JP4964492B2 - 中炭素鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチ部品、チェーン部品、ギア部品及び自動車部品等に使用される中炭素鋼板及びその製造方法に関する。
中炭素鋼板は、通常、切削、打ち抜き、曲げ及び絞り等の加工により、所定の寸法形状に成形後、焼入れ及び焼戻し等の熱処理を行って必要とする強度にした後、目的の用途に適用する。従って、鋼板の特性としては、成形段階では軟質で、成形性に優れており、かつ熱処理段階では焼入れ性に優れ、高強度が得られることが重要である。特に、近年、部品の製造コスト低減のため、部品の一体成形及び部品製造工程の簡略化が求められており、素材に対する加工性の要求がますます厳しくなっている。例えば、精密打ち抜きで成形させるリクライニングシートギア等では、局所的に極めて高い歪みが発生するため、打ち抜き端部で割れが発生し易く、鋼板には、これまで以上に高い加工性が求められている。また、成形性の観点からだけでなく、工具の長寿命化を実現するという観点から、軟質な鋼板に対するニーズも高まっている。
一般に、鋼板の軟質化を図るためには、高温又は長時間の焼鈍が行われる。しかしながら、このような焼鈍は、炭化物が粗大化し、加工した際に粗大な炭化物とフェライトの界面にボイドが発生し加工性を低下させるだけではなく、加工後の熱処理段階で炭化物が溶解し難くなり、焼入れ強度の低下にもつながる。また、焼入れ性向上を目的として、C、Si及びMn等の元素を添加すると、成形性が低下するばかりでなく、鋼板の硬度が上昇する。このように、従来、鋼板の加工性、軟質化及び焼入れ性を同時に満足させることは困難であった。
そこで、従来、鋼中のSi及びMnの含有量を低減し、更に、焼鈍条件を規定することにより、セメンタイトを球状にすると共に、フェライト組織を十分な再結晶組織にすることで、鋼板の成形性向上を図った高炭素熱延鋼板が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の高炭素熱延鋼板においては、Si及びMnの含有量を低減することにより低下する焼入れ性を、Cr及びBを添加することで、補填している。
また、平均炭化物粒径を0.4〜1.0μm及び炭化物球状化率を90%以上とすることにより、伸びフランジ性等の局部延性と熱処理性の改善を図った鋼板(特許文献2参照)、並びに、平均炭化物粒径及び炭化物球状化率を上述した範囲にすると共に、切欠き引張伸びを35%以上することにより、精密打ち抜き性を向上させた鋼板も提案されている(特許文献3参照)。
更に、熱間圧延後の焼鈍条件の制御に加えて、焼鈍前の熱延鋼板の組織が所定量のベイナイトを含有するように制御することにより、焼鈍後の鋼板において炭化物を均一分散すると共にフェライト粒を粗大化して、極めて軟質で加工性に優れた高焼入れ性高炭素熱延鋼板を得る方法が提案されている(特許文献4参照)。
特開平10−147816号公報 特開平11−256268号公報 特開2000−265238号公報 特開2003−73742号公報
しかしながら、前述した従来の技術には以下に示す問題点がある。即ち、特許文献1に記載の技術は、高炭素鋼板の加工性を向上させる技術であり、中炭素鋼板の加工性は単に全伸びのみでは評価できず、むしろ局部伸びと相関がある場合が多いため、この技術を中炭素鋼板に適用した場合、焼鈍後の鋼板の全伸びは高くなるが、加工性は従来材よりも劣るという問題点がある。
また、特許文献2及び3で規定されているような炭化物の分散形態を得るためには、長時間を要する多段焼鈍を必要とする上に、この特許文献2及び3に記載の技術は、球状化焼鈍を強化することによって炭化物粒径を粗大化すると共に、炭化物間隔を広くすることによってボイドの連結を抑制して、鋼板の局部延性の改善を図っているが、炭化物粒径が大きくなることにより、却って炭化物がボイドの起点となるため、必ずしも局部延性が改善するとは限らないという問題点がある。更に、特許文献2及び3には、中炭素鋼板を軟質化する技術については、何ら開示されていない。
更にまた、特許文献4に記載の高焼入れ性高炭素熱延鋼板の製造方法においては、熱間圧延後に、120℃/秒以上という極めて速い速度で冷却を行う必要があるが、一般的な熱延設備でこのような急速冷却に適用できるものはないため、専用の特殊な設備が必要となる。また、特許文献4には、成形性に関する技術については、何ら開示されていない。このように、従来、軟質化、加工性及び焼入れ性の夫々について改善を図る方法は提案されているが、現時点では、これらの特性の全てを同時に満足する鋼板は開発されていない。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、焼入れ前は軟質で加工性に優れ、かつ焼入れ性が良好な中炭素鋼板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る中炭素鋼板は、質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.01〜0.25%、Mn:0.3〜1.2%、P:0.005〜0.03%、S:0.001〜0.01%、Cr:0.01〜0.50%、Ti:0.01〜0.05%、B:0.0005〜0.005%、Al:0.01〜0.08%及びN:0.0015〜0.01%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、C含有量(%)を[C]、Si含有量(%)を[Si]、Mn含有量(%)を[Mn]、Ni含有量を[Ni]、Cr含有量(%)を[Cr]、Mo含有量(%)を[Mo]をしたとき、下記数式1で規定されるVC90が55未満である組成を有し、平均炭化物粒径が0.5μm以下であり、かつ平均フェライト結晶粒径が15μm以上であることを特徴とする。
Figure 0004964492
本発明に係る中炭素鋼板の製造方法は、質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.01〜0.25%、Mn:0.3〜1.2%、P:0.005〜0.03%、S:0.001〜0.01%、Cr:0.01〜0.50%、Ti:0.01〜0.05%、B:0.0005〜0.005%、Al:0.01〜0.08%及びN:0.0015〜0.01%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、C含有量(%)を[C]、Si含有量(%)を[Si]、Mn含有量(%)を[Mn]、Ni含有量を[Ni]、Cr含有量(%)を[Cr]、Mo含有量(%)を[Mo]をしたとき、上記数式1で規定されるVC90が55未満である組成の鋼を、仕上げ温度をAr3変態点以上にして熱間圧延した後、30〜100℃/秒の速度で冷却し、巻取り温度を550℃以下にして巻取って熱延鋼板を得る工程と、前記熱延鋼板を、脱スケールした後、(Ac1変態点−80℃)以上Ac1変態点未満の温度条件下で10時間以上焼鈍する工程と、を有することを特徴とする。
この中炭素鋼板の製造方法では、脱スケールした熱延鋼板を、冷間圧延した後で焼鈍することもできる。
本発明においては、焼入れ性向上元素を積極的に添加することにより、焼入れ性を高めた鋼を、熱間圧延後、低温で巻取ることによって、熱延鋼板に変態歪みを導入し、更に、球状化焼鈍を行う際に、フェライト結晶粒の歪誘起異常粒成長を誘発させることによって、炭化物を細かく均一に分散させて、加工性を維持したままで、結晶粒のみを粗大化させているため、焼入れ性に優れかつ軟質で加工性にも優れた鋼板を得ることができる。
本発明によれば、焼入れ性を向上させた組成の鋼を熱間圧延する際に、低温巻取りを実施し、焼鈍中に発現する異常粒成長を積極的に活用することにより、平均炭化物粒径を0.5μm以下、平均フェライト結晶粒径を15μm以上にしているため、軟質で、加工性及び焼入れ性に優れるといった相反する条件を同時に満足する中炭素鋼板が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、詳細に説明する。なお、以下の説明においては、組成における質量%は、単に%と記載する。中炭素鋼板に求められる特性は、軟質かつ加工性に優れ、更に焼入れ性にも優れているという相反する条件である。
(a)軟質化に関しては、その主な影響因子として、炭化物の分散状態及びフェライトの結晶粒径が挙げられる。中炭素鋼板の場合、炭化物は十分に粗大であるため、転位はオロワン機構に従って移動する。つまり、炭化物の分散状態が強度に及ぼす寄与は小さいと言える。そのため、強度は主にフェライト結晶粒径に依存し、フェライト結晶粒径が大きくなるほどホールペッチ則に従って軟質化する。
(b)加工性に関しては、球状化焼鈍後に炭化物を球状でかつ微細化することによって、その向上が図れる。炭化物の球状化が不十分な場合又は粗大な場合は、その炭化物を起点としてボイドが発生しやすくなり、加工性が劣化する。また、炭化物の分布状態も加工性に影響を与えるため、炭化物の分布が偏っていると、その炭化物が密集した部分はあたかも粗大な炭化物が存在しているかのように振舞い、ボイドの起点となり加工性が劣化する。更に、C、Si及びMn等の焼入れ性を向上させる元素を添加すると、加工性は低下する。
(c)焼入れ性に関しては、一般に、焼入れ性を向上させる元素を添加することによって向上する。一方、焼入れ性を向上させると熱延板硬度が上昇するため、焼鈍板硬度が増加し、加工性も劣化する。また、炭化物が粗大な場合、短い加熱時間で焼入れを行うと、炭化物を十分に固溶させることが困難となるため、炭化物粒径が小さい程、焼入れ性は向上する。
以上をまとめると、中炭素鋼板に求められる特性を全て満足するためには、鋼成分に加工性劣化を抑えつつ焼入れ性を向上させる元素を含有させ、更に、組織は、炭化物を微細化及び球状化して均一に分布させると共に、フェライト結晶粒径を粗大化することが望ましいことが分かる。しかしながら、これらは全て相反する条件であり、例えば、焼入れ性を向上させる元素を添加すると、硬度が増加する。また、フェライト結晶粒径を大きくするためには、熱延巻取り温度を高くするか、又は高温で長時間の焼鈍を行うといった対策が考えられるが、これにより炭化物も粗大化してしまうため、加工性及び焼入れ性が劣化する。
そこで、本発明者は上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す知見を得た。加工性を劣化させるCの含有量を低減し、その代わりに焼入れ性向上効果が大きいBを添加して、更にその他元素を組み合わせることによって、焼入れ性の指標であり、下記数式2で規定されるVC90の値が55未満となるように、鋼成分を調整すると、焼入れ性を劣化させずに加工性を向上させることができる。なお、下記数式2における[C]はC含有量(%)、[Si]はSi含有量(%)、[Mn]はMn含有量(%)、[Ni]はNi含有量、[Cr]はCr含有量(%)、[Mo]はMo含有量(%)である。また、熱間圧延後に低温巻取りすることによって変態歪みを導入し、一旦硬質化させた後、球状化焼鈍時に歪み誘起異常粒成長を発現させることによって、短時間の焼鈍で全面粗大フェライト結晶粒とすると、鋼板中の炭化物は微細で均一に分散したままであるため、軟質化、加工性及び焼入れ性を同時に達成した中炭素鋼板を得ることができる。
Figure 0004964492
即ち、本発明の要旨は、C:0.15〜0.35%、Si:0.01〜0.25%、Mn:0.3〜1.2%、P:0.005〜0.03%、S:0.001〜0.01%、Cr:0.01〜0.50%、Ti:0.01〜0.05%、B:0.0005〜0.005%、Al:0.01〜0.08%及びN:0.0015〜0.01%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、上記数式2で規定されるVC90が55未満となる組成の鋼を、熱間圧延するに際し、Ar3変態点以上の温度で熱延を終了した後、冷却速度を30〜100℃/秒にして冷却し、更に、巻き取り温度を550℃以下にして巻き取った熱延鋼板を、脱スケール後に(Ac1変態点−80℃)以上でかつAc1変態点未満の温度で焼鈍するか、又は、脱スケール後に冷間圧延し、(Ac1変態点−80℃)以上でかつAc1変態点未満の温度で焼鈍し、平均炭化物粒径が0.5μm以下、平均フェライト結晶粒径が15μm以上の組織を有し、軟質で、加工性及び焼入れ性に優れた中炭素鋼板を得ることである。
次に、本発明の中炭素鋼板における数値限定理由について説明する。
C:0.15〜0.35%
Cは、焼入れ等の熱処理を行った後の鋼板における強度を確保するために必要な元素である。しかしながら、C含有量が増加すると、具体的には、C含有量が0.35%を超えると、加工性が劣化する。一方、C含有量が少なくなると、具体的には、C含有量が0.15%未満では、焼き入れ後の強度が得られない。よって、C含有量は0.15〜0.35%とする。
Si:0.01〜0.25%
Siは、焼入れ性を向上させる元素であるが、その含有量が多くなると、具体的には、Si含有量が0.25%を超えると、固溶強化作用により鋼板が硬質化し、加工性が劣化する。一方、Si含有量の下限値は特に限定する必要はないが、Si含有量を0.01%未満にするには、精錬コストが高くなる。よって、Si含有量は0.01〜0.25%とする。
Mn:0.3〜1.2%
Mnは、焼入れ性を向上させる元素であり、鋼中に不可避的に混入して熱間脆化の原因となるSと結合し、MnSを生成することによりSを固定する効果がある。しかしながら、Mn含有量が0.3%未満の場合、これらの効果が得られない。一方、Mn含有量が多くなると、具体的には、Mn含有量が1.2%を超えると、加工性が劣化する。よって、Mn含有量は0.3〜1.2%とする。なお、より厳しい加工性が要求される場合は、Mn含有量を1.0%以下にすることが望ましい。
Cr:0.01〜0.50%
Crは、焼き入れ性を向上させる元素であるが、その含有量が多くなると、具体的には、Cr含有量が0.50%を超えると、炭化物の球状化が遅れ、鋼板の加工性が劣化する。一方、Cr含有量の下限値は特に限定する必要はないが、Cr含有量が0.01%未満の場合、十分な焼入れ性向上効が得られないことがある。よって、Cr含有量は0.01〜0.50%とする。
Ti:0.01〜0.05%
Tiは、Nと結合しTiNを形成し、焼き入れ時のγ粒の微細化に有効であると共に、Bと複合添加すると焼き入れ性向上に寄与するBの比率を高める効果もある。しかしながら、Ti含有量が0.01%未満の場合、これらの効果が得られない。一方、Ti含有量が多くなると、具体的には、Ti含有量が0.05%を超えると、鋼板が硬質化し、加工性をが劣化する。よって、Ti含有量は0.01〜0.05%とする。なお、Ti含有量は0.03%以下にすることが望ましい。これにより、前述の効果をより高めることができる。
B:0.0005〜0.005%
Bは、焼入れ時に粒界に偏析し、粒界エネルギーを低める効果があり、微量添加でも焼入れ性を向上させることが可能な元素である。また、Bは加工性を劣化させることなく、焼入れ性を向上させる元素であるが、その含有量が0.0005%未満の場合、焼入れ性向上効果が得られない。一方、B含有量が0.005%を超えると、熱処理後の靭性が劣化する。よって、B含有量は0.0005〜0.005%とする。
P:0.005〜0.03%、
Pは、鋼中に不可避的に混入する不純物元素であり、P含有量が0.03%を超えると、鋼板が硬質になると共に、熱処理後の靭性が劣化する。一方、P含有量を0.005%未満に低減するには、精錬コストが高くなる。よって、P含有量は0.005〜0.03%とする。
S:0.001〜0.01%
Sは、熱間脆性の原因となる元素であると共に、MnS及びTiSを形成して鋼中介在物となり、鋼板の加工性を劣化させる不純物元素であり、具体的には、S含有量が0.01%を超えると、加工性が劣化する。一方、S含有量はできるだけ低いことが望ましいが、S含有量を0.001%未満にするには、精錬コストが高くなる。よって、S含有量は0.001〜0.01%とする。
Al:0.01〜0.08%
Alは、製鋼時に脱酸材として使用した場合には、鋼中のNと結合してAlNを形成することで、Nを固定する役割がある。しかしながら、Al含有量が多くなると、具体的には、Al含有量が0.08%を超えると、表面欠陥の原因となる。一方、Al含有量が低くなると、具体的には、Al含有量が0.01%未満になると、酸化物系に介在物が増加し、加工性が劣化する。よって、Al含有量は0.01〜0.08%の範囲とする。
N:0.0015〜0.01%
Nは、鋼中に不可避的に混入する元素の1つであるが、N含有量が多くなると、具体的には、N含有量が0.01%を超えると、Bと結合して、焼き入れ性に有効に作用するB含有量が減少する。一方、N含有量はできるだけ少ない方が望ましいが、N含有量を0.0015%未満にするには、精錬コストが高くなる。よって、N含有量は0.0015〜0.01%とする。
なお、本発明の中炭素鋼板における上記各元素以外の成分、即ち、残部は、Fe及び不可避的不純物であるが、更に、通常添加する範囲又は不純物として混入する範囲で、Ni、Cu、Mo、Nb、V、Zr、Sb及びSn等の合金元素が添加されていてもよい。
C90<55
C90は、焼入れ性の指標であり、90%マルテンサイト組織が得られる臨界冷却速度として定義されている。本発明のようにBが添加された鋼の場合は、上記数式2で与えられる。そして、これらの鋼成分から求められるVC90の値以上の冷却速度で冷却すると、鋼中のマルテンサイト組織を90%以上できることを域している。従って、製品鋼板の焼入れ時の強度を確保するためには、このVC90の値が小さい程、望ましい。また、焼鈍時に異常粒成長を発現させて、炭化物が微細かつ均一で、フェライト結晶粒径が粗大化した組織を得るためには焼入れ性が極めて高いことが重要であるが、VC90が55以上になると、焼入れ性が低下する。よって、上記数式2で規定されるVC90は55未満とする。
平均炭化物粒径:0.5μm以下
炭化物の平均粒径を小さくすることにより、加工性は改善される。これは、加工時に炭化物を起点としてボイドが発生するためであり、炭化物粒径が小さい程、ボイドの起点となりにくい。例えば、精密打ち抜きのような局部的に極めて高い歪みが発生するような加工の場合、その加工性は穴広げ性にて評価できることが知られている。そこで、本発明においては、穴広げ率により加工性を評価した。そして、本発明者が穴広げ性を指標として、鋼板の加工性について詳細な検討を行った結果、炭化物粒径が0.5μm以下の範囲において、高い穴広げ性を示すことが明らかになった。よって、本発明の中炭素鋼板においては、平均炭化物粒径を0.5μm以下と規定する。
フェライト結晶粒径:15μm以上
本発明の適用範囲内の鋼板においては、焼鈍後のフェライト結晶粒径が軟質化に寄与する硬度の主な支配因子であり、フェライト結晶粒を粗大化することによって大幅に軟質化が図れる。また、本発明の中炭素鋼板の場合、通常の粒成長ではなく、歪み誘起異常粒成長を利用しているため、前述した炭化物粒径は微細なままで、結晶粒のみ粗大化させることが可能である。ただし、異常粒成長の過渡期においては、非常な混粒組織を呈し、軟質化が不十分であるだけでなく、加工性も劣化する。これらの知見に基づき、本発明者が詳細な検討を行った結果、平均フェライト結晶粒径が15μm以上になるまで焼鈍を行い、整粒化を図ることによって、従来材以上の軟質で加工性に優れた鋼板が得られることが明らかになった。よって、本発明の中炭素鋼板においては、平均フェライト結晶粒径を15μm以上とする。
上述したような金属組織を有する鋼板は、即ち、本発明の中炭素鋼板は、上記数式2で規定されるVC90の値が55未満となる鋼組成とし、更に、熱延条件及び焼鈍条件を規定することによって得ることができる。以下、本発明の中炭素鋼板の製造方法における各条件の数値限定理由について説明する。
熱延仕上げ温度:Ar3変態点以上
熱間圧延における仕上げ温度がAr3変態温度未満の場合、変形抵抗の増大をきたし、圧延が困難になる。よって、熱間圧延における仕上げ温度はAr3変態点以上とする。
冷却速度:30〜100℃/秒
熱間圧延後の冷却速度は、焼鈍時の歪み誘起異常粒成長を生じさせるための歪みを、熱延鋼板に導入するために重要な条件の1つである。冷却速度が遅い場合、具体的には冷却速度が30℃/秒未満の場合、冷却過程において、歪みがほとんど無い等軸初析フェライトが析出してしまうため、焼鈍時に異常粒成長が発生しない。一方、冷却速度が100℃/秒を超えると、冷却ばらつきが大きくなり、巻取り温度を所定の温度範囲内に制御することが困難になる。よって、熱間圧延後の冷却速度は30〜100℃/秒とする。また、冷却速度を上述した範囲にすると共に、巻き取り温度を後述する範囲にすることにより、熱延鋼板の組織を、針状のアシキュラーフェライト組織、ベイナイト組織、マルテンサイト組織、又はこれらの混合組織とすることができ、内部に変態歪みを蓄えた熱延鋼板を得ることができる。
巻取り温度:550℃以下
熱間圧延後の巻取り温度は、前述の冷却速度と組み合わせることによって、焼鈍時の歪み誘起異常粒成長を生じさせるための歪みを、熱延鋼板に導入するために重要な条件の1つである。この巻き取り温度が高い場合、具体的には、巻取り温度が550℃を超えると、冷却速度を速めたとしても、歪みのほとんど無い等軸初析フェライトが析出してしまい、焼鈍時に異常粒成長が発生しない。よって、熱間圧延後の巻取り温度は550℃以下とする。なお、焼鈍時の異常粒成長をより安定して発生させるには、熱間圧延後の巻き取り温度を、500℃以下にすることが望ましい。
焼鈍条件:(Ac1変態点−80℃)以上Ac1変態点未満の温度で10時間以上
本発明の中炭素鋼板の製造方法においては、熱間圧延した熱延鋼板を、脱スケールした後、炭化物の球状化及びフェライト結晶粒を異常粒成長させる目的で焼鈍する。このとき、焼鈍温度が(Ac1変態点−80℃)未満の場合、炭化物の球状化が不十分になるだけでなく、フェライト結晶粒の異常粒成長も発生しない。一方、Ac1変態点以上の温度で焼鈍すると、粗大炭化物が形成され、中炭素鋼板の適用製品における加工性が劣化する。また、焼鈍時間が10時間に満たない場合、同様に炭化物の球状化が不十分になるだけでなく、フェライト結晶粒の異常粒成長が発生しない。よって、本発明の中炭素鋼板の製造方法においては、焼鈍温度を(Ac1変態点−80℃)以上Ac1変態点未満の温度範囲とし、焼鈍時間を10時間以上と規定する。
なお、板厚精度、表面性状、加工性及び軟質性をより必要とする場合は、脱スケールした熱延鋼板を冷間圧延した後で焼鈍することが望ましい。その場合の冷間圧延率は、必要な板厚と十分な形状制御できる範囲であれば、特に限定する必要はないが、例えば4〜60%の範囲で実施することができる。但し、冷間圧延後の焼鈍は、前述した理由から、(Ac1変態点−80℃)以上Ac1変態点未満の温度条件下で、10時間以上実施する必要がある。更に、焼鈍後の鋼板は、必要に応じ調質圧延され、製品に供される。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。本実施例においては、下記表1に示す組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造して得たスラブを、下記表2に示す条件で熱間圧延して、板厚が4.5mmの熱延コイルとし、更にこのコイルを酸洗した後、下記表2に示す条件で焼鈍して、焼入れ性、炭化物粒径及びフェライト結晶粒径を変化させた実施例及び比較例の中炭素鋼板を作製した。
Figure 0004964492
Figure 0004964492
次に、上述の方法で作製した実施例及び比較例の中炭素鋼板について、炭化物粒径測定、フェライト結晶粒径測定、硬度測定及び穴広げ試験を行った。以下、その具体的な評価方法について説明する。
炭化物粒径は、各中炭素鋼板の断面を切り出して研磨した後、5%ナイタールで腐食させ、走査型電子顕微鏡で3000倍に拡大した組織写真を基にして、単位長さのテストラインとの交点の数(NL)及び単位面積あたりの炭化物の数(NA)を測定し、下記数式3で定義される炭化物半径rを求め、その10視野分の平均値を求めた。
Figure 0004964492
フェライト結晶粒径は、各中炭素鋼板の断面を切り出して研磨した後、5%ナイタールで腐食させ、光学顕微鏡で撮影した組織写真を基にして、JIS規格0552で規定されている切断法にて測定した。
硬度測定は、各中炭素鋼板の表面を、ロックウェルBスケール硬度(HRB)で5点測定し、その平均値を求めた。本実施例においては、焼鈍後の硬度がHRB75以下のものを合格とした。
穴広げ試験は、各中炭素鋼板から縦150mm、横150mmの試験片を切り出し、その中央部にクリアランス12%で、直径10mm(d)の穴を打ち抜いた後、その穴部を60°の円錐ポンチで押し上げ、穴の周囲に板厚を貫通する亀裂が発生した時点の穴径(d)を測定し、下記数式4で定義する穴広げ率λ(%)を求めた。本実施例においては、穴広げ率70%以上のものを合格とした。以上結果を、上記表2にまとめて示す。なお、上記表2における下線は、本発明の範囲外であることを示す。
Figure 0004964492
上記表1に示す鋼種A及びBは、上記数式2で規定されるVC90が55未満のものであり、鋼種C及びDはVC90が55以上の比較例である。そして、これらの鋼を上記表2に示す条件で製造した場合、上記表2から明らかなように、本発明の範囲内の鋼組成で、本発明の範囲内の条件で作製した実施例No.1〜No.3の中炭素鋼板は、炭化物が微細かつフェライト結晶粒が異常粒成長し、粗大であるため、軟質でかつ加工性(穴広げ性)に優れていた。
これに対して、比較例No.4の中炭素鋼板は、炭化物は微細で、穴広げ性は良好であったが、巻取り温度が本発明の範囲外であるため、熱間圧延後の冷却時に導入される歪が少なく、その後、焼鈍を行っても異常粒成長が発現しないため、硬度が高かった。比較例No.5の中炭素鋼板は、巻取り温度が高すぎるため、軟質ではあったが、炭化物が粗大で、穴広げ性が劣っていた。比較例No.6の中炭素鋼板は、熱間圧延後の冷却速度が遅いため、軟質ではあったが、炭化物が粗大で、穴広げ性に劣っていた。比較例No.7の中炭素鋼板は、熱間圧延条件は本発明範囲内であるが、焼鈍時間が不足しているため、異常粒成長が十分に発現せず、炭化物の球状化も不十分であるため、硬度が高く、穴広げ性も劣っていた。また、比較例No.8及びNo.10の中炭素鋼板は、熱間圧延条件は本発明の範囲内であるが、VC90が本発明の範囲外であるため、焼入れ性が不足し、焼鈍中に異常粒成長が発現せず、硬度が高かった。更に、比較例No.9及びNo.11の中炭素鋼板は、焼入れ性が不足している上に、巻取り温度が高いために、炭化物が粗大で、穴広げ性が劣っていた。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.15〜0.35%、
    Si:0.01〜0.25%、
    Mn:0.3〜1.2%、
    P:0.005〜0.03%、
    S:0.001〜0.01%、
    Cr:0.01〜0.50%、
    Ti:0.01〜0.05%、
    B:0.0005〜0.005%、
    Al:0.01〜0.08%及び
    N:0.0015〜0.01%を含有し、
    残部がFe及び不可避的不純物からなり、
    C含有量(%)を[C]、Si含有量(%)を[Si]、Mn含有量(%)を[Mn]、Ni含有量を[Ni]、Cr含有量(%)を[Cr]、Mo含有量(%)を[Mo]をしたとき、下記数式で規定されるVC90が55未満である組成を有し、
    平均炭化物粒径が0.5μm以下であり、かつ平均フェライト結晶粒径が15μm以上であることを特徴とする中炭素鋼板。
    Figure 0004964492
  2. 質量%で、C:0.15〜0.35%、Si:0.01〜0.25%、Mn:0.3〜1.2%、P:0.005〜0.03%、0.001〜0.01%、0.01〜0.50%、Ti:0.01〜0.05%、B:0.0005〜0.005%、Al:0.01〜0.08%及び0.0015〜0.01%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、C含有量(%)を[C]、Si含有量(%)を[Si]、Mn含有量(%)を[Mn]、Ni含有量を[Ni]、Cr含有量(%)を[Cr]、Mo含有量(%)を[Mo]をしたとき、下記数式で規定されるVC90が55未満である組成の鋼を、仕上げ温度をAr3変態点以上にして熱間圧延した後、30〜100℃/秒の速度で冷却し、巻取り温度を550℃以下にして巻取って熱延鋼板を得る工程と、
    Figure 0004964492
    前記熱延鋼板を、脱スケールした後、(Ac1変態点−80℃)以上Ac1変態点未満の温度条件下で10時間以上焼鈍する工程と、
    を有することを特徴とする中炭素鋼板の製造方法。
  3. 脱スケールした熱延鋼板を、冷間圧延した後で焼鈍することを特徴とする請求項2に記載の中炭素鋼板の製造方法。
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