JP3118706B2 - パルプモールド中空成形体 - Google Patents

パルプモールド中空成形体

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JP3118706B2
JP3118706B2 JP37371398A JP37371398A JP3118706B2 JP 3118706 B2 JP3118706 B2 JP 3118706B2 JP 37371398 A JP37371398 A JP 37371398A JP 37371398 A JP37371398 A JP 37371398A JP 3118706 B2 JP3118706 B2 JP 3118706B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプを主原料と
するパルプモールド中空成形体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】蓋を有
する容器やボトル等の如き中空容器の原料には、成形性
に優れると共に生産性の面でも有利なことから、一般的
にプラスチックが使用されている。しかし、プラスチッ
ク製の中空容器は廃棄処理上種々の問題があることか
ら、これに代わるものとして、パルプ製の中空容器が考
えられる。パルプ製の中空容器は、廃棄処理が容易であ
ることに加え、古紙を原料として製造することが可能で
あることから経済的にも優れている。
【0003】パルプモールド容器に関する技術として、
例えばボトル本体の外周面にリング凸状リブが設けられ
ているもの等が知られている。しかし、そのようなボト
ルは、一対の割型の各表面に個別にパルプ層を形成し、
次いで、両割型同士を突き合わせ、二つのパルプ層を貼
り合わせて形成されたものなので、貼り合わせ部につな
ぎ目が生じてしまい、ボトル強度が低下し、またボトル
の外観も良好でない。
【0004】従って、本発明は、ボトル強度の低下がな
く、外観の印象が良好であり、開口部又は胴部に所定形
状の凹又は凸部を有するパルプモールド中空成形体を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、底部、胴部及
び開口部を有し、該胴部に凹状部若しくは凸状部が形成
されており、且つ該凹状部及び該凸状部は、直線的に連
続している場合には成形体の水平方向又は斜め方向にの
み連続しており、該胴部につなぎ目が存在せず、縦断面
及び/又は横断面におけるコーナー部の肉厚T2が、そ
れ以外の部分の肉厚T1よりも大きいパルプモールド中
空成形体を提供することにより、上記目的を達成したも
のである。また、本発明は、底部、胴部及び開口部を有
し、該開口部の周縁部に内方に延出する延出部が形成さ
れており、該胴部につなぎ目が存在せず、縦断面及び/
又は横断面におけるコーナー部の肉厚T2が、それ以外
の部分の肉厚T1よりも大きいパルプモールド中空成形
体を提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。また、本発明は、底部、胴部及び開口部を有し、該
胴部に凹状部若しくは凸状部が形成されており、且つ該
凹状部及び該凸状部は、直線的に連続している場合には
成形体の水平方向又は斜め方向にのみ連続しており、該
胴部につなぎ目が存在せず、その内面及び外面が平滑で
り、縦断面及び/又は横断面におけるコーナー部の密
度ρ2が、それ以外の部分の密度ρ1よりも小さいパル
プモールド中空成形体を提供することにより、上記目的
を達成したものである。また、本発明は、底部、胴部及
び開口部を有し、該開口部の周縁部に内方に延出する延
出部が形成されており、該胴部につなぎ目が存在せず、
その内面及び外面が平滑であり、縦断面及び/又は横断
面におけるコーナー部の密度ρ2が、それ以外の部分の
密度ρ1よりも小さいパルプモールド中空成形体を提供
することにより、上記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明のパルプモールド中
空成形体を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照
して説明する。図1及び図2には本実施形態のパルプモ
ールド中空成形体(以下、単に成形体という)1の斜視
図及び縦断面図が示されている。この成形体1は、粉状
体や粒状体等の内容物の収容に好適な中空容器であり、
その上部に開口部2を有し、更に胴部3及び底部4を有
している。
【0007】胴部3と底部4とは、曲面部5を介して連
設されており、これにより成形体1の衝撃強度が高めら
れている。曲面部5の曲率は0.5mm以上、特に5m
m以上であることが、衝撃強度の向上、乾燥効率の向上
及び成形体の表面仕上げ向上等の点から好ましい。成形
体1の横断面の形状は、成形体1の高さ方向に亘ってほ
ぼ同じであり、四隅が丸みを帯びた矩形状となってい
る。これによっても成形体1の衝撃強度が高められてい
る。この四隅の曲率は、曲面部5の場合と同様の理由に
より、0.5mm以上、特に5mm以上であることが好
ましい。
【0008】胴部3を構成する前後壁の外面は、成形体
1を側面方向から視たときに、成形体1の高さ方向に亘
って直線をなすような形状となっている(但し、後述す
る凹状部6は除く)。同様に、胴部3を構成する左右側
の外面も、成形体1を正面方向から視たときに、成形体
1の高さ方向に亘って直線をなすような形状となってい
る(同様に凹状部6は除く)。
【0009】底部4は、中央凹部7と、中央凹部7を取
り囲む連続したヒール部8とから構成されている。ヒー
ル部8の外面は、成形体1の接地部となっている。底部
4がこのような構成を有していることによって、成形体
1の載置安定性(いわゆる座り)が向上する。
【0010】胴部3には、その全周に亘って連続した凹
状部6が形成されている。図2に示すように凹状部6は
その縦断面の形状が円弧状になっている。これによって
成形体1の把持性が高められている。また、開口部2の
周縁部には、内方に延出する延出部9が全周に亘って連
続して形成されている。この延出部9は、開口部2の強
度を高める作用を有する。またその上面は、開口部2を
封緘紙等で封鎖するときに、該封緘紙の糊代部として用
いられる。成形体1における凹状部6及び延出部9は、
プラスチックの射出成形の分野でアンダーカット部と呼
ばれる部位に相当するものであり、本発明にいう凹状
部、凸状部及び延出部は、斯かるアンダーカット部と呼
ばれる部位に相当する部位をすべて包含する。従って、
成形体1の垂直方向に直線的に連続して形成されている
凹状部及び凸状部は、アンダーカット部に相当するもの
ではないので、本発明における凹状部及び凸状部から除
外される。換言すれば、凹状部及び凸状部が直線的に連
続している場合には、成形体1の水平方向又は斜め方向
にのみ連続している。従来のパルプモールド法を用いた
場合に、上記の凹状部6及び/又は延出部9を有する容
器を、貼り合わせによるつなぎ目を生じさせること無く
製造することは出来なかった。これに対して本発明の成
形体は、凹状部6及び延出部9を有しているにもかかわ
らず、貼り合わせによるつなぎ目が無いので、強度の低
下が防止され、また外観の印象が良好となる。
【0011】成形体1には貼り合わせによるつなぎ目が
無いので、その外面及び内面が平滑になされている。こ
れにより、例えばその外面及び/又は内面にプラスチッ
ク層や塗工層を形成する場合に密着性が良好になり、ま
た外面への印刷を容易に且つきれいに行うことができ
る。更に、外観の印象も一層良好となる。本明細書にお
いて「平滑」とは、成形体の外面又は内面の表面凹凸形
状についての中心線平均粗さ(Ra)が50μm以下
で、且つ最大高さ(Ry)が500μm以下であること
をいう。また、成形体1は、その肉厚が、成形体1の縦
断面及び横断面の何れにおいても均一になされている。
【0012】成形体1においては、図2に示すように底
部4の接地面Bと胴部3の側壁の外面とのなす角θが、
前後壁及び左右壁の何れにおいても略90°となってい
る。また胴部3の高さh(図2参照)が50mm以上、
好ましくは100mm以上となっている。従来のパルプ
モールド法によれば、このように側壁の立ち上がり角度
が大きく且つ底の深い容器を、貼り合わせによるつなぎ
目を生じさせること無く製造することは出来ず、容器の
デザインに関し種々の制約があったが、本発明によれば
そのような不都合が無い。尚、角θの測定対象となる胴
部の側壁の外面とは、成形体1を正面方向又は側面方向
から視たときに、該側壁の外面において、成形体1の高
さ方向に亘って直線をなす部分をいう。従って、上記の
角θの測定に際しては、胴部3に形成された凹状部6の
外面は測定対象とならない。上記の角θは、成形体1の
用途等に応じて90°以下でもよいし、或いは90°以
上でもよい。
【0013】成形体1は、パルプを主原料として形成さ
れている。勿論パルプ100%から形成されていてもよ
い。パルプに加えて他の材料を用いる場合には、他の材
料の配合量を1〜70重量%、特に5〜50重量%とす
ることが好ましい。他の材料としてはタルクやカオリナ
イト等の無機物、ガラス繊維やカーボン繊維等の無機繊
維、ポリオレフィン等の合成樹脂の粉末又は繊維、非木
材又は植物質繊維、多糖類等が挙げられる。
【0014】上述の原料から形成された成形体1におい
ては、その密度(即ち、成形体1の肉部の密度)を0.
4〜2.0g/cm3 とすることで、成形体1の引張強
度、圧縮強度、落下強度及び間口強度等の機械的物性が
満たされ、中空容器としての適切な剛性をもった成形体
にすることができる。成形体1の密度を更に好ましくは
0.6〜1.5g/cm3 することで、その使用感を向
上させることができる。
【0015】また、成形体1のJIS Z0208に基
づく透湿度を100g/(m2 ・24hr)以下、好ましく
は50g/(m2 ・24hr)以下にすることで、大気中の
水分が吸収されにくくなり、中空容器としての適切な剛
性を保つことができ、内容物の品質が水分の吸収によっ
て損なわれるのを効果的に防止すること、即ち内容物の
保存安定性を向上させることができる。
【0016】成形体1は、その引張強度が5MPa以
上、特に10MPa以上であると、衝撃等による破断を
抑えることができることから好ましい。ここでいう引張
強度は、JIS P 8113に準じ、成形体1の任意
の部分から長さ140mm×幅15mmの測定片を切り
出し、引張試験機にチャック間距離100mmで装着さ
せて、引張速度20mm/minで引っ張ったときの破
断強度を意味する。但し、上記大きさの測定片が得られ
ない成形体では、測定片の大きさ等を適宜変更して測定
する。
【0017】また、成形体1は、その比圧縮強度が10
0Nm2 /g以上、特に110Nm 2 /g以上である
と、成形体1を積み上げても潰れにくくなる観点から好
ましい。ここでいう比圧縮強度は、JIS P 812
6に準じた方法で測定したものである。
【0018】更に、成形体1は、その落下強度をJIS
Z 0217に準じた方法で測定した場合に、10回
の落下でも割れない強度を有していることが好ましい。
また、成形体1の間口強度の測定として、成形体1の開
口部2を側面から押圧して30mm変形させた場合に、
その押圧力が10N以上であることが好ましい。
【0019】更に、成形体1においては、その縦断面及
び/又は横断面におけるコーナー部の肉厚が、それ以外
の部分の肉厚よりも大きく、これによって両肉厚が同じ
場合に比して成形体1全体としての圧縮強度(挫屈強
度)が向上する。例えば図2に示す成形体1の縦断面図
において、コーナー部、即ち曲面部5の肉厚T2が、胴
部3の肉厚T1よりも大きい(即ち、T2>T1であ
る)。この場合、T2/T1が1.5〜2であると成形
体1全体の圧縮強度が更に向上する。また、T1自身の
厚みが0.1mm以上であることが、成形体1に要求さ
れる最低限の圧縮強度を発現させる点から好ましい。成
形体1が所定の圧縮強度を有することは、成形体1の輸
送、及び倉庫や店頭における成形体1の積み上げ等の観
点から必要とされる。同様に、図5に示す成形体1の胴
部における横断面図においても、コーナー部の肉厚T2
が、それ以外の部分の肉厚T1よりも大きい。
【0020】T1とT2との間に上記の関係があること
に加えて、成形体1の縦断面及び/又は横断面における
コーナー部の密度ρ2が、それ以外の部分の密度ρ1よ
りも小さいと(即ちρ1>ρ2であると)、成形体1の
圧縮強度が向上し且つ使用する材料の量を減らすことが
できるという二律背反の現象を同時に満たすという効果
が奏される。この場合、0.1×ρ1<ρ2<ρ1であ
ると、この効果が一層際だったものとなる。これらの関
係を満たす成形体1においては、その圧縮強度が190
N以上となる。尚、この圧縮強度は成形体1を、その高
さ方向から速度20mm/minで圧縮したときの最大
強度である。T1とT2、及びρ1とρ2との間に上記
の関係を成立させるためには、例えば後述する成形体1
の好ましい製造方法において、中子16による押圧の際
の加圧流体の圧力や流量、中子16の材質や形状、成形
体の形状等を適切なものとすればよい。
【0021】一例として、胴部の横断面(図5参照)に
ついてT1及びT2、並びにρ1及びρ2が下記の表1
に示す値となるように製造した成形体1の圧縮強度は同
表に示す通りとなり、T2/T1の値が大きい程、且つ
ρ2/ρ1の値が小さい程、圧縮強度が向上しているこ
とが判る。しかも、圧縮強度の大きい例2の方が重量が
軽くなっている。同表に示すT1、T2、ρ1及びρ2
の値は、胴部の高さ方向4カ所について測定された値の
平均値である。
【0022】
【表1】
【0023】次に、本発明の成形体の好ましい製造方法
を、上記実施形態の成形体1の製造を例にとり図3を参
照して説明する。上記実施形態の成形体1は、パルプモ
ールド法によって製造され、特に、内部にキャビティを
有する金型の該キャビティ内面にパルプを堆積させるこ
とによって好適に製造される。図3(a)〜(d)に
は、斯かる方法によって成形体1を製造する工程のうち
の抄紙工程が順次示されており、具体的には(a)は抄
紙工程、(b)は中子挿入工程、(c)は加圧・脱水工
程、(d)は金型を開き、成形体の中間体を取り出す工
程である。
【0024】先ず、図3(a)に示すように、一対の割
型11,12を突き合わせることにより、成形すべき成
形体1の外形に対応した形状のキャビティ13が形成さ
れる金型10にパルプスラリーを注入させる。各割型1
1,12には、その外側面キャビティ13とを連通
る複数の連通孔14がそれぞれ設けられている。ま
た、各割型11,12の内面は、所定の大きさの網目を
有するネット(図示せず)によってそれぞれ被覆されて
いる。
【0025】次に、割型11,12の外側より吸引して
キャビティ13内を減圧し、パルプスラリー中の水分を
吸引すると共にパルプ繊維をキャビティ13の内面に堆
積させる。その結果、キャビティ13の内面には、パル
プ繊維が堆積されたパルプ層15が形成される。
【0026】所定厚みのパルプ層15が形成されたら、
パルプスラリーの注入を停止し、キャビティ13内を完
全に吸引・脱水する。引き続き、図3(b)に示すよう
に、キャビティ13内を吸引・減圧すると共に、弾性を
有し伸縮自在で且つ中空状をなす中子16をキャビティ
13内に挿入させる。中子16は、キャビティ13内に
おいて風船のように膨らませてパルプ層15をキャビテ
ィ13の内面に押圧させることにより、キャビティ13
の内面形状を付与するのに使用される。従って、中子1
6は引張強度、反発弾性及び伸縮性等に優れたウレタ
ン、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム又はエラストマー
等によって形成されている。また中子16は、中空状を
なす袋状のものであってもよい。
【0027】次に、図3(c)に示すように、中子16
内に加圧流体を供給して中子16を膨張させ、膨張した
中子16によりパルプ層15をキャビティ13の内面に
押圧させる。すると、パルプ層15は、膨張した中子1
6によってキャビティ13の内面に押し付けられ、パル
プ層15にキャビティ13の内面形状が転写されると共
に脱水が更に進行する。このように、本製造方法におい
てはキャビティ13の内部からパルプ層15をキャビテ
ィ13の内面に押し付けることでキャビティ13の内面
の形状を転写させるので、凹状部6及び延出部9を有す
る成形体であっても容易に成形することができる。その
上、従来の製造方法と異なり、貼り合わせ工程を用いる
必要が無いので、得られる成形体には貼り合わせによる
つなぎ目及び肉厚部は存在しない。その結果、得られる
成形体の強度が高まると共に外観の印象が良好となる。
中子16を膨張させるために用いられる加圧流体として
は、例えば圧縮空気(加熱空気)、油(加熱油)、その
他各種の液が使用される。また、加圧流体を供給する圧
力は、0.01〜5MPa、特に0.1〜3MPaとな
すことが好ましい。
【0028】パルプ層15にキャビティ13の内面の形
状が十分に転写され且つパルプ層15を所定の含水率ま
で脱水できたら、図3(d)に示すように、中子16内
の加圧流体を抜く。すると、中子16が自動的に縮んで
元の大きさに戻る。次いで、縮んだ中子16をキャビテ
ィ13内より取出し、更に金型10を開いて所定の含水
率を有する湿潤した状態の成形体の中間体15’を取り
出す。
【0029】取り出された中間体15’は次に加熱・乾
燥工程に付される。加熱・乾燥工程では、抄紙・脱水を
行わない以外は、図3に示す抄紙工程と同様の操作が行
われる。即ち、先ず、一対の割型を突き合わせることに
より成形すべき成形体1の外形に対応した形状のキャビ
ティが形成される金型を所定温度に加熱し、該金型内に
湿潤した状態の上記中間体を装填する。
【0030】次に、上記抄紙工程で用いた中子16と同
様の中子を上記中間体内に挿入させ、該中子内に加圧流
体を供給して該中子を膨張させ、膨張した該中子により
上記中間体を上記キャビティの内面に押圧させる。中子
の材質及び加圧流体の供給圧力は、上記抄紙工程と同様
とすることができる。この状態下に、上記中間体を加熱
乾燥させる。上記中間体が、十分に乾燥したら、上記中
子内の加圧流体を抜き、該中子を縮ませて取り出す。更
に上記金型を開いて、成形された成形体1を取り出す。
【0031】このようにして製造された成形体1は、胴
部3に凹状部6が形成されており、また開口部2の周縁
部に延出部9が形成されている。そして、胴部3に貼り
合わせによるつなぎ目が存在していない。
【0032】本発明は上述した実施形態に制限されるこ
となく、例えば、図2に示す凹状部6に代えて又はそれ
に加えて、図4に示すように、胴部3に、その全周に亘
って連続した凸状部6’を形成してもよい。この凸状部
6’も、上述したアンダーカット部と呼ばれるものに相
当する。また、胴部3に立体的な文字、図形又は記号が
形成されるように、凹状部6及び/又は凸状部6’を形
成してもよい。また、成形体1における延出部9は、開
口部2の周縁部において断続的に形成されていてもよ
い。また、成形体1の外面及び/又は内面にプラスチッ
ク層若しくはシュリンクフィルムの層又は塗工層等を設
け、成形体1の強度を一層高めたり、内容物の漏れ出し
等を効果的に防止したり、或いは加飾を施してもよい。
また、成形体1の使用に際して負荷がかかる部分、例え
ば開口部2や底部4にプラスチック等からなる補強部材
を配して、成形体1の耐久性を向上させるようにしても
よい。また、これらの部分の一部をプラスチック等から
形成してもよい。また、本発明の成形体は、開口部の開
口面積が、胴部の断面積よりも小さいボトル型の容器と
なしてもよい。また、本発明の成形体を、内容物の収容
に用いられる中空容器としての用途以外に、置物等のオ
ブジェ等の用途に適用してもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、ボトル強度の低下がな
く、外観の印象が良好であり、開口部又は胴部に所定形
状の凹又は凸部を有するパルプモールド中空成形体が得
られる。斯かる成形体は製造経費が低く、しかも使用後
には再利用又は焼却が可能であることから、ゴミの減量
化にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルプモールド中空成形体の一実施形
態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すパルプモールド中空成形体の縦断面
図である。
【図3】図3(a)〜(d)は図1に示す実施形態のパ
ルプモールド中空成形体を製造する工程のうちの抄紙工
程を順次示す工程図である。
【図4】本発明のパルプモールド成形体の他の実施形態
を示す縦断面図(図2相当図)である。
【図5】図1に示すパルプモールド中空成形体の胴部の
横断面図である。
【符号の説明】
1 パルプモールド中空成形体 2 開口部 3 胴部 4 底部 6 凹状部 6’凸状部 9 延出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 1/00 - 1/48 B21J 1/00 - 7/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部、胴部及び開口部を有し、該胴部に
    凹状部若しくは凸状部が形成されており、且つ該凹状部
    及び該凸状部は、直線的に連続している場合には成形体
    の水平方向又は斜め方向にのみ連続しており、該胴部に
    つなぎ目が存在せず、縦断面及び/又は横断面における
    コーナー部の肉厚T2が、それ以外の部分の肉厚T1よ
    りも大きいパルプモールド中空成形体。
  2. 【請求項2】 底部、胴部及び開口部を有し、該開口部
    の周縁部に内方に延出する延出部が形成されており、該
    胴部につなぎ目が存在せず、縦断面及び/又は横断面に
    おけるコーナー部の肉厚T2が、それ以外の部分の肉厚
    T1よりも大きいパルプモールド中空成形体。
  3. 【請求項3】 底部、胴部及び開口部を有し、該胴部に
    凹状部若しくは凸状部が形成されており、且つ該凹状部
    及び該凸状部は、直線的に連続している場合には成形体
    の水平方向又は斜め方向にのみ連続しており、該胴部に
    つなぎ目が存在せず、その内面及び外面が平滑であり、
    縦断面及び/又は横断面におけるコーナー部の密度ρ2
    が、それ以外の部分の密度ρ1よりも小さいパルプモー
    ルド中空成形体。
  4. 【請求項4】 底部、胴部及び開口部を有し、該開口部
    の周縁部に内方に延出する延出部が形成されており、該
    胴部につなぎ目が存在せず、その内面及び外面が平滑で
    り、縦断面及び/又は横断面におけるコーナー部の密
    度ρ2が、それ以外の部分の密度ρ1よりも小さいパル
    プモールド中空成形体。
  5. 【請求項5】 上記パルプモールド中空成形体の上記
    断面及び/又は上記横断面における上記コーナー部の肉
    厚T2が、それ以外の部分の肉厚T1よりも大きい請求
    項3又は4記載のパルプモールド中空成形体。
  6. 【請求項6】 T2/T1が1.5〜2である請求項
    1、2又は5記載のパルプモールド中空成形体。
  7. 【請求項7】 内部にキャビティを有する金型の該キャ
    ビティ内面にパルプ繊維を堆積させることにより得られ
    る請求項1〜6の何れかに記載のパルプモールド中空成
    形体。
  8. 【請求項8】 堆積された前記パルプ繊維を、中空状を
    なす中子の膨張によ って押圧し乾燥させる請求項7記載
    のパルプモールド中空成形体。
  9. 【請求項9】 上記縦断面及び/又は上記横断面におけ
    る上記コーナー部の密度ρ2が、それ以外の部分の密度
    ρ1よりも小さい請求項1又は2記載のパルプモールド
    中空成形体。
  10. 【請求項10】 前記密度ρ2と前記ρ1とが、0.1
    ×ρ1<ρ2<ρ1の関係を満たす請求項1〜4の何れ
    かに記載のパルプモールド中空成形体。
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