JP2000264010A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2000264010A
JP2000264010A JP11070744A JP7074499A JP2000264010A JP 2000264010 A JP2000264010 A JP 2000264010A JP 11070744 A JP11070744 A JP 11070744A JP 7074499 A JP7074499 A JP 7074499A JP 2000264010 A JP2000264010 A JP 2000264010A
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康久 皆川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生ゴム保管時における経時変化を抑制し、長
期保管後の生ゴムを使用しても性能が悪化していないイ
ンナーライナーのない空気入りタイヤを得る。 【解決手段】 (A)ハロゲン化ブチルゴムおよび(ま
たは)イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合体
のハロゲン化物および(B)ジエン系ゴムからなるゴム
成分およびゴム成分(A)を選択的に加硫させる加硫剤
を混練りしてゴム成分(A)を選択的に該混練り中に加
硫したゴム組成物を、タイヤのカーカスコードの被覆ゴ
ムとして使用したインナーライナーのない空気入りタイ
ヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインナーライナーの
ない空気入りタイヤに関する。さらに詳しくは、生ゴム
保管時における経時変化が抑制されたゴム組成物をタイ
ヤのカーカスコードの被覆ゴムとして使用した長期保管
後の生ゴムを使用しても性能が悪化していない耐久性能
が著しく向上したインナーライナーのない空気入りタイ
ヤに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
から、チューブレス空気入りタイヤにおいては空気を保
持するために、ブチルゴムなどの低空気透過性のゴムが
インナーライナーに用いられている。しかしながらイン
ナーライナーはタイヤの重量の約10重量%を占め、タ
イヤの軽量化を妨げている。
【0003】低燃費性の要請に基づいてタイヤの軽量化
が求められ、かつタイヤの製造工程の簡素化も要請され
ており、特開平8−157648号公報において、低空
気透過性のブチルゴムやイソブチレン/p−メチルスチ
レン共重合体の臭素化物などを配合したゴム組成物でタ
イヤのカーカスコード被覆ゴムを作製し、インナーライ
ナーをのぞくことが提案されている。
【0004】一方、前記のような配合においては、耐屈
曲亀裂性、耐熱性の改善のためにアミン系老化防止剤
(たとえばノクラック6C)が配合されるが、当該老化
防止剤により加硫が経時的に進行し(いわゆる室温にお
ける焼け)、ゴム練り後の保管日数の違いによりムーニ
ー粘度がばらつくため、加工性が異なってしまい、製品
ごとの寸法などが安定しないという問題がある。また、
加硫後の物性にも大きく影響するため安定した性能のタ
イヤを供給できないのが現状である。たとえば特表平5
−508677号公報、特開平10−25380号公報
には、特開平8−157648号公報と同様のゴム組成
物が、また特開平10−181305号公報、特開平1
0−204213号公報には、同様のゴム組成物を用い
た空気入りタイヤが開示されているが、いずれにおいて
も前記問題は未解決のままである。
【0005】一方、特開平10−81784号公報に
は、少なくとも1種の低空気透過性官能基加硫性ゴムと
該官能基加硫性ゴムを加硫し得る硬化剤とをあらかじめ
混練りしたものに、該官能基加硫性ゴム100重量部に
対して25〜100重量部の炭素−炭素二重結合加硫性
ゴムを配合し、前記官能基加硫性ゴムが加硫し得る温度
範囲で混練りしながら前記官能基加硫性ゴムを選択的に
加硫して得られるゴム組成物が開示されており、ジエン
系ゴム組成物との加硫接着性に優れていることが開示さ
れている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、特開平10−
81784号公報に開示されているゴム組成物をさらに
改良し、これをタイヤのカーカスコードの被覆ゴムとし
て使用することにより前記問題を解決し、安定した性能
を発揮し得るインナーライナーのない空気入りタイヤを
提供するものである。すなわち本発明は、(A)ハロゲ
ン化ブチルゴムおよび(または)イソブチレンとp−メ
チルスチレンとの共重合体のハロゲン化物および(B)
ジエン系ゴムからなるゴム成分およびゴム成分(A)を
選択的に加硫させる加硫剤を混練りしてゴム成分(A)
を選択的に該混練り中に加硫したゴム組成物を、タイヤ
のカーカスコードの被覆ゴムとして使用したインナーラ
イナーのない空気入りタイヤ(請求項1)、前記ゴム組
成物のゴム成分(A)の配合量が、ゴム成分(B)との
合計100重量部中、10〜60重量部である請求項1
記載の空気入りタイヤ(請求項2)および前記混練りが
100〜150℃の温度範囲で行なわれた請求項1記載
の空気入りタイヤ(請求項3)に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明には、(A)ハロゲン化ブ
チルゴムおよび(または)イソブチレンとp−メチルス
チレンとの共重合体のハロゲン化物(ゴム成分(A)と
もいう)および(B)ジエン系ゴム(ゴム成分(B)と
もいう)からなるゴム成分が用いられる。ゴム成分
(A)およびゴム成分(B)を併用することにより、ゴ
ム組成物に、低空気透過性および他のジエン系ゴム組成
物との加硫接着性の両性能を付与することができる。
【0008】前記ゴム成分におけるゴム成分(A)およ
びゴム成分(B)の使用割合としては、ゴム成分(A)
/ゴム成分(B)が重量比で10/90〜60/40、
さらには20/80〜60/40が好ましい。ゴム成分
(A)の割合が前記下限値未満になる(すなわちゴム成
分(B)が前記上限値をこえる)と、低空気透過性が不
充分となる傾向があり、ゴム成分(A)の割合が前記上
限値をこえる(すなわちゴム成分(B)が前記下限値未
満になる)と、加硫接着性が低下する傾向が生じる。
【0009】前記ゴム成分(A)におけるハロゲン化ブ
チルゴムとイソブチレンとp−メチルスチレンとの共重
合体のハロゲン化物は、それぞれ単独で用いてもよく、
併用してもよい。これらのうちでは、架橋効率が高い、
加硫接着性に優れるなどの点から、イソブチレンとp−
メチルスチレンとの共重合体のハロゲン化物が好まし
い。
【0010】前記ハロゲン化ブチルゴムとしては、一般
にゴム配合に用いられるものであればよく、とくに制限
はないが、ハロゲン含有率が塩素化ブチルゴムで1.1
〜1.3重量%、臭素化ブチルゴムで1.8〜2.4重
量%のものが好ましい。また、ムーニー粘度(ML(1
+8)(125℃))は、25〜65であるのが加工性
の点から好ましい。好ましい具体例としては、ブロモブ
チル2222(商品名、エクソン化学(株)製)、クロ
ロブチル1066(商品名、エクソン化学(株)製)な
どがあげられる。
【0011】前記イソブチレンとp−メチルスチレンと
の共重合体のハロゲン化物としては、とくに制限はない
が、イソブチレン単位量/p−メチルスチレン単位量が
重量比で90/10〜98/2、ハロゲン含有率が0.
5〜5重量%であるのが、共架橋性の点から好ましい。
好ましい具体例としては、EXXPRO90−10(商
品名、エクソン化学(株)製)などがあげられる。
【0012】前記ゴム成分(B)としては、従来からタ
イヤ用に用いられているものであればよく、とくに制限
はない。具体例をあげれば、天然ゴム(NR)、イソプ
レンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン
−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム(NBR)などの炭素−炭素二重結合で加硫
し得るゴムがあげられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのう
ちでは機械的強度を向上させる点からNR、SBR、N
BR、粘着性をだすという点からNRを用いるのが好ま
しい。
【0013】本発明に用いられるゴム組成物は、前記ゴ
ム成分およびゴム成分(A)を選択的に加硫させる加硫
剤を混練りしてゴム成分(A)を選択的に該混練り中に
加硫したゴム組成物である。ゴム成分(A)を選択的に
加硫するため、アミン系の老化防止剤が配合されていて
も、生ゴムの保管中に加硫が経時的に進行して加工性が
ばらつくなどの問題が改善され、安定した性能を発揮し
得るインナーライナーのない空気入りタイヤを得ること
ができる。また、本発明に用いられるゴム組成物は、特
開平10−81784号公報に開示されている、少なく
とも1種の低空気透過性官能基加硫性ゴムと該官能基加
硫性ゴムを加硫し得る硬化剤とをあらかじめ混練り(以
下、この工程を予備混練りという)したものに、炭素−
炭素二重結合加硫性ゴムを配合し、前記官能基加硫性ゴ
ムが加硫し得る温度範囲で混練りしながら前記官能基加
硫性ゴムを選択的に加硫して得られるゴム組成物とは、
予備混練りを行なわない点で異なり、製造工程が短く、
かつ性能においても加工時のゴム粘度上昇を抑制できる
という点で優れたものである。
【0014】なお、アミン系老化防止剤を配合しない場
合にも、前記選択的加硫を行なうことで選択的加硫を行
なわない場合よりも、より安定した物性のゴム組成物を
得ることができるが、耐屈曲亀裂性、耐熱性の改善など
のために前記ゴム成分100重量部に対し、アミン系老
化防止剤が0.5〜5重量部、さらには1〜3重量部配
合されることが好ましい。
【0015】前記アミン系老化防止剤としては、たとえ
ばN,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(D
PPD)、N,N'−ジナフチル−p−フェニレンジア
ミン(DNPD)、N−イソプロピル−N'−フェニル
−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N−オクチル
−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン(OPP
D)、N,N'−ジアリル−p−フェニレンジアミン、
N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p
−フェニレンジアミン、N,N'−ジ(1,4−ジメチ
ルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ
(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレン
ジアミンなどのp−フェニレンジアミン誘導体、2,
2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(TM
DQ)、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,
2−ジヒドロキノリン(ETMDQ)、アセトンとN−
フェニル−2−ナフチルアミンの縮合物(APBN)な
どのケトン・アミン縮合物、N−フェニル−1−ナフチ
ルアミン(PAN)などのナフチルアミン類、オクチル
化ジフェニルアミン(ODPA)、4,4'−ジメトキ
シジフェニルアミンなどのジフェニルアミン誘導体など
があげられる。
【0016】前記ゴム成分(A)を選択的に加硫させる
加硫剤には、ゴム成分(A)と特異的に反応して架橋さ
せることのできるものが用いられる。前記加硫剤には、
有機系加硫剤と無機系加硫剤(硫黄をのぞく)があり、
これらは単独で用いてもよく、併用してもよいが、無機
系加硫剤の方が好ましい。
【0017】前記有機系加硫剤としては、N,N'−ジ
エチルチオ尿素(EUR)、N−フェニル−N'−
(1,3―ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミ
ン、4,4'−ジアミノ−ジフェニルエーテルなどのポ
リアミン、ジエチルジオチオカルバミン酸亜鉛(EZ)
などがあげられる。
【0018】前記無機系加硫剤としては、MgO、Zn
O、CaO、BaOなどの2価の金属酸化物などがあげ
られる。これらのうちでは反応性が高いという点から、
ZnOが好ましい。
【0019】前記ゴム成分(A)を選択的に加硫させる
加硫剤の選択的加硫を行なう際(後述の実施例ではバン
バリーミキサーによる混練りの際)における配合量とし
ては、混練り時間の短縮、ゴム組成物の物性の点から、
前記ゴム成分100重量部に対し、0.1〜10重量
部、さらには0.3〜5重量部が好ましく、より好まし
くはゴム成分(A)100重量部に対して1〜5重量
部、さらには1〜3重量部である。
【0020】前記選択的加硫を行なう際には、ステアリ
ン酸、プロセスオイル、カーボンブラックなどの充填
剤、老化防止剤、シリカ、粘着付与剤などのタイヤ用ゴ
ム組成物に一般的に用いられている原料を配合してもよ
い。
【0021】前記選択的加硫を行なうための混練りは、
ゴム成分、ゴム成分(A)を選択的に加硫させる加硫剤
およびその他の原料(硫黄をのぞく)をとくに限定なく
配合し、一般的な混練り用の装置、たとえばバンバリー
ミキサーやオープンロールを用いて行なわれる。このと
きの温度はゴム組成物の劣化をまねかない温度範囲内で
あればよいが、混練り時間の短縮という点から100〜
150℃、さらには110〜150℃、とくには110
℃〜140℃の範囲が好ましく、混練り時間は、3〜3
0分間、さらには4〜15分間が好ましい。
【0022】選択的加硫を終えた混練物に、ゴム成分
(B)を加硫させるための硫黄を必要量、たとえば前記
ゴム成分100重量部に対して0.5〜5重量部配合
し、必要に応じて加硫促進剤、ステアリン酸などを配合
してオープンロールなどによりさらに混練りすること
で、未加硫のゴム成分(B)中に加硫されたゴム成分
(A)が均一に存在している状態のゴム組成物を得るこ
とができる。このゴム組成物は、ゴム成分(A)が選択
的に加硫されているため、またゴム成分(B)はアミン系
老化防止剤により加硫が進行することがないため、生ゴ
ム保管時におけるムーニー粘度の上昇などの経時変化が
抑制されたものであり、タイヤのカーカスコードの被覆
ゴムに供して一般的な条件でゴム成分(B)を加硫する
ことにより、長期保管後の生ゴムを使用しても性能が悪
化していないインナーライナーのない空気入りタイヤを
得ることができる。また、得られたインナーライナーの
ない空気入りタイヤは従来のものに比べて耐久性能が著
しく向上したものである。
【0023】
【実施例】つぎに、本発明の空気入りタイヤについて実
施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0024】なお、実施例および比較例で用いた原料と
評価方法について以下に説明する。
【0025】EXXPRO 90−10:エクソン化学
(株)製のp−メチルスチレン−イソブチレン共重合体
の臭素化物 NR:天然ゴム HAF N330:カーボンブラック、三菱化学(株)
製のダイヤブラックH粘着付与剤:エクソン化学社製の
エスコレッツ1102 ノクラック6C:大内新興化学工業(株)製のアミン系
老化防止剤 亜鉛華1号:酸化亜鉛 促進剤NS:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジ
ル・スルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製のノ
クセラーNS
【0026】(ムーニー試験)所定のゴム組成物のゴム
練り完了(ゴム組成物製造完了)(正確には老化防止剤
を混練り後)のつぎの日および8日後のムーニー粘度M
L(1+4)、スコーチタイムT10(分)をJIS
K6300に準拠して130℃で測定した。なお、ゴム
組成物(生ゴム)は、室温で保存した(引張試験、スプ
リング硬さおよびタイヤの耐久試験において同じ)。
【0027】(引張試験)所定のゴム組成物をゴム練り
完了のつぎの日および8日後に170℃、15分間の条
件でプレス加硫して得られたJIS 3号のダンベル形
状のサンプルを用い、JIS K6301に準拠して引
張応力(M100、M200、M300)(MPa)、
引張強度(Tb)(MPa)、伸び(Eb)(%)を測
定した。
【0028】(スプリング硬さ(Hs))所定のゴム組
成物をゴム練り完了のつぎの日および8日後に170
℃、15分間の条件でプレス加硫したときのA型のスプ
リング硬さをJIS K6253に準拠して測定した。
【0029】(接着試験)所定のゴム組成物と他のジエ
ン系ゴム組成物との加硫接着性を評価するため、まず所
定のゴム組成物からゴム練り完了(このときロールで2
mm厚のシートになっている)のつぎの日に厚さ2m
m、幅80mm、長さ150mmのゴムシート1を作製
した。また、天然ゴムおよびブタジエンゴムの、重量比
が40:60のブレンド物(カーボンブラック、硫黄お
よび加硫促進剤を含む)からロールで2mm厚のシート
にしたのち幅80mm、長さ150mmのゴムシートに
切り出してジエン系ゴムシート2を作製した。得られた
ゴムシート1とジエン系ゴムシート2とを加硫接着した
のちに、その剥離強度(接着強度)を測定した。剥離強
度が高いほど加硫接着性にすぐれている。
【0030】剥離強度測定用サンプルを作製するため
に、図1に示すようにゴムシート1とジエン系ゴムシー
ト2とを密着させ、界面で剥離が始まるようにマイラー
シート4およびナイロン繊維の厚織5からなる挿入部材
を挿入して、170℃で15分間、20kgf/cm2
の面圧で加硫接着させた。なお、3はトップ反であっ
て、剥離の際にゴムシートが切れてしまわないように補
強するためのものであり、通常未加硫である。本発明で
は圧さ1mm、幅80mm、長さ150mmのものでポ
リエステル系樹脂をゴムびきしたものを用いた。マイラ
ーシート4は、加硫時にゴムシート1とジエン系ゴムシ
ート2が全面で接着してしまわないようにするためのも
のであり、180℃以上の融点をもつものであればよ
い。本発明では厚さ0.05mm、幅80mm、長さ4
0mmのものでポリエチレンテレフタレートからなるも
のを用いた。厚織5は接着界面での剥離をはじめるため
に挿入するものであり、本発明では厚さ0.5mm、幅
80mm、長さ80mmのものでナイロン繊維からなる
ものを用いた。
【0031】以上のようにして得た剥離強度測定用サン
プルについて、50mm/minの速度で剥離させ、イ
ンテスコ社製の引張試験機を用いて剥離強度を測定し
た。
【0032】(熱老化試験)所定のゴム組成物をゴム練
り完了のつぎの日に170℃、15分間の条件でプレス
加硫し、100℃で72時間放置して熱老化させてから
前記と同様にして引張応力(M100)、引張強度(T
b)(MPa)、伸び(Eb)(%)、スプリング硬さ
を測定した。
【0033】(タイヤの耐久試験)所定のタイヤを用い
て走行速度80km/h、内圧190kPa、加重64
6kgの条件で室内ドラム耐久テストを行なった。試験
はゴム練り完了から2日後および8日後のゴム組成物を
用いて行ない、経時変化を調べた。試験結果は、走行を
はじめてからバーストもしくは、タイヤ外観の変化(膨
らみ)という異常が観測されるまでの走行距離で示し
た。走行距離が長いほど耐久性が優れていることを示
す。
【0034】(ゴム組成物の製造)表1記載の原料
(X)を表1記載の組成になるように配合し、バンバリ
ーミキサーでミキサー表示温度が130℃になるまで約
8分間混練りした。なお、ミキサー表示温度が100℃
になるまでに要した時間は1分間であった。つぎに、4
0℃で前記混練物に表1記載の原料(Y)を表1記載の
組成になるように配合し、オープンロールを用いて5分
間混練りしてゴム組成物(R1)および(R2)を得
た。ゴム組成物(R1)は、原料(X)に亜鉛華が含ま
れているため、バンバリーミキサーでの混練り中にゴム
成分(A)の選択的加硫が行なわれているのに対し、ゴ
ム組成物(R2)は、原料(X)に亜鉛華が含まれてお
らず、選択的加硫が行なわれていない。得られたゴム組
成物を用いてムーニー試験、引張試験、接着試験、スプ
リング硬さおよび熱老化試験に供した。試験の結果を表
1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示すゴム組成物(R1)と(R2)
の試験結果の比較から、ゴム組成物(R2)のように単
純な混練りを行なったものは、ムーニー粘度が経時的に
大きく上昇し、加工性がわるくなることがわかる。一
方、ゴム組成物(R1)のように選択的加硫を行なった
ものは、ムーニー粘度の経時的変化がほとんどなく、安
定した加工性が得られることがわかる。
【0037】また、物性においてもゴム組成物(R1)
の方がゴム組成物(R2)に比べて経時的変化が小さ
く、安定した性能を発揮するタイヤを提供するのに適し
ていることがわかる。
【0038】さらに、熱老化性もゴム組成物(R1)の
方が良好で、他のジエン系ゴムシートとの接着強度も目
覚しく向上している。
【0039】実施例1および比較例1 前記ゴム組成物を所定の期間保管したのち、カーカスコ
ードの被覆ゴム7として用いて図2に示すインナーライ
ナーのない空気入りタイヤ6を試作し、タイヤの耐久試
験に供した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2の結果から、本発明に係るゴム組成物
を用いて製造したインナーライナーのない空気入りタイ
ヤは、ゴム練り完了からタイヤの加硫が完了するまでの
日数にかかわらず、高い耐久性を示すことがわかる。
【0042】また、ゴム組成物(R1)を用いたタイヤ
はいずれも充分な寸法安定性が得られた。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、生ゴム保管時における
経時変化を抑制し、長期保管後の生ゴムを使用しても性
能が悪化していないインナーライナーのない空気入りタ
イヤを得ることができ、タイヤ自体の耐久性能も著しく
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】剥離強度の測定のために作製したサンプルの概
略断面図である。
【図2】タイヤの耐久試験に供した本発明のインナーラ
イナーのない空気入りタイヤのラジアル方向断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ゴムシート 2 ジエン系ゴムシート 3 トップ反 4 マイラーシート 5 厚織 6 インナーライナーのない空気入りタイヤ 7 カーカスコードの被覆ゴム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ハロゲン化ブチルゴムおよび(ま
    たは)イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合体
    のハロゲン化物および(B)ジエン系ゴムからなるゴム
    成分およびゴム成分(A)を選択的に加硫させる加硫剤
    を混練りしてゴム成分(A)を選択的に該混練り中に加
    硫したゴム組成物を、タイヤのカーカスコードの被覆ゴ
    ムとして使用したインナーライナーのない空気入りタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 前記ゴム組成物のゴム成分(A)の配合
    量が、ゴム成分(B)との合計100重量部中、10〜
    60重量部である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記混練りが100〜150℃の温度範
    囲で行なわれた請求項1記載の空気入りタイヤ。
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