JP2000265958A - コンプレッサー用バルブプレートの製造方法 - Google Patents

コンプレッサー用バルブプレートの製造方法

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JP2000265958A
JP2000265958A JP11067655A JP6765599A JP2000265958A JP 2000265958 A JP2000265958 A JP 2000265958A JP 11067655 A JP11067655 A JP 11067655A JP 6765599 A JP6765599 A JP 6765599A JP 2000265958 A JP2000265958 A JP 2000265958A
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valve plate
polyimide resin
resin
compressor
reinforcing material
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Inventor
Katsuyuki Morita
勝幸 盛田
Masahiko Yamaki
政彦 山喜
Kenzo Tomita
賢三 富田
Yukimasa Kitamura
幸正 北村
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後工程における結晶化処理を必要としない、
耐熱性に優れたポリイミド樹脂製バルブプレートの効率
良い製造方法を提供する。 【解決手段】 金型が装着された押出機を用いて、シリ
ンダー温度400〜450℃、金型温度200〜250℃
において、一般式(1)〔化1〕 【化1】 で表される繰り返し構造単位を有するポリイミド樹脂
(A)を射出成形し、金型内において結晶化させること
を特徴とするコンプレッサー用バルブプレートの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンプレッサー用
バルブプレートの製造方法に関する。詳しくは、特定の
構造を有するポリミド樹脂を主成分とする樹脂組成物を
成形材として用い、射出成形機の金型内で結晶化させ
る、生産性のよいバルブプレートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダ内をピストンが往復するレシプ
ロタイプのコンプレッサーには、吸入弁及び吐出弁が設
けられる。これらの弁は、円環状に配設された通気孔群
を具備するバルブシートと、通常はバルブシートの通気
孔群周辺に、例えば、弾性体によって付勢されるなどし
て密着している円環状のバルブプレートを有する。この
バルブプレートは、バルブシートのバルブプレート側の
空間の気圧が、反対側の気圧よりも低くなったときにバ
ルブシートから離れ得るよう支持されており、それ以外
のときはバルブシートに密着し、その通気孔を塞ぎ、通
気孔のバルブプレート側から反対側に向けて気体が流れ
ないようにする。このバルブプレートは、繰り返し応力
による変形がなく、且つ、シリンダ内の気体が断熱圧縮
によって高温になっても耐えられる耐熱性に優れた素材
で構成することが求められる。
【0003】従来、このバルブプレートの材料には鉄、
アルミニウムなどの金属が用いられることが多かった
が、バルブプレートをこのような金属で構成すると、バ
ルブプレート自体が重くなり、弁の開閉における応答動
作が鈍くなる上、騒音が大きいという問題があった。ま
た、使用中に圧縮に伴う圧縮水の生成により腐食した
り、磨耗や割れが発生し、脱落した破片がシリンダ内に
入り、ピストン及びシリンダを損傷して故障の原因にな
るという問題があった。
【0004】上記の問題は、バルブプレートを耐熱性樹
脂で構成することによって解決でき、実際にそのような
バルブプレートも存在する。しかし、バルブプレートに
使用されている従来の樹脂では、バルブプレートに使用
するものとしてはそのガラス転移温度が低すぎ、使用環
境が150℃を超える場合には変形する上、繰り返し応
力に対する疲労強度にも問題があった。また、上記の耐
熱性樹脂にガラス繊維などの補強材を混合すれば、その
耐熱性を若干向上させることができるが、過酷な使用環
境にも耐え得る耐熱性を有する樹脂を用いたバルブプレ
ートを得ることはできなかった。
【0005】本出願人は、かかる問題を解決するものと
して、特開平10−196543号公報に係わるバルブ
プレート及びそのバルブプレートを用いて成るレシプロ
タイプのコンプレッサーを提案した。該発明は、ガラス
転移温度が230℃を超えるポリイミド樹脂100重量
部と、ポリエーテルエーテルケトン及びポリエーテルケ
トンから成る群から選ばれた少なくとも一種の物質50
〜70重量部と、ポリエーテルイミド0〜20重量部
と、炭素繊維40〜80重量部とから成る樹脂組成物に
よって構成される。しかしながら、該樹脂組成物は、結
晶化速度が遅いために、例えば、射出成形法により成形
した場合、金型内で結晶化させることができず、成形物
を金型から非晶状態で取り出した後、後工程で加熱して
結晶化処理をする必要があった。そのため、工程が煩雑
となり必ずしも満足できる樹脂製バルブプレートである
とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するためになされたものであり、その目的とする
ところは、後工程における結晶化処理を必要としない、
耐熱性に優れたポリイミド樹脂製バルブプレートの効率
良い製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、特定の構造を有するポリイミド樹脂が熱可塑
性であり、且つ、結晶化速度が速く、射出成形機の金型
内で容易に結晶化し得ることを見出し、本発明に到っ
た。
【0008】即ち、本発明は、金型が装着された押出機
を用いて、シリンダー温度200〜250℃、金型温度
200〜250℃において、一般式(1)〔化2〕
【0009】
【化2】
【0010】で表される繰り返し構造単位を有するポリ
イミド樹脂(A)を射出成形し、金型内において結晶化
させることを特徴とするコンプレッサー用バルブプレー
トの製造方法である。
【0011】本発明に係わる製造方法においては、上記
ポリイミド樹脂(A)が補強材(C)を含み、(C)の
含有量が〔C/(A+C)〕の関係式において5〜50
重量%であることが好ましい。補強材(C)の含有の有
無に係わらず、上記ポリイミド樹脂(A)の45重量%
以内であれば、ポリエ−テルエーテルケトン、ポリエー
テルケトン、ポリエーテルサルフォン、及びポリエーテ
ルイミドから選ばれた少なくとも1種の樹脂(B)で代
替えすることができる。好ましい代替樹脂はポリエ−テ
ルエーテルケトンである。本発明の方法で好ましく製造
し得るバルブプレートの形状は、外径30〜200m
m、内径10〜180mm、厚み3〜10mmの円環状
バルブプレートである。
【0012】本発明によれば、後工程における結晶化を
要することなしに、耐熱性に優れたポリイミド樹脂製バ
ルブプレートを効率良く製造することができる。本発明
に係わるバルブプレートを圧縮機用のバルブプレートと
して用いた場合、圧縮水による腐食が無く、また、圧縮
熱に晒されても熱劣化して変形することがないので、圧
縮機の長期にわたる安定運転が可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法について
詳細に説明する。本発明に係るコンプレッサー用バルブ
プレートは、レシプロ型コンプレッサーの吸入弁及び吐
出弁のバルブプレートであり、通常、円環状である。本
発明では、コンプレッサー用バルブプレートの原料とし
て、上記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を有
するポリイミド樹脂である結晶性ポリイミド樹脂が用い
られる。
【0014】該ポリイミド樹脂は、ジアミン成分として
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、テト
ラカルボン酸二無水物成分として3,3’,4,4’−
ビスフェニルテトラカルボン酸二無水物を用い、両者を
脱水共縮合することにより製造される。ジアミン成分に
対するテトラカルボン酸二無水物成分のモル比は、0.
90〜0.99程度でよい。反応温度は、室温〜250
℃、好ましくは140〜200℃である。該ポリイミド
樹脂の分子量は、対数粘度(ηinh)で0.1〜3.0
dl/gの範囲である。好ましくは0.2〜2.0dl
/gの範囲、より好ましくは0.3〜1.5dl/gの
範囲、最も好ましくは0.4〜1.0dl/gの範囲で
ある。0.1dl/g未満では分子量が低く、成形品と
しての強度を十分に発揮できない。3.0dl/gを超
えると分子量が高すぎ、射出成形等の溶融成形が困難に
なる。尚、本発明における対数粘度(ηinh)は、p−
クロロフェノール/フェノール(重量比:9/1)混合
溶媒100mlにポリイミド粉0.5gを加熱溶解した
後、35℃において測定した値である。
【0015】上記ポリイミド樹脂(A)の一部は、他の
熱可塑性樹脂(B)により代替することができる。代替
することができる熱可塑性樹脂としては、ポリエ−テル
エーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサ
ルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンエ
−テルケトンケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、
ポリアセタール、ポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ン、その他の熱可塑性ポリイミドなどが挙げられる。こ
れらの内、好ましくは、ポリエ−テルエーテルケトン、
ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリエ
ーテルイミド等である。さらに好ましくはポリエ−テル
エーテルケトンである。これらの樹脂は単独で代替して
もよいし、2種以上を用いて代替してもよい。これらの
代替量が多すぎると射出成形時に金型内での結晶化が困
難となる傾向がある。かかる点を考慮すると、代替量は
ポリイミド樹脂(A)の45重量%以内であることが好
ましい。
【0016】また、本発明の目的を損なわない範囲で他
の添加材を配合する事も可能である。充填材としては、
ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂等の耐磨耗性
向上材、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ
繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム
ウィスパー、ほう酸アルミニウムウィスパー、カーボン
ウィスパー、アスベスト、金属繊維、セラミック繊維等
の補強材、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム等の難燃性向上材、クレー、マイカ等の電気
特性向上材、酸化バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシ
ウム等の耐酸性向上材、鉄分、亜鉛粉、アルミニウム
粉、銅粉等の熱伝導向上材、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂等の熱硬化製樹脂が挙げられる。その他、ポリベン
ゾイミダゾール樹脂、シリコン樹脂、ガラスビーズ、タ
ルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミ
ナ、金属酸化物、着色剤、各種安定剤、可塑材等であ
る。
【0017】これらの内、成形品の機械的強度を向上さ
せることを考慮すると、補強材を添加することが好まし
い。好ましい補強材として、炭素繊維、ガラス繊維が挙
げられる。最も好ましくは炭素繊維である。補強材
(C)の添加量は、上記樹脂(A)または樹脂の総量
(A+B)に対し補強材(C)が、〔C/(A+
C)〕、または〔C/(A+B+C)〕の関係式におい
て5〜50重量%であることが好ましい。
【0018】ポリイミド樹脂製バルブプレートの線膨張
率、機械的特性、電気特性等を改善したいときは目的に
応じて、上記添加材を適宜選択して代替してもよい。補
強材(C)の一部を上記他の添加材で代替する場合は、
その代替量は補強材(C)の90重量%以内であること
が好ましい。これらの添加材の代替割合は少なすぎると
ほとんど添加する効果が十分ではない場合があり、逆に
多すぎると充填性、成形性を害する場合がある。
【0019】本発明に用いる樹脂組成物は、公知の方法
により製造できるが、特に次に示す方法が好ましい。
(1)ポリイミド樹脂(A)粉末、及び必要に応じて他
の樹脂、炭素繊維等の補強材、その他添加材を乳鉢、ヘ
ンシャルミキサー、ドラムブレンダー、タンブラーブレ
ンダー、ボールミル、リボンブレンダー等を利用して予
備混合し、ついで、公知の溶融押出し機、溶融混合機、
熱ロール等で混錬した後、ペレット又は粉状にする。
(2)ポリイミド樹脂(A)粉末、及び必要に応じて他
の樹脂、炭素繊維等の補強材、その他添加材を予め有機
溶媒に溶解又は懸濁させ、粉の溶液あるいは懸濁液に炭
素繊維等の補強材を侵漬し、然る後、溶媒を熱風オーブ
ン中で除去した後、ペレット状又は粉状にする。
【0020】後者の方法で使用される溶媒としては、例
えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,
N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシ
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラ
クタム、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキ
シエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエト
キシ)エタン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エ
チル]エーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキ
サン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルホスホルアミド等が挙げられる。これらの有機溶
媒は、単独でもあるいは2種類以上混合しても差し支え
ない。
【0021】本発明に係わるバルブプレートは、上記ポ
リイミド樹脂(A)、または、上記のようにして製造さ
れた樹脂組成物を原料として用い、金型が装着された射
出成形機を使用して、射出成形により製造される。射出
成形は、シリンダー温度を400〜450℃、射出圧力
1500〜3500kgf/cm2の条件下で、200
〜250℃に制御された金型内に射出して金型内で結晶
化させる。充填時間は1〜6秒、サイクルタイムは45
〜90秒程度とすることが望ましい。かかる条件下で成
形することにより、次工程に専用の結晶化工程を設ける
ことなしに、射出成形機の金型内で結晶化させることが
可能である。
【0022】本発明で用いる、上記一般式(1)で表さ
れる繰り返し構造単位を有するポリイミド樹脂(A)、
及び該樹脂を主成分として含む樹脂組成物は、結晶化速
度が速い。上記条件下で金型内で容易に結晶化が達成さ
れる。その為、成形後、別工程により成形品の結晶化処
理を実施する必要がない。ポリイミド樹脂本来の耐熱
性、耐薬品性が発揮され、且つ、後結晶化等の手法を行
う必要が無い為、成形工程が簡略化できる。
【0023】一方、特開平10−196543号公報等
に記載されている様なポリイミド樹脂、例えば、三井化
学株式会社製のポリイミド樹脂(商品名:オーラム)
は、結晶化速度が遅く、射出後、金型による冷却では結
晶化されることはない.その為、成形品は非結晶品とし
て金型より取り出される。そこで、より高い耐熱性、耐
薬品性を求めるために、成形後、別工程において加熱処
理等する成形品の結晶化処理が必要であった。金型より
取り出して、後工程で結晶化処理を実施すると、寸法変
化が大となるばかりでなく、工程が煩雑化して生産性が
低下する。
【0024】以下、図面により本発明に係わるのコンプ
レッサー用バルブプレートの一実施例について説明す
る。〔図1〕は、本発明に係るコンプレッサー用バルブ
プレートの一実施例を示す平面模式図である。〔図2〕
は側面模式図である。本発明に係わるコンプレッサー用
バルブプレートの平面は、〔図1〕に示す如く、平たい
円環状である。断面は、通常、〔図2〕に示す如く、四
辺形、半円型、または、かまぼこ型(図2の例)であ
る。これらの寸法には特に制限はないが、通常、外径
(図1における外周部点A及び点A'間の距離)は30
〜200mm程度、内径(図1における内周部点B及び
点B'間の距離)は10〜180mm程度、厚み(図2
における底部点C及び頂部点C'間の距離)は3〜10
mm程度である。バルブプレートの形状は本発明の目的
の範囲内で自由に設計変更できるものであり、本発明は
上記の説明から当業者が容易に想到し得る総ての変更実
施例を包摂するものである。
【0025】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について更に詳
細に説明する。尚、実施例に示した熱変形温度は下記方
法により測定した値である。 (1)熱変形温度(℃) ASTM D−648に規定される方法で測定する。
【0026】調製例1 <ポリイミド樹脂(A1)の合成>攪拌機、還流冷却
器、及び窒素導入管を備えた容器に1,3−ビス(4−
アミノフェノキシ)ベンゼン204.4g(0.7モ
ル)と3,3’,4,4’−ビスフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物199.6g(0.679モル)、無水フ
タル酸6.22g(0.06モル)、m−クレゾール1
480gを装入し、窒素雰囲気下で攪拌しながら200
℃まで加熱昇温した。その後、200℃で4時間反応さ
せたところ、その間に約9mlの水の留出が確認され
た。反応終了後室温まで冷却し、約2000mlのトル
エンを装入後、ポリイミド粉を濾別した。このポリイミ
ド粉をトルエンで洗浄した後、窒素中で250℃におい
て5時間乾燥してポリイミド樹脂A1を得た。得られた
ポリイミド樹脂A1の(ηinh)は0.9dl/g、熱
変形温度は400℃であった。
【0027】実施例1 調製例1で得られたポリイミド樹脂A1と炭素繊維〔東
邦レーヨン(株)製、商品名:HTA−C6〕とを、ポ
リイミド樹脂A1及び炭素繊維を含む樹脂組成物の総量
中の炭素繊維の量が30重量%となるように混合した
後、40mm径の押出機により410℃で溶融混錬しペ
レットを得た。得られたペレットを型締力100トンの
射出成形機により、シリンダ温度410℃、金型温度2
10℃、射出圧力2500kgf/cm2の条件で射出
成形して、〔図1〕に示す円環状(断面は図2に示すか
まぼこ型)のポリイミド樹脂製バルブプレートを大、
中、小の3種類の形状のものを各々24枚成形した。夫
々の寸法は次ぎの通り。大:外径120mm、内径9
8.5mm、厚み5mm、中:外径85mm、内径63
mm、厚み5mm、小:外径43mm、内径22mm、
厚み5mm。外観は良好で光沢の有るバルブプレートが
得られた。主な成形条件を〔表1]に示す。
【0028】実施例2 ポリイミド樹脂A1の20重量%をポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂(英国ICI社製、商品名:ビクトレック
ス−PEEK、以下PEEKという)に代替し、且つ、
金型温度を220℃に変えた以外は、実施例1と同様に
して、3種類のバルブプレートを製造した。主な成形条
件を〔表1]に示す。
【0029】比較例1 使用した樹脂を熱可塑性ポリイミド〔三井化学(株)登
録商標:AURUMPL450、熱変形温度:248
℃、以下ポリイミドA2という〕に替えた以外は、実施
例1と同様にして、3種類のポリイミド#樹脂製バルブ
プレートを成形した。主な成形条件を〔表1]に示す。
【0030】比較例2 ポリイミド樹脂A1をA2に代えた以外は、実施例2と
同様にして3種類のポリイミド#樹脂製バルブプレート
を成形した。主な成形条件を〔表1]に示す。
【0031】実用試験 各実施例及び各比較例で製造した3種類のバルブプレー
トの大、中、小の各1枚を1セットにして、レシプロ型
圧縮機〔石川島播磨工業(株)製、形式:JOY−V型
2段、WN−112、電動機:130KW、27.6N
3/min〕の1段側吸入弁及び吐出弁各8セット
(計16セット)、2段側吸入弁及び吐出弁各4セット
(計8セット)に組み込んだ。空気の吸入量20Nm3
/min、1段側圧縮比2.6、2段側圧縮比2.5、
2段側吐出温度140℃の条件下で、大気圧の空気を吸
引して圧縮試験を実施した。その結果、実施例1及び2
で得られたバルブプレートを使用した試験では6ケ月間
(約4300時間)連続運転しても、各弁部からの洩れ
は観察されなかった。また、弁部を解体してバルブプレ
ートを観察したが、変形はほとんど認められなかった。
一方、比較例1で得られたバルブプレートは500時間
経過した時点、比較例2で得られたバルブプレートは4
50時間経過した時点でそれぞれ洩れが発生したため運
転を中止した。各バルブプレートは変形して平板状でな
かった。圧縮機の運転時間、バルブプレートの変形の有
無、及び洩れの有無を〔表1〕に示す。
【0032】
【表1】
【0033】<実施例の考察>実施例で得られたバルブ
プレートは、射出成形機の金型内で結晶化が起こってお
り、耐熱性に優れている。そのため、圧縮機の圧縮熱に
十分に耐え得るものであり、長期間の使用が可能であ
る。一方、比較例で得られたバルブプレートは、耐熱性
が不十分であり、圧縮機の圧縮熱により変形する。これ
は射出成形の金型内で結晶化が起こっていないことを意
味し、後工程における結晶化が必要であることを示して
いる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、後工程における結晶化
処理をすることなしに、優れた耐熱性を有する樹脂製バ
ルブプレートを製造することができる。これは、射出成
形機の金型内で結晶化が可能であることを意味する。従
って、工程の簡略化を図る上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明に係るコンプレッサー用バルブプレ
ートの一実施例を示す平面模式図である。
【図2】は、本発明に係るコンプレッサー用バルブプレ
ートの一実施例を示す断面模式図である。
【符号の説明】
A、A’ 外周部点 B,B’ 内周部点 C 底部点 C' 頂部点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/06 C08K 7/06 7/14 7/14 C08L 79/08 C08L 79/08 Z //(C08L 79/08 73:00 81:06 79:08) B29K 71:00 77:00 81:00 B29L 31:26 (72)発明者 北村 幸正 愛知県名古屋市南区滝春町5番地6 Fターム(参考) 3H003 AA02 AC01 AD03 CC09 CE01 4F071 AA51 AA60 AA64 AB03 AB28 AD01 AH17 AH19 BB05 BC01 BC07 4F072 AA02 AB09 AB10 AD42 AD45 AD46 AG05 AH05 AH23 AK04 AK15 AL16 4F206 AA32E AA34E AA40 AH13 AH81 JA07 4J002 CH092 CM041 CM042 CN032 DA036 DL006 FA046 FD016

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型が装着された押出機を用いて、シリ
    ンダー温度400〜450℃、金型温度200〜250℃
    において、一般式(1)〔化1〕 【化1】 で表される繰り返し構造単位を有するポリイミド樹脂
    (A)を射出成形し、金型内において結晶化させること
    を特徴とするコンプレッサー用バルブプレートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ポリイミド樹脂(A)が補強材(C)を
    含み、(C)の含有量が〔C/(A+C)〕の関係式に
    おいて5〜50重量%である請求項1記載のコンプレッ
    サー用バルブプレートの製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリイミド樹脂(A)の45重量%以内
    をポリエ−テルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、
    ポリエーテルサルフォン、及びポリエーテルイミドから
    選ばれた少なくとも1種の樹脂(B)で代替えすること
    を特徴とする請求項1または2記載のコンプレッサー用
    バルブプレートの製造方法。
  4. 【請求項4】 代替樹脂(B)がポリエ−テルエーテル
    ケトンである請求項3記載のコンプレッサー用バルブプ
    レートの製造方法。
  5. 【請求項5】 外径30〜200mm、内径10〜18
    0mm、厚み3〜10mmの円環状バルブプレートであ
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンプレッサー
    用バルブプレートの製造方法。
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