JP2000255060A - 圧電型インクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置及びその製造方法 - Google Patents

圧電型インクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置及びその製造方法

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JP2000255060A
JP2000255060A JP11057690A JP5769099A JP2000255060A JP 2000255060 A JP2000255060 A JP 2000255060A JP 11057690 A JP11057690 A JP 11057690A JP 5769099 A JP5769099 A JP 5769099A JP 2000255060 A JP2000255060 A JP 2000255060A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電へッド駆動素子を高精度に形成するとと
もに圧電へッド駆動構体とヘッド構体とを高精度に組み
立てる。 【解決手段】 圧電へッド駆動構体4に備えられた圧電
へッド駆動素子14の歪み変位動作によりヘッド構体3
を構成する振動板6を駆動してインク圧力室11に容積
変動を生じさせてノズル孔13からインク滴を飛翔さ
せ、画像等を記録する。圧電へッド駆動構体4は、圧電
材と電極材とを交互に積層してなる圧電へッド駆動素子
14と、この圧電へッド駆動素子14の両側面に接合さ
れるとともにヘッド構体3の基準プレート5に対応した
基準部25が形成されたサイドベース15とから構成さ
れる。圧電へッド駆動構体4は、サイドベース15の基
準部25と基準プレート5とを介してヘッド構体3と位
置決めされて直接組み合わされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧印加によって
生じる歪み変位動作により振動板を駆動してインク圧力
室に容積変動を生じさせ、インク滴を飛翔させるように
した圧電型インクジェットプリンタ用の圧電ヘッド装置
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オンデマンド型インクジェットプリンタ
は、記録画像等の解像度や画質の飛躍的な向上を可能と
するプリンタとして実用化されている。オンデマンド型
インクジェットプリンタは、そのヘッド装置により所定
のインク滴が所定の場所、時間の制御が行われて紙やフ
ィルム等の適宜の記録媒体に飛翔されて着弾することに
よって画像等の記録が行われる。へッド装置には、イン
ク滴を飛翔させる方法として、バブルジェット方式や圧
電方式が採用されている。
【0003】バブルジェット方式は、インク滴を飛翔さ
せるノズル孔の近傍に位置してインクを瞬間的に気化さ
せるヒータが設けられ、このヒータによってインクが気
化する際の膨張圧力によりインク滴を飛翔させる方式で
ある。また、圧電方式は、ノズル孔の近傍に設けられた
インキ溜まり部に圧電ヘッド駆動素子が設置されてな
る。圧電方式においては、電圧印加により圧電ヘッド駆
動素子に発生する歪み変位動作によりインク溜まり部に
容積変化を生じさせ、これに伴う圧力変化によりインク
滴を飛翔させる方式である。
【0004】圧電型ヘッド装置としては、例えば圧電ヘ
ッド駆動素子として、印加された電界と同方向に発生す
る歪み変位動作を利用してインク滴を飛翔させるように
した圧電へッド駆動素子や、印加された電界と直交する
方向に発生する歪み変位動作を利用してインク滴を飛翔
させるようにした圧電ヘッド駆動素子等が用いられてい
る。例えば特開平4−1052号公報には、印加された
電界と直交する方向に発生する歪み変位動作を利用して
インク滴を飛翔させる圧電素子を備えた圧電型ヘッド装
置が開示されている。
【0005】すなわち、この先願圧電型ヘッド装置は、
インク滴を飛翔させる多数個のノズル孔が形成されたノ
ズルプレートと、各ノズル孔に対応して多数個のインク
圧力室が形成されたインク溜めプレートと、振動板とを
積層してへッド構体が構成されている。先願圧電型へッ
ド装置は、ヘッド構体に対して基台と、多数個の圧電へ
ッド駆動素子等が組み合わされて構成されている。
【0006】圧電ヘッド駆動素子は、圧電セラミックと
電極材とを交互に積層してなる素材を基台に接合した状
態でダイヤモンドカッタ等によって所定幅に分割して各
インク圧力室に対応して振動板と接合される多数個が形
成される。圧電ヘッド駆動素子は、それぞれその一方側
面の基端部を基台に接着固定され、その接着領域が基台
との間にせん断歪みの発生を防止するように歪み変位動
作を発生しないような内部電極構造となっている。圧電
ヘッド駆動素子は、それぞれ一端を基台に固定された状
態において、自由端が振動板に接合される。
【0007】先願圧電型へッド装置においては、プリン
タ本体より記録画像等に基づく駆動信号が所定の圧電へ
ッド駆動素子に印加されると、この圧電ヘッド駆動素子
に歪み変位動作が生じる。先願圧電型ヘッド装置におい
ては、かかる圧電へッド駆動素子の歪み変位動作によっ
て対応する振動板が駆動されてインク圧力室に圧力が加
えられる。先願圧電型ヘッド装置においては、これによ
ってインク圧力室からインクが押し出されてノズル孔か
ら飛翔し、画像等が記録される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インクジェ
ットプリンタ装置に備えられるへッド装置には、種々の
特性が要求されるが、最も基本的な特性としてインク滴
の大きさを精度良くコントロール可能であること、イン
ク滴をできるだけ短い時間の間隔で連続的に飛翔させる
ための周波数応答特性等が挙げられる。また、ヘッド装
置は、最近の傾向として、印字速度を上げるためにイン
ク滴を飛翔させるための一色あたりのノズル数を増やす
対応が図られるとともに、特に色再現性を改善する目的
で色数も増える傾向になっている。さらに、ヘッド装置
は、インク滴の大きさについて、そのサイズを小さくし
て単位面積当たりのインク滴数を増やすことによって記
録画像等の解像度を上げる対応が図られている。ヘッド
装置は、かかる仕様によって各ノズル孔のピッチが微小
に構成される。
【0009】ところで、先願圧電型ヘッド装置は、上述
したように各圧電ヘッド駆動素子が基台との接着領域に
おいて歪み変位動作を発生することができないために、
その長さに対する発生変位の効率が悪いといった問題が
ある。さらにまた、先願圧電型へッド装置は、圧電ヘッ
ド駆動素子素材を基台に接合した状態においてダイヤモ
ンドカッタ等による分割処理を施して各圧電ヘッド駆動
素子を1個ずつ形成するために、その加工時間が長くな
って生産効率が悪くなるとともに、各圧電ヘッド駆動素
子をそれぞれ矩形の短冊状にしか形成することができな
いといった制約がある。
【0010】また、先願圧電型ヘッド装置においては、
各圧電ヘッド駆動素子が振動板に対する接触面積を分断
後の幅×厚みで決定されている。したがって、先願圧電
型へッド装置は、上述した振動板の効率的な駆動或いは
インク滴の吐出量の調整等を図るために振動板に対する
圧電ヘッド駆動素子の接触面積を減らす場合に、圧電ヘ
ッド駆動素子素材から幅寸法を小さくして圧電へッド駆
動素子を分断形成する必要がある。先願圧電型ヘッド装
置は、このように各圧電ヘッド駆動素子を小幅に分断し
て構成した場合に機械的強度が劣化することから、分断
幅に制約があり上述した微小ヒッチのノズル孔仕様に対
応することができないといった問題がある。
【0011】さらに、先願圧電型ヘッド装置において
は、各圧電ヘッド駆動素子がその自由端部を平担に形成
されて振動板と接触されているために、圧電ヘッド駆動
素子と振動板とをそれぞれ高精度に形成して接触面にお
いて互いに均一な状態で接触するように構成しなければ
ならない等の種々の問題がある。
【0012】発明者等は、上述した先願圧電型ヘッド装
置の問題点を解決するために、圧電ヘッド駆動素子素材
に対して基端部を残す分割溝加工を施すことにより多数
個の圧電ヘッド駆動素子を構成してなる新規な圧電型ヘ
ッド装置を開発した。かかる新規な圧電型ヘッド装置に
よれば、圧電ヘッド駆動素子素材が比較的厚みを有する
ことでこれを製作する際に焼成時の返り等の発生が抑制
されて高精度に製作され、また基台に対してより大きな
接合面積が得られることで接合強度の向上が図られるよ
うになる。新規な圧電型ヘッド装置は、圧電ヘッド駆動
素子素材に対して微小形状の多数個の圧電駆動片が高精
度にかつ効率良く形成されることで、ノズルビッチを微
小にして一色あたりのノズル数を増加したり記録画像等
の解像度の向上を図るようにした高精度の圧電型インク
ジェットプリンタを実現する。
【0013】しかしながら、かかる新規な圧電型ヘッド
装置においても、さらなるノズルビッチの微小化に伴う
インク圧力室の小型化或いは微小ピッチ化等に伴って上
述した分割溝加工の困難性、インク圧力室の位置精度或
いは圧電ヘッド駆動素子とヘッド部との組立精度等に限
界があった。新規な圧電型ヘッド装置は、かかる対応に
よってコスト低減の実現が困難であるといった課題があ
った。さらに、新規な圧電型ヘッド装置においては、圧
電ヘッド駆動素子素材に対して分割溝加工を施す際に、
微小化するほど最外側部位に形成される圧電駆動片と内
側部位に形成される圧電駆動片とでその傾き量に差異が
生じてしまい、精度が劣化するといった課題もあった。
【0014】したがって、本発明は、圧電へッド駆動素
子が高精度に形成されるとともに圧電へッド駆動構体や
ヘッド駆動構体の寸法精度のバラツキに関わらず高精度
に組み立てられ、一色あたりのノズル数を増加したり記
録画像等の解像度の向上を図るためにノズルやインク圧
力室のピッチが微小とされた圧電型インクジェットプリ
ンタに好適に用いられる圧電ヘッド装置及びその製造方
法を提供することを目的に提案されたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明にかかる圧電型インクジェットプリンタ用圧電ヘッド
装置は、圧電へッド駆動構体に備えられた圧電ヘッド駆
動素子の歪み変位動作によりヘッド構体を構成する振動
板を駆動してインク圧力室に容積変動を生じさせてノズ
ル孔からインク滴を飛翔させ、画像等を記録する圧電型
インクジェットプリンタに備えられる。圧電ヘッド装置
は、圧電へッド駆動構体が、圧電材と電極材とを交互に
積層してなる圧電へッド駆動素子と、この圧電へッド駆
動素子の両側面に接合されるとともにヘッド構体の基準
プレートに対応して基準部が形成されたサイドベースと
から構成されてなる。圧電ヘッド装置は、圧電へッド駆
動構体が、サイドベースの基準部と基準プレートとを介
してヘッド構体に対して位置決めされて直接組み合わさ
れてなる。
【0016】また、圧電ヘッド装置は、圧電へッド駆動
構体を構成するサイドベースの外側面が圧電へッド駆動
素子にヘッド構体の各インク圧力室に対応した多数個の
櫛歯状圧電駆動片を形成する分割溝形成加工を施す際の
基準面を構成してなる。さらに、圧電ヘッド装置は、サ
イドベースの外側面が各圧電駆動片の自由端を他の部位
に対して幅狭とする凸部形成加工を施す際の基準面を構
成してなる。
【0017】さらに、圧電ヘッド装置は、多数個のノズ
ル孔が形成されてなるノズルプレートと、このノズルプ
レートに接合されるとともに各ノズル孔にそれぞれ連通
する多数個のインク圧力室が形成されてなるインク溜プ
レートと、このインク溜プレートにインク圧力室を閉塞
するようにして接合された振動板と、この振動板に接合
された基準プレートとの積層体によってヘッド構体を構
成する。圧電ヘッド装置は、基準プレートに、各インク
圧力室に対応して圧電へッド駆動素子の自由端を貫通さ
せて振動板と接合させる多数個の開口部と、サイドベー
スが位置決め状態で嵌合される位置決め開口部とを形成
する。
【0018】以上のように構成された本発明にかかる圧
電型インクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置によれ
ば、圧電へッド駆動素子の両側面にサイドベースが接合
されることによって、焼成時の返り等の発生が抑制され
て高精度の寸法精度を以って制作されるとともにこのサ
イドベースの基準部を介してヘッド構体に対して高精度
の組立が行われるようになる。したがって、圧電ヘッド
装置は、一色あたりのノズル数を増加したり記録画像等
の解像度の向上を図るためにノズルやインク圧力室のピ
ッチが微小とされた圧電型インクジェットプリンタに好
適に用いられる。
【0019】上述した目的を達成する本発明にかかる圧
電型インクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置の製造方
法は、圧電へッド駆動構体の歪み変位動作によりヘッド
構体を構成する振動板を駆動してインク圧力室に容積変
動を生じさせ、ノズル孔からインク滴を飛翔させて画像
等を記録する圧電型インクジェットプリンタ用の圧電ヘ
ッド装置を製造する。圧電ヘッド装置の製造方法は、圧
電材と電極材とを交互に積層してなる圧電へッド駆動素
子に対して、その両側面に基準部が形成されたサイドベ
ースを接合することによって圧電へッド駆動構体を構成
する工程と、この圧電へッド駆動構体をヘッド構体に対
してサイドベースの基準部を基準として位置決めした状
態で組み合わせる工程とを経て圧電ヘッド装置を製造し
てなる。
【0020】また、本発明にかかる圧電ヘッド装置の製
造方法は、圧電へッド駆動素子とサイドベースとを、位
置決め治具を用いてそれぞれの自由端面が同一面若しく
は所定の段差を付されて組み合わされた状態で接合する
ようにする。さらに、圧電ヘッド装置の製造方法は、圧
電へッド駆動構体に対して、サイドベースの外側面を基
準面として圧電へッド駆動素子にヘッド構体の各インク
圧力室に対応した多数個の櫛歯状圧電駆動片を形成する
分割溝形成加工が施される。さらにまた、圧電ヘッド装
置の製造方法は、各圧電駆動片に対して、サイドベース
の外側面を基準面として、それぞれの自由端を他の部位
に対して幅狭とする凸部形成加工が施される。
【0021】さらに、圧電ヘッド装置の製造方法は、多
数個のノズル孔が形成されてなるノズルプレートと、こ
のノズルプレートに接合されるとともに上記ノズル孔に
それぞれ連通する多数個のインク圧力室が形成されてな
るインク溜プレートと、このインク溜プレートに上記イ
ンク圧力室を閉塞するようにして接合された振動板と、
この振動板に接合された基準プレートとの積層体によっ
てヘッド構体が構成され、このヘッド構体に対して圧電
へッド駆動構体が、各インク圧力室に対応して圧電へッ
ド駆動素子の自由端を貫通させて振動板と接合させる多
数個の開口部とサイドベースに対応して位置決め開口部
とがそれぞれ形成された基準プレートの位置決め開口部
にサイドベースを相対嵌合することにより位置決めした
状態で組み合わせる。
【0022】以上の工程を備える本発明にかかる圧電型
インクジェットプリンタにおける圧電ヘッド装置の製造
方法によれば、圧電へッド駆動素子の両側面にそれぞれ
サイドベースが接合されることによって、焼成時の返り
等の発生が抑制されて高精度の寸法精度を以って制作さ
れるとともにこのサイドベースの基準部を介してヘッド
構体に対して高精度の組立が行われるようになる。した
がって、圧電ヘッド装置は、一色あたりのノズル数を増
加したり記録画像等の解像度の向上を図るためにノズル
やインク圧力室のピッチが微小とされた高精度の圧電型
インクジェットプリンタを実現する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示
す圧電型ヘッド装置1は、図1に示すようにヘッドケー
ス2に組み合わされたヘッド構体3と圧電ヘッド駆動構
体4とを備える。圧電型ヘッド装置1は、圧電ヘッド駆
動構体4において、図示しないプリンタ本体から送出さ
れた画像信号等に基づいて印加された電界と直交する方
向の歪み変位動作が発生する。圧電型ヘッド装置1は、
この圧電ヘッド駆動構体4に生じた歪み変位動作によっ
てヘッド構体3が駆動され、インク滴を飛翔させて紙や
フィルム等の適宣の記録媒体に着弾させ画像等の記録を
行う。
【0024】圧電型ヘッド装置1は、ヘッドケース2を
介してプリンタ本体の駆動部に組み込まれる。ヘッドケ
ース2は、軽量かつ充分な機械的剛性を有する金属材等
によって形成され、圧電ヘッド駆動構体4を組み込む開
口部2aが形成されている。ヘッドケース2は、開口部
2a内に圧電ヘッド駆動構体4を嵌合するとともに必要
に応じて接着剤によって接合固定する。
【0025】ヘッド構体3は、図1及び図2に示すよう
に基準プレート5と、振動板6と、インク溜めプレート
7及びノズルプレート8等の部材によって構成される。
ヘッド構体3は、これら構成部材が適宜の位置決め手段
を介して上側からこの順で積層状態に組み合わされると
ともに、各部材間を接着剤によって接合することにより
積層体を構成してなる。
【0026】基準プレート5は、上述したヘッド構体3
を圧電ヘッド駆動構体4に組み合わせる際の基準部材を
構成する。基準プレート5は、高精度の加工を可能とす
るとともに機械的剛性を有する材料、例えばSUS等の
鋼板、銅板、プラスチック板或いはセラミック板等によ
って形成される。基準プレート5には、多数個の圧電駆
動片嵌合穴9と、サイドベース嵌合穴10(10a、1
0b)とが形成されている。基準プレート5は、これら
圧電駆動片嵌合穴9とサイドベース嵌合穴10とが精密
に形成されている。
【0027】各圧電駆動片嵌合穴9は、全体矩形を呈し
ており、ヘッド構体3の構成各部材を組み合わせた状態
において図1及び図2に示すように後述するインク圧力
室11が精密に対応位置される。サイドベース嵌合穴1
0は、各圧電駆動片嵌合穴9を挟んだ両側に位置して開
口されており、それぞれの外側開口縁10a1、10b
1が圧電ヘッド駆動構体4を組み付ける際の基準面を構
成している。サイドベース嵌合穴10は、外側開口縁1
0a1、10b1の間隔Dが精密に設定されている。ま
た、サイドベース嵌合穴10は、外側開口縁10a1、
10b1と両側の圧電駆動片嵌合穴9とが間隔Lに精密
に設定されている。
【0028】以上のように構成された基準プレート5に
は、後述するように圧電駆動片嵌合穴9に圧電ヘッド駆
動構体4の各圧電駆動片部17が相対嵌合されるととも
にサイドベース嵌合穴10にサイドベース15が相対嵌
合されてこれらを位置決めする。
【0029】振動板6は、後述する圧電ヘッド駆動素子
14の圧電駆動片部17の歪み変位動作に基づいて振動
動作される。振動板6は、この振動動作により圧電駆動
片部17に対応してインク溜めプレート7に形成された
インク圧力室11内に容積変動を生じさせる。振動板6
は、圧電駆動片部17の歪み変位動作に対して減衰をで
きるだけ小さくして振動動作するとともにインク液に対
する化学的な耐久性を有する適宜の材料、例えばポリイ
ミド系のフィルム材によって形成されている。
【0030】インク溜めプレート7は、精密な機械加工
を可能とするとともにインク液に対する化学的な耐久性
を有する適宜の金属或いはセラミック材、プラスチック
材料等によって形成されている。インク溜めプレート7
には、例えばSUSにエッチング処理やプレス加工を施
すことによって、上述した基準プレート5の各圧電駆動
片嵌合穴9に対応して数個乃至数百個のインク圧力室1
1が形成されている。インク溜めプレート7には、一端
が各インク圧力室11にそれぞれ連通されるとともに他
端が後述するノズル孔13にそれぞれ連通するインク流
路12が形成されている。インク溜めプレート7には、
図示しないが各インク圧力室11に流路を介してインク
を供給するインク溜め室がそれぞれ対応して形成されて
いる。
【0031】ノズルプレート8には、上述したように各
インク圧力室11のインク流路12にそれぞれ連通して
インク滴を飛翔させる数個乃至数百個のノズル孔13
が、互いに微小なピッチを以って形成されている。ノズ
ルプレート8は、多数個の精密なノズル孔13の孔加工
を可能とするとともにインク液に対する化学的な耐久性
を有する適宜の金属或いはプラスチック材料によって形
成されている。ノズルプレート8には、例えば樹脂フィ
ルムにエキシマレーザ加工を施して多数個のノズル孔1
3が形成される。ノズル孔13の加工は、例えば金属に
エッチング加工或いはプレス等の機械加工を施して形成
してもよい。
【0032】各ノズル孔13は、インク滴の飛翔状態に
大きな影響を生じさせることから精密に加工形成され、
一般に数μm乃至数十μmの内径を有する丸孔によって
構成される。勿論、ノズル孔13は、丸孔に限定される
ものではなく、インク滴の飛翔に適した形状であるとと
もに形成することが可能な形状であればよく、例えば楕
円形、多角形、三日月形成いはハート形等の精密な加工
が可能な適宜の形状に形成してもよい。
【0033】圧電ヘッド装置1は、図1に示すように上
述したヘッド構体3に対して圧電へッド駆動素子構体4
が直接位置決めされた状態で組み合わされる。圧電へッ
ド駆動素子構体4は、図3及び図5に示すように圧電へ
ッド駆動素子14と、サイドベース15と、補強部材1
6とから構成される。圧電へッド駆動素子構体4には、
例えば上端部に図示しないが圧電へッド駆動素子14を
支持する基台を取り付けてもよい。この基台は、圧電へ
ッド駆動素子14の支持部材を構成するとともに、共通
表面電極を設けて後述する各電極に対する給電部材とし
ても機能させるようにする。なお、基台については、共
通表面電極を構成するために、導電性を有する金属材料
によって形成したり、上面にメタライジング処理を施し
て導電性が付与されたセラミックスや合成樹脂材料によ
って成形してもよい。
【0034】圧電へッド駆動素子14は、圧電材料と導
電材料とを所定の厚みで交互に積層してこれを焼成する
ことにより製作された圧電ヘッド駆動素子素材30を素
材とし、詳細を後述する工程を経て製作される。圧電材
料には、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系のぺースト状の
材料が用いられる。導電材料には、例えば銀パラジウム
のペースト状の材料が用いられる。勿論、圧電ヘッド駆
動素子素材30は、他の適宜の圧電材料と導電材料とを
用いて製作してもよい。
【0035】圧電ヘッド駆動素子14は、各インク圧力
室11に対応して櫛歯状に形成された互いに平行な多数
個の圧電駆動片部17と、これら圧電駆動片部17の基
部を一体化する連結基部18とから構成される。各圧電
駆動片部17は、それぞれ短冊状を呈しており、相互の
間隔が各インク圧力室11の間隔と精密に一致されて形
成されている。
【0036】圧電ヘッド駆動素子14には、素材の状態
で図4に示すようにスクリーン印刷法等によって連結基
部18の上面に第1の表面電極19が成膜形成されると
ともに、圧電材料層と導電材料層との積層面と平行な両
側面に第2の表面電極20が成膜形成されている。
【0037】圧電へッド駆動素子14には、上述した各
導電材層によって互いに平行な複数の第1の内部電極2
1と第2の内部電極22とが構成されている。各第1の
内部電極21と各第2の内部電極22とは、圧電材料層
によって互いに電気的絶縁が保持されている。第1の内
部電極21は、連結基部18の上面に露呈されて第1の
表面電極19と電気的に接続されることによって共通電
極を構成する。第1の内部電極21は、各圧電駆動片部
17の自由端から所定の高さ位置hまで形成されてお
り、下端面に露呈されていない。したがって、第1の内
部電極21は、各圧電駆動片部17の自由端において圧
電材料層によって電気的絶縁が保持されている。
【0038】第2の内部電極22は、各圧電駆動片部1
7の自由端に露呈され、その自由端から各圧電駆動片部
17の高さ位置の範囲で形成されることによって上面に
露呈されていない。したがって、第2の内部電極22
は、連結基部18の部位においては形成されておらず第
1の表面電極19に対して圧電材料層によって電気的絶
縁が保持されている。第2の内部電極22は、各圧電駆
動片部17を駆動する個別電極を構成する。
【0039】圧電へッド駆動素子14には、第1の内部
電極21及び第2の内部電極22に対して適宜の給電部
材を介して画像信号等に応じた電圧が印加される。給電
部材としては、例えば各圧電駆動片部17の下端面が当
接する振動板6がこれを兼用する。各圧電駆動片部17
には、上述したようにその下端面に第2の内部電極22
が露呈されている。振動板6には、各圧電駆動片部17
の当接部位に対応して端子部がパターン形成されてお
り、圧電ヘッド駆動構体4がヘッド構体3と組み合わさ
れた状態において導電性接着剤等を介して相対する端子
部と第2の内部電極22とが接続される。
【0040】給電部材としては、例えば圧電へッド駆動
素子14を支持する基台を有する場合、各圧電駆動片部
17に対応して短冊状に切り分けられた接続端子部を有
するフレキシブル配線基板によって構成してもよい。フ
レキシブル配線基板は、基台に接合固定されるとともに
各接続端子部が導電性接着剤を介して圧電へッド駆動素
子14の側面に接合される。フレキシブル配線基板は、
接続端子部を介して第2の内部電極22に駆動電圧を印
加する。
【0041】給電部材としては、例えば基台に固定され
た接続基板によって構成される。接続基板は、各圧電駆
動片部17に対応して端子部が形成されており、圧電へ
ッド駆動素子14の側面に位置合わせされた状態で異方
性導電膜等を介して接合される。接続基板は、端子部を
介して第2の内部電極22に駆動電圧を印加する。
【0042】以上のように構成された圧電駆動片部17
には、給電部材を介して画像信号等に基づいて共通電極
と個別電極とに所定の温度条件下で所定の向きの電圧が
印加される。圧電駆動片部17は、これによって所定の
向きに分極されて圧電特性が生成されて供給電圧の向き
と大きさに応じた所定の方向に歪み変位動作が発生す
る。圧電駆動片部17は、図4において互いに向かい合
う第2の表面電極20及び第1の内部電極21と第2の
内部電極22とに直交する高さ方向の歪み変位動作が発
生する。
【0043】圧電へッド駆動素子14は、第1の内部電
極21と第2の内部電極22とが対向する部位が電圧印
加によって圧電振動を生じる活性領域を構成し、これら
第1の内部電極21と第2の内部電極22との対向部位
が存在しない部位が電圧印加によっても圧電振動を生じ
ない不活性領域を構成する。圧電へッド駆動素子14
は、連結基部18と各圧電駆動片部17の先端部が不活
性領域を構成している。圧電へッド駆動素子14は、各
層の圧電材料の圧電常数が等しく、第1の内部電極21
と第2の内部電極22との間隔が等しく、印加される電
界の大きさが等しい条件において、各圧電駆動片部17
に活性領域の長さに比例した歪み変位量を発生させるよ
うになる。圧電へッド駆動素子14は、基台に対して片
持ち状態で支持されることから、高さ寸法に対して効率
良い活性領域を有する圧電駆動片部17が構成される。
【0044】圧電へッド駆動素子14には、各圧電駆動
片部17の先端部に後述する凸部形成工程が施されるこ
とによってそれぞれ凸部23が一体に形成されている。
圧電へッド駆動素子14は、凸部23によって振動板6
に突き当てられる各圧電駆動片17の先端部がそれぞれ
幅狭とされる。圧電へッド駆動素子14は、圧電ヘッド
駆動構体4がヘッド構体3と組み合わされた状態におい
て、多少の位置ズレがあった場合でも各圧電駆動片部1
7が微小なピッチで形成された各インク圧力室11に対
応した領域に正確に位置されて振動板6に当接されるよ
うになる。
【0045】したがって、圧電へッド駆動素子14は、
振動板6に対して各圧電駆動片部17が安定した接触状
態に保持されるようになる。圧電へッド駆動素子14
は、かかる構成によって各圧電駆動片部17の歪み変位
動作が振動板6を介して対応する各インク圧力室11に
安定かつ確実に伝達されることで、画像等の正確かつ精
密な記録を行うことを可能とする。また、圧電ヘッド駆
動素子14は、各圧電駆動片部17がある程度の断面寸
法を以って形成されることによって機械的強度が保持さ
れる。
【0046】以上のように構成された圧電へッド駆動素
子14には、その両側面にそれぞれサイドベース15が
接合される。サイドベース15は、詳細には圧電へッド
駆動素子素材30の状態でその両側面にそれぞれ接合さ
れて後述する機会加工を施される部材である。サイドベ
ース15は、圧電へッド駆動素子14よりもヤング率が
大きい材料、例えばセラミック材によって形成される。
サイドベース15は、図5に示すように圧電へッド駆動
素子14に対してその厚み寸法、幅寸法及び高さ寸法が
それぞれやや大とされた板状部材からなる。サイドベー
ス15には、先端部の内面にそれぞれ凹部24が形成さ
れている。
【0047】これら凹部24は、その深さが各圧電駆動
片部17の凸部23の高さとほぼ等しく、後述する圧電
へッド駆動素子素材30に対して各圧電駆動片部17の
形成工程を施す際に、外側の圧電駆動片部17a、17
bをそれぞれ高精度に形成するための加工工具の逃げを
構成する。
【0048】サイドベース15には、外側面にそれぞれ
基準段部25(25a、25b)が形成されている。こ
れら基準段部25は、圧電へッド駆動素子14の幅寸法
Eを精密に規定するために詳細を後述する機械加工がサ
イドベース15の両側面に施されて形成される。これら
基準段部25は、その間隔Eが、基準プレート5の外側
開口縁10a1、10b1の間隔Dと高精度に一致され
てなる。また、基準段部25は、図3に示す圧電へッド
駆動素子14の両側に位置して形成された圧電駆動片部
17a、17bとのそれぞれの間隔Mが、図2に示す基
準プレート5に形成された圧電駆動片嵌合穴9とサイド
ベース嵌合穴10との間隔Lと精密に一致されてなる。
サイドベース15は、基準段部25によって精密に形成
された先端部15a1、15b1が、それぞれサイドベ
ース嵌合穴10との嵌合部を構成する。
【0049】サイドベース15は、圧電へッド駆動素子
素材30の両側面に接合されることによって組立状態に
おいて圧電へッド駆動素子構体4の機械的強度を向上さ
せる作用を奏する。また、サイドベース15は、後述す
るように圧電へッド駆動素子素材30に所定の機械加工
を施す際に、圧電へッド駆動素子14の圧電駆動片部1
7を含む各部の寸法精度の向上を図る作用を奏する。
【0050】サイドベース15には、その対向間隔を保
持するようにして補強板16が接合される。補強板16
も、圧電へッド駆動素子14よりもヤング率が大きい材
料、例えばセラミック材やアルミナ材等によって形成さ
れ、その幅寸法がサイドベース15の対向間隔、換言す
れば圧電へッド駆動素子14の幅寸法とほぼ等しい板状
部材からなる。
【0051】補強板16は、その一方主面が圧電へッド
駆動素子14を構成する圧電へッド駆動素子素材30の
相対する主面に接合されて、この圧電へッド駆動素子素
材30に対して所定の機械加工が施されるようにする。
補強板16は、具体的には圧電へッド駆動素子14の連
結基部18に対応した部位に接合される。また、補強板
16は、圧電へッド駆動素子14に対してサイドベース
15を接合する際に、その両側面がサイドベース15の
対向主面にそれぞれ接合される。
【0052】補強板16は、接合状態において、図3及
び図5に示すようにその上面をサイドベース15の上面
と略面一とされるとともに圧電へッド駆動素子14の上
面よりもやや突出している。したがって、補強板16
は、サイドベース15とともに圧電へッド駆動素子14
の外周部を囲むことによって機械的保護を図る作用を奏
している。
【0053】以上のように構成された圧電ヘッド素子構
体4は、図1に示すように、基準プレート5とサイドベ
ース15とを組立の基準部材としてヘッド構体3に組み
立てられて圧電型ヘッド装置1を構成する。圧電型ヘッ
ド装置1は、上述したように互いに高精度に形成された
基準プレート5側のサイドベース嵌合穴10の外側開口
縁10a1、10b1とサイドベース15側の先端部1
5a1、15b1とを基準にして組み立てられる。圧電
型ヘッド装置1は、かかる構成によって、一色あたりの
ノズル数を増加したり記録画像等の解像度の向上を図る
ために微小化されたノズル孔2に対応して微小なピッチ
や形状に形成された相対応する各インク圧力室11と圧
電駆動片部17との精密な位置合わせが行われるように
なる。
【0054】圧電型ヘッド装置1は、図示しないインク
溜め室に供給されたインクが、このインク溜め室から流
路を介してインク圧力室11内に供給されて溜められ
る。圧電型へッド装置1には、プリンタ本体より記録画
像等に基づく駆動信号が圧電ヘッド駆動構体4に印加さ
れる。圧電型へッド装置1は、所定の圧電駆動片部17
に歪み変位動作が生じて対応するインク圧力室11に圧
力を加える。圧電型へッド装置1は、この圧力によって
インク圧力室11内に容積変動が生じてインク流路12
を介してインクが押し出され、ノズル孔13からインク
滴を飛翔させて記録媒体に所定の画像等を記録する。
【0055】次に上述した圧電ヘッド駆動構体4の製造
工程について図6を参照して説明する。第1の工程は、
同図(a)に示すように圧電材料と導電材料とを所定の
厚みで交互に積層してこれを焼成することにより製作さ
れた圧電ヘッド駆動素子素材30に対して補強板16を
接合して第1の中間体31を形成する工程である。な
お、圧電ヘッド駆動素子素材30には、不活性領域32
の上面に予め第1の表面電極19が形成されるとともに
各圧電駆動片部17の形成領域に対応する活性領域33
の側面に第2の表面電極20が形成されている。
【0056】圧電ヘッド駆動素子素材30には、同図に
示すように第1の内部電極21と第2の内部電極22と
が対向していない連結基部18に対応する不活性領域3
2に補強板16が積層状態で接合される。補強板16
は、同図に示すようにその上端部や両端部が圧電ヘッド
駆動素子素材30の上面や両側面からやや突出するよう
にして接合される。第1の中間体31は、補強板16に
よって後述する研削加工や取り扱い時における圧電ヘッ
ド駆動素子素材30の外周縁の欠けや表面電極19、2
0の剥離といった不都合の発生が抑制される。
【0057】第2の工程は、同図(b)に示すように第
1の中間体31の両側面に研削加工を施して第2の中間
体34を形成する工程である。第2の中間体34は、そ
の幅寸法Nが基準プレート5のサイドベース嵌合穴10
の対向間隔と一致されるように高精度に研削される。
【0058】第3の工程は、同図(c)に示すように第
2の中間体34に対してその両側面にそれぞれサイドベ
ース15を接合することによって第3の中間体35を形
成する工程である。このサイドベース15の接合工程に
おいては、同図(d−1)及び(d−2)に示すように
組立治具36が用いられる。組立治具36は、幅方向の
基準面を構成する第1の部位36aと厚み方向の基準面
を構成する第2の部位36bとが直交された全体L字状
を呈している。第3の中間体35は、図(d−1)及び
(d−2)の矢印で示すように各部が第1の部位36a
と第2の部位36bとに押し付けられた状態で第2の中
間体34とサイドベース15とが接合されることで高精
度の組立体が構成される。
【0059】第4の工程は、同図(e)に示すように各
サイドベース15に対してそれぞれの外側面に基準段部
25a、25bを形成する工程である。この基準段部形
成工程においては、サイドベース15の外側面を研削す
る第1の研削部38a、38bと、サイドベース15と
圧電ヘッド駆動素子素材30との接合部位を研削する第
2の研削部39a、39bとを有する研削砥石37a、
37bが用いられる。第3の中間体35は、この工程に
よって全体の幅寸法Eが精密に形成されるとともにサイ
ドベース15と圧電ヘッド駆動素子素材30との接合部
位に凹部24a、24bが形成されて同図(f)に示す
第4の中間体40が形成される。
【0060】第4の中間体40には、その先端面に研削
砥石を用いて上述した凸部23を形成するための凸部形
成工程が施される。凸部形成工程においては、圧電ヘッ
ド駆動素子素材30の先端面から活性領域22に達しな
い範囲で高さ方向の多数個の凸部23を形成する。各凸
部23は、上述したように各圧電駆動片部17に対応し
たピッチを以って精密に形成される。
【0061】第4の中間体40には、例えば図7に示し
た分割溝形成研削砥石41を用いて圧電ヘッド駆動素子
素材30に多数個の分割溝が研削形成されることによっ
て、分割溝の切り残し部位に多数個の圧電駆動片部17
を形成する分割溝形成工程が施される。なお、分割溝形
成工程には、分割溝形成研削砥石41による研削加工ば
かりでなく、例えばワイヤカッティング加工やパウダー
ビーム加工を施して分割溝を形成するようにしてもよ
い。
【0062】分割溝形成工程は、分割溝形成研削砥石4
1によって第4の中間体40に対して圧電ヘッド駆動素
子素材30の先端面から高さ方向に不活性領域32に至
る多数個の分割溝を形成する工程である。第4の中間体
40には、所定のピッチと深さを有する多数個の分割溝
が形成されることによって、不活性領域32において連
結基部18によって連設された多数個の圧電駆動片部1
7が形成される。
【0063】分割溝形成工程は、例えば一方のサイドベ
ース15aの基準段部25aから間隔Mの位置に第1の
分割溝を形成して第1の圧電駆動片部17aを形成する
が、図7(a)に示すように分割溝形成研削砥石41が
多数個の研削部を有することで他の圧電駆動片部17も
同時に形成される。各分割溝は、サイドベース15の基
準段部25aを基準として基準プレート5に各インク圧
力室11に対応して所定のピッチで形成された各圧電駆
動片嵌合穴9に対応する多数個の圧電駆動片部17を形
成する。
【0064】第4の中間体40には、上述したように圧
電ヘッド駆動素子素材30の両側面にサイドベース15
が接合されるとともにサイドベース15との接合部に凹
部24が形成されている。分割溝形成工程は、かかる構
成によって圧電ヘッド駆動素子素材30の両側面の近傍
位置に第1の圧電駆動片部17aを高精度に形成し、全
体の歩留り率の向上を図るようにする。圧電ヘッド駆動
素子14は、圧電駆動片部17に電圧が印加されて歪み
変位動作が生じた場合に、各圧電駆動片部17が均一に
形成されていないと抵抗力が異なって曲がり現象が生じ
るために精密に形成されていなければならない。
【0065】すなわち、分割溝形成研削砥石41は、サ
イドベース15が接合されていない圧電ヘッド駆動素子
素材30に対して分割溝研削加工を施す場合に、図7
(b)に示すように外側部位41aが研削の進行によっ
て次第に外側へと傾斜していく現象を呈する。したがっ
て、形成される圧電ヘッド駆動素子14は、かかる分割
溝形成研削砥石41の動作によって外側の分割溝の溝
幅、換言すれば第1の圧電駆動片部17aが根元に向か
って次第に幅広となって他の圧電駆動片部17と異なる
形状となる。圧電ヘッド駆動素子14は、第1の圧電駆
動片部17aと他の圧電駆動片部17との動作特性にバ
ラツキが生じて画像等の精密な記録動作が行われないと
いった問題を生じさせる。
【0066】分割溝形成工程においては、かかる問題点
を解決するために例えば同図(c)に示すように圧電ヘ
ッド駆動素子素材30の側面部に充分な領域kを保持し
て分割溝研削加工を施す対応が考慮される。圧電ヘッド
駆動素子素材30は、分割溝形成研削砥石41の各部位
が均一の条件で分割溝を研削加工することで高精度の圧
電駆動片部17が形成されるようになる。しかしなが
ら、圧電ヘッド駆動素子素材30は、両側に余剰の領域
kを有することでより大型のものが用いられることか
ら、材料コストがアップするといった問題がある。
【0067】なお、第4の中間体40には、上述したよ
うに基準段部形成加工、凸部形成加工及び分割溝形成加
工とが施されるが、これら各加工をそれぞれ独立に施し
て或いは同時に施してもよい。
【0068】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる圧電型インクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置に
よれば、圧電へッド駆動素子の両側面に接合されたサイ
ドベースの基準部を介して圧電へッド駆動構体とヘッド
構体とを直接位置決めして組み合わせて構成されること
によって高精度の組立が行われる。また、圧電型インク
ジェットプリンタ用圧電ヘッド装置においては、圧電ヘ
ッド駆動素子に微小かつ微細なピッチで多数個の圧電駆
動片部が高精度にかつ互いに均一に形成される。したが
って、圧電型インクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置
は、一色あたりのノズル数を増加したり記録画像等の解
像度の向上を図るためにノズルやインク圧力室のピッチ
が微小とされた圧電型インクジェットプリンタに好適に
用いられ、記録画像等を高精度に記録する。
【0069】また、本発明にかかる圧電型インクジェッ
トプリンタ用圧電ヘッド装置の製造方法によれば、圧電
へッド駆動素子の両側面に接合されたサイドベースの基
準部を介して圧電へッド駆動構体とヘッド構体とを直接
位置決めして組立することから、高精度の組立が簡易な
工程によって行われるようになる。また、圧電型インク
ジェットプリンタ用圧電ヘッド装置の製造方法において
は、圧電ヘッド駆動素子に微小かつ微細なピッチで互い
に均一な多数個の圧電駆動片部を高精度にかつ材料歩留
りよく形成することを可能とする。したがって、圧電型
インクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置の製造方法に
よれば、一色あたりのノズル数を増加したり記録画像等
の解像度の向上を図るためにノズルやインク圧力室のピ
ッチが微小とされた高精度で廉価な圧電型インクジェッ
トプリンタを実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる圧電型インクジェットプリンタ
用圧電ヘッド装置の要部斜視図である。
【図2】同圧電ヘッド装置を構成するヘッド構体の要部
斜視図である。
【図3】同圧電ヘッド装置を構成する圧電へッド駆動構
体の要部正面図である。
【図4】同圧電へッド駆動構体に備えられる圧電ヘッド
駆動素子の要部斜視図である。
【図5】同圧電へッド駆動構体の要部斜視図である。
【図6】同圧電へッド駆動構体の製作工程の説明図であ
る。
【図7】圧電ヘッド駆動素子素材に施す分割溝形成工程
の説明図である。
【符号の説明】
1 圧電型へッド装置、2 ヘッドケース、3 ヘッド
構体、4 圧電ヘッド駆動構体、5 基準プレート、6
振動板、7 インク溜めプレート、8 ノズルプレー
ト、9 圧電駆動片嵌合穴、10 サイドベース嵌合
穴、11 インク圧力室、13 ノズル孔、14 圧電
ヘッド駆動素子、15 サイドベース、16 補強板、
17 圧電駆動片部、18 連結基部、23 凸部、2
4 凹部、25 基準段部、30 圧電ヘッド駆動素子
素材、36 組立治具

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電へッド駆動構体に備えられた圧電へ
    ッド駆動素子の歪み変位動作により、ヘッド構体を構成
    する振動板を駆動してインク圧力室に容積変動を生じさ
    せ、ノズル孔からインク滴を飛翔させて画像等を記録す
    る圧電型インクジェットプリンタにおいて、 上記圧電へッド駆動構体は、圧電材と電極材とを交互に
    積層してなる上記圧電へッド駆動素子と、この圧電へッ
    ド駆動素子の両側面に接合されるとともに上記ヘッド構
    体の基準プレートに対応して基準部が形成されたサイド
    ベースとから構成されてなり、 上記サイドベースの基準部と基準プレートとを介して、
    上記ヘッド構体に対して位置決めされて組み合わされた
    ことを特徴とする圧電型インクジェットプリンタ用圧電
    ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 上記圧電へッド駆動構体は、上記サイド
    ベースの外側面が基準面として構成されてなり、 上記基準面が、上記圧電へッド駆動素子に上記ヘッド構
    体の各インク圧力室に対応した多数個の櫛歯状圧電駆動
    片を形成する分割溝形成加工を施す際の基準面を構成す
    ることを特徴とする請求項1に記載の圧電型インクジェ
    ットプリンタ用圧電ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 上記基準面は、上記各圧電駆動片の自由
    端を他の部位に対して幅狭とする凸部形成加工を施す際
    の基準面を構成することを特徴とする請求項2に記載の
    圧電型インクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 上記ヘッド構体は、多数個のノズル孔が
    形成されてなるノズルプレートと、このノズルプレート
    に接合されるとともに上記ノズル孔にそれぞれ連通する
    多数個のインク圧力室が形成されてなるインク溜プレー
    トと、このインク溜プレートに上記インク圧力室を閉塞
    するようにして接合された振動板と、この振動板に接合
    された基準プレートとの積層体によって構成され、 上記基準プレートには、上記各インク圧力室に対応して
    上記圧電へッド駆動素子の自由端を貫通させて上記振動
    板と接合させる多数個の開口部が形成されるとともに、
    上記サイドベースが位置決め状態で嵌合される位置決め
    開口部とが形成されたことを特徴とする請求項1に記載
    の圧電型インクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置。
  5. 【請求項5】 圧電へッド駆動構体の歪み変位動作によ
    りヘッド構体を構成する振動板を駆動してインク圧力室
    に容積変動を生じさせ、ノズル孔からインク滴を飛翔さ
    せて画像等を記録する圧電型インクジェットプリンタ用
    圧電ヘッド装置の製造方法において、 圧電材と電極材とを交互に積層してなる圧電へッド駆動
    素子に対して、その両側面に基準部が形成されたサイド
    ベースを接合することによって圧電へッド駆動構体を構
    成する工程と、 上記圧電へッド駆動構体を、上記ヘッド構体に対して、
    上記サイドベースの基準部を基準として位置決めした状
    態で組み合わせる工程とを有することを特徴とする圧電
    型インクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記圧電へッド駆動素子とサイドベース
    とは、位置決め治具を用いてそれぞれの自由端面が同一
    面若しくは所定の段差を付されて組み合わされた状態で
    接合されることを特徴とする請求項5に記載の圧電型イ
    ンクジェットプリンタ用圧電ヘッド装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記圧電へッド駆動構体には、上記サイ
    ドベースの外側面を基準面として、上記圧電へッド駆動
    素子に上記ヘッド構体の各インク圧力室に対応した多数
    個の櫛歯状圧電駆動片を形成する分割溝形成加工が施こ
    されることを特徴とする請求項5に記載の圧電型インク
    ジェットプリンタ用圧電ヘッド装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記各圧電駆動片に対して、上記サイド
    ベースの外側面を基準面として、それぞれの自由端を他
    の部位に対して幅狭とする凸部形成加工を施すことを特
    徴とする請求項7に記載の圧電型インクジェットプリン
    タ用圧電ヘッド装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 多数個のノズル孔が形成されてなるノズ
    ルプレートと、このノズルプレートに接合されるととも
    に上記ノズル孔にそれぞれ連通する多数個のインク圧力
    室が形成されてなるインク溜プレートと、このインク溜
    プレートに上記インク圧力室を閉塞するようにして接合
    された振動板と、この振動板に接合された基準プレート
    との積層体によって構成されてなり、上記基準プレート
    には上記各インク圧力室に対応して上記圧電へッド駆動
    素子の自由端を貫通させて上記振動板と接合させる多数
    個の開口部と上記サイドベースに対応する位置決め開口
    部とが形成されてなる上記ヘッド構体に対して、 上記サイドベースが上記基準プレートの上記位置決め開
    口部と相対嵌合されることによって、上記圧電へッド駆
    動構体が位置決めした状態で組み合わされることを特徴
    とする請求項5に記載の圧電型インクジェットプリンタ
    用圧電ヘッド装置の製造方法。
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