JP2000262287A - 炎症関連新規シグナル伝達ポリペプチド - Google Patents

炎症関連新規シグナル伝達ポリペプチド

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JP2000262287A
JP2000262287A JP11069884A JP6988499A JP2000262287A JP 2000262287 A JP2000262287 A JP 2000262287A JP 11069884 A JP11069884 A JP 11069884A JP 6988499 A JP6988499 A JP 6988499A JP 2000262287 A JP2000262287 A JP 2000262287A
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polypeptide
ser
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t6bp
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Osamu Matsuzaki
修 松崎
Akio Matsuda
昭生 松田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炎症関連新規シグナル伝達ポリペプチドの提
供。 【解決手段】 配列表配列番号1で示されるアミノ酸配
列を有するか、あるいは該アミノ酸配列において1又は
数個のアミノ酸を欠失、置換もしくは付加したアミノ酸
配列からなることを特徴とする、TRAF6と結合し、かつI
L-1のIL-1受容体への結合からNFκBの活性化に至る細胞
内シグナル伝達を抑制することを特徴とする炎症関連新
規シグナル伝達ポリペプチドを提供する。 【効果】 この炎症関連新規シグナル伝達ポリペプチド
は、IL-1刺激の作用を阻害または促進する化合物のスク
リーニングに使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脊椎動物に由来す
るIL-1βシグナル情報伝達に関与する新規なポリペプチ
ド及びそれをコードするDNAに関する。更に詳細に
は、TRAF6と特異的に結合し、動物細胞で高発現するこ
とによってIL-1βからNFκBの活性化に至るシグナルを
特異的に阻害するが、TNFからNFκBの活性化に至るシグ
ナルを阻害しないポリペプチド及びそれをコードするDN
Aに関する。本発明のポリペプチド及びそれをコードす
るDNAを用いると、IL-1βからNFκBの活性化に至る
炎症のカスケードの過剰な活性化又は阻害が関与する疾
患の治療又は予防に有用な化合物のスクリーニングや、
そのような疾患の診断薬を作製することができる。ま
た、本発明は、上記DNAを複製可能なベクターに組み
込んでなる組換え体DNA;上記複製可能な組換え体D
NAで形質転換された微生物又は細胞;上記ポリペプチ
ドの一部のポリペプチド;並びに上記ポリペプチドと結
合しうる抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】炎症と呼ばれる現象について、細胞及び
分子レベルでの解明は最近急速に進展している。IL-1,T
NF,LPS,CD30リガンド,CD40リガンド,LT-α,LT-βなどの
炎症性あるいは免疫調節分子によって細胞外から刺激が
入ると、細胞内のシグナル伝達経路を経て、NFκBと呼
ばれる分子が活性化する。その結果炎症関連の遺伝子の
活性化が生じ、最終的に炎症が起こることがこれまでに
おおよそ判明している。
【0003】そのように様々な細胞外からの刺激によっ
て最終的にNFκBが活性化されるメカニズムについて
は、細胞外の炎症性分子のシグナルを細胞内に伝える各
種レセプターと、そのレセプターと細胞内で結合してい
る様々な分子が発見されることによって順次解明されつ
つある。各種レセプターと結合する分子の中でも、特に
注目すべき分子としてTNF Receptor Associated Factor
(TRAF)と呼ばれる蛋白質群(TRAF1-6)があげられる。TR
AF分子の多くはリング構造、Znフィンガー構造を持ち、
また比較的保存されたTRAF-N領域、TRAF-C領域を持つ興
味深い構造をとっている。
【0004】これまでの研究から、TRAF2はTNFレセプタ
ー1、TNFレセプター2、CD40からのNFκBの活性化シグナ
ルを(Rothe,M.,Sarma,V.,Dixit,V.M.,& Goeddel,D.V.S
cience 269,1424-1427(1995),Hsu,H.,Shu,H.B.,Pan,M.
G.& Goeddel,D.V.Cell 84,299-3-8(1996))、TRAF5はLT-
βからのNFκBの活性化シグナルを(Nakano,H.et al.J.B
iol.Chem.271,14661-14664(1996))、そしてTRAF6はIL-1
からのNFκBの活性化シグナルを(Zhaodan,C. et al.Nat
ure383,443-446(1996))それぞれ担っているものと推定
されている。
【0005】IL-1は炎症性サイトカインの一種で、主に
活性化されたマクロファージや単球によって産生され、
細胞表面のIL-1レセプターに結合することによって最終
的にNFκBの活性化を引き起こす。NFκBとは、ほとんど
すべての細胞に発現している転写因子の一種で、通常は
その活性を阻害するIκBと呼ばれる蛋白質と結合した状
態で細胞質中に存在している。細胞外からの各種刺激
(TNF、IL-1、マイトージェン、酸化ストレス、LPSな
ど)によってIκBがリン酸化を受けた後分解され、NFκ
Bはその後核へ移行し各種遺伝子の転写を活性化する(M
iyamoto,S.& Verma,I.M.Adv.Cancer Res. 66,255-292(1
995))。IL-1レセプターからNFκBの活性化に至るシグ
ナルの経路についてはレセプターに細胞内で結合する分
子を探すという方向で現在解明が進められており、IL-1
レセプターに細胞内で結合する分子としてはIL-1RAcP、
IRAK、MyD88、そしてTRAF6等が知られている(Greenfed
er et al.J.Biol.Chem.270,13757-13765(1995),)。
【0006】TRAF6は、上述のTNF Receptor Associated
Factor(TRAF)と呼ばれる蛋白質群の一種である。TRAF
にはこれまでにTRAF1からTRAF6までの6種類が報告され
ている(Rothe,M.,Sarma,V.,Dixit,V.M.,& Goeddel,D.
V. Science 269,1424-1427(1995), Hsu,H., Shu,H.B.,
Pan,M.G.& Goeddel,D.V.Cell 84,299-3-8(1996),Nakan
o,H.et al. J.Biol.Chem. 271,14661-14664(1996), Ta
keuchi,M.,Rothe,M. &Goeddel,D.V. J.Biol.Chem.271,
19935-19942(1996), Zhaodan,C. et al.Nature383,443
-446(1996))。TRAF6は、他のTRAF分子と同様N末端か
らC末端に順にZnリング領域、Znフィンガー領域、αヘ
リックスに富んだTRAF-N領域、そしてTRAF-C領域を含ん
でおり、他のTRAF類とのアミノ酸全体の相同性は、およ
そ30%である。
【0007】TRAF6を293細胞に高発現させたところ、他
のTRAFと同様、NFκBの活性化が見られた。この結果
は、TRAF6がNFκBの活性化に関与するシグナル伝達分子
であることを示している。TRAF2との構造上の相同性な
どから、TRAF6のN末端付近のZnフィンガー領域を欠い
た改変体TRAF6(289-522)は、NFκBを活性化するシグナ
ルのドミナントネガティブな阻害剤になることが期待さ
れる。興味深いことに、このTRAF6(289-522)を高発現さ
せた場合、TNFからのNFκBの活性化については影響はな
く、しかしIL-1からのNFκBの活性化は阻害されること
が判明している。つまりTRAF6は、TNFではなくIL-1から
NFκB活性化へのシグナル伝達に関与している分子と考
えられている。
【0008】TRAFsと結合する分子としてこれまでに見
つかっているものに、I-TRAFやInhibitor-of-Apoptosis
protein (c-IAP1,2)、IRAKなどが知られている。I-TR
AFはTRAF2のTRAF-C領域に結合し、動物細胞に高発現さ
せることによりTNFレセプターやCD40によるNFκBの活性
化を阻害することが知られている(Rothe,M.et al.P.N.
A.S.93,8241-8246(1996))。c-IAP1や2はTRAF1やTRAF2
と結合することが知られており、NFκBを活性化するこ
とによってプログラム細胞死を阻害することが報告され
ている(Liston,P.et al.Nature379,349-353(1998))。
またIRAKは、IL-1レセプターと結合するカイネースとし
て得られており、その高発現によってNFκBの活性化が
生じることが知られている(Cao,Z.,Henzal,J.&Gao,X.S
cience271,1128-1131(1996))。しかしこれらの分子か
らNFκBへと至る経路については、具体的にはまだつな
がっていない。一方下流のNFκBの活性化に直接関与す
る因子として、IκBをリン酸化するIκBカイネースα、
βが知られており(DiDonato,J.A.,et al.Nature388,54
8-554(1997),Mercurio,F.et al,Science278,860-866(19
97),Zandi,E.et al,Cell91,243-252(1997))、そのおそ
らく上流で複合体を形成する可能性のある、NIKという
カイネースも報告されている(Malinin,N.L.el.alNatur
e385,540-544(1997))。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】Il-1からの炎症反応に
関しては、上述のようにIL-1からレセプター、そしてレ
セプターと結合する分子、更にその分子と結合する分子
というように上流から下流へと探求は次々と進んでい
る。一方それらの下流となるNFκBの活性化へ至る経路
も、下流から上流へと次第に明らかになりつつある。し
かし未だ完全にはIL-1からNFκBの活性化までのシグナ
ル伝達経路はつながっていない。つまり、TRAF6とNIKや
IκBカイネースとの間にはまだ解明されていない何らか
のシグナル伝達分子、及び経路が存在するはずである。
【0010】このことから、本発明者らはその間をつな
ぐ分子が存在すると推測した。即ち本発明の課題は、TR
AF6と結合し、IκBカイネースあるいはNIKへと至る経
路をつなぐ可能性のある分子を見出し、これを医薬、診
断薬、医療の分野で利用する方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様によ
れば、脊椎動物に由来する実質的に純粋なポリペプチド
であって、次の特徴を有するポリペプチドが提供され
る。 (a) TRAF6と結合する。 (b) IL-1のIL-1受容体への結合からNFκBの活性化に至
るシグナルを抑制する。
【0012】次に、本発明の理解を容易にするために、
まず本発明の基本的特徴及び好ましい態様を列挙する。 (1)脊椎動物に由来する実質的に純粋なポリペプチド
であって、且つ次の特徴を有するポリペプチド。 (a) TRAF6と結合する。 (b) IL-1のIL-1受容体への結合からNFκBの活性化に至
るシグナルを抑制する。 (2)配列表配列番号1で示されるアミノ酸配列を有す
るか、あるいは該アミノ酸配列において1又は数個のア
ミノ酸を欠失,置換もしくは付加したアミノ酸配列から
なることを特徴とする前項(1)に記載のポリペプチ
ド。 (3)前項(1)または(2)に記載のポリペプチドの
少なくとも5個のアミノ酸残基からなる部分配列である
ことを特徴とする、実質的に純粋なポリペプチド。 (4)前項(1)、(2)又は(3)に記載のポリペプ
チドをコードするDNA。 (5)該DNAが、配列表配列番号2よりなる塩基配列、
あるいは該塩基配列からなるDNAとストリンジェントな
条件下でハイブリダイズする塩基配列からなることを特
徴とする前項(4)に記載のDNA。 (6)前項(4)又は(5)に記載のDNAを複製可能な
ベクターに組み込んでなる複製可能な組換え体DNA。 (7)前項(6)に記載の複製可能な組換え体DNAで形
質転換された微生物又は細胞。 (8)TRAF6と前項(1)、(2)又は(3)のポリペ
プチドとの相互作用を阻害あるいは促進する物質をスク
リーニングする方法にして、TRAF6と前項(1)、
(2)又は(3)のポリペプチドをサンプル材料と接触
せしめ、その相互作用の阻害あるいは促進を指標とし
て、その相互作用を阻害するあるいは促進する物質をス
クリーニングする方法。 (9)前項(1)、(2)または(3)に記載のポリペ
プチドと特異的に結合しうる抗体。
【0013】配列表の簡単な説明 以下に述べる各配列表の塩基配列において、左側端部及
び右側端部はそれぞれ5'末端及び3'末端であり、アミノ
酸配列においては、左側端部及び右側端部はそれぞれN
末端及びC末端である。配列番号1は、ヒト心臓由来の
T6BPの全長アミノ酸配列であり;配列番号2は、ヒト心
臓由来のT6BPのcDNA塩基配列であり;配列番号3及び4
は、公知のデータベースGenBankエントリーHSU78798を
元に設計したヒトTRAF6サブクローニング用のプライマ
ーの塩基配列であり;配列番号5は、配列表配列番号2
に示すT6BP塩基配列の1216番目のaから1235番目のtまで
の塩基配列の相補鎖であり;配列番号6は、配列表配列
番号2に示すT6BP塩基配列の831番目のtから850番目のc
までの塩基配列の相補鎖であり;配列番号7は、配列表
配列番号2に示すT6BP塩基配列の625番目のgから644番
目のgまでの塩基配列の相補鎖であり;配列番号8は、
配列表配列番号2に示すT6BP塩基配列の625番目のgから
644番目のgまでの塩基配列であり;配列番号9は、配列
表配列番号2に示すT6BP塩基配列の340番目のcから359
番目のcまでの塩基配列であり;配列番号10は、配列
表配列番号2に示すT6BP塩基配列の331番目のcから348
番目のtまでの塩基配列の5'末端にコザック配列gccacc
と塩基配列atggacaaaとをつなげた配列であり;配列番
号11は、 MATCHMAKER Two-Hybrid System 2(米国ク
ロンテック社製)に付属するイースト2ハイブリッド法
用ベクターpACT2の塩基配列の4967番目から4990番目の
塩基配列の相補鎖であり;配列番号12、13及び14
は、公知のデータベースGenBankエントリーHSU78798を
元に設計したヒトTRAF6 deletion mutantサブクローニ
ング用のプライマーの塩基配列である。
【0014】以下本発明について具体的に説明する。本
発明において「ポリペプチド」とは、一般的に当業者に
よってペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、蛋白
質等として理解されているものを含む。従って、天然の
蛋白質や、化学合成又は組換え技術によって得られたポ
リペプチドやペプチドも含まれており、ポリペプチドは
糖鎖やリン酸化などの翻訳後修飾は受けていても受けて
いなくても良い。
【0015】本発明でいう「1又は数個のアミノ酸が欠
失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列」とは、自然
界において見出される対立遺伝変異もしくは自然突然変
異、更には人為的な突然変異体や遺伝子組み替え技術を
用いて得られる変異体のアミノ酸配列を意味する。本発
明に含有されるアミノ酸配列は、全て本発明の新規ポリ
ペプチド分子の活性を有するポリペプチドであり、たと
え1つのアミノ酸残基の改変であっても、その活性を損
失させるような変化を含むアミノ酸配列は本発明には含
まれない。
【0016】本発明でいう「ストリンジェントな条件下
でハイブリダイズする塩基配列」とは、ハイブリダイゼ
ーション後の洗浄条件、例えば温度や塩濃度を適当に変
化させることにより、非特異的なハイブリダイゼーショ
ンを減少させた条件下で同定される、高度に相補的な塩
基配列を意味する。具体的には1.0XSSC、0.1%SDS、55℃
のような、ハイブリダイズするポリヌクレオチド間の特
異性を保証するような条件でハイブリダイズする塩基配
列であり、本発明の新規アダプター分子をコードするDN
Aの塩基配列の少なくとも80%の相同性を有する塩基
配列である。
【0017】次に、本発明の基本的特徴を更に明らかに
するために、本発明の完成に至る経緯を追いながら、本
発明に包含される技術的特徴について説明する。TRAF6
からNFκBの活性化に至るシグナル伝達に関与する新規
分子を取得する目的で、実施例1に示すように、以下の
実験を実行した。まずヒト心臓mRNAよりRT-PCR法によっ
てヒトTRAF6遺伝子を増幅した。そのTRAF6遺伝子をベイ
トとして、Gal4のシステムを用いたイースト2ハイブリ
ッド法でヒト心臓cDNAライブラリーをスクリーニングし
た。その結果、これまでに報告されているどの蛋白質と
も相同性の見られない新たなポリペプチドをコードする
DNAを得ることに成功した。
【0018】こうしてイースト2ハイブリッド法で得ら
れたクローンにはN末端と推定されるMetが含まれてい
なかったことから、その全長を取得するために5'RACE法
を実行した。TRAF6遺伝子を得たものと同じヒト心臓mRN
Aを用いて、5'RACEを実行したところ、イースト2ハイ
ブリッド法で得られたクローンの5'末端の上流と推定さ
れるクローンが得られた。それらをつなげて配列表配列
番号1に示される新規ポリペプチド分子の全長が得られ
た。その全長配列を用いてこれまで報告されている蛋白
質、DNAの相同性検索を行ったが、これまでに報告され
ているどの蛋白質とも高い相同性は得られなかった。
【0019】この新規ポリペプチド分子をT6BP(TRAF6 B
inding Protein)と名付けた。ヒトT6BP全長をコードす
るプラスミドベクターpCDNA3.1hT6BPを大腸菌に組み入
れ、 E.Coli:DH5α-pcDNA3hT6BPとして通商産業省工業
技術院生命工学技術研究所に受託番号FERM P-17056とし
て平成10年11月18日に寄託されている。本発明者
らは、次にこのヒトT6BPの生体内における発現をノザン
ブロット法により確認したところ、7.5kbのサイズのmRN
Aがほぼ全ての臓器で発現しており、またおよそ5kbのサ
イズのmRNAが心臓、骨格筋、膵臓で比較的強く、しかし
ほぼ全ての臓器で発現していることが確認された(図2
参照)。今回スクリーニングで得られたcDNA及び5'RACE
の結果からは、T6BPのmRNAのサイズはおよそ5kb程度と
推定されることから、ノザンブロットの結果得られた7.
5kbのバンドは今回得られたクローンとは異なったもの
と考えられる。その7.5kbのバンドが、非翻訳領域が長
いT6BPのmRNAであるのか、あるいは翻訳領域の異なった
別のクローンであるのかについては不明である。ただし
T6BP翻訳領域上の異なる2種類のプローブを用いてノザ
ンブロット法を行ったところ、それら2つの結果が同じ
であったことから、7.5kbのバンドもT6BPと同一、もし
くはハイブリダイズしT6BPと同様な活性を有する類似分
子と考えられる。
【0020】次にヒトT6BPがTRAF6上のどの部分に結合
するのかを確認する実験を行った。TRAF6のN末端側の
およそ半分を削り、TRAF-N及びTRAF-C領域のみ残した変
異体、N末端のおよそ4分の1を削り、Znフィンガー領
域及びTRAF-N、TRAF-C領域を残した変異体、更にC末端
側のおよそ半分を削り、リング領域及びZnフィンガー領
域を残した変異体の3種類の変異体を作製し、イースト
2ハイブリッド法によってそれらとT6BPとの結合活性を
測定した。その結果、表1が示すように、T6BPはTRAF6
のZnフィンガー領域に結合することが推定される結果が
得られた。
【0021】TRAF6はIL-1レセプターと細胞内で結合
し、IL-1からNFκBへのシグナル伝達に関与する分子と
考えられている。実際にTRAF6を動物細胞に高発現させ
ると、NFκBの活性化が見られる。よってTRAF6と結合す
るT6BPが、NFκBの活性化シグナルに何らかの形で関与
している可能性が考えられる。そこでT6BPが実際にNFκ
Bの活性化に関与しているのかどうか、そして関与する
場合にはどうその活性化に関与しているのかを調べるた
めに、今回イースト2ハイブリッド法で取得したクロー
ン10−18を動物細胞発現ベクターpTARGET(プロメ
ガ社)に組み込みpTARGET10-18を作製した。IL-1やTNF
感受性の細胞HEK293細胞に、NFκBエレメントの下流に
レポーター遺伝子としてルシフェラーゼをつないだレポ
ーター遺伝子と、今回作製したpTARGET10-18を同時に導
入し、その後TNFやIL-1で細胞を刺激した。するとT6BP
を導入した細胞では、IL-1からの刺激によるルシフェラ
ーゼ活性が導入しない細胞に比べて明らかに阻害されて
いることが判明した。この阻害活性は、細胞に導入した
pTARGET10-18の量に依存することも実証された。更に興
味深いことに、TNFからの刺激によるルシフェラーゼ活
性はT6BPの導入によって全く阻害されていないことも判
明した(図3参照)。
【0022】本発明では、TRAF6と結合しIL-1からNFκB
の活性化に至るシグナル伝達を特異的に阻害する新規ポ
リペプチドT6BPをコードするcDNAがクローニングされ
た。本発明でクローニングされたDNAの塩基配列は、プ
ロモーター、オペレーター、エンハンサーのような転写
制御配列や、終始配列ならびにT6BPの発現を制御する他
の調節配列を含む宿主細胞内で発現可能な発現ベクター
に連結させることができる。本発明で用いられる発現ベ
クターは、宿主細胞に導入することが可能であり、宿主
細胞内で複製し、ベクターに挿入されたDNAのコードす
るポリペプチドを発現することが可能なベクターであれ
ば特に限定されない。発現ベクターは原核生物性もしく
は真核生物性のいずれでもよく、典型的なベクターとし
てはウィルスもしくはプラスミドが用いられる。
【0023】本発明のいずれかの核酸配列を含む組換え
DNAで形質転換された微生物又は細胞は、形質転換、即
ちベクターDNAを細胞内へ導入する方法を用いて作製す
ることができる。形質転換技術としては、トランスフェ
クション、エレクトロポレーション、マイクロインジェ
クション、リポフェクション法等が挙げられるが、これ
らには限定されるものではない。また、上述したよう
に、組換えDNA技術を用いてT6BPの発現を調節すること
もできる。例えば、適切な制御因子をT6BP配列と連結さ
せた後で、宿主細胞をこの組換えT6BP配列を持つ発現ベ
クターで形質転換することにより、目的の発現量を達成
することができる。宿主細胞内での核酸配列のコピー
数、それらの核酸配列が転写される効率、翻訳される効
率および翻訳後修飾等の効率は、宿主となる微生物又は
細胞や、組換えDNAの構成を操作することによって制御
することが可能である。
【0024】本発明のT6BPポリペプチドまたはDNAは、I
L-1からNFκBの活性化に至るシグナル伝達を調節する化
合物の同定に有用である。上記した「シグナル伝達の調
節」にはNFκBの活性化の阻害も促進も含まれるが、特
にNFκB活性を阻害する化合物には様々な用途がある。
このような化合物は、IL-1刺激によるNFκBの活性化
が、少なくとも部分的には発症に関与するような疾患の
治療または予防に有効である。本発明において、T6BPが
IL-1によるNFκBの活性化を抑制することから、T6BPが
実際にIL-1の細胞内シグナル伝達の一部を担っているこ
とを証明した。IL-1が自己免疫疾患や炎症反応の誘因も
しくは進展に関与していることを考えると、T6BPも上記
の疾患において、重要な役割を担うものと予想される。
【0025】NFκBの活性化が細胞のアポトーシスを阻
害することが最近明らかになりつつある。T6BPがIL-1か
らNFκBの活性化において抑制的に働くことから、T6BP
にはアポトーシスを促進する機能を持つ可能性も考えら
れる。アポトーシスの誘導が治療につながる疾患として
は、腫瘍が挙げられる。またアポトーシスの抑制が治療
につながる疾患としてはGVHD、Toxic epidermal necrol
ysis(TEN)などの皮膚疾患、増殖性腎炎(IgA腎炎、紫
斑病性腎炎、ループス腎炎)、劇症肝炎などが挙げられ
る。よって、T6BPがそれらの疾患において、重要な役割
を担う可能性も考えられる。
【0026】T6BPとTRAF6との相互作用に特異的に作用
する化合物のスクリーニング系としては、例えばイース
ト2ハイブリッド法の実験系が使用できる。すなわち、
TRAF6とT6BPとの相互作用をイースト2ハイブリッド活
性でモニターし、そのレポーター活性を阻害あるいは促
進する化合物をスクリーニングすれば、TRAF6とT6BPと
の相互作用を阻害あるいは促進する物質が得られる。別
の方法として、BIAcore(ビアコア(株))を用いて、T
RAF6とT6BPの相互作用の変化を化合物の存在下で確認す
ることによって、その化合物のTRAF6とT6BPの相互作用
に与える影響を確認することができる。つまりBIAcore
を用いて、TRAF6とT6BPとの相互作用を阻害あるいは促
進する化合物のスクリーニングが可能となる。ここでい
うスクリーニングは、請求項1または2に記載のT6BP全
長配列を持つポリペプチドのみならず、請求項3に記載
の性質を持った少なくとも5アミノ酸残基からなる部分
ペプチドを用いて実行することも可能である。しかしな
がら、本発明のスクリーニング方法は、上記の方法に限
定されるものではない。
【0027】スクリーニングに使用できる化合物は、高
分子であっても経口投与可能な低分子化合物であっても
よい。このようにしてスクリーニングされたTRAF6とT6B
P相互作用促進剤は、例えばIL-1の作用の一部をブロッ
クするが、それ以外には影響しない、特異的な抗炎症剤
あるいはリウマチなどの自己免疫疾患の治療薬としての
用途が考えられる。
【0028】また、本発明のT6BPの塩基配列情報をもと
に、その配列と相補的なT6BPに特異的アンチセンスを設
計することは容易である。ここでいうアンチセンスと
は、T6BPをコードするmRNA又はDNAの少なくとも一部に
相補的なポリヌクレオチド(DNA, RNAなど)であり、T6
BPの転写及び翻訳を阻害するものをいう。具体的にアン
チセンスとして用いることができるポリヌクレオチドと
は、配列表配列番号2に示すT6BPをコードする塩基配列
より選ばれる連続した12塩基以上の配列に対するアン
チセンスポリヌクレオチド配列である。更に、本発明の
形質転換体を用いて、そのアンチセンスの効果を確認す
ることもできる。このアンチセンスには、一般的なDN
A、RNAのみならず他のヌクレオチド類似の配列特異的な
アンチセンス効果を有するとされる分子すべてに対して
利用できる。
【0029】更に、T6BP遺伝子は、癌、自己免疫疾患、
アレルギー性疾患、および炎症性応答を初めとする様々
な疾患の治療を目的とした遺伝子治療にも有用である。
遺伝子治療とは、疾病の治療を目的として、遺伝子また
は遺伝子を導入した細胞をヒトの体内に投与することを
意味する。本発明のT6BP蛋白質やDNAは、診断目的にも
使用できる。本発明のT6BPで形質転換された細胞を使っ
てT6BPを大量に生産し、その蛋白質を用いてT6BP特異的
なモノクローナル抗体を得ることは容易である。免疫抗
原としては、ヒトT6BPの全長を用いても、T6BPのアミノ
酸配列の少なくとも連続した5アミノ酸残基からなるペ
プチド断片を用いても良い。抗体には、完全な抗体の他
に、抗原結合部位を含んだ断片であるFab, F(ab')2, F
v, scFvなど、本来の抗体をもとに作製された抗体効果
を有するとされる分子すべても含まれる。
【0030】このような抗体を用いれば、細胞や組織中
のT6BP蛋白質の検出を目的としたELISAやRIA又はウェス
タンブロット系を構築することが可能である。このよう
な検出系は診断目的に使用できる。また、T6BPのmRNAに
特異的なプローブを用いて細胞や組織のT6BPの発現を検
出することもできるので(実施例3及び図2参照)、こ
のようなプローブも診断目的のアッセイで使用できる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定され
るものではない。
【0032】
【実施例1】イースト2ハイブリッド法によるTRAF6と
相互作用する蛋白質のクローニングまず、本発明の炎症
関連新規シグナル伝達蛋白質遺伝子のクローニングにつ
いて、具体的に説明する。ヒトTRAF6と特異的に結合す
る蛋白質を探す目的で、ヒトTRAF6をベイトとして用い
たイースト2ハイブリッド法を実行した。ヒトTRAF6遺
伝子を、合成オリゴヌクレオチド 5'-ccccatatgagtctgctaaactgtgaaaa-3'(配列表配列番
号3) 5'-cccgaattcctatacccctgcatcagtact-3'(配列表配列番
号4) を用いてヒト心臓のpolyA RNA(米国クロンテック社
製)を材料としてRT-PCR法によって増幅した。上記のオ
リゴヌクレオチドにデザインしてある制限酵素NdeIとEc
oRIを用いて、増幅したヒトTRAF6遺伝子をpAS2-1ベクタ
ーに組み込んだ。pAS2-1ベクターは、MATCHMAKER Two-H
ybrid System 2(米国クロンテック社製)に付属するイ
ースト2ハイブリッド法用のベクターである。
【0033】TRAF6を組み込んだpAS2-1(pAS2-1TRAF6)
ベクターをイーストPJ69-2A(米国クロンテック社)に
酢酸リチウム法によって導入した。pAS2-1TRAF6が導入
されたPJ69-2Aクローンを単離し、そのクローンに更に
ヒト心臓由来のcDNAライブラリー(米国クロンテック社
製)を組み込んだ。ライブラリーが組み込まれたクロー
ンはおよそ100万個であったが、その中から2ハイブ
リッドのレポーター活性であるAde陽性となるクローン
を選ぶため、Ade欠損のSD培地にpAS2-1TRAF6とライブラ
リーが組み込まれたイーストをまいたところ、およそ1
万個のコロニーが得られた。
【0034】次にそれらのAde陽性クローンの中からも
う一つのレポーター活性であるHis陽性となるクローン
を選択する目的で、Ade欠損SD培地のレプリカをとり、H
is欠損のSD培地プレートにまいたところ、およそ3千個
のコロニーが得られた。得られたコロニーの中から、特
に成長の早い308クローンを選択し、それらを単離し
た後に各クローンのレポーター活性を再確認した。最終
的に確実に2種類のレポーター活性を持つと確認された
クローン106個を選択し、イーストでのスクリーニング
を終了した。
【0035】以上の106クローンをLeu欠損SD培地で培養
し、プラスミドの回収を行った。回収方法はガラスビー
ズを用いた方法で行った。回収したプラスミドを Leu要
求性の大腸菌にエレクトロポレーション法で組み込ん
だ。M9培地に現れたコロニーよりPCR法によって目的
のプラスミドを持つコロニー99個選択し、それらを培
養後プラスミド調製を行った。調製したプラスミド上
で、GAL4 Activation Domainと融合蛋白質として存在す
る蛋白質の塩基配列決定を行った。得られた塩基配列に
ついてGenbankの検索を行い、新規性を確認した。得ら
れたクローンの中の1クローン(以降クローン10-18と
呼ぶ)は、これまでに報告されていない蛋白質であるこ
とが確認されたため、再びイースト2ハイブリッド法を
用いてTRAF6と相互作用することを再確認した。イース
トPJ69-2AにベイトのpAS2-1TRAF6とクローン10-18を組
み込み、レポーター活性であるAde活性とHis活性を再確
認したところ、pAS2-1TRAF6とクローン10-18を組み込ま
れたイーストには両方の活性があることが確認された。
このクローン10-18は、配列表配列番号2の塩基配列上
の331塩基目のcから、以降最後の1551番目のaまですべ
ての塩基を含んでいたことが判明している。
【0036】
【実施例2】T6BP全長の取得 実施例1に記載のイースト2ハイブリッド法で得られた
クローン10-18は、第一メチオニンを持たない不完全長
のものであった。よって、クローン10-18の全長を得る
ために、5'RACE法を実行した。5'RACE法は、クローン10
-18の塩基配列の情報をもとに、ヒト心臓のpolyA RNA
(クロンテック社製)を材料としてGIBCOBRL社の5'RACE
Systemを用いて添付のプロトコールに従って実行し
た。5'RACE法に用いたプライマーの配列として、cDNA合
成には合成オリゴヌクレオチド5'-atttcctcaggcgtaggga
t-3'(配列表配列番号5)を用いた。5'末端のクローニ
ングには、キットに添付されたAUAPプライマーと合成オ
リゴヌクレオチド5'-gaggagatggtgatggagta-3'(配列表
配列番号6)を用いて30サイクルPCRを行い、その産物
を1μlを鋳型として更にAUAPプライマーと合成オリゴ
ヌクレオチド5'-ccaggtctttgagaaggttc-3'(配列表配列
番号7)を用いてPCRを30サイクル行って最終的にクロ
ーン10-18の5'末端からcDNA全長の5'末端と思われる部
分までを含むクローンのクローニングに成功した。実際
に取得したクローンは、cDNA全長の5'末端と思われる部
分から配列表配列番号2の塩基配列上の644塩基目のgま
で(すなわち上記の配列表配列番号7に示す合成オリゴ
ヌクレオチドの配列まで)を含むクローンである。
【0037】以上の方法で確定した炎症関連新規シグナ
ル伝達ポリペプチド;クローン10-18の全長をT6BP(TRA
F6 Binding Protein)と名付け、その配列を配列表配列
番号1、2に示す。全長の配列をもとに相同性検索を行
ったところ、T6BPはこれまでに報告されているどのタン
パク質とも相同性はないことが判明した。その配列に
は、1,アミノ酸の15番目から20番目まで、また1
33番目から135番目までそれぞれ6個と3個プロリ
ンが連続する配列が存在し、この配列はSH3領域(An
afi M, Rosen MK, Gish GD, Kay LE, Pawson T,J Biol
Chem 1996 Aug 30;271(35):21365-74)と呼ばれるドメ
インによる認識配列の可能性があること。2,アミノ酸
261番目以降Asn-Pro-Val-Tyrという配列となってお
り、この配列はいわゆるPTB領域といわれるリン酸化チ
ロシンの認識領域(van der Geer P,Pawson T,Trends i
n Biochem Sci 1995 Jul;20(7):277-80)による認識配
列であることなどがあげられる(図1)。
【0038】上記のヒトT6BPの全長塩基配列(配列表配
列番号2)を動物細胞の発現ベクターpcDNA3(オランダ
国インビトロジェン社)に組み込み、この組み換えプラ
スミドをE.Coli(DH5α)に導入して得られた形質転換体
を、E.Coli:DH5α-pcDNA3hT6BPとして通産省工業技術院
生命工学技術研究所(日本国茨城県つくば市東1丁目1
番3号(郵便番号305−0046))に平成10年1
1月18日(原寄託日)に寄託した(寄託番号:FERM P
-17056)。
【0039】
【実施例3】ノザンハイブリダイゼーション ヒトT6BPのmRNAの各臓器での発現を調べるために、Huma
n Multiple Tissue Northern Blot(クロンテック社)
を用いて、T6BPの翻訳領域2ヶ所をプローブとしてノザ
ンハイブリダイゼーションを行った。各プローブは、以
下の合成オリゴヌクレオチドを用いてT6BPcDNAを鋳型に
して20サイクルPCRを行うことにより作製した。 プローブ1:5'-gaaccttctcaaagacctgg-3'(配列表配列番号8) 5'-gaggagatggtgatggagta-3'(配列表配列番号6) プローブ2;5'-cagccttctcagtattctcc-3'(配列表配列番号9) 5'-ccaggtctttgagaaggttc-3'(配列表配列番号7) こうして作製したプローブの放射標識は、deoxynucleot
idyltransferase(東洋紡社)と[α-32P]dCTP(アマシ
ャム社)を用いて行った。フィルターの洗浄条件は 2XS
SC, 0.1%SDS,42℃10分間で2回、1XSSC,0.1%SDS,42℃,1
0分間1回洗浄した。洗浄後、オートラジオグラフィー
によって放射活性を測定した(図2)。図2の結果は、
プローブ1を用いた結果であるが、プローブ2を用いた
結果もほぼ同様であった。図2に示すように、7.5キロ
ベース程度のサイズのバンドは各臓器全てに見られるこ
と、及び5キロベース程度のサイズのバンドが心臓、骨
格筋に比較的多く発現し、その他の臓器でも発現は確認
された。
【0040】本発明の炎症関連新規シグナル伝達蛋白質
T6BPは、心臓mRNAから得たものであり、そのcDNAのサイ
ズと5'RACEの結果を考慮すると、mRNAは5キロベースの
バンドに対応するものと推定される。7.5キロベースの
バンドについては、非翻訳領域が長いT6BPのmRNAである
のか、あるいは翻訳領域の異なった別のクローンである
のかは不明である。ただしT6BP翻訳領域上の異なる2種
類のプローブ(プローブ1、プローブ2)を用いてノザ
ンブロット法を行ったところ、それら2つの結果が同じ
であったことから、7.5キロベースのバンドがT6BPと全
く関係のないクローンである可能性は薄いと考えられ
る。
【0041】
【実施例4】TRAF6上のT6BPの結合部位の推定 TRAF6は、N末端付近より順にリング領域、Znフィンガ
ー領域、TRAF-N領域、TRAF-C領域の構造をとっている。
本炎症関連新規シグナル伝達蛋白質T6BPは、TRAF6上の
いずれの領域と結合しているのかを決定するために、以
下の3種類のTRAF6 deletion mutantを作製してイース
ト2ハイブリッド法によってどのmutantとT6BPが結合す
るのかを確認した。作製方法は、それぞれの合成オリゴ
ヌクレオチド(後述)を用いてpAS2-1TRAF6を鋳型とし
てPCRを20サイクル行うことによって各mutantを増幅
し、増幅産物をEcoRIとNdeIサイトを用いてベクターpAS
2-1に組み込んだ。
【0042】TRAF6 deletion mutants pAS2-1T6N:リング領域、Znフィンガー領域を含むクロ
ーン。 5'-ccccatatgagtctgctaaactgtgaaaa-3'(配列表配列番
号3) 5'-ccggaattcctaatacccagagtcgggtataac-3'(配列表配
列番号12)で増幅。 pAS2-1T6C1:TRAF-N領域、TRAF-C領域を含むクローン。 5'-tctcatatgatctcagaggtccggaatttc-3'(配列表配列番
号13) 5'-cccgaattcctatacccctgcatcagtact-3'(配列表配列番
号4)で増幅。 pAS2-1T6C2:Znフィンガー領域、TRAF-N領域、TRAF-C領
域を含むクローン。 5'-ctgcatatgaatcaactatttccagacaatttt-3'(配列表配
列番号14) 5'-cccgaattcctatacccctgcatcagtact-3'(配列表配列番
号4)で増幅。
【0043】以上の3種類のdeletion mutants及び実施
例1で作製したpAS2-1TRAF6を、実施例1で取得したク
ローン10-18とともにイーストPJ69-4Aに共導入し、その
2ハイブリッド活性をAdeとHisの2種類のレポーター活
性によって測定した。表1にその結果を示す。表1の結
果より、本発明の炎症関連新規シグナル伝達蛋白質は、
Znフィンガー領域を含んだTRAF6のN末端側に結合する
ことが推定された。
【0044】
【表1】
【0045】
【実施例5】IL1βのシグナル伝達に対する阻害活性の
確認 実施例1に記載のイースト2ハイブリッド法で得られた
クローン10-18は、ベクターpACT2にのっている。このク
ローンを鋳型にして、インサート部分をオリゴヌクレオ
チド 5'-gccaccatggacaaacagaactatcagccttct-3'(配列表配
列番号10)と5'-tatctacgattcatagatctctcg-3'(配列
表配列番号11)を用いて20サイクルPCRを行うこ
とによって増幅した。前者のオリゴヌクレオチドには典
型的なコザック配列と1stメチオニンがデザインされ
ており、このPCR産物を動物細胞発現ベクターpTARGE
T(プロメガ社)にTAクローニングによって挿入した。
こうして作製したT6BP(N末端部分を含まない)発現ベ
クターをpTARGET10-18と名付けた。 pTARGET10-18を用
いて、IL-1からNFκBの活性化に至るまでのシグナル伝
達にT6BPが与える影響について以下の方法で調べた。
【0046】293-EBNA細胞(インビトロジェン社)を1X
104Cell/wellとなるように、5%FBS存在下でDMEMで2
4時間37℃で培養した。FUGENE6(ベーリンガーマン
ハイム社)を用いて、pNFkB-Luc(米国ストラタジーン
社)50ng、pRL-TK(プロメガ社)20ngをそれぞれ1ウエ
ルに導入した。更に20時間後、細胞を最終濃度10ng/m
lのIL-1、あるいは100ng/mlのTNFで刺激した。刺激6時
間後、デュアルルシフェラーゼレポーターシステム(プ
ロメガ社)を用いてNFκBのレポーター活性を測定し
た。活性の補正は上記のシステムの添付資料に従い行っ
た。結果を図3に示す。
【0047】293-EBNA細胞をIL-1で刺激した場合には、
pTARGET10-18の濃度に依存してレポーター活性が低下
する傾向が見られた。それに対して同様にTNFで刺激し
た場合には、 pTARGET-10-18を高濃度にしても全く影響
が見られなかった。以上の結果から、T6BPにはIL-1から
NFκBの活性化に至るシグナルを押さえるがTNFからNFκ
Bの活性化に至るシグナルには影響を与えないという生
理活性があることが実証された。T6BPはTRAF6と結合す
ること、TRAF6はIL-1レセプターと細胞内で結合するア
ダプター分子であることなどを考えると、以上の結果は
予想された結果である。
【0048】
【発明の効果】本発明の炎症関連新規シグナル伝達ポリ
ペプチド及びそれをコードするDNAを用いると、IL-1か
らNFκBの活性化に至るシグナル伝達経路の過剰な活性
化、又は阻害が関与する疾患の治療や予防に有用な化合
物のスクリーニング、さらにそのような疾患の診断薬を
作製することが可能である。更に本発明の炎症関連新規
シグナル伝達ポリペプチドをコードするDNAは、遺伝子
治療に用いられる遺伝子ソースとしても有用である。
【0049】
【配列表】 <110> Asahi Chemical Industry Co.,Ltd. <120> 炎症関連新規シグナル伝達ポリペプチド <130> X11-00147 <160> 14 <210> 1 <211> 516 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Met Gln Thr Gly Met Asn Pro Ser Ala Met Gln Gly Pro Ser Pro Pro 1 5 10 15 Pro Pro Pro Pro Ser Tyr Met His Ile Pro Arg Tyr Ser Thr Asn Pro 20 25 30 Ile Thr Val Thr Val Ser Gln Asn Leu Pro Ser Gly Gln Thr Val Pro 35 40 45 Arg Ala Leu Gln Ile Leu Pro Gln Ile Pro Ser Asn Leu Tyr Gly Ser 50 55 60 Pro Gly Ser Ile Tyr Ile Arg Gln Thr Ser Gln Ser Ser Ser Gly Arg 65 70 75 80 Gln Thr Pro Gln Ser Thr Pro Trp Gln Ser Ser Pro Gln Gly Pro Val 85 90 95 Pro His Tyr Ser Gln Arg Pro Leu Pro Val Tyr Pro His Gln Gln Asn 100 105 110 Tyr Gln Pro Ser Gln Tyr Ser Pro Lys Gln Gln Gln Ile Pro Gln Ser 115 120 125 Ala Tyr His Ser Pro Pro Pro Ser Gln Cys Pro Ser Pro Phe Ser Ser 130 135 140 Pro Gln His Gln Val Gln Pro Ser Gln Leu Gly His Ile Phe Met Pro 145 150 155 160 Pro Ser Pro Ser Thr Thr Pro Pro His Pro Tyr Gln Gln Gly Pro Pro 165 170 175 Ser Tyr Gln Lys Gln Gly Ser His Ser Val Ala Tyr Leu Pro Tyr Thr 180 185 190 Ala Ser Ser Leu Ser Lys Gly Ser Met Lys Lys Ile Glu Ile Thr Val 195 200 205 Glu Pro Ser Gln Arg Pro Gly Thr Ala Ile Asn Arg Ser Pro Ser Pro 210 215 220 Ile Ser Asn Gln Pro Ser Pro Arg Asn Gln His Ser Leu Tyr Thr Ala 225 230 235 240 Thr Thr Pro Pro Ser Ser Ser Pro Ser Arg Gly Ile Ser Ser Gln Pro 245 250 255 Lys Pro Pro Phe Ser Val Asn Pro Val Tyr Ile Thr Tyr Thr Gln Pro 260 265 270 Thr Gly Pro Ser Cys Thr Pro Ser Pro Ser Pro Arg Val Ile Pro Asn 275 280 285 Pro Thr Thr Val Phe Lys Ile Thr Val Gly Arg Ala Thr Thr Glu Asn 290 295 300 Leu Leu Asn Leu Val Asp Gln Glu Glu Arg Ser Ala Ala Pro Glu Pro 305 310 315 320 Ile Gln Pro Ile Ser Val Ile Pro Gly Ser Gly Gly Glu Lys Gly Ser 325 330 335 His Lys Tyr Gln Arg Ser Ser Ser Ser Gly Ser Asp Asp Tyr Ala Tyr 340 345 350 Thr Gln Ala Leu Leu Leu His Gln Arg Ala Arg Met Glu Arg Leu Ala 355 360 365 Lys Gln Leu Lys Leu Glu Lys Glu Glu Leu Glu Arg Leu Lys Ser Glu 370 375 380 Val Asn Gly Met Glu His Asp Leu Met Gln Arg Arg Leu Arg Arg Val 385 390 395 400 Ser Cys Thr Thr Ala Ile Pro Thr Pro Glu Glu Met Thr Arg Leu Arg 405 410 415 Ser Met Asn Arg Gln Leu Gln Ile Asn Val Asp Cys Thr Leu Lys Glu 420 425 430 Val Asp Leu Leu Gln Ser Arg Gly Asn Phe Asp Pro Lys Ala Met Asn 435 440 445 Asn Phe Tyr Asp Asn Ile Glu Pro Gly Pro Val Val Pro Pro Lys Pro 450 455 460 Ser Lys Lys Glu His Arg Thr Gly Ser Thr Gln Ser Pro Arg Thr Gln 465 470 475 480 Pro Arg Asp Glu Asp Tyr Glu Gly Ala Pro Trp Asn Cys Asp Ser Cys 485 490 495 Thr Phe Leu Asn His Pro Ala Leu Asn Arg Cys Glu Gln Cys Glu Met 500 505 510 Pro Arg Tyr Thr 515
【0050】 <210> 2 <211> 1551 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (1)...(1548) <400> 2 atg caa aca gga atg aat ccg tct gct atg caa ggg cct tca cca cca 48 Met Gln Thr Gly Met Asn Pro Ser Ala Met Gln Gly Pro Ser Pro Pro 1 5 10 15 ccg cca cct cct tca tac atg cac ata cct cgg tat agt aca aat cca 96 Pro Pro Pro Pro Ser Tyr Met His Ile Pro Arg Tyr Ser Thr Asn Pro 20 25 30 att act gtt aca gta tcc cag aac ctc cct tct gga cag act gta cca 144 Ile Thr Val Thr Val Ser Gln Asn Leu Pro Ser Gly Gln Thr Val Pro 35 40 45 aga gct tta caa att ctt cca caa att cca agc aat ctc tat ggg tct 192 Arg Ala Leu Gln Ile Leu Pro Gln Ile Pro Ser Asn Leu Tyr Gly Ser 50 55 60 cct ggt tct att tat att aga cag aca tct cag agt tca tca gga aga 240 Pro Gly Ser Ile Tyr Ile Arg Gln Thr Ser Gln Ser Ser Ser Gly Arg 65 70 75 80 caa act cct cag agt acg ccg tgg cag tcc tca cca cag ggc cca gtg 288 Gln Thr Pro Gln Ser Thr Pro Trp Gln Ser Ser Pro Gln Gly Pro Val 85 90 95 cct cac tat agc cag cgt cct tta cct gtt tat cca cac caa cag aac 336 Pro His Tyr Ser Gln Arg Pro Leu Pro Val Tyr Pro His Gln Gln Asn 100 105 110 tat cag cct tct cag tat tct ccc aaa cag cag cag atc cct cag tct 384 Tyr Gln Pro Ser Gln Tyr Ser Pro Lys Gln Gln Gln Ile Pro Gln Ser 115 120 125 gct tac cat tca cca cct cct tct caa tgt cct tca ccc ttc agc tct 432 Ala Tyr His Ser Pro Pro Pro Ser Gln Cys Pro Ser Pro Phe Ser Ser 130 135 140 cca cag cat caa gtg caa cct tcc cag ttg ggc cac atc ttt atg cca 480 Pro Gln His Gln Val Gln Pro Ser Gln Leu Gly His Ile Phe Met Pro 145 150 155 160 cct agt cct tca act act cca ccc cat cca tat caa caa gga cct cct 528 Pro Ser Pro Ser Thr Thr Pro Pro His Pro Tyr Gln Gln Gly Pro Pro 165 170 175 agc tat cag aaa cag gga agc cat tca gta gcc tat ctt cca tac aca 576 Ser Tyr Gln Lys Gln Gly Ser His Ser Val Ala Tyr Leu Pro Tyr Thr 180 185 190 gca tct agt tta tcc aaa ggt tcc atg aag aag ata gaa att aca gtt 624 Ala Ser Ser Leu Ser Lys Gly Ser Met Lys Lys Ile Glu Ile Thr Val 195 200 205 gaa cct tct caa aga cct ggg aca gca att aat agg agt cct tca ccc 672 Glu Pro Ser Gln Arg Pro Gly Thr Ala Ile Asn Arg Ser Pro Ser Pro 210 215 220 atc agt aat caa cca tct cca cgg aat caa cac tca ctg tac aca gcc 720 Ile Ser Asn Gln Pro Ser Pro Arg Asn Gln His Ser Leu Tyr Thr Ala 225 230 235 240 acc acg cca cct tca agt tct cct tca aga ggg ata tct agt caa cca 768 Thr Thr Pro Pro Ser Ser Ser Pro Ser Arg Gly Ile Ser Ser Gln Pro 245 250 255 aaa cct cca ttt agt gtt aat cct gtg tat att aca tat aca cag cca 816 Lys Pro Pro Phe Ser Val Asn Pro Val Tyr Ile Thr Tyr Thr Gln Pro 260 265 270 act gga cct tct tgt act cca tca cca tct cct cga gtg ata cca aac 864 Thr Gly Pro Ser Cys Thr Pro Ser Pro Ser Pro Arg Val Ile Pro Asn 275 280 285 cca act aca gtt ttt aaa att acc gta ggc cga gca acg act gaa aat 912 Pro Thr Thr Val Phe Lys Ile Thr Val Gly Arg Ala Thr Thr Glu Asn 290 295 300 ctt tta aat tta gtg gac caa gaa gag cgc tct gca gca cca gaa cct 960 Leu Leu Asn Leu Val Asp Gln Glu Glu Arg Ser Ala Ala Pro Glu Pro 305 310 315 320 att cag ccc att tca gtg ata cca ggc tct ggg gga gaa aag gga agc 1008 Ile Gln Pro Ile Ser Val Ile Pro Gly Ser Gly Gly Glu Lys Gly Ser 325 330 335 cat aaa tat cag aga agt tct agt tct gga tca gat gac tat gcc tac 1056 His Lys Tyr Gln Arg Ser Ser Ser Ser Gly Ser Asp Asp Tyr Ala Tyr 340 345 350 aca caa gcc ttg ctg tta cat caa cga gca agg atg gag agg tta gca 1104 Thr Gln Ala Leu Leu Leu His Gln Arg Ala Arg Met Glu Arg Leu Ala 355 360 365 aag caa ctg aaa ctt gag aaa gag gag cta gag cgg ttg aag tct gaa 1152 Lys Gln Leu Lys Leu Glu Lys Glu Glu Leu Glu Arg Leu Lys Ser Glu 370 375 380 gtt aat ggt atg gag cat gac ctg atg cag aga cgg ctc aga aga gtc 1200 Val Asn Gly Met Glu His Asp Leu Met Gln Arg Arg Leu Arg Arg Val 385 390 395 400 agc tgc acc act gcg atc cct acg cct gag gaa atg aca aga ttg aga 1248 Ser Cys Thr Thr Ala Ile Pro Thr Pro Glu Glu Met Thr Arg Leu Arg 405 410 415 agc atg aac aga caa ctc cag ata aat gtt gac tgt aca ctg aaa gaa 1296 Ser Met Asn Arg Gln Leu Gln Ile Asn Val Asp Cys Thr Leu Lys Glu 420 425 430 gtt gac ctc ctt caa tct aga gga aac ttt gat cca aaa gcc atg aat 1344 Val Asp Leu Leu Gln Ser Arg Gly Asn Phe Asp Pro Lys Ala Met Asn 435 440 445 aat ttt tat gac aac ata gaa cct ggc cca gtt gta cca ccc aag cca 1392 Asn Phe Tyr Asp Asn Ile Glu Pro Gly Pro Val Val Pro Pro Lys Pro 450 455 460 tct aaa aaa gag cat cga act ggc tcc aca caa agt cct cgg aca caa 1440 Ser Lys Lys Glu His Arg Thr Gly Ser Thr Gln Ser Pro Arg Thr Gln 465 470 475 480 cct cga gat gaa gac tac gaa ggg gct cca tgg aat tgt gat agc tgc 1488 Pro Arg Asp Glu Asp Tyr Glu Gly Ala Pro Trp Asn Cys Asp Ser Cys 485 490 495 acc ttt ctt aac cac cca gca cta aat cgc tgt gag cag tgc gag atg 1536 Thr Phe Leu Asn His Pro Ala Leu Asn Arg Cys Glu Gln Cys Glu Met 500 505 510 cca cgg tac acc tga 1551 Pro Arg Tyr Thr 515
【0051】 <210> 3 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 公知のデータベースGenBankエントリーHSU78798を元に設計したヒトTRAF6 サブクローニング用のプライマー。 <400> 3 ccccatatga gtctgctaaa ctgtgaaaa 29 <210> 4 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 公知のデータベースGenBankエントリーHSU78798を元に設計したヒトTRAF6 サブクローニング用のプライマー。 <400> 4 cccgaattcc tatacccctg catcagtact 30 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 配列表配列番号2に示すT6BP塩基配列の1216番目のaから1235番目のtまで の塩基配列の相補鎖 <400>5 atttcctcag gcgtagggat 20
【0052】 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 配列表配列番号2に示すT6BP塩基配列の831番目のtから850番目のcまでの 塩基配列の相補鎖 <400>6 gaggagatgg tgatggagta 20 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 配列表配列番号2に示すT6BP塩基配列の625番目のgから644番目のgまでの 塩基配列の相補鎖。 <400>7 ccaggtcttt gagaaggttc 20 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 配列表配列番号2に示すT6BP塩基配列の625番目のgから644番目のgまでの 塩基配列。 <400>8 gaaccttctc aaagacctgg 20 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 配列表配列番号2に示すT6BP塩基配列の340番目のcから359番目のcまでの 塩基配列。 <400>9 cagccttctc agtattctcc 20 <210> 10 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 配列表配列番号2に示すT6BP塩基配列の331番目のcから348番目のtまでの 塩基配列の5'末端にコザック配列gccaccと塩基配列atggacaaaとをつなげた配列 。 <400> 10 gccaccatgg acaaacagaa ctatcagcct tct 33
【0053】 <210> 11 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> MATCHMAKER Two-Hybrid System 2(米国クロンテック社製)に付属するイ ースト2ハイブリッド法用ベクターpACT2の塩基配列の4967番目から4990番目の 塩基配列の相補鎖。 <400> 11 tatctacgat tcatagatct ctcg 24 <210> 12 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 公知のデータベースGenBankエントリーHSU78798を元に設計したヒトTRAF6 deletion mutantサブクローニング用のプライマー。 <400> 12 ccggaattcc taatacccag agtcgggtat aac 33 <210> 13 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 公知のデータベースGenBankエントリーHSU78798を元に設計したヒトTRAF6 deletion mutantサブクローニング用のプライマー。 <400> 13 tctcatatga tctcagaggt ccggaatttc 30 <210> 14 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> 公知のデータベースGenBankエントリーHSU78798を元に設計したヒトTRAF6 deletion mutantサブクローニング用のプライマー。 <400> 14 ctgcatatga atcaactatt tccagacaat ttt 33
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトT6BPのアミノ酸配列を示す。四角で囲った
部分はPTB領域認識配列、及びプロリンの繰り返し配列
を示す。
【図2】実施例3のヒトの各臓器におけるヒトT6BPのNo
rthern blotを示す電気泳動写真。
【図3】実施例5に示した、293細胞におけるIL-1、
TNF刺激によるNFκB活性化に対するT6BPの導入量の影響
を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 1/21 4H045 5/10 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/566 33/566 A61K 31/00 629 // A61K 31/00 629 39/395 D 38/00 N 39/395 C12P 21/08 C12N 5/00 A C12P 21/08 A61K 37/02 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA43 BA80 CA04 CA09 CA12 DA02 DA06 DA12 EA04 GA11 GA14 GA19 HA12 HA14 4B064 AG01 AG27 CA02 CA06 CA10 CA19 DA03 DA05 DA08 DA13 4B065 AA26X AA72X AA90X AA90Y AB01 BA02 BA03 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 BA01 BA08 BA22 BA23 CA17 CA27 DA25 DA47 NA14 ZB072 ZB111 ZB112 ZB132 ZB261 ZB262 4C085 AA13 AA14 AA19 BB11 CC03 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA40 DA03 DA50 DA76 EA22 EA25 EA26 EA28 EA50 FA74

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脊椎動物に由来する実質的に純粋なポリ
    ペプチドであって、且つ次の特徴を有するポリペプチ
    ド。 (a) TRAF6と結合する。 (b) IL-1のIL-1受容体への結合からNFκBの活性化に至
    る細胞内シグナル伝達を抑制する。
  2. 【請求項2】 配列表配列番号1で示されるアミノ酸配
    列を有するか、あるいは該アミノ酸配列において1又は
    数個のアミノ酸を欠失、置換もしくは付加したアミノ酸
    配列からなることを特徴とする請求項1に記載のポリペ
    プチド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のポリペプチド
    の少なくとも5個のアミノ酸残基からなる部分配列であ
    ることを特徴とする、実質的に純粋なポリペプチド。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載のポリペプチ
    ドをコードするDNA。
  5. 【請求項5】 該DNAが、配列表配列番号2よりなる塩
    基配列、あるいは該塩基配列からなるDNAとストリンジ
    ェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列からなる
    ことを特徴とする請求項4に記載のDNA。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載のDNAを複製可能
    なベクターに組み込んでなる複製可能な組換え体DNA。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の複製可能な組換え体DN
    Aで形質転換された微生物又は細胞。
  8. 【請求項8】 TRAF6と請求項1、2又は3のポリペプ
    チドとの相互作用を阻害あるいは促進する物質をスクリ
    ーニングする方法にして、TRAF6と請求項1、2又は3
    のポリペプチドをサンプル材料と接触せしめ、その相互
    作用の阻害あるいは促進を指標として、その相互作用を
    阻害するあるいは促進する物質をスクリーニングする方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2又は3に記載のポリペプチ
    ドと特異的に結合しうる抗体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020069140A (ko) * 2001-02-21 2002-08-29 주식회사 코메드 종양 괴사 인자 수용체 관련 인자 6 억제 단백질
WO2019194119A1 (ja) * 2018-04-05 2019-10-10 国立大学法人広島大学 TRAF6の作用を阻害するペプチド、並びにそれを含むNF-κB及びMAPKの活性化阻害剤、破骨細胞の形成阻害剤、及び医薬組成物

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WO2019194119A1 (ja) * 2018-04-05 2019-10-10 国立大学法人広島大学 TRAF6の作用を阻害するペプチド、並びにそれを含むNF-κB及びMAPKの活性化阻害剤、破骨細胞の形成阻害剤、及び医薬組成物

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