JP2000258603A - 光学膜用コーティング剤及びこれを用いたエマルジョンマスク - Google Patents

光学膜用コーティング剤及びこれを用いたエマルジョンマスク

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JP2000258603A
JP2000258603A JP6147399A JP6147399A JP2000258603A JP 2000258603 A JP2000258603 A JP 2000258603A JP 6147399 A JP6147399 A JP 6147399A JP 6147399 A JP6147399 A JP 6147399A JP 2000258603 A JP2000258603 A JP 2000258603A
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film
polymerizable unsaturated
copolymer resin
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JP6147399A
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English (en)
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Koichi Fujishiro
光一 藤城
Hiroshi Ogata
博 緒方
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一液保存性、低温での硬化性に優れたコー
ティング剤の提供、このコーティング剤を硬化して得ら
れる良好な紫外線透過性、高い表面硬度、優れた耐久性
を有するエマルジョンマスクを提供する。 【解決手段】 必須成分として、(メタ)アクリル酸成
分(A)と脂環式エポキシ基含有重合性不飽和単量体成
分(B)とを含有する単量体成分を重合して得られる重
量平均分子量が1000以上である共重合樹脂(I)
と、アミノ樹脂(II)及び溶媒(III) を含有してなるこ
とを特徴とする光学膜用コーティング剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学膜用コーティ
ング剤及びこれを用いたエマルジョンマスクに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターやフォトマスク等の保
護膜の光学膜用に用いられる透明な強化膜を形成するた
めの材料としては、液状アクリレートモノマーと光重合
開始剤とを混合した光硬化型ワニスが知られているが、
この光硬化型ワニスは塗布後光硬化前まではタックがあ
り、ほこり等を吸着しやすく歩留まりが低いという欠点
を有するばかりでなく、硬化膜に残存する光重合開始剤
並びにその残基の吸収による着色、UV透過率の低下等
の問題があり、また、硬化膜の靭性や密着性の点でも不
十分である。一方、エポキシ樹脂を含有するコーティン
グ剤も知られているが、塗工中の粘度上昇により膜厚精
度がでず、また硬化時間が長い、表面硬度がH以下と不
十分なものである。
【0003】また、(メタ)アクリル酸エステル共重合
体を構成成分とするワニスも提案されており、例えば特
開平4−363311号公報、特開昭63−13546
5号公報には、グリシジル基含有重合性不飽和単量体と
カルボキシル基含有重合性不飽和単量体とを主成分とす
る単量体成分を共重合してなる自己架橋タイプの樹脂が
開示されている。しかしながら、この方法では重合中に
グリシジル基とカルボキシル基が反応して高分子量体が
生成したり、共重合樹脂の溶液がゲル化して長期保存が
困難である。
【0004】そこで、特開平10−316721号公報
や特開平2−180921号公報には、脂環式エポキシ
基含有重合性不飽和単量体と(メタ)アクリル酸とを必
須の重合成分とする組成物等が提案されている。しかし
ながら、脂環式エポキシ基含有重合性不飽和単量体と
(メタ)アクリル酸とを必須の重合成分とするだけで
は、硬化膜の表面硬度、基板との密着性が十分とは言え
ない。
【0005】ところで、コーティング剤の用途の1つ
に、コーティング剤をエマルジョンマスクに用いること
が考えられる。エマルジョンマスクとは、一般にソーダ
ガラス、石英ガラス、光学ガラス等の基板上に銀塩乳剤
(エマルジョン)が遮光膜としてパターン形成されたも
のであるが、エマルジョンマスクは遮光膜が柔らかいた
めに傷つきやすくウエット洗浄が不可能であり、付着し
た異物等を除去するにはクリーンエアを吹き付ける方法
しかない。また、ガラスマスクサイズの大型化に伴って
その自重によるたわみ等で精度の低下が見られるため、
基板並びにマスクを立てて露光する方法が行われている
が、マスク精度をあげるためにコンタクト露光を行うと
遮光膜が磨耗するという問題が生じてくる。
【0006】一方、ゼラチン膜にポリエチレンテレフタ
レートフィルム等をラミネートしたフィルム付きエマル
ジョンマスクも知られているが、このフィルム付きエマ
ルジョンマスクは、フィルムの膜厚が4μm、接着剤の
膜厚が約4μmと計8μm以上になるため紫外線(U
V)透過率が大きく低下してしまい、接着剤の存在によ
り露光時のアライメントマークが読みとりにくいという
問題が発生していた。
【0007】また、エマルジョンマスクの強化膜として
「Sコート」の記載(電子材料1998年12月号、7
9頁)があるが、この「Sコート」は、365nm透過
率が92%、表面硬度がHであるために、今後の露光面
の大型化傾向による露光照度の低下やスループットの向
上にはまだ不十分である。従って、このようなエマルジ
ョンマスク用にも適用可能な光学膜用コーティング剤の
開発が望まれていた。
【0008】また、染色法カラーフィルターやエマルジ
ョンマスクの画像パターン等は、180℃を越えると退
色や密着不良が生じるため、その表面強化膜を形成する
には、160℃以下の一液型の低温硬化コーティング剤
が求められていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、コー
ティング剤の構成成分について、(メタ)アクリル酸成
分と脂環式エポキシ基含有重合性不飽和単量体成分を含
有する単量体成分を重合して得られる特定の共重合樹
脂、アミノ樹脂及び溶媒を必須成分とすることにより、
光学膜用途に適したコーティング剤が得られることを見
出し、本発明を完成した。
【0010】従って、本発明の目的は、一液保存性、低
温での硬化性に優れた光学膜用コーティング剤を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、上記コーテ
ィング剤を硬化して得られる良好な紫外線透過性、高い
表面硬度、優れた耐久性を有するエマルジョンマスクを
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、必
須成分として、(メタ)アクリル酸成分(A)と脂環式
エポキシ基含有重合性不飽和単量体成分(B)とを含有
する単量体成分を重合して得られる重量平均分子量が1
000以上である共重合樹脂(I)と、アミノ樹脂(I
I)及び溶媒(III) を含有してなることを特徴とする光
学膜用コーティング剤である。また、本発明は、上記の
コーティング剤の硬化物を強化膜としたエマルジョンマ
スクである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
光学膜用コーティング剤及びエマルジョンマスク用コー
ティング剤は、いずれも、共重合樹脂、アミノ樹脂及び
溶媒を含有する。
【0013】本発明において、共重合樹脂(I)は、
(メタ)アクリル酸成分(A)と脂環式エポキシ基含有
重合性不飽和単量体成分(B)とを構成成分として含有
する。(A)成分となる(メタ)アクリル酸はアクリル
酸単独でもメタアクリル酸単独でもよいし、両者を併用
してもよい。
【0014】(B)成分となる脂環式エポキシ基含有重
合性不飽和単量体は、1分子中にラジカル重合性の不飽
和基と脂環式エポキシ基の両方を有する単量体である。
ラジカル重合性の不飽和基としては、例えば下記一般式
(a)〜(g)で表されるもの等が挙げられ、好ましく
は一般式(a)で表されるものである。
【0015】
【化1】
【0016】(但し、式中、R1 は水素原子又はメチル
基を示す)
【0017】一般式(a)で表される不飽和基を有する
脂環式エポキシ基含有重合性不飽和単量体としては、例
えば下記一般式(1)〜(12)で表される化合物等が
挙げられる。
【0018】
【化2】
【0019】(但し、式中、R1 は水素原子又はメチル
基を示し、R2 は炭素数1〜8の2価の炭化水素基を示
し、R3 は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、
1 、R2 及びR3 は同一又は異なってもよく、wは0
〜10の数を示す)
【0020】このような脂環式エポキシ基含有重合性不
飽和単量体としては、具体的には、特開平10−316
721号公報に例示されているが、好ましくは下記の化
合物等が挙げられる。
【0021】
【化3】
【0022】また、ラジカル重合性の不飽和基が一般式
(a)で表される以外の脂環式エポキシ基含有重合性不
飽和単量体としては、例えば、特開平10−31672
1号公報に記載されている一般式(13)〜(33)で
表される化合物等が挙げられ、また、このような脂環式
エポキシ基含有重合性不飽和単量体の具体例も、同様に
特開平10−316721号公報に例示されている。
【0023】この脂環式エポキシ基含有重合性不飽和単
量体は、脂肪族環状炭化水素エポキシ基を有すること
で、カルボン酸との反応で生成する架橋鎖に嵩高い脂肪
族環状構造(脂環骨格)を導入することができ、架橋鎖
の熱運動を抑制して硬化膜のガラス転移点を高くする。
しかし、ラジカル重合性の不飽和基と脂環骨格の間に長
鎖炭化水素等に代表される長鎖の構造が入るとその効果
が低下する。それ故、ラジカル重合性の不飽和基と脂環
骨格の間が短いことが好ましい。ラジカル重合性の不飽
和基と脂環骨格の長さは、脂環骨格の種類と上記のラジ
カル重合性の不飽和基の種類によるが、例えば、ラジカ
ル重合性の不飽和基が一般式(a)で表される化合物の
場合は、ラジカル重合性の不飽和基と脂環骨格の間の直
鎖状に繋がる元素の数は好ましくは5以下、より好まし
くは3以下である。
【0024】また、脂環式エポキシ基含有重合性不飽和
単量体は、(メタ)アクリル酸との共重合樹脂を溶媒中
で合成する際にゲル化しない特徴を有する〔ダイセル化
学工業(株)CYCLOMER技術カタログ参照〕。更に、本発
明のコーティング剤は、保存中にゲル化したり、著しく
溶液粘度が増加することがない。
【0025】本発明の共重合樹脂(I)を形成する(メ
タ)アクリル酸成分(A)のモル比は、好ましくは全単
量体成分の20〜45モル%で、より好ましくは25〜
40モル%である。(A)のモル比が20モル%より少
ないと硬化膜の架橋が不十分で有機溶剤による洗浄に不
都合となり、一方、45モル%を超えるとアルカリ洗浄
時の密着性が損なわれる場合がある。
【0026】また、脂環式エポキシ基含有重合性不飽和
単量体成分(B)のモル比は、好ましくは(B)/
(A)として80〜200%でり、より好ましくは90
〜180%、更に好ましくは100〜150%である。
(B)/(A)が80%より少ないと未反応のカルボキ
シル基が多く残存して対アルカリ性が低下し、一方、2
00%を超えると架橋構造を与える(メタ)アクリル酸
の導入量に制約が生じる。
【0027】(メタ)アクリル酸と脂環式エポキシ基含
有重合性不飽和単量体とは、ラジカル共重合により共重
合樹脂(I)を形成する。この共重合樹脂(I)は、
(A)成分中のカルボキシル基と(B)成分中のエポキ
シ基が反応して架橋結合を形成し得る。
【0028】また、この共重合樹脂(I)の分子量は、
ゲルパーミエーションクロマト(GPC)法で求めたポ
リスチレン換算重量平均分子量(Mw)が1000以上
であることが必要であり、好ましい範囲は1000〜2
0万、より好ましくは5000〜10万である。共重合
体は溶液中で重合され、通常分離するすることなくコー
ティング剤に供されるので、この分子量が1000より
小さいと未反応モノマや重合開始剤が残存したり、共重
合体個々の分子の組成が不均一となって、塗工、乾燥後
においてタックや相分離によるヘイズが生じたり、塗膜
にひび割れが生じたりする。一方、共重合樹脂(I)の
分子量の上限は、それが十分なアルカリ可溶性を有して
いれば特に制限はないが、コーティング剤の粘性から好
ましくは20万以下である。
【0029】本発明の共重合樹脂(I)には、(A)及
び(B)以外の単量体成分として上記の必須単量体成分
と共重合可能な単量体成分を共重合させてもよい。例え
ば、(メタ)アクリル酸成分(A)と脂環式エポキシ基
含有重合性不飽和単量体成分(B)に加えて脂肪族多環
式化合物成分(C)を共重合させることが好ましく、こ
のように(A)と(B)に加えて(C)を共重合させる
ことにより、得られる3成分共重合樹脂のTg を高くす
ることが可能となる。しかも、これを用いた硬化膜はエ
マルジョンマスクを透過する紫外線を損なうことはな
い。
【0030】このような脂肪族多環式化合物成分(C)
を与える脂肪族多環式化合物は、ラジカル重合性の不飽
和基と脂肪族多環式構造を有するものであればよく、例
えば下記一般式(34)
【0031】
【化4】
【0032】〔但し、式中、R4 は水素原子又はメチル
基を示し、Xは2価の基を示し、Aは脂肪族多環式炭化
水素から生じる基(脂肪族多環式骨格)を示し、Yは置
換基を示し、nは置換基Yの数を示す〕で表される化合
物等が挙げられる。
【0033】この一般式(34)において、Xは例えば
−COO−、−COO(CH2 n−、−(CH2 n
−等の2価の基であり、好ましくは−COO−である。
また、Aは脂肪多環式炭化水素から生じる基であり、具
体的にはイソボルニル基類、トリシクロデカニル基類、
ジシクロペンテニル基類、ジシクロペンテニルオキシエ
チル基類、ノルボルナンエポキシ基類、ノルボルナンエ
ポキシメチル基類、ノルボニル基類、アダマンチル基類
等の2環以上の脂肪族環状骨格を有する化合物等が挙げ
られる。これらの化合物を共重合することにより、透明
性に優れるとともに硬度の高い3成分共重合樹脂を得る
ことが可能となる。また、Yは、例えばハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ
基、水酸基等の置換基であり、nは置換基の数であり、
好ましくは0〜5である。
【0034】なお、共重合樹脂(I)を形成する単量体
成分に脂肪族多環式化合物成分(C)を含有させる場
合、その上限は必須単量体成分の導入量が本発明の条件
を満たせば特に制限はなく、好ましくは10〜60モル
%以上、より好ましくは20〜50モル%以上である。
【0035】更に、本発明の共重合樹脂(I)には、相
溶性を向上させるための単量体成分(D)を共重合させ
てもよい。本発明の光学膜用コーティング剤およびエマ
ルジョンマスク用コーティング剤には、アミノ樹脂、そ
の他の構成材料、光重合性モノマ、光反応開始剤、希釈
剤、添加物等とよく混合する相溶性が要求される。ここ
で、相溶とは互いの物質がよく混合し、沈殿物、析出物
のない透明で均一な混合物を与えることをいう。相溶性
が低いと溶剤蒸発時に均一な塗膜が得られないばかり
か、時には析出物等を生じ、結果として均質な塗膜を得
ることができない。
【0036】このような相溶性を向上する構造を共重合
樹脂(I)に導入することができる単量体成分(D)と
しては、例えば水酸基、エーテル構造、アミノ構造、ア
ミド構造、ウレタン構造、リン酸構造等を有する共重合
可能な化合物が挙げられ、具体的にはヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート類、エチレングリコール(メ
タ)アクリレート類、アミノアルキル(メタ)アクリレ
ート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート
類、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類、アル
キルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレ
ート、リン酸アクリレート類、N−ビニルカプロラクタ
ム、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0037】上記単量体成分(D)の共重合量(モル
%)は、必須単量体成分の共重合量が本発明の条件を満
たせば特に制限はなく、相溶性向上効果が認められるま
で共重合させてもよいが、塗膜硬度を維持する観点から
20モル%以下がよい。更に、末端に水酸基をもつ2-ヒ
ドロキシメタクリレート等と共重合させると、この水酸
基が後ほど加えるアミノ樹脂(II)と反応して強固な架
橋構造を構成するので好ましい。
【0038】本発明の共重合樹脂(I)は、共重合可能
なそれぞれ1種類又は2種類以上の、(メタ)アクリル
酸成分(A)、脂環式エポキシ基含有重合性不飽和単量
体成分(B)並びに必要により使用される単量体成分
(C)及び単量体成分(D)を含有させた単量体成分か
ら形成することができる。そして、脂環式エポキシ基含
有重合性不飽和単量体成分(B)及び脂肪族多環式化合
物成分(C)となる単量体は、市販品でも合成品でもよ
い。これらの合成法は特に限定されないが、例えば、脂
環式エポキシ基骨格を有するアルコール又は脂肪族環状
構造を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とのエス
テル化反応で得ることができる。
【0039】組成が均一でランダムな共重合樹脂を得る
には、上記の各ラジカル反応性単量体のモノマ反応性比
が1に近いことが好ましい。従って、(B)、(C)及
び(D)成分となる単量体は、(メタ)アクリル酸成分
(A)と反応性が近い(メタ)アクリル酸エステルであ
ることが好ましい。しかし、ランダム共重合樹脂が得ら
れるものであれば、(メタ)アクリル酸エステルに限定
されるものではない。
【0040】本発明の共重合樹脂(I)は、従来公知の
重合方法によって製造することができる。例えば、重合
開始剤として過酸化ベンゾイル(BPO)やアゾビスイ
ソブチルニトリル(AIBN)等を用いるラジカル溶液
重合により、本発明のアルカリ可溶性樹脂を得ることが
できる。この際、分子量の制御に連鎖移動剤等を用いて
もよい。重合反応の温度は、反応液がゲル化したり、異
常な高分子量体が生成しないことが肝要であり、単量体
成分の種類と量に依存するが、好ましくは80℃以下、
更に好ましくは75℃以下である。
【0041】本発明の光学膜用コーティング剤には、本
発明の共重合樹脂の1種類のみを用いてもよいし、化学
構造、組成、シークエンスの異なる2種類以上の共重合
樹脂を併用してもよい。
【0042】次に成分(II)として配合するアミノ樹脂
としては、下記一般式(35)
【0043】
【化5】
【0044】〔但し、式中、R1 〜R6 は、−H、CH
2 OH、CH2 OR’(R’は炭素数1〜4のアルキル
基を示す)を示し、R1 〜R6 は同一又は異なってもよ
い〕で表される完全アルキル基型、イミノ基型、メチロ
ール基型、あるいはその混合系のメラミン樹脂やそのオ
リゴマー、あるいは一般式(35)のようにS−トリア
ジン骨格をもち、置換基の−NRRの一部が芳香族炭化
水素、炭素数1〜4のアルキル基にかわったグアナミ
ン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、エチルジア
ミノ−S−トリアジン、尿素樹脂およびそれらの類似品
等が挙げられる。
【0045】特に、メラミンとホルムアルデヒドの縮合
物にメチロール基が一部もしくは全てがアルキル化され
たブチル化メラミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、混合
アルキル化メラミン樹脂、イミノ基含有アルキル化メラ
ミン樹脂、メチロール基/イミノ基含有アルキル化メラ
ミン樹脂が好適に用いられる。
【0046】これらの市販品の具体例としては、サイメ
ルシリーズ及びマイコートシリーズ〔三井サイテック
(株)製〕等がある。これらアミノ樹脂(II)は、加熱
により成分(I)もしくは後記成分(IV)中に存在する
水酸基と、また成分(I)中のエポキシ基とカルボキシ
ル基が反応した結果生じる水酸基と縮合して、架橋を形
成する。上記アミノ樹脂(II)の配合割合は、好ましく
は成分(I)の共重合樹脂100重量部に対して5〜6
0重量部、特に好ましくは10〜45重量部である。こ
のアミノ樹脂(II)の配合割合が、成分(I)の共重合
樹脂100重量部に対して5重量部より少ないと、塗膜
が脆く、また密着性に劣り、一方、60重量部を越える
と耐アルカリ密着に問題がある。
【0047】本発明における構成成分(III) は溶媒であ
り、これは希釈剤としての作用を有する。この溶媒は、
構成成分(I)および(II)を可溶とするものであれば
公知の有機溶剤を用いることができ、好ましくは、硬化
温度の制約から沸点が200℃以下のもの、より好まし
くは160℃以下のものである。
【0048】上記溶媒の好適な例としては、エステル
系、エーテル系のものであり、具体例としてはジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル等が挙げら
れる。代表的な組成範囲を示すと、構成成分(I)の共
重合樹脂100重量部に対し、溶媒80〜1200重量
部、好ましくは150〜900重量部であり、溶媒種並
びに組成は所望のコーティング様式により適宜選択され
る。また、一液タイプのコーティング剤であるため、溶
媒量が共重合樹脂100重量部に対して80重量部未満
であると、室温における保存安定性において増粘が起こ
り好ましくなく、一方、1200重量部を越えると粘土
が低く、通常所望の膜厚を得ることが困難となるが、塗
布法に依存する。
【0049】本発明におけるコーティング剤は、構成成
分(I)と(II)とを共存させることにより、構成成分
(I)を単独で用いた場合に比べて保存時における粘度
の増加が抑制されることが見出された。従って、本発明
におけるコーティング剤は、ディップコーティングやロ
ールコーティング時の樹脂変質による粘度増加からの膜
厚変動を抑制するのに好適である。
【0050】また、本発明のコーティング剤において、
構成成分(I)、(II)及び(III)に加えて更に重合可
能なエチレン性不飽和基を分子内に2つ以上有する多官
能アクリレート化合物(IV)を添加すると、表面硬度の
向上により効果がある。成分(IV)の配合割合は、成分
(I)の共重合樹脂100重量部に対して10〜100
重量部である。この成分(IV)の配合割合が、成分
(I)の共重合樹脂100重量部に対して10重量部未
満であると表面硬度向上に効果は少なく、一方、100
重量部を越えると塗布後のタックが生じ、また、硬化時
に未硬化モノマが分離して透明性を損なう。
【0051】上記(IV)として配合されるエチレン性不
飽和基を有する化合物としては、得られる硬化物が必要
とする透明性、耐熱性、強度、硬度等を有すれば、特に
制限はなく、一般に使用される重合性モノマ、例えばペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレート
モノマー類等を用いることができ、特に、水酸基をもっ
た多官能アクリレート、例えばペンタエリストールトリ
アクリレートが前述のアミノ樹脂(II)と架橋を形成す
る点から好ましい。
【0052】構成成分(IV)のエチレン性不飽和基の熱
架橋を促進する意味において、熱重合開始剤もしくは金
属ドライア触媒の添加が好ましい。熱重合開始剤として
公知の過酸化物を用いることができるが、10時間半減
期温度が所望の硬化温度である160℃以下のものが好
ましい。この過酸化物の具体例としては、過酸化ベンゾ
イル、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチル
クミルパーオキサイド等が挙げられる。
【0053】また、金属ドライアは、嫌気性下、不飽和
化合物のラジカル重合触媒となるとともに、ルイス酸と
して構成成分(I)のエポキシ基とカルボキシル基の反
応も促進する。金属ドライアとしては、例えば、ナフテ
ン酸コバルト、脂肪酸亜鉛等の市販のものが挙げられ、
この系に可溶な種類、添加量が適宜選ばれる。熱重合開
始剤及び/もしくは金属ドライアの添加量は、構成成分
(III) に対して0.01〜5重量部が好ましく、この添
加量が0.01重量部を下回ると実質効果がなく、5重
量部を越えると保存時にゲル物の発生など好ましくな
い。
【0054】また、特性向上の目的で加える添加物につ
いては、例えば平滑剤〔3M(株)製フロラートFC−
430等〕は、共重合樹脂(I)100重量部に対し
0.01〜10重量部程度を配合すればよい。このよう
な添加物としては、例えば促進剤、界面活性剤、任意の
樹脂、反応性モノマ、帯電防止剤等が挙げられる。
【0055】本発明のコーティング剤は光学膜用に用い
られるが、光学膜とは、カラーフィルター等のフィルタ
ー用やフォトマスク用のインク、保護膜、ブラックマト
リックス等であり、光を透過させたり、また、特定光だ
け透過させたり遮蔽したりするための膜である。本発明
のコーティング剤は上記のような光学膜自体にも使用す
ることができるが、その表面硬度、透明性を生かした光
学膜の表面強化膜として特に優れる。
【0056】特に、染色法カラーフィルターやエマルジ
ョンマスクの画像パターン等は、180℃を越えると退
色や密着不良が生じるため、160℃以下で強化膜を形
成可能な本発明の一液型の低温硬化コーティング剤はこ
の用途に使用する場合に優れている。
【0057】また、本発明において、エマルジョンマス
クとは、ソーダガラス、石英ガラス、光学フィルム等の
基板の上に銀塩乳剤(エマルジョン)が遮光膜としてパ
ターン形成されたものである(フォトポリマーテクノロ
ジー、山岡亜夫編、596 頁)。エマルジョンはゼラチン
を含んでいるために160℃を越える温度にさらされる
と膜厚減少やパターン精度に問題をきたし、また、使用
中の磨耗のために傷やパターンの欠損が生じやすい。そ
こで、本発明のコーティング剤を公知の手法により塗布
し、ゼラチン膜を損なわない160℃以下の硬化温度に
て塗膜を硬化させることにより、遮光膜上に強化膜を形
成するものである。
【0058】本発明のコーティング剤は、遮光膜を形成
した基板上に公知のカーテンコート、ディップコート、
バーコート、ロールコート、などで塗布され、室温にお
ける放置及び/ あるいは50〜80℃の予備乾燥でタッ
クがなくなる。更に、140〜160℃、30分〜12
0分で加熱し、表面硬度がH以上の可視光/ 紫外光に透
明な1〜10μmの強化膜となる。形成された塗膜は、
アルコール、アルカリ水溶液等の洗浄液で洗浄しても表
面の荒れ、密着不良など生じない。
【0059】更に、本発明のコーティング剤は、下地の
凸部を覆った塗膜の平坦性(追随性)に優れている。す
なわち、通常凸部である画像パターンは垂直もしくは若
干の順テーパを持った表面の平らな形状であるが、これ
にコーティング剤を塗布すると凹部へ凸部上のコーティ
ング剤が流れ込んで凸部上の強化膜形状が丸みを持って
しまう問題があった。本コーティング剤を用いると下地
の表面形状と同じ形状になり、塗膜の厚みが均一で、凸
部の平坦部が広くエッジがシャープとなり、凹部への傾
斜も鋭い。ナトリウムランプで強化膜を施したマスクを
観察すると、凸パターン周辺部に干渉縞は観察されな
い。ビスフェノールエポキシ系の硬化膜では凸部パター
ン周辺に硬化膜が緩やかな傾斜をもつために干渉縞が見
られ、マスク透過光の強度ムラにつながることが多い
が、これが防止される。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例により、
本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例及び比
較例における共重合樹脂及びそれを用いた硬化膜の評価
は、断りのない限り以下のとおりである。
【0061】〔酸価〕得られた樹脂をトルエン−エタノ
ール等容積混合溶液に溶解し、フェノールフタレインを
指示薬として1/10N−KOHエタノール(50%)
水溶液で滴定して測定した。
【0062】〔分子量〕テトラヒドロフランを展開溶媒
としてRI(屈折率)検出器を持ったゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィ(GPC)により求めた。示した
分子量は全てポリスチレン換算の重量平均分子量(M
w)である。
【0063】〔共重合樹脂中のモノマ成分のモル比(モ
ル%)〕1H−NMR測定による面積比から求めた。
【0064】〔硬化膜の形成〕コーティング剤をポスト
ベーク後の膜厚がそれぞれ2.0μmとなる条件で青板
ガラス基板もしくは合成石英基板にスピンコートした
後、ただちに80℃に保持されたホットプレート上で3
分間プレベークして、タックのない塗膜を形成した。更
に、所定のポストベーク温度にて保持して硬化膜を形成
した。
【0065】〔タック性〕塗布後80℃にて3分間プレ
ベーク後、室温にてタック性を以下の基準で評価した。 ○:触れたときに指紋やべたつきが残らない ×:触れたときに指紋が残る、べたつく
【0066】〔表面硬度〕ポストベーク後の塗膜でJI
S規格に従い鉛筆硬度試験を行った。表面に全く傷が認
められない鉛筆硬度で最も高い表面硬度を記載した。
【0067】〔密着性〕硬化膜に少なくとも100個の
碁盤目を作るようにクロスカットを入れて、ついでセロ
テープを用いてピーリング試験を行ない、碁盤目の剥離
の状態を目視によって評価した。評価のランクは次のと
おりである。 ○:全く剥離が認められないもの ×:剥離が少しでも認められるもの
【0068】〔耐薬品性〕硬化膜を5 0℃のエタノー
ル、N-メチル−2-ピロリドン(NMP)及び5wt%Na
OH水溶液に10分間浸漬後、目視ならびに顕微鏡によ
る表面観察を行った。判定は以下のように行った。 ○:表面白濁がない、表面荒れがない △:表面白濁がない、顕微鏡観察で表面があれている ×:表面白濁が見られる 更にクロスカットを入れて密着性試験を行った。判定は
密着性試験に準じた。
【0069】〔透明性〕人工石英ガラス上に形成した膜
厚2μmの硬化膜の紫外並びに可視光吸収スペクトルを
測定し、436nm、408nm、365nm、313
nmにおける光線透過率(%)で示した。
【0070】〔保存安定性〕調製したコーティング剤を
室温で1ヵ月間保存後、25℃にてBL型粘度計で溶液
粘度を測定した。
【0071】合成例1(共重合樹脂A−1の合成) 300mlの滴下ロート、冷却管、攪拌器を備えた10
00mlの4つ口フラスコに窒素ガスを適量流して系内
を十分に乾燥した後、窒素ガス流量を約50ml/mi
n.に設定した。エポキシシクロヘキシルメチルメタク
リレート〔ダイセル化学工業(株)製M−100;略
号:M−100)75.7g(0.386モル)、メタ
クリル酸〔東京化成工業(株)製;略号:MAA)3
3.2g(0.386モル)、イソボルニルメタクリレ
ート〔共栄社化学(株)製ライトエステルIB−X;略
号:IB−X)66.7g(0.300モル)、2,2'−
アゾビス−2,4-ジメチルバレロニトリル〔和光純薬
(株)製;略号:V−65〕2.39g、3-メルカプト
プロピオン酸−2-エチルヘキシル3.92g〔淀化学
(株)製;略号:3MPA−EH〕をジグライム66.
6gに溶解した溶液を滴下ロートに、また、ジグライム
200gを4つ口フラスコに入れた。
【0072】フラスコをオイルバス中でジグライム溶媒
が65℃に加熱後、反応温度を65〜67℃に保つよう
に滴下ロートから反応溶液を150分かけて滴下した。
滴下終了後、そのまま反応温度を65℃で180分撹拌
を続けた。室温近くまで冷却後、160gのジグライム
を添加して反応液の粘度を下げた。無色透明の粘度43
cpsの樹脂溶液を得た(固形分29%)。仕込み量な
らびに合成条件、共重合樹脂A−1の分子量及び酸価を
表1に示す。共重合溶液のGLC分析で残存モノマが2
重量%未満であることを確認した。さらに重合溶液の一
部をヘキサン中で再沈殿させて回収し、重クロロホルム
溶媒中でNMR測定したところ、仕込み量にほぼ等しい
組成比のアクリレート共重合樹脂A−1が得られている
ことがわかった。
【0073】
【表1】
【0074】合成例2〜10 合成例1と同様な実験において、仕込み量ならびにモノ
マーを変えてアクリレート共重合樹脂A−2〜A−7、
B−1、M−1、E−1を調製した。合成例1と同様に
してGLC並びにNMRで、重合反応は定量的に進行
し、仕込み量にほぼ等しい組成比のアクリレート共重合
樹脂溶液が得られたことを確認した。仕込み量、共重合
樹脂の分子量及び酸価を表1に示す。
【0075】実施例1〜2 合成例1で得られた共重合樹脂A−1を用いて、表2に
示す配合でコーティング剤を調製した。このものは無色
透明であり、7.2cps(25℃測定)であった。さ
らにこのコーティング剤を25℃並びに5℃に保存し、
1 ヶ月後の粘度を測定すると、それぞれ7.3cps、
7.2cpsと安定していた。さらに、3 ヶ月後ではそ
れぞれ7.4cps、7.2cpsとほとんど粘度の変
化が見られなかった。また、不溶のゲル化物の発生も見
られなかった。
【0076】
【表2】
【0077】このコーティング剤を用いて5インチガラ
ス基板上にスピンコート塗布し、80℃で3分間乾燥し
たところ、タックのない2.1μm厚で塗膜を得た。更
に、160℃にて30分熱処理し2.0μm厚の透明塗
膜を得た。評価結果を表2に示す。表面硬度、密着性、
耐薬品性、透明性の良好な塗膜が得られることがわかっ
た。
【0078】実施例3〜4 実施例1に使用したアミノ樹脂を変えて同様なコーティ
ング剤を調製し、硬化膜の性能試験を行った。評価結果
を表2に示す。表面硬度、密着性、耐薬品性、透明性の
良好な塗膜が得られることがわかった。
【0079】実施例5 実施例1に多官能アクリレートであるPET30(日本
化薬製)を添加し、更に熱重合開始剤としてナイパーB
MT−K40(日本油脂製)を加えてコーティング剤と
し、硬化膜を形成後、同様の試験を行った。結果を表2
に示す。表面硬度、密着性、耐薬品性、透明性の良好な
塗膜が得られることがわかった。
【0080】一方、コーティング剤の粘度は初期に7.
3cpsであった。更にこのコーティング剤を25℃並
びに5℃に保存し、1 ヶ月後の粘度を測定すると、それ
ぞれ7.4cps、7.3cpsと安定していた。更
に、3 ヶ月後ではそれぞれ7.4cps、7.2cps
とほとんど粘度の変化が見られなかった。また、不溶の
ゲル化物の発生も見られなかった。
【0081】実施例6 実施例5において硬化温度を150℃、硬化時間を60
分にかえて、同様な試験を行った。評価結果を表2に示
す。実施例5と同様に表面硬度、密着性、耐薬品性、透
明性の良好な塗膜が得られることがわかった。
【0082】実施例7〜13 表2に示す組成でコーティング剤を調製し、同様な硬化
条件で硬化膜をガラス基板上に形成した。同様に表面硬
度、密着性、耐薬品性、透明性の良好な塗膜が得られる
ことがわかった。
【0083】比較例1 表2に示すように共重合樹脂A−1にシランカップリン
グ剤であるS510を加えてコーティング剤とした。こ
のものの粘度は36cpsであった。コーティング剤を
25℃と5℃とで保存し、一ヶ月後に測定した粘度はそ
れぞれ39cpsと37cpsであった。更に3ヶ月後
には44cps、38cpsであり、室温における増粘
がみられた。続いてコーティング剤をガラス基板上にコ
ーティング後、実施例1と同様な硬化ならびに評価を行
った。結果を表2に示す。160℃硬化ではクロスカッ
ト後の密着性が不良であった。
【0084】比較例2〜3 表2に示す組成にてコーティング剤を調製し、比較例1
と同様に評価した。160℃硬化ではクロスカット後の
密着性が不良であった。
【0085】実施例14〜22 表3に示す組成にてコーティング剤を調製し、実施例6
と同様にして評価した。実施例5と同様に表面硬度、密
着性、耐薬品性、透明性の良好な塗膜が得られることが
わかった。
【0086】
【表3】
【0087】実施例23 ガラス基板上にブルーインキV259B〔新日鐵化学
(株)製〕を使用して1.5μmの膜厚で200μmラ
イン/20μmスペース並びに100μmライン/20
μmスペースのパターンを形成した。この上へ実施例6
で調製したコーティング剤を用いて塗布し、150℃に
て30分ポストベークを行い、2 μm厚の硬化膜を形成
した。そして、表面形状をサーフコム570A〔東京精
密(株)製〕を用いて測定した。200μmライン(凸
部)の最高部から20μmスペース(凹部)に向けて
0.1μm低くなるまでのライン幅Lμmを求め、次式
で平坦化部比率を求めた。
【0088】 平坦化部比率(%)=(L/200)×100
【0089】同様にして100μmライン上の硬化膜の
形状を測定し、平坦化部比率を次式で求めた。
【0090】 平坦化部比率(%)= (L/100)×100
【0091】本実施例では、平坦化率はそれぞれ94
%、90%であった。同様にして実施例1〜4、7〜2
2のコーティング剤を用いて平坦化率を測定したとこ
ろ、いずれも90%以上であった。
【0092】比較例4〜6 光硬化一液型コーティング剤V259PA〔新日鐵化学
(株)製〕並びに熱硬化2液型コーティング剤オプトマ
ー〔JSR製〕を用いて実施例22と同様にして2μm
厚の硬化膜を形成した。200μmライン上における平
坦化部比率はいずれも75%、100μmライン上にお
ける平坦化部比率はいずれも50%でパターンエッジ部
分の傾斜が見られた。また、熱硬化一液型コーティング
剤V259EX88〔新日鐵化学(株)製〕を用いて同
様な試験を行ったところ、平坦化部比率は200μmラ
イン上、100μmライン上それぞれで78%、60%
であった。
【0093】実施例24並びに比較例7〜9 ガラス基板上に銀塩を析出させたテスト用エマルジョン
マスクを用いた。テストパターンは膜厚が0.25μm
で100〜300μmラインや500μm角のパターン
であり、0.1μm程度の表面粗さをもっている。この
上に実施例6で使用したコーティング剤を塗布し、16
0℃にて30分間硬化した。得られた強化膜付きエマル
ジョンマスクのパターン部分の粗さが0.05μm以下
となり、さらにナトリウムランプ下で観察したところパ
ターン周辺部に干渉縞はまったく見られなかった。同様
にして比較例7〜9で用いた市販硬化膜を1μm厚で形
成した後、ナトリウムランプ下で観察したところ、パタ
ーン周辺部に干渉縞が観察された。
【0094】
【発明の効果】本発明によるコーティング剤は、一液保
存性、ゼラチン膜を劣化させない160℃以下での硬化
性に優れ、硬化膜は紫外線透過性、表面硬度が高いの
で、遮光膜ゼラチン層を保護するマスクとして好適に用
いられ、耐久性の高いフォトマスクを提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 // G03F 1/14 G03F 1/14 E Fターム(参考) 2H048 BA64 BB37 2H095 BC20 2K009 AA15 CC24 CC32 CC33 DD02 DD06 4J036 AK08 AK09 AK10 FA10 FB09 GA13 JA01 4J038 DA142 DA162 DA172 DA192 DB211 GA06 KA06 NA11 NA19 PB08 PC03 PC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須成分として、(メタ)アクリル酸成
    分(A)と脂環式エポキシ基含有重合性不飽和単量体成
    分(B)とを含有する単量体成分を重合して得られる重
    量平均分子量が1000以上である共重合樹脂(I)
    と、アミノ樹脂(II)及び溶媒(III) を含有してなるこ
    とを特徴とする光学膜用コーティング剤。
  2. 【請求項2】 光学膜がエマルジョンマスクである請求
    項1記載のエマルジョンマスク用コーティング剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のコーティング剤の
    硬化物を強化膜としたエマルジョンマスク。
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