JP2000265376A - 裁断不要布帛およびその製造方法 - Google Patents
裁断不要布帛およびその製造方法Info
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- JP2000265376A JP2000265376A JP7194299A JP7194299A JP2000265376A JP 2000265376 A JP2000265376 A JP 2000265376A JP 7194299 A JP7194299 A JP 7194299A JP 7194299 A JP7194299 A JP 7194299A JP 2000265376 A JP2000265376 A JP 2000265376A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】裁断工程を経ることなく、型紙の寸法に合致し
た縫製用部分生地を得ることができる裁断不要布帛およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】所望の縫製部材の形状に沿った部分が脆化
処理されていることを特徴とする布帛。
た縫製用部分生地を得ることができる裁断不要布帛およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】所望の縫製部材の形状に沿った部分が脆化
処理されていることを特徴とする布帛。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、裁断縫製不要な布
帛に関する。詳しくは縫製を目的とする布帛の型紙に応
じて裁断する工程が省略できる裁断不要布帛およびその
製造方法に関するものである。
帛に関する。詳しくは縫製を目的とする布帛の型紙に応
じて裁断する工程が省略できる裁断不要布帛およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維を薬品などを使って処理し、繊維表
面を溶解する方法で柔らかい布帛や光沢のある布帛を製
造することは知られている。しかし、いずれも均一に布
帛全体の処理または一部の処理で風合いや品位の改良を
目的とするものであった。
面を溶解する方法で柔らかい布帛や光沢のある布帛を製
造することは知られている。しかし、いずれも均一に布
帛全体の処理または一部の処理で風合いや品位の改良を
目的とするものであった。
【0003】一方、テキスタイルの衣料品を縫製するに
は、裁断が必須であると考えられてきた。しかし、裁断
する工程は手間がかかり、特に変形しやすい生地や滑り
やすい生地の場合には裁断工程で生地がずれることが多
く、型紙どおりの正確な裁断は困難な作業であった。こ
れらの欠点を解消するために鋭意検討の結果、裁断不要
な布帛の発明に至った。
は、裁断が必須であると考えられてきた。しかし、裁断
する工程は手間がかかり、特に変形しやすい生地や滑り
やすい生地の場合には裁断工程で生地がずれることが多
く、型紙どおりの正確な裁断は困難な作業であった。こ
れらの欠点を解消するために鋭意検討の結果、裁断不要
な布帛の発明に至った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のような従来技術の問題点を解消し、裁断工程を経るこ
となく、型紙の寸法に合致した縫製用部分生地を得るこ
とができる裁断不要布帛およびその製造方法を提供する
ことにある。
のような従来技術の問題点を解消し、裁断工程を経るこ
となく、型紙の寸法に合致した縫製用部分生地を得るこ
とができる裁断不要布帛およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の布帛は以下の構成を有する。すなわち、 (1)所望の縫製部材の形状に沿った部分が脆化処理さ
れていることを特徴とする布帛。
発明の布帛は以下の構成を有する。すなわち、 (1)所望の縫製部材の形状に沿った部分が脆化処理さ
れていることを特徴とする布帛。
【0006】(2)布帛が、伸縮性を有する繊維と非伸
縮性繊維とが混用されたものであることを特徴とする前
記(1)記載の布帛。
縮性繊維とが混用されたものであることを特徴とする前
記(1)記載の布帛。
【0007】(3)伸縮性を有する繊維が、破断時の伸
度が100%以上のものであることを特徴とする前記
(2)記載の布帛。
度が100%以上のものであることを特徴とする前記
(2)記載の布帛。
【0008】(4)非伸縮性繊維は、破断時の伸度が6
0%未満のものであり、該非伸縮性繊維が脆化処理され
ていることを特徴とする前記(2)または(3)記載の
布帛。
0%未満のものであり、該非伸縮性繊維が脆化処理され
ていることを特徴とする前記(2)または(3)記載の
布帛。
【0009】(5)脆化処理された部分の引き裂き強力
が200〜800gの範囲であることを特徴とする前記
(1)〜(4)のいずれかに記載の布帛。
が200〜800gの範囲であることを特徴とする前記
(1)〜(4)のいずれかに記載の布帛。
【0010】(6)脆化処理された部分の幅が0.05
mmから2mmの範囲であることを特徴とする前記
(1)〜(5)のいずれかに記載の布帛。
mmから2mmの範囲であることを特徴とする前記
(1)〜(5)のいずれかに記載の布帛。
【0011】(7)縫製部材が水着用であることを特徴
とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の布帛。
とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の布帛。
【0012】(8)所望の縫製部材の形状に沿った部分
を脆化処理することを特徴とする布帛の製造方法。
を脆化処理することを特徴とする布帛の製造方法。
【0013】(9)伸縮性を有する繊維と非伸縮性繊維
とが混用された布帛において、非伸縮繊維がポリエステ
ル系繊維であり、アルカリ成分を含有する樹脂または糊
剤を所望の縫製部材の形状に沿った該布帛表面部分に塗
布し、該ポリエステル系繊維の一部または全部を脆化処
理することを特徴とする布帛の製造方法。
とが混用された布帛において、非伸縮繊維がポリエステ
ル系繊維であり、アルカリ成分を含有する樹脂または糊
剤を所望の縫製部材の形状に沿った該布帛表面部分に塗
布し、該ポリエステル系繊維の一部または全部を脆化処
理することを特徴とする布帛の製造方法。
【0014】(10)伸縮性を有する繊維と非伸縮性繊
維とが混用された布帛において、非伸縮繊維がポリアミ
ド系繊維であり、酸成分を含有する樹脂または糊剤を所
望の縫製部材の形状に沿った該布帛表面部分に塗布し、
該ポリアミド系繊維の一部または全部を脆化処理するこ
とを特徴とする布帛の製造方法。
維とが混用された布帛において、非伸縮繊維がポリアミ
ド系繊維であり、酸成分を含有する樹脂または糊剤を所
望の縫製部材の形状に沿った該布帛表面部分に塗布し、
該ポリアミド系繊維の一部または全部を脆化処理するこ
とを特徴とする布帛の製造方法。
【0015】(11)前記(8)〜(10)のいずれか
に記載の布帛の脆化部分を引き本発明の裁断不要布帛
は、伸縮性を有する繊維と非伸縮性繊維からなる混用編
織物が縫製前の裁断工程を省略され、脆化部分を引き裂
いて縫製部材となすことを特徴とするである。
に記載の布帛の脆化部分を引き本発明の裁断不要布帛
は、伸縮性を有する繊維と非伸縮性繊維からなる混用編
織物が縫製前の裁断工程を省略され、脆化部分を引き裂
いて縫製部材となすことを特徴とするである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の布帛は2種以上の異なる
繊維から構成され、そのうち少なくとも1種の繊維が伸
縮性を有する繊維であり、もう一方の繊維が非伸縮性の
繊維からなるものであり、これら2種以上の異なる繊維
から構成された編織物などの布帛の状態で、非伸縮性繊
維が薬品で脆化処理されることを特徴とするものであ
る。
繊維から構成され、そのうち少なくとも1種の繊維が伸
縮性を有する繊維であり、もう一方の繊維が非伸縮性の
繊維からなるものであり、これら2種以上の異なる繊維
から構成された編織物などの布帛の状態で、非伸縮性繊
維が薬品で脆化処理されることを特徴とするものであ
る。
【0017】本発明において伸縮性繊維は、ウレタン系
繊維、ポリブチルテレフタレートなどの繊維であり、破
断時の伸度が100%以上のものであることが好まし
い。
繊維、ポリブチルテレフタレートなどの繊維であり、破
断時の伸度が100%以上のものであることが好まし
い。
【0018】また、非伸縮性繊維は、ポリエチレンテレ
フタレート、5ナトリウムスルフォン酸共重合ポリエス
テル、ポリエチレングリコール混合ポリエステルなどの
ポリエステル系繊維、ナイロンン6,ナイロン66など
のポリアミド系繊維、あるいは木綿、ウール、絹などの
天然繊維などであり、破断時の伸度が60%未満のもの
であることが好ましい。
フタレート、5ナトリウムスルフォン酸共重合ポリエス
テル、ポリエチレングリコール混合ポリエステルなどの
ポリエステル系繊維、ナイロンン6,ナイロン66など
のポリアミド系繊維、あるいは木綿、ウール、絹などの
天然繊維などであり、破断時の伸度が60%未満のもの
であることが好ましい。
【0019】本発明においては、上記の伸縮性繊維と非
伸縮性繊維の少なくとも2種類の繊維からなる布帛は、
織物あるいは編物、さらには不織布などいずれでもよい
が、伸縮性を有するためには編地かあることが好まし
い。
伸縮性繊維の少なくとも2種類の繊維からなる布帛は、
織物あるいは編物、さらには不織布などいずれでもよい
が、伸縮性を有するためには編地かあることが好まし
い。
【0020】本発明においては、布帛を構成する繊維の
うち、前記した非伸縮性繊維が脆化処理され、縫製工程
での裁断を省略し、脆化部分を引き裂くことで衣料の縫
製部材となすものである。脆化部分は従来の型紙に相当
する形状を有する線状であることが好ましい。また、面
積を有する脆化処理であっても何ら差し支えないが、本
発明の目的とする縫製前の裁断作業を省略するには可能
な限り細い線状になるように脆化されることがより好ま
しい。
うち、前記した非伸縮性繊維が脆化処理され、縫製工程
での裁断を省略し、脆化部分を引き裂くことで衣料の縫
製部材となすものである。脆化部分は従来の型紙に相当
する形状を有する線状であることが好ましい。また、面
積を有する脆化処理であっても何ら差し支えないが、本
発明の目的とする縫製前の裁断作業を省略するには可能
な限り細い線状になるように脆化されることがより好ま
しい。
【0021】脆化処理された部分の布帛の引き裂き強力
は重要な要素であり、少なくとも200g〜800gの
範囲の引き裂き強力であることが好ましい。引き裂き強
力が200g未満の場合には、布帛の製造工程における
染色工程や熱処理工程において形状破壊を誘発すること
があるので好ましくない。また、引き裂き強力が800
gを越えると引き裂き時に過度な力が布帛全般に伝わり
変形を引き起こすことがあるので好ましくない。一方、
縫製前の縫製部材を作製する段階で、前記脆化処理され
た部分を手作業で剥離するにためは、布帛の目付などの
要因も考慮する必要があるが、300g〜600gの範
囲の引き裂き強力であることが形態を変形することなく
引き裂くことができより好ましい。
は重要な要素であり、少なくとも200g〜800gの
範囲の引き裂き強力であることが好ましい。引き裂き強
力が200g未満の場合には、布帛の製造工程における
染色工程や熱処理工程において形状破壊を誘発すること
があるので好ましくない。また、引き裂き強力が800
gを越えると引き裂き時に過度な力が布帛全般に伝わり
変形を引き起こすことがあるので好ましくない。一方、
縫製前の縫製部材を作製する段階で、前記脆化処理され
た部分を手作業で剥離するにためは、布帛の目付などの
要因も考慮する必要があるが、300g〜600gの範
囲の引き裂き強力であることが形態を変形することなく
引き裂くことができより好ましい。
【0022】本発明の布帛は、通常の織物あるいは編物
においも適用でき、何ら制約されるものでないが、縫製
前の裁断作業が比較的難しい伸縮性の大きい布帛に適用
されると効果がより顕著にあらわれる。
においも適用でき、何ら制約されるものでないが、縫製
前の裁断作業が比較的難しい伸縮性の大きい布帛に適用
されると効果がより顕著にあらわれる。
【0023】すなわち、本発明においては、伸縮性の大
きい布帛、すなわち前記した伸縮性繊維と非伸縮性繊維
を組み合わせ、経または緯方向に引っ張った場合の少な
くとも一方向の伸度が50%以上あるものなどであるこ
とが好ましい。ウレタン系繊維と、ポリエステル系繊維
またはポリアミド系繊維などの混編トリコットなど伸縮
性に富むインナーや水着などの布帛が伸縮性の大きい布
帛の代表的なものである。
きい布帛、すなわち前記した伸縮性繊維と非伸縮性繊維
を組み合わせ、経または緯方向に引っ張った場合の少な
くとも一方向の伸度が50%以上あるものなどであるこ
とが好ましい。ウレタン系繊維と、ポリエステル系繊維
またはポリアミド系繊維などの混編トリコットなど伸縮
性に富むインナーや水着などの布帛が伸縮性の大きい布
帛の代表的なものである。
【0024】非伸縮性繊維の脆化はその素材を溶解また
は劣化する作用を有するものが使用される。例えば、ポ
リエステル系繊維では水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ剤で処理する方法が
好ましく用いられる。その場合、スルフォン酸ナトリウ
ムなどが共重合されたポリエステル系繊維またはポリエ
チレングリコールが混合されたポリエステル繊維は低濃
度のアルカリ剤で溶解可能であり好ましく用いられる。
ポリアミド系繊維では蟻酸、塩酸などの酸性薬剤で処理
する方法が好ましく用いられる。絹、ウールなどはアル
カリ剤で処理され、木綿、レーヨンなどは酸性薬剤で処
理される。
は劣化する作用を有するものが使用される。例えば、ポ
リエステル系繊維では水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ剤で処理する方法が
好ましく用いられる。その場合、スルフォン酸ナトリウ
ムなどが共重合されたポリエステル系繊維またはポリエ
チレングリコールが混合されたポリエステル繊維は低濃
度のアルカリ剤で溶解可能であり好ましく用いられる。
ポリアミド系繊維では蟻酸、塩酸などの酸性薬剤で処理
する方法が好ましく用いられる。絹、ウールなどはアル
カリ剤で処理され、木綿、レーヨンなどは酸性薬剤で処
理される。
【0025】本発明では、これらの薬剤を用いて非伸縮
性繊維を脆化させることに限定されるものではないが、
通常の布帛プリントに用いられる糊成分に上記の薬剤を
混合し、プリントと同工程で布帛に塗布することにより
本発明の目的を達成することもでき、好ましい。すなわ
ち、プリントの染料の代わりに特定の繊維を脆化させる
薬剤を混入すればよい。この場合、脆化を目的とする薬
剤の塗布は線状であることが好ましく、縫製用の裁断部
分に相当する形状を有するものであり、線の幅は好まし
くは0.05mmから2mm程度であり、より好ましく
は0.1mmから1mm程度である。
性繊維を脆化させることに限定されるものではないが、
通常の布帛プリントに用いられる糊成分に上記の薬剤を
混合し、プリントと同工程で布帛に塗布することにより
本発明の目的を達成することもでき、好ましい。すなわ
ち、プリントの染料の代わりに特定の繊維を脆化させる
薬剤を混入すればよい。この場合、脆化を目的とする薬
剤の塗布は線状であることが好ましく、縫製用の裁断部
分に相当する形状を有するものであり、線の幅は好まし
くは0.05mmから2mm程度であり、より好ましく
は0.1mmから1mm程度である。
【0026】布帛に上記薬剤を含有する糊を塗布する方
法は、フラットスクリーン、ロータリィスクリーン、手
描きなどの方法がある。塗布された布帛は通常のプリン
トと同工程で製造される。乾燥後、非伸縮性繊維を脆化
させるため、高温スチーム下または高圧スチーム下で蒸
熱処理される。この工程で染料を含む糊剤では染料が繊
維内部に吸着する。引き続き洗浄・乾燥・仕上げセット
される。高温での蒸熱処理で染料は繊維内部に固着する
が、本発明の場合、薬剤は高温で特定の繊維を溶解また
は劣化させ、繊維の強度を低下させる。繊維を脆化させ
る部分の形状が生産には重要となり、縫製に提供するサ
イズごとの縫製部材に連動していることが重要である。
脆化の程度は薬剤の種類、濃度、糊剤、熱処理条件(温
度・時間)などに左右される、適宜先行試験により加工
条件が決定される。
法は、フラットスクリーン、ロータリィスクリーン、手
描きなどの方法がある。塗布された布帛は通常のプリン
トと同工程で製造される。乾燥後、非伸縮性繊維を脆化
させるため、高温スチーム下または高圧スチーム下で蒸
熱処理される。この工程で染料を含む糊剤では染料が繊
維内部に吸着する。引き続き洗浄・乾燥・仕上げセット
される。高温での蒸熱処理で染料は繊維内部に固着する
が、本発明の場合、薬剤は高温で特定の繊維を溶解また
は劣化させ、繊維の強度を低下させる。繊維を脆化させ
る部分の形状が生産には重要となり、縫製に提供するサ
イズごとの縫製部材に連動していることが重要である。
脆化の程度は薬剤の種類、濃度、糊剤、熱処理条件(温
度・時間)などに左右される、適宜先行試験により加工
条件が決定される。
【0027】伸縮性繊維の混合割合は特に限定されるも
のではないが、水着やインナー用途の素材では伸縮性繊
維の混合割合が15〜40%の範囲が好ましい。さらに
好ましくは16〜22%の範囲のものである。伸縮性繊
維の混合割合が15%未満の場合には布帛の染色加工工
程における伸長応力に耐える強力が不足し、破れが発生
するなどの問題がある。また、40%を越える割合の場
合には非伸縮性繊維を完全に脆化しても縫製前の段階で
容易に引き裂くことができないなどの問題がある。
のではないが、水着やインナー用途の素材では伸縮性繊
維の混合割合が15〜40%の範囲が好ましい。さらに
好ましくは16〜22%の範囲のものである。伸縮性繊
維の混合割合が15%未満の場合には布帛の染色加工工
程における伸長応力に耐える強力が不足し、破れが発生
するなどの問題がある。また、40%を越える割合の場
合には非伸縮性繊維を完全に脆化しても縫製前の段階で
容易に引き裂くことができないなどの問題がある。
【0028】
【実施例】以下実施例で詳細に説明する。 実施例1 伸縮性繊維であるポリウレタン系繊維40デニール(ジ
フエニルメタン−4,4ジイソシアネートとテトラメチ
レンエーテルグリコール共重合体からなるエーテル系ス
パンデックス繊維)と伸縮性繊維であるカチオン可染ポ
リエステル原糸40デニール34フィラメント(5−ナ
トリウムイソフタル酸3.6モル%共重合したポリエチ
レンテレフタレート)からなる水着用トリコット布帛
(伸縮性繊維の混率は21%)を編成した。該布帛の油
分を除去し、形態を安定させるため、界面活性剤を含む
40〜60℃の温水で洗浄した後、190度で30秒間
ヒートセットした。この布帛をプリント工程の染料糊の
一つとして作製した水酸化カリウムをローカストビーン
主体の糊剤100部に対し5部添加した糊剤をフラット
スクリーンプリントした。その後乾燥・蒸熱処理(12
0度で30分間)し、糊剤を洗浄除去、さらに170℃
で仕上げセットした。
フエニルメタン−4,4ジイソシアネートとテトラメチ
レンエーテルグリコール共重合体からなるエーテル系ス
パンデックス繊維)と伸縮性繊維であるカチオン可染ポ
リエステル原糸40デニール34フィラメント(5−ナ
トリウムイソフタル酸3.6モル%共重合したポリエチ
レンテレフタレート)からなる水着用トリコット布帛
(伸縮性繊維の混率は21%)を編成した。該布帛の油
分を除去し、形態を安定させるため、界面活性剤を含む
40〜60℃の温水で洗浄した後、190度で30秒間
ヒートセットした。この布帛をプリント工程の染料糊の
一つとして作製した水酸化カリウムをローカストビーン
主体の糊剤100部に対し5部添加した糊剤をフラット
スクリーンプリントした。その後乾燥・蒸熱処理(12
0度で30分間)し、糊剤を洗浄除去、さらに170℃
で仕上げセットした。
【0029】染料糊部分は通常のプリント品同様に染色
され、アルカリ糊剤を用いたプリント部分は線状に仕上
がり、縫製加工前に裁断すべき形状に描かれた。その部
分は加工工程においては何ら形状破壊を起こさなかった
が、手で引き裂くことが容易に可能であり、得られた布
帛を縫製のパーツ部材に供した。従来の裁断では伸縮性
を有する布帛は裁断工程で布帛のずれが発生し、正確な
裁断が困難であり手間のかかる作業であったが本発明の
布帛を用いることにより縫製工場での裁断工程が省略で
きた。得られた布帛の特性を表1に示す。なお、特性の
評価はJISL1018−1990に基づいて実施し
た。
され、アルカリ糊剤を用いたプリント部分は線状に仕上
がり、縫製加工前に裁断すべき形状に描かれた。その部
分は加工工程においては何ら形状破壊を起こさなかった
が、手で引き裂くことが容易に可能であり、得られた布
帛を縫製のパーツ部材に供した。従来の裁断では伸縮性
を有する布帛は裁断工程で布帛のずれが発生し、正確な
裁断が困難であり手間のかかる作業であったが本発明の
布帛を用いることにより縫製工場での裁断工程が省略で
きた。得られた布帛の特性を表1に示す。なお、特性の
評価はJISL1018−1990に基づいて実施し
た。
【0030】
【表1】
【0031】伸縮性繊維であるポリウレタン系繊維40
デニール(ジフエニルメタン−4,4ジイソシアネート
とテトラメチレンエーテルグリコール共重合体からなる
エーテル系スパンデックス繊維)と非伸縮性繊維である
ナイロン原糸40デニール34フィラメント(ナイロン
6)からなるインナー用トリコット布帛(伸縮性繊維の
混率は18%)を編成した。該布帛の油分を除去し、形
態を安定させるため、界面活性剤を含む40〜60℃の
温水で洗浄した後、190℃で30秒間ヒートセットし
た。この布帛をプリント工程の染料糊の一つとして作製
した水酸化カリウムをローカストビーン主体の糊剤10
0部に対し5部添加した糊剤をフラットスクリーンプリ
ントした。その後乾燥・湿熱処理(170℃で6分間)
し、糊剤を洗浄除去、さらに170℃で仕上げセットし
た。
デニール(ジフエニルメタン−4,4ジイソシアネート
とテトラメチレンエーテルグリコール共重合体からなる
エーテル系スパンデックス繊維)と非伸縮性繊維である
ナイロン原糸40デニール34フィラメント(ナイロン
6)からなるインナー用トリコット布帛(伸縮性繊維の
混率は18%)を編成した。該布帛の油分を除去し、形
態を安定させるため、界面活性剤を含む40〜60℃の
温水で洗浄した後、190℃で30秒間ヒートセットし
た。この布帛をプリント工程の染料糊の一つとして作製
した水酸化カリウムをローカストビーン主体の糊剤10
0部に対し5部添加した糊剤をフラットスクリーンプリ
ントした。その後乾燥・湿熱処理(170℃で6分間)
し、糊剤を洗浄除去、さらに170℃で仕上げセットし
た。
【0032】染料糊部分は通常のプリント品同様に染色
され、アルカリ糊剤を用いたプリント部分は線状に仕上
がり、縫製加工前に裁断すべき形状に描かれた。その部
分は加工工程においては何ら形状破壊を起こさなかった
が、手で引き裂くことが容易に可能であり、得られた布
帛を縫製のパーツ部材に供した。従来の裁断では伸縮性
を有する布帛は裁断工程で布帛のずれが発生し、正確な
裁断が困難であり手間のかかる作業であったが本発明の
布帛を用いることにより縫製工場での裁断工程が省略で
きた。得られた布帛の特性を表2に示す。なお、特性の
評価はJISL1018−1990に基づいて実施し
た。
され、アルカリ糊剤を用いたプリント部分は線状に仕上
がり、縫製加工前に裁断すべき形状に描かれた。その部
分は加工工程においては何ら形状破壊を起こさなかった
が、手で引き裂くことが容易に可能であり、得られた布
帛を縫製のパーツ部材に供した。従来の裁断では伸縮性
を有する布帛は裁断工程で布帛のずれが発生し、正確な
裁断が困難であり手間のかかる作業であったが本発明の
布帛を用いることにより縫製工場での裁断工程が省略で
きた。得られた布帛の特性を表2に示す。なお、特性の
評価はJISL1018−1990に基づいて実施し
た。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明の布帛は裁断することなく、縫製
前に手で簡単に剥離することにより、裁断の精度が向上
し、裁断工程の手間が大幅に簡略化された。
前に手で簡単に剥離することにより、裁断の精度が向上
し、裁断工程の手間が大幅に簡略化された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B154 AA07 AA08 AA09 AA16 AA20 AB19 BA47 BA60 BB09 BB39 BD04 BD16 BF18 DA21 4L031 AA18 AA20 AB01 AB31 BA11 CA01 CA07 CA17 DA00
Claims (11)
- 【請求項1】所望の縫製部材の形状に沿った部分が脆化
処理されていることを特徴とする布帛。 - 【請求項2】布帛が、伸縮性を有する繊維と非伸縮性繊
維とが混用されたものであることを特徴とする請求項1
記載の布帛。 - 【請求項3】伸縮性を有する繊維が、破断時の伸度が1
00%以上のものであることを特徴とする請求項2記載
の布帛。 - 【請求項4】非伸縮性繊維は、破断時の伸度が60%未
満のものであり、該非伸縮性繊維が脆化処理されている
ことを特徴とする請求項2または3記載の布帛。 - 【請求項5】脆化処理された部分の引き裂き強力が20
0〜800gの範囲であることを特徴とする請求項1〜
4のいずれかに記載の布帛。 - 【請求項6】脆化処理された部分の幅が0.05mmか
ら2mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜5の
いずれかに記載の布帛。 - 【請求項7】縫製部材が水着用であることを特徴とする
請求項1〜6のいずれかに記載の布帛。 - 【請求項8】所望の縫製部材の形状に沿った部分を脆化
処理することを特徴とする布帛の製造方法。 - 【請求項9】伸縮性を有する繊維と非伸縮性繊維とが混
用された布帛において、非伸縮繊維がポリエステル系繊
維であり、アルカリ成分を含有する樹脂または糊剤を所
望の縫製部材の形状に沿った該布帛表面部分に塗布し、
該ポリエステル系繊維の一部または全部を脆化処理する
ことを特徴とする布帛の製造方法。 - 【請求項10】伸縮性を有する繊維と非伸縮性繊維とが
混用された布帛において、非伸縮繊維がポリアミド系繊
維であり、酸成分を含有する樹脂または糊剤を所望の縫
製部材の形状に沿った該布帛表面部分に塗布し、該ポリ
アミド系繊維の一部または全部を脆化処理することを特
徴とする布帛の製造方法。 - 【請求項11】前記請求項8〜10のいずれかに記載の
布帛の脆化部分を引き裂いて縫製部材となすことを特徴
とする縫製部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7194299A JP2000265376A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 裁断不要布帛およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7194299A JP2000265376A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 裁断不要布帛およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000265376A true JP2000265376A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=13475073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7194299A Pending JP2000265376A (ja) | 1999-03-17 | 1999-03-17 | 裁断不要布帛およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000265376A (ja) |
-
1999
- 1999-03-17 JP JP7194299A patent/JP2000265376A/ja active Pending
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