層上に最内層を形成
する以外は実施例1と同様にしてボトル状の成形体を得
た。この成形体には最外層と最内層との間に混合層が存
在していなかった。この成形体について上記と同様の測
定を行った。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示す結果から明らかなように、最内
層及び最外層が特定の物性を有するパルプ繊維を含有す
るスラリーを用いて形成された各実施例の成形体は、比
較例の成形体に比して成形時の割れや肉厚むら(成形品
の平均厚みに対して厚みが1/2以下となった部分や目
視により透かして区別できる程度の厚みの部分)の発生
が防止され、また表面平滑性に優れることが判る。特
に、最内層と最外層との間に混合層が形成されている実
施例1〜4の成形体では、実施例5の成形体に比して、
最内層と最外層との間の剥離強度が高くなっている。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、肉厚が均一で、抄紙時
に割れが発生せず、転写性に優れた多層パルプモールド
中空成形体が得られる。特に、開口部、胴部及び底部を
有する中空成形体において、該胴部につなぎ目を生じさ
せることなく、深さの深い表面の平滑な中空成形体を、
均一な肉厚で且つ割れを発生させずに得ることができ
る。また、最内層と最外層との間に上述の混合層を形成
することで、両層間の層間剥離強度を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形体の多層構造を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の成形体に好ましく用いられるパルプ繊
維の繊維長の度数分布の一例を示す図である。
【図3】本発明の多層パルプモールド中空成形体を製造
する工程のうちの抄紙工程を順次示す工程図である。
【符号の説明】
1 最内層 2 最外層 3 混合層 4 成形体 5 開口部 6 胴部 7 底部
フロントページの続き (72)発明者 大谷 憲一 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−116492(JP,A) 特開 平8−92900(JP,A) 特開 昭48−50003(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21J 3/00 - 3/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最外層及び最内層を有する多層パルプモ
    ールド中空成形体において、 上記最内層は、長さ加重平均繊維長が0.8〜2.0m
    m、カナディアン・スタンダード・フリーネスが100
    〜600ccで、繊維長の度数分布において繊維長0.
    4mm以上1.4mm以下の範囲の繊維が全体の20〜
    90%を占め且つ1.4mm超30mm以下の範囲の繊
    維が全体の5〜50%を占めるパルプ繊維を含有するス
    ラリーを用いて形成されており、 上記最外層は、長さ加重平均繊維長が0.2〜1.0m
    m、カナディアン・スタンダード・フリーネス50〜6
    00ccで、繊維長の度数分布において繊維長0.4m
    m以上1.4mm以下の範囲の繊維が全体の50〜95
    %を占めるパルプ繊維を含有するスラリーを用いて形成
    されており、且つ 上記最内層に含有される上記パルプ繊
    維及び上記最外層に含有される上記パルプ繊維は、それ
    ぞれ物性の異なるパルプ繊維である多層パルプモールド
    中空成形体。
  2. 【請求項2】 最内層の厚みが全体の厚みの30〜95
    %である請求項1記載の多層パルプモールド中空成形
    体。
  3. 【請求項3】 最外層と最内層との間に、最外層の配合
    組成から最内層の配合組成へと組成が連続的に変化した
    混合層が形成されている請求項1又は2記載の多層パル
    プモールド中空成形体。
  4. 【請求項4】 外部と内部とを連通する複数の連通孔が
    それぞれ形成された一対の抄紙用割型を突き合わせるこ
    とにより成形すべき上記中空成形体の外形に対応した形
    状のキャビティが形成される金型の該キャビティ内に、
    最外層を形成するスラリーを注入した後、最内層を形成
    するスラリーを該キャビティ内に注入することにより得
    られる請求項1〜3の何れかに記載のパルプモールド成
    形体。
  5. 【請求項5】 最外層に配合されるパルプの白色度が6
    0%以上である請求項1〜4の何れかに記載のパルプモ
    ールド成形体。
  6. 【請求項6】 最外層の鉛筆引掻強度(JIS K 5
    400)が3H以上である請求項1〜5の何れかに記載
    のパルプモールド成形体。
  7. 【請求項7】 最外層の表面張力が10dyn/cm以
    下である請求項1〜6の何れかに記載のパルプモールド
    成形体。
  8. 【請求項8】 最外層に着色物質が配合されており、該
    着色物質の配合量が最外層に配合されたパルプ繊維の
    0.1〜15重量%である請求項1〜7の何れかに記載
    のパルプモールド成形体。
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