JP2000256740A - 熱間圧延線材の製造方法 - Google Patents
熱間圧延線材の製造方法Info
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Abstract
常組織のない軟質な熱間圧延線材が得られる方法を提供
する。 【解決手段】素材鋼片を900〜1250℃に加熱し、仕上げ
圧延前の圧延を被圧延材の表面温度が650〜750℃の温度
範囲に60秒を超えて曝さずに行う一方、仕上げ圧延を被
圧延材の表面温度700〜900℃、減面率30%以上で行い、
仕上げ圧延後、直ちに被圧延材の表面温度がMs点を超え
850℃以下になるように冷却し、次いでレーイング式捲
取機で捲き取り、10〜50本/mのリング密度でコンベア
上に展開し、展開したリングの最低温部の温度が650℃
以上で、かつ最高温部の温度が800℃以下になるまで冷
却した後、リング密度を150〜500本/mに再展開して冷
却速度0.15〜2℃/秒で500℃まで冷却する。
Description
材の製造方法に関し、より詳しくは、熱間圧延後にレー
イング式巻き取り機を用いて巻き取った線材をステルモ
アタイプのコンベア上に展開して直接軟化処理すること
により、表層部に異常組織、具体的には脱炭相を有しな
い軟質組織の熱間圧延線材を得る方法に関する。
されるピアノ線材、同G 3507に規定される冷間圧造用炭
素鋼線材、さらには同G 4051,同G 4104、同G 4105など
に規定される機械構造用炭素鋼と合金鋼、同G 4805に規
定される軸受鋼、同G 4801に規定されるばね鋼および同
G 4401、同G 4401などに規定される工具鋼などを母材と
する線材は、2次加工、3次加工と称される伸線、引抜
き、切断、鍛造、切削などの冷間での加工工程を経て所
要の製品に仕上げられる。
の多くは、通常、その組織中にパーライト相、べーナイ
ト相あるいはマルテンサイト相といった硬質相を有し、
冷間加工性が劣る。したがって、これらの線材の製造時
には、熱間圧延後に焼鈍や球状化などの軟化熱処理を施
して強度を下げることで延性を高め、冷間加工性を向上
させる方法が採られてきた。
20時間という長時間を必要とすることが多い。このた
め、生産性の向上や省エネルギーの観点から、圧延のま
まで軟化熱処理を施した場合と同等の軟化組織を得るこ
とができる、いわゆる「直接軟化処理」に対する要望が
大きくなってきた。
条件や冷却条件を種々調整して線材の冷却速度を調整
し、軟化組織を得る方法が種々提案されている(例え
ば、特開昭60−56208号公報、同62−1800
23号公報、同62−199718号公報、同63−2
93122号公報、特開平3−64420号公報、同4
−268028号公報および同4−32514号公
報)。
−56208号公報、同62−180023号公報、同
63−293122号公報および特開平4−26802
8号公報に示される方法は、いずれも、圧延後の線材を
コイル状に捲き取った後に徐冷する方法である。しか
し、この方法は、圧延後の線材をコイル状に巻き取るた
めに、線材どうしが極めて密に接触するので、線材密度
が高くなる。その結果、線材内部の冷却速度が極めて遅
くなり、軟質組織は得られるが、線材の表層部に脱炭が
生じて異常組織が発生することがあるという欠点を有し
ている。また、スケール性状が不均一になることが避け
難く、このために脱スケール工程が複雑になるという欠
点も有している。
る方法は、圧延後、パーライト変態が終了するまでの温
度域を15℃/分以下の冷却速度で徐冷するか、また
は、圧延後直ちに680〜730℃の温度域にパーライ
ト変態が終了するまで保持した後放冷する方法である。
これらの方法によれば、確かに軟質組織が得られる。し
かし、680〜730℃の温度域に長時間保持された場
合に線材の表層部に脱炭が生じ、上記の場合と同様に、
異常組織が発生することがあるという欠点を有してい
る。
法は、レーイングヘッドから吐出された線材をステルモ
アコンベアタイプのコンベアで搬送しつつ冷却する際、
650±10℃の温度域に少なくとも3分間保持する条
件で冷却を行うことで、実質上ベイナイト相を含まない
フェライト相とパーライト相の二相組織にする方法であ
る。しかし、この方法は、Cr、Mo、NiおよびMn
などを多く含む焼入性の高い合金鋼(例えば、JIS G 41
05に規定されるSCM430やSCM440)の線材の
製造には適用できないという欠点を有している。すなわ
ち、上記のSCM430やSCM440に代表される焼
入性の高い合金鋼は、650±10℃の温度域に少なく
とも3分以上保持しただけでは、炭素が濃化したオース
テナイト相が未変態で残り、これがその後の冷却でベイ
ナイト相に変態する。その結果、線材の全長で均一な軟
質組織が得られず、機械特性が大きくばらつき、その後
の2、3次の冷間加工時に断線や割れなどの不具合が生
じるためである。
法は、素材を900〜1250℃に加熱し、880℃以
上の温度域で総減面率50%以上の圧延を行い、次いで
880℃未満の温度域で減面率10%以上の圧延を行っ
た後、直ちに鋼材の表面温度がMs 点〜700℃となる
ように冷却し、引き続き減面率10%以上の圧延を1回
以上施すとともに、圧延機出側での線材の表面温度が7
50〜880℃になる条件で仕上げ圧延を終了し、この
仕上げ圧延後、線材の表面温度が750〜800℃とな
るように急冷した後捲き取り、700〜500℃の温度
域を0.05〜0.7℃/秒の冷却速度で冷却する方法
である。しかし、この方法は、捲き取り後、表面温度7
00〜500℃の温度域を0.05〜0.15℃/秒の
冷却速度で冷却するが、この冷却速度が遅いために、線
材の表層部に脱炭が生じる場合があり、異常組織の発生
を確実に防ぐことができないという欠点を有している。
イング式捲取機から吐出された線材をステルモアタイプ
のコンベア上に展開して搬送しつつ冷却する線材の製造
方法であり、線材の材質がCr、Mo、NiおよびMn
などを多く含む焼入性の高い合金鋼の場合でも、圧延の
ままで軟質組織が得られ、かつ表層部に脱炭などの異常
組織がない製品を確実に得ることが可能な線材の製造方
法を提供することにある。
間圧延線材の製造方法にある。
に展開して直接軟化処理する熱間圧延線材の製造方法で
あって、下記〜の条件で順次処理する熱間圧延線材
の製造方法。
る。
温度が650〜750℃の温度範囲に60秒を超えて曝
されないように行う。
度700〜900℃、減面率30%以上で行う。
温度がMs 点を超え850℃以下になるように冷却す
る。
り、10〜50本/mのリング密度でコンベア上に展開
し、展開したリングの最低温部の温度が650℃以上
で、かつ最高温部の温度が800℃以下になるまで冷却
する。
/mとした後、冷却速度0.15〜2℃/秒で500℃
まで冷却する。
タイプコンベア上の長さ方向1m当たりのリング中心線
上のリング数を意味する。
重量%で、C:0.01〜1.2%、Si:0.01〜
2%、Mn:0.01〜2%、Al:0.001〜0.
1%、Cr:0〜2%、Mo:0〜0.6%、Cu:0
〜2%、Ni:0〜4%、Ti:0〜0.1%、N:0
〜0.03%、V:0〜0.4%、Nb:0〜0.15
%、B:0〜0.005%、S:0〜0.1%、Pb:
0〜0.35%、Ca:0〜0.01%を含有し、残部
がFeおよび不可避的不純物からなり、不純物中のPが
0.05%以下の化学組成を有する鋼を用いるのが好ま
しい。
成させた。すなわち、本発明者らは、熱間圧延後、レー
イング式捲取機で捲き取った線材をステルモアタイプの
コンベア上に展開して搬送しつつ冷却する、いわゆる直
接軟化処理において、均一な軟質組織が得られるととも
に、製品線材の表層部に脱炭を生じさせない処理条件を
見いだすために、鋭意実験研究を行い、次のことを知見
した。
ルモアタイプのコンベア上での冷却時に発生するが、仕
上げ圧延後、直ちに、少なくとも被圧延材の表面温度が
Ms点を超え、850℃以下になるように冷却し、次い
で、レーイング式捲取機で捲き取り、10〜50本/m
のリング密度でコンベア上に展開し、展開したリングの
最も低温になる部分の温度が650℃以上で、かつ最も
高温になる部分の温度が800℃以下になるまで冷却し
た後、リング密度を150〜500本/mにして0.1
5〜2℃/秒の冷却速度で500℃まで冷却する場合に
は発生しなくなる。
熱した場合、仕上げ圧延に入るまでの間に被圧延材をそ
の表面温度650〜750℃の温度範囲に60秒を超え
て曝した場合、および最終の仕上げ圧延時における被圧
延材の表面温度が700℃未満または900℃超で、か
つ減面率30%未満の場合には、いずれも、製品の表層
部に脱炭が生じる。
理条件を、上記のように定めた理由について詳しく説明
する。
未満では、圧延機に対する負荷が大きくなる。また、鋼
片断面内の温度が等しくなるように均一加熱するのに長
時間かかり、生産性が低下するだけでなく、圧延時に割
れが発生することがある。一方、1250℃を超えて加
熱すると、加熱中の脱炭量が急激に増加し、製品線材の
表層部に脱炭が発生するのを防げなくなることがある。
したがって、素材鋼片の加熱温度は、900〜1250
℃とした。
での圧延時に、被圧延材をその表面温度が650〜75
0℃の温度範囲に60秒を超えて曝す、すなわち滞在さ
せると、この時点で被圧延材の表層部のみがフェライト
変態し始める。そして、この時に生成したフェライト組
織が、後工程のステルモアタイプのコンベア上での冷却
時におけるフェライト変態を促進させ、その結果、被圧
延材の表層部に多量のフェライト相が生成して製品線材
の表層部に脱炭相が形成される。したがって、仕上げ圧
延前の圧延は、被圧延材の表面温度が650〜750℃
の温度範囲に60秒を超えて曝されない条件で行うこと
とした。
面温度が700℃未満であると、圧延機に対する負荷が
大きくなるだけでなく、圧延時に割れが発生することが
ある。また、被圧延材の表層部にマルテンサイト相やベ
イナイト相などの硬質の低温変態相からなる過冷却組織
が発生し、均一な軟化組織が安定して得られなくなる。
一方、上記の表面温度が900℃を超えると、仕上げ圧
延中または圧延後の結晶粒が粗大化して焼入性が高くな
り、冷却後に上記と同様のベイナイト相などの硬質相が
発生し、上記の場合と同様に、均一な軟化組織が安定し
て得られなくなる。
晶粒の粗大化が抑制されて焼入性が低下し、冷却後にベ
イナイト相などの硬質相が生じなくなり、均一な軟化組
織が安定して得られるようになる。したがって、仕上げ
圧延は、被圧延材の表面温度700〜900℃、減面率
30%以上の条件で行うこととした。好ましい減面率は
50%以上である。
の上限を特に定める必要はないが、70%を超えると加
工発熱よって材料温度が上昇し、加工によって得られた
微細粒が粒成長を起こして粗大化しやすいので、その上
限は70%とするのがよい。
おいては、仕上げ圧延後の線材を、直ちに冷却してレー
イング式捲取機でリング状に捲き取り、次いで保温カバ
ーを有するステルモアタイプのコンベア上に、はじめは
小さいリング密度で展開して冷却し、その後、大きなリ
ング密度に展開し直して冷却するという2段階冷却を行
う。しかし、その際の巻き取り温度が850℃超、1段
階目の展開リング密度が50本/m超であると、冷却速
度が遅すぎるために、製品線材の表層部に脱炭相が生じ
る。一方、巻き取り温度がMs点以下であると、マルテ
ンサイト相が生成し、均一な軟質組織が安定して得られ
なくなる。
本/m未満にすると、長大なステルモアタイプのコンベ
アが必要になり、設備費が嵩む。また更に、1段階目の
展開後におけるリングの最低温部の温度が650℃未満
になってから2段階目の展開冷却に移行すると、その最
低温部の温度が低すぎるために十分に軟化せず、該部に
ベイナイト相などの硬質組織が発生し、均一な軟質組織
が安定して得られなくなる。逆に、最高温部の温度が8
00℃超である間に2段階目の展開冷却に移行すると、
その最高温部の温度が高すぎるために該部に脱炭相が発
生することがある。このため、2段階目の展開冷却に移
行する際には、前記の最低温部の温度が650℃以上
で、かつ最高温部の温度が800℃以下になるように冷
却してから移行する必要があるまた、2段階目の展開冷
却時におけるリング密度が500本/m超であると、ス
ケール性状が不均一になり、脱スケール処理が困難にな
る。一方、リング密度が150本/m未満であると、均
一な軟化組織が安定して得られなくなる。さらに、リン
グ密度が150〜500本/mであっても、その際の被
圧延材表面の冷却速度が0.15℃/秒未満であると、
軟質組織は得られるが、徐冷時間が長すぎるために、製
品線材の表層部に脱炭相が発生することがある。逆に、
冷却速度が2℃/秒を超えると、焼入性の高い合金鋼な
どでは十分に軟化せず、ベイナイト相などの硬質組織が
発生し、均一な軟質組織が安定して得られなくなる。ま
た更に、その際、被圧延材の表面温度が500℃になる
まで上記の冷却速度で冷却しないと、未変態オーステナ
イト相が残存し、これがその後の冷却によってマルテン
サイト相などの硬質組織を形成し、均一な軟質組織が安
定して得られなくなる場合がある。
なくとも被圧延材の表面温度がMs点を超え、850℃
以上になるように冷却することとした。また、レーイン
グ式捲取機でリング状に捲き取った線材は、10〜50
本/mのリング密度でステルモアタイプのコンベア上に
展開し、展開したリングの最低温部の温度が650℃以
上で、かつ最高温部の温度が800℃以下になるまで冷
却した後、150〜500本/mのリング密度に展開し
直し、0.15〜2℃/秒の冷却速度で500℃まで冷
却することとした。
おける被圧延材の表面温度は、圧延機を構成するロール
スタンド間に水冷装置と温度計を設置し、温度計による
測温結果に基づいて水冷装置から噴射する水量を調整す
ることで制御可能である。また、仕上げ圧延前の圧延に
おける滞在時間は、圧延機による圧延速度を調整するこ
とで制御可能である。さらに、仕上げ圧延後における被
圧延材の表面温度、1段階目の展開冷却から2段階目の
展開冷却に移行する際における被圧延材の表面温度、お
よび2段階目の展開冷却時における被圧延材の表面温度
とその冷却速度は、圧延機の後段に設けられた水冷装置
やステルモアタイプのコンベアに設けられた衝風供給装
置を用いることにより制御可能である。
片として用いて好ましい鋼について説明する。なお、以
下において「%」は「重量%」を意味する。
0.01〜1.2%、Si:0.01〜2%、Mn:
0.01〜2%、Al:0.001〜0.1%を含有
し、不純物中のPが0.05%以下の炭素鋼または低合
金鋼である。
以外に任意添加元素として、2%以下のCr、0.6%
以下のMo、2%以下のCu、4%以下のNi、0.1
%以下のTi、0.03%以下のN、0.4%以下の
V、0.15%以下のNb、0.005%以下のB、
0.1%以下のS、0.35%以下のPbおよび0.0
1%以下のCaのうちから選ばれた1種または2種以上
を含有するFe基合金を意味する。
た理由について説明する。
元素であるが、0.01%未満では所望の強度が確保で
きず、1.2%を超えると著しい靭性低下を招くので、
その含有量を0.01〜1.2%とした。
終製品の強度確保の目的で添加するが、0.01%未満
ではこれらの効果が十分でなく、2%を超えるとこれら
の効果が飽和し、逆に靭性低下を招くので、その含有量
を0.01〜2%とした。
強度を確保するのに有効な元素であるが、0.01%未
満ではその効果が十分でなく、2%を超えるとその効果
が飽和し、逆に靭性低下を招くので、その含有量を0.
01〜2%とした。
目的として添加するが、0.001%未満ではこれらの
効果が十分でなく、0.1%を超えるとこれらの効果が
飽和し、逆に靭性低下を招くので、その含有量を0.0
01〜0.1%とした。
を低下させ、特に0.05%を超えると著しい靭性低下
を引き起こすので、0.05%以下とした。
焼入性の向上を通じて最終製品の強度を上昇させる作用
を有する元素である。このため、その効果を得たい場合
にはこれらのうちから選ばれた1種または2種以上を添
加することができる。その効果は、Crは0.3%以
上、Niは0.1%以上、Moは0.05%以上、Bは
0.0002%以上で顕著になる。しかし、Crは2
%、Niは4%、Moは0.6%、Bは0.005%を
超えて含有させると、熱間圧延のままでベイナイト、マ
ルテンサイト組織を生じて均一な軟質組織が確保できな
くなるだけでなく、製品線材の表層部に脱炭相が発生し
やすくなる。したがって、添加する場合のこれら元素の
含有量は、Crについては0.3〜2%、Niについて
は0.1〜4%、Moについては0.05〜0.6%、
Bについては0.0002〜0.005%とするのがよ
い。
晶粒度を調整するのに有効な元素である。このため、そ
の効果を得たい場合にはこれらのうちから選ばれた1種
または2種以上を添加することができる。その効果は、
Tiは0.002%以上、NbとVは0.005%以
上、Nは0.001%以上で顕著になる。しかし、Ti
は0.1%、Nbは0.15%、Vは0.4%、Nは
0.03%、を超えて含有させると、その効果が飽和し
逆に靭性低下を招く。したがって、添加する場合のこれ
ら元素の含有量は、Tiについては0.002〜0.1
%、Nbについては0.005〜0.15%、Vについ
ては0.005〜0.4%、Nについては0.001〜
0.03%とするのがよい。
な元素である。このため、その効果を得たい場合には添
加することができ、その効果は0.05%以上で顕著に
なる。しかし、2%を超えて含有させると、その効果が
飽和し、逆に靭性低下を招く。したがって、添加する場
合のCu含有量は、0.05〜2%とするのがよい。
を向上させるのに有効な元素である。このため、その効
果を得たい場合にはこれらのうちから選ばれた1種また
は2種以上を添加することができる。その効果は、Sと
Pbは0.05%以上、Caは0.001%以上で顕著
になる。しかし、Sは0.1%、Pbは0.35%、C
aは0.01%を超えて含有させると、その効果が飽和
し逆に靭性低下を招く。したがって、添加する場合のこ
れら元素の含有量は、Sについては0.05〜0.1
%、Pbについては0.05〜0.35%、Caについ
ては0.001〜0.01%とするのがよい。
なる素材鋼片の角ビレット(140mm角、長さ10
m)を準備した。
件にて熱間圧延するとともに、熱間圧延後、レーイング
式捲取機でリング状に捲き取り、次いで保温カバーを有
するステルモアタイプのコンベア上に展開して直接軟化
処理を施すことにより、外径10mmの線材とした。
試験とミクロ観察に供し、引張強さを調べる一方、異常
組織である表層部の脱炭相の発生の有無を調査し、その
結果を、表2に併せて示した。
の方法(試番1〜10)によった場合には、いずれも表
層部には脱炭が発生しておらず、引張強さが720MP
a以下で軟質の線材が得られた。
被圧延材の表面温度650〜750℃の温度範囲におけ
る滞在時間、仕上げ圧延時の被圧延材の表面温度と減面
率、仕上げ圧延後のレーイング式捲取機による巻取温
度、1段階目の展開リング密度と2段階目のリング展開
前のリングの最低温部と最高温部の温度、および2段階
目の展開リング密度とその際の500℃への冷却速度の
うちのいずれか1つ以上が本発明で規定する範囲を外れ
る比較例の方法(試番11〜20)によった場合には、
いずれも表層部に脱炭相が発生していた。また、試番1
1、12および20は、2段階目の展開冷却時における
500℃までの冷却速度が速く、ベーナイト相からなる
硬質組織が発生したために、引張強さが異常に高く、軟
質な線材は得られなかった。
で表層部に脱炭相からなる異常組織のない軟質な熱間圧
延線材が確実に得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】熱間圧延後、巻き取った線材をコンベア上
に展開して直接軟化処理する熱間圧延線材の製造方法で
あって、下記〜の条件で順次処理することを特徴と
する熱間圧延線材の製造方法。 素材鋼片を900〜1250℃に加熱する。 仕上げ圧延前の圧延を、被圧延材の表面温度が650
〜750℃の温度範囲に60秒を超えて曝されないよう
に行う。 最終の仕上げ圧延を、被圧延材の表面温度700〜9
00℃、減面率30%以上で行う。 仕上げ圧延後、直ちに、被圧延材の表面温度がMs 点
を超え850℃以下になるように冷却する。 次いで、レーイング式捲取機で捲き取り、10〜50
本/mのリング密度でコンベア上に展開し、展開したリ
ングの最低温部の温度が650℃以上で、かつ最高温部
の温度が800℃以下になるまで冷却する。 その後、リング密度を150〜500本/mとした
後、冷却速度0.15〜2℃/秒で500℃まで冷却す
る。 - 【請求項2】素材鋼片に、重量%で、C:0.01〜
1.2%、Si:0.01〜2%、Mn:0.01〜2
%、Al:0.001〜0.1%、Cr:0〜2%、M
o:0〜0.6%、Cu:0〜2%、Ni:0〜4%、
Ti:0〜0.1%、N:0〜0.03%、V:0〜
0.4%、Nb:0〜0.15%、B:0〜0.005
%、S:0〜0.1%、Pb:0〜0.35%、Ca:
0〜0.01%を含有し、残部がFeおよび不可避的不
純物からなり、不純物中のPが0.05%以下の化学組
成を有する鋼を用いることを特徴とする請求項1に記載
の熱間圧延線材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6217099A JP3598868B2 (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | 熱間圧延線材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP6217099A JP3598868B2 (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | 熱間圧延線材の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP3598868B2 JP3598868B2 (ja) | 2004-12-08 |
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JP6217099A Expired - Fee Related JP3598868B2 (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | 熱間圧延線材の製造方法 |
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