JP3435201B2 - 通路設備 - Google Patents

通路設備

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JP3435201B2
JP3435201B2 JP33076793A JP33076793A JP3435201B2 JP 3435201 B2 JP3435201 B2 JP 3435201B2 JP 33076793 A JP33076793 A JP 33076793A JP 33076793 A JP33076793 A JP 33076793A JP 3435201 B2 JP3435201 B2 JP 3435201B2
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和義 滝沢
喜正 山本
喜博 田村
由雄 島田
剛 坂上
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East Japan Railway Co
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Hitachi Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通路設備に係り、特
に、歩行者通路と並べてエスカレーターや電動道路等の
乗客コンベアを設置した通路設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築構造物の歩行者通路に並べて
乗客コンベアを設置した通路設備は、例えば特開昭50−
54088 号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来は、歩行者に
対する便利性の低下と乗客コンベア並設による歩行者通
の拡幅策について配慮されていなかった。
【0004】本発明の目的の一つは、乗客コンベアの並
設によって歩行者に対する便利性を低下させることのな
い通路設備を提供することにある。
【0005】本発明の別の目的の一つは、乗客コンベア
の並設による通路幅の縮小を最少とした通路設備を提供
することにある。
【0006】本発明のさらに別の目的の一つは、既設の
傾斜通路に対しても乗客コンベアの並設が簡単に行える
通路設備を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、通路と並べて乗客コンベアを併設した
路設備において、通路用手摺を前記乗客コンベアの幅内
に設け、かつ前記乗客コンベアの側部を覆う外装板の下
端部を前記通路の乗客コンベア側端面に沿って垂下させ
のである
【0008】
【作用】上記構成によれば、乗客コンベアに通路用手摺
を設けたので、通路利用者はその通路用手摺を利用して
通路を歩行することができ、歩行者に対する便利性を低
下させることはなくなる。さらに、その通路用手摺は乗
客コンベアの幅内に設けられているので、通路側に張り
出すことはなく、そのために、乗客コンベアの設によ
る通路幅縮小を最少にすることができる。また、乗客
コンベアの側部を覆う外装板の下端部を通路の乗客コン
ベア側端面に沿って垂下させたので、階段の全幅を通路
として利用することができ、通路と乗客コンベアとの間
を無駄なく有効に利用することができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1及び図2につい
て説明する。例えば複数階床を有する建屋1には、各階
床間の上階床3Uと下階床3Dを接続する歩行者用の通
路である階段2が設けられている。この階段2の幅方向
の一側に寄せて傾斜型乗客コンベアの一つであるエスカ
レーター4が設置されている。このエスカレーター4
は、上弦材7と下弦材8とこれらの間を連結する連結部
材9とでトラス構造体を形成する側枠体5,6を左右に
形成した本体枠10と、この本体枠10に支持され無端
状に連結されて回動する複数の踏段11と、左右一対の
欄干とを備えている。尚、前記本体枠10は長手方向の
上端部に水平な上部機械室を、下端部に水平な下部機械
室を、中間に傾斜部を有する。前記左右の側枠体5,6
の上部には夫々取付金具14を介して欄干パネル13が
前記踏段11の移動方向に沿って立設されて前記欄干を
構成している。前記欄干パネル13の周縁には前記踏段
11と同期して移動する移動手摺12A,12Bが案内
支持されている。そして欄干パネル13の固定部を被う
ように内デッキカバー15,外デッキカバー16,スカ
ートガード17が設けられている。
【0010】一方、階段2側に位置する側枠体6の外側
は外装18で被われ、この外装板18の下端部は階段
2のエスカレーター4側の端面2Eに沿ってほぼ平行に
下方に延在している。そして、この外装板18と前記階
段2の端面2Eとの隙間開口部にシール材19を施して
隙間を埋めている。
【0011】また、前記階段2側に位置する側枠体6の
上弦材7には手摺支持具である支柱20を前記欄干パネ
ル13と平行に立設し、上端に階段用手摺21を取付け
ている。
【0012】尚、階段2側から離れた方の側枠体5が建
屋1の壁や仕切パネル1Sに接近している場合には、こ
の側枠体5Aの側方を外装板18で被う必要はなく、外
装板18と階段2の端面2Eと同じように、外デッキカ
バー16と仕切パネル1Sとの隙間をシール材19で塞
ぐだけでよい。
【0013】上記構成とすることにより、階段用手摺2
1がエスカレーター4と階段2との境界部に設けられる
ことになる。
【0014】そのために、歩行者は従来と変わることな
く階段2の幅方向端部にある階段用手摺21を利用して
昇降することができるので、エスカレーター4を並設し
たとしても階段2の便利性を低下させることはない。
【0015】また、階段用手摺21が側枠体6の上部に
取付けられているので、階段用手摺21はエスカレータ
ー4の横幅内に位置することになると共に、側枠体6の
外側の外装板18が階段2の端面2Eに沿って延在する
構成なので、階段2をエスカレーター4に対向する端部
まで歩行面として有効に利用でき、エスカレーター4の
設による階段2の幅方向の縮小を最小限にすることが
できる。
【0016】ところで、同位置における階段2の高さH
0 とエスカレーター4の踏段11の高さH1 は、エスカ
レーター4の踏段11を高くしている。このように、エ
スカレーター4の踏段11を踏段2よりも高くすること
により、歩行者がエスカレーターの乗客に対するいたず
らを防止できる。即ち、階段2側の歩行者がエスカレー
ターの乗客の身体に触れたりすると、行動が制限されて
いる乗客は一寸の外力で転倒することがあり、極めて危
険であるが、エスカレーター4の踏段11が階段2より
も高いと、エスカレーターの乗客は階段用手摺21及び
移動手摺12A,12Bさらにはエスカレーター4の欄
干パネル13によってエスカレーターの乗客よりも低位
置にいる階段側の歩行者から隔離されるので、歩行者の
いたずらはなくなる。しかし、歩行者から乗客へのいた
ずらの虞れがないのであれば、階段2と踏段11との同
位置における高さを同じにして、通行者に対する高低差
による違和感をなくしたほうがよい。
【0017】ところで、上記実施例は建屋1の新築時
に、階段2とエスカレーター4とを併設するものであ
り、したがって建屋の建築工程においてエスカレーター
4の設置場所を建築できるので、エスカレーター4の据
付けは従来と大幅に変わることはない。しかしながら、
既設の階段2に対して新たにエスカレーター4を設置す
る場合には、エスカレーター4が設置される位置の階段
2及び上階床3Uと下階床3Dを撤去して補修し、そこ
に本体枠10を埋込んで上部乗降床4Uを上階床3Uと
一致させ、下部乗降床4Dを下階床3Dと一致させて設
置する。しかし、階段2及び上階床3Uと下階床3Dを
撤去して補修することは大変な作業であり、このような
建屋1の大幅な改修を行うことなくエスカレーター4を
設置することを考えねばならない。
【0018】図3は、既設の階段2にエスカレーター4
を新たに据え付ける場合の一例を示すもので、既設の階
段2の幅方向の一側寄りにエスカレーター4を据え付け
る場合、エスカレーター据付け部の階段2を除去しなけ
ればならない。しかし、除去すると階段2は片持ち梁と
なり、一側を除去した階段2の自由端部が不安定にな
る。そこで、階段2の自由端を新たな受け梁を設けて支
持するようにしてもよいが、本実施例ではエスカレータ
ー4の本体枠10の側枠体22を利用して階段2の自由
端部を支持する構成としたのである。即ち、階段2側の
側枠体22を、反対側のトラス構造体の側枠体5と同じ
剛性を有し、側枠体5よりも高さが低いH型ビームある
いはI型ビーム構造体として、この側枠体22で前記階
段2の自由端部を支持するようにしたのである。勿論、
ビーム構造体の側枠体22の長手方向の両端は、上階床
と下階床の建屋の梁(図示せず)に跨って支持されてい
る。上記構成としたので、エスカレーター4を設置する
寸法分、既設の階段2を除去しても、建屋に特別に支持
構造物を設けずに階段2の自由端部を安定して支持する
ことができる。
【0019】また、階段2の自由端部をエスカレーター
4の側枠体22で支持する構造としたので、階段2の自
由端部がエスカレーター4に対して幅方向に重なる構造
となり、その結果、階段2の横幅の縮小率を上記実施例
に比べて少なくすることができる。
【0020】ところで、側枠体22は高さを低くしたの
で、反対側の側枠体5に支持された欄干パネル13と同
じ位置に欄干パネル13を支持するために、ビーム構造
体の側枠体22の上面で踏段11側寄りの位置にコ字状
断面の支持具23を対向する辺が上下となるように取付
ける。この支持具23の上部に前記取付金具14を固定
して欄干パネル13を支持すると共に、前記階段用手摺
21の支柱20を取付けるのである。尚、前記支持具2
3は側枠体22の長手方向に亘って必要な個所例えば前
記取付金具14と前記支柱20が設置される位置に対応
して複数設けたものであるが、前記支持具23を全長に
亘って長く形成してもよい。
【0021】さらに、階段2の自由端部がエスカレータ
ー4に対して幅方向に重なる構造としたので、側枠体2
2の側部を被う外装板18をそのまま垂直に垂れ下げる
と前記階段2の踏面と交差し、外装板18の階段踏面と
の交差部を階段形状に合わせて階段状に形成しなければ
ならない。しかし、外装板18の垂下端を階段状に形成
するには多大な時間と労力を費やすので、外装板18の
垂下端が踏面と交差せずに、階段2の端面2Eと平行に
下方に延在するように、下部に段差部18Hを形成して
階段端面2Eに平行にしている。
【0022】以上の各実施例のエスカレーター4は、欄
干パネル13の周縁に移動手摺12A,12Bを案内支持
したものである。そして、欄干パネル13を強化ガラス
等の透明部材で形成することにより、意匠上は一般のエ
スカレーターと変わるところがない透明欄干のエスカレ
ーター4を得ることができる。しかし、エスカレーター
が、駅や空港等の旅客ターミナルあるいは公共施設等の
階段に沿って設置される場合には、意匠性よりも使い勝
手が重視される不透明欄干のエスカレーターが望まし
い。
【0023】図4,図5は不透明欄干を備えたエスカレ
ーターを階段に併設した場合の階段用手摺の取付け構成
の一例を示す。階段2に並設されるエスカレーターの側
枠体6,上弦材7,踏段11,内デッキカバー15,外
デッキカバー16,スカートガード17,外装板18の
配置は前記各実施例と同じである。本実施例では、前記
上弦材7に第1支柱24と第2支柱25を夫々独立して
立設している。前記第1支柱24の上部には移動手摺枠
26が取付けられ、それに移動手摺12が案内支持され
ている。また、前記第1支柱24の下部には前記内デッ
キカバー15,外デッキカバー16の一部を支持してい
る。前記第2支柱25には手摺支持具27が取付けら
れ、それに階段用手摺21が取付けられている。勿論、
この階段用手摺21の設置位置はエスカレーターの全体
幅Wの範囲内に位置させている。さらに、前記移動手摺
枠26と内デッキカバー15間には例えばステンレス薄
鋼板等の鋼板や合成樹脂板等で形成された内側パネル2
8が位置し、前記移動手摺枠26と外デッキカバー16
間にも同様材料で形成された外側パネル29が位置し
て前記第1支柱24及び第2支柱25を被っている。前
記手摺支持具27は外側パネル29に設けた貫通孔(図
示せず)を貫通して取付けても、外側パネル29の長手
方向の継目部に切欠き溝を設けてそこから取付けるよう
にしてもよい。また、前記外側パネル29を前記手摺支
持具27に支持させるように構成することにより、前記
外側パネル29の外力による撓みや変形を防止すること
ができる。
【0024】上記のように、欄干が不透明な材料で構成
された場合、移動手摺12を支持する第1支柱24とは
別の第2の支柱25に階段用手摺21を支持させたの
で、歩行者が階段用手摺21を掴んで矢印Y方向に揺す
ったとしても、その揺れは第2の支柱25を介して側枠
体6の上弦材7に伝わるだけであり、それ以外に伝わる
ことはない。したがって、階段用手摺21を揺すったと
しても、エスカレーターの欄干が揺れることはない。こ
れは図1〜図3に示す実施例においても同じである。要
するに、図1〜図5において共通の技術は、本体枠に対
して移動手摺12と階段用手摺21とを夫々別部材を介
して支持したことにある。
【0025】図6,図7は、不透明欄干構成の別の実施
例を示すもので、内側パネル28と外側パネル29間の
間隔lをさらに狭くして階段用手摺21が位置する外装
板18と外側パネル29間の空間Lを確保し、さらに階
段用手摺21を外力に対して強固に支持しようとするも
のである。即ち、複数立設した欄干支柱30に、中間部
材となる補強体31をボルトBで締結し、隣接欄干支柱
30間を連結する。各欄干支柱30間を連結することに
より、各欄干支柱30間は隣接する欄干支柱30に外力
を分担させることができるので、各欄干支柱30のエス
カレーター長手方向及び巾方向の倒れ強度が向上する。
この倒れ強度を向上させる補強体31の各欄干支柱30
の中間部に階段用手摺21を支持する手摺支持具32を
取付けるのである。このように、階段用手摺21は中間
部材となる補強体31に支持されるので、歩行者が揺す
っても容易に変位することはない。仮に、階段用手摺2
1が矢印X方向に変位した場合でも、その変位は各欄干
支柱30間の補強体31を撓ませるだけなので、各欄干
支柱30まで変位させることはない。また、外側パネル
29欄干支柱30側に接近させたので、接近させた
分、外装板18と外側パネル29間の空間Lを大きくす
ることができ、その空間L内で任意の形状の階段用手摺
21を取付けることができると共に、階段用手摺21を
欄干支柱30側に近付けることにより階段2の利用幅を
広くすることができる。
【0026】以上の各実施例は、階段2とエスカレータ
ー4の踏段11との高さに大きな差がなく、階段用手摺
21はすべて外力デッキカバー16の上方に位置してい
る構成である。しかし、踏段11に対して階段2がかな
り低位置にある場合には、外デッキカバー16の上方に
設置された階段用手摺21は歩行者の腰よりも高位置と
なって利用に不便を来すことになる。このような不便
を、階段幅を縮小せずに解消したのが図8に示す構成で
ある。
【0027】図8に示すエスカレーター4の本体枠10
は、幅方向の一方にトラス構造体よりなる側枠体5を有
し、他方にビーム構造体の側枠体22を有し、ビーム構
造体の側枠体22を階段2側に設置した構成である。そ
してビーム構造体の側枠体22の上部に取付けられる断
面コ字状の支持具23はコ字状開口が階段2側に向くよ
うに取付けられ、これら支持具23及び側枠体22の側
面を被う外装板18に前記支持具23のコ字状開口に沿
った凹部18Gを形成し、この凹部18G内に階段用手
摺21を位置させ手摺支持具33を介して前記支持具2
3に支持させるのである。
【0028】上記構成とすることにより、階段用手摺2
1をエスカレーターの側枠体22の側方で、歩行者の略
腰の高さに位置させることができるので利用に不便を来
すことは解消される。また、階段用手摺21をエスカレ
ーターの側枠体22の側方に位置させたとしても、外装
板18より階段2側に突出していないので、階段2の利
用幅を狭めるものではない。
【0029】以上の各実施例は、階段用手摺21のエス
カレーター4に対しての取付け構造を示したものである
が、次に示す実施例は既設階段に対して効率よくエスカ
レーターを設置するための構成である。
【0030】図9は、上階床3Uと下階床3D間を接続
する一傾斜で形成された既設の階段2にエスカレーター
4を設置した場合の構成である。既設の階段2にエスカ
レーター4が設置されるために、階段2の幅方向の一部
を撤去,改修しなければならないが、この撤去,改修が
大掛かりになると、エスカレーターの設置作業期間が長
期となり、階段利用者不便を与えることになる。そこ
で、エスカレーターの設置作業を短期間で終了させるた
めに、本実施例では、エスカレーター4を既設の階段2
の上に置いて支持させたものである。即ち、エスカレー
ター4の本体枠10も底部を階段2に支持させ、さらに
エスカレーター4の上部乗降床4Uを上階床3Uと一致
させ、下部乗降床4Dを下階床3Dと一致させたとき、
エスカレーター4の本体枠10が既設階段2及び床と重
なる部分、本実施例では階段上部の重なり部2Bと下階
床3Dの重なり部3B及びその周辺を破壊,撤去,改修
した後、エスカレーター4を据付けるのである。
【0031】上記のような据付けを行うことにより、既
設階段2の改修部分を少なくでき、短い工事期間でエス
カレーター4の据付けを行うことができる。
【0032】図10は、下部傾斜部2S1と上部傾斜部
2S2との中間に踊り場2Mを有する既設階段2にエス
カレーター4を設置した場合の構成である。本実施例
も、エスカレーター4を既設の階段2の上に置いて支持
させる構成は図9に示す実施例と同じである。しかし、
本体枠10の底部を乗せるのは下部傾斜部2S1の上で
ある。そして、エスカレーター4の上部乗降床4Uを上
階床3Uと一致させ、下部乗降床4Dを下階床3Dと一
致させたとき、エスカレーター4の本体枠10が既設階
段2及び床と重なる部分、本実施例でも階段上部の重な
り部2Bと下階床3Dの重なり部3B及びその周辺を破
壊,撤去,改修した後、エスカレーター4を据付けるの
である。ただ、既設階段2の下部傾斜部2S1に本体枠
10の底部を置くので、図9と同じ大きさ及び形状のエ
スカレーター4を据付けると、移動手摺反転部12T0
と本体枠端10T0 は鎖線の位置となり、上部乗降床4
Uと上階床3Uとの間に隙間L0 が生ずる。そのため
に、この隙間L0 部を建屋側の改修により埋めて塞ぐよ
うにしてもよく、本実施例のように、前記隙間L0 分だ
け移動手摺反転部12T1 と本体枠端10T1 を水平方
向に伸ばしたエスカレーター構成としてもよい。
【0033】図9,図10において、既設階段2がエス
カレーター4の踏段11に比べてかなり低い位置となる
ので、階段用手摺21は外装板18を貫通して側枠体
(図示せず)に取付けて歩行者の使用に不便がないよう
にしている。
【0034】さらに、図9,図10に示す実施例はいず
れも階段2上に本体枠10を乗せる構成であるが、これ
はエスカレーター4の設置傾斜角と階段2の傾斜角が等
しい場合に有効である。しかし、エスカレーター4の設
置傾斜角と階段2の傾斜角が異なる場合に、図9,図1
0に示すように、エスカレーター4を階段2の上に乗せ
たのでは、エスカレーター4の設置傾斜角が変わってし
まい、踏板11の水平が維持できなくなり、乗客に違和
感を与えることになる。
【0035】次に、図11,図12に示す実施例は、エ
スカレーター4の設置傾斜角θ0 と階段2の傾斜角θ1
が異なる場合のエスカレーター据付け構成を示すもので
ある。
【0036】図11は、エスカレーター4の設置傾斜角
θ0 に対して階段2の傾斜角θ1 が大きい場合、エスカ
レーター4の上部乗降床4Uを上階床3Uと一致させ、
本体枠10の底部の傾斜上端10Uを撤去後の残った階
段2の最上段に対向させた状態で下部乗降床4Dを下階
床3Dに一致させて据付ける。上記のように据付けるこ
とにより、傾斜角θ1 が大きい階段2は、下方に行くに
したがいエスカレーター4の底部との間隔が次第に大き
くなる。このような設置構成とすることにより、本体枠
10の上端部が設置される既設階段2や本体枠10の下
端部が設置される下階床3Dの改修を最小限とすること
ができる。尚、外装板18を通して取付けられる階段用
手摺21は階段2の傾斜角θ1 と平行になるように取付
けられる。
【0037】図12は、エスカレーター4の設置傾斜角
θ0 に対して階段2の傾斜角θ2 が小さい場合の据付け
を示すものである。この場合は、エスカレーター4に下
部乗降床4Dを下階床3Dと一致させ、本体枠10の底
部の傾斜下方部10Dを階段2の最下段に対向させた状
態で丈夫乗降床4Uを上階床3Uに一致させて据付け
る。上記のように据付けることにより、傾斜角θ2 が小
さい階段2は、上方に行くにしたがいエスカレーター4
の底部との間隔が次第に大きくなる。このような設置構
成とすることにより、図11に示す実施例と同じよう
に、本体枠10の上端部が設置される既設階段2や本体
枠10の下端部が設置される下階床3Dの改修を最小限
とすることができる。また、同じように、外装板18を
通して取付けられる階段用手摺21は階段2の傾斜角θ
2 と平行になるように取付けられる。さらに、図13
は、エスカレーター4の設置傾斜角に対して階段2の傾
斜角が建築誤差などにより一定でない場合、例えば或る
区間ではエスカレーター4の設置傾斜角と同じでも別な
区間では一致しないと云うような場合の据付け例を示
す。このような場合、階段2の複数個所に支持台33を
設置し、その上に本体枠10の底部を乗せる。このよう
に、階段2上の支持台33に本体枠10を乗せることに
より、本体枠10の底部と階段2との間に階段2の全長
に亘る隙間が形成され、この隙間内で設置傾斜角を合わ
せ、上部乗降床4U及び下部乗降床4Dを夫々上階床3
U及び下階床3Dと一致させて据付けるのである。尚、
前記支持台33は、エスカレーター4の設置傾斜角を合
わせ易くするために、本体枠10の底部と階段2との隙
の間隔を調整できるような構造にしておくとよい。図
13に示す実施例も改修工事を少なくできる効果があ
る。また、下階床3Dが階段2の下側にまで存在する場
合には、前記支持台33に代えて支持柱33Sを設けて
支持してもよく、支持台33と支持柱33Sとを併用し
てもよい。要するに、本実施例は支持台33や支持柱3
3Sなどの支持部材によって本体枠10を支持して、
体枠10と階段2との間に隙間を設けることにより、階
段2の傾斜角に左右されずにエスカレーター4を設置で
きる構成である。
【0038】以上の説明は、通路として階段を、またこ
の階段に並設される乗客コンベアとしてエスカレーター
を説明したが、前記通路は傾斜した平坦の通路や水平通
路でもよく、また乗客コンベアはエスカレーターに限ら
ず踏面が連続する電動道路でもよい。
【0039】図14は、水平通路34に並べて電動道路
35を設置した例を示す。この電動道路35の欄干は不
透明の内側パネル28と外側パネル36で表面が被わ
れ、水平な踏面を作る複数の踏板37は水平通路34よ
りもS寸法低位置にある。このような通路設備において
も通路用手摺38を前記欄干の幅内に支持させることに
より、水平通路34不用意に狭めることなく電動道路
35を設置することができる。そして、水平通路34が
S寸法だけ電動道路35よりも高い位置にあることか
ら、通路用手摺38も移動手摺12A,12BよりS寸
法高く設置される。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば歩
行者に対する利用性を低下させることがなく、並設によ
る通路スペースの縮小を最少とすることができ、既設の
通路に対しても乗客コンベアの並設が簡単に行える通路
設備を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による通路設備の一実施例を示す一部破
断側面図。
【図2】図1のII−II線に沿う拡大断面図。
【図3】階段用手摺の他の実施例を示す図2の相当図。
【図4】本発明による別の実施例で、階段に隣接したエ
スカレーターの欄干部を示す断面図。
【図5】階段用手摺の取付け状態を示す図4相当図。
【図6】階段用手摺のさらに別の取付け状態を示す斜視
図。
【図7】階段用手摺のさらに別の取付け状態を示す図5
相当図。
【図8】階段用手摺の別の取付け状態を示す図2相当
図。
【図9】既設階段へのエスカレーターの据付け状態を示
す一部破断側面図。
【図10】既設階段へのエスカレーターの他の据付け状
態を示す一部破断側面図。
【図11】既設階段へのエスカレーターの別の据付け状
態を示す一部破断側面図。
【図12】既設階段へのエスカレーターのさらに別の据
付け状態を示す一部破断側面図。
【図13】既設階段へのエスカレーターのさらに他の据
付け状態を示す一部破断側面図。
【図14】本発明による通路設備の別の実施例を示す一
部破断斜視図。
【符号の説明】
1…建屋、2…階段、3U…上階床、3D…下階床、4
…エスカレーター、4U…上部乗降床、4D…下部乗降
床、5,6…側枠体、7…上弦材、8…下弦材、9…連
結部材、10…本体枠、11…踏段、12,12A,1
2B…移動手摺、13…欄干パネル、21…階段用手
摺。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 穂坂 賢二 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社 日立製作所内 (72)発明者 滝沢 和義 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社 日立製作所内 (72)発明者 山本 喜正 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 東日本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 田村 喜博 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 東日本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 島田 由雄 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 東日本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 坂上 剛 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 東日本旅客鉄道株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−64585(JP,A) 特開 平1−242389(JP,A) 特開 昭50−54088(JP,A) 特開 昭58−172185(JP,A) 特開 昭59−190179(JP,A) 特開 昭60−282093(JP,A) 実開 昭53−152396(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 21/00 E04F 11/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗客コンベアを通路に並設した通路設備に
    おいて、前記乗客コンベアの本体枠を構成する左右の側
    枠体の高さ寸法を通路側で低くし、低くした側枠体上方
    に通路用手摺を位置させたことを特徴とする通路設備。
  2. 【請求項2】乗客コンベアを通路に並設した通路設備に
    おいて、前記乗客コンベアの本体枠を構成する左右の側
    枠体のうち、通路側の側枠体の高さを反通路側の側枠体
    に対して低く形成し、低く形成した側枠体上に反通路側
    の側枠体の上面と同じ高さの上面を有する支持具を固定
    し、この支持具に欄干パネルと通路用手摺とを支持せし
    めたことを特徴とする通路設備。
  3. 【請求項3】乗客コンベアを通路に並設した通路設備に
    おいて、前記乗客コンベアの本体枠を構成する側枠体に
    側枠体の長手方向に沿って複数の支柱を立設し、この立
    設した支柱間を連結する中間部材を設け、この中間部材
    に手摺支持具を介して通路用手摺を取付けたことを特徴
    とする通路設備。
  4. 【請求項4】乗客コンベアを通路に並設した通路設備に
    おいて、前記乗客コンベアの本体枠で前記通路の乗客コ
    ンベア側の端部を支持し、この本体枠に通路用手摺を設
    けたことを特徴とする通路設備。
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