JP2000268974A - 薄膜重合による耐熱性高分子ホール輸送性薄膜の作製方法及びその方法により作製されたの有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

薄膜重合による耐熱性高分子ホール輸送性薄膜の作製方法及びその方法により作製されたの有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2000268974A
JP2000268974A JP11072897A JP7289799A JP2000268974A JP 2000268974 A JP2000268974 A JP 2000268974A JP 11072897 A JP11072897 A JP 11072897A JP 7289799 A JP7289799 A JP 7289799A JP 2000268974 A JP2000268974 A JP 2000268974A
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hole transporting
vacuum
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manufacture
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Masao Tamada
正男 玉田
Hiroshi Koshikawa
博 越川
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Japan Atomic Energy Agency
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Japan Atomic Energy Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 劣化の少ない、また、高い温度でも、使用で
きる長寿命の高分子薄膜を用いたエレクトロルミネッセ
ンス素子。 【解決手段】 ホール輸送能を有する官能基をエステル
結合したアクリル酸エステルを真空蒸着により、インジ
ュウムスズ酸化物透明電極基板の上に50〜150nm
の厚みの薄膜を作製後、紫外線照射と同時に又は紫外線
照射後に加熱して重合させることにより耐熱性高分子ホ
ール輸送性薄膜を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】有機エレクトロルミネッセン
ス(EL)素子は、100nm程度の厚さの有機薄膜で
構成され、アノード及びカソード電極から薄膜に正孔及
び電子を注入し、発光させる。自ら発光する素子である
ため薄膜ディスプレイとして有望である。しかし、発光
時の発熱により薄膜の融解や結晶化により、薄膜の構造
変化が生じ、輝度の低下など素子の劣化が問題となって
いる。この劣化を本発明によって克服することにより、
より劣化の少ない、また、高い温度でも、使用できる長
寿命の素子が作製可能である。さらに、高分子薄膜を用
いたエレクトロルミネッセンス素子ではフレキシブルな
発光素子の構築が可能である。
【0002】
【従来の技術】a.多結晶薄膜にならないようホール輸
送能を有する有機分子を大型化や非対称化(具体的に
は、ガラス転移点の高いトリフェニルアミン誘導体を合
成:Appl.Phys.Lett.,Vol.70,
No.15,14 April1997,P.1929
−1931)を行い、真空蒸着により、インジュウムス
ズ酸化物透明電極基板の上に薄膜を作製する。しかし、
この合成には、その大型化や非対称化に伴う合成段階が
複雑になるという問題点があった。
【0003】b.ホール輸送能を有する高分子を合成し
(月刊ディスプレイ、’98 10月別冊、p.28−
36)、溶媒に溶かしたのち、スピンコート法又は引き
上げ法により、インジュウムスズ酸化物透明電極基板の
上に薄膜を作製する。しかし、この作製法では、湿式法
であるため溶媒からの不純物の混入があり、また基板の
プラズマ洗浄後、いったん、真空容器から取り出し、薄
膜を作製後、再度、電子輸送層や発光層の積層のため、
真空容器に入れなければならない問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、従来から
利用されているホール輸送製造材料に重合を可能とする
ビニル基を導入し、分子間に結合を作製する重合を利用
して、耐熱性の向上をはかる。
【0005】また、高分子薄膜は溶媒を使用した湿式法
で作製されるが、本発明では真空蒸着後に重合を行うた
め、その後に真空を破らずに引き続いて、電子輸送層や
発光層の積層が可能であり、EL素子の作製が真空一環
プロセスで行うことができるようになる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、ホー
ル輸送能を有する官能基をエステル結合したアクリル酸
エステルを真空蒸着により、インジュウムスズ酸化物透
明電極基板の上に50〜150nmの厚みの薄膜を作製
後、紫外線(UV)照射又はUV照射後に加熱し、重合
させることにより、有機エレクトロルミネッセンス素子
として使用される際に輝度低下等の劣化の少ない、ま
た、高い温度でも使用できる長寿命の素子が作製可能で
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】UVの照射により、ホール輸送能
を有する官能基をエステル結合したアクリル酸エステル
の薄膜の重合が室温で進み、その後、昇温により重合を
行った場合に、熱による薄膜構造の崩壊がなく、重合率
が高く平滑な薄膜を得ることができる。ドライプロセス
薄膜の作製が可能であるため、EL素子の作製に際して
は真空一環プロセスが可能となる。
【0008】即ち、本発明におけるEL素子の作製にお
いては、図1に示されるように、ガラス基板上に透明か
つ導電性のインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる
電極層を形成させ、その電極層上に、ホール輸送能を有
する官能基をエステル結合したアクリル酸エステルから
なる薄膜を真空蒸着する。この蒸着薄膜に真空を保持し
たまま紫外線を照射し、その後加熱して膜の重合率を増
加させる。このようにして形成された高重合率の薄膜の
上に発光層及び電極を形成してEL素子を作製する。し
たがって、前述のとおり、本発明では真空蒸着後に重合
を行うため、その後の工程でも真空を破らずに引き続い
て電子輸送層や発光層の積層を行うことが可能であり、
EL素子の作製が真空中での一環プロセスで行うことが
できるものである。
【0009】本発明では、EL素子用の高分子薄膜材料
としてアクリル酸エステル系高分子を用いたが、その他
にメタクリルエステル、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、ビニル等の高分子も使用することができる。即
ち、これらの高分子からなる薄膜は、図2に示されるよ
うな式A及びBの任意の組み合わせからなるホール輸送
能を有する官能基をエステル結合したモノマーが重合し
て得られたものである。下、本発明を実施例に基づいて
説明する。
【0010】
【実施例】(実施例1)ホール輸送能を有する官能基
(トリフェニルアミン2量体の誘導体)をエステル結合
したアクリルモノマーである図3に示す化学構造のモノ
マー〔N−フェニルーN’−アクリロイルオキシメチレ
ンーN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1、1’
−ビフェニルー4,4’−ジアミン〕を真空蒸着により
インジウムスズ酸化物透明電極上に60nm積層し、真
空中で低圧水銀ランプから発生する紫外線を0.3mW
/cm2の強度で10分間照射の後、127℃まで加熱
することにより、96%の重合率の薄膜が得られた。
【0011】このようにして得られた重合率の異なる薄
膜を真空容器から取り出し、強制循環式恒温槽で加熱
し、その表面を微分干渉顕微鏡で観察し、凹凸や欠損の
発生がない加熱温度を、図4に示されるように、その重
合率に対してプロットした。
【0012】その結果、重合しない膜では77℃で薄膜
構造が壊れ、基板が露出した。又、重合率を上昇させる
に従い、加熱による薄膜へのダメージは減少し、96%
の重合率の薄膜では127℃まで、薄膜構造は安定であ
った。
【0013】(実施例2)インジウムスズ酸化物透明電
極上に作製した図3に示す化学構造のモノマー薄膜にU
V照射及び加熱を施して得られた96%の重合率の薄膜
上に、発光・電子輸送層(トリス(8−キノリラト)ア
ルミ二ウム錯体)を60nmの厚さに真空蒸着し、さら
にMg/Ag電極を作製して、EL素子を構築した。
【0014】電極に電圧を印加し、輝度計によりEL素
子の輝度を測定した。図5に示されるとおり、モノマー
薄膜ではダークスポットが発生し、輝度は上昇しなかっ
たが、重合した薄膜では測定中にダークスポットの発生
はなく、輝度は電流の増加とともに上昇した。
【0015】
【発明の効果】本発明においては、真空蒸着により、ホ
ール輸送能を有する官能基をエステル結合したアクリル
酸エステルを薄膜化し、UV照射とその後の加熱によ
り、重合させることにより、その薄膜の耐熱性が向上し
た。又、本発明により、真空一環プロセスでのEL素子
の構築が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EL素子の構造を示す図である。
【図2】 ホール輸送能を有する官能基をエステル結合
したモノマー(式Aと式Bの任意の組み合わせからな
る)を示す図である。
【図3】 ホール輸送能を有する官能基(トリフェニル
アミン 2 量体の誘導体)をエステル結合したアクリル
モノマーの例を示す図である。
【図4】 重合率と耐熱性の関係を示す図である。
【図5】 モノマー薄膜と重合薄膜から作製したEL素
子の発光特性の比較を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホール輸送能を有する官能基をエステル
    結合したアクリル酸エステルを真空蒸着により、インジ
    ュウムスズ酸化物透明電極基板の上に50〜150nm
    の厚みの薄膜を作製後、紫外線照射と同時に又は紫外線
    照射後に加熱して重合させることにより、耐熱性高分子
    ホール輸送性薄膜の作製方法。
  2. 【請求項2】 インジュウムスズ酸化物透明電極基板上
    に蒸着されたホール輸送能を有する官能基をエステル結
    合したアクリル酸エステルの薄膜に、紫外線照射処理及
    び加熱処理を施して耐熱性で、且つ輝度劣化の少ない長
    寿命の薄膜が形成されて成る有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010021221A1 (ja) * 2008-08-19 2010-02-25 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法
JP2010050129A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法

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