JP2000268512A - ディスク装置 - Google Patents

ディスク装置

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JP2000268512A
JP2000268512A JP11066895A JP6689599A JP2000268512A JP 2000268512 A JP2000268512 A JP 2000268512A JP 11066895 A JP11066895 A JP 11066895A JP 6689599 A JP6689599 A JP 6689599A JP 2000268512 A JP2000268512 A JP 2000268512A
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magnetic disk
arm
disk
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hard disk
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Osami Morita
修身 森田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃が加えられても情報記録媒体の信号記録
面が損傷することなく、衝撃が加えられた後にも安定し
て情報を記録及び/又は再生できるディスク装置を提供
すること。 【解決手段】 ディスク状の情報記録媒体5の情報を記
録及び/又は再生するための素子を支持する支持手段1
5を備えるディスク装置であって、前記支持手段の前記
情報記録媒体の外周端部に対向する接触面115c,1
15dが、前記情報記録媒体の各面に対してその内周に
向かうほど互いに離間する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状の情報
記録媒体に情報を記録及び/またはその情報記録媒体に
記録された情報を再生するディスク装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の発達により例えば画像
情報や音声情報等の情報(以下、一例として映像情報を
取り上げる)がデジタル化され、コンピュータを用いた
動画の記録や再生が日常的に行われている。このような
デジタル化された情報を記録するためには、例えば磁気
抵抗効果を利用して記録/再生する外部記憶装置として
の磁気ディスク装置(以下、「ハードディスクドライブ
(ハードディスク)」と言う)が使用されており、ハー
ドディスクドライブは、大容量化、高密度化の一途をた
どっている。磁気ディスクは、例えば磁気テープのよう
に巻き戻しや早送りをせずに見たい画像が瞬時に見られ
るというランダムアクセス性を有する。このため、磁気
ディスクは、磁気テープに代わってビデオ等のAV(A
udio−Visual)機器へも応用されている。
【0003】今日、ビデオカメラ等で撮影された映像情
報は、容易にコンピュータに取り込まれており、パーソ
ナルコンピュータ(Personal Compute
r:以下、PCという)上で取り扱うデジタルデータと
映像情報のデジタルデータとの垣根が消滅しつつある。
これは、様々なデジタルデータを統合するいわゆる「P
C−AV統合」と呼ばれており、この「PC−AV統
合」をさらに推進するためには、誰もが入手しやすい価
格で、かつ大容量のデータ記録が可能な磁気ディスク装
置の誕生が望まれている。このため開発が進められてい
るものに、例えばプラスティック・ハードディスクがあ
る。以下では、プラスティック製基板の磁気ディスクを
有するハードディスクを「プラスティック・ハードディ
スク」と呼ぶこととし、説明する。
【0004】プラスティック・ハードディスクには、例
えば2種類存在する。第1のプラスティック・ハードデ
ィスクは、従来の基板材料をプラスティックに置き換え
ただけのプラスティック・ハードディスクである。この
プラスティック・ハードディスクは、従来のハードディ
スクの製造方法とは異なり、基板の研磨工程が省略され
樹脂を射出成型して作成されるので、安価に製造するこ
とができる。また、このプラスティック・ハードディス
クは、高精度な射出成型法を用いるので、良好な基板形
状を達成することができ、大容量で低価格のハードディ
スクを実現することができる。
【0005】一方、第2のプラスティック・ハードディ
スクは、基板製造時に予め情報が記録(以下、プリフォ
ーマットと呼ぶ)されているプラスティック・ハードデ
ィスクである。プリフォーマットは、光ディスクのマス
タリング技術を用いてスタンパを作成し、基板上に情報
信号に対応した凹凸を転写することにより行う。この技
術を用いると、精度の良いサーボ情報をディスク面に形
成することができるので、磁気ディスクを25000T
PI(Track Per Inch)以上の狭いトラ
ックに忠実にトレースさせることができる高精度なトラ
ッキングを実現することができる可能性がある。このた
め、このようなプラスティック・ハードディスクは、次
世代の高密度記録メディア(以下、「メディア」と略称
する)としても注目を集めている。
【0006】従来の磁気ディスクでは、磁気ヘッドによ
りディスク1枚1枚にサーボ情報を書き込んでいたのに
対して(この工程をサーボライトと呼ぶ)、前述のよう
にプラスティック・ハードディスクでは、プリフォーマ
ットにより簡便にサーボ情報を形成することができる。
このため、プラスティック・ハードディスクは、リムー
バブル・ハードディスク・メディアとしての需要も見い
だされてきている。さらに、光ディスクと同様のピット
を基板上に形成できる利点及び、基板上を50nm以下
の浮上量でスライダが浮上できる利点を生かして、ハー
ドディスクの装置構成に光磁気ディスクの記録再生方式
を組み込んだ外部記憶装置、いわゆるOAW(Opti
cally Assisted Wincheste
r)方式ドライブ用メディアへの応用も検討されてい
る。以上のように、プラスティック・ハードディスクを
用いることによって、安価な情報記録媒体の実現や、よ
り高密度な情報記録装置の実現が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のプラ
スティック・ハードディスクは、以下に述べるような課
題を抱えている。それは、プラスティック・ハードディ
スクが従来から用いられていたアルミニウム製基板の磁
気ディスク(以下、アルミディスクとも呼ぶ)やガラス
製基板の磁気ディスク(以下、ガラスディスクとも呼
ぶ)と比較して柔らかいため、衝撃に対する耐性が弱い
ことである。
【0008】例えば、直径3.5インチのプラスティッ
ク・ハードディスクを磁気ディスク装置に装填し、磁気
ディスク装置のスピンドル軸方向に例えば300Gの加
速度の衝撃を与えるとする。プラスティック・ハードデ
ィスクの場合には、磁気ディスクの外周端部で2.0m
m程度の振幅を持つ振動(以下、「振動振幅」と言う)
をする。一方、アルミディスクの場合には、同じ条件で
0.6mm程度の振動振幅となる。したがって、プラス
ティック・ハードディスクの方が振動振幅が大きい。
【0009】磁気ディスク装置は、非動作時には、情報
の記録及び/または再生素子(以下、記録再生素子とも
呼ぶ)を搭載した浮上スライダは、磁気ディスクの最内
周に設けられたコンタクトスタートストップ(Cont
act Start Stop、以下CSSと呼ぶ)ゾ
ーン上に停止している。
【0010】したがって、浮上スライダが磁気ディスク
の内外周のどこにでも移動できるように、ボイスコイル
モータとスライダとの間に設けられているサスペンショ
ンやアーム等の部品は、非動作時には、磁気ディスクを
挟み込むような形で設けられている。通常、情報の記録
再生素子を搭載した浮上スライダは、磁気ディスクの両
面に配置されるので、例えば複数枚の磁気ディスクの間
にそれぞれ配置されている。
【0011】磁気ディスクの表面とアームとの磁気ディ
スク面に対向する距離は、ヘッドジンバルアセンブリー
(Head Ginbal Assembly、以下H
GAと呼ぶ)の取り付け面高さ(以下、Zハイトと呼
ぶ)と同じであるのが通常である。したがって、その距
離は、0.5〜0.7mm程度が一般的な値となる。
【0012】磁気ディスク装置の非動作時には、アーム
やサスペンション等の部品がディスク上空に配置された
ままの状態である。この時、例えば磁気ディスク装置を
落下させてしまうと、例えば250〜300G程度の加
速度が磁気ディスク装置に衝撃として加わる。250〜
300G程度の衝撃とは、例えば高さ30cm程度から
ゴムの上に磁気ディスク装置が落下した際における加速
度である。したがって、この程度の衝撃は、一般的な生
活の場面でも磁気ディスク装置に加わる可能性がある。
そして、磁気ディスクとしてプラスティック・ハードデ
ィスクを採用した場合には前述のように2.0mmの振
動振幅、アルミディスクを採用した場合でも0.6mm
の振動振幅がある。
【0013】ところが、アームと磁気ディスクとの隙間
は前述したとおり、一般的には0.5〜0.7mmであ
るので、この隙間の中でアルミディスクの場合でもアー
ムと磁気ディスクが接触する恐れが十分あり、プラステ
ィック・ハードディスクの場合では振幅が2.0mmも
の振動をするので、アームと磁気ディスクが接触するの
は確実である。さらに、この接触状態が過酷な場合には
衝突となり、磁気ディスクの信号記録面に傷が生じて磁
気ディスクに情報を記録したり、磁気ディスクの情報の
再生が不可能となることもある。
【0014】アームとアルミディスクとの接触の場合
は、アルミディスクの外周端部のみが接触するにとどま
るが、アームとプラスティック・ハードディスクの接触
の場合には、振動振幅が大きいため外周端部のみにとど
まらず、半径30mm付近から外周端部までの部分が接
触する場合がある。つまり、磁気ディスク装置が300
G程度の加速度を受けた場合にアームと磁気ディスク面
との接触を回避しなければ、磁気ディスクの信号記録面
が傷つき、磁気ディスクに記憶された情報の再生等が不
能となり、情報記録装置としての役割を果たすことがで
きなくなる。
【0015】衝撃試験 ここで、磁気ディスク装置は、落下等によって衝撃を受
けた際にどの程度の影響があるかについて具体的に検討
する。 衝撃試験条件 この衝撃試験では、一般的な衝撃試験機を用いる。今回
の試験に用いた衝撃試験機は、検査対象物を落下させる
落下型のもので、落下地点にゴム等の弾性体を配置し
て、その弾性体の硬さや形状を変えることにより、加え
る加速度の波形を変化させることができる。また、衝撃
試験機は、落下高さを変化させることにより、加速度の
大きさを変化させることができる。今回の実施において
は、例えば100〜300Gの加速度を2msのハーフ
サインの波形で加えることとした。磁気ディスクの表面
における傷の存在の有無の確認は、例えば顕微鏡を用い
て行う。
【0016】今回使用した磁気ディスクは、最も顕著に
効果が現れやすい柔らかい材質のプラスティック・ハー
ドディスクを採用した。磁気ディスクは、直径が3.5
インチで、厚さが1.27mmである。磁気ディスクの
両ディスク面には、それぞれ順に下地層、磁性層、保護
層がそれぞれ例えばスパッタ法により被着されている。
さらに、磁気ディスクの表面には、潤滑剤が例えばディ
ッピング法により被着されている。
【0017】上述のプラスティック・ハードディスクを
ハードディスクドライブ1に搭載すると、アームと磁気
ディスクとの間のディスク面垂直方向における磁気ディ
スクの外周端部近傍以外におけるアームから磁気ディス
クまでの距離は例えば0.6mm、磁気ディスクの外周
端部近傍におけるアームから磁気ディスクまでの距離は
例えば0.35mmとなる。
【0018】図13(A)及び図13(B)は、それぞ
れ従来のハードディスクドライブにおけるアーム115
及び磁気ディスク5の構成例を示す部分拡大図である。
図13(A)は、従来ハードディスクドライブに衝撃が
加えられた際に磁気ディスク5が振動して変形し、アー
ム115に接触し始めた状態を示しており、図13
(B)は、図13(A)の状態から微少時間経過して磁
気ディスク5がさらに変形し、アーム115に接触して
いる状態を示している。
【0019】衝撃試験結果 図14は、従来のハードディスクドライブにおける衝撃
試験結果を示す図である。図14における用語や記号
は、それぞれ以下のような意味を有する。「up面」と
は、磁気ディスク5の表面を示している。「down
面」とは、磁気ディスク5の裏面を示している。 「○」:傷有り 「×」:傷無し 「?」:傷の存在確認困難 また、図14における半径とは、磁気ディスク5の中心
から径方向におけるディスク面上の位置(中心から径方
向に35mm、41mm、44mm等の信号記録面上の
位置)を示している。
【0020】従来のハードディスクドライブでは、衝撃
が小さい(100G程度)場合には磁気ディスク5に傷
が存在しないが、衝撃が大きい(200G程度)場合に
は外周端部5aのみならず半径40mm付近(信号記録
面をも含む位置)にも多数の傷が認められた。これは、
従来のハードディスクドライブの場合では、加えられた
衝撃の加速度により磁気ディスク5の外周端部5aがア
ーム115にまず接触し、それに引き続き内周部に向か
って接触領域が広がっていくためである。従って、従来
のハードディスクドライブは、衝撃に対して弱いことが
わかる。従来のハードディスクドライブは、磁気ディス
ク5の信号記録面が損傷しているので、情報の記録及び
/又は再生を行うことができない。
【0021】これに対して、従来は以下のような対策が
考えられる。即ち、例えば300Gの大きな加速度が加
えられても、アームと磁気ディスクとが全く接触しない
ことが理想であるが、アルミディスクにおいても、30
0Gの加速度では、磁気ディスクの外周端部がアームに
対して接触している。したがって、プラスチック・ハー
ドディスクの場合では、完全非接触ではなく、磁気ディ
スクのデータ記録領域とアームとの接触を回避すること
を考える。磁気ディスクの外周端部は、表面のうねりが
他の部分の表面のうねりに比較して大きいことから、一
般的にはデータの記録が行なわれない。このため、磁気
ディスクの外周端部がアームと接触して傷ついたとして
も、この部分にはデータが記録されないので、情報の記
録再生には全く影響がない。
【0022】この点に着目して、例えば以下に示す対策
が考えられる。先づ第一の対策は、磁気ディスクの外周
端部に対向するアームと磁気ディスクの間隔のみを他の
部分のアームと磁気ディスクとの間隔より狭くする方法
である。
【0023】加速度を受けたときの磁気ディスクの振動
は、落下による加速度を想定していることから、パルス
状であって、固有振動数の任意のモードで励振されるも
のではなく、単純に加速度を受けて振動するものであ
る。また、磁気ディスクの内周端部は、スピンドルモー
タに固定されているため、振動することはない。したが
って、加速度による磁気ディスクの振動は、外周端部の
振動を規制するものがなければ、外周側に向かって振動
振幅(第一の振動振幅)が大きくなるようになってい
る。このため、磁気ディスクの外周端部を内周と同様に
固定すれば、外周端部及び内周端部の両方が固定端とな
って、磁気ディスクの中周部分が最大振幅となるような
振動振幅(第二の振動振幅)が発生することになる。こ
こで、上記第一及び第二の振動振幅を比較すると、第二
の振動振幅の方が小さい。これは、同じ振動エネルギー
を与えられた場合に、振動の固定端から振動の「腹」
(最大変位部)となる部分までの距離が長い方、即ち振
動の波長の長い方が振動しやすく、振幅が大きくなるか
らである。
【0024】ところで、実際には、磁気ディスクは回転
するので、その外周端部を固定することは不可能であ
る。そこで、磁気ディスクの外周端部とこれに対向する
アーム115のアーム根元部115aとの間隔を磁気デ
ィスクの他の部分とアームとの間隔よりも狭く、即ちア
ーム根元部115aの間隔W4をアームの他の部分11
5bの間隔W0よりも小さくすることにより、外周端部
を固定するのではなく、磁気ディスクが回転し得るよう
に、ある程度の隙間を保持することにより、磁気ディス
クが振動したとき、アームが磁気ディスクの外周端部を
擬似的に固定して、振動振幅を抑制する方法が考えられ
る。この方法においては、磁気ディスク装置に衝撃が加
えられた際に磁気ディスク5が振動して変形すると、図
15(A)に示すように、磁気ディスク5の外周端部5
aがアーム115のアーム根元部115aに接触し始め
た状態でも、磁気ディスク5はアーム115の他の部分
115bには接触せず、さらに図15(A)の状態から
微小時間経過後に、磁気ディスク5がさらに変形して、
図15(B)に示すように、磁気ディスク5の外周端部
より内側の部分も大きく変形したとしても、磁気ディス
ク5のディスク面はアーム115の他の部分115bに
は全く接触しない。
【0025】次に、第二の対策は、弾性体を用いて加速
度を受けた際の磁気ディスクの振動を抑制する方法であ
る。加速度を受けたとき、一番最初にアーム115と接
触するのは、磁気ディスク5の外周端部5aである。し
たがって、図16に示すように、磁気ディスク5の外周
端部5aとアーム115との接触領域が弾性体120で
形成されていることにより、磁気ディスク5の外周端部
5aは弾性体120と接触することにより、振動エネル
ギーが弾性体120に吸収され、即ち弾性体120の変
形のために消費され、熱エネルギーに変換される。これ
により、振動振幅値が小さくなり、磁気ディスク5とア
ーム115の接触する領域は磁気ディスク5の外周端部
5aのみに限定されるので、磁気ディスク5のディスク
面のアーム115への接触領域がより小さくなる。尚、
弾性体120の配置領域は、磁気ディスク5の外周端部
5aに対向する領域に限定されず、磁気ディスク5に対
向する面全体であってもよい。また、磁気ディスクの外
周端部が弾性体と接触することにより、磁気ディスクの
外周端部が傷つくこともなく、外周端部の傷つきによる
発塵の可能性も極めて小さくなる。
【0026】このようにして、アーム115の少なくと
も磁気ディスク5の外周端部5aとの接触領域が弾性体
120により形成されていることにより、前記第一の対
策に比較して、磁気ディスク5の振動振幅の抑制や傷つ
きの点でより一層有利であることは明らかである。ま
た、この方法においては、弾性体120の磁気ディスク
5からの距離とアーム115の他の部分115bの磁気
ディスク5からの距離が同じ、即ち弾性体120の間隔
W5がアーム間距離W0と同じであることから、磁気デ
ィスク5とアーム115との接触が回避されないが、加
速度を受けたとき、図16(A)に示すように、磁気デ
ィスク5の外周端部5aが弾性体120にも接触して、
磁気ディスク5の振動エネルギーの一部が弾性体120
によって吸収されるので、図16(B)に示すように、
磁気ディスク5のアーム115への接触領域は外周端部
5aのみに抑制されることになり、磁気ディスクの外周
端部より内側のディスク面がアームに接触することはな
い。
【0027】さらに、上述した第一の対策と第二の対策
とを併用することも考えられる。この第三の対策は、磁
気ディスクの外周端部に対向するアーム115のアーム
根元部115aと磁気ディスク5の外周端部5aとの間
隙をアーム115の他の部分115bと磁気ディスク5
との間隙より小さく、即ちアーム115のアーム根元部
115aの間隔W6をアーム115の他の部分115b
の間隔W0より小さくすると共に、このアーム115の
アーム根元部115aを弾性体120により形成するこ
とにより、加速度を受けたときの磁気ディスクの振動振
幅を抑制する方法である。この方法によれば、加速度を
受けたとき、磁気ディスク5が振動振幅を開始して、そ
の外周端部5aが図17(A)に示すように弾性体12
0に接触したとき、磁気ディスク5のディスク面はアー
ム115の他の部分115bには接触せず、弾性体12
0によって振動エネルギーが吸収されるので、さらに微
小時間経過後、図17(B)に示すように、磁気ディス
ク5がさらに変形しても、磁気ディスク5のディスク面
がアーム115の他の部分115bに接触することはな
い。
【0028】しかしながら、上述した各対策では、デー
タを記録しない領域とはいえ、磁気ディスクの外周端部
が2mm程度もアーム115のアーム根元部115aや
弾性体120に接触することになる。このため、将来的
なデータ記録領域の拡大の妨げになると共に、振動抑制
部材と磁気ディスクの外周端部が接触したときに、塵埃
が発生することがあり、その塵埃発生箇所が磁気ディス
クの表面であることから、記録再生素子を搭載した浮上
スライダがこれらの塵埃に衝突して、磁気ディスクの表
面を破損するおそれが十分にある。
【0029】そこで本発明は上記課題を解消し、衝撃が
加えられても情報記録媒体の信号記録面が損傷すること
なく、衝撃が加えられた後にも安定して情報を記録及び
/又は再生できるディスク装置を提供することを目的と
している。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にあ
っては、ディスク状の情報記録媒体の情報を記録及び/
又は再生するための素子を支持する支持手段を備えるデ
ィスク装置であって、前記支持手段の前記情報記録媒体
の外周端部に対向する接触面が、前記情報記録媒体の各
面に対してその内周に向かうほど互いに離間する構成と
した、ディスク装置により、達成される。
【0031】上記構成によれば、支持手段は、衝撃が加
えられた際の情報記録媒体の振動によって情報記録媒体
の外周端部が当接し、情報記録媒体の振動を抑制するた
めの接触面を備える。このため、ディスク装置に衝撃が
加えられた際に振動する情報記録媒体は、その外周端部
のみが外周端部近傍における支持手段の接触面に当接し
て振動が抑制される。従って、ディスク装置は、情報記
録媒体のデータ記録領域の表面に損傷を受けることがな
く、衝撃を受けた後も安定して情報の記録及び/又は再
生を行うことができる。この場合、接触面は、前記情報
記録媒体の各面に対してその内周に向かうほど互いに離
間する構成としたので、情報記録媒体の外周端部が支持
部材の接触面に対して斜めに当接することにより、情報
記録媒体の外周端部の先端のみが接触面に対して接触す
る。このため、接触の際に塵埃等は殆ど発生せず、した
がって記録再生素子を搭載した浮上スライダが塵埃等に
よってクラッシュすることもなく、また情報記録媒体の
記録領域が十分に確保できるので、将来的なデータ領域
の拡大にも対応することが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明
の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨
の記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。
【0033】第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態としてのハードディスク
ドライブ1の内部構造例の概略を示す斜視図である。図
2は、図1の磁気ヘッド装置の実施形態の内部構造例を
示す分解斜視図である。このハードディスクドライブ1
(ディスク装置、磁気ディスク装置)のシャーシ2内に
は、スピンドルモータ3、磁気ヘッド装置10の回動型
アクチュエータ11及びスピンドルモータ3の軸上でク
ランパ4により挟み込まれている磁気ディスク5が配設
されている。
【0034】磁気ヘッド装置10の回動型アクチュエー
タ11は、図2に示すように回転軸12を挟んで一方の
側にアクチュエータを回動するためのコイル13及びマ
グネット14が配設され、他方の側に、情報記録媒体と
してのディスク5の情報を記録及び/又は再生するため
の素子である磁気ヘッドを支持するための支持手段とし
てのアーム15が配設されている。この支持手段として
のアーム15の詳細な構成例については、後述する。こ
のアーム15の開放端にはサスペンション16が取り付
けられている。このサスペンション16の開放端には磁
気ヘッド(磁気ディスク5の情報を記録及び/又は再生
する素子)が装着されたヘッドスライダ17が取り付け
られている。
【0035】このような構成において、その動作例を説
明する。スピンドルモータ3を駆動させて、磁気ディス
ク5(ディスク状の情報記録媒体)を図示矢印R1方向
に回転させる。すると、ヘッドスライダ17は、高速回
転している磁気ディスク5の表面に発生する空気定常流
により、磁気ディスク5の表面上を微小間隔で浮上走行
する。そして、回動型アクチュエータ11を駆動させ
て、磁気ヘッドを磁気ディスク5上の任意のトラックに
位置決めさせる。即ち、コイル13とマグネット14と
の間で電磁力を発生させ、コイル13を図示矢印R2方
向に回転させ、一体となっているアーム15、サスペン
ション16及びヘッドスライダ17も連動させて図示矢
印R3方向に回転させる。そして、磁気ディスク5上の
任意のトラックに位置決めされた磁気ヘッド(磁気ディ
スク5の情報を記録及び/又は再生する素子)により、
信号を読み出させる。
【0036】図3は、図1のハードディスクドライブ1
におけるアーム15の停止位置の一例を示す平面図であ
る。図4は、図3のアーム15の構成例を示す拡大図で
あり、図5は、図4のアーム15をV方向から見た場合
の概略を示す側断面図である。尚、図5は概略を示して
おり、部分Wについての詳細は後述する。
【0037】ハードディスクドライブ1は、磁気ディス
ク5に情報を記録したり、磁気ディスク5の情報を再生
したりする場合には、前述のようにヘッドスライダ17
が、磁気ディスク5の表面(磁気ディスクの信号記録
面)を浮上走行して、アーム15がR4方向に回動して
所定の位置に図2のヘッドスライダ17を配置させる。
このハードディスクドライブ1において磁気ディスク5
に対して情報の記録及び/又は再生しない状態でのアー
ム15の停止位置は、例えば図3のように磁気ディスク
5の中心5d寄りのクランパ4付近であり、この位置を
図3にAで示す。
【0038】図6(A)及び図6(B)は、それぞれ図
5のハードディスクドライブ1の部分Wの構成例を示す
部分拡大図である。支持手段としてのアーム15は、デ
ィスク5の外周端部に対向する接触面が、ディスク5の
各面に対してその内周に向かうほど互いに離間する構成
とされている。例えば、アーム15は、図6(A)のよ
うにその磁気ディスク5の外周端部5aに対向するアー
ム根元部15aが、V字溝の形状を有する接触面である
内周面115c,115dとして形成されており、その
間に磁気ディスク5の外周端部5aが所定の間隔を保持
して配置されている。つまり、磁気ディスク5は、その
外周端部5aがアーム根元部15aの内周面115c,
115dと対向した状態でこの間隔を保持しつつ、前述
のように回転する。
【0039】ここで、上記アーム根元部15aは、その
磁気ディスク5の外周端部5aに対向する内周面115
c,115dが、磁気ディスク5の両面に対して外周方
向に向いて傾斜するように、形成されている。これによ
り、磁気ディスク5の外周端部5aが振動したとき、図
6(B)に示すように、磁気ディスク5の外周端部5a
の先端のみがアーム根元部15aの内周面115c,1
15dに対して、半径方向に関して点接触するようにな
っている。尚、上記アーム根元部15aの内周面115
c,115dはその一方である内周面115cの傾斜角
度θが、図7(A)に示すように、好ましくは45度以
上に選定される。これにより、一般に45度で面取りさ
れている磁気ディスク5の外周端部5aがアーム根元部
15aの内周面115c,115dに接触するとき、磁
気ディスク5の表面側との接触が回避されることにな
る。これに対して、上記角度θが図7(B)に示すよう
に45度未満の場合には、磁気ディスク5の外周端部5
aの面取り部の上縁がアーム根元部15aの内周面11
5c,115dと接触することになるため、場合によっ
ては磁気ディスク5の表面のデータ記録領域がアーム根
元部15aの内周面115c,115dと衝突するおそ
れがある。
【0040】ここで、アーム根元部15aにおける内周
面115c,115dと衝撃により変形する磁気ディス
ク5の外周端部5aとの接触位置におけるこれら接触面
の間隔W4は、アーム15と隣り合うアーム15との他
の部分15bの距離W0(以下、アーム間距離W0と呼
ぶ)より小さく、かつ、衝撃が加えられていない状態の
磁気ディスク5のディスク面から内周面115c,11
5dまでの距離は、それぞれディスク面から両アーム1
5、15の他の部分15bまでの距離よりも短い。つま
り、磁気ディスク5のディスク面垂直方向における磁気
ディスク5の外周端部5aからアーム根元部15aの内
周面115c,115dの最も近接した距離(第1距
離)は、この状態ではそれぞれ外周端部5aから常にア
ーム15、15の他の部分15bまでの距離(第2距
離)よりも短いことを示している。
【0041】具体的な寸法の一例としては、アーム1
5、15の他の部分15bの間の距離W0は例えば2.
47mm、上述した第1距離は例えば0.3mmであ
る。磁気ディスク5は、最も顕著に効果が現れやすい柔
らかい材質のプラスティック・ハードディスクを採用し
た。磁気ディスク5は、直径が3.5インチで、厚さが
1.27mmである。磁気ディスク5は、基板の両方の
表面には、それぞれ順に下地層、磁性層、保護層がそれ
ぞれ例えばスパッタ法により被着されている。さらに、
磁気ディスク5の表面には、潤滑材が例えばディッピン
グ法により被着されている。この磁気ディスク5の形状
は、他の実施形態でも同様である。
【0042】また、上述の磁気ディスク5をハードディ
スクドライブ1に搭載すると、磁気ディスク5のディス
ク面垂直方向におけるアーム15の他の部分15bから
磁気ディスク5のディスク面までの距離は例えば0.6
mmであり、アーム根元部分15aからディスク面まで
の最も近接した距離は0.3mmとなる。
【0043】衝撃試験 ハードディスクドライブ1は以上のような構成であり、
次にハードディスクドライブ1に衝撃が与えられた際の
影響を試験する。
【0044】衝撃試験条件 以下の衝撃試験では、従来のハードディスクドライブの
衝撃試験時と同様の以下の条件によって行われる。この
衝撃試験では、一般的な衝撃試験機を用いる。今回の試
験に用いた衝撃試験機は、検査対象物を落下させる落下
型のもので、落下地点にゴム等の弾性体を配置して、そ
の弾性体の硬さや形状を変えることにより、加える加速
度の波形を変化させることができる。また、衝撃試験機
は、落下高さを変化させることにより、加速度の大きさ
を変化させることができる。今回の実施においては、例
えば100乃至300Gの加速度を2msのハーフサイ
ンの波形で加えることとした。磁気ディスク5の表面に
おける傷の存在の有無の確認は、例えば顕微鏡を用いて
行う。
【0045】衝撃試験結果 図8は、図6のような構成のアーム15を搭載するハー
ドディスクドライブの衝撃試験結果を示す図である。こ
こで、図8における用語や記号は、それぞれ以下のよう
な意味を有する。尚、以下の用語や記号の意味は、後述
する第2実施形態や第3実施形態(図10、図12及び
図13)においても同様の意味を有する。
【0046】「up面」とは、磁気ディスク5の表面を
示している。「down面」とは、磁気ディスク5の裏
面を示している。 「○」:傷有り 「×」:傷無し 「?」:傷の存在確認困難 また、図8における半径とは、図3の磁気ディスク5の
中心5dから径方向におけるディスク面上の位置(中心
5dから径方向に35mm、41mm、44mm等の信
号記録面上の位置)を示している。
【0047】図8を参照すると、ハードディスクドライ
ブ1では、アーム15との接触により発生した傷が、外
周端部にもまた信号記録面にも認められない。これは、
磁気ディスク5の外周端部5aとアーム15のアーム根
元部15aの内周面115c,115dとの最も近接し
た距離が、アーム15の他の部分15bと磁気ディスク
5の表面との距離に比較して小さいため、磁気ディスク
5の外周端部5aが上記内周面115c,115dによ
り擬似的に固定され、磁気ディスク5の振動振幅が抑制
されることにより、磁気ディスク5の表面がアーム15
の他の部分15bに接触しないからである。従って、ハ
ードディスクドライブ1における磁気ディスクは、従来
のハードディスクドライブと比較して極端に傷が少ない
ことがわかる。特に注目すべき点は、磁気ディスク5の
信号記録面に傷が存在していないことである。従って、
ハードディスクドライブ1は、従来のハードディスクド
ライブと比較して衝撃に対して強いことを示している。
上述のハードディスクドライブ1は、衝撃試験後さらに
磁気ディスク5の情報を記録及び/又は再生を行って
も、良好な記録/再生特性を発揮することができた。
【0048】本発明の第1実施形態によれば、例えば落
下等によって衝撃が加えられた際にも、簡単な構成によ
って、磁気ディスクの材質にかかわらず磁気ディスクの
信号記録面の損傷を防止し、衝撃が加えられた後も安定
して情報の記録及び/又は再生を行うことができるディ
スク装置を提供することができる。
【0049】第2実施形態 図9は、本発明の第2実施形態としてのハードディスク
ドライブ1aの図5の部分Wの構成例を示す部分拡大図
である。第2実施形態では、図1〜図5において第1実
施形態と同一の符号を付した箇所は同じ構成であるか
ら、異なる点についてのみ説明する。
【0050】この第2実施形態において特徴的なこと
は、ハードディスクドライブ1aでは、衝撃が加えられ
た際に磁気ディスク5が振動して変形した場合に、アー
ム根元部15aにおいて外周端部5aが接触する接触部
に、弾性体20が設けられている。ハードディスクドラ
イブ1aは、図9(A)に示すように弾性体20が磁気
ディスク5の外周端部5a近傍の互いに対向するアーム
15、15のアーム根元部15a、15aの傾斜した内
周面115c,115dに埋め込まれている。弾性体2
0には、例えば厚さがそれぞれ125μmの粘弾性体及
びPET(Polyethylene Terepht
halate)フィルムの2層で構成されたものを採用
する。この粘弾性体は、それぞれハードディスクドライ
ブ1aに使用することを考慮して、例えばアウトガスの
ないものを使用した。ここで、「アウトガス」とは、以
下のようなことを示す。ハードディスクドライブ1a内
は密閉空間であり、ハードディスクドライブ1a内で使
用される部品においては、経時的であっても反応性のガ
スを出すようなものであってはならない。この反応性ガ
スを出す現象を「アウトガス」と呼ぶ。もし、アウトガ
スがハードディスクドライブ1a内に起きると、磁気デ
ィスク5が錆びたり、磁気ヘッドと磁気ディスク5が停
止時にはり付くといったとトラブルに見舞われることも
あるからである。弾性体32は、また例えばゴム、PO
M(Polyoxymethylene)、テフロン等
の弾性体または、PET、PEN(Polyethyl
ene Naphthalate)、ポリイミド等を材
質とする樹脂を採用することができる。尚、上記弾性体
20は、特に限定されるものではなく、ゴム状のものや
粘着材等が使用される。ただし、粘着材の場合には、磁
気ディスクの外周端部の接触の際に、磁気ディスクと粘
着材が接着しないように、何らかの措置を講ずる必要が
ある。また、アーム自体が例えば金属から構成されてい
ることから、例えば樹脂であっても、金属と比較すれば
弾性体として取り扱うことができる。
【0051】このハードディスクドライブ1aでは、弾
性体20、20間(内周面115c,115d同士間も
同様)の距離は、図6(A)におけるアーム根元部15
aの内周面115c,115dと同様に、磁気ディスク
5のディスク面に対向して外周に向かって減少している
と共に、内周面115cまたは115dと衝撃により変
形する磁気ディスク5の外周端部5aとの接触位置にお
けるこれら内周面115c,115dの間隔W5が、ア
ーム15と隣り合うアーム15との距離W0に等しく、
かつ、衝撃が加えられていない状態のディスク5のディ
スク面から内周面115c,115dまでの距離は、そ
れぞれディスク面からアーム15、15の他の部分15
b,15bまでの距離に等しい。つまり、磁気ディスク
5のディスク面垂直方向における磁気ディスク5の外周
端部5aからアーム根元部15aの内周面115c,1
15dの最も近接した距離(第1距離)は、この状態で
はそれぞれ外周端部5aから常にアーム15、15の他
の部分15b,15bまでの距離(第2距離)と同じ、
例えば0.6mmであることを示している。
【0052】衝撃試験 ハードディスクドライブ1aは以上のような構成であ
り、次にハードディスクドライブ1aに衝撃が与えられ
た際の影響を試験する。衝撃試験は、第1実施形態と同
様の条件によって行われる。
【0053】衝撃試験結果 図10は、図9(A)のような構成のアーム15を搭載
するハードディスクドライブの衝撃試験結果を示す図で
ある。ハードディスクドライブ1aは、250G未満の
衝撃では磁気ディスク5の信号記録面には傷は認められ
なかった。さらに、ハードディスクドライブ1aは、磁
気ディスク5のディスク表面全体に亘ってアーム15と
の接触による傷は認められなかった。従って、従来のハ
ードディスクドライブと比較して極端に傷が少ないこと
がわかる。ハードディスクドライブ1aは、さらに衝撃
が大きくなって、加速度が300Gの衝撃でもUP面の
半径44mm以外ではほとんど傷は認められない。上述
のハードディスクドライブ1aは、衝撃試験後さらに磁
気ディスク5の情報を記録及び/又は再生を行っても、
良好な記録/再生特性を発揮することができた。
【0054】このようにハードディスクドライブ1aが
衝撃を受けた場合にも、ディスク面に傷が少ないのは以
下のような理由によるものである。ハードディスクドラ
イブ1aに衝撃が与えられると、磁気ディスク5の外周
端部5aがアーム15の内周面115c,115dに接
触するものの、その内周面115c,115dに設けら
れた弾性体20によって磁気ディスク5の振動エネルギ
ーが吸収され、例えば弾性体20の変形や弾性体20の
熱エネルギ−に変換される。このため、ハードディスク
ドライブ1aは、磁気ディスク5の振動振幅が小さくな
り、磁気ディスク5の中心部への接触領域の広がりを抑
制することができる。また、接触面である内周面115
c,115dには弾性体20が設けられているので、磁
気ディスク5は接触の際に傷がつきにくい。
【0055】本発明の第2実施形態によれば、第1実施
形態の効果を発揮できるとともに、これに加えて、アー
ム根元部15aの接触面である内周面115c,115
dに弾性体20が設けられているので、磁気ディスク5
がアーム根元部15aの弾性体20に衝突した際にその
振動エネルギーが弾性体20に吸収されるため、磁気デ
ィスク5の振動が急速に制止され(つまり、はねかえり
係数が小さい)、磁気ディスク5の中周部への接触領域
の広がりが抑制される。また、弾性体20は、一般的に
磁気ディスク5よりも柔らかい。このため、ハードディ
スクドライブ1aは、磁気ディスク5が弾性体20と当
接した際に、磁気ディスク5に傷が付きにくい構成とす
ることができる。
【0056】第3実施形態 図10は、本発明の第3実施形態としてのハードディス
クドライブ1bの図5の部分Wの構成例を示す部分拡大
図である。第3実施形態では、図1〜図5において第1
実施形態や第2実施形態と同一の符号を付した箇所は同
じ構成であるから、異なる点についてのみ説明する。第
3実施形態は、第1実施形態と第2実施形態とを混合し
た形態となっている。
【0057】この第3実施形態で特徴的なことは、ハー
ドディスクドライブ1bでは、図11(A)のように磁
気ディスク5の外周端部5a近傍の互いに対向するアー
ム15、15の傾斜した内周面115c,115dに弾
性体20がそれぞれ設けられていることである。弾性体
20の材質等については、第2実施形態と同様である。
【0058】このハードディスクドライブ1bでは、弾
性体20、20間の距離は、図6におけるアーム根元部
15aの内周面115c,115dと同様に、磁気ディ
スク5のディスク面に対向して外周に向かって減少して
いると共に、内周面115cまたは115dと衝撃によ
り変形する磁気ディスク5の外周端部5aとの接触位置
におけるこれら内周面115c,115dの間隔W6
が、アーム15、15の他の部分15b、15bとの距
離W0より小さく、かつ、衝撃が加えられていない状態
の磁気ディスク5のディスク面から内周面115cや1
15dまでの距離は、それぞれディスク面から両アーム
15、15の他の部分15b、15bまでの距離よりも
短いことを示している。
【0059】また、第3実施形態のハードディスクドラ
イブ1bでは、アーム15、15の他の部分15b、1
5b間の距離W0は第1実施形態同様2.47mmであ
り、内周面115cまたは内周面115dに設けられた
弾性体20と磁気ディスク5の外周端部5aとの最も近
接した距離は例えば0.3mmである。
【0060】衝撃試験 ハードディスクドライブ1bは以上のような構成であ
り、次にハードディスクドライブ1bに衝撃が与えられ
た際の影響を試験する。衝撃試験は、第1実施形態と同
様の条件によって行われる。
【0061】衝撃試験結果 図12は、図11(A)のような構成のアーム15を搭
載するハードディスクドライブの衝撃試験結果を示す図
である。ハードディスクドライブ1bは、磁気ディスク
5の中周部でも傷は認められず、第1実施形態や第2実
施形態において認められた外周端部5aにも傷は認めら
れなかった。ハードディスクドライブ1bは、従来のハ
ードディスクドライブと比較して極端に傷が少ないこと
がわかる。ハードディスクドライブ1bは、さらに加速
度が300G近くとなり衝撃が大きくなってもほとんど
傷は認められない。
【0062】このようにハードディスクドライブ1bが
衝撃を受けた場合にも、ディスク面に傷が少ないのは、
第1実施形態や第2実施形態と同様の理由によるもので
ある。
【0063】上述のハードディスクドライブ1bは、衝
撃試験後さらに磁気ディスク5の情報を記録及び/又は
再生を行っても、良好な記録/再生特性を発揮すること
ができた。
【0064】本発明の第3実施形態によれば、第1実施
形態や第2実施形態の相乗的な効果を発揮できる。
【0065】追加衝撃試験 図13は、第1実施形態〜第3実施形態において衝撃試
験の衝撃をさらに大きくした場合の試験結果を示す図で
ある。図8、図10及び図12では、それぞれ例えば1
00G〜300Gの衝撃をハードディスクドライブに与
えている(以下、300G試験と呼ぶ)が、図13で
は、例えば500Gの加速度の衝撃をハードディスクド
ライブに与えている(以下、500G試験と呼ぶ)。
【0066】図13を参照すると、第1実施形態及び第
2実施形態では、それぞれ300G試験では磁気ディス
ク5の外周端部5a以外のディスク面にほぼ傷が見られ
なかったが、500G試験では半径40mm付近に傷が
見られた。第3実施形態では、500G試験であっても
外周端部5aを含むディスク面全体に亘って傷は見られ
なかった。従って、第3実施形態は、第1実施形態や第
2実施形態と比較してより一層傷が付きにくく最も効果
が大きいことがわかる。これは、第3実施形態は、第1
実施形態及び第2実施形態を組み合わせており、相乗的
に両実施形態の効果が現れているためである。
【0067】上述のハードディスクドライブ1bは、追
加衝撃試験後さらに磁気ディスク5の情報を記録及び/
又は再生を行っても、良好な記録/再生特性を発揮する
ことができた。
【0068】従って、本発明の各実施形態によれば、そ
れぞれ磁気ディスク装置が落下等によって、内蔵する磁
気ディスク5に衝撃が加えられた場合にも磁気ディスク
5が損傷することが無く、衝撃を加えられた後も安定的
に情報の記録/再生を行うことができる。
【0069】ところで本発明は上述した実施形態に限定
されるものではない。アーム15のアーム根元部15A
の接触面としての内周面115c,115dまたは弾性
体20の表面形状は、図示の場合円錐面の一部(半径方
向の断面ではV字形)として構成されているが、これに
限らず、少なくとも一方が、半径方向の断面にて凹状ま
たは凸状あるいはこれらの組合せ等の異型に形成されて
いてもよい。磁気ディスク5の基板の材質は、上述のよ
うなプラスティックに限られず、衝撃に弱いような他の
材質や、アルミニウムやガラスを使用した磁気ディスク
であっても同様の効果を発揮することができる。本発明
は、磁気ディスク装置にのみ適用されるものでなく、光
ディスク装置や他の情報記録及び/又は再生装置にも適
用することができる。上述のような衝撃に対して弱いと
いわれるプラスティック・ハードディスクを搭載した情
報の記録及び/又は再生装置には、特に効果がある。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
衝撃が加えられても情報記録媒体の信号記録面が損傷す
ることなく、衝撃が加えられた後にも安定して情報を記
録及び/又は再生できるディスク装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのハードディスク
ドライブの内部構造例の概略を示す斜視図。
【図2】図1の磁気ヘッド装置の実施形態の内部構造例
を示す分解斜視図。
【図3】図1のハードディスクドライブにおけるアーム
の停止位置の一例を示す平面図。
【図4】図3のアームの構成例を示す拡大図。
【図5】図4のアームをV方向から見た場合の概略を示
す側面図。
【図6】図5のハードディスクドライブの部分Wの構成
例を示す部分拡大図。
【図7】図6のアームのアーム根元部と磁気ディスクの
外周端部との関係を示しており、(A)内周面の傾斜角
度が45度以上の場合及び(B)内周面の傾斜角度が4
5度未満の場合の部分拡大断面図。
【図8】図6(A)のような構成のアームを搭載するハ
ードディスクドライブの衝撃試験結果を示す図。
【図9】本発明の第2実施形態としてのハードディスク
ドライブの図5の部分Wの構成例を示す部分拡大図。
【図10】図9(A)のような構成のアームを搭載する
ハードディスクドライブの衝撃試験結果を示す図。
【図11】本発明の第3実施形態としてのハードディス
クドライブの図5の部分Wの構成例を示す部分拡大図。
【図12】図10(A)のような構成のアームを搭載す
るハードディスクドライブの衝撃試験結果を示す図。
【図13】第1実施形態〜第3実施形態において衝撃試
験の衝撃をさらに大きくした場合の試験結果を示す図。
【図14】従来のハードディスクドライブにおけるアー
ム及び磁気ディスクの構成例を示す部分拡大図。
【図15】従来のハードディスクドライブにおける衝撃
試験結果を示す図。
【図16】従来のハードディスクドライブにおけるアー
ム及び磁気ディスクの他の構成例を示す部分拡大図。
【図17】従来のハードディスクドライブにおけるアー
ム及び磁気ディスクのさらに他の構成例を示す部分拡大
図。
【図18】従来のハードディスクドライブにおけるアー
ム及び磁気ディスクの別の構成例を示す部分拡大図。
【符号の説明】
1・・・ハードディスクドライブ(ディスク装置、磁気
ディスク装置)、5・・・磁気ディスク(ディスク状の
情報記録媒体)、5a・・・外周端部、15・・・アー
ム(支持手段)、15a・・・アーム根元部、15b・
・・他の部分、115c,115d・・・内周面(接触
面)、17・・・ヘッドスライダ、20・・・弾性体。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク状の情報記録媒体の情報を記録
    及び/又は再生するための素子を支持する支持手段を備
    えるディスク装置であって、 前記支持手段の前記情報記録媒体の外周端部に対向する
    接触面が、前記情報記録媒体の各面に対してその内周に
    向かうほど互いに離間する構成としたことを特徴とする
    ディスク装置。
  2. 【請求項2】 前記支持手段の接触面に、弾性体が設け
    られていることを特徴とする請求項2に記載のディスク
    装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性体の配設箇所は、前記支持手段
    が待機位置に配置している時における前記外周端部の接
    触面であることを特徴とする請求項2に記載のディスク
    装置。
  4. 【請求項4】 前記支持手段の接触面に設けられた弾性
    体が形成する空間内に、前記情報記録媒体の外周端部が
    配設されていることを特徴とする請求項2に記載のディ
    スク装置。
  5. 【請求項5】 前記支持手段の接触面が形成する空間内
    に、前記情報記録媒体の外周端部が配設されていること
    を特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
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