JP2000263651A - 光学的立体造形方法 - Google Patents

光学的立体造形方法

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JP2000263651A
JP2000263651A JP11075742A JP7574299A JP2000263651A JP 2000263651 A JP2000263651 A JP 2000263651A JP 11075742 A JP11075742 A JP 11075742A JP 7574299 A JP7574299 A JP 7574299A JP 2000263651 A JP2000263651 A JP 2000263651A
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liquid
resin layer
cured resin
optical
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Takakuni Ueno
高邦 上野
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Teijin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦な表面を有し、寸法精度に優れる立体造
形物を良好なエネルギー効率及び高い光造形速度で製造
するための光学的立体造形方法及び装置の提供。 【解決手段】 (i)造形浴内の光硬化性樹脂液の液面に
光透過性で撓み性を有するプレートの下面を接触・配置
して液面をプレートで押圧平坦化する工程;(ii)プレー
ト上方から光照射して光硬化性樹脂液を所定のパターン
及び厚さで光硬化させてプレート下面に硬化樹脂層を形
成する工程;(iii)プレートを湾曲させて硬化樹脂層の
端部からプレートを徐々に剥離する工程;及び(iv)硬化
樹脂層を造形浴内で下方に移動させ該硬化樹脂層上に造
形浴内の光硬化性樹脂液を流動させて光硬化性樹脂液の
所定厚の液層を形成させる工程を有し、以後、所定の形
状及び寸法の立体造形物が形成されるまで前記工程(i)
〜(iv)を繰り返し行って立体造形物を製造する光学的立
体造形方法及びそのための装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光硬化性樹脂を用い
る光学的立体造形方法および光学的立体造形装置に関す
る。より詳細には、本発明は光硬化性樹脂液を用いて、
平坦な表面を有し、寸法精度に優れる立体造形物を、良
好なエネルギー効率および高い光造形速度で製造するた
めの光学的立体造形方法および光学的立体造形装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、三次元CADに入力されたデータ
に基づいて光硬化性樹脂を硬化させて立体造形物を製造
する光学造形方法および装置が実用化されている。この
光造形技術は、設計の途中で外観デザインを検証するた
めのモデル、部品の機能性をチェックするためのモデ
ル、鋳型を製作するための樹脂型、金型を製作するため
のベースモデルなどのような複雑な三次元物体を容易に
造形できることから注目を集めている。
【0003】一般に採用されている光学的立体造形法お
よび装置としては、 (1)造形浴に液状の光硬化性樹脂を入れ、液面に所望
のパターンが得られるようにコンピューターで制御され
た紫外線レーザーなどの光を選択的に照射して所定の厚
みに光硬化させて硬化樹脂層を形成し、その硬化樹脂層
を造形浴内で下方に移動させて造形浴内の光硬化性樹脂
液を該硬化樹脂層上に流動させて光硬化性樹脂液の層を
形成させ、その光硬化性樹脂液層に光を照射して硬化樹
脂層を形成し、前記の工程を所定の形状および寸法の立
体造形物が得られるまで繰り返して行うことからなるい
わゆる自由液面法およびそのための装置; (2)テーブル(基板)上に、光硬化性樹脂液をブレー
ドやその他の塗工手段を用いて所定厚み(一般に50〜
200μm程度)の1層分の光硬化性樹脂液層を形成し
た後、その光硬化性樹脂液層に光を照射して硬化樹脂層
となし、次いで該硬化樹脂層を載置したテーブルを下方
に移動させて前記硬化樹脂層上に更に1層分の光硬化性
樹脂液を塗工し、それを光硬化させて第2の硬化樹脂層
を形成させ、前記の工程を所定の形状および寸法の立体
造形物が得られるまで繰り返して行う方法およびそのた
めの装置;を挙げることができる。
【0004】しかしながら、上記(1)の自由液面法お
よび装置による場合は、光硬化性樹脂液の表面張力によ
って、造形浴内に貯溜された光硬化性樹脂液の液面が盛
り上がったり、また前段階で形成された硬化樹脂層上に
流動させて積層した光硬化性樹脂液の層の表面が盛り上
がって、光硬化させる光硬化性樹脂液の液面が平坦にな
っていないことが多い。その結果、得られる立体造形物
の上部が、例えば、図1の(a)および(b)に示すよ
うに、丸くなっていて平らでなく、寸法精度に劣ったも
のになり易い。この表面張力による寸法精度の低下の問
題を回避するためには、表面張力の低い光硬化性樹脂を
選択することも考えられるが、使用する光硬化性樹脂の
種類が限られることになり、各々の用途や使用目的に合
致した力学的特性、物理的特性、化学的特性などを有す
る光学的立体造形物が得られないという欠点がある。し
かも、上記(1)の自由液面法においては、造形浴内の
光硬化性樹脂液の液面位は樹脂温度によって変化するた
め、液面位を一定に保ちにくく、液面位の変化は得られ
る立体造形物の寸法精度の低下をもたらす。造形浴内の
光硬化性樹脂液の液面位を一定に保つ方法としては、セ
ンサーによって液面を常に検知し、その検知結果に応じ
て、造形浴内に配置したカウンターボリュームを上下さ
せる方法などが知られているが、装置的に高価であり、
コスト面で不利である。
【0005】また、上記(2)の光学的立体造形法およ
び装置による場合は、テーブル上または硬化樹脂層上に
塗工した光硬化性樹脂液層の液面が塗工直後に完全に平
坦になっておらずに波打っていることが多く、得られる
立体造形物の寸法精度の低下の一要因となっている。光
硬化性樹脂液層の液面の波打ちによる問題の解決策とし
ては、光硬化性樹脂液を塗工した後に数十秒の待ち時間
をとり、液面の波打ちが無くなってから光照射を行う方
法が一般に採用されているが、数十秒の待機時間を要す
ることから、光造形速度が小さくなり、生産性の低下の
要因となる。
【0006】さらに、光学的立体造形では、光硬化性樹
脂としてアクリレート系光硬化性樹脂が多く用いられて
いるが、アクリレート系光硬化性樹脂は、大気中の酸素
により硬化阻害を起こすことがあり、アクリレート系光
硬化性樹脂を十分に硬化させるためには、照射エネルギ
ーを多くする必要があり、エネルギー効率の低下を招き
易い。そのような硬化阻害の問題は、光硬化性樹脂液層
を大気中に露出させた状態で光照射を行う上記した
(1)および(2)の方法のいずれにおいても生ずる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術における欠点のない光学的立体造形方法お
よび光学的立体造形装置を提供することである。より具
体的には、本発明の目的は、造形浴内に貯溜した光硬化
性樹脂液の表面張力に伴う光学的立体造形物表面におけ
る寸法精度の低下(非平坦状態)の問題がなく、表面張
力の低い光硬化性樹脂を特に選択して使用する必要がな
くそれぞれの用途や目的に合致した光硬化性樹脂を自由
に選択して使用することができ、センサーによって液面
位を検知しその検知結果に基づいて造形浴内でカウンタ
ーボリュームを上下動させて液面位を一定に保つ高価な
装置を用いる必要がなく、テーブルや硬化樹脂層上に塗
工した光硬化性樹脂液層の波立ちがなくなるまでの待機
時間をとる必要がなく、さらには大気中の酸素によるア
クリレート系光硬化性樹脂の硬化阻害の問題を生ずるこ
となく、所定の形状および寸法を有する立体造形物を、
高い寸法精度で、且つ速い光造形速度および良好なエネ
ルギー効率で製造することのできる光学的立体造形方法
および光学的立体造形装置を提供することである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の目的を達成すべ
く本発明者は鋭意検討を重ねてきた。その結果、造形浴
内に貯溜した液状の光硬化性樹脂に光を照射して硬化樹
脂層を形成させる工程を繰り返して行う光学的立体造形
物の製造技術において、造形浴内に貯溜した光硬化性樹
脂液の液面に、光透過性のプレートを、その下面を光硬
化性樹脂の液面に接触させて配置して該プレートによっ
て光硬化性樹脂液の表面を平坦化し、その状態で所定の
パターンおよび深さで光硬化性樹脂を硬化させると、盛
り上がりがなくて平坦な硬化樹脂層が形成されること、
そして前記の工程を所定の形状および寸法の立体造形物
が形成させるまで繰り返すことによって、平らな表面を
有し寸法精度に優れる立体造形物が得られることを見出
した。そして、本発明者らは、前記のプレートとして撓
み性を有するプレート、特に特定の曲げ弾性率を有する
プラスチックプレートを用いると、プレート下面に光硬
化性樹脂を形成した後に、該プレートを湾曲させること
によって、硬化樹脂層の端部からプレートを円滑に剥離
できることを見出した。
【0009】さらに、本発明者らは、前記のプレートと
して、その両端を上方に折り曲げた形状のものを使用す
ると、硬化樹脂層からプレートを剥離させる際のプレー
トの湾曲、硬化樹脂層からプレートを剥離した後のプレ
ートの湾曲解除を円滑に行えることを見出した。また、
本発明者らは、硬化樹脂層からプレートを剥離させる際
に、プレート下面と硬化樹脂層との境界にブレードを挿
入すると、硬化樹脂層からのプレートの剥離がより円滑
に行い得ることを見出した。さらに、本発明者らは、前
記した光学的立体造形を行う場合は、光照射時に光硬化
性樹脂液の液面がプレートで覆われているために、光硬
化性樹脂液と酸素の接触が断たれて、光硬化性樹脂液が
速やかに光硬化され、造形速度の向上およびエネルギー
効率の向上が得られることを見出し、それらの種々の知
見に基づいて本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、 (1)(i)造形浴内に貯溜してある光硬化性樹脂液の
液面に、光透過性で且つ撓み性を有するプレートの下面
を接触・配置して、光硬化性樹脂液の液面を前記プレー
トで押圧・平坦化する工程; (ii)前記平坦化状態で前記プレートの上方から光照射
して光硬化性樹脂液を予め設計された所定のパターンお
よび厚さで光硬化させてプレートの下面に硬化樹脂層を
形成する工程; (iii)前記プレートを湾曲させて前記硬化樹脂層の端
部からプレートを徐々に剥離する工程;および、 (iv)前記硬化樹脂層を造形浴内で下方に移動させて該
硬化樹脂層の上に造形浴内の光硬化性樹脂液を流動さ
せ、光硬化性樹脂液の所定厚の液層を形成させる工程; を有し、以後、所定の形状および寸法を有する立体造形
物が形成されるまで、前記の工程(i)〜(iv)を繰り
返して積層・造形を行って立体造形物を製造することを
特徴とする光学的立体造形方法である。
【0011】そして、本発明は、 (2) 前記プレートが、JIS K 7203により
測定した曲げ弾性率が50〜400kg/mm2である
プラスチックプレートである前記(1)の光学的立体造
形方法; (3) 前記プレートがその両端に沿って上方に突出す
る耳部を有する方形のプレートであって、プレートの両
端に設けた前記耳部の一方または両方を把持するか又は
押圧してプレートを湾曲させて、前記硬化樹脂層の端部
からプレートを剥離させる前記(1)または(2)の光
学的立体造形方法;および、 (4) 前記工程(iii)における硬化樹脂層の端部か
らのプレートの剥離時に、プレート下面と硬化樹脂層と
の接触面にブレードを挿入して、硬化樹脂層からのプレ
ートの剥離を促進する前記(1)〜(3)のいずれかの
光学的立体造形方法; を好ましい態様として包含する。
【0012】さらに、本発明は、 (5) 光硬化性樹脂液を貯溜するための造形浴;光透
過性で且つ撓み性を有するプレート;前記プレートを造
形浴中の光硬化性樹脂液面に接触配置させるための手
段;所定のパターンおよび厚さでプレートの下面に接触
している光硬化性樹脂液を硬化させる制御手段を備えた
光照射装置;前記プレートを硬化樹脂層から剥離させる
ためにプレートを湾曲させ且つ硬化樹脂層からのプレー
トの剥離後にプレートの湾曲を解除する手段;造形内で
形成された硬化樹脂層の載置および下方への移動手段;
並びに、前記の手段を順次作動させるための制御手段;
を備えていることを特徴とする光学的立体造形装置であ
る。
【0013】そして、本発明は、 (6) 前記プレートが、JIS K 7203により
測定した曲げ弾性率が50〜400kg/mm2である
プラスチックプレートである前記(5)の光学的立体造
形装置; (7) 前記プレートが、その両端に沿って上方に突出
する耳部を有する方形のプレートである前記(5)また
は(6)の光学的立体造形装置;および、 (8) 硬化樹脂層からのプレートの剥離時にプレート
下面と硬化樹脂層との接触面に挿入されるブレードを更
に備える前記(5)〜(7)のいずれかの光学的立体造
形装置; を好ましい態様として包含する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の光学的立体造形方法および装置では、光
造形内に貯溜した光硬化性樹脂液を用いる。光硬化性樹
脂液としては、光学的立体造形に用い得る光硬化性樹脂
液や液状の光硬化性樹脂組成物(以下これらを総称して
「光硬化性樹脂液」という)のいずれもが使用でき、光
硬化性樹脂液の種類は特に制限されない。造形浴内に
は、上下動可能なテーブル(基板)を配置してあり、該
テーブルが光硬化により形成された硬化樹脂層(造形途
中の成形品、最終的に得られる立体造形物)を載置し且
つ下方から支持しつつ光造形が行われる。
【0015】本発明では、造形浴内に貯溜してある光硬
化性樹脂液の液面に、光透過性で且つ撓み性を有するプ
レートを、その下面を接触させて配置し、光硬化性樹脂
液の液面を前記プレートで押圧・平坦化する[工程
(i)]。プレートによる光硬化性樹脂液の液面の押圧
・平坦化時には、プレートが液面上で動かないように且
つプレートが光硬化性樹脂液中に沈まず、プレートの下
面が液面と接触した状態で液面の押圧・平坦化が行われ
るようにしておくことが必要であり、そのための適当な
プレートの位置維持手段を設けておくことが望ましい。
【0016】ここで、本発明で用いる、「光透過性で且
つ撓み性を有するプレート」とは、光透過性で、しかも
外部応力を加えた際にプレートに亀裂や破損を生ずるこ
となく湾曲させることができ、一方前記外部応力を除い
たときに、プレート自身の弾性回復性能によって元の平
坦状態に復元するプレートをいう。本発明では、光硬化
性樹脂液の液面に接触配置するプレートとして、光透過
性で且つ撓み性を有し、プレートを湾曲させることによ
って硬化樹脂層から剥離できるプレートであればいずれ
も使用できる。そのうちでも、JIS K 7203に
より測定した曲げ弾性率が50〜400kg/mm2
ある、光透過性のプラスチックプレートが好ましく用い
られる。前記した曲げ弾性率を有するプラスチックプレ
ートは、適度な反発弾性を有していて、プレートの湾曲
が容易であり且つプレートを湾曲させたときに硬化樹脂
層からの剥離が円滑に行われ、しかもプレートを湾曲さ
せていた外部応力を解除すると速やかに元の平坦状態に
戻ることができる。光透過性で且つ前記した曲げ弾性率
を有するプラスチックプレートとしては、例えば、アク
リル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、
セルロイドなどの光透過性のプラスチックから製造され
るプレートを挙げることができる。
【0017】プレートの形状は、平坦な下面(光硬化性
樹脂液と接触する面)を有し且つプレートの湾曲が円滑
に行えるような形状であればいずれでもよい。そのうち
でも、プレートとして、その両端に沿って上方に突出す
る耳部を有する方形のプレートが好ましく用いられる。
耳部を有する前記のプレートを用いる場合は、プレート
の両端にも設けた耳部の一方または両方を把持するかま
たは押圧することによってプレートを容易に湾曲させる
ことが可能になり、硬化樹脂層の端部からのプレートの
剥離操作が円滑に行われる。
【0018】プレートの縦横方向の寸法(平面寸法)
は、製造する立体造形物の平面寸法、造形浴の大きさな
どに応じて決めることができ特に制限されないが、光造
形により形成される硬化樹脂層の全体を平面的に覆うこ
とのできる寸法であることが必要である。プレートの厚
さは特に制限されず、光造形時や硬化樹脂層からの剥離
時に破損せず且つ撓み性を有し、プレートを湾曲させて
いた応力を解除したときに、元の平坦状態に復元するこ
とのできる厚さであればいずれでもよい。一般的には、
プレートの厚さを約0.5〜5mm程度としておくこと
が好ましい。
【0019】次いで、前記プレートの下面を光硬化性樹
脂液の液面に接触配置して液面を押圧・平坦化した状態
で、プレートの上方から光を照射して、予め設計された
所定のパターンおよび厚さで光硬化性樹脂を光硬化させ
てプレートの下面に硬化樹脂層を形成する[工程(i
i)]。光照射のしかたは特に制限されず、例えばスポ
ット状の光線を光硬化性樹脂液面に照射して描画方式で
硬化樹脂層を形成しても、線状になした光線を照射して
硬化樹脂層を形成しても、またはマスクなどを使用して
光線を面状で照射して硬化樹脂層を形成してもよい。ま
た、照射する光の種類も特に制限されず、光学的立体造
形で使用されている光のいずれも使用でき、例えば、A
rレーザー、He−Cdレーザー、キセノンランプ、メ
タルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯などから発生され
る活性エネルギー光線のいずれも使用でき、そのうちで
もレーザー光線が造形速度、高集光性による高造形精度
などの点から好ましく採用される。照射する光の強さ、
光硬化性樹脂液の液面と光源の距離なども、各々の状況
に応じて適宜設定することができる。
【0020】前記の工程(ii)でプレートの下面側に硬
化樹脂層を形成した後、プレートを湾曲させて前記硬化
樹脂層の端部からプレートを徐々に剥離し、プレートを
硬化樹脂層から分離させる[工程(iii)]。硬化樹脂
層からのプレートの剥離に当たっては、プレートの一端
(1辺)を徐々に上方に湾曲させてプレートを硬化樹脂
層の一端から徐々に剥離しても、またはプレートの両端
(対向する2つの辺)を同時に上方に湾曲してプレート
を硬化樹脂層の両端から徐々に剥離してもよく、硬化樹
脂層の平面寸法や平面パターンなどに応じて適当な方法
を選択して採用するようにすればよい。プレートとして
その両端に沿って上方に突出する耳部を有する方形のプ
レートを用いる場合は、上述のように、プレートの両端
に設けた耳部の一方または両方を把持するかまたは押圧
することによってプレートをその一端または両端から上
方に徐々に湾曲させることにより、プレートを硬化樹脂
層の一端または両端から円滑に且つ徐々に剥離させるこ
とができる。
【0021】この工程(iii)において、硬化樹脂層の
端部からのプレートの剥離を促進させるために、プレー
ト下面と硬化樹脂層との接触面にブレード(薄いナイフ
状物など)を挿入し、形成された硬化樹脂層に損傷を生
じないようにしながら、プレートを硬化樹脂層から剥離
するようにしてもよい。
【0022】プレートを硬化樹脂層から完全に剥離した
後は、プレートを元の平坦位置(硬化樹脂層液の液面位
置)にそのまま配置した状態にしておいても、または液
面よりも高い位置(大気中)まで一端持ち上げてもよ
い。硬化樹脂層からのプレートの剥離を容易にするため
に、プレートの下面に離型剤を塗布しておくことも考え
られるが、離型剤を塗布しておくと硬化樹脂層からのプ
レートの剥離は容易になるが、一方でその離型剤が硬化
樹脂層面に残留しその硬化樹脂層上に更に次の硬化樹脂
層を積層した時に両硬化樹脂層の接着が弱くなり、得ら
れる光学的立体造形物で層間剥離を生じ易くなり造形物
の強度が低下することがあるので、注意を要する。
【0023】上記した一連の工程(i)〜(iii)によ
って、造形浴の液面位置に1つの硬化樹脂層を形成した
後、該硬化樹脂層を載置・支持しているテーブルを造形
浴内で次の1層分に相当する距離で下方に移動させ、該
硬化樹脂層の上に造形浴内の光硬化性樹脂液を流動させ
て、光硬化性樹脂液の所定厚の液層(1層分の液層)を
形成させる[工程(iv)]。
【0024】そして、工程(iv)で硬化樹脂層の上に形
成された前記の光硬化性樹脂液の液層に対して、上記し
た(i)〜(iv)の一連の工程を繰り返して行い、所定
の形状および寸法を有する立体造形物が形成されるまで
更に工程(i)〜(iv)を繰り返して積層・造形を行う
ことによって、平坦な表面を有し、寸法精度に優れる立
体造形物を、良好なエネルギー効率および高い光造形速
度で円滑に製造することができる。本発明において、上
記した一連の工程(i)〜(iv)を自動制御方式によっ
て行うようにすると、寸法精度に優れる光学的立体造形
を、より高い光造形速度で製造することができる。
【0025】
【実施例】以下に図を参照して本発明について具体的に
説明する。しかしながら、本発明は図のものに何ら限定
されない。図2の(a)に示すように、造形浴1内に光
硬化性樹脂液2を貯溜する。造形浴1内には造形物(硬
化樹脂層)L1を載置するための上下動可能なテーブル
3を配置する。次いで、図2の(b)に示すように、光
透過性で且つ撓み性を有するプレート4を、光硬化性樹
脂液2の液面2’に接触・配置して液面の押圧・平坦化
を行うと共に液面2’を大気中の酸素から遮断する。プ
レート4の液面2’への接触配置は図示していない手段
により自動的に行うようにすることが望ましい。光硬化
性樹脂液2の液面2’に接触配置するプレート4とし
て、図3に具体的に例示するような、その両端に沿って
上方に突出する耳部2a,2bを有するプラスチックプ
レートが好ましく用いられる。
【0026】プレート4を光硬化性樹脂液の液面2’に
接触配置して液面を押圧・平坦化した状態で、図2の
(c)に示すように、プレート4の上方に設置した光源
5から光(例えばレーザー光など)を照射して、図2の
(d)に示すように、光硬化性樹脂液2を予め設計され
た所定のパターンおよび厚さで光硬化させて、プレート
4の下面に硬化樹脂層L2を形成する。
【0027】その後、図2の(e)〜(h)に示すよう
に、プレート4を徐々に湾曲させつつ、プレート4を硬
化樹脂層L2の端部から徐々に剥離させ、最後にプレー
ト4を硬化樹脂層L2から完全に分離する[図2の
(h)]。図2の(e)〜(h)に示す硬化樹脂層L2
からのプレート4の剥離工程を行うに当たっては、例え
ば、図4に示す方法などを採用することができる。図4
の(a)では、プレート4の一端の耳部4aを適当な把
持手段6で把持し、プレート4のもう一方の耳部4bを
適当な固定手段7で固定し、固定手段7で耳部4bを固
定した状態で耳部4aを把持手段6で把持して徐々に上
方に持ち上げてプレート4を湾曲させて、硬化樹脂層L
2からのプレート4の剥離を行うようにしている。ま
た、図4の(b)では、プレート4の中央部を固定手段
7で固定しておき、プレート4の耳部4a,4bを把持
手段6a,6bで把持し、中央を固定手段8した状態で
耳部4a,4bを把持手段6a,6bで把持して徐々に
上方に持ち上げてプレート4を湾曲させて、硬化樹脂層
2からのプレート4の剥離を行うようにしている。さ
らに、例えば図4の(c)に示すように、把持手段6の
代わりに押圧手段8を用いて、固定手段7で耳部4bを
固定した状態で耳部4aを押圧手段9で押圧しながら徐
々に上方に持ち上げてプレート4を湾曲させて、硬化樹
脂層L2からのプレート4の剥離を行う方法を採用する
こともできる。また、図5に示すように、プレート4を
湾曲させて硬化樹脂層L2から剥離する際に、プレート
4の下面と硬化樹脂層L2との接触面に、その先端が薄
い刃物状を呈するブレード10などを挿入して、硬化樹
脂層L2からのプレート4の剥離を促進させるようにし
てもよい。
【0028】プレート4を分離した後に、次いで図2の
(i)に示すように造形物(硬化樹脂積層物)L2/L1
を載置したテーブル3を次の硬化樹脂層の厚み分で下方
に下げると共に湾曲していたプレート4を元の平坦状態
に復元させ、前記した図2の(b)〜(i)の一連の工
程を繰り返すことによって、目的とする形状および寸法
を有する立体造形物を製造する。その際に、湾曲してい
たプレート4の平坦状態への復元と、テーブル3上の造
形物(硬化樹脂積層物)L2/L1の造形浴中での下方へ
の移動は同時に行ってもまたは逐次に行ってもよい。ま
た、上記一連の工程を、消費された光硬化性樹脂の量に
応じて光硬化性樹脂を造形浴1に供給しながら光硬化性
樹脂液の液面2’の高さが所定の高さに保ちながら行う
のが望ましい。これにより、寸法精度に優れる立体造形
物を高い光造形速度で且つ良好な光エネルギー効率で製
造することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の光学的立体造形方法および光学
的立体造形装置による場合は、造形浴内に貯溜した光硬
化性樹脂液の表面張力に伴う光学的立体造形物表面にお
ける寸法精度の低下(非平坦状態)の問題が解消され
る。さらに、本発明による場合は、表面張力の低い光硬
化性樹脂を特に選択して使用する必要がなくなって各用
途や目的に合致した光硬化性樹脂を自由に選択して光学
的立体造形を行うことができる。そして、本発明による
場合は、センサーによって液面位を検知しその検知結果
に基づいて造形浴内でカウンターボリュームを上下動さ
せて液面位を一定に保つ高価な装置が不要である。
【0030】その上、本発明による場合は、光硬化性組
成物の塗工工程が不要になり、それに伴って塗工に伴う
光硬化性樹脂液層の波立ちの問題がなく、泡立ちを消失
させるための待機時間が不要となる。しかも、本発明に
よる場合は、光硬化性樹脂液の液面を光透過性プレート
で覆った状態で光照射を行うために、大気中の酸素によ
るアクリレート系光硬化性樹脂の硬化阻害の問題がなく
なる。さらに、本発明による場合は、プレートの撓む性
によって光照射により形成した硬化樹脂層からのプレー
トの剥離を簡単に且つ円滑に行うことができる。その結
果、本発明による場合は、平坦な表面を有し、寸法精度
に優れる光学的立体造形物を、速い光造形速度、および
良好なエネルギー効率で円滑に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の自由液面法により得られる光学的立体造
形物の表面形状の概略を示す図である。
【図2】本発明の光学的立体造形方法および装置の一例
を示す概略図である。
【図3】本発明で用いる、光透過性で且つ撓み性を有す
るプレートの一例を示す図である。
【図4】プレートを湾曲して硬化樹脂層から剥離する際
の湾曲方式の具体例を示す図である。
【図5】硬化樹脂層からプレートを剥離する際にブレー
ドを用いて剥離を促進する場合の例を示す図である。
【符号の説明】
1 硬化樹脂層 L2 硬化樹脂層 1 造形浴 2 光硬化性樹脂液 2’ 光硬化性樹脂液の液面 3 テーブル 4 プレート 5 光源 6 プレートの耳部の把持手段 7 固定手段 8 固定手段 9 ブレード

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)造形浴内に貯溜してある光硬化性
    樹脂液の液面に、光透過性で且つ撓み性を有するプレー
    トの下面を接触・配置して、光硬化性樹脂液の液面を前
    記プレートで押圧・平坦化する工程; (ii)前記平坦化状態で前記プレートの上方から光照射
    して光硬化性樹脂液を予め設計された所定のパターンお
    よび厚さで光硬化させてプレートの下面に硬化樹脂層を
    形成する工程; (iii)前記プレートを湾曲させて前記硬化樹脂層の端
    部からプレートを徐々に剥離する工程;および、 (iv)前記硬化樹脂層を造形浴内で下方に移動させて該
    硬化樹脂層の上に造形浴内の光硬化性樹脂液を流動さ
    せ、光硬化性樹脂液の所定厚の液層を形成させる工程; を有し、以後、所定の形状および寸法を有する立体造形
    物が形成されるまで、前記の工程(i)〜(iv)を繰り
    返して積層・造形を行って立体造形物を製造することを
    特徴とする光学的立体造形方法。
  2. 【請求項2】 前記プレートが、JIS K 7203
    により測定した曲げ弾性率が50〜400kg/mm2
    であるプラスチックプレートである請求項1に記載の光
    学的立体造形方法。
  3. 【請求項3】 前記プレートがその両端に沿って上方に
    突出する耳部を有する方形のプレートであって、プレー
    トの両端に設けた前記耳部の一方または両方を把持する
    かまたは押圧してプレートを湾曲させて、前記硬化樹脂
    層の端部からプレートを剥離させる請求項1または2に
    記載の光学的立体造形方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(iii)における硬化樹脂層の
    端部からのプレートの剥離時に、プレート下面と硬化樹
    脂層との接触面にブレードを挿入して、硬化樹脂層から
    のプレートの剥離を促進する請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の光学的立体造形方法。
  5. 【請求項5】 光硬化性樹脂液を貯溜するための造形
    浴;光透過性で且つ撓み性を有するプレート;前記プレ
    ートを造形浴中の光硬化性樹脂液面に接触配置させるた
    めの手段;所定のパターンおよび厚さでプレートの下面
    に接触している光硬化性樹脂液を硬化させる制御手段を
    備えた光照射装置;前記プレートを硬化樹脂層から剥離
    させるためにプレートを湾曲させ且つ硬化樹脂層からの
    プレートの剥離後にプレートの湾曲を解除する手段;造
    形内で形成された硬化樹脂層の載置および下方への移動
    手段;並びに、前記の手段を順次作動させるための制御
    手段;を備えていることを特徴とする光学的立体造形装
    置。
  6. 【請求項6】 前記プレートが、JIS K 7203
    により測定した曲げ弾性率が50〜400kg/mm2
    であるプラスチックプレートである請求項5に記載の光
    学的立体造形装置。
  7. 【請求項7】 前記プレートが、その両端に沿って上方
    に突出する耳部を有する方形のプレートである請求項6
    または7に記載の光学的立体造形装置。
  8. 【請求項8】 硬化樹脂層からのプレートの剥離時にプ
    レート下面と硬化樹脂層との接触面に挿入されるブレー
    ドを更に備える請求項5〜7のいずれか1項に記載の光
    学的立体造形装置。
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