JP2000255963A - 通路設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】通路並設型乗客コンベアの設置上の制約と乗客
コンベアのハンドレールと通路側手摺体間における危険
性を解消する。 【解決手段】乗客コンベアの一種であるエスカレーター
５と隣接する階段３との間に、このエスカレーター５の
ハンドレール１１の上面よりも一段高い所に位置する上
端部１３Ａを有して隔離壁を形成する仕切体１３と手摺
体１４をエスカレーター５の主枠体１５に固定する形で
取付けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】本発明は、通路設備、特に歩
行者通路である階段と並べてエスカレーターや動く歩道
等の乗客コンベアを設置した通路設備に関する。

【従来の技術】従来、建築構造物の歩行者通路である階
段と並べて乗客コンベアを設置し、通路用手摺体を乗客
コンベア側に取付けた省スペース型の通路設備は、例え
ば、特開平７−１８９４４９号公報により知られてい
る。

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、乗客
コンベアのハンドレールと通路用の手摺体との高さ位置
関係が十分に考慮されていないために、通路となる階段
面、あるいはその手摺体がハンドレールの上面より高く
なる可能性があり、階段通行者が誤って踏段側に落下す
ることが懸念され、並設不可能となる設置上の制約が生
じる。また、その逆に、通路となる階段面、あるいはそ
の手摺体がハンドレールの上面より低くなる可能性があ
り、乗客コンベアの乗客が誤って階段側に落下すること
が懸念される。また、ハンドレールと手摺体との高さ、
横幅方向の位置関係によっては、階段通行者がハンドレ
ールを、その反対に乗客コンベアの乗客が手摺体を掴め
ることがあり危険的要素が生じるという問題があった。
したがって、本発明の目的は、通路並設型乗客コンベア
の設置上の制約条件を解消することにある。本発明の他
の目的は、通路並設型乗客コンベアのハンドレールと手
摺体との間における危険的要素を解消し、乗客や通行者
の安全性を高めることにある。

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、無端状に連結されて移動可能な移動踏段
と、前記移動踏段と同期して移動するハンドレールと、
前記ハンドレールの移動を案内する案内路を構成する欄
干と、これらの構成部品を支持する主枠体を備えた乗客
コンベアを階段等の通路と並べて配置する通路設備にお
いて、前記通路の側部に設けられた通路用の手摺体を前
記主枠体に固定し、さらに、この手摺体とハンドレール
との間に、上端部が前記ハンドレールの上面よりも上方
に位置し、かつ前記主枠体に固定された仕切体を設けた
ものである。また、前記手摺体と仕切体を、前記欄干の
外縁よりも前記通路側に位置させたものである。上記構
成によれば、乗客コンベアのハンドレールと通路用手摺
体との間に隔離壁となる仕切体を設けたので、通路とな
る階段面、あるいは手摺体がハンドレールより高い位置
になって階段通行者が踏段側に落下するなどの危険性
や、これにともなう設置上の制約が解消される。また、
階段通行者がハンドレールを、その反対に乗客が手摺体
を掴んでしまう危険性が解消される。

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
１および図２について説明する。図１は、下階床１と上
階床２を接続する階段３が設けられ、この階段３の一側
部の建築壁４側に寄せて傾斜型乗客コンベアの一つであ
るエスカレーター５が設置された状態を示したものであ
る。図２は、図１のＩ−Ｉ線に沿った要部断面を示した
ものである。このエスカレーター５は、下階床１に設け
られた下部乗降口６と、上部階床２に設けられた上部乗
降口７を跨ぐように設置され、無端状に連結された多数
の移動踏段８が下部付近９から上部付近１０へと上昇移
動して乗客輸送（下降の場合は、逆進路）する。さらに
エスカレーター５は、この移動踏段８の両側に移動踏段
８と同期して移動するハンドレール１１と、このハンド
レール１１の案内路を形成するとともに、移動踏段８の
側壁を構成する欄干１２を備えている。一方、エスカレ
ーター５と隣接する階段３は、下方の最初の段３Ａ、中
央の踊り場３Ｂ、上方の最後の段３Ｃで一連の通路を形
成している。そして、一般的にエスカレーター５の傾斜
角は３０度、階段３の最初の段３Ａと最後の段３Ｃを直
線で結ぶ平均傾斜角は２０度前後であり、この両者の角
度差が取り合せ計画上の隘路となる場合が多い。その理
由は、例えば、下部乗降口６と最初の段３Ａとの位置関
係、すなわち踏段８の進行方向の位置ずれの大小によっ
ては階段通行者が踏段３側に落下する状態となるためで
ある。すなわち、通路となる階段面やその手摺体１４が
ハンドレール１１の上面より高くなったり、階段通行者
が少し手を伸ばせば動くハンドレール１１に触れる状態
や、エスカレーター５乗客が少し手を伸ばせば手摺体１
４に触れる状態となり、いずれも相対速度差による転倒
事故を誘発する危険性が生じる。そこで、本発明におい
ては、図示のようにエスカレーター５と階段３との間
に、欄干１２の外縁のデッキカバー１２Ａの外側の縁部
に沿い、ハンドレール１１の上面よりも一段高い位置
（高さｈ）にその上端部１３Ａを有する仕切体１３と、
これよりも出張りＷ３だけ外側に突出する手摺体１４を
設けている。ここで、仕切体１３は、エスカレーター５
の全横幅Ｗ１に対して数十ミリメートル付加（横幅Ｗ
２）した形で、階段通行者用の手摺体１４とその取付金
具１４Ａとともに、全横幅Ｗ４の構造体である主枠体１
５とその上弦材１５Ａに固定された支持柱１５Ｂによっ
て支持、固定されている。そして、この仕切体１３はハ
ンドレール１１と手摺体１４が高さ方向の位置がに接近
する部位（例えば、図１の符号Ｍ部）において高さｈを
有し、ハンドレール１１と手摺体１４が離れる部位、例
えば、図１の符号Ｎ部においてはデッキカバー１２Ａの
上面と近い位置にその上端部１３Ａを位置させている。
なお、仕切体１３と手摺体１４は、その各表面が美麗に
化粧された塗装鋼板やステンレス鋼板などで構成される
もので、全体構成及び材質とも踏段を有しない動く歩道
にもそのまま適用することができる。以上のように構成
したことにより、階段通行者の落下事故防止、設置計画
上の問題点解消、仕切体１３と手摺体１４のエスカレー
ター側での全強度負担による建築側の工期、コスト減に
も寄与できる。なお、上記の実施の形態では通路となる
階段面、あるいはその手摺体がハンドレールの上面より
低い場合を説明したが、逆に、通路となる階段面、ある
いはその手摺体がハンドレールの上面より高い場合も実
施できる。

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば通
路並設型乗客コンベアの設置制約、乗客及び通行者の危
険性の解消を図った通路設備を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による通路設備の一実施の形態を示す全
体斜視図である。

【図２】図１のＩ−Ｉ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１…下階床、２…上階床、３…階段、４…建築壁、５…
エスカレーター、６…下部乗降口、７…上部乗降口、８
…踏段、１１…ハンドレール、１２…欄干、１２Ａ…デ
ッキカバー、１３…仕切体、１４…手摺体、１５…主枠
体、１５Ａ…上弦材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 由雄 東京都渋谷区代々木二丁目２番２号 東日 本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 山田 敏雄 東京都渋谷区代々木二丁目２番２号 東日 本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 鴫原 清 東京都渋谷区代々木二丁目２番２号 東日 本旅客鉄道株式会社内 Ｆターム(参考） 3F321 GA26 GA32

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状に連結された移動可能な移動踏段
   と、前記移動踏段と同期して移動するハンドレールと、
   前記ハンドレールの移動を案内する案内路を構成する欄
   干と、これらの構成部品を支持する主枠体を備えた乗客
   コンベアを階段等の通路と並べて配置する通路設備にお
   いて、前記通路の側部に設けられた通路用の手摺体を前
   記主枠体に固定し、さらに、前記手摺体とハンドレール
   との間に、上端部が前記ハンドレールの上面よりも上方
   に位置し、かつ前記主枠体に固定された仕切体を設けた
   ことを特徴とする通路設備。
2. 【請求項２】 前記手摺体と仕切体を、前記欄干の横幅
   方向の外縁よりも前記通路側に位置させるように設けた
   請求項１記載の通路設備。