JP2000267177A

JP2000267177A - カメラのフィルム案内装置

Info

Publication number: JP2000267177A
Application number: JP11075116A
Authority: JP
Inventors: Tetsuji Shono; 鉄司庄野
Original assignee: Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Current assignee: Pentax Corp
Priority date: 1999-03-19
Filing date: 1999-03-19
Publication date: 2000-09-29

Abstract

(57)【要約】【目的】撮影レンズ側から見て撮影アパーチャの背面
側に、フィルムの繰出側スプールと巻取側スプールとを
位置させ、該繰出側スプールと巻取側スプールとの間に
巻き掛けられるフィルムの乳剤面を撮影アパーチャに臨
ませるカメラにおいて、より簡単な構造でフィルムの平
面性を確保する。【構成】フィルム通過空間を形成するための内レール
と外レールの圧板側の面をそれぞれ、該圧板側に凸の円
筒状面の一部から構成するとともに、圧板の外レールと
の当接面を、該外レールの円筒状面の形状に合致する凹
円筒状面の一部から構成したカメラのフィルム案内装
置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、カメラのフィルム案内装置に関
する。

【０００２】

【従来技術及びその問題点】３５ｍｍカメラにおいては
一般に、フィルムの繰出側スプール（フィルムカートリ
ッジ）と巻取側スプールは、撮影レンズ側から見て、撮
影アパーチャの前側に位置している。フィルムは、その
乳剤面を内側にして、撮影アパーチャのフィルム送り方
向の上下に設けた内レールと、外レールに当接する圧板
との間のフィルム通過空間を通る。このタイプでは、フ
ィルムに圧板と当接する方向のカール性が生じるため、
圧板が平面状であれば、フィルムの平面性が確保でき
る。

【０００３】一方、例えば、ブローニーフィルムを用い
る中判、大判カメラにおいて、フィルムの繰出側スプー
ルと巻取側スプールを、撮影レンズ側から見て、撮影ア
パーチャの後側に位置させ、フィルム乳剤面を外側に向
けるカメラが知られている。このタイプのカメラにおい
ても、フィルムは撮影アパーチャのフィルム送り方向の
上下に設けた内レールと、外レールにする圧板との間の
フィルム通過空間を通る。

【０００４】しかし、このタイプでは、フィルムの繰出
側スプールと巻取側スプールが撮影アパーチャより後方
に位置しているため、フィルムは、撮影アパーチャの前
後に位置する案内ローラによって、フィルム通過空間内
で内レール側に凸で圧板側に凹にカールする習性が与え
られる。つまり、フィルムは撮影アパーチャの中心部で
は圧板から離れる方向にカールする傾向が避けられな
い。このため従来、撮影アパーチャの前後にそれぞれフ
ィルムのカール性を修正する目的で、案内ローラとは別
の修正ローラを必要としていた。しかし、修正ローラ
は、高精度を要し、コストアップ要因となる。

【０００５】

【発明の目的】本発明は、撮影レンズ側から見て撮影ア
パーチャの背面側に、フィルムの繰出側スプールと巻取
側スプールとを位置させ、該繰出側スプールと巻取側ス
プールとの間に巻き掛けられるフィルムの乳剤面を撮影
アパーチャに臨ませ、撮影アパーチャのフィルムの送り
方向の上下にそれぞれ位置する内レールと外レール、及
びこの外レールに当接して上記内レールとの間にフィル
ム通過空間を形成する圧板とを設けたカメラにおいて、
より簡単な構造でフィルムの平面性を確保することを目
的とする。

【０００６】

【発明の概要】本発明は、フィルム通過空間を形成する
ための内レールと外レールの圧板側の面をそれぞれ、該
圧板側に凸の円筒状面の一部から構成するとともに、圧
板の外レールとの当接面を、該外レールの円筒状面の形
状に合致する凹円筒状面の一部から構成したことを特徴
としている。このフィルム案内装置は、内レールと外レ
ール側に凸のカール性が与えられるフィルムを、撮影ア
パーチャ（フィルム通過空間）の中心部において、円筒
状面の一部に当接させることで、平面性を確保するとい
う着想に基づいている。この円筒状面は、厳密に円筒面
である必要はない。またこの円筒状面の曲率の程度は、
平面からの最大の変位量が１ｍｍ未満のオーダで十分で
ある。

【０００７】本発明のフィルム案内装置は、フィルムが
繰出側スプールと巻取側スプールに乳剤面を内側にして
巻かれるタイプ、フィルムが繰出側スプールと巻取側ス
プールに乳剤面を外側にして巻かれるタイプのいずれに
も適用可能である。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１ないし図４は、本発明のフィ
ルム案内装置の第一の実施形態を示している。カメラボ
ディ１０には、撮影レンズ１１によって形成される被写
体光束から、撮影範囲を切り取る、通常矩形の撮影アパ
ーチャ１２が形成されている。

【０００９】カメラボディ１０の背面には、フィルムパ
ック２０が着脱可能に設けられており、このフィルムパ
ック２０に、撮影レンズ１１側から見て撮影アパーチャ
１２の背面（後方）左右に位置させて、繰出側スプール
２１と巻取側スプール２２が回転自在に支持されてい
る。繰出側スプール２１には、乳剤面を内側にしてフィ
ルム２３が巻かれており、カメラボディ１０には、この
繰出側スプール２１から出たフィルム２３を、乳剤面を
外側にして撮影アパーチャ１２の背面に臨ませ、再び乳
剤面を内側にして巻取側スプール２２に巻き取るための
一対のガイドローラ２５、２６が備えられている。

【００１０】カメラボディ１０には、フィルム２３の走
行方向に沿わせ、撮影アパーチャ１２の上下に位置させ
て、それぞれ内レール１４と外レール１５が備えられて
いる。周知のように、上下で対をなす外レール１５の間
隔はフィルム２３の幅より大きく、同じく対をなす内レ
ール１４の間隔はフィルム２３の幅より小さい。また、
外レール１５は、内レール１４より僅かにフィルムパッ
ク２０側に突出しており、この外レール１５に、フィル
ムパック２０側に設けた圧板２７が当接して、該圧板２
７と内レール１４との間に、フィルム通過空間（トンネ
ル）２８が形成される。

【００１１】以上の基本構成自体は、公知のフィルム案
内機構である。このフィルム案内機構において、本実施
形態は、内レール１４と外レール１５の圧板２７側の面
をそれぞれ、後方に、つまり該圧板２７側に凸の円筒面
の一部から構成し、圧板２７の外レール１５との当接面
を、外レール１５の円筒面の形状に合致する凹円筒面の
一部から構成している。

【００１２】このように内レール１４、外レール１５、
及び圧板２７を円筒面の一部から構成すると、ガイドロ
ーラ２５と２６によって撮影アパーチャ１２側に凸、つ
まり内レール１４と外レール１５側に凸のカール性が与
えられるフィルム２３の凸中心部を、フィルム通過空間
２８内において内レール１４の円筒面によって押さえ、
平面性を確保することができる。図４では、フィルム２
３に与えられる凸のカール性を鎖線２３’で示し、内レ
ール１４で矯正された状態（平面）を実線で示してい
る。勿論、内レール１４、外レール１５、圧板２７及び
フィルム２３のカールの曲率は、誇張して描いており、
実際には、円筒面の曲率は、平面からの最大の変位量ｄ
が１ｍｍ未満のオーダとなる大きさで十分である。具体
的には、０．１〜０．２ｍｍとするのがよい。

【００１３】以上の構成によって得られるフィルム２３
の平面性は、内レール１４、外レール１５及び圧板２７
の形状を変更するだけで確保することができ、ガイドロ
ーラ２５、２６以外に別のローラを高精度で設けなけれ
ばならない従来装置に比し、低コストでフィルム平面性
を確保することができる。

【００１４】図５は、本発明によるフィルム案内装置の
別の実施形態である。この実施形態は、フィルムパック
２０’内の繰出側スプール２１’と巻取側スプール２
２’に、乳剤面を外側にしてフィルム２３を巻くタイプ
であり、フィルムパック２０’に対する繰出側スプール
２１’と巻取側スプール２２’のフィルム２３の装填
は、暗室内で行われる。このタイプは、長尺のフィルム
２３を必要とする場合に用いられる。このカメラにも、
本発明は、全く同様に適用することができる。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、撮影レンズ側から見て
撮影アパーチャの背面側に、フィルムの繰出側スプール
と巻取側スプールとを位置させ、該繰出側スプールと巻
取側スプールとの間に巻き掛けられるフィルムを乳剤面
を外側にして撮影アパーチャに臨ませたカメラにおい
て、厳密な案内機構を要することなく、フィルム通過空
間を形成する内レールと外レール及び圧板に僅かな円筒
状の曲率を与えることでフィルムの平面性を確保するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるカメラのフィルム案内装置の第一
の実施形態を概念的に示す斜視図である。

【図２】同平面図である。

【図３】図２のIII−III線に沿う断面図である。

【図４】図３のIV−IV線に沿う断面図である。

【図５】本発明によるカメラのフィルム案内装置の第二
の実施形態を示す図２に対応する断面図である。

【符号の説明】

１０カメラボディ１１撮影レンズ１２撮影アパーチャ１４内レール１５外レール２０２０’ フィルムパック２１２１’ 繰出側スプール２２２２’ 巻取側スプール２３フィルム２５２６ガイドローラ２７圧板２８フィルム通過空間

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】撮影レンズ側から見て撮影アパーチャの
背面側に、フィルムの繰出側スプールと巻取側スプール
とを位置させ、該繰出側スプールと巻取側スプールとの
間に巻き掛けられるフィルムの乳剤面を撮影アパーチャ
に臨ませ、撮影アパーチャの上下にそれぞれ位置する内レールと外
レール、及びこの外レールに当接して上記内レールとの
間にフィルム通過空間を形成する圧板とを設けたカメラ
において、上記内レールと外レールの圧板側の面をそれぞれ、該圧
板側に凸の円筒状面の一部から構成し、上記圧板の外レール側との当接面を、該外レールの円筒
状面の形状に合致する凹円筒状面の一部から構成したこ
とを特徴とするカメラのフィルム案内装置。
【請求項２】請求項１記載のフィルム案内装置におい
て、フィルムは、繰出側スプールと巻取側スプールに乳
剤面を内側にして巻かれるカメラのフィルム案内装置。
【請求項３】請求項１記載のフィルム案内装置におい
て、フィルムは、繰出側スプールと巻取側スプールに乳
剤面を外側にして巻かれるカメラのフィルム案内装置。
【請求項４】請求項１ないし３のいずれか１項記載の
フィルム案内装置において、内レールと外レールの圧板
側の面、および圧板の外レールとの当接面を構成する円
筒状面の一部は、平面からの最大の変位量が１ｍｍ未満
のオーダであるカメラのフィルム案内装置。