JP2000268649A - 酸化物超電導線材およびその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導線材およびその製造方法

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JP2000268649A
JP2000268649A JP11073978A JP7397899A JP2000268649A JP 2000268649 A JP2000268649 A JP 2000268649A JP 11073978 A JP11073978 A JP 11073978A JP 7397899 A JP7397899 A JP 7397899A JP 2000268649 A JP2000268649 A JP 2000268649A
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silver
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metal
precursor
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Mitsunobu Wakata
光延 若田
Hiroko Higuma
弘子 樋熊
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Mitsubishi Electric Corp
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で安価な金属または合金を主基材とし
て銀基金属の使用量を大幅に低減し、酸化物超電導体と
金属または合金基材層との「電気化学反応」を防止し
た、高強度、低コストの酸化物超電導線材を提供する。 【解決手段】 酸化物超電導体層、銀基金属層、反応防
止層および金属基材層または合金基材層を主構成要素と
し、酸化物超電導体層と金属または合金基材層とが酸化
物超電導体層側に銀基金属層で金属または合金層側に反
応防止層で隔離されている酸化物超電導線材およびそれ
らの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超電導送電ケーブ
ル、超電導マグネットなどに用いられる酸化物超電導線
材に関する。
【0002】
【従来の技術】現状では酸化物超電導材料としてはBi
−2223相およびBi−2212相が実用化されつつ
ある。たとえば、文献[K. Inoue et al., Advanced in
Superconductivity; Proceeding 9st International S
imposium on Superconductivity (1996, Sapporo) 146
3]では1.8K冷却による21.1Tの金属系の超電
導マグネットの内層に4.2K冷却によるBi−221
2相の高温超電導マグネットをハイブリッド化し、2
3.5Tの磁界を発生している。また、文献[T. Kato
et al., Proceeding 10st International Simposium on
Superconductivity (1997, Gifu) 877]ではBi−2
223相の高温超電導マグネットを冷凍器により冷却
し、20Kで7Tの磁界発生に成功している。
【0003】これらに使用されている高温超電導線材は
図4および6に示された断面形状のテープ線材が主流で
ある。図において斜線部1が酸化物超電導材料、白色部
2が銀基金属を示す。図6(a)、6(b)は Powder-
in-Tube(PIT)法という銀チューブ中に酸化物超電
導材料の粉末を充填して伸線加工して単芯線を作製し、
図6(b)の場合はさらに多数の単芯線を銀チューブ中
に集束して伸線加工して多芯線を作製し、圧延加工のの
ちに熱処理する方法により作製されたものである。ま
た、図4(a)、4(b)は銀テープ上に酸化物超電導
粉末を有機バインダーと混合したインクを塗布し、図4
(b)の場合にはそれを複合化し、熱処理する方法によ
り作製される。この塗布法においてはインクの塗布には
ディップコート、スクリーン印刷、ドクターブレードな
ど各種の方法が試みられている。また、酸化物超電導材
料の異方性から酸化物超電導体の結晶のc−軸はテープ
面に垂直方向にそろえる配向化技術が適用され、テープ
の長手方向に超電導電流が流れやすい構造となってい
る。酸化物超電導材料としては上述したBi系材料の他
にTl系材料、Y(Nd)系材料など様々な材料でも試
みられている。また、線材断面構造は図4〜6のテープ
状に限らず、丸線構造、平角構造なども検討されてい
る。
【0004】こうした線材の合成において、銀は加工性
に優れる、反応性の高い酸化物超電導材料と反応しな
い、酸化物超電導材料を配向化させる、ある程度の酸素
を通過させるなどの機能が利用されている。図4〜6に
おける線材の断面において酸化物超電導材料の断面積に
対する銀の断面積の割合は銀比と呼ばれている。この銀
比は加工性の観点から2程度以上の値が採用されてい
る。
【0005】酸化物超電導線材は4.2Kでは20T以
上の高磁界でも臨界電流密度(Ic)が金属系線材より
高いため、NMRなどの高磁界応用が考えられている。
また、臨界温度(Tc)が高いために〜20K程度の温
度でも〜7T程度の磁界発生が可能で、金属系超電導マ
グネットより運転コストの安い超電導マグネットの実用
化も期待されている。さらに、液体窒素温度においても
弱磁界下ではかなりのJcを有する線材も開発されてお
り、送電線への応用も期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】文献[Y. Iwasa, IEEE
Trans. On Mag., Vol. 24, No. 2 (1988) 1211]によ
ると酸化物超電導線材を77K(〜20K程度以上の温
度でも同様)で使用する場合、酸化物超電導材料の比熱
が4.2Kでの値に比較すると極めて高く、銀比は保護
の観点からはある程度は必要であるが安定化の観点から
は0でもかまわない。したがって、(1)安定化銀比を
低減することによる線材コストの低減が第1の課題であ
る。また、銀の機械的強度は低いため、高磁界マグネッ
トないし大型マグネットでの高い電磁力には耐えない。
したがって、(2)機械的強化も重要な第2の技術課題
である。これらを同時に解決する手段としてSUSやN
i系の金属または合金で強化する試みもある。文献[M.
R. Notis et al., Advancedin Superconductivity; Pr
oceeding 1st International Simposium on Supercondu
ctivity (1988, Nagoya) 371]では超電導材料としてY
Ba2Cu37- δをAgチューブ、さらにSUS403
チューブで被覆した図7(d)に示した断面の丸線での
検討結果を報告している。しかしながら、熱処理後の断
面観察の結果、銀との界面近傍の超電導体中のCu量が
低下し、SUS403とAgとの界面ではSUS403
側にFeの酸化物が、Ag側にCuの酸化物が形成され
ること、したがって超電導特性が劣化することを報告し
ている。この原因はAgを媒介としたFe+Cu2O→
FeO+2Cuの「電気化学反応」と考えられている。
超電導材料としてBi系材料、強化金属材料としてNi
を用いた場合も同様であることも報告している。したが
って、このような複合化を行う場合には、(3)「電気
化学反応」による超電導特性劣化の防止が第3の課題で
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成によ
る酸化物超電導線材は、酸化物超電導体層、銀基金属
層、反応防止層および金属基材層または合金基材層を主
構成要素とし、酸化物超電導体層と金属または合金基材
層とが酸化物超電導体層側に銀基金属層で金属または合
金基材層側に反応防止層で隔離されている。
【0008】本発明の第2の構成による酸化物超電導線
材は、第1の構成において金属または合金基材上に反応
防止層、銀基金属層、およびこの上に1層または銀基金
属層で分離された多層の酸化物超電導体層が積層されて
いることを特徴とする請求項1記載の酸化物超電導線材
である。
【0009】本発明の第3の構成による酸化物超電導線
材は、第1の構成において各構成層が平行平板状であ
る。
【0010】本発明の第4の構成による酸化物超電導線
材は、第1または第2の構成において金属または合金基
材が線状であり、各構成層が線状の金属ないし合金基材
の周囲に筒状に積層されている。
【0011】本発明の第5の構成による酸化物超電導線
材は、第1の構成において金属または合金マトリックス
中に1または多数の反応防止材料および銀基金属を被覆
した酸化物超電導体が埋設されている。
【0012】本発明の第6の構成による酸化物超電導線
材は、第1、2、3、4、5または6の構成において酸
化物超電導体がBi−2212相ないしBi−2223
相を主成分とする。
【0013】本発明の第7の構成による酸化物超電導線
材は、第1、2、3、4、5または6の構成において外
部の雰囲気に接する金属または合金基材の表面に酸化防
止膜が被覆されている。
【0014】本発明の酸化物超電導線材の第1の製造方
法は、第2の構成による酸化物超電導線材を、金属また
は合金基材に反応防止層を被覆する第1のプロセスと、
該反応防止層上に銀基金属層を被覆する第2のプロセス
と、該被覆された銀基金属層上に、酸化物超電導前駆体
を被覆するプロセスと酸化物超電導前駆体上に銀基金属
層を被覆するプロセスとを1回または複数回繰り返す第
3のプロセスと、得られた酸化物超電導前線材を熱処理
する第4のプロセスとを含む工程により製造するもので
ある。
【0015】本発明の酸化物超電導線材の第2の製造方
法は、平板状の金属または合金基材に反応防止層を被覆
する第1のプロセスと、該反応防止層上に銀基金属層を
被覆する第2のプロセスと、該被覆された銀基金属層上
に、酸化物超電導前駆体を被覆するプロセスと酸化物超
電導前駆体上に銀基金属層を被覆するプロセスとを1回
または複数回繰り返す第3のプロセスと、得られた酸化
物超電導前線材を熱処理する第4のプロセスとを含む工
程により製造するものである。
【0016】本発明の酸化物超電導線材の第3の製造方
法は、線状の金属または合金基材の周囲に筒状に反応防
止層を積層する第1のプロセスと、該反応防止層上に銀
基金属層を積層する第2のプロセスと、該積層された銀
基金属層上に、酸化物超電導前駆体を積層するプロセス
と酸化物超電導前駆体上に銀基金属層を積層するプロセ
スとを1回または複数回繰り返す第3のプロセスと、得
られた酸化物超電導前線材を熱処理する第4のプロセス
とを含む工程により製造するものである。
【0017】本発明の酸化物超電導線材の第4の製造方
法は、酸化物超電導粉末または熱処理すると酸化物超電
導体となる混合粉末の圧粉体である酸化物超電導前駆体
もしくは該酸化物超電導前駆体と銀基金属との複合体を
作製する第1のプロセス、第1のプロセスで得られた酸
化物超電導前駆体または酸化物超電導前駆体と銀基金属
との複合体に銀基金属を被覆する第2のプロセス、反応
防止材料粉末または熱処理すると反応防止材料となる混
合粉末のチューブ状圧粉体である反応防止前駆体を作製
する第3のプロセス、銀基金属が被覆された酸化物超電
導前駆体ないし酸化物超電導前駆体と銀基金属との複合
体を前記チューブ状反応防止前駆体に挿入し、さらに金
属ないし合金基材のチューブに挿入する第4のプロセ
ス、第4のプロセスで得た複合棒を断面減少加工して複
合線とする第5のプロセス、必要に応じて、前プロセス
の途中の複合線を一定の長さに切断した多数の複合線を
金属ないし合金基材のチューブに挿入した複合棒を断面
減少加工して複合線とするプロセスを1回ないし複数回
繰り返す第6のプロセス、第5ないし第6のプロセスで
得られた酸化物超電導前駆線材を熱処理する第7のプロ
セスとを含む工程により製造するものである。
【0018】本発明の酸化物超電導線材の第5の製造方
法は、Bi−2212相またはBi−2223相を主成
分とする酸化物超電導粉末または熱処理するとBi−2
212相またはBi−2223相を主成分とする酸化物
超電導体となる混合粉末の圧粉体である酸化物超電導前
駆体もしくは該酸化物超電導前駆体と銀基金属との複合
体を作製する第1のプロセス、第1のプロセスで得られ
た酸化物超電導前駆体または酸化物超電導前駆体と銀基
金属との複合体に銀基金属を被覆する第2のプロセス、
反応防止材料粉末または熱処理すると反応防止材料とな
る混合粉末のチューブ状圧粉体である反応防止前駆体を
作製する第3のプロセス、銀基金属が被覆された酸化物
超電導前駆体ないし酸化物超電導前駆体と銀基金属との
複合体を前記チューブ状反応防止前駆体に挿入し、さら
に金属ないし合金基材のチューブに挿入する第4のプロ
セス、第4のプロセスで得た複合棒を断面減少加工して
複合線とする第5のプロセス、必要に応じて、前プロセ
スの途中の複合線を一定の長さに切断した多数の複合線
を金属ないし合金基材のチューブに挿入した複合棒を断
面減少加工して複合線とするプロセスを1回ないし複数
回繰り返す第6のプロセス、第5ないし第6のプロセス
で得られた酸化物超電導前駆線材を熱処理する第7のプ
ロセスとを含む工程で製造するものである。
【0019】本発明の酸化物超電導線材の第6の製造方
法は、酸化物超電導粉末または熱処理すると酸化物超電
導体となる混合粉末の圧粉体である酸化物超電導前駆体
もしくは該酸化物超電導前駆体と銀基金属との複合体を
作製する第1のプロセス、第1のプロセスで得られた酸
化物超電導前駆体または酸化物超電導前駆体と銀基金属
との複合体に銀基金属を被覆する第2のプロセス、反応
防止材料粉末または熱処理すると反応防止材料となる混
合粉末のチューブ状圧粉体である反応防止前駆体を作製
する第3のプロセス、銀基金属が被覆された酸化物超電
導前駆体ないし酸化物超電導前駆体と銀基金属との複合
体を前記チューブ状反応防止前駆体に挿入し、さらに金
属ないし合金基材のチューブに挿入する第4のプロセ
ス、第4のプロセスで得た複合棒を断面減少加工して複
合線とする第5のプロセス、必要に応じて、前プロセス
の途中の複合線を一定の長さに切断した多数の複合線を
金属ないし合金基材のチューブに挿入した複合棒を断面
減少加工して複合線とするプロセスを1回ないし複数回
繰り返す第6のプロセス、第5ないし第6のプロセスで
得られた酸化物超電導前駆線材の表面に酸化防止膜を被
覆する第7のプロセス、第7のプロセスで得た酸化物超
電導前駆線材を熱処理する第8のプロセスとを含む工程
で製造するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、金属または合金基材と
銀基金属との界面に、熱処理により銀基金属を介して酸
化物超電導体と「電気化学反応」を起こさず、金属基材
または合金基材とも大幅な反応を起こさない材料である
反応防止材料を配置することにある。ここで、「電気化
学反応」とは銀基金属を介して酸化物超電導体と他の材
料Mとが接合された系において熱処理により銀基金属を
介して酸化物超電導体と材料Mとに生じる反応であっ
て、酸化物超電導体の超電導特性を劣化させる反応を意
味する。「電気化学反応」を生じさせる代表的な材料M
としてFeやNiを含む金属または合金、Cu以外の遷
移金属を含む酸化物材料などがあげられる。これらは一
般的には価数が容易に変動しうるイオンまたは元素を含
むが、酸化物超電導材料の種類・組成、熱処理中の温度
や雰囲気中の酸素分圧に依存するので一概には言えな
い。反応防止材料は、Al23、MgO、SrTiO3
またはこれらの混合物に代表される。これらの材料がフ
レキシブルで強度が高くしかも安価であればその材料を
金属または合金基材に替えて使用すればよいが、現在ま
でのところそうした材料は発見されていないため、金属
または合金基材と反応防止材料との併用は不可欠であ
る。
【0021】まず、超電導材料の原料粉末であるBi2
3、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOをBi:
Pb:Sr:Ca:Cu=1.6:0.6:1.8:
1:2の割合となるように配合混合した。熱処理すると
Bi−2212相を主成分とする超電導体となる組成で
ある。これらの混合粉末を600kgf/cm2の圧力
で成型した圧粉体を大気中で680℃−10時間の仮焼
成処理を施し、粉砕・成形ののち再び730℃−10時
間反応熱処理を行い粉砕して酸化物超電導体の前駆体と
した。各粉末の一部を有機バインダーなどと混合して、
スクリーン印刷あるいはディップコーティング用のイン
クを作製した。スクリーン印刷に関しては、たとえば、
新版スクリーン印刷ハンドブック(日本スクリーン印刷
技術協会発行、昭和63年)などに詳しいので詳細は省
略する。
【0022】合金基材としてはSUS304を用い、幅
5mm、厚さ0.15mmのSUS304テープ、直径
1mmのSUS304線、および外径24mm、内径2
0mmのSUS304チューブを用意した。
【0023】反応防止材料としてはMgO粉末およびス
ミセラム(朝日化学工業(株)製:熱処理後の主成分、
Al23)を準備した。
【0024】銀基金属としては、幅5mm、厚さ0.2
5mmおよび0.05mmのAgテープ、直径1.2m
mのAg線、外径24mm、内径15mmおよび外径1
6.6mm、内径14.6mmのAgチューブ、および
銀粉末をインク化したAgインクをそれぞれ用意した。
【0025】比較例1および参考例 「電気化学反応」はPIT法で製作した線材で報告され
ている。この場合、超電導体は外部の雰囲気には接しな
い閉鎖系である。一方、単純な塗布法線材では超電導体
は外部の雰囲気に直接さらされた開放系であり、酸素の
出入りは銀を介さずに直接外部の雰囲気と行うことがで
きる。この場合でも「電気化学反応」が生じるかを確認
する必要がある。そこで、厚さ0.25mmの銀テープ
基材(比較例1)およびSUS304テープに厚さ約5
μmのAgめっきした基材(参考例)の上に超電導イン
クをスクリーン印刷した試料を1.2%O2−N2混合ガ
ス雰囲気中で450℃で1hr保持後、850℃に加熱
し5分間保持したのち、5℃/時間の割合で820℃ま
で冷却し、2時間で室温まで冷却した。
【0026】図11に熱処理温度パターンを示す。図1
2には銀テープ基材を用いた場合の雰囲気中の酸素濃度
変化を示す。バインダー除去過程で酸素分圧が低下した
のち回復し、その後は目立った変化は示していない。超
電導体からの酸素の出入りは殆ど検知できなかったの
は、試料の量が少ない、酸素分圧が高いなどの理由から
と思われる。一方、AgめっきしたSUS304テープ
基材を用いた場合の酸素濃度変化は図13に示すように
600〜700℃以上で再び酸素分圧が低下を開始し、
大幅な酸化反応が生じたことを示した。実際に本試料は
SUS304が大幅に酸化され黒く脆い状態で超電導特
性を測ることも不可能であった。SUS304テープ自
身を同じ熱処理したところ、酸素分圧変化は認められ
ず、また、表面層がわずかに変色している程度であっ
た。したがって、単純な塗布法線材でも「電気化学反
応」が生じると結論づけられる。この場合には、酸化物
超電導材料に関しては開放系であるが、SUS304が
外界に直接接しない閉鎖系であることが原因と思われ
る。厚さ0.25mmの銀テープ基材を用いた比較例試
料の基材上の酸化物超電導層の厚さは約50μmであっ
た。20Kの温度で5Tのテープ面に平行で線材の長さ
方向に垂直な磁界下での臨界電流(Ic)は123Aで
あった。
【0027】実施例1 SUS304テープ上に反応防止材料としてスミセラム
を片面(実施例試料1−1、1−2)および全面(実施
例試料1−3、1−4)に塗布し、厚さ0.05mmの
銀テープを片面のスミセラム上に付着し、大気中850
℃で熱処理して本実施例の基材を作製した。この基材の
Ag上に酸化物超電導インクをスクリーン印刷し乾燥さ
せた(実施例試料1−1、1−3)。本試料の一部およ
び銀基材上に酸化物超電導インクをスクリーン印刷し乾
燥させた試料の上にAgインクを印刷、乾燥し、再び酸
化物超電導インクをスクリーン印刷、乾燥させた試料も
作製した(実施例試料1−2、1−4)。Al23層、
Ag層、酸化物超電導層の厚さはそれぞれ焼成後に約5
0、50、50μmになった。
【0028】試料は1.2%O2−N2混合ガス雰囲気中
で400℃で1hr保持後、850℃に加熱し5分間保
持したのち、5℃/時間の割合で820℃まで冷却し、
2時間で室温まで冷却した。
【0029】得られた試料の試料番号を表1に、断面の
概略図を図1、4および7に示す。実施例試料1−1は
図1(a)、実施例試料1−2は図1(c)、実施例試
料1−3は図1(b)、実施例試料1−4は図1(d)
に、比較例試料1−1は図4(a)、比較例試料1−2
は図4(b)に、参考例試料は図7(a)に示される。
図において1は酸化物超電導体、2は銀基金属、3は反
応防止材料、4は金属または合金基材を示す。試料の2
0Kの温度で5Tのテープ面に並行で線材の長さ方向に
垂直な磁界下での臨界電流(Ic)測定の結果を表1に
示す。ここで、試料のIc測定は長さ約40mmの直線
状の試料を用いて測定した結果である。また、実施例試
料1−1および1−2のSUS304の表面がわずかに
酸化し変色していたが、断面分析の結果、実施例試料1
−3および1−4ではSUS304の酸化は認められな
かった。
【0030】実施例試料1−1および1−3は比較例試
料1−1に比較しAgの使用量を1/5に、また、実施
例試料1−2および1−4は比較例試料1−2に比較し
Agの使用量を1/3に低減して材料費を低減したばか
りか実施例は比較例に比べると参考例のようなIcの劣
化をもたらさずに明らかに線材の強化が達成できた。
【0031】実施例2 SUS304線にスミセラムをディップコーティング、
乾燥後、Agインク中に浸してディップコーティング、
乾燥し、1.2%O2−N2混合ガス雰囲気中で450℃
で1hr保持後、850℃で焼成しSUS304/Al
23/Ag複合線を製作した。この複合線(実施例)お
よびAg線(比較例)を酸化物超電導インク中に浸した
のち引き出し乾燥させた2種類の試料(実施例試料2−
1、比較例試料2−1)、およびそれらをAgインク中
に浸したのち引き出し乾燥させ、再び酸化物超電導イン
ク中に浸したのち引き出した2種類の試料(実施例試料
2−2、比較例試料2−2)の合計4種類の試料を作成
した。Al23、Agおよび酸化物超電導体層の厚さは
焼成後はそれぞれ約50、50、75μmであった。
【0032】4種類の試料は1.2%O2−N2混合ガス
雰囲気中で450℃で1hr保持後、850℃に加熱し
5分間保持したのち、5℃/時間の割合で820℃まで
冷却し、2時間で室温まで冷却した。熱処理雰囲気中の
酸素分圧変化は図12と同様の変化を示し、図13に示
される「電気化学反応」は観測されなかった。
【0033】得られた試料の試料番号を表に、概略図を
図2および5に示す。実施例試料2−1は図2(a)、
実施例試料2−2は図2(b)に、比較例試料2−1は
図5(a)、比較例試料2−2は図5(b)に示され
る。4試料の20Kの温度で5Tの線材の長さ方向に垂
直な磁界下での臨界電流(Ic)測定の結果を表に示
す。ここで、試料のIc測定は長さ約40mmの直鎖状
の試料を用いて測定した結果である。酸化物超電導層あ
たりの臨界電流密度Icは基材の種類には大きくは依存
しなかった。
【0034】実施例試料2−1は比較例試料2−1に比
較しAgの使用量を0.16倍に、また、実施例試料2
−2は比較例試料2−2に比較しAgの使用量を0.3
0倍に低減して材料費を低減したばかりか実施例は比較
例に比べるとIcの劣化をもたらせずに明らかに線材の
強化が達成できた。なお、実施例2の線材は実施例1の
線材よりもIcが低いが、Icの値が磁界の方向に対して
等方的であるメリットを有している。
【0035】実施例3 予め1.2%O2−N2混合ガス雰囲気中で仮焼、粉砕を
行った酸化物超電導粉末は600kg/cm2の圧力で
外径14.4mmの円柱状にプレス成形した。また、M
gO粉末も600kg/cm2の圧力で外径19.8m
m、内径16.8mmの円筒状にプレス成形した。ま
ず、比較例試料として酸化物超電導圧粉体を外径24m
m、内径15mmのAgチューブに封入した複合棒を、
実施例試料として外径24mm、内径20mmのSUS
304チューブに円筒状MgO圧粉体、その内側に外径
16.6mm、内径14.6mmのAgチューブ、酸化
物超電導圧粉体を順次に挿入、封じた複合棒を作製し
た。これらの2種類の複合棒を外径6.5mmまで断面
減少加工し、SUS基材を用いた線材の約半分弱を切断
して残したのち、外径2.3mmまで断面減少加工し、
そののち、圧延加工により最終幅5mm、厚さ0.15
mmのテープ状線材を得た。残された外形6.5mmの
線材は7等分にし、外径24mm、内径20mmのSU
S304チューブに集束し、断面減少加工、圧延加工に
よりやはり最終幅5mm、厚さ0.15mmの2種類の
7芯テープ状線材を得た。
【0036】酸化物超電導体を用いた4種類の試料は
1.2%O2−N2混合ガス雰囲気中で850℃に加熱
し5分間保持したのち、5℃/時間の割合で820℃ま
で冷却し、2時間で室温まで冷却した。この際、雰囲気
中の酸素分圧変化は殆ど認められなかった。
【0037】得られた試料の試料番号を表1に、断面の
概略図を図3および6に示す。実施例試料3−1は図3
(a)、実施例試料3−2は図3(b)に、比較例試料
3−1は図6(a)に示される。20Kの温度で5Tの
テープ面に平行で線材の長さ方向に垂直な磁界下での臨
界電流(IC)測定の結果を表1に示す。ここで、試料
のIC測定は長さ約40mmの直鎖状の試料を用いて測
定した結果である。試料の酸化物超電導層あたりの臨界
電流密度ICは基材の種類には大きくは依存しなかっ
た。
【0038】実施例試料3−1は比較例試料3−1に比
較しAgの使用量を0.18倍に、また、実施例試料3
−2は比較例試料3−1に比較し超電導体の占積率を
0.66倍に低下させたがAgの使用量は0.12倍に
低減して材料費を低減した。また、実施例は比較例に比
べるとICの劣化をもたらさずに明らかに線材の強化が
達成できた。なお、実施例3の線材は長尺になると外部
との酸素のやり取りが不可能になる欠点を有するため、
充填する酸化物超電導粉末中の酸素量は最初から制御し
ておく必要がある。この場合には熱処理中の雰囲気とし
て酸化性雰囲気である必要はなく、不活性雰囲気や真空
でもかまわない。また、断面減少加工を必要とするた
め、実施例1または2に比較すると製造コストが高い欠
点を有するが、フィラメント径を細くできる長所を有す
るため、パルス用途あるいは交流用途には向いている。
【0039】
【表1】
【0040】なお、本発明では酸化物超電導材料として
Bi−2212相を例に取り上げて説明したが、これに
限るものではない。Hg系の場合にはAgと反応するた
めに本発明は採用できないが、Bi−2223相はもち
ろん、それ以外の酸化物超電導材料には原理的には適用
可能である。
【0041】また、本発明では金属または合金基材とし
てSUS304を例に取り上げて説明したが、これに限
るものではない。フレキシブルで酸化性雰囲気中での熱
処理に耐え、安価、高強度であり、反応防止材料との反
応性に乏しい材料であれば適用可能である。また、金属
または合金基材が別の金属やセラミックスの繊維や粒子
と複合化されていることも妨げるものではない。
【0042】本発明では反応防止材料としてAl23
MgOを例に取り上げて説明したが、これに限るもので
はない。金属または合金基材と反応性が乏しく銀基金属
を介して酸化物超電導材料との「電気化学反応」を起こ
さない材料であれば適用可能である。
【0043】さらに本発明では銀基金属として純銀を例
に取り上げて説明したが、これに限るものではない。酸
化物超電導材料と反応を起こさない限り、銀に他の元素
が合金化されていたり、複合化されていることも妨げる
ものではない。
【0044】本発明における金属または合金基材の酸化
防止層としてスミセラムのコーティングおよびその結果
としてAl23層を例にあげたがこれに限るものではな
い。熱処理で外部雰囲気に接する金属または合金基材が
あまり酸化されない限り特に酸化防止層は必要ではな
い。温度が高く、また、酸化性雰囲気中の酸素分圧が高
く、金属または合金基材が酸化されることによってその
強度やフレキシビリティが損なわれる場合に金属または
合金基材と反応しない耐熱性の保護膜を被覆すればよ
い。
【0045】本発明による酸化物超電導線材の断面構造
は図1〜3に示した概略図を例に取り上げて説明した
が、これに限るものではない。その他の例として図8〜
10に本発明による他の酸化物超電導線材の断面の概略
図の例を示す。対称的な構造、超電導層数が多い構造、
表面が銀基金属層あるいは金属または合金基材である構
造、断面形状がテープ状ばかりでなく丸状や矩形状のも
のなども明らかに含まれる。その他として図9(a)、
9(b)、10(a)における超電導層および銀基金属
層が渦巻き状に連続している構造なども含まれる。
【0046】また、図10(a)〜(d)のように酸化
物超電導体を銀基金属層と反応防止層で被覆した酸化物
超電導体複合フィラメント6、またはその中央に銀基金
属を配置した複合フィラメント7を金属基材の層4の中
に1つまたは複数埋設した構造も含まれる。
【0047】さらには、本発明による酸化物超電導線材
の製造方法として塗布法とPIT法を例にあげて説明し
たが、これに限るものではない。たとえば、塗布法によ
り作製した酸化物超電導線材あるいはその前駆線材を断
面減少加工する方法なども妨げるものではない。
【0048】
【発明の効果】本発明の請求項1〜7にかかわる酸化物
超電導線材は、金属または合金の基材層、反応防止層、
銀基金属層、酸化物超電導体層の順に積層され、または
さらに、銀基金属層と酸化物超電導体層が交互に複数回
積層されているので、酸化物超電導線材の超電導特性を
損なうことなく、機械的強度が強化され、銀の使用量が
従来に比べて大幅に低減でき、超電導特性がすぐれ、信
頼性が高く、安価な酸化物超電導線材が提供できる。
【0049】本発明の請求項9〜13にかかわる酸化物
超電導線材の製造方法は、金属または合金の基材層、反
応防止層、銀基金属層、酸化物超電導体層をこの順に積
層し、またはさらに、銀基金属層と酸化物超電導体層を
交互に複数回積層する工程を有するので、酸化物超電導
線材の超電導特性を損なうことなく、機械的強度が強化
され、銀の使用量が従来に比べて大幅に低減でき、超電
導特性がすぐれ、信頼性が高く、安価な酸化物超電導線
材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施例の酸化物超電導線材の断
面の概略図である。
【図2】 本発明による実施例の酸化物超電導線材の断
面の概略図である。
【図3】 本発明による実施例の酸化物超電導線材の断
面の概略図である。
【図4】 従来実施されている比較例の酸化物超電導線
材の断面の概略図である。
【図5】 従来実施されている比較例の酸化物超電導線
材の断面の概略図である。
【図6】 従来実施されている比較例の酸化物超電導線
材の断面の概略図である。
【図7】 「電気化学反応」を生じる参考例をはじめと
する酸化物超電導線材の断面の概略図である。
【図8】 本発明による他の酸化物超電導線材の断面の
概略図である。
【図9】 本発明による他の酸化物超電導線材の断面の
概略図である。
【図10】 本発明による他の酸化物超電導線材の断面
の概略図である。
【図11】 酸化物超電導線材の熱処理温度パターンを
示す図である。
【図12】 銀基材を用いた酸化物超電導線材の熱処理
中における雰囲気中酸素濃度の変化を示す図である。
【図13】 銀めっきしたSUS304テープ基材を用
いた酸化物超電導線材の熱処理中における雰囲気中酸素
濃度の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 酸化物超電導体層、2 銀基金属層、3 反応防止
材料層、4 金属または合金基材層、5 酸化防止層、
6、7 酸化物超電導体複合フィラメント。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超電導体層、銀基金属層、反応防
    止層および金属基材層または合金基材層を主構成要素と
    し、酸化物超電導体層と金属または合金基材層とが酸化
    物超電導体層側に銀基金属層で金属または合金基材層側
    に反応防止層で隔離されていることを特徴とする酸化物
    超電導線材。
  2. 【請求項2】 金属または合金基材上に反応防止層、銀
    基金属層、およびこの上に1層または銀基金属層で分離
    された多層の酸化物超電導体層が積層されていることを
    特徴とする請求項1記載の酸化物超電導線材。
  3. 【請求項3】 各構成層が平行平板状であることを特徴
    とする請求項1または2記載の酸化物超電導線材。
  4. 【請求項4】 金属または合金基材が線状であり、各構
    成層が線状の金属ないし合金基材の周囲に筒状に積層さ
    れていることを特徴とする請求項1または2記載の酸化
    物超電導線材。
  5. 【請求項5】 金属または合金マトリックス中に1また
    は多数の反応防止材料および銀基金属を被覆した酸化物
    超電導体が埋設されていることを特徴とする請求項1記
    載の酸化物超電導線材。
  6. 【請求項6】 酸化物超電導体がBi−2212相ない
    しBi−2223相を主成分とすることを特徴とする請
    求項1、2、3、4または5記載の酸化物超電導線材。
  7. 【請求項7】 外部の雰囲気に接する金属または合金基
    材の表面に酸化防止膜が被覆されていることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5または6記載の酸化物超電
    導線材。
  8. 【請求項8】 金属または合金基材に反応防止層を被覆
    する第1のプロセスと、該反応防止層上に銀基金属層を
    被覆する第2のプロセスと、該被覆された銀基金属層上
    に、酸化物超電導前駆体を被覆するプロセスと酸化物超
    電導前駆体上に銀基金属層を被覆するプロセスとを1回
    または複数回繰り返す第3のプロセスと、得られた酸化
    物超電導前線材を熱処理する第4のプロセスとを含むこ
    とを特徴とする請求項2記載の酸化物超電導線材の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 平板状の金属または合金基材に反応防止
    層を被覆する第1のプロセスと、該反応防止層上に銀基
    金属層を被覆する第2のプロセスと、該被覆された銀基
    金属層上に、酸化物超電導前駆体を被覆するプロセスと
    酸化物超電導前駆体上に銀基金属層を被覆するプロセス
    とを1回または複数回繰り返す第3のプロセスと、得ら
    れた酸化物超電導前線材を熱処理する第4のプロセスと
    を含むことを特徴とする請求項3記載の酸化物超電導線
    材の製造方法。
  10. 【請求項10】 線状の金属または合金基材の周囲に筒
    状に反応防止層を積層する第1のプロセスと、該反応防
    止層上に銀基金属層を積層する第2のプロセスと、該積
    層された銀基金属層上に、酸化物超電導前駆体を積層す
    るプロセスと酸化物超電導前駆体上に銀基金属層を積層
    するプロセスとを1回または複数回繰り返す第3のプロ
    セスと、得られた酸化物超電導前線材を熱処理する第4
    のプロセスとを含むことを特徴とする請求項4記載の酸
    化物超電導線材の製造方法。
  11. 【請求項11】 酸化物超電導粉末または熱処理すると
    酸化物超電導体となる混合粉末の圧粉体である酸化物超
    電導前駆体もしくは該酸化物超電導前駆体と銀基金属と
    の複合体を作製する第1のプロセス、第1のプロセスで
    得られた酸化物超電導前駆体または酸化物超電導前駆体
    と銀基金属との複合体に銀基金属を被覆する第2のプロ
    セス、反応防止材料粉末または熱処理すると反応防止材
    料となる混合粉末のチューブ状圧粉体である反応防止前
    駆体を作製する第3のプロセス、銀基金属が被覆された
    酸化物超電導前駆体ないし酸化物超電導前駆体と銀基金
    属との複合体を前記チューブ状反応防止前駆体に挿入
    し、さらに金属ないし合金基材のチューブに挿入する第
    4のプロセス、第4のプロセスで得た複合棒を断面減少
    加工して複合線とする第5のプロセス、必要に応じて、
    前プロセスの途中の複合線を一定の長さに切断した多数
    の複合線を金属ないし合金基材のチューブに挿入した複
    合棒を断面減少加工して複合線とするプロセスを1回な
    いし複数回繰り返す第6のプロセス、第5ないし第6の
    プロセスで得られた酸化物超電導前駆線材を熱処理する
    第7のプロセスとを含む請求項5記載の酸化物超電導線
    材の製造方法。
  12. 【請求項12】 Bi−2212相またはBi−222
    3相を主成分とする酸化物超電導粉末または熱処理する
    とBi−2212相またはBi−2223相を主成分と
    する酸化物超電導体となる混合粉末の圧粉体である酸化
    物超電導前駆体もしくは該酸化物超電導前駆体と銀基金
    属との複合体を作製する第1のプロセス、第1のプロセ
    スで得られた酸化物超電導前駆体または酸化物超電導前
    駆体と銀基金属との複合体に銀基金属を被覆する第2の
    プロセス、反応防止材料粉末または熱処理すると反応防
    止材料となる混合粉末のチューブ状圧粉体である反応防
    止前駆体を作製する第3のプロセス、銀基金属が被覆さ
    れた酸化物超電導前駆体ないし酸化物超電導前駆体と銀
    基金属との複合体を前記チューブ状反応防止前駆体に挿
    入し、さらに金属ないし合金基材のチューブに挿入する
    第4のプロセス、第4のプロセスで得た複合棒を断面減
    少加工して複合線とする第5のプロセス、必要に応じ
    て、前プロセスの途中の複合線を一定の長さに切断した
    多数の複合線を金属ないし合金基材のチューブに挿入し
    た複合棒を断面減少加工して複合線とするプロセスを1
    回ないし複数回繰り返す第6のプロセス、第5ないし第
    6のプロセスで得られた酸化物超電導前駆線材を熱処理
    する第7のプロセスとを含む請求項6記載の酸化物超電
    導線材の製造方法。
  13. 【請求項13】 酸化物超電導粉末または熱処理すると
    酸化物超電導体となる混合粉末の圧粉体である酸化物超
    電導前駆体もしくは該酸化物超電導前駆体と銀基金属と
    の複合体を作製する第1のプロセス、第1のプロセスで
    得られた酸化物超電導前駆体または酸化物超電導前駆体
    と銀基金属との複合体に銀基金属を被覆する第2のプロ
    セス、反応防止材料粉末または熱処理すると反応防止材
    料となる混合粉末のチューブ状圧粉体である反応防止前
    駆体を作製する第3のプロセス、銀基金属が被覆された
    酸化物超電導前駆体ないし酸化物超電導前駆体と銀基金
    属との複合体を前記チューブ状反応防止前駆体に挿入
    し、さらに金属ないし合金基材のチューブに挿入する第
    4のプロセス、第4のプロセスで得た複合棒を断面減少
    加工して複合線とする第5のプロセス、必要に応じて、
    前プロセスの途中の複合線を一定の長さに切断した多数
    の複合線を金属ないし合金基材のチューブに挿入した複
    合棒を断面減少加工して複合線とするプロセスを1回な
    いし複数回繰り返す第6のプロセス、第5ないし第6の
    プロセスで得られた酸化物超電導前駆線材の表面に酸化
    防止膜を被覆する第7のプロセス、第7のプロセスで得
    た酸化物超電導前駆線材を熱処理する第8のプロセスと
    を含む請求項7記載の酸化物超電導線材の製造方法。
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