JP2000256908A - 釣り用ウエーダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装着者のサイズより多少の大きめなウエーダ
ーであっても、装着した状態でズボンの裾部分と又部を
上方へ引き上げられるようにする。 【解決手段】 防水ズボン部の裾部から胴部の上端にか
けて、下端が裾部の一部に固定されるとともに上端が胴
部上端から露出するように配置した調整部材を有し、該
調整部材によりウエーダーを装着した状態においてズボ
ン部の裾部を上方へ引き上げ固定する調整手段を形成す
る。また、前記調整手段が、防水ズボンを構成する防水
生地の内側にズボン裾部から胴部上端にかけてカバー布
を取り付けて紐収容部を形成し、該紐収容部内に調整紐
を収容し、調整紐の下端部を紐収容部下端に固定すると
ともに上端部を調整紐の任意位置に係止可能な固定具を
介して収容部から露出させてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、渓流や海辺での魚
釣りや水を扱う作業の際に着用する、いわゆるウェーダ
ーと呼ばれる防水ブーツと防水ズボンとが一体となった
装着具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】渓流や湖沼での魚釣りや水辺での諸作業
等において、必要により防水ブーツと防水ズボンとが一
体に形成されたウエーダーが着用される。図６に示すよ
うに、ウエーダーは一般的にゴム製の底を備えた防水ブ
ーツ部分２と該防水ブーツ２の上部に裾部６の下端が一
体に接続された防水ズボン部分３とで構成されている。
また、ウエーダーはズボン部３の胴部４が着用者の胸ま
であって肩掛けベルト５で肩から吊って着用する肩掛け
タイプと、腰までのもので腰ベルトで締めて着用するも
のとがある。肩掛けタイプのものはズボン部３の胴部４
上端には肩掛ベルト５が取り付けられており、肩掛ベル
ト５を両肩に掛けてウエーダーを吊り下げて装着する。
また、胴部上端が腰までのものは胴部の上端の近くにベ
ルト通しが形成されておりこれに腰ベルトを挿入して腰
ベルトを締めて腰部分に固定する。

【０００３】ところで、一般に市販されているウエーダ
ーのサイズは、３段階程度で作成されており必ずしも着
用者の体のサイズに一致していない。更にウエーダーは
通常の服装の上から装着することが多いため通常の服装
サイズよりやや大きめに製造されている。サイズが大き
めのウエーダーを着用したとき、防水ズボン部全体が下
にずれ落ちてブーツの上方にたるみができ、ズボンの又
の部分が下方向に垂れ下がった状態となってしまう。こ
の状態では、両足を充分に開くことができず岩場や水中
を歩行するのに支障が生ずる。この結果、水中や岩場の
歩行の際に体のバランスを取りずらくなり、転倒したり
岩から落ちたりして危険が伴う。また、水中ではズボン
の裾部分のたるみ部分が水中での抵抗を大きくして水流
により足元を掬われたり水中歩行でのバランスを損ねた
りする危険が伴うものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、着用者のサ
イズより多少の大きめなウエーダーであっても、装着し
た状態でズボンの裾部分と又部を上方へ引き上げられる
ようにして上記危険な状態を回避することのできるウエ
ーダーを提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、防水ブーツの上端部と防水ズボンの裾部と
が一体に接続された釣り用のウエーダーにおいて、防水
ズボン部の裾部から胴部の上端にかけて、下端が裾部の
一部に固定されるとともに上端が胴部上端から露出する
ように配置した調整部材を有し、該調整部材によりウエ
ーダーを装着した状態においてズボン部の裾部を上方へ
引き上げ固定する調整手段を形成したことを特徴とす
る。また、前記調整手段が、防水ズボンを構成する防水
生地の内側にズボン裾部から胴部上端にかけてカバー布
を取り付けて紐収容部を形成し、該紐収容部内に調整紐
を収容し、調整紐の下端部を紐収容部下端に固定すると
ともに上端部を紐の任意位置に係止可能な固定具を介し
て紐収容部から露出させてなることを特徴とする。さら
に、前記調整紐の少なくとも一部が伸縮可能な弾力性材
料で構成されていることを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】本発明のウエーダーを装着した状態で、胴部上
端から露出している調整手段の一部を上方へ引き上げる
ことにより、防水ブーツの上方で弛みを作っている防水
ズボンの裾部分が上方へ引き上げられ、ズボンの裾部分
の弛みを除去する事ができる。また、ズボンの裾部が上
方へ引き上げられることによりズボンの股部が装着者の
股に近接して配置させることができる。また、上方へ引
き出した調整紐は引きだし位置に固定されて調整状態が
維持できる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施例により本
発明を詳細に説明する。１は全体がゴム等の材料で形成
された防水ブーツ部２と、防水性の布地で形成されてい
る防水ズボン部３が防水ブーツ部２の上端と防水ズボン
部３の裾部下端とが接続されて一体に形成された釣り用
のウエーダーである。防水ズボン部３の胴部４の上端は
着用者の胸部までのびていて、上端縁の前後には一対の
肩掛帯５の両端部が固定されており着用した状態では着
用者の両肩にかけ回した肩掛帯５で防水ズボン部３を吊
っている。肩掛帯５は調整金具５ａ等により長さが調整
可能にされており着用者が適度に調節して着用する。ま
た、場合によっては肩掛帯５全体若しくは一部が伸縮可
能なゴム製の帯で形成してあるものもあり、ゴムの弾力
を利用して防水ズボン部３を吊り上げている。

【０００８】前記ウエーダー１の両側には、防水ズボン
部３の裾部６から胴部５の上端にかけて、ズボン部３を
形成している防水生地３ａの内側に調整手段７が形成さ
れている。調整手段７は、下端部が防水ズボン部３の裾
部６に固定されるとともに上端が胴部４の上端から露出
している調整紐８により構成されており、この調整紐８
の上端部を引き上げることにより防水ズボン部３の裾部
６分を上方へ手繰りあげる。更に調整手段７は前記調整
紐８の任意の箇所を胴部４の上端部位へ係止可能な紐固
定具９を有している。図３に詳細に示すように、調整紐
８は防水ズボン部３の裾部６から胴部４の上端にかけて
防水生地３ａの内側に接着等で固定されたカバー布１０
と防水生地３ａとによって袋状に形成された紐収容部１
１内に収容されており、該調整紐８の下端部は該カバー
布１０の下端位置に取り付けられた鳩目金具１２によっ
て形成された開口１３を介して露出され、端部に結び目
１４が形成されている。この結び目１４によって調整紐
８の下端が紐収容部１１内へ引き込まれないようにされ
ている。前記カバー布１０の下端の位置は防水ズボン３
の裾部６における装着者の膝に当たる部分からそれより
やや上方部位に固定されている。

【０００９】図３に詳細に示すように、調整紐８の上端
部は、前記紐収容部１１の上端部に取り付けられた鳩目
金具１２の開口１３から収容部１１の外に出され、端部
には結び目１４が形成されている。上端の結び目１４と
収容部１１上部の鳩目金具１２との間には紐固定具９が
配置されており、該紐固定具９は筒状部９ａと摺動部９
ｂ及び摺動部を押圧するバネ９ｃで構成されており、筒
状部９ａと摺動部９ｂを貫通された穴に前記調整紐８が
貫通されており、前記バネ９ｃが摺動部９ｂを押圧する
作用によって、筒状部９ａと摺動部９ｂとの間で調整紐
８を任意の位置で係止する。

【００１０】図４（ａ）に示すように調整手段７は通常
時は紐固定具９が調整紐８の上端近くに固定されてお
り、調整紐８の下端は下方に延びて防水ズボン部３の防
水生地３ａは自由に延びて下方位置にある。図４（ｂ）
に示すように、調整紐８の上端部を防水ズボン部３の胴
部４の上端から上方へ引き上げることによって、調整紐
８の下端の結び目１４が鳩目金具１２に係合してカバー
布１０の下端部を上方へ引き上げる。これによりカバー
布１０の下端に固定されている防水ズボン部３の裾部分
６が上方へ吊り上げられることになる。

【００１１】着用者はウエーダー１を装着した後、紐収
容部１１の上端から外部にでている調整紐８の上端の結
び目１４を把持して引っ張り上げる。この際紐固定具９
の摺動部９ｂの露出している部分を他方の手で押し込ん
で紐をフリーの状態にしておく。調整紐８の引っ張り上
げによって、調整紐８の下端部に形成した結び目１４が
紐収容部１１の下側の鳩目金具１４に引っ掛かって紐収
容部１１の下端が防水生地３ａと一緒に上方へ引き上げ
られ、これにより、防水ズボン部３の裾部６が着用者の
腿部分から上方へたぐり上げられる。従って防水ズボン
部３の裾部６下方に形成されていた弛みが解消され、防
水ズボン部３の股部１６は着用者の股に密接して配置さ
れることになる。この状態に調整紐８を引っ張りあげた
後に、紐固定具９の摺動部９ｂを押し込んでいた手を開
放することにより、紐固定具９が調整紐８に係止されて
この紐固定具９が鳩目金具１４と係合して調整紐８が下
方向へずれようとするのを阻止する。なお、調整紐８の
上端部分は防水ズボン部３の胴部４の端縁から外に垂ら
してもよく、胴部４内に収容しても良い。

【００１２】図５に示す別の実施例は、防水ズボン部３
の胴部４が腰までのウエーダーに調整手段７を適用した
状態を示すものであり、肩掛けベルト５に代えて腰ベル
ト１５が設けられている以外前述の実施例と同じであ
る。

【００１３】上記実施例では、調整手段７として調整紐
８を採用しているが、調整紐８自体をゴム等の伸縮可能
な弾力性材料で構成したり、調整紐８の全長の一部に弾
力性材料を介在させてもよい。また、調整手段７を平坦
なベルトタイプの調整部材で構成しても良い。また、調
整手段７を、片面に係合用のギザギザを形成したプラス
チック製ベルトを防水生地３ａの裏面に設置して、この
ベルトに沿って摺動可能であり前記ギザギザと係合可能
な爪を備えたスライド駒をベルトに装着し、このスライ
ド駒と防水ズボン部の裾部との間に連結用紐を配設した
構成としても良い。スライド駒には爪の解除用つまみを
設け、ウエーダーを脱ぐときにはこの解除つまみを操作
してベルトの係止状態を開放することができる。調整手
段７はウエーダーを着用してから操作しても良いし、ま
た着用する前に予め調整するようにしても良い。

【００１４】更に、前述の実施例では、調整手段７をウ
エーダー１の両側に形成しているものを示しているが、
調整手段７をウエーダー１の股部１６と胴部４の上端間
に設置する事でも同一の作用効果が得られる。すなわ
ち、下端がウエーダーの又部１６に固定された紐の上端
を胴部４の上端の前面側に配置し、紐の上端部を引き上
げることにより、防水ズボン部３の股部１６を上方へ引
き上げこれにより裾部６を手繰りあげることができる。
更にまた別の実施例として調整紐８を胴部４の後方側か
ら股部１６を経由して胴部４前面の上端まで回わし、胴
部前面の紐を引き上げることで防水ズボン部３の股部１
６を引き上げるようにしても良い。

【００１５】

【発明の効果】上記により、防水ズボン部３の裾部６を
調整手段７によって上方へ引き上げることができ、これ
によって裾部６の下部に形成される弛みが解消されて水
中などの歩行時等に水流による抵抗の増大を押さえるこ
とができ、水中で足を掬われたりして転倒することを防
止できる。また、防水ズボン部３の股部１６が上方へ引
き上げられるため足を充分に開くことが可能となり、岩
場等の歩行時の妨げとならず身体のバランスを崩して転
倒したりする事故を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の調整手段を実施したウエーダーを着用
した状態を示す。

【図２】図１と同じ実施例のウエーダーの全体を示す斜
視図。

【図３】同じ実施例の調整手段の詳細を示す斜視図。

【図４】同じ実施例の調整手段の詳細を示す断面図であ
り、（ａ）は調整前の状態であり、（ｂ）は調整操作し
た後の状態を示す。

【図５】本発明の別の実施例のウエーダーを着用した状
態を示す。

【図６】従来のウエーダーを着用した状態を示す。

【符号の説明】

１ ウエーダー ２ 防水ブーツ部 ３ 防水ズボン部 ４ 胴部 ５ 肩掛けベルト ６ 裾部 ７ 調整手段 ８ 調整紐 ９ 固定具 １０ カバー布 １１ 紐収納部 １２ 鳩目金具 １３ 開口 １４ 結び目 １５ 腰ベルト １６ 股部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】防水ブーツの上端部と防水ズボンの裾部と
   が一体に接続された釣り用のウエーダーにおいて、防水
   ズボン部の裾部から胴部の上端にかけて、下端が裾部の
   一部に固定されるとともに上端が胴部上端から露出する
   ように配置した調整部材を有し、該調整部材によりウエ
   ーダーを装着した状態においてズボン部の裾部を上方へ
   引き上げ固定する調整手段を形成したことを特徴とする
   釣り用ウエーダー。
2. 【請求項２】前記調整手段が、防水ズボンを構成する防
   水生地の内側にズボン裾部から胴部上端にかけてカバー
   布を取り付けて紐収容部を形成し、該紐収容部内に調整
   紐を収容し、調整紐の下端部を紐収容部下端に固定する
   とともに上端部を調整紐の任意位置に係止可能な固定具
   を介して紐収容部から露出させてなることを特徴とする
   請求項１に記載の釣り用ウエーダー。
3. 【請求項３】前記調整紐の少なくとも一部が伸縮可能な
   弾力性材料で構成されていることを特徴とする請求項２
   に記載の釣り用ウエーダー。