JP2000263607A - 射出成形機および射出成形方法 - Google Patents

射出成形機および射出成形方法

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JP2000263607A JP11072745A JP7274599A JP2000263607A JP 2000263607 A JP2000263607 A JP 2000263607A JP 11072745 A JP11072745 A JP 11072745A JP 7274599 A JP7274599 A JP 7274599A JP 2000263607 A JP2000263607 A JP 2000263607A
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正志 寺山
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Yukio Yoshizawa
行雄 吉沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂の安定的な均一可塑化と、安定制御を実
現する。 【解決手段】 充填シリンダ51の作動により充填プラ
ンジャー44を前進させて樹脂を射出ノズル47から射
出する充填装置26と、油圧モータ30の作動により可
塑化スクリュ29を回転させて樹脂を充填用加熱筒43
の樹脂溜まり部48に供給する可塑化装置25と、押圧
駆動装置57の作動により押し込みプランジャー56を
移動させて樹脂溜まり部48の樹脂を加圧減圧する溶融
樹脂加圧減圧装置27とを具備し、射出工程での樹脂圧
力やサックバック工程での背圧等を4方向サーボ弁90
で制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂材料を可
塑化した後に射出して、成形を行う射出成形機および射
出成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、合成樹脂材料(以下、樹
脂という)から構成される物品を安価に、かつ多量に得
る方法として、射出成形機を用いた射出成形が広く行わ
れている。従来、この種の射出成形機は、その射出装置
の構造により、一本のスクリュで可塑化と射出を行うイ
ンラインスクリュ式射出成形機と、可塑化と射出を別々
のプロセスで行うプリプラ式射出成形機とに大別されて
いる。
【0003】図15に、従来技術によるインラインスク
リュ式射出成形機の一例(特開平6−33594号公
報)を示す。この図において、符号1は射出成形機であ
る。この射出成形機1は、ノズル2を有する加熱筒3内
に、先端のスクリュヘッド7に逆流防止弁4が設けられ
た射出スクリュ5を軸方向に移動自在、かつ軸線回りに
回転自在に挿入したものである。
【0004】その射出スクリュ5には、該射出スクリュ
5による充填工程および保圧工程を制御する射出充填・
保圧手段8が付設されており、この射出充填・保圧手段
8は、射出スクリュ5を軸方向に移動させる射出シリン
ダ6と、射出スクリュ5を回転させる油圧モータ(図示
せず)と、射出シリンダ6内の油圧を検知する油圧セン
サー9と、該油圧センサー9の検知結果に基づいて射出
シリンダ6の駆動を制御する油圧電気制御手段10とを
備えた構成とされている。
【0005】そして、射出シリンダ6によって射出スク
リュ5の後退に背圧をかけながら射出スクリュ5を油圧
モータで回転させることにより、樹脂を可塑化して射出
スクリュ5とノズル2との間の溶融樹脂溜まり部T1に
計量して供給した後、射出スクリュ5を射出シリンダ6
で前進させて計量された樹脂をノズル2から射出できる
ようになっている。
【0006】また、逆流防止弁4は、射出スクリュ5の
計量後退時に、弁座5aからスクリュヘッド7側に離間
して樹脂溜まり部T1への樹脂の流動を自由にして、射
出スクリュ5の射出移動時に、弁座5aに移動・密接し
て樹脂の逆流を防止する。そして、充填工程における樹
脂圧は、射出シリンダ6の油圧回路に設けられた圧力制
御弁(図示せず)によって制御される。
【0007】一方、従来技術によるプリプラ式射出成形
機としては、図16に示すようなものが提供されてい
る。この図に示す射出成形機11には、合成樹脂を可塑
化および計量する可塑化計量機構12と、該可塑化計量
機構12から供給される合成樹脂を射出する射出機構1
3とが分離された状態で配設されている。
【0008】可塑化計量機構12は、可塑化部加熱筒1
4内に可塑化スクリュ15を軸線回りに回転自在に挿入
したものであって、ここで可塑化、計量された樹脂は溶
融状態で供給路16を通じて射出機構13へ供給され
る。
【0009】射出機構13は、ノズル23を有する充填
用加熱筒17内を軸方向に移動自在に配置された充填プ
ランジャー18と、該充填プランジャー18を充填ラム
19を介して軸方向に移動させる充填シリンダ20と、
該充填シリンダ20内の油圧を検知する油圧センサー2
1と、該油圧センサー21の検知結果に基づいて充填ラ
ム19の作動を制御する油圧電気制御手段22とから概
略構成されており、充填プランジャー18の前方には、
可塑化計量機構12から供給される溶融樹脂を貯留する
溶融樹脂溜まり部T2が設けられている。
【0010】上記の構成の射出成形機11によれば、可
塑化計量工程において、可塑化計量機構12の可塑化ス
クリュ15が回転することにより、樹脂が可塑化および
計量され、供給路16を通じて溶融樹脂として射出機構
13の溶融樹脂溜まり部T2に貯留される。
【0011】そして、射出工程において、射出機構13
により溶融樹脂溜まり部T2の溶融樹脂がノズル23か
ら射出される。即ち、油圧電気制御手段22が、充填シ
リンダ20内の油圧を制御することにより、充填ラム1
9を介して充填プランジャー18を軸方向前方に移動さ
せる。これにより、溶融樹脂溜まり部T2の溶融樹脂の
樹脂圧が高まり、ノズル23から射出される。
【0012】しかしながら、上述したような従来の射出
成形機には、以下のような問題が存在する。インライン
スクリュ式の射出成形機1においては、射出充填・保圧
手段8の油圧電気制御手段10が射出シリンダ6を介し
て、樹脂の充填工程と保圧工程の両方を制御していた。
また、射出スクリュ5を、サーボモータ等の電動駆動源
により駆動させる電動式の射出成形機においても、一系
統の電動機が充填工程と保圧工程の両方を制御してい
る。
【0013】そのため、一つのアクチュエータで、充填
工程に係る速度制御モードと、保圧工程に係る圧力制御
モードとを切り換えることになるが、工程切換え、即ち
制御モード切換えを円滑に行うことは困難であり、結果
として、図17に示すように、樹脂に加わる圧力が不連
続になってしまっていた。
【0014】特に、充填工程と保圧工程の切換点である
保圧切換位置S1においては、切換えの際の衝撃によ
り、いわゆるサージ圧が発生して、樹脂圧が異常に高く
なっていた。これにより、金型内に充填される樹脂圧も
高くなり、成形品にバリが発生するという不具合があっ
た。
【0015】一方、成形品にバリを発生させないため
に、保圧切換位置S1をB方向、即ち、充填時間を短く
する方向に調整移動したときには、上記とは逆にショー
トショットが発生したり、各種制御要素の動作の微妙な
変動によりサージ圧のレベルや輪郭が変化して、上記バ
リやショートショットが不規則に、かつ、混在する形で
発生して成形が安定しないという不具合があった。この
成形が不安定状態にあるときは、最適な成形条件を探し
出すのが非常に困難であり、また、適切な成形条件幅も
極めて狭いものとなり、成形作業に従事する者にとって
は、大きな手間となっていた。
【0016】また、従来、インラインスクリュ式射出成
形機1における圧力制御は、射出スクリュ5の後端に設
けられた射出シリンダ6を介して行われているが、この
射出シリンダ6と溶融樹脂との間には、射出スクリュ5
を含めて種々の部材が介在するため、圧力制御を行って
もこれらの部材での圧力損失により、溶融樹脂に所望の
圧力が伝達されるとは限らず、このことが成形が安定し
て行われない状態(成型ばらつき)を生ずる一因となっ
ていた。
【0017】また、樹脂の計量供給は、射出スクリュ5
の軸方向の移動により行われており、供給量はその移動
ストロークにより設定される。ところが、この移動スト
ロークの始点および終点は、機械的に位置決めされてい
ないので、若干の変動が生じ、結果として樹脂供給量に
変動が生じることになり、これも成形ばらつきの一因と
なっていた。
【0018】さらに、樹脂の可塑化時においては、射出
スクリュ5が可塑化が進むにつれて樹脂圧により後退す
る。そのため、可塑化開始時点と可塑化完了時点とで
は、樹脂が混練される射出スクリュ5の有効長さが異な
ることになり、溶融樹脂溜まり部T1に貯留される溶融
樹脂の溶融状態が一定にならずに温度勾配が発生してし
まい、成形ばらつきの一因となっていた。
【0019】また、射出スクリュ5の先端に設けられた
逆流防止弁4は、該逆流防止弁4の前後の圧力差によっ
て移動する(開閉する)構造であるが、射出充填動作時
の射出スクリュ5の前進移動の際にも、スクリュヘッド
7に付着した状態で追従して移動することがあり、この
場合、逆流防止が解除されてしまい、溶融樹脂溜まり部
T1に貯留される樹脂圧および充填圧に変動が生じ、こ
れも成形ばらつきの一因になっていた。
【0020】一方、プリプラ式射出成形機11において
は、可塑化計量機構12と射出機構13とが分離されて
おり、また、充填プランジャー18の先端に逆流防止弁
を必要としないため、上記インラインスクリュ式射出成
形機1における不具合の内、樹脂が混練される射出スク
リュ5の有効長さが異なること、射出充填動作時に逆流
防止が解除されてしまうことによるものは解消される。
【0021】そして、充填プランジャー18の直径を可
塑化スクリュ15の直径と関係なく任意に設定できるの
で、例えば、小径に設定することで、中、小物超精密成
形に対応することが可能になっている。
【0022】ところが、このプリプラ式射出成形機11
においても、上記インラインスクリュ式射出成形機1の
不具合の内、制御モード切換えを円滑に行うことの困難
さ、油圧モータと溶融樹脂との間の圧力損失、樹脂供給
量の変動に起因するものについては、完全に解決するに
至っておらず、特に、制御モード切換え、即ち充填工程
から保圧工程への最適な切換制御については、プリプラ
式においてもインラインスクリュ式と同様に構造的に難
しいものであり、その解決策が強く望まれていた。
【0023】そこで、本発明の出願人は、先に図18に
示すプリプラ式射出成形機24Aを開発した(特願平9
−330704号)。この新しい射出成形機24Aは、
射出ノズル47を有する充填用加熱筒43に充填プラン
ジャー44がその軸方向に移動自在に挿入されており、
油圧回路に方向切換弁58とオープン制御の流量制御弁
59及びタンク83に排出される作動油の圧力をオープ
ン制御する電磁比例圧力制御弁(図示せず)が設けられ
た充填シリンダ51の作動により充填プランジャー44
を前進させて該充填プランジャー44と射出ノズル47
との間の樹脂溜まり部48に導入された溶融樹脂を、射
出ノズル47から射出する充填装置26と、可塑化用加
熱筒28にその軸線回りに回転自在に可塑化スクリュ2
9が挿入されており、油圧モータ30の作動により可塑
化スクリュ29を回転させて、樹脂を可塑化して充填用
加熱筒43の樹脂溜まり部48に溶融樹脂を供給する可
塑化装置25と、押し込みプランジャー56を有し、押
し込みシリンダ61の作動により押し込みプランジャー
56を移動させて充填用加熱筒43の樹脂溜まり部48
に導入された前記溶融樹脂を加圧減圧する溶融樹脂加圧
減圧装置27と、充填シリンダ51のストッパロッド5
3を当接させることにより充填プランジャー44のスト
ロークを規制する、ハンドル52C操作のストローク規
制手段52とを具備し、充填装置26の樹脂溜まり部4
8に導入された溶融樹脂を、溶融樹脂加圧減圧装置27
により適時に圧力制御して、充填装置26により射出す
ることができるようになっている。
【0024】したがって、この射出成形機24Aによれ
ば、サージ圧が発生することはなく、滑らかな圧力切換
特性が得られるので、バリやショートショット等の成形
不良を解消することができると共に、成形品に応じてば
らつきのない最適な成形条件を設定することができる。
なお、充填プランジャー44の射出速度は流量制御弁5
9によって制御し、また充填プランジャー44の計量後
退時の背圧は、図示されていない前記電磁比例圧力制御
弁によって制御する。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の射出成
形機24Aには次のような課題があることが判明した。 (イ) 樹脂の供給(可塑化スクリュ29回転)中にお
いて、充填プランジャー44は、溶融樹脂溜まり部48
に発生する樹脂圧力によって後退させられることになる
が(後退速度は制御されていない。)、この時、充填用
加熱筒43の内径部と充填プランジャー44の外径部の
間に形成される樹脂被膜の抵抗等によって、充填プラン
ジャー44の後退がスムーズに行われない状態が発生す
る。最悪の場合には、充填プランジャー44の後退が停
止してしまうことで溶融樹脂溜まり部48に発生する樹
脂圧が急上昇し、所定の時間内に供給が完了しない不具
合が発生する(充填プランジャー44が供給完了位置ま
で後退しきらない)。
【0026】(ロ) 上記のように、充填プランジャー
44の後退がスムーズに行われない場合には、背圧も安
定的に制御できない不具合が発生しやすい。
【0027】(ハ) 充填速度制御は流量制御弁59で
オープン制御されていることから、その制御安定性は作
動油温度の影響を受けること等、超精密成形を目指す上
で、必ずしも適切な制御方法であるとは言えない。成形
が難しく成れば成るほど、本制御方式での対応は困難に
なる。
【0028】(ニ) 供給後の計量完了位置(サックバ
ック完了位置)をサイクル毎に一定にし、安定成形を実
現する目的でストローク規制手段52を設けているが、
成形条件を変更する度にハンドル52cを回してストロ
ーク量を調整しなければならず、煩わしい。又、ストロ
ーク規制手段52を設けた分だけ機械長さ寸法が大きく
なってしまい、省スペース化が強く求められる中で問題
となる。
【0029】本発明は、「樹脂の安定的な均一可塑化」
と「充填速度の繰り返し安定制御」を実現することがで
きる射出成形機および射出成形方法を提供することを目
的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、射出ノズルを有する充填
用加熱筒に充填プランジャーがその軸方向に移動自在に
挿入されており、充填シリンダの作動により充填プラン
ジャーを前進させて該充填プランジャーと前記射出ノズ
ルとの間の樹脂溜まり部に導入された溶融樹脂を、前記
射出ノズルから射出する充填装置と、可塑化用加熱筒に
その軸線回りに回転自在に可塑化スクリュが挿入されて
おり、回転駆動装置の作動により該可塑化スクリュを回
転させて、樹脂を可塑化して前記充填用加熱筒の樹脂溜
まり部に溶融樹脂を供給する可塑化装置と、押し込みプ
ランジャーを有し、押圧駆動装置の作動により該押し込
みプランジャーを移動させて前記充填用加熱筒の樹脂溜
まり部に導入された前記溶融樹脂を加圧減圧する溶融樹
脂加圧減圧装置とを具備し、前記充填装置の樹脂溜まり
部に、該樹脂溜まり部の樹脂圧を検出する圧力センサー
を設け、前記充填シリンダの油圧回路に4方向サーボ弁
を設け、前記圧力センサーと4方向サーボ弁に前記圧力
センサーの検出結果に基づいて前記4方向サーボ弁を制
御する制御装置を接続した構成とした。
【0031】上記の手段では、可塑化装置により可塑化
された樹脂を樹脂流路から樹脂溜まり部へ導入すること
ができる。そして、この樹脂を充填シリンダの作動によ
り、充填プランジャーが射出ノズルから射出することが
できる。この射出工程において、樹脂流路に導入された
樹脂を溶融樹脂加圧減圧装置によって加圧および減圧す
ることにより、樹脂溜まり部の樹脂を加圧および減圧す
ることができる。また、樹脂の充填工程中は充填速度を
常時検出して、充填速度が予め設定された速度となるよ
うに4方向サーボ弁をフィードバック制御することがで
きる。また、樹脂の供給工程中は、樹脂圧を常時検出し
て、背圧が予め設定された圧力となるように4方向サー
ボ弁をフィードバック制御することができる。更に、樹
脂のサックバック工程中はサックバック(後退)速度を
常時検出して、後退速度が予め設定された速度となるよ
うに4方向サーボ弁をフィードバック制御することがで
きる。充填スクリュー回転完了後の計量完了位置、サッ
クバック完了位置、充填完了位置の少なくとも任意の1
以上の位置における、充填プランジャーの位置決め制御
を4方向サーボ弁で行うこも可能となる。
【0032】請求項1記載の射出成形機において、充填
工程から保圧工程への切換条件を、充填プランジェー位
置、充填プランジェー位置と樹脂圧、充填時間、の3条
件から一つを選択できるように構成することが好ましい
(請求項2)。この構成では、充填工程から保圧工程へ
の切換条件を、3条件の中から成形や樹脂の種類等に最
も適合したものを選択する。
【0033】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の射出成形機の供給工程において、圧力センサーから
検出される樹脂圧力が、設定された背圧に一致するよう
に充填プランジャーの後退動作を4方向サーボ弁によっ
て制御する構成とした。この手段では、充填用加熱筒の
内径部と充填プランジャーの外径部の間に形成された樹
脂被膜によって充填プランジャーの後退に大きい抵抗が
かかるようなことがあっても、背圧を正確かつ安定的に
制御することができる。
【0034】請求項4記載の発明は、請求項1又は2記
載の射出成形機において、充填スクリュー回転完了後の
計量完了位置、サックバック完了位置、充填完了位置の
少なくとも任意の1以上の位置における、充填プランジ
ャーの位置決め制御を4方向サーボ弁で行う構成とし
た。この手段においてサックバック完了位置における、
充填プランジャーの位置決め制御を4方向サーボ弁で行
う場合は、従来のようなハンドル操作のストローク規制
手段が不要となる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の射出成形機および
射出成形方法の実施の形態を、図1ないし図14を参照
して説明する。図2、図3および図4において、符号2
4は射出成形機であり、主要部の構成は図18の射出成
形機24Aと同じである。すなわち、この射出成形機2
4は、機械の反操作側に配置されており、固体の樹脂を
可塑化して溶融する可塑化装置25と、機械の操作盤
(図示せず)が配設された操作側に配置されており、可
塑化装置25により可塑化された樹脂を図示しない金型
のキャビティに充填させる充填装置26と、充填装置2
6の上に配置された溶融樹脂加圧減圧装置27とを備え
ている。
【0036】可塑化装置25は、図示しないホッパから
内部に供給された樹脂を加熱する可塑化用加熱筒28
と、該可塑化用加熱筒28の内孔に、その軸線回りに回
転自在に挿入された可塑化スクリュ29と、該可塑化ス
クリュ29に回転駆動を与えるスクリュ回転用油圧モー
タ30とから構成されている。そして、可塑化用加熱筒
28の先端が溶融樹脂加圧減圧装置27の加減圧用加熱
筒55B(図2)の略中間部に、ボルト等により連結さ
れ、また、可塑化用加熱筒28の後端は、台板42Aの
上に固定した保持台25Bに、可塑化用加熱筒28の軸
方向に移動可能に支持された加熱筒支持部材25Aに連
結されており、可塑化装置25は全体として軸方向を水
平状態にし、かつ先端側を機械の操作側の位置に寄せ、
後端側を反操作側の位置に寄せて、平面視において充填
装置26に対して斜めにして台板42Aの上に配置され
ている。
【0037】油圧モータ30は、加熱筒支持部材25A
に連結ロッドで一体的に結合された軸受箱25Cに固定
されており、軸受箱25Cに回転自在に支持されている
中間軸25Dを介して可塑化スクリュ29を回転させる
ようになっている。図5に示すように、可塑化スクリュ
29の先端のスクリュヘッド31には逆流防止機構32
が設けられ、可塑化用加熱筒28内のスクリュヘッド3
1の前方には、プランジャー孔55(図1、図2)に開
口する連通孔33が設けられている。
【0038】逆流防止機構32は、連通孔33の樹脂が
可塑化スクリュ29の基軸34側へ逆流することを防止
するものであって、スクリュヘッド31に形成された流
入溝35と、スクリュヘッド31および基軸34の外径
よりも小径に形成された小径軸部36と、逆流防止リン
グ37とから構成されている。
【0039】逆流防止リング37は、小径軸部36に、
基軸34との間に隙間38を隔てて装着されたものであ
って、その外周部は可塑化用加熱筒28の中心軸方向に
移動自在に嵌合して、内周部は小径軸部36との間に流
入路39を形成するように、かつ近接する基軸34の外
径よりも小径になるように設定されている。また、流入
溝35は、連通孔33と流入路39とを連通するよう
に、基軸34の軸線方向に沿って形成されており、図6
に示すように、スクリュヘッド31の外周に、軸線回り
に適宜間隔をあけて複数配置されている。
【0040】充填装置26は、基台40(図2)に固定
された一対の平行なレール42に支持され、基台40に
立設された固定盤41に対して、離間、接近する方向に
移動する台板42Aの上に、本体部42Bをボルト42
D(図3)で該台板42A上に固定して配置されてお
り、ピストンロッドを固定盤41に連結した油圧シリン
ダ26Aによって動かされて固定盤41に対して進退移
動するように構成されている。
【0041】さらに、充填装置26は、中心軸が前記進
退方向に沿って水平に配設され、支持部材42C(図
2)を介して台板42Aの前部に支持された、樹脂の溶
融状態を維持する充填用加熱筒43と、図7に示すよう
に、充填用加熱筒43の内孔に挿入され、該充填用加熱
筒43の中心軸方向に移動自在な充填プランジャー(射
出部材)44と、該充填プランジャー44を上記中心軸
方向に移動させる射出用駆動装置45とを備えている。
【0042】充填用加熱筒43の先端には、射出口46
を有する射出ノズル47が着脱自在に取り付けられてお
り、この射出ノズル47の内孔および充填用加熱筒43
の内孔の充填プランジャー44の前方には、溶融状態の
樹脂が貯留される溶融樹脂溜まり部(樹脂溜まり部)4
8が形成されている。射出ノズル47には、溶融樹脂溜
まり部48に臨ませて、該溶融樹脂溜まり部48の樹脂
圧を検出する圧力センサー49が取り付けられている。
【0043】また、充填用加熱筒43には、加減圧用加
熱筒55Bの導入路55Aの先端に連通するように形成
され、可塑化スクリュ29により可塑化されて前記連通
孔33を経て上記加減圧用加熱筒55Bに供給された樹
脂を、上記溶融樹脂溜まり部48に導入する導入孔48
Aが設けられており、この導入孔48Aは、その軸線が
充填用加熱筒43の中心軸を含む鉛直面内に位置するよ
うに配設されている。上記導入孔48Aと上記導入路5
5Aとにより、可塑化用加熱筒28の連通孔33を前記
溶融樹脂溜まり部48に連通する樹脂流路を構成してい
る。
【0044】射出用駆動装置45は、射出ノズル47か
ら射出されて金型へ充填される樹脂の速度を制御する充
填速度制御手段を構成するものであって、充填ラム50
を介して充填プランジャー44を上記中心軸方向に移動
させる充填シリンダ51と、図1に示すように、充填シ
リンダ51の油圧回路に設けられた充填用4方向サーボ
弁90とを備えている。
【0045】なお、充填シリンダ51の下部には、油圧
シリンダ26Aが取り付られている。また、図1に示す
ように、充填プランジャー44には、該充填プランジャ
ー44の位置を検出する充填用位置センサー60が付設
されている。
【0046】溶融樹脂加圧減圧装置27は、プランジャ
ー孔55およびその先端側を溶融樹脂溜まり部48に連
絡する導入路55Aを有し、先端部を充填用加熱筒43
にボルト等で取り外し可能に連結され、かつ充填用加熱
筒43の上方に、後端側が上になるように傾斜して配置
されている加減圧用加熱筒55Bと、加減圧用加熱筒5
5Bのプランジャー孔55に、その軸方向に移動自在に
嵌合されている押し込みプランジャー(押圧部材)56
と、円筒状の連絡部材を介して加減圧用加熱筒55Bに
連結され、押し込みプランジャー56を駆動する加圧減
圧用駆動装置57(押圧駆動装置)とを備えた構成とさ
れている。
【0047】加圧減圧用駆動装置57は、射出ノズル4
7から射出される樹脂の圧力を制御する樹脂圧制御手段
を構成するものであって、押し込みプランジャー56の
後端にピストンロッド61Aが連結されて該押し込みプ
ランジャー56をその軸方向に進退移動させる押し込み
シリンダ61と、該押し込みシリンダ61の油圧回路に
設けられ、押し込みシリンダ61に作動油を給油して押
し込みプランジャー56の移動を制御する加圧減圧用4
方向サーボ弁62とを備えている。
【0048】上記押し込みシリンダ61は、支持板61
Bに設けたレール61Cにより、軸方向に移動可能に支
持され、支持板61Bは、充填シリンダ51の上部に設
けた支軸51Bに、充填シリンダ51の軸線を含む鉛直
面内で回動するように支持されている。即ち、溶融樹脂
加圧減圧装置27は、全体として押し込みプランジャー
56の軸線が上記鉛直面内に位置するように配置されて
いる。
【0049】また、図1に示すように、押し込みプラン
ジャー56には、該押し込みプランジャー56の位置を
検出する加圧減圧用位置センサー63が付設されてお
り、加圧減圧用4方向サーボ弁62は制御装置66を介
して、圧力センサー49の検出結果に基づいて押し込み
プランジャー56を作動させる構成とされている。
【0050】制御装置66には、表示器67、各種設定
値を入力する入力器68、樹脂圧センサーアンプ69、
充填用位置センサー60、加圧減圧用位置センサー6
3、メモリ70、充填用サーボ弁アンプ91、加圧減圧
用サーボ弁アンプ72、スクリュ回転用油圧モータ3
0、充填用4方向サーボ弁90、および加圧減圧用4方
向サーボ弁62と各種I/F、A/D、D/Aを介して
これらを制御するCPU73と、該CPU73に制御さ
れて射出時間を測定する射出タイマー(図示せず)とが
設けられている。
【0051】また、上記の充填用4方向サーボ弁90お
よび加圧減圧用4方向サーボ弁62は、油圧ポンプ(油
圧駆動源)64と、該油圧ポンプから供給される油圧を
蓄圧するアキュムレータ65から送り出された作動油の
流量および流路方向を制御して、充填シリンダ51、押
し込みシリンダ61を作動させる構成とされている。
【0052】次に、上記の構成とされた射出成形機の作
用を以下に説明する。まず、予め入力器68から、充填
異常圧PNG、保圧切換樹脂圧P1 、保圧切換充填プラン
ジャー位置S1 、圧力充填切換樹脂圧P0 、圧力充填切
換充填プランジャー位置S0 、保圧パターン、充填動作
前のプランジャー孔55の樹脂圧である第一の予圧P
SET1および第二の予圧PSET2等を設定入力して、入力I
/F80、CPU73を介してメモリ70へ記憶させて
おく。
【0053】続いて、図8ないし図12に示すフローチ
ャート図に従って説明する。図8に示すように、運転が
スタートすると図1に示すように、溶融樹脂加圧減圧装
置27の押し込みプランジャー56が連通孔33を閉塞
する位置に移動すると共に、この位置に停止した状態が
保持される(ステップS1)。
【0054】即ち、加圧減圧用位置センサー63が検出
した押し込みプランジャー56の位置信号を、押込プラ
ンジャ位置センサーI/F74、入力I/F75を介し
て受け取った制御装置66のCPU73は、予め入力器
68により設定入力され、メモリ70に記憶されている
閉塞位置の設定値と比較演算し、その演算結果をD/A
コンバータ76、加圧減圧用サーボ弁アンプ72を介し
て、溶融樹脂加圧減圧装置27の加圧減圧用駆動装置5
7の加圧減圧用4方向サーボ弁62へ送出する。
【0055】この結果、油圧ポンプ64およびアキュム
レータ65により給油された作動油が、4方向サーボ弁
62を経て、押し込みシリンダ61へ供給されることに
より、押し込みプランジャー56がプランジャー孔55
を移動して連通孔33を閉塞する位置で停止する。
【0056】そして、型締が完了すると(ステップS
2)、メモリ70に記憶されている充填異常圧PNGが設
定され(ステップS3)、射出動作が開始される(ステ
ップS4)ことにより充填工程に入る。このとき、射出
タイマーが射出時間のカウントを開始する。
【0057】充填工程においては、充填装置26の充填
プランジャー44が射出用駆動装置45により充填用加
熱筒43の中心軸方向に前進移動する(ステップS
5)。即ち、CPU73からの信号がD/Aコンバータ
78と充填用サーボ弁アンプ91を介して送出されて、
射出用駆動装置45の充填用4方向サーボ弁90のスプ
ールが指令電気信号により図1で下に動かされることに
より、油圧ポンプ64からの、またはアキュムレータ6
5に蓄圧された作動油が充填シリンダ51の後部ロッド
側に供給されて、充填プランジャー44が上記方向に前
進移動する。これにより、図7に示すように、溶融樹脂
溜まり部48の樹脂は、射出ノズル47の射出口46か
ら射出される。
【0058】このときの充填速度、即ち充填プランジャ
ー44の前進速度は、CPU73がメモリ70に予め設
定されている設定値に基づき、D/Aコンバータ78、
充填用サーボ弁アンプ91を介して充填用4方向サーボ
弁90の開度を調節することにより制御される。ここ
で、本射出成形機24においては、この充填工程で、押
し込みプランジャー56を充填プランジャー44とは独
立に動作させて圧力基準による充填を行う、いわゆる圧
力充填機能とこれを行わない機能とが選択される(ステ
ップS6)。
【0059】〈圧力充填機能を使用しない場合〉(B) 射出タイマーがカウントを開始すると同時に、充填プラ
ンジャー44が前進し、射出タイマーがカウントアップ
して、射出工程が完了するまでの間「充填プランジャー
44の現在位置」と「発生樹脂圧」および「充填開始か
らの経過時間」(図示せず)を常時モニタリングし入力
I/F81等を介して制御装置66のCPU73に読み
込まれる(ステップS7)。また、溶融樹脂溜まり部4
8の樹脂圧も、圧力センサ−49により常時検出されて
おり、検出結果は樹脂圧センサーアンプ69、A/Dコ
ンバータ79を介して、CPU73に読み込まれる(ス
テップS8)。
【0060】充填工程中において検出された樹脂圧が、
充填異常圧PNGと比較され(ステップS9)、「発生樹
脂圧P」≧「充填異常圧設定PNG」となった場合、直ち
に「押し込みプランジャーによる保圧制御」工程に移行
する(C)。また、検出された樹脂圧が、充填異常圧P
NGに到らない限り、ステップS10において保圧切換条
件が、「充填プランジャー位置」のみで行う場合と、
「充填プランジャー位置および樹脂圧」で行う場合と、
「充填時間」のみで行う場合とのいずれに選択されてい
るかを判断され、その判断結果に応じた手順を経て保圧
工程に切り換えられる。
【0061】「保圧切換条件を充填プランジャー位置の
みで行う場合」検出された充填プランジャー44の位置
と予め設定された保圧切換充填プランジャー位置S1
を比較して(ステップS11)、検出された位置が保圧
切換充填プランジャー位置S1 に到っていないときはス
テップS7へ戻り、到ったときには直ちに保圧工程に切
り換えられる(C)。
【0062】「保圧切換条件を充填プランジャー位置お
よび樹脂圧で行う場合」検出された樹脂圧と予め設定さ
れた保圧切換樹脂圧P1 とを比較して(ステップS1
2)、検出された樹脂圧が保圧切換樹脂圧P1 に到らな
いときはステップS7へ戻り、到ったときにはステップ
S11へ移って、検出された充填プランジャー44の位
置と予め設定された保圧切換充填プランジャー位置S1
との比較を行う。ステップS11では、前述のように、
検出された充填プランジャー44の位置と予め設定され
た保圧切換充填プランジャー位置S1 とを比較し、検出
された位置が保圧切換充填プランジャー位置S1 に到っ
ていないときはステップS7へ戻り、到ったときには直
ちに保圧工程に切り換えられる(C)。
【0063】「保圧切換条件を充填時間で行う場合」経
過時間と予め設定された時間の設定値T1 とを比較して
(ステップS12A)、経過時間が設定値T1 に到らな
いときはステップS7へ戻り、到ったときには直ちに保
圧工程に切り換えられる(C)。
【0064】〈圧力充填機能を使用する場合〉(A) 図10に示すように、上記と同様にステップS13,S
14において、充填プランジャー44の位置と樹脂圧お
よび充填開始からの経過時間が常時検出され、CPU7
3に読み込まれた後、検出された樹脂圧が予め設定され
た充填異常圧P NGと比較され(ステップS15)、「発
生樹脂圧P」≧「充填異常圧設定PNG」となった場合、
直ちに「押し込みプランジャーによる保圧制御」工程に
移行する(C)。
【0065】また、検出された樹脂圧が、充填異常圧P
NGに到らない限り、圧力充填切換条件が、充填プランジ
ャー位置で行う場合と、樹脂圧で行う場合とのいずれに
選択されているかを判断され(ステップS16)、その
選択結果に応じた手順を経て、圧力充填に切り換えられ
る。
【0066】「圧力充填切換条件を樹脂圧で行う場合」
検出された樹脂圧と予め設定された圧力充填切換樹脂圧
0 とを比較して(ステップS17)、検出された樹脂
圧が圧力充填切換樹脂圧P0 に到らないときはステップ
13へ戻り、充填工程中に発生する樹脂圧Pが、「発生
樹脂圧P」≧「切換設定圧P0 」の関係を満足した時点
で、この切換設定圧P0 を押し込みプランジャー56で
保持制御した状態(ステップS18)で充填プランジャ
ー44による充填を継続する(圧力基準の充填を行
う。)。更に充填が進み、設定された保圧切換条件を満
足した時点で保圧制御に移行する。
【0067】即ち、検出された樹脂圧が圧力充填切換樹
脂圧P0 を超えたときには、上記加圧減圧用4方向サー
ボ弁62を作動させることにより、加圧減圧用駆動装置
57を駆動させ、プランジャー孔55を移動する押し込
みプランジャー56を溶融樹脂溜まり部48に対して離
間させる。
【0068】これにより、プランジャー孔55の圧力が
減少し、このプランジャー孔55に連通する溶融樹脂溜
まり部48の樹脂圧も減少することになり、押し込みプ
ランジャー56の移動を制御することで溶融樹脂溜まり
部48の樹脂圧をフィードバック制御して設定値に保持
することができる。そして、この状態で充填プランジャ
ー44による充填を継続しながら、ステップS10へ移
り、前記のようにして、保圧切換条件を満足した時点で
保圧工程に切り換えられる。
【0069】「圧力充填切換条件を充填プランジャー位
置で行う場合」検出された充填プランジャー44の位置
と予め設定された圧力充填切換充填プランジャー位置S
0 とを比較して(ステップS19)、検出された位置S
が「現在位置S」≦「切換位置S1 」の関係を満足した
時点で、発生している樹脂反抗圧P’を検出し(ステッ
プS20)、この圧力を押し込みプランジャー56で制
御保持した状態(ステップS21)で充填プランジャー
44による充填を継続する(圧力基準の充填を行
う。)。そして、この状態で充填プランジャー44によ
る充填を継続しながら、ステップS10へ移り、保圧切
換条件を満足した時点で保圧工程に切り換えられる。
【0070】図11に示すように、保圧工程に移行する
と、予め設定された保圧パターンになるように、CPU
73の制御に基づいて加圧減圧用駆動装置57が押し込
みプランジャー56を駆動させて(ステップS22)、
保圧制御を行う。
【0071】押し込みプランジャー56で保圧制御を行
っている間に、充填プランジャー44は充填ラム(ピス
トン)50が前進限位置で位置決め制御されている(ス
テップS23)。この時、押し込みプランジャー56の
保圧制御動作によって、充填プランジャー44が後退側
に移動することがないよう、押し込みシリンダ61及び
充填シリンダー51の諸元(推力等)が決定されてい
る。そして、設定された保圧パターンを辿って保圧制御
が完了すると、射出タイマーが設定時間の計時を完了し
て射出動作が完了する(ステップS24)。
【0072】続いて、加圧減圧用4方向サーボ弁62を
制御することにより、押し込みプランジャー56を後退
(図1中、上方へ)移動させて圧抜きを行う(ステップ
S24A)。このとき、押し込みシリンダ61に供給さ
れていた作動油は、タンク82へ開放される。これによ
り、プランジャー孔55は減圧され、樹脂流路を介して
溶融樹脂溜まり部48の樹脂圧も減圧される。
【0073】また、充填シリンダ51においても、充填
用4方向サーボ弁90のスプールが指令電気信号により
図1で上に動かされることにより、ヘッド側に供給され
ていた作動油がタンク83へ開放されて圧抜きが行わ
れ、充填プランジャー位置保持が解除される(ステップ
S25)。
【0074】圧抜きが完了した後、加圧減圧用駆動装置
57の駆動により、押し込みプランジャー56が、図1
3に示すように、連通孔33のプランジャー孔55(樹
脂流路)に連通する開口を開放する位置に移動して(ス
テップS26)、この原点とされる位置に停止した状態
が保持される。この押し込みプランジャー56の移動に
伴い、溶融樹脂溜まり部48に高い圧力が発生しないよ
うに、充填プランジャー44が後退し樹脂圧力が予め設
定された圧力を維持すべく充填用4方向サーボ弁90が
作動する。
【0075】そして、可塑化装置25の作動により、樹
脂が可塑化されて計量が開始される。即ち、CPU73
からの信号が出力I/F77を介して送出されてスクリ
ュ回転用油圧モータ30が作動し、可塑化スクリュ29
が回転する(ステップS27)。可塑化スクリュ29の
回転による樹脂への剪断と可塑化用加熱筒28からの加
熱により、樹脂は可塑化され溶融した状態で連通孔33
からプランジャー孔55へ導入される。
【0076】このとき、可塑化スクリュ29の基軸34
側は、連通孔33側に対して樹脂圧が高いため、逆流防
止機構32の逆流防止リング37が前方(図5中左側)
に移動してスクリュヘッド31に当接し、逆流防止リン
グ37と基軸34との間に〓間38を形成する。これに
より、可塑化された樹脂は、隙間38、流入路39、流
入〓35を順次経由して連通孔33へ到ることができ
る。
【0077】一方、押し込みプランジャー56による保
圧制御工程で、プランジャー孔55(樹脂流路)および
連通孔33の樹脂圧が高くなった場合、樹脂圧により逆
流防止リング37が後方(図5中右側)に移動して基軸
34に当接する。逆流防止リング37の内周部は、基軸
34の外径よりも小径に形成されているので、連通孔3
3から流入溝35、流入路39を順次経た樹脂が、基軸
34側へ逆流することを防止できる。
【0078】プランジャー孔55へ導入された樹脂は、
導入路55Aおよび導入孔48A(樹脂流路)を経て溶
融状態で溶融樹脂溜まり部48に貯留される。この溶融
樹脂溜まり部48の樹脂圧により、充填プランジャー4
4は後退する。この力は、充填用4方向サーボ弁90に
よって積極的に制御(積極的に背圧を制御)されること
になる(ステップS28)。樹脂供給が進み、充填プラ
ンジャー44の現在位置が供給完了位置と等しくなった
(供給完了位置を検知した)時点で、スクリュ回転と背
圧制御は共に停止し、充填プランジャー44は充填用4
方向サーボ弁90によって位置決め制御される。
【0079】そして、溶融樹脂溜まり部48への樹脂供
給が進み、充填用位置センサ−60により充填プランジ
ャー44が予め入力器68により設定された供給完了位
置に到達したことを検知すると(ステップS29)、ス
クリュ回転用油圧モータ30を介して可塑化スクリュ2
9が回転を停止する(ステップS30)と共に、背圧制
御が停止して(ステップS31)、計量が完了する。
(D)
【0080】溶融樹脂の供給が完了すると、直ちに充填
用4方向サーボ弁90によってサックバック動作を行い
充填プランジャー44を強制的に後退させる(ステップ
S32)。この後退動作は予め設定された位置を検知し
た時点で停止し、その場で位置決め制御される。(サッ
クバック動作完了) 即ち、CPU73からの信号がD/Aコンバータ78、
充填用サーボ弁アンプ91を介して送出されて、射出用
駆動装置45の充填用4方向サーボ弁90のスプールが
図1で上に動かされることにより、作動油が充填シリン
ダ51の前部ロッド側に供給されて、充填プランジャー
44が制御速度で後退移動する。
【0081】そして、充填用位置センサー60により、
充填プランジャー44が予め入力器68により設定した
サックバック完了位置に到達したことを検知すると(ス
テップS33)、充填プランジャー44の後退が停止さ
れてサックバックが完了する。
【0082】サックバック(計量)が完了すると、加圧
減圧用駆動装置57の駆動により、押し込みプランジャ
ー56がプランジャー孔55を溶融樹脂溜まり部48に
接近する方向(図1中下側)に前進して(ステップS3
4)、連通孔33のプランジャー孔55への開口を閉塞
する予め設定した所定の位置まで移動する(ステップS
35)。
【0083】この移動の際、プランジャー孔55の樹脂
圧が高まり、連通孔33においても樹脂圧が高くなる
が、上記逆流防止機構32により、溶融樹脂の逆流が阻
止される。この連通孔33の閉塞は、加圧減圧用位置セ
ンサー63によって検出される。連通孔33の閉塞後、
押し込みプランジャー56が、さらに前進移動して(ス
テップS36)、プランジャー孔55を介して溶融樹脂
溜まり部48の樹脂圧を高める。
【0084】そして、圧力センサー49が、溶融樹脂溜
まり部48の樹脂圧を、第一の予圧PSET1に到ったこと
を検出したときに(ステップS37)、押し込みプラン
ジャー56は、その位置に停止すると共に、その位置を
保持するように制御される(ステップS38)。このと
き、溶融樹脂溜まり部48の溶融樹脂は、その樹脂圧が
高まることで密度が一定になり、溶融状態が均一にな
る。
【0085】一方、射出口が射出時にのみ開放されるシ
ャットオフノズル型の射出ノズルにおいては、溶融樹脂
溜まり部48の樹脂圧が高くても、ノズルから樹脂が漏
れることはないが、本実施の形態の射出成形機24にお
いては、常時射出口が開放しているオープンノズル型の
射出ノズルを使用しているので、充填前の樹脂圧が第一
の予圧PSET1のままに保持された状態では射出ノズル4
7の射出口46から樹脂漏れが発生してしまう。そこ
で、この充填前保持圧を減圧する機能が選択的に設定可
能となっている(ステップS39)。
【0086】この機能を選択すると、まず、加圧減圧用
駆動装置57の駆動により、押し込みプランジャー56
がプランジャー孔55を溶融樹脂溜まり部48に対して
離間する方向(図1中上側)に後退移動する(ステップ
S40)。
【0087】これにより、プランジャー孔55、導入路
55A、導入孔48Aを介して溶融樹脂溜まり部48の
樹脂圧が減圧され、圧力センサー49の検出結果が第一
の予圧PSET1より低圧の第二の予圧PSET2に到ったとき
に(ステップS41)、押し込みプランジャー56が後
退移動を停止すると共に、その位置を保持するように制
御される(ステップS42)。かくして、射出ノズル4
7の射出口46から樹脂漏れが発生しない樹脂圧に予圧
されて、充填工程への待機状態となる。
【0088】本実施の形態の射出成形機および射出成形
方法によれば、充填プランジャー44による充填動作中
に溶融樹脂加圧減圧装置27が溶融樹脂への圧力制御を
開始して、そのまま保圧工程での圧力制御を行うため、
例えば、圧力充填切換を圧力充填切換充填プランジャー
位置S0 で行い、このときの樹脂圧P’を維持しながら
保圧切換充填プランジャー位置S1 で保圧切換を行った
ときには、図14に示すように、保圧切換位置でサージ
圧が発生することはなく、滑らかな圧力切換特性が得ら
れる。
【0089】また、サージ圧が発生しないので、圧力充
填切換充填プランジャー位置S0 から保圧切換充填プラ
ンジャー位置S1 へ到る間に、充填速度が急速に落下す
ることになり、バリの発生を防止することができると共
に、圧力充填機能を選択した場合、充填工程中のどのタ
イミングでも保圧制御を行えるため、成形品に応じて最
適な成形条件を設定することができる。
【0090】この圧力充填切換においては、切換条件と
して樹脂圧または充填プランジャー位置を任意に選択す
ることができ、保圧切換においても、切換条件として充
填プランジャー位置のみか、充填プランジャー位置と樹
脂圧か、充填時間かを任意に選択することができるた
め、成形品に応じて多様な制御方法を選択してバリやシ
ョートショット等の成形不良を解消することができる。
一方、圧力基準の充填制御を行う必要が無い場合は、圧
力充填機能を選択するステップS6で不使用を選択する
ことで対応可能であり、成形条件幅を広く設定すること
が可能である。
【0091】さらに、充填時における圧力基準の樹脂圧
制御は、溶融樹脂溜まり部48に設けた圧力センサー4
9によって直接検出される樹脂圧を加圧減圧用4方向サ
ーボ弁62にフィードバックして行われるため、応答性
に優れた安定した状態になり、繰り返し精度の高い安定
成形が可能となる。そして、保圧制御時においても、従
来のように、射出シリンダに設けられた油圧センサーを
用いた圧力制御機構に比べると、極めて高精度の圧力制
御性能を得ることができる。
【0092】加えて、射出前に押し込みプランジャー5
6によりプランジャー孔55等を介して溶融樹脂溜まり
部48の樹脂を第一の予圧PSET1に加圧する工程を設け
てあるので、溶融樹脂の溶融状態がより均一化され、安
定した成形を維持することができる。
【0093】また、オープンノズル型の射出ノズルを使
用する射出成形機においては、上記第一の予圧PSET1
樹脂圧のままでは、射出ノズル47の射出口46から樹
脂漏れが発生するが、第一の予圧PSET1より低圧の第二
の予圧PSET2に減圧する工程を選択することにより、こ
の樹脂漏れの発生を防止することができる。
【0094】一方、押し込みプランジャー56が連通孔
33の開口を閉塞する構成なので、充填時の樹脂反抗圧
によりプランジャー孔55の後端側の樹脂圧が高まって
も、溶融樹脂が連通孔33を通って可塑化スクリュ29
へ逆流することを防止できる。また、この押し込みプラ
ンジャー56が連通孔33を閉塞する移動途中で樹脂が
連通孔33から逆流した場合においても、逆流防止機構
32により基軸34側へ逆流することを防止できる。
【0095】さらに、充填用加熱筒43の中心軸を含む
鉛直面内において、充填装置26の上方に溶融樹脂加圧
減圧装置27が配設され、可塑化装置25がこれらの装
置に対して機械の反操作側に配設されるため、操作側の
空間が占有されることなく、コンパクトな装置を構成す
ることができる。
【0096】なお、上記実施の形態において、スクリュ
回転用油圧モータ30および加圧減圧用駆動装置57の
いずれもが油圧ポンプ64等の油圧駆動源により作動す
る構成としたが、これらの内少なくとも一つが油圧ポン
プにより他がサーボモータ等の電動駆動源により作動す
る構成としてもよく、この場合、騒音の小さい成形を実
現することができる。
【0097】さらに、駆動装置30,57が上記電動駆
動源により作動する構成であってもよく、この場合、一
層、高精度の成形を実現することができる。この電動駆
動源を使用する場合には、押し込みプランジャー56の
軸線方向の移動のために、ネジとナットにより回転運動
を直線運動に変換する従来周知の運動変換機構が採用さ
れる。
【0098】また、シャットオフノズルを使用する場合
においては、第二の予圧に減圧することは必要ではない
が、成形を安定させるために第二の予圧を設定して、こ
の圧力に減圧しても何ら問題はない。また、可塑化装置
25は、保持台25Bにより可塑化部加熱筒28の軸方
向に移動自在に支持されているので、可塑化部加熱筒2
8の溶融樹脂加圧減圧装置27の加減圧用加熱筒55B
に対する着脱が容易であり、加減圧用加熱筒55Bと可
塑化部加熱筒28との連結を解いて装置全体を後退させ
ることにより、加減圧用加熱筒55Bの内孔を開放させ
て、内孔の点検、清掃を容易に行うことができる。
【0099】また、溶融樹脂加圧減圧装置27は、充填
装置26の上に、充填用加熱筒43の中心線を含む鉛直
面内で回動自在に、かつ押し込みプランジャー56の軸
方向に進退自在に支持されているので、溶融樹脂加圧減
圧装置27の充填装置26への着脱が容易であり、加減
圧用加熱筒55Bの充填用加熱筒43に対する連結を解
いて、装置全体を後退させて上に回転させると、該加減
圧用加熱筒55Bのプランジャー孔55が開放されるの
で、その点検、清掃等を容易に行うことができる。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば次の効果が期待できる。 (a) 樹脂の可塑化工程において、充填用加熱筒の内
径部と充填プランジャーの外径部の間に形成される樹脂
被膜の抵抗等によって、充填プランジャーの後退がスム
ーズに行われない状態が発生しても、本発明では背圧を
4方向サーボ弁で制御していることからこれを解決する
ことが可能である。最悪の場合、図18の射出成形機で
は充填プランジャーの後退が停止してしまうことで溶融
樹脂溜まり部に発生する樹脂圧が急上昇し、所定の時間
内に供給が完了しない不具合が発生することがあるが、
このような場合において、本発明では、設定された背圧
を維持すべく、4方向サーボ弁によって充填プランジャ
ーを強制的に後退させ、上記不具合の発生を防止するこ
とができる。従って、図18の射出成形機に比べ、背圧
をより繰り返し精度良く安定的にコントロールすること
ができることから、安定成形が可能となる。
【0101】(b) 樹脂の充填速度制御を4方向サー
ボ弁のクローズドループ制御で行うことができるので、
充填速度を繰り返し精度良く安定的にコントロールでき
るようになり、精度な成形への対応が可能となる。
【0102】(c) 計量完了後のサックバック工程に
おいても、充填プランジャーの後退速度を4方向サーボ
弁のクローズドループ制御を行うことによって、作動油
温度に影響されない安定したコントロールが可能とな
り、樹脂の可塑化状態のさらなる安定化が図れる。
【0103】(d) スクリュ回転終了後の計量完了位
置とサックバック完了位置の各々において、充填プラン
ジャーの位置決め制御を4方向サーボ弁で行うことによ
り、図18の射出成形機でのストローク規制手段(装
置)が不要となると同時にそのストローク規制手段が取
り付けられていた分だけ機械を短くすることができ、省
スペース化が可能となる。
【0104】請求項1記載の射出成形機において、充填
工程から保圧工程への切換条件を、充填プランジェー位
置、充填プランジェー位置と樹脂圧、充填時間、の3条
件から一つを選択できる構成とした場合は、充填工程か
ら保圧工程への切換条件を、3条件の中から成形や樹脂
の種類等に応じ選択してバリやショートショット等の成
形不良を解消することができる。
【0105】請求項3記載の発明によれば、供給工程に
おいて背圧を正確にかつ安定的に制御し、成形を良好に
行うことができる。
【0106】請求項4記載の発明によれば、サックバッ
ク完了時の充填プランジャーの位置決め制御に従来のよ
うなハンドル操作のストローク規制手段が不要となり、
操作性と作業性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における制御系統を示す
ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態を示す図であって、充填
装置の上方に溶融樹脂加圧減圧装置が配設された正面図
である。
【図3】 本発明の実施の形態を示す平面図である。
【図4】 本発明の実施の形態を示す左側面図である。
【図5】 本発明の実施の形態を示す図であって、可塑
化スクリュの先端に逆流防止機構が設けられた断面図で
ある。
【図6】 図5における左側面図である。
【図7】 本発明の実施の形態を示す図であって、加減
圧用加熱筒と充填用加熱筒の要部の拡大図である。
【図8】 本発明の射出成形方法の実施の形態を示すフ
ローチャート図である。
【図9】 本発明の射出成形方法の実施の形態を示すフ
ローチャート図である。
【図10】 本発明の射出成形方法の実施の形態を示す
フローチャート図である。
【図11】 本発明の射出成形方法の実施の形態を示す
フローチャート図である。
【図12】 本発明の射出成形方法の実施の形態を示す
フローチャート図である。
【図13】 本発明の実施の形態の作用を示す図であっ
て、押し込みプランジャーが連通孔を開放し、充填プラ
ンジャーがサックバック完了している概略構成図であ
る。
【図14】 本発明の射出成形方法を実施した場合の射
出工程の一例を示す図である。
【図15】 従来技術によるインラインスクリュ式射出
成形機の一例を示す概略構成図である。
【図16】 従来技術によるプリプラ式射出成形機の一
例を示す概略構成図である。
【図17】 従来技術による射出成形機の射出工程を示
す図である。
【図18】 本発明の出願人が開発した新しい射出成形
機のブロック図である。
【符号の説明】
24 射出成形機 25 可塑
化装置 26 充填装置 27 溶融
樹脂加圧減圧装置 29 可塑化スクリュ 43 充填
用加熱筒 44 充填プランジャー 47 射出
ノズル 48 溶融樹脂溜まり部 49 圧力
センサー 51 充填シリンダ 56 押し
込みプランジャー 57 加圧減圧用駆動装置 66 制御
装置 90 4方向サーボ弁 PSET1
一の予圧 PSET2 第二の予圧
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月12日(1999.4.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】また、従来、インラインスクリュ式射出成
形機1における圧力制御は、射出スクリュ5の後端に設
けられた射出シリンダ6を介して行われているが、この
射出シリンダ6と溶融樹脂との間には、射出スクリュ5
を含めて種々の部材が介在するため、圧力制御を行って
もこれらの部材での圧力損失により、溶融樹脂に所望の
圧力が伝達されるとは限らず、このことが成形が安定し
て行われない状態(成ばらつき)を生ずる一因となっ
ていた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】ところが、このプリプラ式射出成形機11
においても、上記インラインスクリュ式射出成形機1の
不具合の内、制御モード切換えを円滑に行うことの困難
さ、射出シリンダと溶融樹脂との間の圧力損失、樹脂供
給量の変動に起因するものについては、完全に解決する
に至っておらず、特に、制御モード切換え、即ち充填工
程から保圧工程への最適な切換制御については、プリプ
ラ式においてもインラインスクリュ式と同様に構造的に
難しいものであり、その解決策が強く望まれていた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】請求項1記載の射出成形機において、充填
工程から保圧工程への切換条件を、充填プランジー位
置、充填プランジー位置と樹脂圧、充填時間、の3条
件から一つを選択できるように構成することが好ましい
(請求項2)。この構成では、充填工程から保圧工程へ
の切換条件を、3条件の中から成形や樹脂の種類等に最
も適合したものを選択する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】このとき、可塑化スクリュ29の基軸34
側は、連通孔33側に対して樹脂圧が高いため、逆流防
止機構32の逆流防止リング37が前方(図5中左側)
に移動してスクリュヘッド31に当接し、逆流防止リン
グ37と基軸34との間に間38を形成する。これに
より、可塑化された樹脂は、隙間38、流入路39、流
35を順次経由して連通孔33へ到ることができ
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正内容】
【0104】請求項1記載の射出成形機において、充填
工程から保圧工程への切換条件を、充填プランジー位
置、充填プランジー位置と樹脂圧、充填時間、の3条
件から一つを選択できる構成とした場合は、充填工程か
ら保圧工程への切換条件を、3条件の中から成形や樹脂
の種類等に応じ選択してバリやショートショット等の成
形不良を解消することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
フロントページの続き (72)発明者 寺山 正志 新潟県新潟市岡山1300番地 株式会社新潟 鉄工所新潟精機工場内 (72)発明者 嶋田 喜一 新潟県新潟市岡山1300番地 株式会社新潟 鉄工所新潟精機工場内 (72)発明者 吉沢 行雄 新潟県新潟市岡山1300番地 ニイガタ・テ クニカ株式会社内 Fターム(参考) 4F206 AM33 AP031 AR032 JA07 JD05 JF01 JF12 JF23 JL02 JM01 JN04 JP13 JP17 JQ32 JT01 JT25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出ノズルを有する充填用加熱筒に充填
    プランジャーがその軸方向に移動自在に挿入されてお
    り、充填シリンダの作動により充填プランジャーを前進
    させて該充填プランジャーと前記射出ノズルとの間の樹
    脂溜まり部に導入された溶融樹脂を、前記射出ノズルか
    ら射出する充填装置と、 可塑化用加熱筒にその軸線回りに回転自在に可塑化スク
    リュが挿入されており、 回転駆動装置の作動により該可塑化スクリュを回転させ
    て、樹脂を可塑化して前記充填用加熱筒の樹脂溜まり部
    に溶融樹脂を供給する可塑化装置と、 押し込みプランジャーを有し、押圧駆動装置の作動によ
    り該押し込みプランジャーを移動させて前記充填用加熱
    筒の樹脂溜まり部に導入された前記溶融樹脂を加圧減圧
    する溶融樹脂加圧減圧装置とを具備し、 前記充填装置の樹脂溜まり部に、該樹脂溜まり部の樹脂
    圧を検出する圧力センサーが設けられ、 前記充填シリンダの油圧回路に4方向サーボ弁が設けら
    れ、 前記圧力センサーと4方向サーボ弁に前記圧力センサー
    の検出結果に基づいて前記4方向サーボ弁を制御する制
    御装置が接続されたことを特徴とする射出成形機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の射出成形機において、 充填工程から保圧工程への切換条件が、充填プランジェ
    ー位置、充填プランジェー位置と樹脂圧、充填時間、の
    3条件から一つを選択できるようになっていることを特
    徴とする射出成形機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の射出成形機の供給
    工程において、 圧力センサーから検出される樹脂圧力が、設定された背
    圧に一致するように充填プランジャーの後退動作を4方
    向サーボ弁によって制御することを特徴とする射出成形
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の射出成形機におい
    て、 充填スクリュー回転完了後の計量完了位置、サックバッ
    ク完了位置、充填完了位置の少なくとも任意の1以上の
    位置における、充填プランジャーの位置決め制御を4方
    向サーボ弁で行うことを特徴とする射出成形方法。
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