JP7293918B2 - 共振識別子の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、共振識別子の製造方法、及び共振識別子の製造装置に関する。
近年、バーコードやICチップ内蔵型の電子タグに代わる技術として、共振識別子(いわゆる「チップレスRFIDタグ」)を用いたRFIDシステムが注目されている。
共振識別子は、当該タグ内に集積回路を有さず、電磁波が照射された際の反射特性によって識別情報を構成する。そして、この種のRFIDシステムにおいては、リーディング機構から共振識別子に対して電磁波を照射し、リーディング機構が共振識別子の反射特性を検出することで、当該共振識別子に付された識別情報を読み取る仕組みとなっている。
この種の共振識別子としては、例えば、基材上に、互いに異なる共振周波数を有する複数の共振素子を形成し、その共振素子の組み合わせで識別情報を表現するものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
尚、共振識別子は、公知のチップRFIDのように集積回路を形成する必要がないため、コスト面や製造容易性の点で有用である。
特表2009-529724号公報
ところで、この種の共振識別子においては、規格化された共通の形状の共振素子が設けられるチップRFIDと異なり、識別情報毎に異なる形状の共振素子(即ち、導体パターン層)を、当該共振識別子の基材上に形成する必要がある。
このような背景から、安価で且つ小ロットで、種々の形状の共振素子を有する共振識別子を製造する製造方法を確立する要請がある。
他方、この種の共振識別子は、リーディング機構から照射された電磁波の反射特性により識別情報を構成するため、共振ピーク(即ち、共振識別子内に構成された共振素子の共振周波数において表出する共振ピーク)における反射波の信号特性(例えば、信号強度又はQ値)が良好であることも、重要な要件である。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、良好な信号特性を確保しながら、安価で且つ小ロットで、種々の形状の共振素子を有する共振識別子を製造することを可能とする共振識別子の製造方法、及び共振識別子の製造装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する本開示の一態様は、
基材と当該基材上に配設された共振素子を構成する導体パターン層とを有する共振識別子の製造方法であって、
前記導体パターン層は、少なくとも箔基材、剥離層及び金属層がこの順に配設されて構成された転写箔を用いて、オンデマンド箔押し法で、前記基材上に前記金属層をパターン転写することにより形成され、
前記基材の上面の前記金属層を配設する予定の第1領域に、接着層を形成する第1工程と、
前記基材の上面に対して、押圧部材にて、前記転写箔を押し付ける第2工程と、
前記基材から前記転写箔を引き離して、前記基材の前記第1領域に存在する前記転写箔の前記剥離層を前記箔基材から剥離させる第3工程と、を有し、
前記第1工程は、前記第1領域に形成された前記接着層の周縁部の厚さが、前記接着層の中央部の厚さよりも厚くなるように実行される、
共振識別子の製造方法である。
また、前述した課題を解決する本開示の一態様は、
基材と当該基材上に配設された共振素子を構成する導体パターン層とを有する共振識別子の製造方法であって、
前記導体パターン層は、少なくとも箔基材、剥離層及び金属層がこの順に配設されて構成された転写箔を用いて、オンデマンド箔押し法で、前記基材上に前記金属層をパターン転写することにより形成され、
前記基材の上面に対して、少なくとも前記箔基材、前記剥離層、前記金属層及び接着補強層がこの順に配設されて構成された前記転写箔を押し付けつつ、前記転写箔のうち、前記基材の上面の前記金属層を配設する予定の第1領域に対応する領域を選択的に加熱する第4工程と、
前記基材から前記転写箔を引き離して、前記基材の前記第1領域に存在する前記転写箔の前記剥離層を前記箔基材から剥離させる第5工程と、を有し、
前記第4工程は、前記第1領域の周縁部を加熱する際の熱出力が、前記第1領域の中央部を加熱する際の熱出力よりも大きくなるように実行される、
共振識別子の製造方法である。
本開示に係る共振識別子の製造方法によれば、良好な信号特性を確保しながら、安価で且つ小ロットで、種々の形状の共振素子を有する共振識別子を製造することが可能である。
第1の実施形態に係るRFIDシステムの構成の一例を示す図 第1の実施形態に係る共振識別子の斜視図 第1の実施形態に係る共振識別子の電磁波に対する反射特性を示す図 第1の実施形態に係る共振識別子製造装置の一例を示す図 第1の実施形態に係る共振識別子製造装置における共振識別子の製造プロセスを模式的に示す図 第2の実施形態に係る共振識別子製造装置の一例を示す図 第2の実施形態に係る第1接着材塗布装置が塗布する接着材のパターン(図7A)、及び、第2接着材塗布装置が塗布する接着材のパターン(図7B)の一例を示す図 第2の実施形態に係る第1接着材塗布装置及び第2接着材塗布装置の2段階の接着材塗布により形成される接着層の側面断面図 第3の実施形態に係る共振識別子共振識別子製造装置の一例を示す図 第4の実施形態に係る共振識別子製造装置の一例を示す図 第4の実施形態に係る共振識別子の製造プロセスを模式的に示す図 第5の実施形態に係るサーマルヘッドが発熱素子に印加する駆動電圧の一例を示す図 各実施形態で説明した共振識別子の製造方法で製造した共振識別子の信号評価の評価結果を示す図 各実施形態で説明した共振識別子の製造方法で製造した共振識別子の信号評価の評価結果を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
[RFIDシステムの構成]
まず、図1を参照して、本実施形態に係るRFIDシステムAの全体構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るRFIDシステムAの構成の一例を示す図である。
本実施形態に係るRFIDシステムAは、共振識別子1、及びリーディング機構2を含んで構成される。
共振識別子1は、外部(ここでは、リーディング機構2)から照射された電磁波に対する反射特性により、識別情報を構成する。
具体的には、共振識別子1は、所定の周波数の電磁波が照射された際に共振する複数の共振素子を有している(図2を参照して後述)。そして、共振識別子1は、複数の共振素子それぞれの共振周波数に合致する周波数の電磁波を吸収し、それ以外の周波数の電磁波が照射された場合には反射する反射特性を有する。つまり、共振識別子1は、共振による電力損失(吸収)をシグナルとして識別情報を構成する。
共振識別子1が構成する識別情報は、当該共振識別子1に形成された複数の共振素子それぞれの共振周波数と対応付けられており、例えば、共振周波数に対応する桁数目の識別符号を「1」として、「0010100」等と表される。
リーディング機構2は、高周波(例えば、1GHzから10GHzの帯域)の電磁波を送信して、共振識別子1に照射する。この際、リーディング機構2は、所定周波数帯域内において送信周波数をスイープさせるように電磁波を送信し、電磁波を送信した際の共振識別子1からの反射波に基づいて、共振識別子1の共振周波数を検出する。そして、リーディング機構2は、共振識別子1の共振周波数に基づいて、共振識別子1の識別情報を識別する。
[共振識別子の詳細構成]
図2は、本実施形態に係る共振識別子1の斜視図である。図3は、本実施形態に係る共振識別子1の電磁波に対する反射特性を示す図である。図3の反射特性は、共振識別子1に所定周波数の電磁波を照射した際に共振識別子1から発せられる反射波の挙動を示している。図3の横軸は照射する電磁波の周波数[Hz]、縦軸は共振シグナル[dB](即ち、電磁波が照射された際に検出される反射波の強度)を表している。
共振識別子1は、基材11と、当該基材11上に配設された導体パターン層12と、を備えている。
基材11は、例えば、紙材又は樹脂材等の誘電体材料で形成されている。
尚、実用的観点からは、基材11としては、表面側に印刷塗布層が形成された印刷物が用いられるのが望ましい。この場合、導体パターン層12が、当該印刷物の印刷面と反対側の面に形成されるのが望ましい。
導体パターン層12は、アルミ材や銅材等の導電材料で形成されている。本実施形態に係る導体パターン層12は、オンデマンド箔押し法(図4、図5を参照して後述)で形成された金属箔層である。
導体パターン層12は、ベタ状の導体層中の一部をくり抜くように形成された複数のスリット13a、13b、13cを有する。複数のスリット13a、13b、13cは、それぞれ、互いに異なる共振周波数の共振素子13Qa、13Qb、13Qcを構成している。スリット13a、13b、13cによって形成される共振素子13Qa、13Qb、13Qcは、いわゆるスロットアンテナと称される共振素子である。
具体的には、導体パターン層12は、互いに隣接して配設された3つのスリット13a、13b、13cを有している。ここでは、スリット13aは、周波数faに共振周波数を有する共振素子13Qaを構成しており、スリット13bは、周波数fb(但し、fb>fa)に共振周波数を有する共振素子13Qbを構成しており、スリット13cは、周波数fc(但し、fc>fa)に共振周波数を有する共振素子13Qcを構成している。
図3の周波数fa、fb、fcにおける共振ピークは、共振識別子1に形成された共振素子13Qa、13Qb、13Qcの共振による電力損失(吸収)を表している。そして、周波数fa、fb、fcが、共振識別子1の識別情報を構成している。尚、以下では、周波数fa、fb、fcを、それぞれ、共振周波数fa、fb、fcとも称する。
スリット13a、13b、13cは、それぞれ、周波数fa、fb、fcに対応する波長の略λ/2程度の長さの長方形状を呈している。又、スリット13a、13b、13cは、長手方向が向かい合うように互いに略平行に配設されている。又、スリット13a、13b、13cは、スリットの長さ(長手方向の長さを表す。以下同じ)が一方側から他方側に向かって順番に短くなるように配設されている。
尚、スリット13a、13b、13cは、例えば、共振周波数fa、fb、fcがミリ波又はギガ波の周波数帯域(1GHz~3THz)となるように、より好適には、3.1GHz以上で且つ10.6GHz以下の周波数帯域となるように形成されている。
以下、共振素子13Qa、13Qb、13Qcのいずれかについて、区別しない場合には、「共振素子13Q」と総称する。又、同様に、スリット13a、13b、13cのいずれかについて、区別しない場合には、「スリット13」と総称する。
導体パターン層12の厚み(図2のd1)は、典型的には、0.1μmより大きく且つ4μm未満である。
共振識別子1においては、一般に、導体パターン層12の厚みが、共振素子13Qの共振ピークにおける信号強度(ここでは、吸収量)やQ値に影響し、共振素子13Q(ここでは、スリット13)の寸法バラツキが、共振素子13Qの共振周波数の精度(即ち、設計値と実際値の間の誤差)に影響する。
典型的には、導体パターン層12の厚みが薄い場合には、共振識別子1の導体パターン層12の導電性が低下するため、共振素子13Qが共振した際の共振ピークにおけるQ値は低下する。かかる観点から、導体パターン層12の厚みは、0.1μmよりも厚くする必要がある。
一方、導体パターン層12の厚みが厚すぎると、導体パターン層12内での多重反射等に起因して、所望の共振周波数以外でも共振ピークが表出し(即ち、共振モードの多重化)、共振素子13Qにより識別情報を構成することができない状態となる。かかる観点から、導体パターン層12の厚みは、4μm未満とする必要がある。
但し、導体パターン層12の厚みは、箔転写時の箔切れ性(即ち、箔転写性)を向上させる観点から、0.1μmより大きく且つ2μm未満に設定されるのが好ましく、0.2μmより大きく且つ1.0μm未満に設定されるのがより好ましい。これによって、共振素子13Qの寸法精度をより高めることが可能である。
導体パターン層12は、オンデマンド箔押し法を用いて、転写箔を基材11上にパターン転写することによって形成されている。オンデマンド箔押し法とは、転写型(版、はんこ)を使用しない転写技術であり、具体的には、コールドフォイル方式、サーマル熱転写方式又はレーザー熱転写方式で、転写箔から金属層を基材11上にパターン転写する技術が挙げられる。
一般に、パターン切替が容易で、且つ、小ロット生産に適した導体パターンの形成方法としては、導電インクを用いたインクジェット印刷法が知られている。しかしながら、インクジェット印刷法を用いて共振素子を形成した場合、公知の導電インクの導電性の低さに起因して、良好な信号特性の共振素子を形成できないという問題がある。
他方、箔転写技術として、ホットスタンピング法が知られているが、ホットスタンピング法では、箔押しの際、所望の導体パターン毎に、金属で作成された転写型(版、はんこ)を準備する必要がある。即ち、この方法では、導体パターン毎に転写型を作製する必要があるため、パターン切替を容易に行うことができず、製造コストの点で不利である。
この点、オンデマンド箔押し法においては、転写型が不要であり、種々のパターンの共振構造を有するタグを、小ロットで容易に製造することが可能である。加えて、オンデマンド箔押し法によれば、導電性の高い金属材料にて、共振素子を形成することが可能であり、且つ、十分な厚み及び高い寸法精度を有する共振素子を形成することが可能である。
[タグの製造方法]
次に、図4、図5を参照して、共振識別子1の製造方法について、説明する。
図4は、本実施形態に係るタグ製造装置Uの一例を示す図である。尚、本実施形態に係るタグ製造装置Uは、コールドフォイル方式にて、共振識別子1を製造する装置である。
図5は、本実施形態に係るタグ製造装置Uにおける共振識別子1の製造プロセスを模式的に示す図である。図5において、図5A、図5B、図5Cは、基材11上に、導体パターン層12を形成する際の各工程を時系列順に示したものである。
タグ製造装置Uは、例えば、搬送装置U1、接着材塗布装置U2、及び、箔定着装置U3を備えている。
搬送装置U1は、転写箔Pを転写する対象となる基材11を搬送する。
接着材塗布装置U2は、搬送装置U1に搬送される基材11上に接着材を塗布する。接着材塗布装置U2は、例えば、電子写真方式により、基材11の上面の金属層P3を配設する予定の金属配設予定領域(以下、「金属配設予定領域」と称する)(本発明の「第1領域」に相当)に、接着層14を形成する(図5Aを参照)。
接着材塗布装置U2は、例えば、感光体ドラムU2a、感光体ドラムU2aに対して所望のパターンのレーザー光を照射する露光装置U2b、及び、感光体ドラムU2aの表面に接着材を付着させることにより静電潜像を可視化して接着材のパターンを形成する現像装置U2c等を含んで構成される。そして、接着材塗布装置U2は、感光体ドラムU2aに形成された接着材のパターンを、基材11の上面に転写することで、基材11の接着層14を形成する。
接着層14は、転写箔Pの金属層P3と基材1とを接着する層である。接着材塗布装置U2が塗布する接着材は、例えば、加熱処理により接着力を発現する樹脂(例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体/ポリエステル系樹脂)が望ましい。これにより、続く図5Bの工程で、加熱処理が施された際に、基材11と転写箔Pの金属層P3を接着する接着力を発現する。
尚、接着材塗布装置U2は、インクジェット方式で、基材11の上面の金属配設予定領域に接着層14を形成してもよい。
箔定着装置U3は、搬送装置U1に搬送される基材11上に転写箔Pを転写する。本実施形態に係る箔定着装置U3は、基材11の上面と重なるように転写箔Pを順次繰り出す転写箔繰出装置U3aと、転写箔繰出装置U3aから繰り出された転写箔Pを基材11上に転写する定着装置U3bと、を有している。
定着装置U3bは、例えば、押圧部材(例えば、一対の加圧ローラーもしくは一対の及び加熱加圧ローラー、または加圧ローラーと加熱ローラー)にて、基材11に対して転写箔Pを押し付けながら、基材11を加熱することにより、基材11に転写箔Pを転写する(図5Bを参照)。
転写箔Pは、例えば、箔基材P1上に、剥離層P2及び金属層P3が順に形成されたものである(図5Bを参照)。ここで、剥離層P2は、箔基材P1から金属層P3がスムーズに剥離することを目的としたものである。剥離層P2の材料としては、例えば、スチレン共重合樹脂、アクリル樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂等が挙げられる。
金属層P3は、剥離層P2上に、アルミ、ニッケル、クロム、錫、銅、銀、又は金等を堆積した層である。金属層P3は、蒸着法又は電解メッキ法によって形成された金属層であるのが望ましい。かかる金属層P3は、金属粒子の集合体として構成されるため、表皮効果による抵抗の増大を抑制することができる。尚、金属層P3の厚さは、導体パターン層12の厚さに対応するように設定される。即ち、金属層P3の厚さは、典型的には、0.1μmより大きく且つ4μm未満であり、好ましくは0.1μmより大きく且つ2μm未満であり、より好ましくは0.2μmより大きく且つ1.0μm未満である。
尚、転写箔Pの構成は、上記に限られない。例えば、箔基材P1と剥離層P2の間に、プライマー層を設けてもよい。これにより、箔基材P1から、金属層P3と共に剥離層P2を剥離させる際の剥離性を良好にすることができる。又、金属層P3の表面に、接着補強層を設けてもよい。これにより、基材11、もしくは基材11上に形成された接着層と接着補強層との接着性を強化することが可能である。
図5A~図5Cを参照して、本実施形態に係るタグ製造装置Uにおける共振識別子1の製造プロセスを説明する。
図5Aの工程は、基材11上に接着層14を形成する工程を表す。この工程は、例えば、接着材塗布装置U2が電子写真方式にて基材11の上面の金属配設予定領域に接着層14を形成する工程である。
図5Bの工程は、基材11上に転写箔Pを押し付ける工程を表す。この工程は、例えば、箔定着装置U3の定着装置U3bが、加圧ローラー及び加熱ローラーにて、基材11の上面に対して転写箔Pを押し付けつつ、基材11の上面に押し付けた転写箔Pを加熱する処理である。基材11上に形成された接着層14は、加熱処理が施されることで、基材11と転写箔Pの金属層P3を接着する接着力を発現する。
図5Cの工程は、基材11の上面の金属配設予定領域に存在する転写箔Pの剥離層P2を箔基材P1から剥離させる工程を表す。この工程は、例えば、搬送装置U1にて基材11を搬送しながら、転写箔繰出装置U3aにて、基材11上に押し付けた転写箔Pを順次巻き上げることで実行される。これにより、基材11に押し付けられた転写箔Pは、基材11から引き離されることになる。そして、このときに作用する引っ張り力により、基材11上の接着層14と接着した転写箔Pの金属層P3は、剥離層P2と共に箔基材P1から剥離し、基材11上にパターン転写される。これによって、基材11上に導体パターン層12が形成される。
尚、図5B~図5Cの工程において、好適には、導体パターン層12は、共振素子13Qの共振周波数を規定する部分の延在方向(ここでは、スリット13の長手方向)が、転写箔Pの繰り出し方向(ここでは、搬送方向と同一方向)に対して交差する方向(典型的には、繰り出し方向に対して直交方向)となるように形成される。
一般に、オンデマンド箔押し法においては、転写箔Pから金属層P3を剥離する際、転写箔Pの繰り出し方向の下流側の端部において箔切れ性が悪化しやすく、転写箔Pの繰り出し方向に沿った方向の部位における寸法精度は悪化する傾向にある。この点、スリット13の長手方向が、転写箔Pの繰り出し方向に対して交差する方向となるように設定することによって、スリット13の長手方向の端部の寸法精度が悪化することを抑制することができる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る共振識別子1の製造方法においては、導体パターン層12は、箔基材P1上に剥離層P2及び0.1μmより大きく且つ4μm未満の厚さの金属層P3が順に形成された転写箔Pを用いて、オンデマンド箔押し法により、基材11上に金属層P3をパターン転写することにより形成される。
従って、本実施形態に係る共振識別子1の製造方法によれば、良好な信号特性(即ち、共振ピークにおける信号強度、共振ピークにおけるQ値、及び、共振素子13Qの共振周波数の精度)を確保しながら、種々の識別情報を有する共振識別子1を、小ロットで容易に製造することが可能である。
(第2の実施形態)
次に、図6~図8を参照して、第2の実施形態に係る共振識別子1の製造方法について説明する。
本実施形態に係る共振識別子1の製造方法は、上記した図5Aの工程において、接着層14の周縁部の厚さが、接着層14の中央部の厚さよりも厚くなるように実行される点で、第1の実施形態と相違する。尚、第1の実施形態と共通する構成については、説明を省略する(以下、他の実施形態についても同様)。
図6は、本実施形態に係るタグ製造装置Uの一例を示す図である。本実施形態に係るタグ製造装置Uは、基材11を搬送する搬送ライン中に、2つの接着材塗布装置U2(以下、「第1接着材塗布装置U2X」及び「第2接着材塗布装置U2Y」と称する)を有している点で、第1の実施形態に係るタグ製造装置Uと相違する。尚、第1接着材塗布装置U2X及び第2接着材塗布装置U2Yは、いずれも、第1の実施形態に係る接着材塗布装置U2と同様の構成を有している。
図7は、第1接着材塗布装置U2Xが塗布する接着材のパターン(図7A)、及び、第2接着材塗布装置U2Yが塗布する接着材のパターン(図7B)の一例を示す図である。図7A及び図7Bの13a’、13b’、13c’は、スリット13a、13b、13cを形成する予定の領域を表す。
図8は、第1接着材塗布装置U2X及び第2接着材塗布装置U2Yの2段階の接着材塗布により形成される接着層14の側面断面図である。図8のR1は接着層14の中央部を表し、R2は接着層14の周縁部を表す。
第1接着材塗布装置U2Xは、基材11の上面の金属配設予定領域全体(共振識別子1の上面の13a’、13b’、13c’以外の領域)に略均一の厚さに接着材を塗布して第1接着層14aを形成する(図7A)。第2接着材塗布装置U2Yは、基材11の上面の金属配設予定領域の周縁部(13a’、13b’、13c’の周縁の領域)のみに選択的に接着材を塗布して、第2接着層14bを形成する(図7B)。つまり、第2接着材塗布装置U2Yは、第1接着材塗布装置U2Xにて形成された第1接着層14aの周縁部のみに重ねて接着材を塗布する。これにより、接着層14の中央部R1は、第1接着層14aにより形成され、接着層14の周縁部R2は、第1接着層14aと第2接着層14bとが積層されて形成されることになる。
これによって、接着層14の周縁部(図8の領域R2)における境界面の斜度を、第1の実施形態に係る共振識別子1の製造方法よりも大きく(すなわち、基材11の表面に対して直角に近く)することが可能となる。換言すると、接着層14の周縁部における境界面の斜度の緩くなるために、接着層14の周縁部における転写箔Pの金属層P3と接着層14との接触が不安定になり、箔切れ性が悪化することを抑制することが可能である。
以上のように、本実施形態に係る共振識別子1の製造方法によれば、共振素子13Qの寸法精度を向上させ、共振素子13Qの共振周波数の精度を向上させることが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、図9を参照して、第3の実施形態に係る共振識別子1の製造方法について説明する。
本実施形態に係る共振識別子1の製造方法は、基材11に導体パターン層12を形成した後、ワイプ部材U4にて、当該導体パターン層12の表面に対してワイプ処理を施す点で、第1の実施形態と相違する。
図9は、本実施形態に係るタグ製造装置Uの一例を示す図である。本実施形態に係るタグ製造装置Uは、箔定着装置U3の下流側にワイプ部材U4を有している。
ワイプ部材U4は、基材11が搬送されるに従って、基材11上に形成された導体パターン層12の表面の凹凸を減少させるようにして、当該導体パターン層12の表面を拭き取る。つまり、ワイプ部材U4は、基材11上に形成された導体パターン層12の周縁部、即ち、スリット13の周縁部に形成されたバリ(突起)を除去する。ワイプ部材U4は、例えば、ワイプ布等で構成されている。
以上のように、本実施形態に係る共振識別子1の製造方法によれば、パターン転写時にスリット13の周縁部に形成されたバリに起因して、共振素子13Qの共振周波数の精度が悪化することを抑制することができる。
(第4の実施形態)
次に、図10、図11を参照して、第4の実施形態に係る共振識別子1の製造方法について説明する。
本実施形態に係る共振識別子1の製造方法は、基材11に金属層P3をパターン転写する際に、サーマル熱転写方式を用いる点で、第1の実施形態と相違する。
図10は、本実施形態に係るタグ製造装置Uの一例を示す図である。
図11は、本実施形態に係る共振識別子1の製造プロセスを模式的に示す図である。図11において、図11A、図11B、図11Cは、基材11上に、導体パターン層12を形成する際の各工程を時系列順に示したものである。
本実施形態に係る箔定着装置U3は、定着装置U3bに代えて、サーマルヘッドU3cを有している点で、第1の実施形態に係る箔定着装置U3と相違する。
サーマルヘッドU3cは、上下に移動可能であり、箔転写を行う際には、図10に示すように転写箔Pを挟んで基材11をプラテンに向かって押し付ける。
サーマルヘッドU3cは、例えば、搬送装置U1に搬送される基材11に対向するように、マトリクス状に配列された複数の発熱素子(即ち、抵抗素子)を備えている。そして、サーマルヘッドU3cは、金属層P3を配設する予定の金属配設予定領域に対応する各発熱素子に所定の熱エネルギーを加え、発熱した発熱素子に対応する位置における転写箔Pの接着補助層P4に接着力を発現させる。
本実施形態において、共振識別子1を製造する際には、以下の工程を順に実行する。
まず、基材11を、サーマルヘッドU3cの下方まで搬送する(図11A)。次に、サーマルヘッドU3cにて、基材11の上面に対して転写箔Pを押し付けつつ、転写箔Pのうち金属層P3を配設する予定の金属配設予定領域を選択的に加熱する(図11B)。熱は当該位置における転写箔Pの接着補助層P4にまで伝達され、当該位置にて基材11と金属層P3とが接着する。次に、基材11から箔基材P1を引き離して、基材11の上面の金属配設予定領域に存在する転写箔Pの剥離層P2を箔基材P1から剥離させて、基材11上に金属層P3をパターン転写する(図11C)。
以上のように、本実施形態に係る共振識別子1の製造方法によれば、第1の実施形態に係る共振識別子1の製造方法と同様に、良好な信号特性を確保しながら、種々の識別情報を有する共振識別子1を、小ロットで容易に製造することが可能である。
(第5の実施形態)
次に、図12を参照して、第5の実施形態に係る共振識別子1の製造方法について説明する。
本実施形態に係る共振識別子1の製造方法は、サーマルヘッドU3cが金属配設予定領域の周縁部を加熱する際の熱出力が、金属配設予定領域の中央部を加熱する際の熱出力よりも大きくなるように、基材11上に金属層P3をパターン転写する点で、第4の実施形態と相違する。
図12は、本実施形態に係るサーマルヘッドU3cが発熱素子に印加する駆動電圧の一例を示す図である。サーマルヘッドU3cは、例えば、PWM方式の駆動電圧にて、各発熱素子の熱出力を調整している。
サーマルヘッドU3cは、例えば、金属配設予定領域の中央部を加熱する際のDuty比を50%と設定し、金属配設予定領域の周縁部を加熱する際のDuty比を60%と設定して、転写箔Pのうち金属層P3を配設する予定の金属配設予定領域を選択的に加熱する。
これによって、基材11上に金属層P3をパターン転写する際の金属配設予定領域の周縁部における剥離性を向上させることができる。これにより、スリット13の寸法精度を向上させ、当該スリット13が構成する共振素子13Qの共振周波数の精度を向上させることができる。
[実施例]
次に、図13、図14を参照して、上記各実施形態で説明した共振識別子1の製造方法で製造した共振識別子1の信号評価の評価結果を示す。
図13は、第1の実施形態で示した製造方法(図13中ではコールドフォイル法1と示す)にて製造した共振識別子1の評価結果(サンプルNo.1~No.17)、第2の実施形態で示した製造方法(図13中ではコールドフォイル法2と示す)にて製造した共振識別子1の評価結果(サンプルNo.18~No.21)を示す図である。
図14は、第4の実施形態で示した製造方法(図14中ではサーマル熱転写法1と示す)にて製造した共振識別子1の評価結果(サンプルNo.22~No.38)、第5の実施形態で示した製造方法(図14中ではサーマル熱転写法2と示す)にて製造した共振識別子1の評価結果(サンプルNo.39~No.42)を示す図である。
図13及び図14の転写箔種は、転写箔Pの種類を表している。
ここで用いた転写箔種「1」に係る転写箔Pは、以下の方法により作製されている。
まず、箔基材P1上に、厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに下記組成1からなる塗布液をグラビアコート法で塗布した後、オーブン温度180℃で乾燥し、0.3μmのプライマー層を形成した。
<組成1(プライマー層形成用塗布液)>
ブチル化メラミン(三羽研究所製:RP-50) 15重量部
パラトルエンスルホン酸アミン(三羽研究所製:CP硬化剤) 1重量部
アクリルモノマー共重合体(日立化成工業製:ヒタロイド3004) 3重量部
トルエン 100重量部
その上に下記組成2からなる塗布液をグラビアコート法で塗布した後、オーブン温度130℃で乾燥し、約0.8μmの剥離層P2を形成した。
<組成2(剥離層形成用塗布液)>
メタクリル酸エステル+ポリエチレンワックス(大日精化工業製:TM-600) 15重量部
ケトン・トルエン混合溶剤 85重量部
その上に、真空蒸着機で銅の蒸着を1回施し、96nmの金属層P3を形成した。係る金属層P3を電子顕微鏡観察(加速電圧750V、観察倍率20,000倍)したところ、微粒子が堆積した状態であることを確認した。
更にその上に、下記組成3からなる塗布液をグラビアコート法で塗布した後、オーブン温度130℃で乾燥し、約0.8μmの接着補強層を形成した。
<組成3(接着補強層形成用塗布液)>
アクリルモノマー共重合体(和信化学工業製:SE-70) 33重量部
変性アクリル酸エステル(三羽研究所製:100ED) 19重量部
ケトン・トルエン混合溶剤 98重量部
転写箔種「2」~「14」に係る転写箔Pは、蒸着金属、蒸着時間、蒸着回数を変更しながら金属種、厚みの異なる金属蒸着膜を有する転写箔Pである。
転写箔種「15」~「16」に係る転写箔Pは、蒸着法に代えて電解メッキ法にて、金属層P3を形成した転写箔である。尚、電解メッキ後の金属層P3を電子顕微鏡観察(加速電圧750V、観察倍率20,000倍)したところ、基材面に沿って柱状の微粒子が密着した状態で敷き詰められていることを確認した。
転写箔種「17」に係る転写箔Pは、蒸着法に代えて圧延した金属膜で金属層P3を形成した転写箔である。尚、圧延した金属膜を電子顕微鏡観察(加速電圧750V、観察倍率20,000倍)したところ、連続相になっていることを確認した。
サンプルNo.1~No.17の共振識別子1の製造方法は、以下の通りである。まず、厚み200μmのコート紙からなる基材11に、図2のパターンを有する接着層14を形成した。そして、基材11上に、接着補強層が対面するように転写箔Pを重ね、ローラー温度を110℃、搬送速度50cm/minに設定したラミネータからなる定着装置U3bに通した。ラミネート処理の10秒後、基材11から転写箔Pを引き離し、基材11上に転写箔Pの金属層P3をパターン転写した。
サンプルNo.18~No.21の共振識別子1の製造方法は、以下の通りである。まず、厚み200μmのコート紙からなる基材11に、図7Aのパターンを有する接着層14aを形成した。その後、接着層14aの周縁部に重ね合わせるように、図7Bのパターンを有する接着層14bを形成した。尚、このようにして形成された接着層14(14a、14b)を三次元形状解析装置(VL-35;キーエンス社製)で計測したところ、スリット周縁部の接着層14の厚みが、スリット中央部の接着層14の厚みより2μm厚くなっていることが確認できた。その後、基材11上に、接着補強層が対面するように転写箔Pを重ね、ローラー温度を110℃、搬送速度50cm/minに設定したラミネータからなる定着装置U3bに通した。ラミネート処理の10秒後、基材11から転写箔Pを引き離し、基材11上に転写箔Pの金属層P3をパターン転写した。
サンプルNo.22~No.38の共振識別子1の製造方法は、以下の通りである。基材11の接着層14に対面するように転写箔Pを重ね、転写箔Pの端部を粘着テープで固定し、サーマルヘッドにより、図2のパターンにて、Duty比50%、印字速度100mm/secの条件で転写箔Pの転写を行った。
サンプルNo.39~No.42の共振識別子1の製造方法は、以下の通りである。基材11の接着層14に対面するように転写箔Pを重ね、転写箔Pの端部を粘着テープで固定し、サーマルヘッドにより、図2のパターンにて、印字速度100mm/secの条件で転写箔Pの転写を行った。転写箔Pの転写を行う際には、金属配設予定領域の中央部を加熱する際のDuty比を50%と設定し、金属配設予定領域の周縁部を加熱する際のDuty比を60%と設定した。
サンプルNo.1~No.42のワイプ処理後の評価結果は、上記で作製したサンプルNo.1~No.42に対して、第3の実施形態で説明したワイプ部材U4(ここでは、ワイプ布)によるワイプ処理を施したものである。
[評価結果]
共振識別子1の信号評価は、ベクトルネットワークアナライザー(P9373A;キーサイト社製)を用いて行った。具体的には、ベクトルネットワークアナライザーのポート1(送信用)及びポート2(受信用)それぞれにホーンアンテナを設置し、当該ホーンアンテナから20cm離間した位置に作製したサンプルNo.1~No.42の共振識別子1を設置した。そして、掃引周波数7.25~10.25GHz、送信強度-41.3dBm、IFBW=1kHz、ポイント数401pointの条件によって、SパラメータS21から共振識別子1の共振シグナルを読取った。
図13及び図14の評価結果の欄には、サンプルNo.1~No.42それぞれについて測定した共振シグナル(周波数vs受信電波強度)のピーク周波数、ピーク強度、及びQ値を示している。各評価結果は、以下の基準に基づいて決定されている。
ピーク周波数:サンプルNo.1~No.42の共振識別子1は、8.5GHzに信号ピークが出現するように設計されている。評価結果に示すピーク周波数は、共振識別子1製造時における製造誤差を表している。評価結果に示すピーク周波数は、以下の基準に従ってランク付けされている。
〇…ピーク周波数ズレが15MHzに収まっている。デコーディングのミスが発生しない。
△…ピーク周波数ズレは15MHz~30MHzに収まっている。読取り環境条件を整えることでデコーディングのミスが発生しない。
×…ピーク周波数ズレは30MHzを超えている。誤ったデコーディングが生じる。
ピーク強度:評価結果に示すピーク強度は、以下の基準に従ってランク付けされている。
〇…ピーク強度が15dB以上。ノイズが存在する外部環境でもピーク信号が読取れる。
△…ピーク強度が3dB~15dB。電波吸収剤の保護により外部環境でもピーク信号が読取れる。
×…ピーク信号が3dB未満。ピーク信号は読み取れない。
Q値:評価結果に示すQ値は、以下の基準に従ってランク付けされている。
〇…Q値は30以上。高bitの情報容量化が可能。
△…Q値は30~10。低bitの情報容量が可能。
×…Q値は10未満。1bitの情報容量しか得られない。
上記の評価結果により、共振識別子1を構成する金属層P3(導体パターン層12)が、0.1μmより大きく且つ4μm未満の蒸着法又は電解メッキ法で形成されたものである場合には、実用的な共振識別子1として利用することができることが分かる。又、共振識別子1を構成する金属層P3(導体パターン層12)が、0.1μmより大きく且つ2μm未満であると、より高品質な信号特性を得られることが分かる。
加えて、ワイプ処理を施すことにより、より高品質な共振識別子1を構成することが可能であることが分かる。
更に、第2の実施形態に係る製造方法で製造した共振識別子1(サンプルNo.18~No.21)の方が、第1の実施形態に係る製造方法で製造した共振識別子1(サンプルNo.1~No.17)よりも、高品質な信号特性を実現可能であることが分かる。又、同様に、第5の実施形態に係る製造方法で製造した共振識別子1(サンプルNo.39~No.42)の方が、第4の実施形態に係る製造方法で製造した共振識別子1(サンプルNo.22~No.38)よりも、高品質な信号特性を実現可能であることが分かる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
上記実施形態では、共振素子13Qの一例として、スリット13によって構成される態様を示した。しかしながら、本発明の共振素子13Qは、ストリップ導体によって構成されるものや、他の形状の導体によって構成されるものであってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る共振識別子の製造方法によれば、良好な信号特性を確保しながら、安価で且つ小ロットで、種々の形状の共振素子を有する共振識別子を製造することが可能である。
A RFIDシステム
1 共振識別子
2 リーディング機構
11 基材
12 導体パターン層
13a、13b、13c スリット
13Qa、13Qb、13Qc 共振素子
14 接着層
P 転写箔
P1 箔基材
P2 剥離層
P3 金属層
P4 接着補強層
U タグ製造装置
U1 搬送装置
U2、U2X、U2Y 接着材塗布装置
U2a 感光ドラム
U2b 露光装置
U2c 現像装置
U3 箔定着装置
U3a 転写箔繰出装置
U3b 定着装置
U3c サーマルヘッド
U4 ワイプ部材

Claims (14)

  1. 基材と当該基材上に配設された共振素子を構成する導体パターン層とを有する共振識別子の製造方法であって、
    前記導体パターン層は、少なくとも箔基材、剥離層及び金属層がこの順に配設されて構成された転写箔を用いて、オンデマンド箔押し法で、前記基材上に前記金属層をパターン転写することにより形成され、
    前記基材の上面の前記金属層を配設する予定の第1領域に、接着層を形成する第1工程と、
    前記基材の上面に対して、押圧部材にて、前記転写箔を押し付ける第2工程と、
    前記基材から前記転写箔を引き離して、前記基材の前記第1領域に存在する前記転写箔の前記剥離層を前記箔基材から剥離させる第3工程と、を有し、
    前記第1工程は、前記第1領域に形成された前記接着層の周縁部の厚さが、前記接着層の中央部の厚さよりも厚くなるように実行される、
    共振識別子の製造方法。
  2. 前記第1工程は、前記第1領域全体に略均一の厚さに接着材を塗布する工程と、前記第1領域の周縁部に選択的に前記接着材を塗布する工程と、を含む、
    請求項に記載の共振識別子の製造方法。
  3. 前記第2工程及び前記第3工程は、所定方向に繰り出される前記転写箔を用いて実行され、
    前記導体パターン層は、前記共振素子の共振周波数を規定する部分の延在方向が、前記所定方向に対して交差する方向となるように形成される、
    請求項1又は2に記載の共振識別子の製造方法。
  4. 基材と当該基材上に配設された共振素子を構成する導体パターン層とを有する共振識別子の製造方法であって、
    前記導体パターン層は、少なくとも箔基材、剥離層及び金属層がこの順に配設されて構成された転写箔を用いて、オンデマンド箔押し法で、前記基材上に前記金属層をパターン転写することにより形成され、
    前記基材の上面に対して、少なくとも前記箔基材、前記剥離層、前記金属層及び接着補強層がこの順に配設されて構成された前記転写箔を押し付けつつ、前記転写箔のうち、前記基材の上面の前記金属層を配設する予定の第1領域に対応する領域を選択的に加熱する第4工程と、
    前記基材から前記転写箔を引き離して、前記基材の前記第1領域に存在する前記転写箔の前記剥離層を前記箔基材から剥離させる第5工程と、を有
    前記第4工程は、前記第1領域の周縁部を加熱する際の熱出力が、前記第1領域の中央部を加熱する際の熱出力よりも大きくなるように実行される、
    振識別子の製造方法。
  5. 前記第3工程の後、ワイプ部材にて、前記導体パターン層の表面に対してワイプ処理を施す第6工程を更に有する、
    請求項乃至のいずれか一項に記載の共振識別子の製造方法。
  6. 前記第5工程の後、ワイプ部材にて、前記導体パターン層の表面に対してワイプ処理を施す第6工程を更に有する、
    請求項に記載の共振識別子の製造方法。
  7. 前記金属層は、蒸着法又は電解メッキ法で形成された、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の共振識別子の製造方法。
  8. 前記金属層の厚さは、0.1μmより大きく且つ4μm未満である、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の共振識別子の製造方法。
  9. 前記金属層の厚さは、0.1μmより大きく且つ2μm未満である、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の共振識別子の製造方法。
  10. 前記金属層の厚さは、0.2μmより大きく且つ1.0μm未満である、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の共振識別子の製造方法。
  11. 前記導体パターン層は、前記共振素子の共振周波数が、3.1GHz以上で且つ10.6GHz以下の周波数帯域となるように形成される、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の共振識別子の製造方法。
  12. 前記導体パターン層は、前記共振素子を構成するスリットを有する、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の共振識別子の製造方法。
  13. 前記スリットは、略長方形状を呈する、
    請求項12に記載の共振識別子の製造方法。
  14. 前記基材は、印刷物であって、
    前記導体パターン層は、当該印刷物の印刷面と反対側の面に形成される、
    請求項1乃至13のいずれか一項に記載の共振識別子の製造方法。
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