JP2000268531A - ディスク装置 - Google Patents

ディスク装置

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JP2000268531A
JP2000268531A JP11066894A JP6689499A JP2000268531A JP 2000268531 A JP2000268531 A JP 2000268531A JP 11066894 A JP11066894 A JP 11066894A JP 6689499 A JP6689499 A JP 6689499A JP 2000268531 A JP2000268531 A JP 2000268531A
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disk
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Osami Morita
修身 森田
Hiroshi Takino
浩 瀧野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃が加えられても情報記録媒体の信号記録
面が損傷することなく、衝撃が加えられた後にも安定し
て情報を記録及び/または再生できるディスク装置を提
供すること。 【解決手段】 ディスク状の情報記録媒体5の情報を記
録及び/または再生するためのディスク装置であって、
衝撃が加えられた際の前記情報記録媒体の振動によって
前記情報記録媒体の外周端部5aが当接することで、前
記情報記録媒体の振動を抑制するための振動抑制部材3
1を備えており、この振動抑制部材の前記情報記録媒体
の外周端部に対向する接触面31e,31fが、前記情
報記録媒体の各面に対して、その内周に向かうほど互い
に離間するように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状の情報
記録媒体に情報を記録及び/またはその情報記録媒体に
記録された情報を再生するディスク装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の発達により例えば画像
情報や音声情報等の情報(以下、一例として映像情報を
取り上げる)がデジタル化され、コンピュータを用いた
動画の記録や再生が日常的に行われている。このような
デジタル化された情報を記録するためには、例えば磁気
抵抗効果を利用して記録/再生する外部記憶装置として
の磁気ディスク装置(以下、「ハードディスクドライブ
(ハードディスク)」と言う)が使用されており、ハー
ドディスクドライブは、大容量化、高密度化の一途をた
どっている。磁気ディスクは、例えば磁気テープのよう
に巻き戻しや早送りをせずに見たい画像が瞬時に見られ
るというランダムアクセス性を有する。このため、磁気
ディスクは、磁気テープに代わってビデオ等のAV(A
udio−Visual)機器へも応用されている。
【0003】今日、ビデオカメラ等で撮影された映像情
報は、容易にコンピュータに取り込まれており、パーソ
ナルコンピュータ(Personal Compute
r:以下、PCという)上で取り扱うデジタルデータと
映像情報のデジタルデータとの垣根が消滅しつつある。
これは、様々なデジタルデータを統合するいわゆる「P
C−AV統合」と呼ばれており、この「PC−AV統
合」をさらに推進するためには、誰もが入手しやすい価
格で、かつ大容量のデータ記録が可能な磁気ディスク装
置の誕生が望まれている。このため開発が進められてい
るものに、例えばプラスティック・ハードディスクがあ
る。以下では、プラスティック製基板の磁気ディスクを
有するハードディスクを「プラスティック・ハードディ
スク」と呼ぶこととし、説明する。
【0004】プラスティック・ハードディスクには、例
えば2種類存在する。第1のプラスティック・ハードデ
ィスクは、従来の基板材料をプラスティックに置き換え
ただけのプラスティック・ハードディスクである。この
プラスティック・ハードディスクは、従来のハードディ
スクの製造方法とは異なり、基板の研磨工程が省略され
樹脂を射出成型して作成されるので、安価に製造するこ
とができる。また、このプラスティック・ハードディス
クは、高精度な射出成型法を用いるので、良好な基板形
状を達成することができ、大容量で低価格のハードディ
スクを実現することができる。
【0005】一方、第2のプラスティック・ハードディ
スクは、基板製造時に予め情報が記録(以下、プリフォ
ーマットと呼ぶ)されているプラスティック・ハードデ
ィスクである。プリフォーマットは、光ディスクのマス
タリング技術を用いてスタンパを作成し、基板上に情報
信号に対応した凹凸を転写することにより行う。この技
術を用いると、精度の良いサーボ情報をディスク面に形
成することができるので、磁気ディスクを25000T
PI(Track Per Inch)以上の狭いトラ
ックに忠実にトレースさせることができる高精度なトラ
ッキングを実現することができる可能性がある。このた
め、このようなプラスティック・ハードディスクは、次
世代の高密度記録メディア(以下、「メディア」と略称
する)としても注目を集めている。
【0006】従来の磁気ディスクでは、磁気ヘッドによ
りディスク1枚1枚にサーボ情報を書き込んでいたのに
対して(この工程をサーボライトと呼ぶ)、前述のよう
にプラスティック・ハードディスクでは、プリフォーマ
ットにより簡便にサーボ情報を形成することができる。
このため、プラスティック・ハードディスクは、リムー
バブル・ハードディスク・メディアとしての需要も見い
だされてきている。さらに、光ディスクと同様のピット
を基板上に形成できる利点及び、基板上を50nm以下
の浮上量でスライダが浮上できる利点を生かして、ハー
ドディスクの装置構成に光磁気ディスクの記録再生方式
を組み込んだ外部記憶装置、いわゆるOAW(Opti
cally Assisted Wincheste
r)方式ドライブ用メディアへの応用も検討されてい
る。以上のように、プラスティック・ハードディスクを
用いることによって、安価な情報記録媒体の実現や、よ
り高密度な情報記録装置の実現が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のプラ
スティック・ハードディスクは、以下に述べるような課
題を抱えている。それは、プラスティック・ハードディ
スクが従来から用いられていたアルミニウム製基板の磁
気ディスク(以下、アルミディスクとも呼ぶ)やガラス
製基板の磁気ディスク(以下、ガラスディスクとも呼
ぶ)と比較して柔らかいため、衝撃に対する耐性が弱い
ことである。
【0008】例えば、直径3.5インチのプラスティッ
ク・ハードディスクを磁気ディスク装置に装填し、磁気
ディスク装置のスピンドル軸方向に例えば300Gの加
速度の衝撃を与えるとする。プラスティック・ハードデ
ィスクの場合には、磁気ディスクの外周端部で2.0m
m程度の振幅を持つ振動(以下、「振動振幅」と言う)
をする。一方、アルミディスクの場合には、同じ条件で
0.6mm程度の振動振幅となる。したがって、プラス
ティック・ハードディスクの方が振動振幅が大きい。
【0009】磁気ディスク装置は、非動作時には、情報
の記録及び/または再生素子(以下、記録再生素子とも
呼ぶ)を搭載した浮上スライダは、磁気ディスクの最内
周に設けられたコンタクトスタートストップ(Cont
act Start Stop、以下CSSと呼ぶ)ゾ
ーン上に停止している。
【0010】したがって、浮上スライダが磁気ディスク
の内外周のどこにでも移動できるように、ボイスコイル
モータとスライダとの間に設けられているサスペンショ
ンやアーム等の部品は、非動作時には、磁気ディスクを
挟み込むような形で設けられている。通常、情報の記録
再生素子を搭載した浮上スライダは、磁気ディスクの両
面に配置されるので、例えば複数枚の磁気ディスクの間
にそれぞれ配置されている。
【0011】磁気ディスクの表面とアームとの磁気ディ
スク面に対向する距離は、ヘッドジンバルアセンブリー
(Head Ginbal Assembly、以下H
GAと呼ぶ)の取り付け面高さ(以下、Zハイトと呼
ぶ)と同じであるのが通常である。したがって、その距
離は、0.5〜0.7mm程度が一般的な値となる。
【0012】磁気ディスク装置の非動作時には、アーム
やサスペンション等の部品がディスク上空に配置された
ままの状態である。この時、例えば磁気ディスク装置を
落下させてしまうと、例えば250〜300G程度の加
速度が磁気ディスク装置に衝撃として加わる。250〜
300G程度の衝撃とは、例えば高さ30cm程度から
ゴムの上に磁気ディスク装置が落下した際における加速
度である。したがって、この程度の衝撃は、一般的な生
活の場面でも磁気ディスク装置に加わる可能性がある。
そして、磁気ディスクとしてプラスティック・ハードデ
ィスクを採用した場合には前述のように2.0mmの振
動振幅、アルミディスクを採用した場合でも0.6mm
の振動振幅がある。
【0013】ところが、アームと磁気ディスクとの隙間
は前述したとおり、一般的には0.5〜0.7mmであ
るので、この隙間の中でアルミディスクの場合でもアー
ムと磁気ディスクが接触する恐れが十分あり、プラステ
ィック・ハードディスクの場合では振幅が2.0mmも
の振動をするので、アームと磁気ディスクが接触するの
は確実である。さらに、この接触状態が過酷な場合には
衝突となり、磁気ディスクの信号記録面に傷が生じて磁
気ディスクに情報を記録したり、磁気ディスクの情報の
再生が不可能となることもある。
【0014】アームとアルミディスクとの接触の場合
は、アルミディスクの外周端部のみが接触するにとどま
るが、アームとプラスティック・ハードディスクの接触
の場合には、振動振幅が大きいため外周端部のみにとど
まらず、半径30mm付近から外周端部までの部分が接
触する場合がある。つまり、磁気ディスク装置が300
G程度の加速度を受けた場合にアームと磁気ディスク面
との接触を回避しなければ、磁気ディスクの信号記録面
が傷つき、磁気ディスクに記憶された情報の再生等が不
能となり、情報記録装置としての役割を果たすことがで
きなくなる。
【0015】衝撃試験 ここで、磁気ディスク装置は、落下等によって衝撃を受
けた際にどの程度の影響があるかについて具体的に検討
する。 衝撃試験条件 この衝撃試験では、一般的な衝撃試験機を用いる。今回
の試験に用いた衝撃試験機は、検査対象物を落下させる
落下型のもので、落下地点にゴム等の弾性体を配置し
て、その弾性体の硬さや形状を変えることにより、加え
る加速度の波形を変化させることができる。また、衝撃
試験機は、落下高さを変化させることにより、加速度の
大きさを変化させることができる。今回の実施において
は、例えば100〜300Gの加速度を2msのハーフ
サインの波形で加えることとした。磁気ディスクの表面
における傷の存在の有無の確認は、例えば顕微鏡を用い
て行う。
【0016】今回使用した磁気ディスクは、最も顕著に
効果が現れやすい柔らかい材質のプラスティック・ハー
ドディスクを採用した。磁気ディスクは、直径が3.5
インチで、厚さが1.27mmである。磁気ディスクの
両ディスク面には、それぞれ順に下地層、磁性層、保護
層がそれぞれ例えばスパッタ法により被着されている。
さらに、磁気ディスクの表面には、潤滑剤が例えばディ
ッピング法により被着されている。
【0017】上述のプラスティック・ハードディスクを
ハードディスクドライブ1に搭載すると、アームと磁気
ディスクとの間のディスク面垂直方向における磁気ディ
スクの外周端部近傍以外におけるアームから磁気ディス
クまでの距離は例えば0.6mm、磁気ディスクの外周
端部近傍におけるアームから磁気ディスクまでの距離は
例えば0.35mmとなる。
【0018】図16(A)及び図16(B)は、それぞ
れ従来のハードディスクドライブにおけるアーム115
及び磁気ディスク5の構成例を示す部分拡大図である。
図16(A)は、従来ハードディスクドライブに衝撃が
加えられた際に磁気ディスク5が振動して変形し、アー
ム115に接触し始めた状態を示しており、図16
(B)は、図16(A)の状態から微少時間経過して磁
気ディスク5がさらに変形し、アーム115に接触して
いる状態を示している。
【0019】衝撃試験結果 図17は、従来のハードディスクドライブにおける衝撃
試験結果を示す図である。図17における用語や記号
は、それぞれ以下のような意味を有する。「up面」と
は、磁気ディスク5の表面を示している。「down
面」とは、磁気ディスク5の裏面を示している。 「○」:傷有り 「×」:傷無し 「?」:傷の存在確認困難 また、図17における半径とは、磁気ディスク5の中心
から径方向におけるディスク面上の位置(中心から径方
向に35mm、41mm、44mm等の信号記録面上の
位置)を示している。
【0020】従来のハードディスクドライブでは、衝撃
が小さい(100G程度)場合には磁気ディスク5に傷
が存在しないが、衝撃が大きい(200G程度)場合に
は外周端部5aのみならず半径40mm付近(信号記録
面をも含む位置)にも多数の傷が認められた。これは、
従来のハードディスクドライブの場合では、加えられた
衝撃の加速度により磁気ディスク5の外周端部5aがア
ーム115にまず接触し、それに引き続き内周部に向か
って接触領域が広がっていくためである。したがって、
従来のハードディスクドライブは、衝撃に対して弱いこ
とがわかる。従来のハードディスクドライブは、磁気デ
ィスク5の信号記録面が損傷しているので、情報の記録
及び/または再生を行うことができない。
【0021】これに対して、以下のような対策が考えら
れていた。即ち、例えば、300Gのような大きな加速
度が加えられても、アームと磁気ディスクとが全く接触
しないことが理想であるが、アルミディスクにおいて
も、300Gの加速度では、磁気ディスクの外周端部が
アームに対して接触している。したがって、プラスチッ
ク・ハードディスクの場合では、完全非接触ではなく、
磁気ディスクのデータ記録領域とアームとの接触を回避
することを考える。磁気ディスクの外周端部は、表面の
うねりが他の部分の表面のうねりに比較して大きいこと
から、一般的にはデータの記録が行なわれない。このた
め、磁気ディスクの外周端部がアームと接触して傷つい
たとしても、この部分にはデータが記録されないので、
情報の記録再生には全く影響がない。
【0022】この点に着目して、アームと同様の振動抑
制部材を設けて、磁気ディスクの外周端部を積極的に接
触させて、磁気ディスクの振動振幅を抑制する方法が、
最も確実で簡便な方法である。しかしながら、このよう
な振動抑制部材の磁気ディスクからの距離がアームの場
合と同じであると、前述したように、磁気ディスクのデ
ータ記録部分までもが上記振動抑制部材に接触すること
になるので、課題の解決にはならない。また、アームと
磁気ディスクが対向する磁気ディスクの外周端部は、磁
気ディスクの全周の10%にも満たないので、アームの
領域のみでは、磁気ディスクの振動振幅を抑制する効果
を十分に発揮できないとも考えられる。したがって、ア
ームの領域だけではなく、新たに磁気ディスクの外周端
部の大部分を覆うような振動抑制部材を磁気ディスク装
置内に配置することにより、磁気ディスクの振動時には
先づその振動抑制部材に磁気ディスクの外周端部が接触
するようにして、磁気ディスクのアームとの接触を回避
し、さらに磁気ディスクのデータ記録面とアームとの接
触を回避することができる。
【0023】このような振動抑制部材を設ける場合に
は、例えば以下に示すような対策を行うこともできる。
先づ第一の対策は、磁気ディスクの振動を抑制する振動
抑制部材と磁気ディスク表面との間の間隔をアームの磁
気ディスクに対向する面と磁気ディスク表面との間隔よ
り狭くする方法である。
【0024】加速度を受けたときの磁気ディスクの振動
は、落下による加速度を想定していることから、パルス
状であって、固有振動数の任意のモードで励振されるも
のではなく、単純に加速度を受けて振動するものであ
る。また、磁気ディスクの内周端部は、スピンドルモー
タに固定されているため、振動することはない。したが
って、加速度による磁気ディスクの振動は、外周端部の
振動を規制するものがなければ、外周側に向かって振動
振幅(第一の振動振幅)が大きくなるようになってい
る。このため、磁気ディスクの外周端部を内周と同様に
固定すれば、外周端部及び内周端部の両方が固定端とな
って、磁気ディスクの中周部分が最大振幅となるような
振動振幅(第二の振動振幅)が発生することになる。こ
こで、上記第一及び第二の振動振幅を比較すると、第二
の振動振幅の方が小さい。これは、同じ振動エネルギー
を与えられた場合に、振動の固定端から振動の「腹」
(最大変位部)となる部分までの距離が長い方、即ち振
動の波長の長い方が振動しやすく、振幅が大きくなるか
らである。
【0025】ところで、実際には、磁気ディスクは回転
するので、その外周端部を固定することは不可能であ
る。そこで、磁気ディスクの外周端部付近に振動抑制部
材を配置して、外周端部を固定するのではなく、磁気デ
ィスクが回転できるように、ある程度の間隔を保持しな
がら、さらにこの間隔W1をアーム間距離W0より小さ
くすることにより、磁気ディスクが振動したとき、振動
抑制部材が磁気ディスクの外周端部を擬似的に固定し
て、振動振幅を抑制する方法が考えられる。この方法に
おいては、磁気ディスク装置に衝撃が加えられた際に磁
気ディスク5が振動して変形すると、図18(A)に示
すように、磁気ディスク5が振動抑制部材131に接触
し始めた状態でも、アーム115には接触せず、さらに
図18(A)の状態から微小時間経過後に、磁気ディス
ク5がさらに変形して、図18(B)に示すように、磁
気ディスク5の外周端部より内側の部分も大きく変形し
たとしても、磁気ディスク5はアーム115には全く接
触しない。
【0026】次に、第二の対策は、弾性体を用いて加速
度を受けた際の磁気ディスクの振動を抑制する方法であ
る。加速度を受けたとき、一番最初に振動抑制部材と接
触するのは、磁気ディスクの外周端部である。したがっ
て、図19に示すように、磁気ディスク5の外周端部5
aと振動抑制部材131との接触領域が弾性体132で
形成されていることにより、磁気ディスクの外周端部は
弾性体132と接触することにより、振動エネルギーが
弾性体132に吸収される。これにより、振動振幅値が
小さくなり、アーム115への衝突がより一層回避され
ることになる。また、磁気ディスクの外周端部が弾性体
と接触することにより、磁気ディスクの外周端部が傷つ
くこともなく、外周端部の傷つきによる発塵の可能性も
極めて小さくなる。
【0027】このようにして、振動抑制部材131の少
なくとも磁気ディスクの外周端部との接触領域が弾性体
132により形成されていることにより、前記第一の対
策に比較して、磁気ディスクの振動振幅の抑制や傷つき
の点でより一層有利であることは明らかである。また、
この方法においては、弾性体132の磁気ディスクから
の距離とアームの磁気ディスクからの距離が同じ、即ち
弾性体132の間隔W2がアーム間距離W0と同じであ
ることから、磁気ディスク5とアーム115との接触が
回避されないが、加速度を受けたとき、図19(A)に
示すように、磁気ディスク5の外周端部5aがアーム1
15に接触すると同時に弾性体132にも接触するの
で、磁気ディスク5の振動エネルギーの一部が弾性体1
32によって吸収されるので、図19(B)に示すよう
に、磁気ディスク5のアーム115への接触領域は外周
端部のみに抑制されることになり、磁気ディスクの外周
端部より内側の領域がアームに接触することはない。
【0028】さらに、上述した第一の対策と第二の対策
とを併用することも考えられる。この第三の対策は、磁
気ディスクの外周端部付近に配置される振動抑制部材と
磁気ディスクとの間隙をアームと磁気ディスクとの間隙
より小さくする、即ち振動抑制部材の開口部の間隔W3
をアーム間距離W0より小さくすると共に、この振動抑
制部材の間隙の少なくとも一部(磁気ディスクの外周端
部に対向する部分)を弾性体により形成することによ
り、加速度を受けたときの磁気ディスクの振動振幅を抑
制する方法である。この方法によれば、加速度を受けた
とき、磁気ディスク5が振動振幅を開始して、その外周
端部が図20(A)に示すように振動抑制部材131の
弾性体132に接触したとき、磁気ディスク5の外周端
部5aはアーム115には接触せず、弾性体132によ
って振動エネルギーが吸収されるので、さらに微小時間
経過後、図20(B)に示すように、磁気ディスク5が
さらに変形してもアーム115に接触することはない。
【0029】しかしながら、上述した各対策では、デー
タを記録しない領域とはいえ、磁気ディスクの外周端部
が2mm程度も振動抑制部材131や弾性体132に接
触することになる。このため、将来的なデータ記録領域
の拡大の妨げになると共に、振動抑制部材と磁気ディス
クの外周端部が接触したときに、塵埃が発生することが
あり、その塵埃発生箇所が磁気ディスクの表面であるこ
とから、記録再生素子を搭載した浮上スライダがこれら
の塵埃に衝突して、磁気ディスクの表面を破損するおそ
れが十分にある。
【0030】そこで本発明は上記課題を解消し、衝撃が
加えられても情報記録媒体の信号記録面が損傷すること
なく、衝撃が加えられた後にも安定して情報を記録及び
/または再生できるディスク装置を提供することを目的
としている。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、ディスク状の情報記録媒体の情報を記録及び/ま
たは再生するためのディスク装置であって、衝撃が加え
られた際の前記情報記録媒体の振動によって前記情報記
録媒体の外周端部が当接することで、前記情報記録媒体
の振動を抑制するための振動抑制部材を備えており、こ
の振動抑制部材の前記情報記録媒体の外周端部に対向す
る接触面が、前記情報記録媒体の各面に対して、その内
周に向かうほど互いに離間するように形成されているデ
ィスク装置により、達成される。
【0032】上記構成によれば、ディスク装置は、衝撃
が加えられた際の情報記録媒体の振動によって情報記録
媒体の外周端部が当接し、情報記録媒体の振動を抑制す
るための接触面を有する振動抑制部材を備える。このた
め、ディスク装置に衝撃が加えられて情報記録媒体が振
動しても、その振動は情報記録媒体の外周端部のみが振
動抑制部材の接触面に対して斜めに当接して振動が抑制
される。したがって、ディスク装置は、情報記録媒体の
データ記録領域の表面に損傷を受けることがない。この
場合、接触面が、前記情報記録媒体の各面に対して、そ
の内周に向かうほど互いに離間するように形成されてい
るから、情報記録媒体の外周端部が振動抑制部材の接触
面に対して斜めに当接することにより、情報記録媒体の
外周端部の先端のみが接触面に対して接触するので、接
触の際に塵埃等は殆ど発生しない。したがって記録再生
素子を搭載した浮上スライダが塵埃等によってクラッシ
ュすることもなく、また情報記録媒体の記録領域が十分
に確保できるので、将来的なデータ領域の拡大にも対応
することが可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明
の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨
の記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。
【0034】第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態としてのハードディスク
ドライブ1の内部構造例の概略を示す斜視図である。図
2は、図1の磁気ヘッド装置の実施形態の内部構造例を
示す分解斜視図である。このハードディスクドライブ1
(ディスク装置、磁気ディスク装置)のシャーシ2内に
は、スピンドルモータ3、磁気ヘッド装置10の回動型
アクチュエータ11及びスピンドルモータ3の軸上でク
ランパ4により挟み込まれている磁気ディスク5が配設
されている。磁気ディスク5の外周端部には、振動抑制
部材31が包囲するように設けられている。この振動抑
制部材31についての詳細は、後述する。
【0035】磁気ヘッド装置10の回動型アクチュエー
タ11は、図2に示すように、回転軸12を挟んで一方
の側にアクチュエータを回動するためのコイル13及び
マグネット14が配設され、他方の側にアクチュエータ
長を規定の長さとするためのアーム15が配設されてい
る。このアーム15の開放端にはサスペンション16が
取り付けられている。このサスペンション16の開放端
には磁気ヘッドが装着されたヘッドスライダ17が取り
付けられている。
【0036】このような構成において、その動作例を説
明する。スピンドルモータ3を駆動させて、磁気ディス
ク5(ディスク状の情報記録媒体)を図示矢印R1方向
に回転させる。すると、ヘッドスライダ17は、高速回
転している磁気ディスク5の表面に発生する空気定常流
により、磁気ディスク5の表面上を微小間隔で浮上走行
する。そして、回動型アクチュエータ11を駆動させ
て、磁気ヘッドを磁気ディスク5上の任意のトラックに
位置決めさせる。即ち、コイル13とマグネット14と
の間で電磁力を発生させ、コイル13を図示矢印R2方
向に回転させ、一体となっているアーム15、サスペン
ション16及びヘッドスライダ17も連動させて図示矢
印R3方向に回転させる。そして、磁気ディスク5上の
任意のトラックに位置決めされた磁気ヘッド(磁気ディ
スク5の情報を記録及び/または再生する素子)によ
り、信号を読み出させる。
【0037】図3は、図1のハードディスクドライブ1
におけるアーム15の停止位置の一例を示す平面図であ
る。図4は、図3のアーム15の構成例を示す拡大図で
あり、図5は、図4のアーム15をV方向から見た場合
の概略を示す側断面図である。尚、図5は概略を示して
おり、部分Wについての詳細は後述する。
【0038】ハードディスクドライブ1は、磁気ディス
ク5に情報を記録したり、磁気ディスク5の情報を再生
したりする場合には、前述のようにヘッドスライダ17
が、磁気ディスク5の表面(磁気ディスクの信号記録
面)を浮上走行して、アーム15がR4方向に回動して
所定の位置に図2のヘッドスライダ17を配置させる。
このハードディスクドライブ1において磁気ディスク5
に対して情報の記録及び/または再生しない状態でのア
ーム15の停止位置は、例えば図3のように磁気ディス
ク5の中心5d寄りのクランパ4付近であり、この位置
を図3にAで示す。
【0039】図6は、図1のハードディスクドライブ1
の概略平面図であり、図8は、図6の振動抑制部材31
のD−D’断面図である。第1実施形態としてのハード
ディスクドライブ1において特徴的なのは、振動抑制部
材31が設けられていることである。
【0040】振動抑制部材31は、例えば図6のように
磁気ディスク5の外周端部5aの周囲を囲むように設け
られており、磁気ディスク5の外周端部5aと接してそ
の振動を制振する機能を果たすものである。この振動抑
制部材31は、アーム15(支持手段)が回動可能な程
度に、アーム15と干渉しない位置に対応して磁気ディ
スク5の外周端部5aを包囲するような形状とされてい
る。そして、この振動抑制部材31は、また図7のよう
に磁気ディスク5の外周端部5aの一部分を包囲するよ
うな形状でも良い。振動抑制部材31の材質には、弾性
体やディスク5の材質よりも剛性の低い材質、例えば樹
脂、POM(ポリアセタール(アセタール樹脂))、テ
フロン等を採用することができる。
【0041】振動抑制部材31は、その磁気ディスク5
の外周端部5aとの接触面が、磁気ディスク5の各面,
すなわち表面5dと裏面5cとに対して、その内周に向
かうほど互いに離間するように形成されている。このた
め、振動抑制部材31は、例えば図8(A)に示すよう
にV字溝の形状の開口部31dが形成されている。この
開口部31dには、磁気ディスク5の外周端部5aが所
定の間隔を保持して配置されている。つまり、磁気ディ
スク5は、その外周端部5aが開口部31dと対向した
状態でこの間隔を保持しつつ、前述のように回転する。
ここで、上記開口部31dは、その磁気ディスク5の外
周端部5aに対向する接触面は、上記V字溝内面に相当
し、V字溝の内面31eと31fとでなるものである。
この内面31eと31fは、磁気ディスク5の両面に対
して外周方向に向いて傾斜するように、形成されてい
る。これにより、磁気ディスク5の外周端部5aが振動
したとき、磁気ディスク5の外周端部5aの先端のみが
開口部31dの接触面に対して、半径方向に関して点接
触するようになっている。したがって、振動抑制部材3
1の開口部31dは、図示のようなV字溝状だけではな
く、U字状もしくは半円状の曲面等でなる溝でもよい。
【0042】また、上記開口部31dの接触面の一方3
1eの傾斜角度θは、図8(B)に示すように、好まし
くは45度以上に選定される。これにより、一般に45
度で面取りされている磁気ディスク5の外周端部5a
が、開口部31dの接触面31eに接触するとき、磁気
ディスク5の表面側との接触が回避されることになる。
これに対して、上記角度θが図8(B)に示すように4
5度未満の場合には、磁気ディスク5の外周端部5aの
面取り部の上縁が開口部31dの接触面と接触すること
になるため、場合によっては磁気ディスク5の表面のデ
ータ記録領域が開口部31dの接触面と衝突するおそれ
がある。
【0043】図9(A)及び(B)は、それぞれ、上段
が、アーム15及びその周辺の構成例を示し、下段が、
図8の振動抑制部材31の一部を示す部分断面図であ
り、図9(A)から図9(B)に変化する様子を示して
いる。振動抑制部材31は、図1のヘッドスライダ17
が磁気ディスク5に情報を記録したり、磁気ディスク5
の情報を再生する際に、図2の磁気ヘッド装置10がR
3方向に回動可能となるような場所に設けられている。
【0044】この振動抑制部材31において特徴的なこ
とは、図8の開口部31dにおける上側の傾斜した接触
面である内周面31eまたは下側の傾斜した接触面であ
る内周面31fと衝撃により変形する磁気ディスク5の
外周端部5aとの接触位置におけるこれら内周面31
e,31fの間隔W4が、アーム15と隣り合うアーム
15との距離W0より小さく、かつ、衝撃が加えられて
いない状態の磁気ディスク5のディスク面から内周面3
1eや31fまでの距離は、それぞれディスク面から両
アーム15、15までの距離よりも短い。つまり、磁気
ディスク5のディスク面垂直方向における磁気ディスク
5の外周端部5aから振動抑制部材31の内周面31e
及び内周面31fの最も近接した距離(第1距離)は、
この状態ではそれぞれ外周端部5aからアーム15、1
5までの距離(第2距離)よりも常に短いことを示して
いる。
【0045】具体的な寸法の一例としては、アーム1
5、15間の距離W0は2.47mmであり、内周面3
1eまたは内周面31fと磁気ディスク5の外周端部5
aとの最も近接した距離は例えば0.3mmである。磁
気ディスク5は、例えば直径3.5インチのプラスチッ
ク・ハードディスクであり、厚さが1.27mmであ
る。磁気ディスク5は、基板の両方の表面には、順に下
地層、磁性層、保護層がスパッタ法により被着されてい
る。さらに、ディスク表面には、潤滑材がディッピング
法によって被着されている。この磁気ディスク5の形状
は、他の実施形態でも同様である。
【0046】また、上述の磁気ディスク5をハードディ
スクドライブ1に搭載すると、磁気ディスク5のディス
ク面垂直方向におけるアーム15から磁気ディスク5の
ディスク面までの距離は例えば0.6mmであり、振動
抑制部材31からディスク面までの最も近接した距離は
0.3mmとなる。
【0047】衝撃試験 ハードディスクドライブ1は以上のような構成であり、
次にハードディスクドライブ1に衝撃が与えられた際の
影響を試験する。
【0048】衝撃試験条件 以下の衝撃試験では、従来のハードディスクドライブの
衝撃試験時と同様の以下の条件によって行われる。この
衝撃試験では、一般的な衝撃試験機を用いる。今回の試
験に用いた衝撃試験機は、検査対象物を落下させる落下
型のもので、落下地点にゴム等の弾性体を配置して、そ
の弾性体の硬さや形状を変えることにより、加える加速
度の波形を変化させることができる。また、衝撃試験機
は、落下高さを変化させることにより、加速度の大きさ
を変化させることができる。今回の実施においては、例
えば100乃至300Gの加速度を2msのハーフサイ
ンの波形で加えることとした。磁気ディスク5の表面に
おける傷の存在の有無の確認は、例えば顕微鏡を用いて
行う。
【0049】衝撃試験結果 図10は、図6(A)のような構成のアーム15を搭載
するハードディスクドライブの衝撃試験結果を示す図で
ある。ここで、図10における用語や記号は、それぞれ
以下のような意味を有する。尚、以下の用語や記号の意
味は、後述する第2実施形態や第3実施形態(図12、
14及び15)でも同様の意味を有する。
【0050】「up面」とは、磁気ディスク5の表面を
示している。「down面」とは、磁気ディスク5の裏
面を示している。 「○」:傷有り 「×」:傷無し 「?」:傷の存在確認困難 また、図10における半径とは、図3の磁気ディスク5
の中心5dから径方向におけるディスク面上の位置(中
心5dから径方向に35mm、41mm、44mm等の
位置(この部分は信号記録面に包含される))を示して
いる。
【0051】図10を参照すると、ハードディスクドラ
イブ1では、外周端部5aが振動抑制部材31に接触し
た際に生じた傷が、外周端部にもまた信号記録面にも認
められない。したがって、ハードディスクドライブ1に
おける磁気ディスク5は、衝撃が加えられた際にもディ
スク外周部及び信号記録面が損傷することはない。これ
は、磁気ディスク5の外周端部5aと振動抑制部材31
の内周面31e,31fとの最も近接した距離が、アー
ム15と磁気ディスク5の表面との距離に比較して小さ
いため、磁気ディスク5の外周端部5aが上記内周面3
1e,31fにより擬似的に固定され、磁気ディスク5
の振動振幅が抑制されることにより、磁気ディスク5の
表面がアーム15に接触しないからである。上述のハー
ドディスクドライブ1は、衝撃試験後さらに磁気ディス
ク5の情報を記録及び/または再生を行っても、良好な
記録/再生特性を発揮することができた。
【0052】本発明の第1実施形態によれば、例えば落
下等によって衝撃が加えられた際にも、簡単な構成によ
って、磁気ディスクの材質にかわらず磁気ディスクの信
号記録面の損傷を防止し、衝撃が加えられた後も安定し
て情報の記録及び/または再生を行うことができるディ
スク装置を提供することができる。
【0053】第2実施形態 図11(A)及び(B)は、本発明の第2実施形態の要
部を示し、それぞれ、上段が、アーム15及びその周辺
の構成例を示し、下段が、振動抑制部材31の一部を示
す部分断面図であり、図11(A)から図11(B)に
変化する様子を示している。第2実施形態では、図1〜
図8において第1実施形態と同一の符号を付した箇所は
同じ構成であるから、異なる点についてのみ説明する。
【0054】この振動抑制部材31において特徴的なこ
とは、ハードディスクドライブ1aには、衝撃が加えら
れた際に磁気ディスク5が振動して変形した場合に、振
動抑制部材31において外周端部5aが接触する接触部
に、弾性体32が設けられている。ハードディスクドラ
イブ1aは、図11(A)のように弾性体32が図8の
開口部31dの内周面31eや内周面31fに設けられ
ている。この弾性体32は、特に限定されるものではな
く、ゴム状のものや粘着材等が使用される。ただし、粘
着材の場合には、磁気ディスクの外周端部の接触の際
に、磁気ディスクと粘着材が接着しないように、何らか
の措置を講ずる必要がある。また、アーム自体が例えば
金属から構成されていることから、例えば樹脂であって
も、金属と比較すれば弾性体として取り扱うことができ
る。本実施形態では、弾性体32には、例えば厚さがそ
れぞれ125μmの粘弾性体及びPET(Polyet
hylene Terephthalate)フィルム
の2層で構成されたものを採用する。この粘弾性体は、
それぞれハードディスクドライブ1aに使用することを
考慮して、例えばアウトガスのないものを使用した。こ
こで、「アウトガス」とは、以下のようなことを示す。
ハードディスクドライブ1a内は密閉空間であり、ハー
ドディスクドライブ1a内で使用される部品において
は、経時的であっても反応性のガスを出すようなもので
あってはならない。この反応性ガスを出す現象を「アウ
トガス」と呼ぶ。もし、アウトガスがハードディスクド
ライブ1a内に起きると、磁気ディスク5が錆びたり、
磁気ヘッドと磁気ディスク5が停止時にはり付くといっ
たとトラブルに見舞われることもあるからである。弾性
体32は、また例えばゴム、POM(Polyoxym
ethylene)、テフロン等の弾性体または、PE
T、PEN(Polyethylene Naphth
alate)、ポリイミド等を材質とする樹脂を採用す
ることができる。
【0055】このハードディスクドライブ1aでは、弾
性体32、32の間の距離は、図9における開口部31
dの内周面31e,31fと同様に、磁気ディスク5の
ディスク面に対向して外周に向かって減少していると共
に、内周面31eまたは31fと衝撃により変形する磁
気ディスク5の外周端部5aとの接触位置におけるこれ
ら内周面31e,31fの間隔W4が、アーム15と隣
り合うアーム15との距離W0と等しく、かつ、衝撃が
加えられていない状態の磁気ディスク5のディスク面か
ら内周面31eや31fまでの距離は、それぞれディス
ク面から両アーム15、15までの距離に等しい。つま
り、磁気ディスク5のディスク面垂直方向における磁気
ディスク5の外周端部5aから振動抑制部材31の内周
面31e及び内周面31fの最も近接した距離(第1距
離)は、この状態ではそれぞれ外周端部5aから常にア
ーム15、15までの距離(第2距離)と同じ、例えば
0.6mmであることを示している。
【0056】衝撃試験 ハードディスクドライブ1aは以上のような構成であ
り、次にハードディスクドライブ1aに衝撃が与えられ
た際の影響を試験する。衝撃試験は、第1実施形態と同
様の条件によって行われる。
【0057】衝撃試験結果 図12は、図11(A)のような構成のアーム15を搭
載するハードディスクドライブ1aの衝撃試験結果を示
す図である。ハードディスクドライブ1aは、250G
未満の衝撃では磁気ディスク5の信号記録面には傷は認
められなかった。さらに、ハードディスクドライブ1a
は、磁気ディスク5のディスク表面全体に亘ってアーム
15との接触による傷は認められなかった。上述のハー
ドディスクドライブ1aは、衝撃試験後さらに磁気ディ
スク5の情報を記録及び/または再生を行っても、良好
な記録/再生特性を発揮することができた。
【0058】本発明の第2実施形態によれば、第1実施
形態の効果を発揮できるとともに、これに加えて、振動
抑制部材31が弾性体である故に、磁気ディスク5がア
ーム15及び振動抑制部材31の弾性体32に衝突した
際にその振動エネルギーが弾性体32に吸収されるた
め、振動が急激に制止され(つまり、はねかえり係数が
非常に小さい)、磁気ディスク5の中周部への接触領域
の広がりが抑制される。また、振動抑制部材31は、振
動抑制部材31が弾性体であり、一般的に磁気ディスク
5よりも柔らかい。このため、ハードディスクドライブ
1aは、磁気ディスク5が振動抑制部材31と当接した
際に、磁気ディスク5に傷が付きにくい構成とすること
ができる。
【0059】第3実施形態 図13(A)及び(B)は、本発明の第3実施形態の要
部を示し、それぞれ、上段が、アーム15及びその周辺
の構成例を示し、下段が、振動抑制部材31の一部を示
す部分断面図であり、図13(A)から図13(B)に
変化する様子を示している。第3実施形態では、図1〜
図8において第1実施形態と同一の符号を付した箇所は
同じ構成であるから、異なる点についてのみ説明する。
【0060】ハードディスクドライブ1bには、磁気デ
ィスク5に情報を記録したり、磁気ディスク5の情報を
再生する際に図2の磁気ヘッド装置10がR3方向に回
動可能なように、振動抑制部材31が設けられている。
【0061】この振動抑制部材31において特徴的なこ
とは、弾性体32が図8の開口部31dの内周面31e
や内周面31fに設けられていること及び次に述べる寸
法決定の点である。尚、弾性体32の材質等について
は、第2実施形態と同様である。
【0062】このハードディスクドライブ1bでは、弾
性体32、32の間の距離は、図9における開口部31
dの内周面31e,31fと同様に、磁気ディスク5の
ディスク面に対向して外周に向かって減少していると共
に、内周面31eまたは31fと衝撃により変形する磁
気ディスク5の外周端部5aとの接触位置におけるこれ
ら内周面31e,31fの間隔W6が、アーム15と隣
り合うアーム15との距離W0より小さく、かつ、衝撃
が加えられていない状態の磁気ディスク5のディスク面
から内周面31eや31fまでの距離は、それぞれディ
スク面から両アーム15、15までの距離より小さい。
つまり、磁気ディスク5のディスク面垂直方向における
磁気ディスク5の外周端部5aから振動抑制部材31の
内周面31e及び内周面31fの最も近接した距離(第
1距離)は、この状態ではそれぞれ外周端部5aから常
にアーム15、15までの距離(第2距離)よりも短い
ことを示している。
【0063】このハードディスクドライブ1bでは、ア
ーム15、15間の距離W0は2.47mmであり、内
周面31eまたは内周面31fに設けられた弾性体32
と磁気ディスク5の外周端部5aとの最も近接した距離
は例えば0.3mmである。
【0064】衝撃試験 ハードディスクドライブ1bは以上のような構成であ
り、次にハードディスクドライブ1bに衝撃が与えられ
た際の影響を試験する。衝撃試験は、第1実施形態と同
様の条件によって行われる。
【0065】衝撃試験結果 図14は、図12(A)のような構成のアーム15を搭
載するハードディスクドライブ1bの衝撃試験結果を示
す図である。ハードディスクドライブ1bは、300G
の試験では、磁気ディスク5の外周端部5aにも中周部
にも傷は認められなかった。ハードディスクドライブ1
は、さらに衝撃が大きくなってもほとんど傷は認められ
ない。このようにハードディスクドライブ1bが衝撃を
受けた場合にも、ディスク面に傷が少ないのは第2実施
形態と同様の理由によるものであることが考えられる。
【0066】上述のハードディスクドライブ1bは、衝
撃試験後さらに磁気ディスク5の情報を記録及び/また
は再生を行っても、良好な記録/再生特性を発揮するこ
とができた。
【0067】本発明の第3実施形態によれば、第1実施
形態や第2実施形態の相乗的な効果を発揮できる。
【0068】追加衝撃試験 図15は、第1実施形態〜第3実施形態において衝撃試
験の衝撃をさらに大きくした場合の試験結果を示す図で
ある。図10、図12及び図14では、それぞれ例えば
100G〜300Gの衝撃をハードディスクドライブに
与えている(以下、300G試験と呼ぶ)が、図15で
は、例えば500Gの加速度の衝撃をハードディスクド
ライブに与えている(以下、500G試験と呼ぶ)。
【0069】図15を参照すると、第1実施形態及び第
2実施形態では、それぞれ300G試験では磁気ディス
ク5の外周端部5a以外に傷がほぼ見られなかったが、
500G試験では半径44mm付近のディスク面に傷が
見られた。第3実施形態では、500G試験であっても
外周端部5aを含めたディスク面に傷は見られない。し
たがって、第3実施形態は、第1実施形態や第2実施形
態と比較してより一層傷が付きにくく最も効果が大きい
ことがわかる。これは、第3実施形態は、第1実施形態
及び第2実施形態を組み合わせており、相乗的に両実施
形態の効果が現れているためである。
【0070】上述のハードディスクドライブ1bは、追
加衝撃試験後さらに磁気ディスク5の情報を記録及び/
または再生を行っても、良好な記録/再生特性を発揮す
ることができた。
【0071】したがって、本発明の各実施形態によれ
ば、それぞれ磁気ディスク装置が落下等によって、内蔵
する磁気ディスク5に衝撃が加えられた場合にも磁気デ
ィスク5が損傷することが無く、衝撃を加えられた後も
安定的に情報の記録/再生を行うことができる。
【0072】ところで本発明は上述した実施形態に限定
されるものではない。振動抑制部材31の開口部31d
の内周面31e,31fの形状は、図示の場合円錐面の
一部(半径方向の断面ではV字形)として構成されてい
るが、これに限らず、少なくとも一方が、半径方向の断
面にて凹状または凸状あるいはこれらの組合せ等の異型
に形成されていてもよい。磁気ディスク5の基板の材質
は、上述のようなプラスティックに限られず、衝撃に弱
いような他の材質や、アルミニウムやガラスを使用した
磁気ディスクであっても同様の効果を発揮することがで
きる。本発明は、磁気ディスク装置にのみ適用されるも
のでなく、光ディスク装置や他の情報記録及び/または
再生装置にも適用することができる。上述のような衝撃
に対して弱いといわれるプラスティック・ハードディス
クを搭載した情報の記録及び/または再生装置には、特
に効果がある。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
衝撃が加えられても情報記録媒体の信号記録面が損傷す
ることなく、衝撃が加えられた後にも安定して情報を記
録及び/または再生できるディスク装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのハードディスク
ドライブの内部構造例の概略を示す斜視図。
【図2】図1の磁気ヘッド装置の実施形態の内部構造例
を示す分解斜視図。
【図3】図1のハードディスクドライブにおけるアーム
の停止位置の一例を示す平面図。
【図4】図3のアームの構成例を示す拡大図。
【図5】図4のアームをV方向から見た場合の概略を示
す側面図。
【図6】図1のハードディスクドライブ1をV方向から
見た場合の様子を示す平面図。
【図7】図6の振動抑制部材の変形例を示す平面図。
【図8】図6の振動抑制部材の(A)D−D’側面断面
図,(B)内周面の傾斜角度が45度以上の場合の部分
拡大断面図及び(C)内周面の傾斜角度が45度未満の
場合の部分拡大断面図。
【図9】図5のハードディスクドライブの部分Wの構成
例を示す部分拡大図。
【図10】図9(A)のような構成のアームを搭載する
ハードディスクドライブの衝撃試験結果を示す図。
【図11】本発明の第2実施形態としてのハードディス
クドライブの図5の部分Wの構成例を示す部分拡大図。
【図12】図11(A)のような構成のアームを搭載す
るハードディスクドライブの衝撃試験結果を示す図。
【図13】本発明の第3実施形態としてのハードディス
クドライブの図5の部分Wの構成例を示す部分拡大図。
【図14】図13(A)のような構成のアームを搭載す
るハードディスクドライブの衝撃試験結果を示す図。
【図15】第1実施形態〜第3実施形態において衝撃試
験の衝撃をさらに大きくした場合の試験結果を示す図。
【図16】従来のハードディスクドライブにおけるアー
ム及び磁気ディスクの構成例を示す部分拡大図。
【図17】従来のハードディスクドライブにおける衝撃
試験結果を示す図。
【図18】従来の振動抑制部材を備えたハードディスク
ドライブにおけるアーム及び磁気ディスクの一構成例を
示す部分拡大図。
【図19】従来の振動抑制部材を備えたハードディスク
ドライブにおけるアーム及び磁気ディスクの他の構成例
を示す部分拡大図。
【図20】従来の振動抑制部材を備えたハードディスク
ドライブにおけるアーム及び磁気ディスクのさらに他の
構成例を示す部分拡大図。
【符号の説明】
1・・・ハードディスクドライブ(ディスク装置、磁気
ディスク装置)、5・・・磁気ディスク(ディスク状の
情報記録媒体)、5a・・・外周端部、15・・・アー
ム(支持手段)、17・・・ヘッドスライダ、31・・
・振動抑制部材、31e・・・内周面(接触面)、31
f・・・内周面(接触面)、32・・・弾性体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク状の情報記録媒体の情報を記録
    及び/または再生するためのディスク装置であって、 衝撃が加えられた際の前記情報記録媒体の振動によって
    前記情報記録媒体の外周端部が当接することで、前記情
    報記録媒体の振動を抑制するための振動抑制部材を備え
    ており、 この振動抑制部材の前記情報記録媒体の外周端部に対向
    する接触面が、前記情報記録媒体の各面に対して、その
    内周に向かうほど互いに離間するように形成されている
    ことを特徴とするディスク装置。
  2. 【請求項2】 前記振動抑制部材は、開口部が形成され
    た部材であり、前記開口部の内周面が前記接触面を構成
    し、前記情報記録媒体の外周端部から間隔を保持して配
    置されている請求項1に記載のディスク装置。
  3. 【請求項3】 前記振動抑制部材は、弾性体であること
    を特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
  4. 【請求項4】 前記開口部の内周面における前記外周端
    部の接触面に、弾性体が設けられていることを特徴とす
    る請求項2に記載のディスク装置。
  5. 【請求項5】 前記情報記録媒体の情報を記録及び/ま
    たは再生するための素子を搭載する支持手段を有してお
    り、 前記情報記録媒体のディスク面垂直方向における前記情
    報記録媒体の外周端部から前記弾性体までの最も近接す
    る第1距離が、前記情報記録媒体の外周端部から前記支
    持手段までの第2距離より短いことを特徴とする請求項
    4に記載のディスク装置。
  6. 【請求項6】 前記情報記録媒体の情報を記録及び/ま
    たは再生するための素子を搭載する支持手段を有してお
    り、 前記情報記録媒体のディスク面垂直方向における前記情
    報記録媒体の外周端部から前記振動抑制部材までの最も
    近接する第1距離が、前記情報記録媒体の外周端部から
    前記支持手段までの第2距離より短いことを特徴とする
    請求項1に記載のディスク装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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