JP2000254962A - ブロー成形品の製造方法およびブロー成形品 - Google Patents

ブロー成形品の製造方法およびブロー成形品

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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂シートとパリソン表面間の密着度を増すと
ともに表面転写性に優れた高品質の貼り合わせブロー成
形品を得ることができるブロー成形品の製造方法および
ブロー成形品を提供する。 【解決手段】金型のキャビティ面とパリソンの間に熱可
塑性樹脂シートを配置し、型締めするとともに前記パリ
ソンの内部から圧力を加えて成形するブロー成形品の製
造方法において、パリソンの表面に凹凸を形成して成形
することを特徴とするブロー成形品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パリソン表面に樹
脂シートを貼り合わせた成形品を成形する貼り合わせブ
ロー成形方法に係り、特に外観の優れた高品質の、樹脂
シート貼り合わせ成形品を得ることができるブロー成形
品の製造方法およびブロー成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂成形品を得る方法として、射出成形
法やブロ−成形法がある。射出成形法は、溶融樹脂を密
閉された金型内に高圧(200〜1000kg/c
2)で射出して、金型の成形面を樹脂に転写する方式
である。樹脂圧が高圧であり、成形面の転写が正確に行
われるため、鏡面やしぼ面を有する成形品を得るのには
適している。しかし、高速、高圧であるため、使用時に
於いてデザインがプリントされたフィルム、シート、布
層を成形品の表面に形成して意匠性を高めることは困難
である。また、高圧に耐える金型が必要なため、金型の
構造が複雑化してコスト高となり、多品種少量生産等に
は不適であったり、中空品の成形には特別な工夫が必要
なため、生産工程が複雑化するという問題もある。
【0003】ブロ−成形法は、パリソン(溶融・軟化状
態の中空円筒形状の樹脂)を金型間に供給した後に型締
し、その中空部に流体を圧送することでパリソンの外面
を金型の成形面に押しつけて転写する方式である。流体
の圧力で押しつけるため、比較的低圧(4〜10kg/
cm2)であり、このため、成形面が正確に転写され
ず、鏡面やしぼ面を有する成形品を得るのには不適であ
る。しかし、中空品の大量生産には適しているため、広
く行われており、ブロー成形で鏡面やしぼ面を有する中
空の樹脂成形品を、簡易な工程で生産したいという要請
がある。
【0004】一方、ブロー成形の大きな問題として、バ
リのリサイクル使用と、材料変更時のダイ洗浄がある。
ブロー成形は成形法や製品の大きさにより異なるが、製
品重量の約5%〜70%のバリが発生する。従って製品
のコスト低減のためにはこのバリのリサイクル使用が必
須であるが、同時に異物混入や焼けスジ発生等外観不良
の原因となっている。また材料替え時の洗浄はブローダ
イの分解洗浄が基本であるが、大型成形機や多層ブロー
ダイ等分解が困難なブローダイでは、樹脂のパージによ
る洗浄がメインであり、数時間の洗浄時間と数百kgを
越える洗浄樹脂を必要とし、コストアップの要因と産業
廃棄物の増大につながっていた。
【0005】このようなブロー成形の問題を解決するた
め、吐出されたパリソンと金型キャビティとの間に樹脂
シートを介在させたうえ金型を型締めし、表面に樹脂シ
ートを貼り合わせたブロー成形品を生産することが、従
来から実施されていた。
【0006】しかしながら、このような従来の貼り合わ
せブロー成形品は、樹脂シートがブロー成形中に破れた
り、あるいは成形品の表面に皺を発生して平滑な平面の
形成が損われたり、樹脂シートとパリソン表面との間に
エアが介在して成形品表面に気泡となって残存し樹脂シ
ートとパリソン表面とが表面全面に亘って密着しないと
いう不都合が生じていた。
【0007】これらの問題を解決するため、例えば特開
昭62−255115号公報には、ブロー金型に微細孔
を設けそこで、金型内面からエア吸引を積極的に行なう
ことにより、樹脂シートを金型面に密着させシワの発生
を防止する方法が記載されている。しかしこの方法では
パリソンとシート間のエアー抜きが十分でないため、製
品の形状によってはエアー溜まりが生じ、外観不良の原
因となっていた。
【0008】また特開平8−323847号公報にはパ
リソンと貼り合わせる樹脂シートに前以て複数の微細貫
通孔を穿孔しておき、金型の型締後に金型内面からエア
吸引を積極的に行なうことにより、樹脂シートとパリソ
ン表面との間に介在するエアを排出して両者の密着を図
る方策が記載されている。しかしながら微細孔を開けた
シートを使用すると、製品表面に微細孔跡が生じ、商品
価値が下がるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
では解決できなかった問題点を解決するものであり、樹
脂シートとパリソン表面間の密着度を増すとともに表面
転写性に優れた高品質の貼り合わせブロー成形品を得る
ことができるブロー成形品の製造方法およびブロー成形
品に関するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、金
型のキャビティ面とパリソンの間に熱可塑性樹脂シート
を配置し、型締めするとともに前記パリソンの内部から
圧力を加えて成形するブロー成形品の製造方法におい
て、パリソンの表面に凹凸を形成して成形することを特
徴とするブロー成形品の製造方法、である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では金型のキャビティ面と
パリソンの間に熱可塑性樹脂シートを配置し、型締めす
るとともに前記パリソンの内部から圧力を加えて成形す
るブロー成形品の製造方法において、パリソンの表面に
凹凸を形成して成形することを特徴とする。パリソン表
面の凹凸はパリソンとシート間のエアー抜けを良好と
し、シートの密着性とシートの膨れ防止を目的としてい
る。
【0012】パリソン表面の凹凸は縦または横方向に連
続した溝または凸条であり、深さあるいは高さが10μ
m〜1mmであることが好ましい。パリソン表面の凹凸
を連続した溝または凸条とすることにより、パリソンが
シートに接触を開始してから賦形が完了するまで、連続
的にエアー抜きが可能である。
【0013】また当該凹凸の高さ(深さ)は10μm以
上が好ましい。10μm以上とすることで、パリソンを
プリブローした際、凹凸が小さくなりすぎることがな
く、十分なエアー抜きが可能となる。一方、1mm以上
では賦形時に均一に賦形出来なくなる可能性があり、ま
た製品表面に凹凸の跡が生じる場合がある。また、溝ま
たは凸条の幅は10μ〜1mmが好ましい。
【0014】本発明に用いるパリソン用の熱可塑性樹脂
は、ブロー成形可能であれば何れでも使用可能である
が、結晶性樹脂と非結晶性樹脂を比較すると、一般的に
非結晶樹脂の方がシート材との接着性が良好となるた
め、非結晶性の熱可塑性樹脂が好適である。非結晶性の
熱可塑性樹脂としては例えば、ポリカーボネート樹脂、
PPO樹脂、AS樹脂、PS樹脂、HIPS樹脂、AB
S樹脂、AES樹脂、ACS樹脂、アクリロニトリル−
水添ジエン系ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メ
チルからなるグラフト共重合体、アクリロニトリル−シ
リコーンゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチル
からなるグラフト共重合体、マレイミド−スチレン及び
/又はアクリロニトリル及び/又はα−メチルスチレン
からなるグラフト共重合体、ゴム重合体−マレイミド−
スチレン及び/又はアクリロニトリル及び/又はメタク
リル酸メチル及び/又はα−メチルスチレンからなるグ
ラフト共重合体及びこれらの複合物と、これらに可塑
剤、熱安定剤、光安定剤、着色材、難燃剤、無機フィラ
ーを添加した樹脂が挙げられる。上記樹脂の毛細管法に
よる溶融粘度は、ポリカーボネート樹脂およびPPO樹
脂が280℃において10000poise以上(10
sec-1)、その他の樹脂は240℃において1000
0poise以上が望ましい。溶融粘度が10000p
oise未満では成形時にドローダウンが生じ易く好ま
しくない。結晶性の樹脂としては例えば、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロ
ン11、ナイロン12、PBT樹脂、PET樹脂、PP
S樹脂、PP樹脂、PE樹脂及びこれらの複合物と、こ
れらに可塑剤、熱安定剤、光安定剤、着色材、難燃剤、
無機フィラーを添加した樹脂が挙げられる。結晶性樹脂
の毛細菅法による溶融粘度は融点+30℃におて100
00poise以上(10sec-1)が望ましい。
【0015】本発明では、熱可塑性樹脂シートの肉厚が
0.3mm〜3mmであることが好ましい。シートの肉
厚が0.3mm未満では、パリソンがシートに一部接触
した際、熱収縮や非接触部との剛性差からシワが発生し
易いこと、シートの剛性が低いためプリブローしたパリ
ソンを包む形で変形し、製品形状によっては、エアー抜
きができにくくなるおそれがある。一方、3mmを超え
ると賦形性およびシート積層部と非積層部の肉厚差が生
じることによる、製品の重量バランスに問題が生じる場
合がある。更に好ましいシートの肉厚範囲はシート剛性
と軽量化のバランスから0.7mm〜2.0mmであ
る。
【0016】本発明において、配置された熱可塑性樹脂
シートの片面あるいは両面にエンボス加工を施してある
ことが好ましい。本発明のシート貼り付けブロー成形に
おいて、パリソンとシートのエアー抜きはパリソン表面
の凹凸で実施されるが、シート表面をエンボス加工する
ことにより更に効率良く実施可能であり、更にアンカー
効果による接着性のアップも期待される。またシート両
面にエンボス加工を施すと金型とシート間のエアー抜き
もより一層良好となり、更に好ましい成形品が得られ
る。
【0017】本発明では、配置された熱可塑性樹脂シー
トは、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂から選ばれた少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂
からなることが好ましい。
【0018】シートに使用するスチレン系樹脂は例えば
AS樹脂、PS樹脂、HIPS樹脂、ABS樹脂、AE
S樹脂、ACS樹脂、アクリロニトリル−水添ジエン系
ゴム−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルからなる
グラフト共重合体、アクリロニトリル−シリコーンゴム
−スチレン及び/又はメタクリル酸メチルからなるグラ
フト共重合体、マレイミド−スチレン及び/又はアクリ
ロニトリル及び/又はα−メチルスチレンからなるグラ
フト共重合体、ゴム重合体−マレイミド−スチレン及び
/又はアクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メチル
及び/又はα−メチルスチレンからなるグラフト共重合
体及びこれらの複合物と、これらに可塑剤、熱安定剤、
光安定剤、着色材、難燃剤を添加した樹脂が挙げられ
る。
【0019】本発明に使用するシートは単層でも良いが
多層のシートを用いることにより高機能の製品が安価に
簡単な工程で得られる。例えば製品の表面になる側の樹
脂層に光安定剤を添加した熱可塑性樹脂、パリソン側の
層に光安定剤の添加されていない樹脂を用いることによ
り、安価で耐光性の良好な成形体が得られる。また、製
品の表面になる側の層に表面硬度の高い樹脂、裏の層に
耐衝撃性の樹脂とすることにより、傷つきにくく衝撃強
度の高い製品が得られる。
【0020】本発明に使用するシートは公知の方法であ
ればいずれでも製造可能であり、例えば押出機のホッパ
ーに熱可塑性樹脂を投入し、押出機内で溶融混練させ、
T型のダイ内でシート状の流れとして水平方向に吐出
し、ロールユニットで肉厚調整して得る。
【0021】この際、ロールユニットのロールがツヤ付
きユニットであれば、光沢面を有するシートが得られ、
エンボス加工したロールを使用するとシボ付きシートが
得られる。更に、2台の押出機と2層構造を有するTダ
イを使用すれば、2層構造のシートが得られる。
【0022】本発明の製造方法はブロー成形品の製品重
量が1kg以上の大型ブロー成形品に好ましく用いられ
る。シート貼り合わせブローにおいて、シートを軟化さ
せ、パリソン材との溶着するための熱量はパリソンから
供給される。従って、パリソンはある程度肉厚である必
要があり、1kg以上の製品が得られるパリソンである
ことが、本発明の目的達成に望ましい。
【0023】本発明の好適に成形される成形品として
は、例えば、ハウジング、スポーツ用製品、遊具、車両
用製品、家具用製品、サニタリー製品、建材用製品、厨
房用製品がある。これらの成形品の具体例としては、ハ
ウジングとしては、例えば、クーラーボックス、TV、
オーディオ機器、プリンタ、FAX、複写機、ゲーム
機、洗濯機、エアコン、冷蔵庫、掃除機、アタッシュケ
ース、楽器ケース、工具箱、コンテナ、カメラケース等
がある。スポーツ用製品としては、例えば、スイミング
ボード、サーフボード、ウインドサーフィン、スキー、
スノーボード、スケートボード、アイスホッケースティ
ック、カーリングボール、ゲートボールラケット、カヌ
ー、ボート等がある。遊具としては、例えば、バット、
ブロック、積木、釣り具ケース、パチンコ台枠等があ
る。車両用製品としては、例えば、エアースポイラー、
ドアー、バンパー、フェンダー、ボンネット、サンルー
フ、リアゲート、ホイールキャップ、インパネ、グロー
ブボックス、コンソールボックス、アームレスト、ヘッ
ドレスト、燃料タンク、運転席カバー、トランク工具ボ
ックス等がある。家具用製品としては、例えば、引き出
し、机天板、ベッド天板・底板、鏡台枠板、げた箱板・
前扉、椅子背板・底板、盆・トレー、傘立て、花瓶、薬
箱、ハンガー、化粧箱、収納箱板、ゴミ箱、本立て、事
務机天板、OA机天板、OAラック等がある。サニタリ
ー製品としては、例えば、シャワーヘッド、便座、便
板、排水パン、貯水槽蓋、洗面化粧台扉、浴室ドア等が
ある。建材用製品としては、例えば、天井板、床板、壁
板、窓枠、ドア、ベンチ等がある。厨房用製品として
は、例えば、まな板、キッチン扉等がある。なお、これ
らは例示であり、これら以外の成形品も好適に成形され
得る。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、以下に述べる実施例および比較例に記され
た、シート貼り合わせブローの成形性、外観は以下の方
法により測定した。
【0025】ブロー成形機にプラコー社製Φ90mmを
使用し、ブロー材料として東レ(株)製ABS樹脂”ト
ヨラック”TH10を用い、熱可塑性樹脂シートとして
は表1に示す樹脂材および肉厚シートを用いてブロー成
形した。金型は400mm×200mmの高さ700m
mの角形ボトルを使用した。なお、ブロー成形品の重量
は、約2.8kgである。
【0026】[成形性]上記方法でブロー成形した後、製
品を金型から取り出し賦形の状態を目視で、下記の基準
に従い判定した。 ◎:成形体の型くずれなし ○:成形体の型くずれ殆どなし △:シートの伸び不足による成形体の型くずれ若干あり ×:シートの伸び不足による成形体の型くずれあり
【0027】[外観性]上記方法でブロー成形した後、製
品を金型から取り出し賦形の状態を目視で、下記の基準
に従い判定した。 ◎:エアー溜まり、シワなし ○:エアー溜まり、シワ若干あり △:エアー溜まり、シワあり ×:エアー溜まり、シワ、膨れあり
【0028】比較例1 シート成形:図1に示すようなΦ50mm押出機(1)
のホッパーに東レ(株)製ABS樹脂”トヨラック”1
00を投入し、220℃設定のシリンダー内で溶融混練
した後、Tダイでシート状の流れとして垂直方向に押出
し、100℃に温調した逆L字型のカレンダーロール
(2)で圧延し表1に示す肉厚のシート(3)を得た。
【0029】ブロー成形:図3に示すように、シートを
所定の大きさにした樹脂シート(9)を金型のキャビテ
ィ面を覆う様にパーティング面に取り付けた後、プラコ
ー社製Φ90mm押出機(5)のホッパーに東レ(株)
製ABS樹脂”トヨラック”TH10を投入し、225
℃設定のシリンダー内で溶融混練し、アキュームレータ
ー(6)に供給した後、230℃設定のダイ(7)内で
環状の流れとしてダイ外へ押出し、直径約360mm、
長さ約1000mm、肉厚5mmのパリソン(10)を
形成した。
【0030】次ぎに図4aに示す様にパリソンの上部お
よび底部をエアーシリンダー(14)でプリピンチし
た。さらに、図4b〜cに示すようにブローピン(1
5)を介してエアーブローするとともに型締めを開始し
角形ボトルの成形した。金型内で製品が十分冷却した後
製品を取り出した。
【0031】比較例1は成形性に問題無かったが、シー
トとパリソン間のエアー抜けが悪く、エアー溜まり、エ
アー溜まりよる成形品の膨れ、シートのシワの発生が見
られた。
【0032】実施例1 シート成形は比較例1と同様にし表1に示す肉厚のシー
トを得た。 ブロー成形:プラコー社製Φ90mm押出機(5)に、
図5に示すような外径ダイのリップ部分に深さ1mm、
幅1mmの溝(12)を約5mm間隔に100本付けた
凹凸付きブローダイ(11)を取り付けた。得られた樹
脂シートを金型のキャビティ面を覆う様にパーティング
面に取り付けた。ホッパーに東レ(株)製ABS樹脂”
トヨラック”TH10を投入し、225℃設定のシリン
ダー内で溶融混練し、アキュームレーターに供給した
後、230℃設定のダイ内で環状の流れとしてダイ外へ
押出し、直径約360mm、長さ約1000mm、肉厚
5mmの凸条付きパリソンを形成した。このときの凸部
高さは約0.8mmであった。次ぎにパリソンの底部を
プリピンチし、エアーブローするとともに型締めを開始
し角形ボトルの成形した。金型内で製品が十分冷却した
後製品を取り出した。
【0033】実施例1は若干シワの発生が見られたが、
その他の問題は発生せずパリソンの突起がエアー抜きに
非常に効果あることが分かる。
【0034】比較例2〜3 シート成形:図2に示すように、Φ50mm押出機
(1)のホッパーに東レ(株)製ABS樹脂”トヨラッ
ク”100を投入し、220℃設定のシリンダー内で溶
融混練した後、Tダイでシート状の流れとして水平方向
に押し出した。押出した溶融樹脂を80℃で温調された
艶付きロールユニット(4)で引き取り、幅700m
m、長さ1000mm、表1に示す肉厚の樹脂シート
(3)を得た。ブロー成形は比較例1と同様とした。
【0035】比較例2は成形性に問題は見られなかった
が、比較例1同様エアー溜まりが確認された。比較例3
はシ−トの肉厚が厚すぎることもあり、賦形が不十分と
なり、型くずれした成形体しか得られなかった。
【0036】実施例2〜4 シート成形は比較例2と同様とし表1に示す肉厚のシー
トを得た。ブロー成形は実施例1と同様とした。実施例
2〜4は成形性、外観ともに問題無く、非常に良好な成
形体が得られた。実施例1〜4から本発明の好ましいシ
ートの肉厚は0.3〜3mmということが分かる。
【0037】実施例5〜7および比較例4 シート成形は実施例3と同様とし、ブロー成形はブロー
ダイの溝深さを変え、パリソンに生じた凸高さを表2に
した以外は実施例3と同様にした。
【0038】実施例5、6はエアー抜きが良好でありエ
アー溜まりは見あたらなかったが、実施例7はわずかに
エアー溜まりが見られた。比較例4はエアー抜きは良好
であったものの、パリソンの凸部跡が成形体表面に生じ
好ましいものは得られなかった。
【0039】実施例3,5〜7の結果からシートとパリ
ソンのエアー抜きに良好なパリソン表面の凸部高さは1
0μから1mmであることが分かる。実施例8および比
較例5
【0040】シート成形において、ロールユニットの第
2ロールを平均荒さ(Rt)4.5ミクロンのエンボス
加工したロールとした以外は実施例7および比較例2と
同様とした。パリソンと接触する側のシート表面にエン
ボス加工を施す事により、エアーの抜けは良好となる
が、パリソンに凹凸が無い場合は完全にエアー溜まりを
無くすることが出来ないことが分かる。
【0041】実施例9 シート成形において、ロールユニットの第2、第3ロー
ルを平均荒さ(Rt)4.5ミクロンのエンボス加工し
たロールとした以外は実施例7と同様とした。本実施例
のごとく、シートの両面をエンボス加工とした場合、シ
ートとパリソン間のエアー溜まりのみならず、シートと
金型間のエアー溜まりも防止可能となり更に好ましい成
形体が得られる。
【0042】実施例10 シート材料を帝人化成(株)製ポリカーボネート樹脂”
パンライト”L1250Yとした以外は実施例3と同様
にした。シート材料をポリカーボネートとしてもABS
樹脂同様良好な成形体が得られることが分かる。。
【0043】実施例11 シート材料を三菱レイヨン社製アクリル樹脂”アクリペ
ット”Vとした以外は実施例3と同様にした。アクリル
シートを使用した場合、ABS樹脂と比較すると樹脂の
伸びが少なく、成形体のコーナー部(ブロー比の最も大
きい部分)にわずかに賦形不良が発生した。
【0044】実施例12 シート成形:2台のΦ50mm押出機のホッパーの一方
に三菱レイヨン社製アクリル樹脂”アクリペット”V、
もう一方の押出機のホッパーに東レ(株)製ABS樹
脂”トヨラック”100を投入し、おのおの220℃に
設定したシリンダー内で溶融混練し、多層のTダイ内で
2層の板状の流れとした以外は実施例1と同様にした。
シートの肉厚はアクリル樹脂層0.5mm、ABS樹脂
層1.0mmのトータル1.5mmとした。ブロー成形
は実施例3と同様とした。1.5mmのアクリルシート
はABSシートと比較すると軟化時の樹脂伸びが劣るた
め、深絞りの成形体を成形する賦形不良や、シートの破
れを生じやすい。そこで実施例10のごとくABS樹脂
層の上にアクリル樹脂層を薄く積層した2層シートを用
いることにより、ABS樹脂の成形性と、アクリル樹脂
の表面硬度、光沢を合わせもつ成形体が得られる。
【0045】実施例13 シート成形は実施例3と同様とした。ブロー成形は、図
5cに示すように、外形ダイのリップ部分に高さ0.5
mm、幅1mmの凸条(13)を約5mm間隔に100
本付けたブローダイを取り付けて実施した以外は実施例
3と同様にした。成形性および外観は良好であり特に問
題は見られない。従って、パリソンとシート間のエアー
を抜きはパリソン表面の凹凸どちらでも良いことが分か
る。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では、パリソンに設けた凹凸により、シート
とパリソン間のエアーはブロー成形の賦形時にパリソン
の凹凸部から排出され、シートとパリソンが密着し密着
強度が向上する。更にエンボス加工したシートを用いる
ことにより一層エアーの抜けが良好となるとともに、ア
ンカー効果でシート材とパリソン材密着が強固となる。
またシートの肉厚を0.3mmから3mmとすることに
より、ブロー成形時のシートのシワの発生を抑えられ、
従来にない外観の良好なブロー成形体が供給可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート成形の工程の一例を示す説明図
である。
【図2】本発明のシート成形の工程の一例を示す説明図
である。
【図3】本発明における成形機の構成を示す斜視説明図
である。
【図4】本発明におけるブロー成形工程を示す説明図で
ある。
【図5】本発明におけるブロー外径ダイの内壁凹凸部の
拡大図である。
【符号の説明】
1 シート成形用押出機 2 逆L字ロールユニット 3 シート 4 艶付きロールユニット 5 ブロー成形用押出機 6 アキュームレーター 7 ブローダイ 8 ブロー金型 9 樹脂シート 10 パリソン 11 凹凸付きブロー外径ダイ 12 溝 13 凸条 14 エアーシリンダー 15 ブローピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 22:00 (72)発明者 畠山 芳和 新潟県三条市南四日町4丁目8番6−1号 (72)発明者 舘山 勝 愛知県名古屋市港区大江町9−1 東レ株 式会社名古屋事業場内 (72)発明者 清水 幸夫 愛知県名古屋市港区大江町9−1 東レ株 式会社名古屋事業場内 Fターム(参考) 4F202 AA13 AD05 AD08 AD20 AD24 AF01 AG03 AG05 AG07 AG26 AR12 AR15 CA15 CB01 CB19 CK11 CL01 CQ01 4F208 AA13 AD05 AD08 AD20 AD24 AF01 AG03 AG05 AG07 AG26 AR12 AR15 LA01 LA05 LB01 LB19 LG22 LJ05 LJ09 4F209 AA13 AD05 AD08 AD20 AD24 AF01 AG03 AG05 AG07 AG26 AR12 AR15 PA02 PA09 PA20 PB01 PB16 PC06 PG12 PJ05 PJ09 PQ01 PQ11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型のキャビティ面とパリソンの間に熱
    可塑性樹脂シートを配置し、型締めするとともに前記パ
    リソンの内部から圧力を加えて成形するブロー成形品の
    製造方法において、パリソンの表面に凹凸を形成して成
    形することを特徴とするブロー成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 パリソン表面の凹凸が縦または横方向の
    連続した溝または凸条であり、その深さあるいは高さが
    10μm〜1mmであることを特徴とする請求項1記載
    のブロー成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 配置された熱可塑性樹脂シートの肉厚が
    0.3mm〜3mmであることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のブロー成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 配置された熱可塑性樹脂シートの片面あ
    るいは両面にエンボス加工が施されていることを特徴と
    する請求項1〜3いずれかに記載のブロー成形品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 配置された熱可塑性樹脂シートが2層以
    上からなり、各層がスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、
    ポリカーボネート系樹脂から選ばれた少なくとも1種以
    上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜
    4いずれかに記載のブロー成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれかに記載の製造方法
    によって製造される製品重量が1kg以上のブロー成形
    品。
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