JP2000256928A - 複合紡績糸およびそれを用いてなる布帛 - Google Patents
複合紡績糸およびそれを用いてなる布帛Info
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- JP2000256928A JP2000256928A JP11061175A JP6117599A JP2000256928A JP 2000256928 A JP2000256928 A JP 2000256928A JP 11061175 A JP11061175 A JP 11061175A JP 6117599 A JP6117599 A JP 6117599A JP 2000256928 A JP2000256928 A JP 2000256928A
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Abstract
族ポリアミド繊維が、仕立て栄え、プリーツ保持性、防
しわ性などの形態保持性を芯成分のポリエステル繊維が
はたすもので、炎や高温にさらされる作業である消防服
や高熱作業服において、耐熱、切創などの機能を充分に
発揮し、仕立て栄え、プリーツ保持性、防しわ性などの
形態保持性を持ち、審美性をも兼ね備えたアウトドアス
ポーツ用衣料や防護被服用素材を安定的に供給すること
のできる芯鞘型複合紡績糸およびそれを用いてなる布帛
を提供する。 【解決手段】芯鞘型複合紡績糸であって、少なくとも全
芳香族ポリアミド短繊維を含む鞘成分が50〜70重量
%で構成され、少なくともポリエステル短繊維を含む芯
成分が30〜50重量%で構成されてなるとともに、前
記全芳香族ポリアミド短繊維の複合糸に占める割合が5
0〜90重量%であり、かつポリエステル短繊維の複合
糸に占める割合が10〜35重量%であることを特徴と
する芯鞘型複合紡績糸。
Description
に優れた芯鞘型複合紡績糸、および該紡績糸からなるプ
リーツ性、防しわ性などの形態保持性に優れ、仕立て栄
えの良好な布帛に関する。さらに詳しくは、切創、擦過
溶融、火傷の危険の高い職場に用いられる防護被服やア
ウトドアスポーツなどの過酷な環境下で着用に耐える防
護被服素材に関する。
が進み、労働、交通災害の危険性が高くなり、人命尊重
の観点から安全性向上が強く望まれている。一方スポー
ツにおいても多岐に渡り参加人数も増え活発になり、ス
ノーボード、フィッシング、登山などのアウトドアスポ
ーツへの参加人口の伸びが著しく、それにともないスポ
ーツ衣料素材も従来以上に耐久性、機能性が要求される
ようになり、特に、耐切創性、耐熱性などの機能性に優
れ、プリーツ性、防しわ性、形態保持性などの審美性の
優れたものが望まれている。また溶接や製鉄工場などで
用いる耐熱作業服や消防服等においても高度の耐熱性が
要求されている。
高く、耐薬品性、糸強度が高い全芳香族ポリアミド繊維
が幅広く用いられるている。例えばパラ系アラミド繊維
100%のフィラメント糸や紡績糸を部分的に用いて交
織した実公平1−36600号公報や特公昭62−26
900号公報、特開平2−292036号公報などで提
案されている。
向上するが、パラ系アラミド繊維は本質的に耐熱性繊維
であるがため熱セット性が乏しく、縫製された衣服の仕
立て栄え、着用中のプリーツの消去としわの発生という
形態保持性が劣る欠点がある。これら欠点を解決するも
のとして、特開平3−830号公報では芯部にパラ系ア
ラミド繊維、鞘部にポリエステル繊維を配置した芯鞘型
複合紡績糸やポリエステル短繊維とパラ系アラミド短繊
維の均一混紡として特開平6−220730号公報、ポ
リエステル短繊維と芳香族ポリアミド繊維とセルロース
系繊維の均一混紡として特開平4−50340号公報が
提案されている。しかしながらこれらは、防護衣服の形
態保持性は改善されるものの、布帛表面へのパラ系アラ
ミド繊維の被覆が少なく、パラ系アラミド繊維100%
と比較すると耐切創性、耐熱性が劣っているのが現状で
ある。
術の欠点を解決せんとするものであって、鞘成分は全芳
香族ポリアミド短繊維で構成され、芯成分はポリエステ
ル短繊維100%もしくはポリエステル短繊維混紡繊維
束で構成されてなり、耐切創、耐熱などの機能特性は鞘
成分の全芳香族ポリアミド繊維が、仕立て栄え、プリー
ツ保持性、防しわ性などの形態保持性を芯成分のポリエ
ステル繊維がはたすもので、炎や高温にさらされる作業
である消防服や高熱作業服において、耐熱、切創などの
機能を充分に発揮し、仕立て栄え、プリーツ保持性、防
しわ性などの形態保持性を持ち、審美性をも兼ね備えた
アウトドアスポーツ用衣料や防護被服用素材を安定的に
供給することのできる芯鞘型複合紡績糸およびそれを用
いてなる布帛を提供せんとするものである。
本発明は、次の構成からなる。すなわち、 (1)芯鞘型複合紡績糸であって、少なくとも全芳香族
ポリアミド短繊維を含む鞘成分が50〜70重量%で構
成され、少なくともポリエステル短繊維を含む芯成分が
30〜50重量%で構成されてなるとともに、前記全芳
香族ポリアミド短繊維の複合糸に占める割合が50〜9
0重量%であり、かつポリエステル短繊維の複合糸に占
める割合が10〜35重量%であることを特徴とする芯
鞘型複合紡績糸。
の単繊維繊度が0.5〜4.5デニールであり、かつ複
合糸の撚係数Kが2.8〜6であることを特徴とする前
記(1)に記載の芯鞘型複合紡績糸。
重量%、またはポリエステル短繊維と天然繊維もしくは
セルロース系繊維の混紡糸であることを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の芯鞘型複合紡績糸。
を芯成分全体の20重量%以内混紡したことを特徴とす
る前記(1)〜(3)のいずれかに記載の芯鞘型複合紡
績糸。
アラミド短繊維であることを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれかに記載の芯鞘型複合紡績糸。
アラミド短繊維であることを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれかに記載の芯鞘型複合紡績糸。
アラミド短繊維とパラ系アラミド短繊維の混紡品である
ことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載
の芯鞘型複合紡績糸。
ェニレンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする
前記(5)または(7)に記載の芯鞘型複合紡績糸。
載の芯鞘型複合紡績糸を布帛重量の30〜100重量%
の範囲で用いてなることを特徴とする布帛。
合紡績糸の芯部に、ポリエステル短繊維およびポリエス
テル短繊維混紡繊維束を配し、鞘部を全芳香族ポリアミ
ド短繊維を配し、ポリエステル繊維を全芳香族ポリアミ
ド繊維で覆い、ポリエステル繊維の耐切創、耐熱の低さ
をカバーして、全芳香族ポリアミド繊維を複合糸表面に
出すことにより、全芳香族ポリアミド繊維の機能特性を
十分に発揮させ、芯部のポリエステル繊維により、仕立
て栄え、プリーツ保持性、防しわ性などの形態保持性を
付与させるものである。
リアミド繊維の衣料用途使用の大きな欠点である仕立て
栄え、プリーツ性、防しわ性などの形態保持性を持ち、
審美性を備え、かつ全芳香族ポリアミド繊維の持つ機能
特性を損なうことなく実現すべく鋭意検討し、全芳香族
ポリアミド繊維の特徴である、耐切創性、耐熱性の機能
特性を十分に発揮させるには、種々検討した結果、紡績
糸、布帛の表面に全芳香族ポリアミド繊維を配置するの
が効果が高く最適である事を見出したのである。また、
防護被服の仕立て栄え、プリーツ保持性、防しわ性など
の形態保持性を得るにはポリエステル繊維の優れた熱セ
ット性を利用するのが効果が高く最適であり、いかに全
芳香族ポリアミド繊維と混紡組み合わせるか種々検討し
た結果、紡績糸の中心部に配置して、外周部を全芳香族
ポリアミド短繊維で覆うことで、ポリエステル繊維の耐
切創、耐熱性の低さを防護し、かつポリエステル繊維の
持つ熱セット性を十分発揮できることを見出したのであ
る。
いずれも短繊維で構成されてなり、芯成分が複合糸に占
める割合が30〜50重量%の範囲であり、該芯成分を
ポリエステル短繊維100%、あるいはポリエステル短
繊維混紡糸条で構成されてなり、かつ複合糸に占めるポ
リエステル繊維の割合が10〜35重量%の範囲で構成
させるものである。ポリエステル繊維の複合糸に占める
割合が低いと防護被服への満足する熱セット性、形態保
持性を付与することができにくくなる。一方、ポリエス
テル繊維の複合糸に占める割合が多くなるとポリエステ
ル繊維の弱点である耐切創、耐熱の低下が現われ、全芳
香族ポリアミド繊維の優れた高機能特性を損ない好まし
くない。芯成分の短繊維束が複合糸に占める割合が40
〜50重量%、ポリエステル繊維の複合糸に占める割合
が15〜30重量%の範囲がより好ましい。
が好ましくは100重量%で構成されている。全芳香族
ポリアミド短繊維の量が少ないと全芳香族ポリアミド繊
維の優れた高機能特性を十分に発揮させることができず
好ましくない、また鞘成分の複合糸に占める割合は50
〜70重量%の範囲である。50重量%未満では芯成分
のポリエステル繊維を鞘成分の全芳香族ポリアミド繊維
で十分に覆うことが難しくなり、全芳香族ポリアミド繊
維の優れた高機能特性を十分に発揮させることができず
好ましくない。また、70重量%を越えると芯成部のポ
リエステル繊維の混紡率が低くなって十分な熱セット性
が得られないばかりか、複合加工性が悪化して好ましく
ない。好ましくは鞘成分の複合糸に占める割合は50〜
60重量%の範囲である。前記全芳香族ポリアミド短繊
維の複合糸に占める割合は50〜90重量%である。
は、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維であるこ
とが好ましく、両繊維を任意の混紡率で混紡した混紡品
であってもよく、あるいは各々100%でも、要求され
るスポーツ用衣料や防護被服特性により選定するのが良
い。
は、例えばポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維や
コポリパラフェニレン−3,4′オキシジフェニレンテ
レフタルアミド繊維があげられる。
は、例えばポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維が
あげられる。
成する短繊維束Aについて説明する。本発明の短繊維束
Aは全芳香族ポリアミド短繊維を通常の短繊維紡績工程
である打綿、梳綿、練条、粗紡、精紡などの工程を通す
ことにより得られるスライバーや粗糸などからなる。ま
た、繊維長を長くして(76〜160mm)一般のソ毛
紡績を通したスライバーや粗糸などの短繊維束でもよ
い。短繊維の繊度は0.5〜4.5デニールが好まし
く、複合加工性向上の面から0.8〜2.5デニールが
より望ましい、繊維長については特に限定しないが紡績
方法に合わせ最適な繊維長を選ぶのが良い。
ル短繊維100%、あるいはポリエステル短繊維と他の
繊維との混紡品である。また、この芯成分を構成する短
繊維束Bに全芳香族ポリアミド短繊維が短繊維束Bに占
める割合において20重量%以内混紡してもよく、これ
により全芳香族ポリアミド繊維の持つ機能特性をより高
めることができる。全芳香族ポリアミド繊維の割合が2
0重量%を越えると全芳香族ポリアミド繊維の持つ機能
特性は向上するが、ポリエステル繊維の混紡率が低くな
り、防護衣服への満足する形態保持性が付与しにくくな
るので好ましくない。好ましくは15重量%以内であ
る。また混紡繊維としては、難燃処理された木綿繊維
や、セルロース系繊維でもよく、これらの混紡糸でもよ
い。
S、Zいずれでも良く、撚係数K(撚数=K・番
手1/2 )は一般の紡績糸よりやや高めにするのが芯部を
全芳香族ポリアミド短繊維で覆う点で好ましく、K=
2.8〜6.0の範囲が望ましい、K=2.8より低く
すると芯、鞘の複合加工性が悪化し好ましくない、K=
6.0より高くすると強撚になりすぎ二重撚の発生が強
く加工性が悪化して好ましくない。K=3.2〜4.5
の範囲がより好ましい。
法について説明する。
の短繊維束Aがスライバーや粗糸の場合、一対のテーパ
ーローラーからなるフロントトップローラーおよびフロ
ントボトムローラーを有するリング精紡機により、ガイ
ドを介してフロントローラーの送り出し量の高い側へ通
したエプロンドラフト後の短繊維束Aと、送り出し量の
低い側へ通したエプロンドラフト後の短繊維束Bとを同
時に精紡し、短繊維束Bを中心に短繊維束Aを実撚付与
時に順時巻回させることにより、芯成部の短繊維束Bを
こより状に包み込む状態で糸形成させるようにすればよ
い。
する精紡機において、ドラフト、加撚する概要を示すも
のである。
束Bとは、それぞれトランペット1a,1bを経てバッ
クローラー2に供給され、エプロンドラフト3を経たの
ち一対のテーパーフロントローラー4a,4bに把持さ
れる。
a,4bでは、それぞれ送り出し量の高い側(径の大き
い側)へはトランペット1aを介して短繊維束Aを供給
し、送り出し量の低い側(径の小さい側)へはトランペ
ット1bを介して短繊維束Bを供給する。次いでテーパ
ーフロントローラー4a,4bに把持されながら出てき
た両短繊維束A,Bを間隔3〜10mmの範囲にとって
合体させ、短繊維束Bを芯に短繊維束Aを被覆させなが
ら芯鞘型複合紡績糸5に形成し、これにリング6、トラ
ベラ7で実撚を付与しながら糸管8に巻き取る。
繊維束Bとして、あらかじめ紡績糸の状態に形成したも
のであってもよい。、この場合、芯成分を構成する連続
糸条の紡績糸としては、ポリエステル短繊維紡績糸10
0%、またはポリエステル短繊維混紡紡績糸であればよ
い。
の製造方法としては、特に限定するものではないが、鞘
成分の短繊維束がスライバーや粗糸の場合、例えば一対
のテーパーローラーからなるフロントトップローラーお
よびフロントボトムローラーを有するリング精紡機によ
り、トランペットを介してバックローラー、エプロンロ
ーラーを経て、フロントローラーの送り出し量の高い側
へ通し、芯成分の紡績糸をフロントローラーの送り出し
量の低い側へガイドを介して通した後、短繊維束と同時
にフロントローラーより紡出し、連続紡績糸を中心に短
繊維束が実撚付与時に順時巻回され、芯成部の紡績糸を
こより状に包み込む状態で糸形成させることにより得る
ことができる。
占める鞘成分の全芳香族ポリアミド短繊維の割合が50
〜70重量%であり、全芳香族ポリアミド短繊維束Aと
ポリエステル繊維束Bの構成比率を適宜設定することに
よって本発明の芯鞘型複合紡績糸を得ることができる。
送り出し量の差、すなわち短繊維束の巻回状態を変える
ものであり、重なり状態や複合糸の物性をみて決めるの
がよい。
るいは双糸として、織、編物加工してもよく、該糸10
0%使いでも良いが、フィラメント、加工糸、弾性繊維
などとの交編、交織さらには、耐熱、耐切創が要求され
る特定の部分に本発明紡績糸を用い、常法により織、編
物などの製品を得ることができるが、織、編物製品など
の全体の重量の30〜100%の範囲で用いてなるもの
である。上記本発明の紡績糸が織、編物製品全体の重量
の30%未満ではたとえ特定の部分に本発明糸を用いて
も十分な耐切創性、耐熱性が得られにくくなり、好まし
くない。好ましくは50〜100%の範囲である。
的に説明する。なお、実施例における特性値等の測定法
は次の通りである。 <切創抵抗力>枠体の中央部に約3mmの間隔で2枚の
試料シートを把持し、この試料シートのスリット部に角
度60度で2辺に刃のあるセラミック製の刃を垂直に立
てて当て、この刃先に500mm/分の速度で荷重をか
けていったときの該試料シートが切創される最大荷重を
測定する。 <プリーツ性>織、編物のタテ方向に長さ25cmの試
料を切り取り、長さ方向5cm間隔で印をつけ(4箇
所)中央部の15cmを折り込み、5cmの長さで試料
が3重になるように折り、通常のプレス機でプレス温度
140℃、プレス圧力0.5kg/cm2 で10秒間プ
レスしたのちバキューム処理を10分間行い試料を冷却
する。プリーツ性(プリーツのつき方)は肉眼で級判定
した。判定基準を下記する。(5級:非常にシャープな
プリーツ、4級:シャープなプリーツ、3級:プリーツ
がある、2級:プリーツが少しある、1級:プリーツが
ほとんどない) <プリーツ保持性>プリーツ性を評価した試料を用いJ
IS L0217−103法にもとずき洗濯後試料のプ
リーツ性を評価した、結果をプリーツ保持性として級判
定した。 <難溶融性(熱溶融性)>500℃に加熱された金属棒
(直径約0.6cm)の先端に試料を5秒間接触させた
時の穴開きの程度を5級(穴開きなし)〜1級(完全に
穴が開く)の5段階で級判定する。 <布帛風合い(官能評価)>布帛を次の4段階に官能評
価した。(◎:ソフトでふくらみがあり適度の張り、腰
があるもの、○:これに準ずる良好なもの、△:ソフト
感、ふくらみに欠け、硬く劣るもの、×:粗硬で劣るも
の)。 [実施例1〜3、比較例1〜3]鞘成分の短繊維束とし
て、繊度1.5d、繊維長51mmの引張強度23g/
d、破断伸度3.7%、熱分解温度500℃のパラ系ア
ラミド短繊維〔商標:東レ・デュポン(株)製“ケブラ
ー”(デュポン社登録商標)〕100%を通常の2イン
チ紡績方法で、太さ0.6g/mの粗糸を作成した。芯
成分として短繊維束Bであるポリエステル繊度1.5
d、繊維長51mm〔商標:東レ(株)製“テトロン”
(登録商標)〕を通常の2インチ紡績方法で、0.7、
0.3、0.2g/mの粗糸を作成し、各々の粗糸を用
いて、一対のフロントテーパーローラーを有する2イン
チリング精紡機に仕掛け、短繊維束Aの粗糸をトランペ
ットを通してフロントローラーの送り出し量の高い側へ
バックローラーから供給し、フロントローラーの送り出
し量の低い供給側へ短繊維束Bをトランペットに通して
供給した。精紡トータルドラフト33.0〜20.4倍
で、芯鞘型短々紡績糸の番手を15s(綿番手)、撚係
数はK=3.5(13.6T/in)Z撚りとした。両
フリースの間隔を5mmになるようにトランペットとガ
イドの間隔およびコレクターで調整した後ドラフトし合
体させ通常の方法で管糸に巻き取り、鞘成分のパラ系ア
ラミド繊維が複合糸に占める割合が46.2、66.
7、75%の3種(比較例1、実施例1、実施例2)ポ
リエステル繊維が複合糸に占める割合が53.8%、3
3.3%、25.0%であった。また芯、鞘成分が50
%/50%のパラ系アラミド繊維100%、30s、K
=3.5(比較例2)の複合糸を得た。
短繊維束をポリエステル50%/木綿(米綿コーマ綿)
50%の0.4g/mと0.3g/mの粗糸を作成し鞘
成分としてパラ系アラミド短繊維100%の1.4g/
mの粗糸を作成し、実施例1と同様にフロントテーパロ
ーラーを有する精紡機を用い複合加工して15s、K=
3.5、鞘成分のパラ系アラミド繊維が複合糸に占める
割合が77.8%と82.4%、ポリエステル繊維が複
合糸に占める割合が11.1%、8.8%(実施例3、
比較例3)の芯鞘型短々複合紡績糸を得た。得られた複
合糸6種を90℃×20分の撚止めセットをおこないそ
れぞれ100%使いで平織物を作成した。
密度は経糸78本/in、緯糸65本/in、織幅98
cmを作成後、パラ系アラミド繊維の織物表面への出現
状態(被覆状態)、耐切創性、耐熱性、プリーツ性を評
価した。表1に示すように複合糸に占めるポリエステル
繊維の割合が53.8%の比較例1はプリーツ性、防し
わ性などの形態保持性は良好であるが、複合糸に占める
芯成分のポリエステル繊維の混紡割合が高くパラ系アラ
ミド繊維による被覆不足により、パラ系アラミド繊維の
機能特性が十分に発揮できず耐切創性、耐熱性などの高
機能特性が劣るものであった。
が82.4%の比較例3の複合糸と100%の複合糸の
比較例2はパラ系アラミド繊維の機能特性、すなわち耐
切創性、耐熱性は発揮されるが複合糸に占めるポリエス
テル繊維の割合が5.6%と0%と少なく、プリーツ保
持性などの形態保持性が劣るものであった。 [実施例4〜5、比較例4]鞘成分の短繊維束として、
繊度1.5d、繊維長38mmのパラ系アラミド短繊維
“ケブラー”と、繊度1.5d、繊維長38mmのメタ
系アラミド短繊維[デュポン社製“ノーメックス”(登
録商標)]を50/50%(実施例4)の比率で混紡し
たものを通常の綿紡績方法で、太さ0.6g/mの粗糸
を作成し、芯成分としてポリエステル短繊維100%の
0.3g/mの粗糸を作成後実施例1と同様にして複合
加工して15s、K=3.5、パラ系アラミド、メタ系
アラミド各々繊維混紡率33.3重量%ポリエステル繊
維混紡率33.3重量%の芯鞘型短々複合糸を得た。
ブラーを、繊度5d、繊維長89mm、メタ系アラミド
短繊維ノーメックスを繊度1.5d、繊維長76mmに
して50/50%(比較例4)の割合で混紡し、実施例
1と同様にポリエステル短繊維0.3g/mの粗糸を芯
成分として複合加工して15s、K=3.5のパラ系ア
ラミド、メタ系アラミド各々繊維混紡率33.3重量
%、ポリエステル繊維混紡率33.3重量%の複合糸を
得た。
テル短繊維100%をポリエステル短繊維1.5デニー
ル、51mm、50%、ケブラー1.5デニール、51
mm、50%の混紡に変更して実施例1と同様に加工し
て複合糸に占めるパラ系アラミド短繊維の割合が83.
4%、複合糸に占めるポリエステル繊維の割合が16.
7%、15s、K=3.5、の複合糸を得て実施例1と
同様に織物に加工後布帛評価し結果を表1に表した。
デニールにした比較例4は、耐熱、耐切創などの機能特
性、プリーツ性などの形態保持は良好であるが、布帛が
粗硬で防護被服としては劣るものであった。
d、38mmをそれぞれ、50/50%混紡した実施例
4、パラ系アラミド短繊維が複合糸に占める割合が8
3.4%、ポリエステル繊維が複合糸に占める割合が1
6.6%の実施例5は全芳香族ポリアミド繊維の機能特
性である耐熱性、耐切創性などの高機能特性を十分に発
揮し、プリーツ性などの形態保持性をも兼ね備え、布帛
がソフトでしなやかで防護被服に適した優れた布帛であ
った。 [比較例5、比較例6]芯、鞘成分繊維および混紡率、
複合方法を実施例1と同様にして、撚係数をK=2.6
(9.7T/in)にした比較例5、K=6.2(2
4.0T/in)の比較例6の複合糸を作成した、撚係
数K=2.6の比較例5は複合加工において芯鞘の合体
性が悪く分離して糸切れが多く複合加工性が劣り好まし
くなかった。K=6.2の比較例6は精紡工程における
複合加工において二重撚の発生が起こり、異常張力によ
るトラベラ飛散、糸切れが起こり好ましくなく、両水準
ともに評価水準より削除した。 [実施例6〜7、比較例7]実施例1の15s複合紡績
糸を織物全体重量の25%(比較例7)、40%(実施
例6)、100%(実施例7)になるように経糸、緯糸
に均一に用い平織地を作成した、ベース糸としてT65
%木綿35%、15s、K=3.4のサイロスパン糸を
用い、織成に際して経糸には糊剤を付与した。織密度は
経糸78本/in、緯糸65本/inであり織幅98c
mのものであった、布帛評価結果を表2に示した。
ーツ保持性などの形態保持性は良好であったが、耐熱、
耐切創などの全芳香族ポリアミド繊維の高機能特性が劣
るものであった。実施例6、実施例7は全芳香族ポリア
ミド繊維の高機能特性を十分に発揮し、プリーツ性など
の形態保持性をも兼ね備えた優れた布帛であった。
スに仕立て、仕立て栄えを目視評価した、ポリエステル
繊維の持つシャープなプリーツであり、仕立て栄えの良
さが現われた良好なスラックスであり、着用評価を10
名にて実施した結果擦過溶融、プリーツ保持性も良好で
あり好評を得た。
紡績糸および布帛は、芯部を構成するポリエステル短繊
維混紡品からなる短繊維束を、鞘部を構成する全芳香族
ポリアミド短繊維束で被覆させることにより、全芳香族
ポリアミド繊維の持つ耐切創性、耐熱性、などの優れた
高機能特性を損なうことなく全芳香族ポリアミド繊維の
持つ欠点であるプリーツ性、防しわ性などの形態保持性
を大幅に改善して高機能特性の要求される防護被服用分
野やアウトドアスポーツ衣料に好適な布帛を提供するこ
とができるものである。
示す工程図である。
Claims (9)
- 【請求項1】芯鞘型複合紡績糸であって、少なくとも全
芳香族ポリアミド短繊維を含む鞘成分が50〜70重量
%で構成され、少なくともポリエステル短繊維を含む芯
成分が30〜50重量%で構成されてなるとともに、前
記全芳香族ポリアミド短繊維の複合糸に占める割合が5
0〜90重量%であり、かつポリエステル短繊維の複合
糸に占める割合が10〜35重量%であることを特徴と
する芯鞘型複合紡績糸。 - 【請求項2】鞘成分の全芳香族ポリアミド短繊維の単繊
維繊度が0.5〜4.5デニールであり、かつ複合糸の
撚係数Kが2.8〜6であることを特徴とする請求項1
に記載の芯鞘型複合紡績糸。 - 【請求項3】芯成分がポリエステル短繊維100重量
%、またはポリエステル短繊維と天然繊維もしくはセル
ロース系繊維の混紡糸であることを特徴とする請求項1
または2に記載の芯鞘型複合紡績糸。 - 【請求項4】芯成分に全芳香族ポリアミド短繊維を芯成
分全体の20重量%以内混紡したことを特徴とする請求
項1〜3のいずれかに記載の芯鞘型複合紡績糸。 - 【請求項5】全芳香族ポリアミド短繊維がパラ系アラミ
ド短繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
かに記載の芯鞘型複合紡績糸。 - 【請求項6】全芳香族ポリアミド短繊維がメタ系アラミ
ド短繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
かに記載の芯鞘型複合紡績糸。 - 【請求項7】全芳香族ポリアミド短繊維がメタ系アラミ
ド短繊維とパラ系アラミド短繊維の混紡品であることを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の芯鞘型複合
紡績糸。 - 【請求項8】パラ系アラミド短繊維がポリパラフェニレ
ンテレフタルアミド繊維であることを特徴とする請求項
5または7に記載の芯鞘型複合紡績糸。 - 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の芯鞘型複
合紡績糸を布帛重量の30〜100重量%の範囲で用い
てなることを特徴とする布帛。
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