JP2000258928A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JP2000258928A
JP2000258928A JP2000003010A JP2000003010A JP2000258928A JP 2000258928 A JP2000258928 A JP 2000258928A JP 2000003010 A JP2000003010 A JP 2000003010A JP 2000003010 A JP2000003010 A JP 2000003010A JP 2000258928 A JP2000258928 A JP 2000258928A
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dispersion
orifice
producing
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electrophotographic photosensitive
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Yoichi Kawamorita
陽一 川守田
Takao Soma
孝夫 相馬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被分散物を微小に、かつ狭い粒径分布に分散
することができ、また、生産性よく安定して安価に分散
することができ、更に、ポチや画像かぶり等の画像欠陥
が生じにくい電子写真感光体の製造方法を提供すること
にある。 【解決手段】 層を有する電子写真感光体の製造方法に
おいて、昇圧された溶液をオリフィスから該オリフィス
の径よりも大きい径を有する中空部材内に該溶液が実質
的に霧化していない状態で吐出することにより被分散物
を分散することによって得られた分散液を用いて該層を
形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機光導電性物質を用いた電子写真感光
体は、電荷発生物質を含有する電荷発生層や導電性物質
及び潤滑剤等を含有する表面保護層等を有する。これら
の層は、上記各物質を樹脂中に分散した分散液を塗布
し、乾燥することによって形成される。
【0003】従来より用いられていた分散液の分散手段
としては、ロールミル、ボールミル、アトライター、サ
ンドミル及び高圧分散装置等が挙げられる。
【0004】ロールミルは2本以上の回転するロールの
間に顔料、バインダー樹脂及び溶剤等よりなる混合液を
通して分散する方法であるが、生産性が著しく劣るとい
う欠点を有するため近年はあまり用いられない。
【0005】また、ボールミル、アトライター及びサン
ドミル等の分散方法はベッセル(分散槽)内に顔料、バ
インダー樹脂、溶剤等及びメジウム(分散媒体)を入れ
何らかの手段で攪拌しメジウム同士の衝突エネルギーま
たは摩擦エネルギーにより分散する方法である。
【0006】しかしながら、電子写真感光体用分散液の
場合は、特に微小で粒径分布の狭い分散が必要であり、
これらの分散方法では微小で粒径分布の狭い分散液が得
にくく、生産性の点でも不十分である。また、分散液中
にベッセルやメジウム等の破片が混入し電子写真感光体
の特性を損ねることがあり、これら製造方法により得ら
れた電子写真感光体はポチや画像かぶりが生じ易かっ
た。
【0007】また、別の分散方法として、例えば特開平
4−337962号公報や特開平4−372955号公
報に記載される様に顔料及び分散溶媒を含有する混合液
に高圧をかけてオリフィス内に導入し、オリフィス内で
液同士を高速衝突させて分散する高圧分散方法がある。
【0008】しかしながら、従来の高圧分散方法では、
十分に微小でかつ粒径分布の狭い分散液が得られず、製
造された電子写真感光体はポチや画像かぶり等の画像欠
陥が生じることがあった。
【0009】従来の高圧分散では、オリフィス内に分散
部と合流部を設け混合液同士を衝突させる構造(図
6)、または流路を曲げた湾曲部を設け混合液を壁に衝
突させる構造(図7)にしていた。このように、分散液
は微小な体積中を通過する微小な時間で分散されるた
め、十分均一化されず分散液のある部分では過分散が生
じ、また他の部分では分散が足りないという様なことが
生じ易く、均一な分散をしにくかった。そのため複数回
分散工程を繰り返して必要な特性を確保する場合もあ
り、更なる生産性の向上が求められていた。
【0010】特に、電荷発生物質であるオキシチタニウ
ムフタロシアニンは分散時に結晶変換を起こし易く、ま
た、アゾ顔料やフッ素樹脂粉末は凝集してしまい、優れ
た均一性が得られないこともあった。
【0011】また、従来の高圧分散は、オリフィス内の
分岐部、合流部及び湾曲部の摩耗が大きく、オリフィス
の摩耗により分散液の品質が安定せず、更にオリフィス
は製造コストが高く分散装置の保守コストが高かった。
更には、オリフィス内に分岐部、合流部及び湾曲部があ
るため保守や分解洗浄が困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、被分
散物を微小に、かつ狭い粒径分布に分散することがで
き、また、生産性よく安定して安価に分散することがで
きる電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
【0013】本発明の目的は、ポチや画像かぶり等の画
像欠陥が生じにくい電子写真感光体の製造方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、層を有
する電子写真感光体の製造方法において、昇圧された溶
液をオリフィスから該オリフィスの径よりも大きい径を
有する中空部材内に該溶液が実質的に霧化していない状
態で吐出することにより被分散物を分散することによっ
て得られた分散液を用いて該層を形成する工程を有する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供され
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、分散は、ま
ず、オリフィスを通過し、中空部材内に吐出される時点
で行われる。また、本発明においては、吐出された液が
実質的に霧化しておらず高速ジェット流のまま中空部材
内部に噴出流入するので、この流入する液と、流入した
後中空部材内に滞留した液との間で発生する箭断力によ
っても分散が行われる。このように、比較的広い範囲に
わたって均一の箭断力が働くため、非常に均一な分散が
効率的に行われる。そのため、効率良く粒度分布の狭い
分散が可能であり、この分散液より製造された電子写真
感光体は、ポチや画像かぶり等の画像欠陥の少ない画像
が得られる。
【0016】また、本発明においては、湾曲部や合流部
のないオリフィスを通過させることができるので、オリ
フィスの摩耗が少なくなりオリフィスの寿命が長く、長
期にわたり安定生産が可能となる。更には、オリフィス
に湾曲部や合流部がないため、分散装置の分解洗浄が容
易であり、一台の分散装置で二種類以上の分散液の分散
を行うときに、段取り時間が短く生産効率が高い。
【0017】電子写真感光体分散液の製造装置の構成の
概略図の例を図1及び図3に示した。
【0018】図1において、混合液を混合液タンク4よ
り高圧ポンプ2により分散チャンバー3に導き、分散さ
れた液は、分散液タンク6に導かれる。
【0019】本発明の分散チャンバー構造の例として
は、図2に示すようなものが挙げられる。混合液注入口
10より高圧の混合液を導入し、オリフィス8により高
速ジェット流にする。この高速ジェット流を、中空部材
9内に噴射させる。液は分散液排出口11より排出され
る。なお、オリフィスより排出され圧力が下がった瞬間
に微小泡が発生し、分散の効果を減じることがない様
に、背圧バルブ16を設けてもよい。
【0020】また、図3は分散溶媒等を分散媒タンク1
から高圧ポンプ2により分散チャンバー3に導く。一
方、顔料等の被分散物を含む液は、混合液タンク4から
注入ポンプ5により液送され分散チャンバーに導かれ注
入される。分散された液は、分散液タンク6に導かれ
る。図4に示す分散チャンバー構造では、溶媒注入口7
より高圧の分散溶媒を導入し、オリフィス8により高速
ジェット流とする。この高速ジェット流を、中空部材9
内に噴射させる。一方、顔料等の被分散物を含む液は、
混合液注入口10より先の高速ジェット流に注入され分
散される。分散された液は、分散液排出口11より排出
される。
【0021】本発明のオリフィスの形状としては、高速
ジェット流を中空部材内に噴射する必要があり、摩耗し
難い形状であることが好ましい。オリフィス内に合流部
や湾曲部があるとその部分が摩耗し易く、オリフィスの
寿命を縮めることとなる。この観点からは、オリフィス
が実質的に直線状であることが好ましい。
【0022】オリフィス中のジェット流の速度は、好ま
しくは40〜3000m/sec、特に好ましくは20
0〜2000m/secが良好な結果が得られる。必要
とするジェット流の速度に合わせて適宜、オリフィス
径、ポンプの容量及び圧力を設定する。
【0023】オリフィスの径は0.01〜1.0mmが
良好であるが、特に好ましくは0.05〜0.3mmが
良好である。径が小さ過ぎる場合は、生産性が上がら
ず、またオリフィスが詰まり易い。径が大き過ぎる場合
は、生産性は上がるが必要とするジェット流の速度を確
保するために、それに見合った容量のポンプを必要とし
装置コストが高くなる。
【0024】オリフィスの材料は、液の通過により摩耗
し難いものが好ましく、例えば、焼結ダイヤモンド及び
単結晶ダイヤモンド等のダイヤモンド、更にアルミナ、
ジルコニア及びカーボランダム等のセラミック材料及び
ステンレス、鉄及びチタン等の金属が挙げられる。
【0025】本発明においては、オリフィスで絞られた
高速ジェット流を噴射流入させ分散させる。そのため高
速ジェット流が、中空部材に満たされた液と間で箭断作
用を受けながら減速する様にし、高速のまま中空部材の
内壁に衝突しないような構造にすることが好ましい。
【0026】中空部材には、噴射流入した高速ジェット
流が必要とする距離を有していること、及び高速ジェッ
ト流が直線的に流動できることが求められている。中空
部材の形状の好ましい例としては、図2及び図4に示し
た様に円筒状のものが挙げられる。オリフィスで絞られ
た高速ジェット流は、中空部材の壁面に衝突することな
く円筒中心部を通過し、すでに中に満たされた液と間で
箭断作用を受けながら減速する。
【0027】中空部材の径は、オリフィスの径より大き
い必要があるが、大き過ぎると中空部材内に均一な流れ
ができず分散が不均一となり易い。具体的には、オリフ
ィス径の2〜100倍が良好であるが、特に好ましくは
3〜50倍でかつ直径10mm以下が良好である。中空
部材は、高速ジェット流が高速のまま内壁に衝突しない
ような直線状の構造にする必要がある。その長さは、具
体的には30〜300mmが好ましい。
【0028】中空部材の材料は、分散液の通過により摩
耗し難いものが好ましく、例えば、アルミナ、ジルコニ
ア及びカーボランダム等のセラミック材料及びステンレ
ス、鉄及びチタン等の金属が挙げられる。
【0029】更に、中空部材の構造は、分散液が適度に
排出される様にする必要がある。分散液はその目的に応
じて中空部材のどの部分より排出してもよい。例えば、
中空部材のオリフィスと反対側の端に設けた場合は、噴
射流入した高速ジェット流の圧力により分散液の排出が
均一に行われる。また、オリフィス側より排出する構造
にした場合は、中空部材の中心部を高速ジェット流が流
れ、壁面近くから戻ってきた分散液が高速ジェット流と
対向して流れる様になり、箭断の効果が高く、かつ分散
液の排出が均一に行われるので好ましいが、注入した被
分散物が分散されないままに排出されないような構造に
する必要がある。
【0030】本発明の高速ジェット分散における混合液
あるいは溶媒をオリフィスに送り込むための圧力は、分
散材料や分散条件の組み合わせで適宜選択されるが、好
ましくは5×103〜3.2×105kPa、特に好まし
くは2×103〜3.0×105kPaである。圧力が低
過ぎる分散が不十分となり、高過ぎると過分散となり易
い。
【0031】本発明の高速ジェット分散における分散回
数(オリフィス通過回数)は、1回またはそれ以上であ
り、選択した材料、分散条件及び要求される特性等によ
って適宜選択することができる。
【0032】更に、背圧バルブで中空部材内の圧力(背
圧という)を制御することにより、オリフィス通過後の
急激な圧力低下による微小泡の発生による分散力低下を
防止できる。背圧は、分散の条件や分散溶媒の沸点等に
より変化するが1×103kPa以下では効果が薄く、
1×104kPa以上高くしても効果は変わらず、中空
部材の負担が大きくなるだけである。なお、排出された
液の温度を一定に保つため冷却手段を設けてもよい。冷
却手段の例としては、コイル状の配管を冷却水中に設
け、この中に分散液を通過させ熱交換する方法が挙げら
れる。
【0033】本発明の分散液の製造工程の例としては、
まず分散にかけるための混合液を作製する。顔料等の被
分散物及び溶媒を混合し、場合によっては、更にバイン
ダー樹脂を溶解する。混合液に被分散物の塊が含まれ、
分散装置のオリフィスが詰まる場合は、適当な手段によ
り塊をほぐしてもよい。ほぐす手段としては、高速回転
式のホモジナイザー及び超音波分散機等が挙げられる。
【0034】また、被分散物及び溶媒のみを混合し、バ
インダー樹脂は分散後に溶解する方法もある。この分散
液を、高圧ジェット分散装置に送り込む。混合液タンク
には、被分散物の沈降を防ぐ手段を設けてもよい。分散
を完了した液は、分散液タンクに導かれ適当な濃度に調
製した後に塗布液とされる。
【0035】また、本発明の別の分散液の製造工程とし
ては、まず図3のタンク1に分散溶媒等を投入し、タン
ク4には顔料等の被分散物と溶媒を含む混合液を入れ、
それぞれポンプで分散チャンバーに送る。タンク1の液
(オリフィスより噴射する液)は、オリフィスを高速で
通過できるような液であればよく、少なくとも分散溶媒
を含み、更にバインダー樹脂や添加剤等を含有していて
もよい。分散溶媒は、単独でも混合物でもかまわない。
【0036】タンク4の液(高速ジェット流中に注入す
る液)は、少なくとも被分散物を含み、流動性が十分で
ある場合は被分散物単独でもかまわないが、通常、流動
性を高めるため溶媒等を含む混合液として用いる。混合
液に被分散物の塊が含まれ均一な注入ができなかった
り、注入口に詰まるような場合は、適当な手段により塊
をほぐしてもよく、ほぐす手段としては、高速回転式の
ホモジナイザー及び超音波分散機等が挙げられる。混合
液タンクには、被分散物の沈降を防ぐ手段を設けてもよ
い。分散を完了した液は、分散液タンクに導かれ適当な
濃度に調製した後に塗布液とされる。
【0037】本発明の電子写真感光体の製造方法に応用
できる被分散物はいずれのものでもよいが、特にフタロ
シアニン顔料、アゾ顔料及びフッ素樹脂粉体に対して本
発明は有効に作用する。
【0038】フタロシアニン顔料の例としては、銅フタ
ロシアニン顔料、メタルフリーフタロシアニン顔料、バ
ナジウムフタロシアニン顔料及びオキシチタニウムフタ
ロシアニン顔料等が挙げられる。また、異なる種類のフ
タロシアニン顔料同士またはフタロシアニン顔料と他の
種類の顔料(例えば、アゾ顔料、キノン系顔料、キノシ
アニン顔料及びペリレン顔料等が挙げられる)を混合し
て用いることも可能である。
【0039】これらの中でもオキシチタニウムフタロシ
アニン、特にCuKαのX線回折におけるブラッグ角
(2θ±0.2°)の27.1°に主たるピークを有す
るオキシチタニウムフタロシアニン、更には9.0°、
14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを
有するオキシチタニウムフタロシアニン等、結晶形が崩
れ易い顔料の分散に本発明の分散方法は有効である。
【0040】また、アゾ顔料としては、分子中にアゾ基
を含むもの、例えば、ジスアゾ顔料及びトリスアゾ顔料
等が挙げられる。特に有効なアゾ顔料の例としては、下
記式(1)〜(6)のものが挙げられる。
【0041】
【化3】
【0042】
【化4】
【0043】本発明においては、異なる種類のアゾ顔料
同士またはアゾ顔料と他の種類の顔料(例えば、フタロ
シアニン顔料、キノン系顔料、キノシアニン顔料及びペ
リレン顔料等が挙げられる)を混合して用いることも可
能である。
【0044】本発明に用いられる溶媒としては、例え
ば、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル等のエー
テル系溶媒、シクロヘキサノン及びメチルエチルケトン
等のケトン系溶媒、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエス
テル系溶媒、ヘキサン及びオクタン等の石油系溶剤、メ
タノール、エタノール及びメトキシプロパノール等のア
ルコール系溶剤、モノクロロベンゼン及びジクロロベン
ゼン等のハロゲン系溶剤、更に水等が挙げられ、バイン
ダー樹脂に対する溶解性、顔料に対する分散性及び塗布
に対する適性等により選択される。
【0045】また、本発明に用いられるバインダー樹脂
の例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹
脂及びベンザール樹脂等が挙げられ、電子写真感光体と
しての特性や分散性等により選択される。
【0046】更に、必要に応じて他の材料を加えてもよ
い。例えば、ドナー性物質、アクセプター性物質及び酸
化防止剤等の電子写真特性を改良するもの、分散助剤や
塗料改質剤(シリコーンオイル、レベリング剤及びカッ
プリング剤)等の分散性及び塗布性を改良するものが挙
げられる。
【0047】フッ素樹脂粉体としては、四フッ化エチレ
ン樹脂、三フッ化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロ
ピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹
脂、及びこれらの共重合樹脂等が好適である。これらフ
ッ素樹脂粉体は、溶媒と共に分散時または分散後に適当
なバインダー樹脂と混合することが一般的である。
【0048】溶媒としては、上記と同様のものが挙げら
れる。
【0049】バインダー樹脂としては、ビスフェノール
A骨格のポリカーボネート樹脂、ビスフェノールZ骨格
のポリカーボネート樹脂、その他のポリカーボネート樹
脂、更にはアクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル−ス
チレン共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリアリレート樹脂及びポリサルフォン樹脂等が挙
げられる。これらの樹脂は単独で用いても、複数を混合
して用いてもよい。
【0050】また、本発明により得られた電子写真感光
体の表面層(保護層を設けた場合は保護層が表面層とな
る)には、感光材料の添加や潤滑剤を分散させるための
分散助剤や界面活性剤、更に増感剤や酸化防止等の添加
剤の添加も可能である。
【0051】本発明により得られた電子写真感光体は、
表面層にフッ素樹脂粉体を有効な量まで、凝集等の無い
均一な分散状態で含有することが可能で、従って適正な
表面滑り性、潤滑性及び耐摩耗性を有することができ
る。
【0052】本発明においてフッ素樹脂粉体は、感光体
の層中にムラ無く均一に分散されていることが好まし
く、更にフッ素樹脂粉体はその量に応じて効果も増大す
るものであるが、この均一な分散の難易度がフッ素樹脂
粉体の量比に比例し、容易ではない。
【0053】潤滑剤の凝集物が感光体表面に露出するよ
うな場合には、電子写真感光体に電気的、物理的ストレ
スが繰り返されるに伴い、凝集物とその周囲との摩耗速
度に著しい差を生じ、その結果、凝集物初期の大きさか
らは計り知れない大きな傷へと急速に成長し、その結
果、画像品位を著しく低下させる傾向がある。そのよう
な繰り返し使用時の電子写真感光体への傷につながる潤
滑剤の凝集物は、第一に分散状態における平均粒径の均
一性、加えて粗粒の絶対的大きさ及び存在確率によって
規定される。
【0054】発明者らの検討の結果、具体的には前記フ
ッ素樹脂粉体が処理後において平均粒径0.2μm以下
で、かつ粒径0.5μm以上の粗粒の存在確率が3%以
下であることが目安になることが判明した。
【0055】即ち、平均粒径が0.2μmを超えるよう
な系を表面層に用いた場合には、全体的にムラのある画
像の傾向を示す。また、粒径0.5μmを超える粗粒の
存在は、繰り返し時の感光体の傷の核となり得るもので
ある。このような粗粒の存在は無いことが好ましいが、
評価時の誤差を含め粗粒の存在確率が5%未満であれ
ば、実画像上への弊害がほとんど認められず、更に3%
以下であればあらゆる評価において、粗粒起因の感光体
傷の発生が認められなかった。
【0056】本発明によって得られる電子写真感光体
は、支持体上に感光層を有する。感光層の構成例として
は、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有する
単層型感光層、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電
荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する機能分離型感
光層が挙げられる。更に、感光層上に耐久性を高めるた
めの保護層を設けてもよい。本発明の製造方法は、電子
写真感光体の製造に関するいろいろの分野に応用可能で
あるが、特に電荷発生物質を含有する層、即ち単層型の
感光層、機能分離型感光層の電荷発生層、更にはフッ素
樹脂粉体等の粒子を含有する感光層及び保護層の形成に
有効である。
【0057】本発明の電子写真感光体の支持体として
は、導電性を有する材料、例えば、アルミニウム、アル
ミニウム合金、銅、ニッケル、鉄及びステンレス等の金
属、導電性を付与した樹脂等が挙げられ、形状として
は、例えば、ドラム状及びシート状等が挙げられる。
【0058】本発明の電子写真感光体は、電荷注入性の
制御のため、もしくは密着性向上のため支持体と感光層
の間に下引層を有してもよい。下引層の材料としては、
例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹
脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂及
びベンザール樹脂等が挙げられ、電子写真感光体として
の特性等により選択される。
【0059】電荷発生物質としては、例えば、フタロシ
アニン顔料、多環キノン顔料、トリスアゾ顔料、ジスア
ゾ顔料、モノアゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、
キナクリドン顔料、アズレニウム塩染料、スクワリウム
染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム
染料、キサンテン染料、トリフェニルメタン染料、スチ
リル染料、セレン、セレン−テルル合金、アモルファス
シリコン及び硫化カドミウム等が挙げられる。
【0060】これらの電荷発生物質は、バインダー樹脂
中に分散して塗料として用いられるのが一般的である
が、このようなバインダー樹脂としては、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルベンザール、ポリアリレート、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、フェノ
キシ樹脂、アクリル樹脂及びセルロース系樹脂等が好ま
しい。
【0061】電荷輸送物質としては、例えば、ピレン化
合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化
合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニル
アミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニ
ルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、
スチルベン化合物、ポリニトロ化合物及びポリシアノ化
合物等が挙げられる。
【0062】これらの電荷輸送物質は、バインダー樹脂
中に溶解させ塗料として用いられるのが一般的である
が、バインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリウレタン、ポリサルホン、ポリ
アミド、ポリアリレート、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルブチラール、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、アク
リロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂及びアルキド樹脂等が挙げられる。
【0063】前述のように、本発明においては、感光層
上に保護層等を設けることができる。保護層に用いられ
る樹脂としては、電荷輸送層に用いられる樹脂と同様で
ある。
【0064】本発明においては、電子写真感光体の表面
層に、フッ素樹脂粉体等の潤滑剤や導電性金属酸化物等
の導電性粒子を分散含有させることができる。
【0065】上記各種層を形成するにあたり、塗布液を
塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、スプレー
塗布法、スピナー塗布法、ブレード塗布法及びロール塗
布法等が挙げられる。
【0066】図10に本発明により得られた電子写真感
光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装
置の概略構成を示す。図10において、101はドラム
状の本発明の電子写真感光体であり、軸102を中心に
矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感
光体101は、回転過程において、一次帯電手段103
によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受
け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等
の露光手段(不図示)からの露光光104を受ける。こ
うして電子写真感光体101の周面に静電潜像が順次形
成されていく。
【0067】形成された静電潜像は、次いで現像手段1
05によりトナー現像され、現像されたトナー現像像
は、不図示の給紙部から電子写真感光体101と転写手
段106との間に電子写真感光体101の回転と同期し
て取り出されて給紙された転写材107に、転写手段1
06により順次転写されていく。
【0068】像転写を受けた転写材107は、感光体面
から分離されて像定着手段108へ導入されて像定着を
受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリ
ントアウトされる。
【0069】像転写後の電子写真感光体101の表面
は、クリーニング手段109によって転写残りトナーの
除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)
からの前露光光110により除電処理された後、繰り返
し画像形成に使用される。なお、図のように、一次帯電
手段103が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段であ
る場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0070】本発明においては、上述の電子写真感光体
101、一次帯電手段103、現像手段105及びクリ
ーニング手段109等の構成要素のうち、複数のものを
プロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、こ
のプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリ
ンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成し
てもよい。例えば、一次帯電手段103、現像手段10
5及びクリーニング手段109の少なくとも一つを電子
写真感光体101と共に一体に支持してカートリッジ化
して、装置本体のレール112等の案内手段を用いて装
置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ111とする
ことができる。
【0071】また、露光光104は、電子写真装置が複
写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や
透過光、あるいはセンサーで原稿を読取り、信号化し、
この信号に従って行われるレーザービームの走査、LE
Dアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等によ
り照射される光である。
【0072】本発明により得られた電子写真感光体は、
複写機、レーザービームプリンター及びLEDプリンタ
ー等の電子写真用機器に広く用いられる。更には、電子
写真応用機器用のプロセスカートリッジ(電子写真応用
機器の消耗し易い部分を一体化し交換可能にしたもの)
に応用できる。
【0073】
【実施例】以下に、具体的に実施例を挙げて本発明を説
明する。実施例中の「部」は質量部を示す。
【0074】(実施例1)アルコール可溶性共重合ナイ
ロン樹脂(平均分子量29000)20部及びメトキシ
メチル6ナイロン(平均分子量32000)20部をメ
タノール220部/ブタノール60部の混合液中に溶解
し、下引層用塗布液を作製した。支持体としてのアルミ
ニウムシリンダー(φ30mm×260mm)上にこの
塗布液を浸漬塗布し、100℃で20分間乾燥し、膜厚
が1μmの下引層を設けた。
【0075】次に、ステンレス容器にシクロヘキサノン
1000部を入れ、ポリビニルブチラール樹脂(商品
名:BX−1、積水化学製)20部を攪拌溶解した。更
に、オキシチタニウムフタロシアニン顔料(図8に示す
様にCuKαのX線回折におけるブラッグ角(2θ±
0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び2
7.1°に強いピークを有する結晶形のもの)30部を
入れ、ホモジナイザー装置(商品名:ウルトラタラック
スT−25、イカラボラトリー製)にて、1分間混合し
た。
【0076】この混合液を、図1及び図2に示す様な構
造の高圧ジェット分散装置(DeBee2000 B.
E.E.社製)にて分散した。分散条件は、以下の様に
設定した。
【0077】分散圧力 :1×105kPa オリフィス径 :0.1mm 中空部材形状 :直径1mm :長さ100mm 中空部材径/オリフィス径:10 背圧 :2×103kPa パス回数 :1回 液流速 :640m/sec
【0078】この様にして得られた分散液中のオキシチ
タニウムフタロシアニン顔料の体積平均粒径を、遠心沈
降式粒度分布計(CAPA 700:堀場製作所製)に
て測定した。結果を表2に示す。
【0079】更に、分散前後のオキシチタニウムフタロ
シアニン顔料の結晶形を比較するためCuKαの特性X
線回折を測定した。その結果、図9に示す様に結晶形に
変化はなかった。
【0080】この分散液を酢酸エチルで希釈し、固形分
1.8%に調製して電荷発生層用塗布液とした。分散完
了24時間後の塗布液を前述の下引層上に浸漬塗布し、
100℃で15分間乾燥して、膜厚が0.15μmの電
荷発生層を形成した。
【0081】次に、下記式(7)で示される
【0082】
【化5】 トリフェニルアミン化合物100部及びポリカーボネー
ト樹脂(商品名:パンライトL、帝人化成製、重量平均
分子量20000)100部をモノクロロベンゼン40
0部/ジクロロメタン200部の混合溶媒中に溶解し、
電荷輸送層用の塗布液とした。この溶液を電荷発生層上
に浸漬塗布し、130℃で30分間乾燥し、膜厚が20
μmの電荷輸送層を設けた。
【0083】この様にして作製された電子写真感光体
を、帯電、露光、現像、転写及びクリーニングのプロセ
スを1.5秒のサイクルで繰り返す反転現像系レーザー
ビームプリンターに取り付けた。画像評価として、印字
率5%のA4用紙10000枚通紙後の白べた画像中の
感光体全周分の画像中の黒ポチの数(直径0.05mm
以上及び直径0.01mm以上)を数えた。結果を表2
に示す。
【0084】更に、分散した電荷発生層用塗布液の経時
変化評価として、塗布液を塗布装置に入れ25℃環境下
で50日間にわたり10リットル/分の流量のポンプに
て循環したものを用い、同様の方法で電子写真感光体を
作製し、初期(A4用紙10枚通紙後)の白べた画像の
かぶり及び感光体全周分の画像中の黒ポチの数(直径
0.05mm以上)を数えた。結果を表2に示す。
【0085】(実施例2〜11)高圧ジェット分散装置
を用いた分散の条件を表1の様に変更した以外は実施例
1と同様にして電荷発生層用分散液を調製した。
【0086】この様にして得られた分散液中オキシチタ
ニウムフタロシアニン顔料の粒径を評価した。結果を表
2に示す。
【0087】更に、実施例1と同様の方法で電子写真感
光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0088】(実施例12)実施例1において、電荷発
生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0089】ステンレス容器にトルエン1000部を入
れ、メチルメタクリレート樹脂(三菱レーヨン製、分子
量145000)30部を攪拌溶解した。更に、銅フタ
ロシアニン顔料40部を入れ、ホモジナイザー装置(商
品名:ウルトラタラックT−25、イカラボラトリー
製)にて、10分間混合した。
【0090】この混合液を、実施例1と同様の高圧ジェ
ット分散装置にて、実施例1と同一条件で分散した。こ
の様にして得られた分散液中の銅フタロシアニン顔料の
粒径を、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に
示す。
【0091】この分散液を、トルエンで希釈し、固形分
1.8%とした液を、実施例1と同様にして形成した下
引層上に浸漬塗布し、80℃で15分間乾燥して、膜厚
が0.25μmの電荷発生層を形成した。
【0092】次に、下記式(8)で示される
【0093】
【化6】 ヒドラゾン化合物80部及びスチレンメチルメタクリレ
ート共重合樹脂(商品名:エスチレン、新日鐡化学製)
100部をモノクロロベンゼン400部/ジクロロメタ
ン200部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用の塗布
液とした。この溶液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、1
10℃で30分間乾燥し、膜厚が20μmの電荷輸送層
を設けた。
【0094】この様にして作製された電子写真感光体
を、帯電、露光、現像、転写及びクリーニングのプロセ
スを2.5秒のサイクルで繰り返す反転現像系レーザー
ビームプリンターに取り付けた。画像評価として、印字
率5%のA4用紙10000枚通紙後の白べた画像中の
感光体全周分の画像中の黒ポチの数(直径0.05mm
以上及び直径0.01mm以上)を数えた。結果は表2
に示す。
【0095】更に、分散した電荷発生層用塗布液の経時
変化評価として、塗布液を塗布装置に入れ25℃環境下
で50日間にわたり10リットル/分の流量のポンプに
て循環したものを用い、同様の方法で電子写真感光体を
作製し、初期(A4用紙10枚通紙後)の白べた画像の
かぶり及び電子写真感光体全周分の画像中の黒ポチの数
(直径0.05mm以上)を数えた。結果は表2に示
す。
【0096】(実施例13)実施例1において、電荷発
生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0097】ステンレス容器にシクロヘキサン1000
部を入れ、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−
1、積水化学製)25部を攪拌溶解した。オキシチタニ
ウムフタロシアニン顔料{図8に示す様にCuKαのX
線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0
°、14.2°、23.9°及び27.1°にピークが
あるもの}40部、下記式(9)で示されるアゾ顔料1
0部
【0098】
【化7】 を入れ、ホモジナイザー装置(商品名:ウルトラタラッ
クスT−25、イカラボラトリー製)にて、3分間混合
した。
【0099】この混合液を、実施例1と同様の高圧ジェ
ット分散装置にて、実施例1と同一条件で分散した。こ
の分散液に、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX
−1、積水化学製)25部を攪拌溶解した。
【0100】この様にして得られた分散液中のオキシチ
タニウムフタロシアニン顔料の粒径を、実施例1と同様
に評価した。結果を表2に示す。
【0101】更に、実施例1と同様の方法で電子写真感
光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0102】(実施例14)実施例1と同一条件で分散
装置を1000時間稼働させ、その後得られた分散液中
のオキシチタニウムフタロシアニン顔料の粒径を実施例
1と同様の方法で評価した結果、平均粒径は0.13μ
mで、標準偏差は0.10μmであった。
【0103】更に、実施例1と同様の方法で電子写真感
光体を作製し、評価した結果、24時間後の塗布液及び
25℃で50日保存後の塗布液でも良好な画像が得られ
た。また、装置を分解し、オリフィス径を測定したが変
化はなかった。
【0104】(比較例1〜5)実施例1において、電荷
発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0105】混合液を実施例1と同様の装置構成(図1
に示したもの)であるが、分散チャンバー部が図6に示
す様なオリフィス内に分岐部及び合流部のある構造の高
圧分散装置にて分散した。分散条件は、表1の比較例1
〜5に示す様に設定した。
【0106】この様にして得られた分散液中のオキシチ
タニウムフタロシアニン顔料の粒径を、実施例1と同様
に評価した。結果を表2に示す。
【0107】更に、実施例1と同様の方法で電子写真感
光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0108】(比較例6〜8)実施例1において、電荷
発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0109】混合液を実施例1と同様の装置構成(図1
に示したもの)であるが、分散チャンバー部が図7に示
す様なオリフィス内に湾曲部のある構造の高圧分散装置
にて分散した。分散条件は、表1の比較例6〜8に示す
様に設定した。
【0110】この様にして得られた分散液中のオキシチ
タニウムフタロシアニン顔料の粒径を、実施例1と同様
に評価した。結果を表2に示す。
【0111】更に、実施例1と同様の方法で電子写真感
光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0112】(比較例9)実施例12において、比較例
1の高圧分散装置を用いて比較例5と同様の条件で電荷
発生層用塗布液を調製した。
【0113】この様にして得られた分散液中の銅フタロ
シアニン顔料の粒径を、実施例1と同様に評価した。結
果を表2に示す。
【0114】この分散液を用い、実施例12と同様の方
法で電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に
示す。
【0115】(比較例10)実施例13において、比較
例1の高圧分散装置を用いて比較例5と同様の条件で電
荷発生層用塗布液を調製した。
【0116】この様にして得られた分散液中の顔料の粒
径を、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0117】この分散液を用い、実施例13と同様の方
法で電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表2に
示す。
【0118】(比較例11)比較例5と同一条件で分散
装置を1000時間稼働させ、その後得られた分散液中
のオキシチタニウムフタロシアニン顔料の粒径を実施例
1と同様の方法で評価した結果、平均粒径は0.19μ
mで、標準偏差は0.20μmであった。
【0119】更に、実施例1と同様の方法で電子写真感
光体を作製し、評価した結果、24時間後の塗布液でも
ポチやかぶりが見られ良好な画像は得られなかった。ま
た、装置を分解したところ、オリフィス内の合流部に摩
耗が見られた。
【0120】(比較例12)比較例8と同一条件で分散
装置を1000時間稼働させ、その後得られた分散液中
のオキシチタニウムフタロシアニン顔料の粒径を実施例
1と同様の方法で評価した結果、平均粒径は0.20μ
mで、標準偏差は0.21μmであった。
【0121】更に、実施例1と同様の方法で電子写真感
光体を作製し、画像特性を評価した結果、24時間後の
塗布液でもポチやかぶりが見られ良好な画像は得られな
かった。また、装置を分解したところ、オリフィス内の
合流部に摩耗が見られた。
【0122】以上の実施例及び比較例の結果をまとめる
と、比較例1〜10の様に顔料等の被分散物を含む混合
液に高圧をかけて分岐部、合流部及び湾曲部のあるオリ
フィス中を通過させる分散方法により製造された電子写
真感光体では、1パスでは良好な画像は得られず、特に
電子写真感光体が摩耗してきた時にポチ画像が発生し易
い。数回の繰り返し分散により得られた分散液より製造
された電子写真感光体は、良好であるが分散液を循環し
た場合の安定性が十分でなかった。更に、比較例11及
び12の様に長時間の稼働により、オリフィスの合流部
や湾曲部が摩耗してくる。
【0123】一方、実施例1〜13の様に、本発明の分
散方法では、1パスでポチや画像かぶり等の画像欠陥の
少ない電子写真感光体が得られ、この電子写真感光体
は、繰り返し使用して電荷輸送層が削れた後も十分に良
好な画像を示す。更に、生産効率がよく、分散液の保存
安定性も良好である。また、実施例14の様に、オリフ
ィスの摩耗が少なく安定生産が可能であり保守コストも
低い。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】(実施例15)アルコール可溶性共重合ナ
イロン樹脂(平均分子量29000)20部及びメトキ
シメチル6ナイロン(平均分子量32000)20部を
メタノール220部/ブタノール60部の混合液中に溶
解し下引層用塗布液を作製した。支持体としてのアルミ
ニウムシリンダー(φ30mm×260mm)上にこの
塗布液を浸漬塗布し、100℃で20分間乾燥し、膜厚
が0.9μmの下引層を設けた。
【0127】次に、ステンレス容器にシクロヘキサノン
300部及びテトラヒドロフラン700部を入れ、更に
ポリビニルベンザール樹脂(数平均分子量80000:
コピア株式会社製)20部を攪拌溶解した。次いで、式
(1)で示されるアゾ顔料25部及び式(2)で示され
るアゾ顔料15部を入れ、ホモジナイザー装置(商品
名:ウルトラタラックスT−25、イカラボラトリー
製)にて1分間混合した。
【0128】この混合液を図1及び図2に示すような構
造の高圧ジェット分散装置(DeBee2000 B.
E.E.社製)にて分散した。分散条件は、以下の様に
設定した。
【0129】
【0130】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の体積平均粒径を、遠心沈降式粒度分布計(CAPA
700:堀場製作所製)にて測定した。結果を表3に示
す。
【0131】この分散液を、シクロヘキサノンにて希釈
し、固形分1.8%に調製して電荷発生層用塗布液とし
た。分散完了24時間後の塗布液を、前述の下引層上に
浸漬塗布し、100℃で15分間乾燥し、膜厚が0.2
0μmの電荷発生層を形成した。
【0132】次に、式(7)で示されるトリフェニルア
ミン化合物100部及びポリカーボネート樹脂(商品
名:パンライトL、帝人化成製、重量平均分子量400
00)100部をモノクロロベンゼン400部/ジクロ
ロメタン200部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用
の塗布液とした。この溶液を、電荷発生層上に浸漬塗布
し、130℃で30分間乾燥し、膜厚が15μmの電荷
輸送層を設けた。
【0133】この様にして作製された電子写真感光体
を、帯電、露光、現像、転写及びクリーニングのプロセ
スを1.5秒のサイクルで繰り返す反転現像系レーザー
ビームプリンターに取り付けた。画像評価として、印字
率5%のA4用紙1000枚通紙後の感光体全周分の白
べた画像中の黒ポチの数(直径0.01mm以上)を数
えた。結果を表3に示す。
【0134】(実施例16〜25)高圧ジェット分散装
置を用いた分散の条件を、表3の様に変更した以外は実
施例15と同様にして分散液を調製した。
【0135】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を評価した。結果を表3に示す。
【0136】更に、実施例15と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
【0137】(実施例26)実施例15において、電荷
発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0138】ステンレス容器に、シクロヘキサノン50
0部及びテトラヒドロフラン500部を入れ、ポリビニ
ルブチラール樹脂(商品名:エスレックBLS、積水化
学製)20部を攪拌溶解した。更に、式(2)で示され
るアゾ顔料40部を入れ、ホモジナイザー装置(商品
名:ウルトラタラックスT−25、イカラボラトリー
製)にて3分間混合した。この混合液を、実施例15と
同様の高圧ジェット分散装置にて、表3の条件で分散し
た。
【0139】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例15と同様に評価した。結果を表3に
示す。
【0140】また、この分散液をテトラヒドロフランで
希釈し、固形分1.8%に調製して電荷発生層用塗布液
とした。この分散液を、実施例15と同様にして形成し
た下引層上に浸漬塗布し、80℃で15分間乾燥して、
膜厚が0.25μmの電荷発生層を形成した。更に、実
施例15と同様の方法で電子写真感光体を作製し、評価
を行った。結果を表3に示す。
【0141】(実施例27)実施例15において、電荷
発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0142】ステンレス容器に、シクロヘキサノン50
0部及びテトラヒドロフラン500部を入れ、更にポリ
ビニルベンザール樹脂(数平均分子量80000:コピ
ア株式会社製)20部を攪拌溶解した。次いで、式
(1)で示されるアゾ顔料40部を入れ、ホモジナイザ
ー装置(商品名:ウルトラタラックスT−25、イカラ
ボラトリー製)にて5分間混合した。
【0143】この混合液を、実施例15と同様の高圧ジ
ェット分散装置にて、表3の条件で分散した。この様に
して得られた分散液中のアゾ顔料の粒径を、実施例15
と同様に評価した。結果を表3に示す。
【0144】この分散液を、シクロヘキサノンで希釈
し、固形分1.6%に調製して電荷発生層用塗布液と
し、実施例15と同様にして形成した下引層上に浸漬塗
布し、85℃で10分間乾燥して、膜厚が0.25μm
の電荷発生層を形成した。
【0145】更に、実施例15と同様の方法で電荷輸送
層を形成し電子写真感光体を作製し、評価を行った。結
果を表3に示す。
【0146】(実施例28)実施例15において、電荷
発生層及び電荷輸送層用塗布液の製造方法を下記の様に
変更した。
【0147】ステンレス容器にシクロヘキサノン100
0部を取り、メチルメタクリレート樹脂(数平均分子量
100000)20部を攪拌溶解した。更に、式
(3)で示されるアゾ顔料50部を入れ、ホモジナイザ
ー装置(商品名:ウルトラタラックスT−25、イカラ
ボラトリー製)にて10分間混合した。この混合液を、
実施例15と同様の高圧ジェット分散装置にて、表3の
条件で分散した。この様にして得られた分散液中のアゾ
顔料の粒径を、実施例15と同様にして評価した。結果
を表3に示す。
【0148】この分散液を、テトラヒドロフランで希釈
し、固形分1.6%に調製して電荷発生層用塗布液と
し、この分散液を実施例15と同様にして形成した下引
層上に浸漬塗布し、80℃で15分間乾燥して、膜厚が
0.20μmの電荷発生層を形成した。
【0149】次に、式(8)で示されるヒドラゾン化合
物80部及びスチレンメチルメタクリレート共重合樹脂
(商品名:エスチレン、新日鐡化学製)100部をモノ
クロロベンゼン400部/ジクロロメタン200部の混
合溶媒中に溶解し電荷輸送層用の塗布液とした。この溶
液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で60分間
乾燥し、膜厚が15μmの電荷輸送層を設けた。
【0150】この様にして作製された電子写真感光体
を、帯電、露光、現像、転写及びクリーニングのプロセ
スを5.0秒のサイクルで繰り返す反転現像系レーザー
ビームプリンターに取り付けた。画像評価として電子写
真感光体全周分の白べた画像中の黒ポチの数(直径0.
01mm以上)を数えた。結果を表3に示す。
【0151】(実施例29)実施例15と同一条件で分
散装置を1000時間稼働させ、その後得られた分散液
中のアゾ顔料の粒径を実施例15と同様の方法で評価し
た結果、平均粒径は0.11μmで、標準偏差は0.1
0μmであった。
【0152】更に、実施例15と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、画像特性を評価をした結果、良好な画
像が得られた。また、装置を分解し、オリフィス径を測
定したが摩耗等の変化はなかった。
【0153】(比較例13〜17)実施例15におい
て、電荷発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更し
た。
【0154】混合液を実施例15と同様の装置構成(図
1に示したもの)であるが、分散チャンバー部が図6に
示すようなオリフィス内に分岐部13及び合流部14の
ある構造の高圧分散装置にて分散した。分散条件は、表
3に示す様に設定した。
【0155】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例15と同様に評価した。結果を表3に
示す。
【0156】更に、実施例15と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0157】(比較例18〜20)実施例15におい
て、電荷発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更し
た。
【0158】混合液を実施例15と同様の装置構成(図
1に示したもの)であるが、分散チャンバー部が図7に
示す様なオリフィス内に湾曲部15のある構造の高圧分
散装置にて分散した。分散条件は表3に示す様に設定し
た。
【0159】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例15と同様にして評価した。結果を表
3に示す。
【0160】更に、実施例15と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0161】(比較例21)実施例26において、比較
例13の高圧分散装置を用いて、表3の条件で電荷発生
層用塗布液を調製した。
【0162】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例15と同様に評価した。結果を表3に
示す。
【0163】更に、実施例26と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0164】(比較例22)実施例27において、比較
例13の高圧分散装置を用いて、表3の条件で電荷発生
層用塗布液を製造方法を調製した。この様にして得られ
た分散液中のアゾ顔料の粒径を、実施例15と同様に評
価した。結果を表3に示す。
【0165】更に、実施例27と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0166】(比較例23)実施例28において、比較
例13の高圧分散装置を用いて、表3の条件で電荷発生
層用塗布液を調製した。
【0167】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例15と同様にして評価した。結果を表
3に示す。
【0168】更に、実施例28と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価した。結果を表3に示す。
【0169】(比較例24)比較例16と同一条件で分
散装置を1000時間稼働させ、その後得られた分散液
中のアゾ顔料の粒径を実施例15と同様の方法で評価し
た結果、平均粒径は0.29μmで、標準偏差は0.2
8μmであった。
【0170】更に、実施例15と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価をした結果、かぶりが見られ良好
な画像は得られなかった。また、装置を分解したとこ
ろ、オリフィス内の合流部に摩耗が見られた。
【0171】(比較例25)比較例19と同一条件で分
散装置を1000時間稼働させ、その後得られた分散液
中のアゾ顔料の粒径を実施例15と同様の方法で評価し
た結果、平均粒径は0.32μmで、標準偏差は0.2
7μmであった。
【0172】更に、実施例15と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価をした結果、かぶりが見られ良好
な画像は得られなかった。また、装置を分解したとこ
ろ、オリフィス内の湾曲部に摩耗が見られた。
【0173】以上の実施例及び比較例の結果をまとめる
と、比較例13〜23の様に顔料等の被分散物を含む混
合液に高圧をかけて分岐部、合流部及び湾曲部のあるオ
リフィス中を通過させる分散方法により製造された電子
写真感光体では、1パスでは分散条件を変えても良好な
画像は得られなかった。
【0174】パス回数を増加させれば画像欠陥は改善す
るが、実施例に比べると劣り、また生産効率が良くな
い。更に、比較例24及び25の様に長時間の使用によ
りオリフィスの合流部や湾曲部が摩耗してくる。
【0175】一方、実施例15〜28の様に、本発明の
分散方法では、1パスでポチや画像かぶり等の画像欠陥
の少ない電子写真感光体が得られ、生産効率が良く生産
できる。更に、実施例29の様に、オリフィスの摩耗が
少なく安定生産が可能であり保守コストも低い。
【0176】
【表3】
【0177】(実施例30)アルコール可溶性共重合ナ
イロン樹脂(平均分子量29000)20部及びメトキ
シメチル6ナイロン(平均分子量32000)20部を
メタノール220部/ブタノール60部の混合液中に溶
解し下引層用塗布液を作製した。支持体としてのアルミ
ニウムシリンダー(φ30mm×360mm)上にこの
塗布液を浸漬塗布し、100℃で20分間乾燥し、膜厚
が0.7μmの下引層を設けた。
【0178】次に、電荷発生層用分散液の製造工程を述
べる。オリフィスより噴射する液(A)として、テトラ
ヒドロフランをタンク1(図4)に入れた。中空部材に
注入する液(B)として、シクロヘキサノン200部に
ポリビニルベンザール樹脂(数平均分子量80000:
コピア株式会社製)50部を攪拌溶解し、更に式(4)
で示されるアゾ顔料80部を入れ、ホモジナイザー装置
(商品名:ウルトラタラックスT−25、イカラボラト
リー製)にて3分間混合した。この混合液をタンク4
(図4)に入れた。
【0179】液(A)溶媒注入口7を経てオリフィス8
より、液(B)を混合液注入口10より分散チャンバー
に送り込み図3及び図4に示すような構造の高圧ジェッ
ト分散装置(DeBee2000 B.E.E.社製)
にて分散した。分散条件は、以下の様に設定した。
【0180】
【0181】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の体積平均粒径を、遠心沈降式粒度分布計(CAPA
700:堀場製作所製)にて測定した。結果を表4に示
す。
【0182】この分散液を、シクロヘキサノンで希釈
し、固形分1.6%に調製して電荷発生層用塗布液とし
た。この塗布液を、前述の下引層上に浸漬塗布し、10
0℃で15分間乾燥し、膜厚が0.25μmの電荷発生
層を形成した。
【0183】次に、式(7)で示されるトリフェニルア
ミン化合物100部及びポリカーボネート樹脂(商品
名:パンライトL、帝人化成製、重量平均分子量400
00)100部をモノクロロベンゼン400部/ジクロ
ロメタン200部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用
の塗布液とした。この溶液を、電荷発生層上に浸漬塗布
し、130℃で30分間乾燥し、膜厚が25μmの電荷
輸送層を設けた。
【0184】この様にして作製された電子写真感光体
を、帯電、露光、現像、転写及びクリーニングのプロセ
スを2.0秒のサイクルで繰り返す正規現像系複写機に
取り付けた。画像評価として、印字率5%のA4用紙1
000枚通紙後の感光体全周分の黒ベタ画像中の白ポチ
の数(直径0.01mm以上)を数えた。結果を表4に
示す。
【0185】(実施例31〜40)高圧ジェット分散装
置の分散の条件を、表4の様に変更した以外は実施例3
0と同様にして分散液を調製した。
【0186】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を評価した。結果を表4に示す。
【0187】更に、実施例30と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0188】(実施例41)実施例30において、電荷
発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0189】オリフィスより噴射する液(A)としてシ
クロヘキサノン800部をタンク1に入れた。中空部材
に注入する液(B)として、ステンレス容器にメチルエ
チルケトン200部、式(5)で示されるアゾ顔料90
部及びポリビニルベンザール樹脂(数平均分子量800
00:コピア株式会社製)50部を入れ、ホモジナイザ
ー装置(商品名:ウルトラタラックスT−25、イカラ
ボラトリー製)にて1分間混合した。この混合液を、実
施例30と同様の高圧ジェット分散装置にて、表4の条
件で分散した。
【0190】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例30と同様に評価した。結果を表4に
示す。
【0191】また、この分散液を、メチルエチルケトン
で希釈し、固形分1.8%に調製して電荷発生層用塗布
液とした。この分散液を実施例30と同様にして形成し
た下引層上に浸漬塗布し、80℃で15分間乾燥して、
膜厚が0.25μmの電荷発生層を形成した。
【0192】更に、実施例30と同様の方法で電荷輸送
層を形成し、電子写真感光体を作製し、評価を行った。
結果を表4に示す。
【0193】(実施例42)実施例30において、電荷
発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0194】オリフィスより噴射する液(A)として、
シクロヘキサノン600部及びメチルエチルケトン20
0部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレック
BLS、積水化学製)50部を攪拌溶解した。中空部材
に注入する液(B)として、ステンレス容器にメチルエ
チルケトン200部、式(5)で示されるアゾ顔料90
部を入れ、超音波分散機にて10分間混合した。
【0195】この混合液を実施例30と同様の高圧ジェ
ット分散装置にて、表4の条件で分散した。この様にし
て得られた分散液中のアゾ顔料の粒径を、実施例30と
同様に評価した。結果を表4に示す。
【0196】この分散液を、メチルエチルケトンで希釈
し、固形分1.6%に調製して電荷発生層用塗布液と
し、実施例30と同様にして形成した下引層上に浸漬塗
布し、85℃で10分間乾燥して、膜厚が0.20μm
の電荷発生層を形成した。
【0197】更に、実施例30と同様の方法で電荷輸送
層を形成し、電子写真感光体を作製し、評価を行った。
結果を表4に示す。
【0198】(実施例43)実施例30において、電荷
発生層及び電荷輸送層用塗布液の製造方法を下記の様に
変更した。
【0199】オリフィスより噴射する液(A)として、
シクロヘキサノン600部及びテトラヒドロフラン20
0部を攪拌混合した。中空部材に注入する液(B)とし
て、ステンレス容器にテトラヒドロフラン200部、式
(6)で示されるアゾ顔料90部及びポリビニルブチラ
ール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学製)
50部を入れ、超音波分散機にて10分間混合した。こ
の混合液を、実施例30と同様の高圧ジェット分散装置
にて、実施例30と同一条件で分散した。この様にして
得られた分散液中のアゾ顔料の粒径を、実施例30と同
様に評価した。結果を表4に示す。
【0200】この分散液を、テトラヒドロフランで希釈
し、固形分1.6%に調製して電荷発生用塗布液とし、
この分散液を実施例30と同様にして形成した下引層を
塗布した支持体上に浸漬塗布し、80℃で15分間乾燥
して、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
【0201】次に、式(8)で示されるヒドラゾン化合
物80部及びスチレンメチルメタクリレート共重合樹脂
(商品名:エスチレン、新日鐡化学製)100部をモノ
クロロベンゼン400部/ジクロロメタン200部の混
合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用の塗布液とした。この
溶液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で60分
間乾燥し、膜厚が20μmの電荷輸送層を設けた。
【0202】この様にして作製された電子写真感光体
を、帯電、露光、現像、転写及びクリーニングのプロセ
スを5.0秒のサイクルで繰り返す正規現像系複写機に
取り付けた。画像評価として、印字率5%のA4用紙1
000枚通紙後の電子写真感光体全周分の黒ベタ画像中
の白ポチの数(直径0.01mm以上)を数えた。結果
を表4に示す。
【0203】(実施例44)実施例30と同一条件で分
散装置を1000時間稼働させ、その後得られた分散液
中のアゾ顔料の粒径を実施例30と同様の方法で評価し
た結果、平均粒径は0.10μmで、標準偏差は0.0
9μmであった。
【0204】更に、実施例30と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価した結果、良好な画像が得られ
た。また、装置を分解し、オリフィス径を測定したが摩
耗等の変化はなかった。
【0205】(比較例26)実施例30において、電荷
発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0206】ステンレス容器に、テトラヒドロフラン8
00部及びシクロヘキサノン200部を取り、ポリビニ
ルベンザール樹脂(分子量80000:コピア株式会社
製)50部及び式(4)で示されるアゾ顔料80部を入
れ、ホモジナイザー装置(商品名:ウルトラタラックス
T−25、イカラボラトリー製)にて3分間混合した。
【0207】この混合液を図5に示した装置構成で、分
散チャンバー部が図6に示すようなオリフィス内に分岐
部及び合流部のある構造の高圧分散装置にて、表4に示
すような分散条件に設定して分散した。
【0208】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例30と同様に評価した。結果を表4に
示す。
【0209】更に、実施例30と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0210】(比較例27)比較例26において、電荷
発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0211】ステンレス容器に、シクロヘキサノン80
0部及びメチルエチルケトン200部を取り、ポリビニ
ルベンザール樹脂(分子量80000:コピア株式会社
製)50部を溶解し、更に式(5)で示されるアゾ顔料
90部を入れてホモジナイザー装置(商品名:ウルトラ
タラックスT−25、イカラボラトリー製)にて1分間
混合した。この混合液を、比較例26と同様の高圧分散
装置にて、表4の条件で分散した。
【0212】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例30と同様に評価した。結果を表4に
示す。
【0213】更に、実施例30と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0214】(比較例28)比較例26において、電荷
発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0215】シクロヘキサノン600部及びテトラヒド
ロフラン400部をステンレス容器に取り、ポリビニル
ブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化
学製)50部を入れ溶解し、更に式(6)で示されるア
ゾ顔料90部を入れて超音波分散機にて10分間混合し
た。この混合液を、比較例28と同様の高圧分散装置に
て、表4の条件で分散した。
【0216】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例30と同様に評価した。結果を表4に
示す。
【0217】更に、実施例43と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0218】(比較例29)比較例26において、電荷
発生層用塗布液の製造方法を下記の様に変更した。
【0219】混合液を比較例26と同様の装置構成(図
5に示したもの)であるが、分散チャンバー部が図7に
示すようなオリフィス内に湾曲部のある構造の高圧分散
装置にて、表4に示すような分散条件に設定して分散し
た。
【0220】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例30と同様に評価した。結果を表4に
示す。
【0221】更に、実施例30と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0222】(比較例30)比較例29において、電荷
発生層用塗布液の混合液組成を比較例27のものを用
い、分散条件は表4に示す様に設定し、塗布液を分散し
た。
【0223】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例30と同様に評価した。結果を表4に
示した。
【0224】更に、実施例30と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0225】(比較例31)比較例29において、電荷
発生層用塗布液の混合液組成を比較例28のものを用
い、分散条件は表4に示す様に設定し、塗布液を分散し
た。
【0226】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例30と同様に評価した。結果を表4に
示す。
【0227】更に、実施例43と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0228】(比較例32〜35)比較例29におい
て、電荷発生層用塗布液の混合液組成を比較例28のも
のを用い、分散条件は表4に示す様に設定し、塗布液を
分散した。
【0229】この様にして得られた分散液中のアゾ顔料
の粒径を、実施例30と同様に評価した。結果を表4に
示す。
【0230】更に、実施例30と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
【0231】(比較例36)比較例26と同一条件で分
散装置を1000時間稼働させ、その後得られた分散液
中のアゾ顔料の粒径を、実施例30と同様の方法で評価
した結果、平均粒径は0.19μmで、標準偏差は0.
20μmであった。
【0232】更に、実施例30と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価をした結果、かぶりが見られ良好
な画像は得られなかった。また、装置を分解したとこ
ろ、オリフィス内の合流部に摩耗が見られた。
【0233】(比較例37)比較例28と同一条件で分
散装置を1000時間稼働させ、その後得られた分散液
中のアゾ顔料の粒径を、実施例30と同様の方法で評価
した結果、平均粒径は0.20μmで、標準偏差が0.
21μmであった。
【0234】更に、実施例30と同様の方法で電子写真
感光体を作製し、評価をした結果、かぶりが見られ良好
な画像は得られなかった。また、装置を分解したとこ
ろ、オリフィス内の湾曲部に摩耗が見られた。
【0235】以上の実施例及び比較例の結果をまとめる
と、比較例26〜35の様に顔料等の被分散物を含む混
合液に高圧をかけて分岐部、合流部及び湾曲部のあるオ
リフィス中を通過させる分散方法により製造された電子
写真感光体では、分散条件を変えても画像上にポチが残
った。分散液は凝集が見られた。
【0236】更に、比較例36及び37の様に、長時間
の使用によりオリフィスの合流部や湾曲部が摩耗してく
る。
【0237】一方、実施例30〜43の様に本発明の分
散方法では、1パスでポチや画像かぶり等の画像欠陥の
少ない電子写真感光体が得られ、生産効率も高い。更
に、実施例44の様に、オリフィスの摩耗が少なく安定
生産が可能であり保守コストも低い。
【0238】
【表4】
【0239】<分散液の作製> (実施例45)テトラフルオロエチレン樹脂粉体(商品
名:ルブロンL−2、ダイキン工業製)10部とクシ型
フッ素グラフトポリマー(商品名:アロンGF300、
東亜合成化学製)を固形分として0.4部をモノクロロ
ベンゼン60部に混合、攪拌した後、図1及び図2に示
した装置で分散処理を実施した。
【0240】分散時の処理圧力、処理流量及び処理回数
は、被分散物の測定結果と共に表5に示す。また、使用
したオリフィスの径は0.15mmとし、中空部材の径
はφ1.0mm、長さは100mmとした。
【0241】被分散物の評価は、堀場製作所製粒度分布
計(商品名:CAPA700)で分散液中のテトラフル
オロエチレン粒度の分散分布状態を測定することによっ
て実施し、各々の処理条件ごとの複分散物の体積平均粒
径及び粒径0.5μm以上の粗粒の存在比率を表5に示
した。
【0242】(比較例38)実施例45と同様な材料組
成を用いて、図6で示される分散チャンバー部を有する
高圧分散装置(商品名:マイクロフルイダイザーM11
0−E/H、米国Microfluidics Co.
製)を使用して分散処理を実施した。分散時の処理圧
力、処理流量及び処理回数は、被分散物の測定結果と共
に表5に示す。
【0243】(比較例39)実施例45及び比較例38
において使用した高圧処理に代わって、通常のガラスビ
ーズ等のメディアを用いたサンドミル装置を使用した以
外は、実施例45と同様な材料組成を用いて分散処理を
実施した。
【0244】なお、サンドミル装置のディスク回転数
は、500、1000及び2000rpmとし、それぞ
れの回転数で30、60及び120分間の処理をした。
被分散物の測定結果は表5に示す。
【0245】
【表5】
【0246】<電子写真感光体の作製> (実施例46)10%の酸化アンチモンを含有する酸化
錫で被覆した導電性酸化チタン粉体200部、白色酸化
チタン粉体200部、フェノール樹脂400部、1−メ
トキシ−2−プロパノール400部及びメタノール10
0部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で
分散して導電性下引層塗料を調製した。
【0247】φ30mm、長さ357.5mm(肉厚
0.8mm)のアルミニウムシリンダー上に上記塗料を
浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥し、乾燥後の膜厚
が20μmの導電性下引層を設けた。
【0248】次に、N−メトキシメチル化6ナイロン9
0部、6−12−66−610共重合ナイロン30部、
メタノール500部及びブタノール500部で中間層塗
料を調製し、前記導電性下引層上に浸漬塗布し、乾燥後
の膜厚が0.5μmの中間層を得た。
【0249】次に、式(9)で示されるジスアゾ顔料4
0部及び下記ポリビニル(P−フルオロ)ベンザール樹
【0250】
【化8】 {重量平均分子量(1.6±0.3)×105、ベンザ
ール化度80〜70}10部及びシクロヘキサノン80
0部をガラスビーズを用いたサンドミル装置で分散し、
電荷発生層塗料を得た。この塗料を前記中間層上に浸漬
塗布し、乾燥後付着量200mg/m2の電荷発生層を
得た。
【0251】次に、実施例45で得られたテトラフルオ
ロエチレン樹脂粉体分散液(9種)を70部ずつ取り、
各々ビスフェノールZタイプポリカーボネート樹脂(粘
度平均分子量22000、商品名:ユーピロンZ200
/三菱瓦斯化学製)50部、モノクロロベンゼン120
部及びジクロロメタン50部に加え溶解させ、この溶解
液に下記式で示される化合物28部
【0252】
【化9】 及び式(7)で示されるトリフェニルアミン化合物12
部を溶解し電荷輸送層塗料として電荷発生層上に浸漬塗
布し、乾燥後の膜厚が25μmの電荷輸送層を設けた。
この様にして得られた感光体を、テトラフルオロエチレ
ン樹脂粉体の分散条件ごとに表5で示される条件順に実
施感光体1〜9とした。
【0253】(比較例40)実施例46において用いた
テトラフルオロエチレン樹脂粉体分散液を、比較例38
で得られた10種及び比較例39で得られた9種に置き
換えた以外は、実施例46と同様にして電子写真感光体
を作製し、比較例38の10種から得られた比較感光体
をそれぞれ表5の分散条件順に比較感光体1〜10、ま
た比較例39の9種から得られた比較感光体を分散条件
順に比較感光体11〜19とした。
【0254】この様にして得られた実施感光体1、3、
4、6、7、9、比較感光体1、35、6、8、10、
11、13、14、16、17及び19について帯電プ
ロセスに接触帯電を用いるキヤノン製PPCコピー機N
P−6030を用いて評価を行った。評価方法を以下に
示し、評価結果を表6に示す。
【0255】{評価方法}「電位」については、明部電
位を−650Vとし、0.9lux・secの光量を照
射した際の電子写真感光体の表面電位、及び露光後の残
留電位を初期と連続コピー6万枚後に測定したものであ
る。「感光体欠陥」は、感光体表面の目視観察によるテ
トラフルオロエチレン樹脂粉体の凝集物の感光体表面で
の露出度合いを意味する。「耐久削れ性」では連続コピ
ー6万枚後の感光体の削れ量を膜厚測定から求めた。
「画像評価」では同じく連続コピー時の初期及び6万枚
後の画像品位を主に傷の観点から評価したものである。
【0256】
【表6】
【0257】(実施例47)実施例46において使用し
たジスアゾ顔料に代え、下記式で示されるフタロシアニ
ン顔料
【0258】
【化10】 を用いた以外は、実施例46と同様にして電子写真感光
体を作製し、実施感光体としテトラフルオロエチレン樹
脂粉体の分散条件ごとに実施感光体10〜18とした。
【0259】(比較例41)実施例47において用いた
テトラフルオロエチレン樹脂粉体分散液を、比較例38
で得られた10種及び比較例39で得られた9種に置き
換えた以外は、実施例47と同様にして電子写真感光体
を作製し、比較例38の10種から得られた比較感光体
をそれぞれ表5の分散条件順に比較感光体20〜29、
また比較例39の9種から得られた比較感光体を分散条
件順に比較感光体30〜38とした。
【0260】この様にして得られた実施感光体10、1
2、13、15、16、18、比較感光体20、22、
24、25、27、29、30、32、33、35、3
6及び38について帯電プロセスに接触帯電を用いるキ
ヤノン製LBP−720を用いて画像評価を行った。評
価は、初期及び8000枚画像出し耐久後のハーフトー
ン画質の目視観察とし、表7に示す。
【0261】
【表7】
【0262】
【発明の効果】本発明によれば、被分散物を微小に、か
つ狭い粒径分布に分散することができ、また生産性よく
安定して安価に分散することができ、更にポチや画像か
ぶり等の画像欠陥が生じ難く高耐久である電子写真感光
体の製造方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いられる高圧ジェット分
散装置の概略構成の例を示す図である。
【図2】本発明の製造方法に用いられる高圧ジェット分
散装置の分散チャンバーの概略構成の例を示す図であ
る。
【図3】本発明の製造方法に用いられる高圧ジェット分
散装置の概略構成の例を示す図である。
【図4】本発明の製造方法に用いられる高圧ジェット分
散装置の分散チャンバーの概略構成の例を示す図であ
る。
【図5】従来の高圧分散装置の概略構成を示す図であ
る。
【図6】分岐部と合流部のある分散チャンバーの概略構
成の例を示す図である。
【図7】湾曲部のある分散チャンバーの概略構成の例を
示す図である。
【図8】実施例1における分散前のオキシチタニウムフ
タロシアニン顔料のCuKα特性X線回折図である。
【図9】実施例1における分散後のオキシチタニウムフ
タロシアニン顔料のCuKα特性X線回折図である。
【図10】本発明により得られた電子写真感光体を有す
るプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構
成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 分散媒タンク 2 高圧ポンプ 3 分散チャンバー 4 混合液タンク 5 注入ポンプ 6 分散液タンク 7 分散媒液注入口 8 オリフィス 9 中空部材 10,12 混合液注入口 11 分散液排出口 13 分岐部 14 合流部 15 湾曲部 16 背圧バルブ 101 電子写真感光体 102 軸 103 帯電手段 104 露光光 105 現像手段 106 転写手段 107 転写材 108 定着手段 109 クリーニング手段 110 前露光光 111 プロセスカートリッジ 112 レール

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層を有する電子写真感光体の製造方法に
    おいて、昇圧された溶液をオリフィスから該オリフィス
    の径よりも大きい径を有する中空部材内に該溶液が実質
    的に霧化していない状態で吐出することにより被分散物
    を分散することによって得られた分散液を用いて該層を
    形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 オリフィスが実質的に直線状である請求
    項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 オリフィスが0.01〜1.0mmの径
    を有する請求項1または2に記載の電子写真感光体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 オリフィスの径が0.05〜0.3mm
    である請求項3に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 溶液がオリフィス中で40〜3000m
    /secの速度である請求項1〜4のいずれかに記載の
    電子写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 オリフィス中での溶液の速度が200〜
    2000m/secである請求項5に記載の電子写真感
    光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 中空部材がオリフィスの径の2〜100
    倍の径を有する請求項1〜6のいずれかに記載の電子写
    真感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 中空部材の径がオリフィスの径の3〜5
    0倍で、かつ10mm以下である請求項7に記載の電子
    写真感光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 中空部材が30〜300mmの長さを有
    する請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 昇圧するための圧力が5×103
    3.2×105kPaである請求項1〜9のいずれかに
    記載の電子写真感光体の製造方法。
  11. 【請求項11】 圧力が2×104〜3.0×105kP
    aである請求項10に記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 被分散物がフタロシアニン顔料である
    請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光体の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 フタロシアニン顔料がCuKα特性X
    線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の27.
    1°に主たるピークを有するオキシチタニウムフタロシ
    アニンである請求項12に記載の電子写真感光体の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 オキシチタニウムフタロシアニンがC
    uKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2
    °)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1
    °に強いピークを有する請求項13に記載の電子写真感
    光体の製造方法。
  15. 【請求項15】 被分散物がアゾ顔料である請求項1〜
    11のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  16. 【請求項16】 アゾ顔料が下記式(1)〜(6)で示
    される化合物から選択される請求項15に記載の電子写
    真感光体の製造方法。 【化1】 【化2】
  17. 【請求項17】 被分散物がフッ素樹脂粉体である請求
    項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 昇圧された溶液が被分散物及び溶媒を
    含有する請求項1〜17のいずれかに記載の電子写真感
    光体の製造方法。
  19. 【請求項19】 昇圧された溶液が溶媒を含有し、被分
    散物を含有しない請求項1〜17のいずれかに記載の電
    子写真感光体の製造方法。
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