JP3126707B1 - パルプモールド成形体 - Google Patents

パルプモールド成形体

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Abstract

【要約】 【課題】 金型の成形面の凹部の形状が忠実に転写さ
れ、且つ十分な強度を有する凸部が形成されたパルプモ
ールド成形体を提供すること。 【解決手段】 表面に線状の凸部15が形成されたパル
プモールド成形体10において、凸部15の幅方向の周
長をS(mm)、平面視での幅をW(mm)とし、成形
体10の厚みをt(mm)としたとき、凸部15が1<
S/W≦1.5且つ0<W≦10t(mm)又は0<W
≦10mmの関係を満たすパルプモールド成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型の成形面の形
状が忠実に転写されたパルプモールド成形体に関する。
また、本発明は、該パルプモールド成形体の製造に好ま
しく用いられる金型及び該金型を用いたパルプモールド
成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】特開平
8−302600号公報には、成形体の表面に凸部を有
するパルプモールド成形体が開示されている。該凸部
は、例えば後工程で別途接着等によって取り付けられた
り、或いは成形体の乾燥工程において形成される。乾燥
工程において凸部を形成する方法は、凸部を製作する工
程と製作された凸部を取り付ける工程とを、成形工程内
に含めることができるので、成形体を効率的に生産でき
る。
【0003】しかし、乾燥工程において凸部を形成する
場合、凸部の形状によっては金型の成形面の凹部の形状
が忠実に転写されず、各形状が丸みを帯びたり、表面が
荒れたり、或いは凸部の密度が上がらずに十分な強度が
得られない場合があった。
【0004】従って、本発明は、金型の成形面の凹部の
形状が忠実に転写され、且つ十分な強度を有する凸部が
形成されたパルプモールド成形体を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面に線状の
凸部が形成されたパルプモールド成形体において、前記
凸部の幅方向の周長をS(mm)、平面視での幅をW
(mm)とし、成形体の厚みをt(mm)としたとき、
前記凸部が1<S/W≦1.5且つ0<W≦10t(m
m)又は0<W≦10mmの関係を満たすパルプモール
ド成形体を提供することにより前記目的を達成したもの
である。
【0006】また本発明は、前記パルプモールド成形体
の製造に好ましく用いられる金型として、前記金型の成
形面には前記凸部に対応する形状の線状の凹部が形成さ
れており、前記凹部の幅方向の周長をs(mm)、平面
視での幅をw(mm)としたとき、前記凹部が1<s/
w≦1.5且つ0<w≦10mmの関係を満たす金型を
提供するものである。
【0007】また本発明は、前記金型を用いた前記パル
プモールド成形体の好ましい製造方法として、前記金型
の成形面に位置する含水状態のパルプモールド成形体
を、拡縮可能な中子を拡張させることで前記成形面に向
かって押圧し、該パルプモールド成形体を脱水又は乾燥
させるパルプモールド成形体の製造方法を提供するもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、
本発明のパルプモールド成形体の一実施形態の斜視図が
示されている。図1に示すように、本実施形態のパルプ
モールド成形体10は、円筒ボトル状の中空容器の形態
をしている。成形体10は、開口した口頸部12、胴部
13及び底部14を有しており、これらの部位が、つな
ぎ目無く滑らかに連接している。口頸部12の径は胴部
13の径よりも小さくなっている。
【0009】成形体10は、パルプを主原料として形成
されている。勿論パルプ100%から形成されていても
よい。パルプに加えて他の材料を用いる場合には、該材
料の配合量は1〜70重量%、特に5〜50重量%とす
ることが好ましい。他の材料としてはタルクやカオリナ
イト等の無機物、ガラス繊維やカーボン繊維等の無機繊
維、ポリオレフィン等の合成樹脂粉末、合成繊維、非木
材または植物質繊維、多糖類等が挙げられる。
【0010】而して、本実施形態の成形体10における
口頸部12の外周面には、所定の幅及び長さを有する線
状の凸部としてのネジ山15が形成されている。このネ
ジ山15は図示しないキャップと螺合するようになされ
ている。
【0011】図2には、ネジ山15の幅方向の断面図が
示されている。図2に示すように、ネジ山15の断面は
略台形の形状をしている。尚、ネジ山の断面形状はこれ
に限られず、例えば略円弧状でもよい。ネジ山15の幅
方向の周長をS(mm)、平面視での幅をW(mm)と
し、成形体10の厚みをt(mm)としたとき、ネジ山
15は、以下の式(1)及び式(2)又は式(3)の関
係を満たしている。
【0012】1<S/W≦1.5 (1) 0<W≦10t(mm)(2) 0<W≦10mm (3)
【0013】前記式(1)においてS/Wが1.5超で
あると、脱水時または乾燥時にネジ山15が破断した
り、或いはネジ山15の表面を平滑にできず、またネジ
山15の密度を高くすることができない。また、前記式
(2)及び(3)においてWがそれぞれ10t(mm)
超及び10mm超の場合、抄紙用金型の凹形状に沿って
パルプ繊維を堆積させることが、抄紙ネットの装着等を
考えると、スペースの点より容易でない。また、成形体
を抄紙用金型から取り出して、加熱用金型に装填する場
合の位置合わせも容易でない。
【0014】金型の凹形状に対応した形状のネジ山15
を忠実に形成し、ネジ山15の破断を防止し、ネジ山1
5の表面を一層平滑にし、またネジ山15の密度を一層
高める観点から、前記式(1)は好ましくは以下の式
(1)’で表される。
【0015】1<S/W≦1.3 (1)’
【0016】ネジ山15における口頸部12の基底面1
2aからの立ち上がり角θ(図2参照)は、90°超と
なると後述する中子の拡張による追従が不十分となり、
該中子による成形体の加圧が不十分となる点から、0度
超90度未満であることが好ましい。
【0017】また、口頸部12の基底面12aからネジ
山15が立ち上がる部分の角部15a(図2参照)は、
後述する加熱用金型の凹形状の転写を容易とするために
丸みを帯びていることが好ましく、具体的には該角部1
5aの曲率Rは、0.1mm以上、特に0.3〜5mm
であることが好ましい。尚、図2に示すネジ山15にお
ける2箇所の角部15a,15aの曲率は同一または異
なっていてもよい。例えば、ネジ山15の幅方向断面形
状が図2に示す場合と異なり等脚の台形でない場合(截
頭鋸歯状の断面形状である場合など)には、2箇所の角
部15a,15aの曲率は異なる場合が多い。しかし、
何れの場合においても、2箇所の角部15a,15aの
曲率は共に前述の範囲の曲率であることが好ましい。
【0018】ネジ山15の基底面12aからの高さH
は、ネジ山15の成形のし易さや、ネジ山15とキャッ
プとの締付力等を考慮して適切な値が決定される。
【0019】成形体10の厚みt(mm)は、成形体1
0の用途等に応じて適切な値が決定されるが、一般的な
範囲は、0.2〜10mm、特に0.4〜2mmである
ことが好ましい。
【0020】次に、本実施形態の成形体10の好ましい
製造方法を、図3を参照しながら説明する。図3には、
本実施形態の成形体10の製造方法の抄紙・脱水工程が
順次示されており、(a)はパルプスラリー注入及び吸
引脱水工程、(b)は中子挿入工程、(c)は加圧脱水
工程、(d)は抄紙用金型を開く工程である。
【0021】本実施形態においては、一組の割型からな
り且つ各割型を組み合わせることにより所定形状のキャ
ビティが形成される抄紙用金型の前記キャビティ内にパ
ルプスラリーを供給して、該キャビティの内面(成形
面)に含水状態の未乾燥成形体を形成した後、該未乾燥
成形体内に拡縮可能な中空状の中子を挿入し、次いで該
中子内に所定の流体を供給して該中子を拡張させて、拡
張した該中子により前記未乾燥成形体を前記キャビティ
内面(成形面)に向かって押圧して脱水する。
【0022】詳細には、先ず、図3(a)に示すよう
に、2個の割型2,3からなり、且つ各割型を組み合わ
せることにより所定形状のキャビティ4が形成される抄
紙用金型1を用意する。
【0023】抄紙用金型1におけるキャビティ4は、外
部に向けて開口したスラリー注入口5を介して抄紙用金
型1の外部に連通している。キャビティ4の内面は、所
定の大きさの網目を有する抄紙ネット(図示せず)によ
って被覆されている。各割型2,3には、その内部(即
ちキャビティ4の内面)外部とを連通させる複数の連
通路6が形成されている。各連通路6は、吸引ポンプ等
の吸引手段(図示せず)に接続されている。
【0024】この状態下に、スラリー注入口5を通じて
所定量のパルプスラリーをキャビティ4内に注入する。
これと共に連通路6を通じてキャビティ4内を抄紙用金
型1の外側に向けて減圧吸引して、パルプスラリー中の
水分を吸引すると共にキャビティ4の内面を被覆する抄
紙ネット上にパルプ繊維を堆積させる。その結果、抄紙
ネット上には、パルプ繊維が堆積されてなる含水状態の
パルプモールド成形体10が形成される。即ち、抄紙用
金型1の成形面に成形体10が位置する。
【0025】形成された成形体10は、加圧脱水工程に
付される。先ず、図3(b)に示すように、抄紙用金型
1を内部から外部へ向けて吸引した状態下に、拡縮可能
な中空状の中子8を、その収縮状態下に成形体10内に
挿入する。本発明において拡縮とは、中子8が伸縮して
その体積が変化する場合と、中子8自体は伸縮しない
が、その内部へ流体を供給又はその内部から流体を除去
することにより、その体積が変化する場合の双方を包含
する。前者の例としては天然ゴム、ウレタン、フッ素系
ゴム、シリコーン系ゴム又はエラストマー等の弾性材か
ら構成された中子が挙げられ、後者の例としてはポリエ
チレンやポリプロピレン等のプラスチック材料、これら
のプラスチック材料のフィルムにアルミニウムやシリカ
が蒸着されたフィルム、これらのプラスチック材料のフ
ィルムにアルミニウム箔がラミネートされたフィルム、
紙類、布類等の可撓性材料から構成された中子が挙げら
れる。本実施形態では、中子8として伸縮可能な弾性材
から構成された袋状(風船状)のものを用いている。
【0026】次に、図3(c)に示すように、中子8内
に所定の流体を供給して中子8を拡張させ、拡張した中
子8により含水状態の成形体10を金型の成形面、即ち
キャビティ4の内面に向けて押圧する。これにより、成
形体10の加圧脱水が進行すると共に成形体7にキャビ
ティ4の内面形状が転写される。
【0027】中子8を拡張させるために用いられる流体
としては、例えば空気(加圧空気)、熱風(加熱された
加圧空気)、過熱蒸気、油(加熱油)、その他各種の液
が使用される。特に、空気、熱風、過熱蒸気を用いるこ
とが、操作性等の点から好ましい。流体を供給する圧力
は、0.01〜5MPa、特に0.1〜3MPaである
ことが好ましい。
【0028】成形体10を所定の含水率まで脱水でき且
つ成形体10にキャビティ4の内面の形状が十分に転写
されたら、図3(d)に示すように、中子8内の流体を
抜き、中子8を縮小させる。次いで、縮小した中子8を
成形体10内より取り出し、更に抄紙用金型1を開いて
所定の含水率を有する含水状態の成形体10を取り出
す。
【0029】取り出された成形体は次に加熱乾燥工程に
付される。加熱乾燥工程では、抄紙・脱水を行わず、且
つ以下の式(4)及び(5)の関係を満たすネジ山対応
凹部が、キャビティ内面(成形面)の、ネジ山15に対
応する部位に形成されている加熱用金型を所定温度に加
熱された状態で用いること以外は、図3に示す抄紙・脱
水工程とほぼ同様の操作が行われる。即ち、先ず、一組
の割型を組み合わせることにより成形すべきパルプモー
ルド成形体の外形に対応した形状のキャビティが形成さ
れる加熱用金型を別途用意し、該加熱用金型を所定温度
に加熱しておく。そして、加熱された状態の加熱用金型
のキャビティ内に、所定の含水率まで脱水された含水状
態の成形体を装填する。即ち、加熱用金型の成形面に成
形体が位置する。本実施形態においては、加熱用金型の
キャビティ形状と抄紙用金型のキャビティ形状とは同じ
になされている。
【0030】ネジ山対応凹部は、その幅方向の周長をs
(mm)、平面視での幅をw(mm)としたとき、以下
の式(4)及び式(5)を満たすものである。このよう
な関係を満たすネジ山対応凹部を有する加熱用金型を用
いることによって、ネジ山対応凹部の形状に対応した形
状のネジ山15が忠実に形成され、ネジ山15の破断が
防止され、ネジ山15の表面が平滑になり、またネジ山
15の密度が高められる。
【0031】1<s/w≦1.5 (4) 0<w≦10mm (5)
【0032】ネジ山対応凹部は以下の関係を満たすこと
が一層好ましい。 1≦s/w≦1.3 (4)’
【0033】また、ネジ山15の立ち上がり角θに対応
するネジ山対応凹部の角度θ’は、該立ち上がり角θに
対応して、0度超90度未満であることが好ましい。更
に、ネジ山15の角部15aに対応するネジ山対応凹部
の角部(即ち、成形体の口頸部12の基底面12aに対
応する金型内面からネジ山対応凹部が落ち込む部分の角
部)の曲率R’は、0.1mm以上、特に0.3〜5m
mであることが好ましい。
【0034】次に、図3(b)及び(c)に示す加圧脱
水工程で用いた中子8と同様の中子を成形体内に挿入
し、該中子内に流体を供給して該中子を拡張させ、拡張
した該中子により成形体をキャビティの内面(成形面)
に向けて押圧する。中子の材質及び流体の供給圧力は、
加圧脱水工程と同様とすることができる。この状態下
に、成形体を加熱乾燥する。この場合、加熱用金型に形
成されたネジ山対応凹部が、前述の式(4)及び式
(5)の関係を満たすことで、該ネジ山対応凹部内に堆
積したパルプ繊維からなる堆積体の幅が、該ネジ山対応
凹部の幅方向の周長sまで伸ばされて、該堆積体に凸形
状が付与されても該堆積体が破断することなく十分に押
圧されて、該ネジ山対応凹部の形状が忠実に転写される
と共に該ネジ山対応凹部内の密度が十分に高められる。
その結果、得られる成形体におけるネジ山は該ネジ山対
応凹部の形状を十分に転写したものとなり、また該ネジ
山の表面は平滑となる。更に、該ネジ山の強度が向上す
る。
【0035】成形体が十分に乾燥したら、中子内の流体
を抜き、該中子を縮小させて取り出す。更に加熱用金型
を開いて、パルプモールド成形体を取り出す。このよう
にして得られた成形体の口頸部におけるネジ山は前述し
た式(1)及び(2)又は(3)を満たすものとなり、
金型(加熱用金型)における凹部の形状が忠実に転写さ
れたものとなる。また該ネジ山は、表面が平滑なものと
なり、更に密度が高く、高強度のものとなる。
【0036】本発明は前記実施形態に制限されない。例
えば本発明のパルプモールド成形体における線状の凸部
とは、ネジ山に限られず、所定の幅及び長さを有する凸
部であれば、その形成部位や形態等に特に制限は無い。
例えば、成形体の胴部に形成された図形、記号あるいは
文字等をあらわす凸部等も、所定の幅及び長さを有する
限りにおいて本発明における線状の凸部に包含される。
【0037】また、前記式(1)及び(2)又は(3)
の関係を満たす本発明のパルプモールド成形体は、前述
の製造方法以外の方法でも製造することができる。例え
ば、前述の製造方法では、中子による押圧によって、前
記式(4)及び(5)の関係を満たすネジ山対応凹部内
にパルプ繊維を完全に充填させてネジ山を形成したが、
これに代えて、前記式(5)は満たすが前記ネジ山対応
凹部よりも深さの深いネジ山対応凹部を有する加熱用金
型を用い、且つパルプ繊維の押圧の程度を適宜調整して
該ネジ山対応凹部内にパルプ繊維を完全に充填させない
状態でネジ山を形成することでも、(1)及び(2)又
は(3)の関係を満たす形状のネジ山を有する成形体を
製造することができる。但し、この製造方法では、幅方
向の断面が略円弧状のネジ山しか製造できない、ネジ山
の幅方向の断面形状の設定が難しい、加熱用金型に装填
する未乾燥成形体の含水率及び該未乾燥成形体の中子に
よる押圧力を一層精度良く調整する必要がある、ネジ山
の密度や表面平滑性が低下する場合があるなどの制約が
ある。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0039】〔実施例1〜9並びに比較例1及び2〕図
3に示す方法で、図1及び図2に示すボトル状の成形体
を得た。使用した加熱用金型にはネジ山対応凹部が形成
されており、このネジ山対応凹部の幅方向断面形状は略
円弧状であった。但し、比較例2で用いた加熱用金型に
おけるネジ山対応凹部の幅方向断面形状は略台形状であ
った。ネジ山対応凹部の曲率、その角部の曲率、深さ、
幅w、周長sを表1に示す。成形体の抄紙工程における
加圧脱水前の成形体の含水率は約80重量%であり、該
成形体を弾性体からなる中子を用いて加圧脱水した。中
子の加圧力は490kPaであった。加圧脱水後の成形
体の含水率は65重量%であった。また、成形体の加熱
乾燥工程における加熱用金型の温度は200℃であり、
加熱乾燥に用いた弾性体からなる中子の加圧力は588
kPaであった。得られた成形体の口頸部にはネジ山が
形成されていた。また、成形体の厚みtは表1に示す通
りであった。
【0040】実施例及び比較例で得られた成形体につい
て、以下の方法で金型の凹形状の成形体への転写性(形
状転写性)及び成形体のネジ山の表面状態を評価した。
その結果を表1に示す。
【0041】〔形状転写性〕成形体におけるネジ山の形
状転写状態を目視観察し以下の基準で評価した。 ○・・・加熱用金型のネジ山対応凹部の形状と成形体の
ネジ山の形状とが略同一。 ×・・・加熱用金型のネジ山対応凹部の形状と成形体の
ネジ山の形状とが異なる。
【0042】〔表面状態〕成形体のネジ山の状態を目視
観察し、以下の基準で評価した。 ○・・・表面に破断が観察されず、平滑であった。 ×・・・表面に破断が観察された。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示す結果から明らかなように、特定
形状の金型を用いて製造された実施例の成形体は、ネジ
山に破断が発生せず、表面性が良好であり、また金型の
凹形状の転写性も良好であった。従って、表には示して
いないが、実施例の成形体におけるネジ山の幅W、周長
S、高さ、曲率、及び角部の曲率は、金型のネジ山対応
凹部の幅w、周長s、深さ、曲率、及び角部の曲率とほ
ぼ同様であった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、金型の成形面の凹部の
形状が忠実に転写され、且つ十分な強度を有する凸部が
形成されたパルプモールド成形体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルプモールド成形体の一実施形態を
示す斜視図である。
【図2】ネジ山の幅方向の断面図である。
【図3】本発明のパルプモールド成形体の好ましい製造
方法を順次示す工程図である。
【符号の説明】
1 抄紙用金型 2,3 割型 4 キャビティ 10 パルプモールド成形体 12 口頸部 12a 基底部 13 胴部 14 底部 15 ネジ山 15a 角部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−302600(JP,A) 特公 昭35−9669(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 1/00 - 1/48 D21J 3/00 - 3/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に線状の凸部が形成されたパルプモ
    ールド成形体において、前記凸部の幅方向の周長をS
    (mm)、平面視での幅をW(mm)とし、成形体の厚
    みをt(mm)としたとき、前記凸部が1<S/W≦
    1.5且つ0<W≦10t(mm)又は0<W≦10m
    mの関係を満たすパルプモールド成形体。
  2. 【請求項2】 前記パルプモールド成形体が口頸部、胴
    部及び底部を有するボトル状の中空容器であり、前記凸
    部が前記口頸部の外周面に形成されたネジ山である請求
    項1記載のパルプモールド成形体。
  3. 【請求項3】 表面に線状の凸部が形成されたパルプモ
    ールド成形体の製造に用いられる金型であって、 前記金型の成形面には前記凸部に対応する形状の線状の
    凹部が形成されており、 前記凹部の幅方向の周長をs(mm)、平面視での幅を
    w(mm)としたとき、前記凹部が1<s/w≦1.5
    且つ0<w≦10mmの関係を満たす金型。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の金型を用いたパルプモー
    ルド成形体の製造方法であって、 前記金型の成形面に位置する含水状態のパルプモールド
    成形体を、拡縮可能な中子を拡張させることで前記成形
    面に向かって押圧し、該パルプモールド成形体を脱水又
    は乾燥させるパルプモールド成形体の製造方法。
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