JP2000269079A - 共振回路及びその製造方法 - Google Patents

共振回路及びその製造方法

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JP2000269079A
JP2000269079A JP11076230A JP7623099A JP2000269079A JP 2000269079 A JP2000269079 A JP 2000269079A JP 11076230 A JP11076230 A JP 11076230A JP 7623099 A JP7623099 A JP 7623099A JP 2000269079 A JP2000269079 A JP 2000269079A
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layer
dielectric
conductive ink
coil
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JP11076230A
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Norikazu Otsubo
則和 大坪
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エッチング法によるコイル状回路の製造法を
用いずに、部品の寸法、位置精度の高い、共振特性が安
定した共振タグやカードに利用でき、また容易に、かつ
効率良く製造することができる共振回路及びその製造方
法を提供する。 【構成】 誘電体2の少なくとも一方の面にコイル状回
路3と、該誘電体2の他方の面にコンデンサ電極板用回
路4、またはコンデンサを兼ねたコイル状回路を設けた
共振回路1において、該コイル状回路及びコンデンサ電
極板用回路の形成を、転写性導電インキ層を有する熱転
写シートを用いて、該導電インキ層と誘電体とが接する
ように重ねて、該導電インキ層を該誘電体上にパターン
状に熱転写させて行うものであり、従来のエッチング法
によるコイル状回路の製造法を用いずに、部品の寸法、
位置精度の高い、共振特性が安定した共振タグやカード
に利用でき、また容易に、かつ効率良く共振回路を製造
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共振回路に関し、
特に高周波(電磁波等)に対して共振する回路で、誘電
体の両面に導電性インキ層を熱転写によりパターン状に
形成した共振回路及び、その製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、特定場所への入出者の管理や、物
流工程での物品移動や識別管理等のために、特定の周波
数の高周波(電磁波等)を送受信する装置と、この送受
信装置に対し、無線方式で応答する共振回路を有するカ
ードやタグとを組み合わせた識別システムは従来から知
られている。共振回路の基本構成は、誘電体としてのプ
ラスチックフィルムの少なくとも一方の面にコイル状回
路と、該フィルムの他方の面にコンデンサ電極板用回路
またはコンデンサを兼ねたコイル状回路とから成ってい
る。また、コイル状回路の端部にコンデンサ電極板部を
設けず、該フィルムの両面にコイル状回路を形成し、プ
ラスチックフィルムを挟んで回路が互いに対応するよう
に形成し、回路自体にコンデンサ電極板の役割をもたせ
たものもある。
【0003】共振回路は、抵抗R、インダクタンスL及
び静電容量(コンデンサ容量)Cから構成され、コンデ
ンサ容量Cは誘電体であるプラスチックフィルムとその
両面に形成されるコイル状回路等の金属箔とで形成し、
抵抗Rは回路を形成する金属箔によって形成される。し
たがって、共振回路に必要な所定の共振周波数を得るに
は寸法、位置精度の高い部品構成が求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の点から、コイル
状回路は、従来は誘電体のプラスチックフィルムの一方
の面または両面にアルミ箔等の金属箔を積層し、印刷配
線板の製造法と同様にして、プラスチックフィルム上の
金属箔に耐エッチング性の高いインキで所定パターンを
印刷し、酸またはアルカリ等の薬液でエッチングした
り、フォトレジストエッチング法で形成している。しか
し、この薬液によるエッチング法は、金属箔が溶解する
まで、一定時間を必要とし、またエッチング液の廃棄処
理や、エッチング工程での必要設備が大がかりとなる等
の問題が多い。
【0005】また、印刷配線板等では厚めの金属箔を所
定の回路パターンに打ち抜いて、それを基板に接着する
方法が挙げられるが、この方法では金属箔が厚いため、
柔軟性に欠け、共振タグ等の薄手の製品用途には不適で
ある。また、共振回路のコイル状回路等をシルクスクリ
ーン印刷で誘電体上に形成することが行われているが、
回路パターンの印刷エッジがシャープでなく、スクィー
ジでインキを誘電体に擦って、刷り移す際の印刷エッジ
でにじみが生じ、部品の寸法、位置精度の高い回路が得
られないという問題がある。したがって、本発明は、上
記の問題を解決し、エッチング法によるコイル状回路の
製造法を用いずに、部品の寸法、位置精度の高い、共振
特性が安定した共振タグやカードに利用でき、また容易
に、かつ効率良く製造することができる共振回路及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、誘電体の少なくとも一方の面にコイル状
回路と、該誘電体の他方の面にコンデンサ電極板用回
路、またはコンデンサを兼ねたコイル状回路を設けた共
振回路において、転写性導電インキ層を有する熱転写シ
ートを用いて、該導電インキ層を該誘電体上にパターン
状に熱転写させて、該コイル状回路及びコンデンサ電極
板用回路を形成したものである。また、誘電体の少なく
とも一方の面にコイル状回路と、該誘電体の他方の面に
コンデンサ電極板用回路、またはコンデンサを兼ねたコ
イル状回路を設けた共振回路の製造方法において、該コ
イル状回路及びコンデンサ電極板用回路の形成を、転写
性導電インキ層を有する熱転写シートを用いて、該導電
インキ層と誘電体とが接するように重ねて、該導電イン
キ層を該誘電体上にパターン状に熱転写させて行うもの
である。
【0007】本発明の共振回路及びその製造方法の作用
は以下の通りである。誘電体の少なくとも一方の面にコ
イル状回路と、該誘電体の他方の面にコンデンサ電極板
用回路、またはコンデンサを兼ねたコイル状回路を設け
た共振回路において、該コイル状回路及びコンデンサ電
極板用回路の形成を、転写性導電インキ層を有する熱転
写シートを用いて、該導電インキ層と誘電体とが接する
ように重ねて、該導電インキ層を該誘電体上にパターン
状に熱転写させて行うものであり、従来のエッチング法
によるコイル状回路の製造法を用いずに、部品の寸法、
位置精度の高い、共振特性が安定した共振タグやカード
に利用でき、また容易に、かつ効率良く共振回路を製造
することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、詳述する。本発明の共振回路1は、一つの実施の形
態を示すものとして、図1の通り、誘電体2の一方の面
にコイル状回路3と、該誘電体2の他方の面にコンデン
サ電極板用回路4を設けた構成で、該コイル状回路3と
コンデンサ電極板用回路4が、転写性導電インキ層を有
する熱転写シートを用いて、該導電インキ層を該誘電体
上にパターン状に熱転写させて形成されたものである。
共振回路1は、誘電体2の一方の面に、例えば図2
(1)に示すように、R,L回路パターン5が形成され
ている。尚、Rは回路を形成する転写された導電インキ
の部分の抵抗であり、Lはインダクタンスで、コイル状
回路を示す。また、共振回路1は誘電体2の他方の面
に、例えば図2(2)に示すように、コンデンサ電極板
用回路4を形成している。そして、図示はしないが、誘
電体の両面に形成された回路を接続し、表裏の回路を導
通させるために、表裏の回路の重なる位置に予め孔を設
けておき、その孔で表裏の各導通用端子6,7を電気的
に短結することができる。
【0009】(誘電体)本発明の共振回路における誘電
体2は、各種のプラスチックフィルムが使用でき、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ
エステル等のプラスチックフィルムを支持体として用い
ることができる。誘電体には、その両面に形成する回路
を接続し、表裏の回路を導通させるのを容易にするた
め、表裏の回路の重なる位置に予め孔や切り欠きを設け
ることが好ましい。また、誘電体には、その表裏の表面
に回路を熱転写により形成する際に、接着しやすいよう
に、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理等の易
接着処理を行うことが好ましい。
【0010】(コイル状回路、コンデンサ電極板用回
路)本発明では、転写性導電インキ層を有する熱転写シ
ートを用いて、該導電インキ層を誘電体上にパターン状
に熱転写させて、コイル状回路3及びコンデンサ電極板
用回路4を形成する。転写性導電インキ層を有する熱転
写シートとしては、基材上に剥離層を介して金属蒸着層
を設けたものが挙げられ、サーマルヘッド加熱等で金属
蒸着層を熱転写するものや、基材上に、近赤外線吸収材
料とバインダー樹脂を主体とする光熱変換層、転写性導
電インキ層を、この順に積層したもので、レーザー光照
射により導電インキ層を熱転写するものが挙げられる。
【0011】まず、基材上に剥離層を介して金属蒸着層
を設けた熱転写シートにおいて説明する。熱転写シート
で用いられる基材としては、従来の熱転写シートに使用
されているものと同じ基材をそのまま用いることが出来
ると共に、その他のものも使用することが出来、特に制
限されない。好ましい基材の具体例としては、例えば、
ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボ
ネイト、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴ
ム、アイオノマー等のプラスチックフィルム、コンデン
サー紙、パラフィン紙等の紙類等があり、又、これらの
いずれかを複合したものであってもよい。この基材の厚
さは、その強度及び熱伝導性が適切になるように材料に
応じて適宜変更することが出来るが、印字(記録)感度
との関係上2〜12μm程度が好ましい。すなわち、厚
さが2μm未満であると、基材としての強度が不足しや
すく、また、厚さが12μmを越えると印字(記録)時
の熱が最外層まで伝わりづらくなる。
【0012】剥離層は、熱転写時に熱転写シートから誘
電体側に、その厚み方向の全部または凝集破壊によって
一部が転写移行し、記録物の最表面を形成する層であ
る。言い換えれば、剥離層は、熱転写シートと誘電体と
がサーマルヘッド等で加熱された時に、融着することを
防止し、熱転写シートが誘電体からスムーズに剥離し、
転写記録を良好にするものである。また、剥離層は、転
写後の回路の耐擦過性や耐溶剤性を付与できる。剥離層
は、転写時に基材との融着を防ぐため、Tgまたは軟化
点が100℃以上の樹脂、具体的には、ポリメタクリル
酸メチル樹脂(Tg105℃)、酢酸セルロース樹脂
(軟化点235℃)等を使用することにより、熱転写シ
ートと誘誘電体とを重ねて、サーマルヘッドなどで加熱
した時に、融着することがない。また、剥離層に融点が
70〜130℃のワックスを樹脂に対し、0〜20重量
%、好ましくは、5重量%前後添加することにより、転
写後の回路の耐擦過性を向上させることができる。
【0013】この剥離層は、熱転写シートの印字(記
録)感度を低下させないために、出来るだけ厚さは薄い
方がよく、塗布量は乾燥状態で0.1〜0.7g/m2
程度が好ましい。剥離層は、従来公知のグラビア印刷
法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロ
ールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥
して得られる。
【0014】金属蒸着層は、アルミニウム、亜鉛、ス
ズ、クロム、金、銀などの金属、あるいは真ちゅうなど
の合金などを真空蒸着法、スパッタリング法などの真空
下によるメタライジング法、すなわち、物理蒸着法(P
VD:Physical Vapor Deposio
n)で形成した薄膜の金属膜層である。金属蒸着層の厚
みは、0.05〜1μm程度である。
【0015】金属蒸着層の上に接着層を形成することが
でき、金属蒸着層と誘電体との接着性を付与させること
ができる。接着層は、従来公知の熱可塑性樹脂を使用す
ることが可能である。接着層は、従来公知のグラビア印
刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバース
ロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾
燥して得られる。接着層11の塗布量は、乾燥状態で
0.5〜1.0g/m2 程度が好ましい。塗布量が0.
5g/m2 未満では、十分な接着力が得られず、1.0
g/m2を越えると、箔切れ、印字(記録)感度が悪く
なり、好ましくない。
【0016】また、熱転写シートの他方の面に、背面層
を設けることができる。背面層は、熱転写シートのサー
マルヘッドとの滑りを良くし、かつスティッキングを防
止する目的で形成され、耐熱滑性を有するものである。
この背面層は、耐熱性のある樹脂と、熱離型剤または滑
剤の働きをする物質、例えば界面活性剤、無機粒子、有
機粒子、顔料等とを基本的な構成成分とする。このよう
な背面層を設けることにより、熱により比較的弱い樹脂
フィルムを基材として使用することが可能になる。背面
層を形成する手段は、上記のごとき、耐熱性樹脂に熱離
型剤または滑剤の働きをする物質を添加した材料を、適
当な溶剤中に溶解または分散させて、塗工液を調製し、
この塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイ
ヤーバーなどの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥す
るものである。尚、金属蒸着層を設けた熱転写シート
は、上記の発明の実施の形態に限定されるものではな
く、適宜応用して変えることが可能である。例えば、金
属蒸着層を後述する転写性導電インキ層と同様に形成す
ることも可能である。
【0017】次に、基材上に近赤外線吸収材料とバイン
ダー樹脂を主体とする光熱変換層、転写性導電インキ層
を、この順に積層した熱転写シートについて説明する。
光熱変換層、転写性導電インキ層を、この順に積層した
熱転写シートの基材は、従来の熱転写記録材料に使用さ
れているものと同じ基材をそのまま用いることが出来る
と共に、その他のものも使用することが出来、特に制限
されないが、レーザー光を熱転写シート側から照射する
場合は透明性の高い基材を用いることが好ましく、特に
用いるレーザー光の波長の透過率が60%以上であるこ
とが好ましい。この基材の厚さは、その強度及び熱伝導
性が適切になるように材料に応じて適宜変更することが
出来るが、その厚さは、好ましくは、例えば、2〜18
0μmであり、材料保持手段として吸着ドラムを用いる
場合は50〜125μmが十分な印圧が得られるために
好ましい。
【0018】(光熱変換層)光熱変換層は基材の上に設
け、熱転写記録材料に記録のため照射するレーザー光を
熱に変換する層である。光熱変換層は、金属酸化物顔料
の近赤外線吸収材料とバインダー樹脂を主体として構成
している。近赤外線吸収材料の金属酸化物顔料は、光を
吸収し効率良く熱に変換する物質であり、例えば半導体
レーザーを光源として使用する場合、半導体レーザー光
照射により発熱させるため、750〜890nmの波長
帯に吸収極大を示すものがより好ましい。その金属酸化
物顔料は、具体的にはチタンブラック、黒色酸化鉄(F
3 4 )、複合酸化物(CuO−Cr2 3 、CuO
−Fe2 3 −Mn 2 3 、CuO−Fe2 3 −Cr
2 3 )等が挙げられる。これらの金属酸化物顔料は2
種以上を混合しても良い。また、近赤外線吸収材料の金
属酸化物顔料は、鉄とチタンの複合酸化物であるイルメ
ナイトや、鉄と銅の複合酸化物等の金属複合酸化物を使
用することができる。
【0019】また、光熱変換層のバインダー樹脂とし
て、ガラス転移温度が高く熱伝導率の高い樹脂、例えば
ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルホルマール、ポリエステル、塩素化
ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、アラミド等の一般
的な耐熱性樹脂を使用することができる。また、光熱変
換層におけるバインダーとしては、水溶性ポリマーも用
いることができる。水溶性ポリマーは熱転写インキ層と
の剥離性も良く、また、光照射時の耐熱性が良く、過度
な加熱に対しても所謂飛散が少ない点で好ましい。水溶
性ポリマーを用いる場合には、光熱変換物質を水溶性に
変性(スルホン基の導入等により)したり、水系分散す
ることが望ましい。また、光熱変換層へ各種の離型剤を
含有させることで、光熱変換層と熱転写インキ層との剥
離性を上げ、感度を向上することもできる。離型剤とし
ては、シリコーン系の離型剤(ポリオキシアルキレン変
性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル
など)、弗素系の界面活性剤(パーフルオロ燐酸エステ
ル系界面活性剤)、その他、各種界面活性剤等が有効で
ある。
【0020】光熱変換層の形成は、上記のような近赤外
線吸収材料とバインダー樹脂と、必要に応じて添加剤を
加えて、さらにこれに必要に応じて水、有機溶剤等の溶
媒成分を配合調整した光熱変換層形成用塗工液を、従来
公知のグラビアダイレクトコート、グラビアリバースコ
ート、ナイフコート、エアコート、ロールコート等の方
法により塗布、乾燥することができる。光熱変換層の膜
厚は乾燥時で0.1〜3μmが好ましく、光熱変換層に
おける近赤外線吸収材料の含有量は、通常、画像記録に
用いる光源の波長での吸光度が0.3〜3.0になるよ
うに決めることができる。一般的には吸光度が0.4〜
1.5程度あれば良い。
【0021】(転写性導電インキ層)転写性導電インキ
層は、導電性材料とバインダー樹脂を主成分として構成
される。上記導電性材料としては、例えばアルミニウ
ム、金、銀、銅、鉄等の金属や、種々の合金やカーボン
ブラック等の粉体を使用することができる。これらの導
電性粉体は球状粉体や板状粉体等が使用できる。転写性
導電インキ層における金属性材料の含有率は特に限定さ
れないが、通常10〜70重量%程度の範囲内である。
【0022】転写性導電インキ層のバインダーとして
は、樹脂やワックスで構成することができる。樹脂とし
て具体的には、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、メ
ラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン
系樹脂、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエ
ンゴム等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。特に従
来より感熱接着剤として使用されている比較的低軟化
点、例えば、50〜150℃の軟化点を有するものが好
ましい。ワックス成分としては、例えば、マイクロクリ
スタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワッ
クス等がある。更に、フィッシャートロプシュワック
ス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨
ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャ
ンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワッ
クス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ド等、種々のワックスが挙げられる。このなかで、特に
融点が50〜85℃であるものが好ましい。
【0023】転写性導電インキ層の形成は、上記のよう
な金属性材料とバインダー成分と、必要に応じて分散
剤、帯電防止剤など、種々の添加剤を加え、さらにこれ
に必要に応じて水、有機溶剤等の溶媒成分を配合調整し
た転写性導電インキ層形成用塗工液を、従来公知のホッ
トメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアダイ
レクトコート、グラビアリバースコート、ナイフコー
ト、エアコート、ロールコート等の方法により、乾燥状
態で厚さ1〜8μm程度を設けるものである。
【0024】上記のレーザー熱転写シートは、基材と光
熱変換層との接着性が弱い場合、基材と光熱変換層との
間に、プライマー層を設けて、光熱変換層と基材との接
着を強めることができる。プライマー層に用いる樹脂と
しては、例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
樹脂、NBR樹脂、SBR樹脂、ポリウレタン樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリアミド等が単独もしくは混合物、変
性物として用いられる。変性物とは、例えば水酸基やカ
ルボン酸、4級アンモニウム塩含有モノマーを共重合も
しくはグラフトさせて、接着性、親水性を上げたものな
どである。また、プライマー層の接着性、塗膜強度を向
上させるために、上記の樹脂を各種硬化剤、例えばエポ
キシ樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート等により架橋
させてもよい。プライマー層の形成方法は、前述の光熱
変換層の形成方法と同様な方法が選べ、プライマー層の
厚みは乾燥時で0.01〜10μm程度である。
【0025】レーザータイプの熱転写シートでは、基材
と光熱変換層との間に、クッション層を設けることがで
き、レーザー光照射による印字の時に、熱転写シートと
受像体である誘電体との密着性を向上させることができ
る。このクッション性を付与するには、低弾性率を有す
る材料あるいはゴム弾性を有する材料を使用すればよ
い。
【0026】また、レーザータイプの熱転写シートで
は、レーザー光照射により転写性導電インキ層が光熱変
換層から剥離して転写しやすいように、光熱変換層と転
写性導電インキ層との間に剥離層を形成することができ
る。剥離層はワックス単独で構成することもできるが、
通常はワックス及び/または熱可塑性樹脂のバインダー
樹脂等から構成することが好ましい。ワックスは、融点
又は軟化点が50℃〜100℃の蜜蝋、鯨蝋、木蝋、米
ぬか蝋、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モ
ンタンワックス等の天然ワックス;パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オ
ゾケライト、セレシン、エステルワックス、ポリエチレ
ンワックス等の合成ワックス;マルガリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロ
イン酸、ベヘニン酸等の高級飽和脂肪酸;ステアリルア
ルコール、ベヘニルアルコール等の高級飽和一価アルコ
ール;ソルビタンの脂肪酸エステル等の高級エステル;
ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸
アミド等が挙げられる。
【0027】剥離層における熱可塑性樹脂として、例え
ば、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等のエチレン系共重合
体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、
セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ロジン系樹脂、
石油系樹脂、アイオノマー樹脂等の樹脂、天然ゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレ
ンゴム等のエラストマー類、エステルガム、ロジンマレ
イン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、水添ロジン等のロ
ジン誘導体、フェノール樹脂、テルペン樹脂、シクロペ
ンタジエン樹脂、芳香族系樹脂等も使用できる。
【0028】剥離層の形成は、上記のようなワックス、
熱可塑性樹脂、その他必要に応じて、高級脂肪酸、高級
アルコール、高級脂肪酸エステル、アミド類、高級アミ
ン類やシリコーンオイル、ポリエチレンワックス等の固
形ワックス類、フッ素系やリン酸エステル系の界面活性
剤等の剥離剤を加えた剥離層形成用塗工液を、従来公知
のホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラビ
アダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナイフ
コート、エアコート、ロールコート等の方法により、乾
燥状態で厚さ0.1〜4μm程度を設けることができ
る。乾燥塗膜の厚さが、0.1μm未満の場合、光熱変
換層と転写性導電インキ層の接着性が向上し、良好な剥
離効果が得られない。また、厚さが4μmを越えた場
合、印字時の転写感度が低下するため好ましくない。
【0029】(接着層)また、レーザータイプの熱転写
シートでは、転写性導電インキ層の上に接着層を形成
し、誘電体と転写されるインキ層との接着性を向上させ
ることができる。接着層は、レーザー光照射手段による
加熱により、軟化して接着性を発揮する熱可塑性樹脂及
び/または、ワックス類、高級脂肪酸のアミド、エステ
ル及び塩を主体として構成できる。さらに、フッ素樹脂
や無機物質の粉末のようにブロッキング防止剤を含有す
ることができる。
【0030】熱可塑性樹脂として、例えば、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリ
デン樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネ
ート、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラー
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、ポリアセター
ルや、天然ゴム、アクリレートゴム、ブチルゴム、ニト
リルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、
シリコーンゴム、アクリルゴム、弗素ゴム、ネオプレン
ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒド
リン、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンエ
ラストマー等のエラストマー等が挙げられ、特に従来感
熱接着剤として使用されている比較的低軟化点、例え
ば、50〜150℃の軟化点を有するものが好ましい。
【0031】接着層の形成は、上記の材料と添加剤をホ
ットメルトコートまたは適当な有機溶剤または水に溶解
または分散した接着層形成用塗工液を、従来公知のホッ
トメルトコート、ホットラッカーコート、グラビアダイ
レクトコート、グラビアリバースコート、ナイフコー
ト、エアコート、ロールコート等の方法により、乾燥状
態で厚さ0.1〜5μmを設けるものである。乾燥塗膜
の厚さが、0.1μm未満の場合、誘電体及び転写性導
電インキ層との接着性が劣り、印字の際に転写不良とな
る。また、厚さが5μmを越えた場合、印字時の転写感
度が低下し、満足のいく印字品質が得られない。
【0032】(裏面層)またレーザータイプの熱転写シ
ートには必要に応じて基材の光熱変換層、転写性導電イ
ンキ層の設けてある面と反対側に裏面層を設けても良
い。裏面層は、熱転写シートの機械搬送性向上、カール
防止等のために、滑性層として、また帯電防止等の為
に、帯電防止層として、またブロッキング防止層として
設けることができる。滑性層 基材の光熱変換層、転写性導電インキ層の設けてある面
と反対側に、レーザー熱転写シートの搬送性の向上や、
カール防止等のために、滑性層を設けることができる。
このような機能をもつ滑性層として、アクリル系樹脂等
にフッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂などの有機フィラー
を添加したものを用いることができる。例えば、アクリ
ルポリオール、有機フィラーを使用するのが好ましい。
アクリルポリオールとしては、エチレングリコールメタ
アクリレート、プロピレングリコールメタアクリレート
などの重合物があげられる。この他、エチレングリコー
ル部分が、トリメチレングリコール、ブタンジオール、
ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロペンタン
ジオール、シクロヘキサンジオール、グリセリン等のも
のも使用できる。これらアクリルポリオールは、カール
防止に寄与するほか、有機・無機フィラー等の添加剤を
保持しやすく、また、基材との接着性も良好である。
【0033】また滑性層として、アクリルポリオールを
硬化剤により硬化したものを使用することができる。硬
化剤は、一般に公知なものが使用できるが、中でもイソ
シアネート化合物が好ましい。アクリルポリオールはイ
ソシアネート化合物と反応しウレタン結合を形成して硬
化・立体化することにより、耐熱保存性、耐溶剤性が向
上し、さらには、基材との密着も良くなる。硬化剤の添
加量は、樹脂1反応基当量に対して、1乃至2が好まし
い。さらに、上記滑性層中に、有機フィラーを添加する
のが好ましい。このフィラーの働きで、レーザープリン
ター内等の熱転写記録材料の搬送性が向上し、また、ブ
ロッキングを防ぐ等、熱転写記録材料の保存性も向上す
る。有機フィラーとして、アクリル系フィラー、ポリア
ミド系フィラー、フッ素系フィラー、ポリエチレンワッ
クスなどがあげられる。
【0034】滑性層は、上記にあげた樹脂と有機フィラ
ーを任意に添加し、溶剤、希釈剤等で、十分に混練し
て、塗工液を製造し、基材シートの他方の面に、受容層
の形成手段と同様に、例えば、グラビア印刷法、スクリ
ーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーテ
ィング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して、滑性
層を構成する。その滑性層の厚みは、0.01〜3.0
μm程度である。
【0035】帯電防止層 レーザー熱転写シートの粉塵による汚染防止や、プリン
ターでの搬送の安定性をもたせるため、下記の帯電防止
剤を含む帯電防止層を熱転写記録材料の裏面に設けるこ
とができる。帯電防止剤としては、従来公知の陽イオ
ン、陰イオン、両性イオン、非イオン系のいずれの帯電
防止剤を使用できる。例えば、第4級アンモニウム塩、
ポリアミン誘導体などのカチオン系帯電防止剤、アルキ
ルホスフェートなどのアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エ
ステルなどのノニオン系帯電防止剤が、あげられる。帯
電防止層は、上記の帯電防止剤と有機ないし無機フィラ
ーなどの滑剤を添加してもよく、それらを溶剤に溶解ま
たは分散させた配合液を、公知の方法、すなわち、グラ
ビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等
の方法で塗布、乾燥して、形成される。その帯電防止層
の厚みは、0.001〜0.1μm程度である。
【0036】ブロッキング防止層 ブロッキング防止層としては、粒子及びバインダー樹脂
を主体に構成できる。粒子材料としてはシリカ、炭酸カ
ルシウム、クレー等の無機粒子や、MMA、スチレン、
ベンゾグアナミン等の有機粒子が用いられる。粒径は、
通常1.0〜50μmで好ましくは5〜30μmであ
る。バインダー樹脂は前記熱可塑性樹脂のうち、Tgが
50℃以上のものが好ましい。特に基材との接着性が高
いもので、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アク
リル系樹脂等が好ましい。粒子の添加量はバインダー樹
脂100重量部に対して、0.1〜30重量部程度、好
ましくは1〜5重量部加えると良い。これより粒子が少
ないと、ブロッキング防止の効果が低くなり、一方、粒
子が多いと熱変換効率が低下する。ブロッキング防止層
の厚さは、通常0.2〜20μmで好ましくは0.5〜
10μmである。
【0037】以上のレーザー熱転写シートで、基材/光
熱変換層/剥離層/転写性導電インキ層の構成において
は、転写性導電インキ層を前述した金属蒸着層と同様に
形成することも可能である。以上のレーザー熱転写シー
トで使用するレーザー光は、通常680〜1100nm
の近赤外光を発振する半導体レーザー光を5〜100μ
m径に集光したビームスポットにより走査露光が好まし
く行われる。
【0038】例えば、誘電体が材料保持手段(ドラム)
に接触した状態で吸引孔を通して吸引により保持され、
該誘電体に、基材上に、光熱変換層、転写性導電インキ
層を、この順に積層したレーザー熱転写シートを圧力ロ
ールを通して、転写性導電インキ層が接触された状態と
して、材料保持手段の吸引孔からの吸引により誘電体と
レーザー熱転写シートが密着された状態で、光学的書き
込み手段であるレーザー光が照射されることにより記録
が行われる。ここで、光学的書き込み手段であるレーザ
ー光は、ドラムの軸方向と平行に走査される。
【0039】また、誘電体が材料保持手段(平板)に接
触した状態で吸引孔を通して吸引により保持され、該誘
電体に、基材上に、光熱変換層、転写性導電インキ層
を、この順に積層したレーザー熱転写シートを転写性導
電インキ層が接触された状態として、材料保持手段の吸
引孔からの吸引により誘電体とレーザー熱転写シートが
密着された状態で、光学的書き込み手段であるレーザー
光が照射されることにより記録が行われる。ここで、光
学的書き込み手段であるレーザー光は、X、Y方向に走
査される。上記の吸引による密着は、真空密着手段によ
り誘電体とレーザー熱転写シートを密着させることが、
光学的書き込み、記録の位置精度が高いため、コイル状
回路及びコンデンサ電極板用回路の形成で、寸法、位置
精度の高い、回路を製造することができる。
【0040】レーザー光の光量や照射面積を変化させる
ことにより、与えるエネルギーを変化させることができ
る。レーザー熱転写シートの転写性導電インキ層と、誘
電体とを接触させてレーザー光を5〜100μm径に照
射する際に、レーザー光を熱転写シート側から照射して
画像を形成してもよいし、またはレーザー光を誘電体側
から照射して画像を形成してもよい。例えば、レーザー
光を熱転写シート側から照射して記録する場合、レーザ
ー光は熱転写シートの基材から光熱変換層へ照射される
が、該基材はレーザー光の吸収材料を含有しないことが
好ましい。また、レーザー光を誘電体側から照射して画
像を形成する場合は、レーザー光は誘電体を経由して、
熱転写シートの転写性導電インキ層、光熱変換層へ照射
されるが、該誘電体、転写性導電インキ層はレーザー光
の吸収材料を含有しないことが好ましい。それは、レー
ザー光照射により、光熱変換層でレーザー光が熱に有効
に変換されるようにするためである。
【0041】以上に、転写性導電インキ層を有する熱転
写シートとして、基材上に剥離層を介して金属蒸着層を
設けたものや、基材上に、近赤外線吸収材料とバインダ
ー樹脂を主体とする光熱変換層、転写性導電インキ層
を、この順に積層したものについて説明したが、本発明
の目的から外れない範囲で、熱転写(サーマルヘッド記
録、レーザー記録等)により導電インキ層が転写できる
熱転写シートであれば、いずれのものでもよく、限定さ
れるものではない。
【0042】(共振回路の製造方法)本発明の共振回路
の製造方法は、誘電体の少なくとも一方の面にコイル状
回路と、該誘電体の他方の面にコンデンサ電極板用回
路、またはコンデンサを兼ねたコイル状回路を設けた共
振回路の製造方法において、該コイル状回路及びコンデ
ンサ電極板用回路の形成を、転写性導電インキ層を有す
る熱転写シートを用いて、該導電インキ層と誘電体とが
接するように重ねて、該導電インキ層を該誘電体上にパ
ターン状に熱転写させて行うものである。熱転写する方
法は、基材上に剥離層を介して金属蒸着層を設けた熱転
写シートを用いて、サーマルヘッド加熱等で金属蒸着層
を誘電体に熱転写する方法と、基材上に、近赤外線吸収
材料とバインダー樹脂を主体とする光熱変換層、転写性
導電インキ層を、この順に積層したレーザー熱転写シー
トを用い、レーザー光照射により導電インキ層を誘電体
に熱転写する方法がある。
【0043】上記のコイル状回路及びコンデンサ電極板
用回路の形成を、サーマルヘッド加熱で行う場合、誘電
体と熱転写シートを、誘電体と金属蒸着層が接するよう
に重ねて加熱する際に、誘電体と熱転写シートに伸縮や
シワ等が生じないようにテンション制御を適切に行うこ
とが好ましい。また、サーマルヘッド加熱の記録密度が
高く、記録精度が高くできるようなサーマルヘッドとそ
の制御をすることが好ましい。次に、レーザー熱転写方
式では、真空密着手段等により誘電体とレーザー熱転写
シートを密着させて、光学的書き込みを行い、またレー
ザー光は、680〜1100nmの近赤外光を発振する
半導体レーザー光を5〜50μm径程度に集光したビー
ムスポットにより走査露光して、記録位置精度を高くす
ることが好ましい。
【0044】このような共振回路の製造方法において、
誘電体の少なくとも一方の面にコイル状回路と、該誘電
体の他方の面にコンデンサ電極板用回路、またはコンデ
ンサを兼ねたコイル状回路をの形成を、転写性導電イン
キ層を有する熱転写シートを用いて、該導電インキ層を
該誘電体上にパターン状に熱転写させる際に、熱転写で
きる導電インキ層の厚さが従来の方法で製造された共振
回路と比べ、小さい場合、共振回路に必要な所定の抵抗
R、インダクタンスL及びコンデンサ容量Cを確保し、
共振周波数を得るには、例えば、サーマルヘッド加熱で
誘電体の同一箇所に2回以上、熱転写シートを介して加
熱する。その際、熱転写シートは毎回未使用の熱転写層
を用いることが好ましい。さらに、レーザー熱転写方式
においても、例えば、誘電体の同一箇所に2回以上、熱
転写シートを介してレーザー光を照射する。その際、熱
転写シートは毎回未使用の熱転写層を用いることが好ま
しい。このように誘電体に導電インキ層をパターン状に
2回以上、重ねて熱転写することにより、導電インキ層
の厚みを大きくして、共振回路に必要な所定の抵抗R、
インダクタンスL及びコンデンサ容量Cを確保し、共振
周波数を得ることが、好ましく行われる。
【0045】以上のような製造方法で、誘電体の両面に
コイル状回路及びコンデンサ電極板用回路を形成して、
共振回路が得られる。この共振回路は高周波に対して共
振する回路であり、送信された高周波に共振して、エコ
ー波を発信することができる。高周波に対して共振する
回路は、コイルとコンデンサーを有する、高周波(電磁
波等)に対して共振する回路(LC回路)である。上記
のような共振回路のセンサーは、特定の周波数の電磁波
を送信し、LC回路からその周波数と一致した電磁波に
共振して、エコー波を受信する機能をもつ。そして、そ
のセンサーでLC回路が検知され、その検知された受信
信号を、物流工程での物品移動や識別管理等の特定信号
に変換し、各種用途に展開して使用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明では誘電体の少な
くとも一方の面にコイル状回路と、該誘電体の他方の面
にコンデンサ電極板用回路、またはコンデンサを兼ねた
コイル状回路を設けた共振回路において、該コイル状回
路及びコンデンサ電極板用回路の形成を、転写性導電イ
ンキ層を有する熱転写シートを用いて、該導電インキ層
と誘電体とが接するように重ねて、該導電インキ層を該
誘電体上にパターン状に熱転写させて行うものであり、
従来のエッチング法によるコイル状回路の製造法を用い
ずに、部品の寸法、位置精度の高い、共振特性が安定し
た共振タグやカードに利用でき、また容易に、かつ効率
良く共振回路を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共振回路の一つの実施の形態を示す断
面図である。
【図2】本発明の共振回路の一つの実施の形態を示す、
表と裏の平面図である。
【符号の説明】
1 共振回路 2 誘電体 3 コイル状回路 4 コンデンサ電極板用回路 5 R,L回路パターン 6,7 導通用端子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体の少なくとも一方の面にコイル状
    回路と、該誘電体の他方の面にコンデンサ電極板用回
    路、またはコンデンサを兼ねたコイル状回路を設けた共
    振回路において、転写性導電インキ層を有する熱転写シ
    ートを用いて、該導電インキ層を該誘電体上にパターン
    状に熱転写させて、該コイル状回路及びコンデンサ電極
    板用回路を形成したことを特徴とする共振回路。
  2. 【請求項2】 誘電体の少なくとも一方の面にコイル状
    回路と、該誘電体の他方の面にコンデンサ電極板用回
    路、またはコンデンサを兼ねたコイル状回路を設けた共
    振回路の製造方法において、該コイル状回路及びコンデ
    ンサ電極板用回路の形成を、転写性導電インキ層を有す
    る熱転写シートを用いて、該導電インキ層と誘電体とが
    接するように重ねて、該導電インキ層を該誘電体上にパ
    ターン状に熱転写させて行うことを特徴とする共振回路
    の製造方法。
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EP99307519A EP0988991B1 (en) 1998-09-24 1999-09-23 Thermal transfer sheet, thermal transfer recording method, thermal transfer recording system, resonance circuit and process for producing the same
AT99307519T ATE361202T1 (de) 1998-09-24 1999-09-23 Thermisches übertragungsblatt, thermisches übertragungsaufzeichnungsverfahren, thermisches übertragungsaufzeichnungssystem , resonanzkreis und verfahren zu dessen herstellung
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002095674A1 (fr) * 2001-05-21 2002-11-28 Oji Paper Co., Ltd. Element de montage de puce ci, son procede de production et couche mince de transfert thermique utilisee dans le procede de production
JP2006121086A (ja) * 2004-10-18 2006-05-11 E I Du Pont De Nemours & Co 容量性/抵抗性デバイス、有機誘電ラミネート、およびそのようなデバイスを組み込むプリント配線板、ならびにその作製の方法
JP2011179409A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Denso Corp 燃料供給装置

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