JP2024058029A - 二層構造紡績糸及び織編物 - Google Patents

二層構造紡績糸及び織編物 Download PDF

Info

Publication number
JP2024058029A
JP2024058029A JP2022165135A JP2022165135A JP2024058029A JP 2024058029 A JP2024058029 A JP 2024058029A JP 2022165135 A JP2022165135 A JP 2022165135A JP 2022165135 A JP2022165135 A JP 2022165135A JP 2024058029 A JP2024058029 A JP 2024058029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
spun yarn
flame
woven
sliver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022165135A
Other languages
English (en)
Inventor
武史 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Trading Co Ltd
Original Assignee
Unitika Trading Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Trading Co Ltd filed Critical Unitika Trading Co Ltd
Priority to JP2022165135A priority Critical patent/JP2024058029A/ja
Publication of JP2024058029A publication Critical patent/JP2024058029A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Knitting Of Fabric (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】十分な難燃性能を有し、かつ繰り返し洗濯後も難燃性能を維持することができ、作業服などの衣料用の織編物に好適に使用できる紡績糸及び該紡績糸を用いた織編物を提供する。【解決手段】モダクリル繊維、難燃ビニロン繊維の少なくとも一種と天然繊維とからなる紡績糸であって、紡績糸の糸条長手方向に対して垂直な断面において芯部と鞘部とを有する二層構造を呈し、芯部を構成する繊維が天然繊維、鞘部を構成する繊維がモダクリル繊維、難燃ビニロン繊維の少なくとも一種であり、紡績糸中のモダクリル繊維と難燃ビニロン繊維の合計量が40質量%以上であり、かつ平均強度が0.5~10cN/dtex、伸度が2~20%である、二層構造紡績糸。【選択図】 図1

Description

本発明は、特定の難燃性繊維を鞘部に、芯部に天然繊維を配した二層構造紡績糸に関するものである。
従来、消防服をはじめ、製鉄所又は製鋼所での作業服、溶接作業用作業服等のように、火炎、高熱などに晒される場所で使用される作業服(上衣(トップス)及び下衣(ボトムス)のほか、手袋、靴下等を含む。)などには、アラミド繊維などの耐熱性繊維からなる布帛が使用されている。
前記各種作業服では、耐炎性、難燃性、高強力、耐薬品性、耐疲労性(布帛強度、引き裂き強力保持特性)、耐熱性などが求められるので、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、これらの繊維と他繊維との混綿糸や紡績糸などが用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、ポリアクリロニトリルに難燃性成分を共重合させたモダクリル繊維は、熱分解された際に発生する物質が炎中でラジカル捕集するタイプの消火作用を示し、高い難燃性能を有することから、防炎物品に指定されるインテリア製品や寝具等に幅広く使用されている。
そして、特許文献3には、アラミド繊維やガラス繊維などの耐炎性繊維を芯成分とし、モダクリル繊維を鞘成分とする芯鞘型複合紡績糸が記載されており、このような紡績糸を用いることで、消火力と耐炎性を有するとともに、カーテン等のインテリア製品やエプロンとして利用するのに必要な審美性と耐光堅ろう性に優れ、風合いと肌触りが良好な消火性布帛を得ることができると記載されている。
近年、労働環境の多様化と労働者の安全面を重視する観点から、難燃性を有する作業服の要望が増えているが、作業服は繰り返し洗濯を行って使用する前提のものであり、繰り返し洗濯後も難燃性が維持されることが重要である。
しかしながら、特許文献1~3に記載された紡績糸は、いずれも優れた難燃性を有しているが、繰り返し洗濯を行うことを前提としていない製品に使用されている。これらの紡績糸を用いた織編物に繰り返し洗濯を行うと、紡績糸から難燃性繊維が脱落したり、織編物表面に難燃性繊維の飛び出しが生じるなど、難燃性能と品位の低下が生じるものであった。
つまり、十分な難燃性能を有し、かつ繰り返し洗濯後も難燃性能を維持することができ、作業服などの衣料用の織編物に好適に使用できる紡績糸は未だ提案されていない。
特開平1-221537号公報 特開平4-50340号公報 特開2015-127465号公報
本発明は、十分な難燃性能を有し、かつ繰り返し洗濯後も難燃性能を維持することができ、作業服などの衣料用の織編物に好適に使用できる紡績糸及び該紡績糸を用いた織編物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の(1)~(2)を要旨とするものである。
(1)モダクリル繊維、難燃ビニロン繊維の少なくとも一種と天然繊維とからなる紡績糸であって、紡績糸の糸条長手方向に対して垂直な断面において芯部と鞘部とを有する二層構造を呈し、芯部を構成する繊維が天然繊維、鞘部を構成する繊維がモダクリル繊維、難燃ビニロン繊維の少なくとも一種であり、紡績糸中のモダクリル繊維と難燃ビニロン繊維の合計量が40質量%以上であり、かつ平均強度が0.5~10cN/dtex、平均伸度が2~20%であることを特徴とする、二層構造紡績糸。
(2)(1)記載の紡績糸を50質量%以上含む織編物。
本発明の紡績糸は、特定の難燃性繊維を鞘部に、天然繊維を芯部に配した二層構造紡績糸であるため、十分な難燃性能を有し、かつ繰り返し洗濯後も難燃性能を維持することが可能となる。さらに、天然繊維に由来する吸水性や放湿性にも優れるため、特に作業服など衣料用途に使用される織編物を得るのに好適である。
本発明の織編物は、本発明の紡績糸を50質量%以上含むものであるため、十分な難燃性能を有し、かつ繰り返し洗濯後も難燃性能を維持することが可能となり、さらに吸湿性や放湿性にも優れるため、特に作業服など衣料用途に好適である。
本発明の二層構造紡績糸を得るための粗紡機の一例を示す概略断面図である。 本発明の二層構造紡績糸を得るための粗紡機の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の二層構造紡績糸は、紡績糸の糸条長手方向に対して垂直な断面において芯部と鞘部とを有するものである。
まず、鞘部を構成する繊維について説明する。鞘部を構成する繊維はモダクリル繊維、難燃ビニロン繊維の少なくとも一種である。
本発明におけるモダクリル繊維とは、主にアクリロニトリルを含んでなるポリマーから作製されたアクリル合成繊維のことを意味する。ポリマーは、30~90重量パーセントのアクリロニトリルと90~30重量パーセントのハロゲン含有ビニルモノマーとを含んでなるコポリマーであるのが好ましい。ハロゲン含有ビニルモノマーは、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン等から選択される少なくとも1種類のモノマーである。共重合可能なビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、かかる酸の塩またはエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル等が例示される。
本発明の好ましいモダクリル繊維は、アクリロニトリル単位を35~85重量%含み、アクリロニトリルと塩化ビニル又は塩化ビニリデンとの共重合体で構成された繊維であって、市販品としては、カネカ社製の「カネカロン(登録商標)」、「プロテックス(登録商標)」、ユニオン・カーバイド社製の「ダイネル(登録商標)」等が挙げられる。
本発明における難燃ビニロン繊維とは、難燃性が付与されたビニロン繊維を指し、例えばJIS L1091 8.5E-2 法で測定される限界酸素指数(LOI値)が好ましくは32以上、より好ましくは35以上のビニロン繊維が使用できる。市販品としては、ユニチカトレーディング社製「ミューロン FR」などが挙げられる。なお、LOI値とは、繊維の燃焼性を判断するための尺度である。LOI値が26以上である繊維は、優れた難燃性を有する繊維であるといわれている。通常のビニロン繊維におけるLOI値は19程度である。
難燃ビニロン繊維を構成するポリマーとしては、ビニルアルコール単位を全構成単位の70モル%以上含む、水及び熱水に不溶なポリマー、又はビニルアルコール単位及び塩化ビニル単位を含み、両単位の合計が全構成単位の70モル%以上であるポリマーが好適である。特に後者のポリマーの場合、両単位の含有比率(ビニルアルコール単位/塩化ビニル単位)としては、85/15~35/65の範囲が好ましい。
本発明では、難燃性向上の観点から、ビニルアルコール単位及び塩化ビニル単位の合計含有量が全構成単位の95モル%以上であるビニロン繊維が好適であり、とりわけ両単位を98モル%以上、さらには99モル%以上、特に99.8モル%以上含む繊維が好適である。ビニロン繊維を構成するポリマーの重合度については、特に限定されないが、繊維強度を向上させる観点から、500以上が好ましく、1500以上がより好ましい。
本発明におけるモダクリル繊維とビニロン繊維中には、必要に応じて制電剤、酸化防止剤、耐熱剤、防汚剤など任意の機能剤が含まれていてもよい。
モダクリル繊維とビニロン繊維の単糸繊度は、何れも、0.8~3.0dtexが好ましく、1.0~2.0dtexがより好ましい。繊維長としては26.0~40.0mmが好ましく、30.0~38.0mmの範囲がより好ましい。
次に、芯部を構成する繊維について説明する。本発明の二層構造紡績糸の芯部を構成する繊維は天然繊維である。本発明における天然繊維とは、綿、麻などのセルロース繊維、羊毛、アンゴラ、カシミヤ、モヘア、アルパカ、絹などの動物繊維が挙げられる。
本発明では、天然繊維を使用することで、布帛にソフト感に優れる風合いを付与できるとともに、吸水性や放湿性を付与することができ、着用感に優れる織編物を得ることが可能となる。中でも、ソフト感と併せウォーム感を向上させるには、羊毛を用いることが好ましい。吸水性や放湿性を重視する場合には、セルロース繊維を用いることが好しい。なお、セルロース繊維の中では、特に綿が好ましい。
天然繊維の単糸繊度としては、可紡性の観点から各々0.6~4.2dtexが好ましく、1.0~3.9dtexがより好ましい。平均繊維長としては、各々30~40mmが好ましい。
本発明の二層構造紡績糸の鞘部は、モダクリル繊維と難燃ビニロン繊維の少なくとも一種からなるものであり、両繊維のうち、モダクリル繊維のみを含む態様、難燃ビニロン繊維のみを含む態様、もしくは両繊維ともに含む態様のいずれであってもよい。
そして、紡績糸中のモダクリル繊維と難燃ビニロン繊維の合計量が40質量%以上であることが必要であり、中でも55~85質量%であることが好ましい。
モダクリル繊維と難燃ビニロン繊維の合計量が40質量%未満であると、芯部に対する被覆性が低下するとともに難燃性能が不十分となり、本発明の二層構造紡績糸が有することが好ましい難燃性能(本発明の二層構造紡績糸を経糸と緯糸に用いて得られた織物を用いて、JIS L1091A-1法で測定される残炎時間1秒以下、残炎時間および残塵時間1秒以下、燃焼長さ30cm未満)を満足しないものとなる。
一方、モダクリル繊維と難燃ビニロン繊維の合計量が85質量%を超えると、芯部の天然繊維の含有量が少なくなるため、天然繊維による風合い、吸水性や放湿性が乏しくなり、衣料用途に好適に用いることが困難となりやすい。
本発明の二層構造紡績糸の平均強度は、0.5~10cN/dtexであるが、中でも0.5~5cN/dtexであることが好ましい。0.5cN/dtex未満であると織編物を製織、製編する際の作業性が悪くなったり、得られる織編物は耐久性に劣るものとなる。一方、平均強力が10cN/dtexを超えるものとするには、二層構造紡績糸の番手を小さくする必要があり、衣料用途に適さないものとなりやすい。
本発明の二層構造紡績糸は、平均伸度が2~20%であり、中でも5~15%であることが好ましい。平均伸度が本発明で規定する範囲内であることにより、織編物を製織、製編する際の作業性が良好となり、得られる織編物の耐久性にも優れるものとなる。
本発明の二層構造紡績糸の平均強度と平均伸度は以下のようにして測定、算出するものである。
引張試験機:敷島紡績株式会社製ST-2000を使用して、引張速度30cm/分、つかみ間隔50cmの条件にて、JIS L1095 9.5.1に従い強力及び伸度を測定する。なお、測定は、任意のチーズ5本について各10回の合計50回とし、50回の平均値を平均強力、平均伸度とした。次に、前記強力と、JIS L1095 9.4.1に従って測定した紡績糸の太さ(綿番手)を用いて、下記式より強度を算出する。
D=5905.4/S
D:紡績糸の総繊度(dtex)
S:紡績糸の太さ(綿番手)
F=P/D
F:平均強度(cN/dtex)
P:平均強力(cN)
さらに、本発明の二層構造紡績糸は、撚係数Kが3.8以上であることが好ましく、中でも4.2~4.8であることが好ましい。
このように本発明の二層構造紡績糸は適度な撚りを有することで、後工程の製織時、および製編時でのモダクリル繊維や難燃ビニロン繊維の脱落や毛羽の発生を抑え、製織性、製編性に優れたものとなる。
撚係数Kが低すぎると撚り斑に起因する素抜けによって、糸切れし易い紡績糸となる。
一方、撚係数Kが高すぎると生産性の悪化、風合い硬化、または継ぎ目不良・スナール等の欠点につながりやすい場合がある。
なお、撚係数Kは以下のように算出するものである。
撚係数(K)=撚数(回数/2.54cm)/√(英式綿番手)
本発明の二層構造紡績糸は、肌着、中衣、外衣などの衣料用途に好適なものであるため、英式綿番手が5~60番手であることが好ましく、中でも10~50番手であることが好ましい。
次に、本発明の二層構造紡績糸を製造する方法を、鞘部にモダクリル繊維を、芯部に綿を用いた場合を例にして説明する。
モダクリル繊維からなるスライバー(スライバーS1)と、綿からなるスライバー(スライバーS2)とを用意し、スライバーS1を鞘部に、スライバーS2を芯部に、各々配しながら粗紡することで複合粗糸を得て、しかる後に複合粗糸を精紡することによっても得ることができる。
具体的には、まず、モダクリル繊維からなるカードスライバーを得るにあたり、モダクリル繊維を混打綿機へ投入してシート状のラップを得る。このラップをカード機に投入し、カード機内で梳綿工程を経た後、ウェブを紡出、集束し、カレンダーロールで押圧してモダクリル繊維を含むカードスライバーを得る。
次に、練条工程において、モダクリル繊維からなるカードスライバーを複数本合わせて延伸を行い、鞘部用のスライバーS1を得る。
一方、芯部用の綿からなるスライバーS2を、上記と同様にしてシート状のラップを得た後、カードスライバーを複数本合わせて延伸を行い、芯部用のスライバーS2を得る。
次いで、図1(概略断面図)及び図2(概略断面図)に示す構造の粗紡機を用いるが、詳細には図2に示すようにスライバーS1とスライバーS2を供給し、バックローラ(A)、中間ローラ(B)、エプロン(C)、フロントローラ(D)の順を経て、延伸を行った後、図2におけるドラフト方向に対するスライバーS1のフライヤーヘッド(E)への進行角度θを60°とし、スライバーS2にスライバーS1を巻き付けた。そして、フライヤー(F)による仮撚り効果を与えながら巻き取ることで、スライバーS2が芯部、スライバーS1が鞘部となる二層構造糸(粗糸(G))を形成することができる。さらにこの粗糸を精紡機のトランペット(ガイド)に通し、バックローラ、エプロン、フロントローラの順を経て、延伸を行った後、撚りをかけることで本発明の二層構造紡績糸を得る。
粗紡工程の撚数は、次工程の精紡工程の延伸不良を起こさない程度で設定することが好ましく、例えば、撚係数Kを0.4~1.5に調整することができる。ここで、芯部となるスライバーと、鞘部となるスライバーとの質量比率は、(芯部):(鞘部)=15:85~60:40となるように調整することが好ましく、得られる二層構造紡績糸に付与する難燃性、吸湿性や放湿性を考慮した配分とすることが好ましい。
精紡工程の撚数は、撚係数Kは3.8以上となるようにすることが好ましく、中でも4.2~4.8となるようにすることが好ましい。
本発明の織編物は、本発明の紡績糸を少なくとも一部に含有するものであり、織編物中に含まれる前記紡績糸の含有量は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%すなわち、本発明の紡績糸のみを用いた織編物であることが特に好ましい。
本発明の織編物は、特に組織など限定されない。織物としては、平織、綾織、朱子織、二重織、梨地織などが挙げられる。編物においても、組織は特に限定されず、天竺、スムース、フライス、ピケなどの緯編、ダブルデンビートリコット、ハーフトリコットなどの経編が挙げられる。織編物ともに目的に応じてこれらの変化組織も採用できる。
本発明の織編物の用途としては、難燃性能が要求される衣料用途に好適に用いることができる。例えば、各種作業服をはじめとし、インナー衣料、ユニフォーム衣料など各種の衣料用途が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
1.紡績糸におけるモダクリル繊維、難燃ビニロン繊維、綿の含有量
得られた二層構造紡績糸の双糸を用い、JIS L1030-2の混用率試験方法(溶解法)に従い測定した。
2.紡績糸の平均強力、平均伸度
得られた二層構造紡績糸の双糸を用い、上記と同様にして測定、算出を行った。
3.織物の難燃性
(初期)
得られた織物(洗濯前)を試験体とし、JIS L1091 A-1法(45度ミクロバーナ法)により、試験体を45度に傾けた状態で、下から1分間炎を当てた場合と、着炎した後3秒間炎を当てた場合における燃焼の広がりの程度(燃焼長さ)、残炎及び残じん時間を測定した。
(5回洗濯後)
得られた織物(洗濯前)を用い、ISO6330 6Nの条件で洗濯を行い、洗濯後に高温タンブル乾燥実施を1セットとし、これを5セット行ったものを試験体とし、JIS L1091 A-1法(45°ミクロバーナ法)により、試験体を45度に傾けた状態で、下から1分間炎を当てた場合と、着炎した後3秒間炎を当てた場合における燃焼の広がりの程度(燃焼長さ)、残炎及び残じん時間を測定した。
なお、好ましい難燃性能としては、1分間炎を当てた場合と、着炎した後3秒間炎を当てた場合ともに、残炎及び残じん時間が0であり、1分間炎を当てた場合の燃焼長さが30cm以下、着炎した後3秒間炎を当てた場合の燃焼長さが10cm以下であることが好ましい。
4.織物の吸湿性
得られた織物からタテ・ヨコ25cmの正方形の試料を切り出し、105℃で2時間乾燥して絶乾状態での質量W(g)を測定した後、温度25℃、相対湿度60%RHの恒温恒湿槽内で2時間放置した後、質量W(g)を測定した。その後、温度34℃、相対湿度90%RHの恒温恒湿槽内で24時間放置した後、質量W(g)を測定した。
その後、再度温度25℃、相対湿度60%RHの恒温恒湿槽内で24時間放置した後、質量W(g)を測定した。測定した質量W、W、W、Wから吸湿能力RMA,放湿能力RMDを下記式で算出した。
RMA=({(W-W)/W} - {(W-W)/W})×100
RMD=({(W-W)/W} - {(W-W)/W})×100
なお、本発明において衣料用途に好適に使用できる吸湿能力RMAは0.5以上であることが好ましく、放湿能力RMDは0.5以上であることが好ましい。
実施例1
難燃性繊維として、単糸繊度2.2dtex、繊維長38mmのモダクリル繊維(カネカ社製:『プロテックス(商標名)』を準備した。モダクリル繊維のみを用いて、混打綿機へ投入してシート状のラップを得た。このラップをカード機に投入し、カード機内で梳綿工程を経た後、ウェブを紡出、集束し、カレンダーロールで押圧してカードスライバー(カードスライバーB)を得た。スライバーBの太さは、300gr/6ydであった。
次に、平均単糸繊度1.7dtex、平均繊維長38mmの綿繊維のみを用いて、前記と同様に混打綿、梳綿の各工程に供し、カードスライバー(カードスライバーC)を得た。スライバーCの太さは、380gr/6ydであった。
芯部用のスライバーとしてスライバーCを、鞘部用のスライバーとしてスライバーBを用意した。
図1(概略断面図)及び図2(概略断面図)に示す構造の粗紡機を用いて、芯部用のスライバーCと鞘部用のスライバーBを供給し、延伸後の各スライバーの質量比をB:C=60:40となるようにし、複合粗糸を得た。
この複合粗糸を精紡機のトランペット(ガイド)に通し、バックローラ、エプロン、フロントローラの順を経て、延伸を行った後、撚係数3.8(撚数20.8回/2.54cm)となる様、Z方向に撚りをかけ、30番手(英式綿番手)の二層構造紡績糸を得た。
得られた二層構造紡績糸を2本引き揃え、ダブルツイスター撚糸機を用いて撚係数3.7(撚数14.5回/2.54cm)となる様、S方向に撚りをかけ、30番手(英式綿番手)の二層構造紡績糸の双糸を得た。
得られた二層構造紡績糸の双糸を経緯糸に用いてエアージェットルームで製織し、2/1の綾織物の生機を得た。液流染色機にて常法により染色し、仕上密度が経糸密度93本/2.54cm、緯糸密度72本/2.54cmの本発明の織物を得た。
比較例1
実施例1で得られたカードスライバーBとカードスライバーCを用い、芯部用のスライバーとしてスライバーBを、鞘部用のスライバーとしてスライバーCを用意した。
図1(概略断面図)及び図2(概略断面図)に示す構造の粗紡機を用いて、芯部用のスライバーBと鞘部用のスライバーCを供給し、延伸後の各スライバーの質量比をB:C=40:60となるようにし、複合粗糸を得た。
この複合粗糸を用いた以外は実施例1と同様にして、二層構造紡績糸の双糸を得た。
そして、得られた二層構造紡績糸の双糸を用いて実施例1と同様にして織物を得た。
比較例2
実施例1で得られたカードスライバーBとカードスライバーCを用い、練条工程でスライバーBとスライバーCが60/40となるように混用し、練条スライバーを得た。
この練条スライバーを用いて公知の方法で粗紡工程を行い、実施例1と同様にして精紡工程を行い、モダクリル繊維と綿の質量比(モダクリル繊維/綿)が60/40となる複合粗糸を得た。
この複合粗糸を用いた以外は実施例1と同様にして、リング紡績糸(混紡糸)の双糸を得た。
そして、得られたリング紡績糸(混紡糸)の双糸を用いて実施例1と同様にして織物を得た。
実施例1及び比較例1の二層構造紡績糸、比較例2のリング紡績糸とこれらの紡績糸から得られた織物の特性値を表1及び表2に示す。
表1、2から明らかなように、実施例1で得られた二層構造紡績糸は、本発明で規定する構成及び特性値を満足するものであったため、得られた織物は洗濯前と洗濯後ともに優れた難燃性を有するものであり、吸湿性能と放湿性能にも優れるものであった。
一方、比較例1で得られた二層構造紡績糸は、可燃繊維である綿が表面を覆っているため、着炎後の延焼を抑えることが出来ず、得られた織物は、燃焼長さ30cm未満を満たすことが出来なかった。
比較例2で得られたリング精紡糸は、モダクリル繊維と綿とが均一に混合しているために、表面をモダクリル繊維で覆われた実施例1と比べ、混用率が同じであっても残炎時間及び残塵時間1秒以下を満たすことが出来なかった。

Claims (2)

  1. モダクリル繊維、難燃ビニロン繊維の少なくとも一種と天然繊維とからなる紡績糸であって、紡績糸の糸条長手方向に対して垂直な断面において芯部と鞘部とを有する二層構造を呈し、芯部を構成する繊維が天然繊維、鞘部を構成する繊維がモダクリル繊維、難燃ビニロン繊維の少なくとも一種であり、紡績糸中のモダクリル繊維と難燃ビニロン繊維の合計量が40質量%以上であり、かつ平均強度が0.5~10cN/dtex、平均伸度が2~20%であることを特徴とする、二層構造紡績糸。
  2. 請求項1記載の紡績糸を50質量%以上含む織編物。
JP2022165135A 2022-10-14 2022-10-14 二層構造紡績糸及び織編物 Pending JP2024058029A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022165135A JP2024058029A (ja) 2022-10-14 2022-10-14 二層構造紡績糸及び織編物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022165135A JP2024058029A (ja) 2022-10-14 2022-10-14 二層構造紡績糸及び織編物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024058029A true JP2024058029A (ja) 2024-04-25

Family

ID=90789935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022165135A Pending JP2024058029A (ja) 2022-10-14 2022-10-14 二層構造紡績糸及び織編物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024058029A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8209948B2 (en) Multilayer structured spun yarn, process for producing the same, and, fabricated from the yarn, heat-resistant fabric and heat-resistant protective suit
US20130040523A1 (en) Protective suit fabric and spun yarn used for the same
EP3109351A1 (en) Multilayered spun yarn, heat-resistant fabric obtained using same, and heat-resistant protective garment
US9920474B2 (en) Flame-resistant fiber blend, yarn, and fabric, and method for making same
US20050025962A1 (en) Flame retardant fiber blends comprising flame retardant cellulosic fibers and fabrics and garments made therefrom
JP2009249758A (ja) 被覆性及び耐摩耗性に優れた芯鞘複合糸及び織編物
CN102884232A (zh) 防护服用布帛及其中使用的纺丝
US20180245251A1 (en) Wearable protective denim fabrics
CN109208154A (zh) 一种腈氯纶混纺阻燃耐高温防静电面料及其制备方法
KR101406500B1 (ko) 외관 및 내마찰성이 우수한 아라미드 에어젯트 혼합방적사의 제조방법
JP6599496B2 (ja) 多層構造紡績糸とこれを使用した耐熱性布帛及び耐熱性防護服
KR20160010917A (ko) 균제도, 강신도 및 내마찰성이 우수한 장섬유 아라미드 에어젯트 방적사의 제조방법
JP2024058029A (ja) 二層構造紡績糸及び織編物
JP2003147651A (ja) 耐熱性複合紡績糸およびそれを用いてなる布帛
JP2005213708A (ja) 難燃性複合糸
JP7280295B2 (ja) 多層構造紡績糸、その製造方法、耐熱性布帛及び耐熱性防護服
US11946173B2 (en) Yarns and fabrics including modacrylic fibers
JP6086615B2 (ja) ポリオキサジアゾール繊維とモダクリル繊維との糸ならびにそれらから製造された布および衣類ならびにそれらの製造方法
US11761124B1 (en) Elastic flame-resistant fabric
WO2019116591A1 (ja) 衣服用織編物及びこれを用いた衣服
WO2024013790A1 (ja) 多層構造紡績糸、その製造方法、耐熱性布帛及び耐熱性防護服
JP7286122B2 (ja) 紡績糸及びその製造方法
CN116288873A (zh) 一种舒适性阻燃防静电面料及其制备方法
Rengasamy et al. Flame retardancy of Nomex/cotton ring-spun blended yarn fabrics
CN116552077A (zh) 一种耐高温阻燃面料及其制备方法