JP2000255336A - ライザーパネル用ウェザーストリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 別部品を使用することなく外観品質を向上さ
せ、部品点数および組付工数の削減によりコストダウン
と作業性の向上を図ることが可能なライザーパネル用ウ
ェザーストリップを提供することにある。 【解決手段】 自動車１のシートクッション６の下部で
あって、フロア３の開口部９の下方に設けられたエンジ
ンルーム１０と、シートクッション６とを仕切るライザ
ーパネル１１の外周端に下方へ向けて折り曲げたフラン
ジ１６を設け、該フランジ１６に開口部を上向きに配置
した状態で嵌め込まれる断面略Ｕ字形のトリム部１８を
備えたライザーパネル用ウェザーストリップ１７におい
て、トリム部１８の室内２側の側壁１８ｂに、フロア３
へ向かって延びるカバーリップ２４を一体的に形成し、
ライザーパネル１１の閉時に、カバーリップ２４の先端
部２４ａがフロア３の側面に取付けたカバーパネル２２
に当接するように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンが座席下
部に装備されるタイプの車両において、エンジンが設け
られたエンジンルームと座席とを仕切るライザーパネル
に適用されるウェザーストリップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、自動車の中には、図４に示す
如く、室内５１側に設けられたフロントシート５２のシ
ートクッション５３の下部にエンジン５４が装備されて
いるものがある。そのため、シートクッション５３の下
方に位置するフロア５５には、サービスホールとなる開
口部５６が設けられていると共に、該開口部５６の下方
にはエンジンルーム５７が設けられており、このエンジ
ンルーム５７内にエンジン５４が配設されている。した
がって、フロア５５の開口部５６は、シートクッション
５３を引き上げることにより開放され、この開放された
開口部５６を介してエンジンルーム５７内におけるエン
ジン５４のメンテナンス等が行われようになっている。

【０００３】ところで、上記シートクッション５３の底
面には、フロア５５の開口部５６を塞ぐためのライザー
パネル５８が取付けられており、該ライザーパネル５８
によってシートクッション５３とエンジンルーム５７と
が仕切られている。そして、ライザーパネル５８は、フ
ロア５５側に設けられたロック装置５９により固定され
ている。また、ライザーパネル５８の外周端には、これ
を下方（フロア５５側）へ向けて直角に折り曲げたフラ
ンジ６０が設けられており、このフランジ６０には、ウ
ェザーストリップ６１の断面略Ｕ字形のトリム部６２が
開口部を上向きに配置した状態で嵌め込まれている。ウ
ェザーストリップ６１は、フロア５５とライザーパネル
５８との間のシール性を高めるために設けられており、
これによって自動車走行中の振動によるガタ付き、エン
ジンルーム５７内からの室内５１へのエンジン音の漏
れ、水の侵入等を防止するように構成されている。この
ため、トリム部６２のエンジンルーム５７側（図４中で
右側）の側壁部６２ａには、ライザーパネル５８の閉時
において、同ライザーパネル５８とフロア５５に弾接
し、エンジンルーム５７の内外をシールする上下二股の
リップ６３が一体的に形成されている。また、トリム部
６２の対向する内壁面には、フランジ６０を保持するた
めの複数の保持用リップ６４が形成されていると共に、
トリム部６２の内部には強度を持たせるための芯材６５
が埋設されている。

【０００４】一方、上記フロア５５の側面には、エンジ
ンルーム５７からの遮音、断熱および外観向上を図るた
めにカバーパネル６６が取付けられている。ところが、
このカバ−パネル６６の上端部６６ａがフロア５５とウ
ェザーストリップ６１との間に入り込んで挟まると、ウ
ェザーストリップ６１のシール性が低下し、エンジンル
ーム５７からの室内５１への水の侵入や、エンジン音の
漏れが発生することから、カバーパネル６６の上端部６
６ａはウェザーストリップ６１に挟まらない手前側の位
置にとどめておく必要がある。また、カバ−パネル６６
の成形時に生じる寸法のバラツキやエンジン５４に基因
する熱膨張により、上端部６６ａの位置が変化すること
が起きるため、その変化を考慮してウェザーストリップ
６１とカバ−パネル６６の上端部６６ａとの間には隙間
６７が設けられている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のウェザーストリップ６１の構造では、隙間６７
の存在によりフロア５５が露出し、外部から見えてしま
うので、外観上好ましくなかった。そのため、従来にお
いては、シートクッション５３の底面に覆い部材６８を
取付け、該覆い部材６８によってフロア５５の露出部分
を隠さなければならないので、覆い部材６８の使用に伴
って部品点数および組付工数が掛かり、コスト高を招く
と共に、作業能率の向上を図ることが困難であった。

【０００６】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、別部品を使用することなく
外観品質を向上させ、部品点数および組付工数の削減に
よりコストダウンと作業性の向上を図ることが可能なラ
イザーパネル用ウェザーストリップを提供することにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記従来技術の有する課
題を解決するために、本発明においては、車両の座席下
部であって、フロアの開口部下方に設けられたエンジン
ルームと、前記座席とを仕切るライザーパネルの外周端
に下方へ向けて折り曲げたフランジを設け、該フランジ
に開口部を上向きに配置した状態で嵌め込まれる断面略
Ｕ字形のトリム部を備えたライザーパネル用ウェザース
トリップにおいて、前記トリム部の室内側の側壁に、前
記フロアへ向かって延びるカバーリップを一体的に形成
し、前記ライザーパネルの閉時に、前記カバーリップの
先端部が前記フロアの側面に取付けたカバーパネルに当
接するように構成している。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。

【０００９】図１および図２は本発明に係るライザーパ
ネル用ウェザーストリップの実施形態を示している。図
における自動車１の室内２には、フロア３の上段部３ａ
に設置したフロントシート４およびリヤシート５が車両
前後に間隔を開けて配設されている。このうち、フロン
トシート４は、図１に示す如く、乗員が着座するシート
クッション６と、該シートクッション６の後部側に起立
状態で配設され、乗員の背部を受けるシートバック７と
から構成されており、シートクッション６の下部にはエ
ンジン８が装備されている。そのため、シートクッショ
ン６の下方に位置するフロア３の上段部３ａは、エンジ
ン用の収納スペースを設けるべく、室内２側の上方へ突
出した断面略ハット状に形成されており、その中央箇所
にはサービスホールとして使用する開口部９が穿設され
ている。そして、開口部９の下方にはエンジンルーム１
０が設けられており、該エンジンルーム１０内にはエン
ジン８が配設されている。したがって、フロア３の開口
部９は、シートクッション６の引き上げと引き下ろしの
操作により開閉され、この開放された状態の開口部９を
利用することによりエンジンルーム１０内のエンジン８
のメンテナンス等が行われるようになっている。

【００１０】上記シートクッション６の底面には、図１
および図２に示す如く、フロア３の開口部９を塞ぎ、シ
ートクッション６とエンジンルーム１０とを仕切るライ
ザーパネル１１が取付けられており、このライザーパネ
ル１１は、フロア３の上段部３ａの側面に付設されたロ
ック装置１２により固定されるようになっている。その
ため、ロック装置１２は、上部に回動可能なロックアー
ム１３を設けた装置本体１４と、一端がライザーパネル
１１に固着され、他端には上方へ折り返したフック部１
５ａが形成されている断面略Ｌ字状のロック片１５とを
備え、ロックアーム１３をロック片１５のフック部１５
ａに引っ掛けることにより、ライザーパネル１１をロッ
クするように構成されている。また、ライザーパネル１
１の外周端には、これを下方へ向けて直角に折り曲げた
フランジ１６が設けられており、該フランジ１６の上下
長さは、フロア３の上段部３ａとの間にライザーパネル
用ウェザーストリップ１７が配置し得る大きさに形成さ
れている。すなわち、ライザーパネル１１のフランジ１
６には、ウェザーストリップ１７の断面略Ｕ字形のトリ
ム部１８が開口部を上向きに配置した状態で嵌め込まれ
ている。

【００１１】上記ウェザーストリップ１７は、従来例と
同様、開口部９の周縁に位置するフロア３の上段部３ａ
とライザーパネル１１との間のシール性を高め、室内２
とエンジンルーム１０とを遮断して、自動車１の走行中
の振動によるガタ付き、エンジンルーム１０からの室内
２へのエンジン音の漏れ、水の侵入を防止するために設
けられている。したがって、ウェザーストリップ１７
は、対向する内壁面のそれぞれに上下一対の保持用リッ
プ１９が延出して形成され、かつ内部に断面略Ｕ字形の
芯材２０が埋設されたトリム部１８を備えており、該ト
リム部１８のエンジンルーム１０側（図２中で右側）の
側壁部１８ａには、ライザーパネル１１の下面とフロア
３の上段部３ａの上面へ向かって斜めに延びる上下二股
のリップ２１が一体的に形成されている。このリップ２
１は、ライザーパネル１１の閉時において、当該ライザ
ーパネル１１とフロア３に弾接し、エンジンルーム１０
の内外をシールすべく設けられている。

【００１２】また、上記フロア３の上段部３ａの側面に
は、従来例と同様、エンジンルーム１０からの遮音や断
熱等を図るためにカバーパネル２２が取付けられてお
り、このカバーパネル２２の上端部２２ａは、当該上段
部３ａの上面に沿って直角に折り曲げられている。しか
も、カバーパネル２２の上端部２２ａの先端は、既述し
た理由により、ウェザーストリップ１７のトリム部１８
の手前側（室内２側）に位置し、該トリム部１８とカバ
ーパネル２２の上端部２２ａとの間には隙間２３が設け
られている。

【００１３】このため、本発明の実施形態に係るトリム
部１８の室内２側（図２中で左側）の側壁部１８ｂに
は、上下方向の中央位置からフロア３の上段部３ａへ向
かって下り傾斜に延び、かつカバーパネル２２の上端部
２２ａおよび隙間２３の上方に位置するカバーリップ２
４が一体的に形成されている。すなわち、本実施形態の
ウェザーストリップ１７は、ライザーパネル１１の閉時
において、当該カバーリップ２４の先端部（下端部）２
４ａがカバーパネル２２の上端部２２ａの上面に当接す
るように構成されている。したがって、カバーリップ２
４は、先端部２４ａがカバーパネル２２の上端部２２ａ
の上面に接することが可能な長さに形成されている。

【００１４】本発明の実施形態に係るライザーパネル用
ウェザーストリップ１７では、トリム部１８の室内２側
（図２中で左側）の側壁部１８ｂに、上下方向の中央位
置からフロア３の上段部３ａへ向かって所定の長さで下
り傾斜に延びるカバーリップ２４が一体的に形成され、
ライザーパネル１１の閉時において、当該カバーリップ
２４の先端部（下端部）２４ａがカバーパネル２２の上
端部２２ａの上面に当接するように構成されているた
め、従来のように別部品の覆い部材を用いなくても、カ
バーパネル２２の上端部２２ａの先端や、隙間２３を介
して露出するフロア３の上段部３ａがカバーリップ２４
の内側に入り、該カバーリップ２４により覆われて外部
から見えなくなり、カバーパネル２２の上端部２２ａ付
近の外観を向上させることができる。

【００１５】図３は、本発明の他の実施形態に係るライ
ザーパネル用ウェザーストリップを示している。この実
施形態のライザーパネル用ウェザーストリップ２７が上
記実施形態のウェザーストリップ１７と異なる点は、図
３に示す如く、トリム部１８の室内２側の側壁部１８ｂ
であって、カバーリップ２４の下側にフロア３の上段部
３ａと当接するシール部２８が設けられていることであ
る。すなわち、シール部２８は、カバーリップ２４と同
様、フロア３の上段部３ａへ向かって下り傾斜に延び、
かつトリム部１８とカバーパネル２２の上端部２２ａと
の間の隙間２３に位置すべく一体的に形成されている。
その他の構成は上記実施形態の構成と同様である。

【００１６】このように本発明の実施形態に係るライザ
ーパネル用ウェザーストリップ２７では、カバーリップ
２４に加えて、更に同カバーリップ２４の下側にフロア
３の上段部３ａと当接するシール部２８が設けられてい
るため、上記実施形態のウェザーストリップ１７と同様
の効果を得ることができる上、エンジンルーム１０側と
室内２側の２箇所でシールが可能となり、防音および防
水等のシール機能をより一層高めることができる。

【００１７】以上、本発明の実施の形態につき述べた
が、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではな
く、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変
更が可能である。

【００１８】

【発明の効果】上述の如く、本発明に係るライザーパネ
ル用ウェザーストリップは、車両の座席下部であって、
フロアの開口部下方に設けられたエンジンルームと、前
記座席とを仕切るライザーパネルの外周端に下方へ向け
て折り曲げたフランジを設け、該フランジに開口部を上
向きに配置した状態で嵌め込まれる断面略Ｕ字形のトリ
ム部を備えたものであり、前記トリム部の室内側の側壁
に、前記フロアへ向かって延びるカバーリップを一体的
に形成し、前記ライザーパネルの閉時に、前記カバーリ
ップの先端部が前記フロアの側面に取付けたカバーパネ
ルに当接するように構成しているので、従来のように、
別部品の覆い部材を使用することなく外観品質を向上さ
せることができる。したがって、本発明のライザーパネ
ル用ウェザーストリップを適用すれば、従来よりも部品
点数および組付工数を削減することが可能となり、コス
トダウンと作業性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るライザーパネル用ウェ
ザーストリップが適用された自動車のシート付近を示す
全体概念図である。

【図２】図１におけるＡ部を拡大して示す断面図であ
る。

【図３】本発明の他の実施形態に係るライザーパネル用
ウェザーストリップ付近を示し、図１におけるＡ部拡大
断面図である。

【図４】従来のライザーパネル用ウェザーストリップ付
近を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 自動車 ２ 室内 ３ フロア ３ａ フロアの上段部 ４ フロントシート ６ シートクッション ８ エンジン ９ 開口部 １０ エンジンルーム １１ ライザーパネル １２ ロック装置 １６ フランジ １７，２７ ライザーパネル用ウェザーストリップ １８ トリム部 １８ｂ 室内側の側壁部 ２２ カバーパネル ２２ａ カバーパネルの上端部 ２３ 隙間 ２４ カバーリップ ２４ａ 先端部 ２８ シール部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の座席下部であって、フロアの開口
   部下方に設けられたエンジンルームと、前記座席とを仕
   切るライザーパネルの外周端に下方へ向けて折り曲げた
   フランジを設け、該フランジに開口部を上向きに配置し
   た状態で嵌め込まれる断面略Ｕ字形のトリム部を備えた
   ライザーパネル用ウェザーストリップにおいて、前記ト
   リム部の室内側の側壁に、前記フロアへ向かって延びる
   カバーリップを一体的に形成し、前記ライザーパネルの
   閉時に、前記カバーリップの先端部が前記フロアの側面
   に取付けたカバーパネルに当接するように構成したこと
   を特徴とするライザーパネル用ウェザーストリップ。
2. 【請求項２】 前記カバーリップの下側には、フロアと
   当接するシール部が設けられていることを特徴とする請
   求項１に記載のライザーパネル用ウェザーストリップ。