JP2000252876A - スペクトラム拡散信号処理装置及びスペクトラム拡散通信システム - Google Patents

スペクトラム拡散信号処理装置及びスペクトラム拡散通信システム

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JP2000252876A
JP2000252876A JP5592799A JP5592799A JP2000252876A JP 2000252876 A JP2000252876 A JP 2000252876A JP 5592799 A JP5592799 A JP 5592799A JP 5592799 A JP5592799 A JP 5592799A JP 2000252876 A JP2000252876 A JP 2000252876A
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JP5592799A
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Hiroyuki Kato
浩之 加藤
Yasuto Sugano
康人 菅野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡散符号列として比較的長い符号長のものを
用い、しかも符号多重を行うスペクトラム拡散通信に好
適に適用可能であって、同期捕捉までに要する同期捕捉
時間を短縮するとともに消費電力を低減するのに好適な
スペクトラム拡散信号処理装置を提供する。 【解決手段】 SAWコンボルバ3と、参照符号列発生
部100と、変換部120と、メモリ9と、ずれビット
算出回路10と、リスタートパルス発生回路11と、を
備え、ずれビット算出回路10は、メモリ9のディジタ
ルデータからピーク列のレベルを検出し、検出したレベ
ルのうち最大ピークレベルLPKとその最大ピークレベル
PKを挟んで時間軸上前後に現れるいずれか一方のピー
クレベルとの比率に基づいて、拡散符号列と参照符号列
とのずれビット数を算出するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
通信において同期検出または逆拡散を行う装置およびこ
の装置を用いた通信システムに係り、特に、拡散符号列
として比較的長い符号長のものを用い、しかも符号多重
を行うスペクトラム拡散通信に好適に適用可能なスペク
トラム拡散信号処理装置およびスペクトラム拡散通信シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、秘話性の高い通信方式としてスペ
クトラム拡散通信方式が知られている。スペクトラム拡
散通信用の送信機では、例えば、送信すべきディジタル
データを所定長の拡散符号列を用いて広い周波数帯域に
拡散して送信する。スペクトラム拡散通信用の受信機で
は、送信機の拡散符号列に対応した逆拡散符号列を用い
て、この逆拡散符号列と受信した拡散信号の拡散符号列
との相関をとり、相関ピーク列を得る。相関をとり相関
ピーク列を得ることを通常、逆拡散復調と呼ぶ。
【0003】逆拡散復調には、2つの方式があって、相
関信号のピーク列を得て送信機と受信機内の信号発信器
との同期を検出して同期捕捉を行ったのち逆拡散復調を
行う一連の処理をディジタル処理により行う方式と、こ
れら一連の処理をアナログ信号処理により行う方式とが
ある。ディジタル信号処理により行う方式には、例え
ば、スライディング相関器やマッチドフィルタが採用さ
れ、これに対して、アナログ信号処理により行う方式に
は、例えば、表面弾性波コンボルバや表面弾性波マッチ
ドフィルタ等の表面弾性波デバイスが採用されている。
【0004】従来では、拡散符号列として例えば11ビ
ット(IEEE802.11高速無線LAN規格)等の比較的短い
符号長のものを通信に用いる場合が多く、回路規模が小
さくてすむため、ディジタル部のコントロール回路に内
蔵できるスライディング相関方式やマッチドフィルタ方
式を用いたデジタル信号処理によるものが主流であっ
た。
【0005】ところが、IMT−2000等の次世代移
動体通信方式のように、拡散符号列として例えば256
ビット等の比較的長い符号長のものを通信に用いる場合
において、同期検出を従来のスライディング相関方式に
より行うと、最大で拡散符号列の長さの回数だけ位相を
スライドさせた上で同期判定を行う必要があり、同期捕
捉までに非常に時間がかかる。また、マッチドフィルタ
方式では、拡散符号列の長さが長くなると、これに伴っ
てディジタルフィルタのサイズが大きくなり、消費電力
が著しく増大する。
【0006】そこで、拡散符号列として比較的長い符号
長のものを通信に用いる場合には、同期捕捉の高速化や
消費電力の低減化を図る観点から、スライディング相関
方式やマッチドフィルタ方式に代えて、表面弾性波コン
ボルバや表面弾性波マッチドフィルタ等の表面弾性波デ
バイスが用いられることがある。この種の従来技術とし
ては、例えば、特開平6-276177号公報に開示された符号
同期制御方式がある。それは、次のようなものである。
【0007】拡散信号を受信してこれに含まれる拡散符
号列が入力されると、参照符号発生部が参照符号列を先
頭ビットから生成開始し、表面弾性波コンボルバに入力
されて拡散符号列との相関信号が生成され、レベル検出
部に入力される。レベル検出部では、相関信号のレベル
が規定スレッショールド以上であるときに相関信号のピ
ークが検出される。一方、時間測定部は、参照符号列の
先頭ビット生成開始時刻からレベル検出部のレベル検出
信号発生時刻までの時間間隔を測定し、この値から拡散
符号列の次の周期の先頭ビットが入力されるタイミング
を決定する。そして、そのタイミングで、同期制御部が
参照符号発生部にリスタート信号を出力して参照符号列
を先頭ビットから新たに発生させる。これにより、拡散
符号列と参照符号列とを強制的に同期させるのである。
【0008】また、拡散符号列として比較的長い符号長
のものを通信に用いる場合には、上記のように、表面弾
性波コンボルバや表面弾性波マッチドフィルタ等の表面
弾性波デバイスが用いられることがあるが、さらに回路
規模の小型化を図る観点から、本出願人が先に出願した
特願平10-284450号の明細書等に記載されたスペクトラ
ム拡散信号処理装置を用いることができる。それは、次
のようなものである。
【0009】スペクトラム拡散された拡散信号に含まれ
る拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号からなる
参照符号列とを入力してこれらの相関をとる表面弾性波
コンボルバと、拡散符号列を逆拡散するための逆拡散符
号列を複数に分割したときの各分割符号列を逆拡散符号
列での配列順序に従って参照符号列として表面弾性波コ
ンボルバに順次入力するための制御を行う制御手段と、
各分割符号列に対応して出力された相関信号のそれぞれ
を加算して当該加算結果を出力する信号処理手段と、を
備えている。こうした構成により、分割符号列の長さに
応じた表面弾性波コンボルバを用いて、スペクトラム拡
散された拡散信号の同期検出または逆拡散を行うことが
できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の符号同期制御方式にあっては、同公報に記載されて
いるように、確かに、符号多重を行わない無線LAN等
のパケット通信においてはそれといった問題は見あたら
ないが、IMT−2000等のように符号多重を行う通
信においては、単に規定スレッショールド以上であるこ
とをもって相関信号のピークを検出してしまうと、過検
出等により誤作動を起こす可能性がある。またさらに、
このようなアナログ方式でIMT−2000に対応する
には、非常に複雑な保護回路が必要となり、あまり現実
的ではない。
【0011】一方、本出願人が先に出願したスペクトラ
ム拡散信号処理装置によれば、逆拡散符号列を複数に分
割したときの各分割符号列を、逆拡散符号列での配列順
序に従って参照符号列として表面弾性波コンボルバに順
次入力するようになっているため、各分割符号列の順次
入力からなる逆拡散符号列と拡散符号列との位相差が分
割符号列の長さよりも短いときは、確かに、同期検出ま
たは逆拡散を正確に行うことが可能である。しかしなが
ら、分割符号列の長さに応じた表面弾性波コンボルバを
用いた場合、上記位相差が分割符号列の長さよりも長い
ときは、拡散符号列を捕捉することができず、したがっ
て、同期検出または逆拡散を正確に行うことができなく
なる。
【0012】そこで、本発明は、このような従来の技術
の有する未解決の課題に着目してなされたものであっ
て、拡散符号列として比較的長い符号長のものを用い、
しかも符号多重を行うスペクトラム拡散通信に好適に適
用可能であって、同期捕捉までに要する同期捕捉時間を
短縮するとともに消費電力を低減するのに好適なスペク
トラム拡散信号処理装置およびスペクトラム拡散通信シ
ステムを提供することを第1の目的としている。
【0013】さらに、拡散符号列として比較的長い符号
長のものを用いるスペクトラム拡散通信に好適に適用可
能であって、同期捕捉までに要する同期捕捉時間を短縮
するとともに消費電力を低減し、しかも回路規模の小型
化を図りながらも同期検出または逆拡散を正確に行うの
に好適なスペクトラム拡散信号処理装置およびスペクト
ラム拡散通信システムを提供することを第2の目的とし
ている。
【0014】
【課題を解決するための手段】IMT−2000等のよ
うに符号多重を行う通信においては、例えば、同期捕捉
を行うための拡散符号列が断続的に受信される。この場
合、受信機では、同期捕捉を行うための拡散符号列に対
応した逆拡散符号列を参照符号列として表面弾性波コン
ボルバに連続して入力することにより、拡散符号列との
一致をみて同期捕捉を行うようにしている。
【0015】表面弾性波コンボルバでは、入力される拡
散符号列と参照符号列との相関をとり、その結果を相関
信号として出力するが、この相関信号には、両符号の位
相が完全に一致しているときは、参照符号列の末尾を入
力し終えた時点に最大レベルのピークが現れるととも
に、その最大ピークを挟んで時間軸上前後(±1/2符
号列周期の時点)に最大レベルの1/2のピークがそれ
ぞれ現れる。
【0016】一方、両符号の位相が完全に一致せずにず
れているときには、参照符号列の末尾を入力し終えた時
点からその位相差の半分の時間が経過した時点に最大レ
ベルのピークが現れるとともに、その最大ピークを挟ん
で時間軸上前後(±1/2符号列周期の時点)に最大レ
ベルよりも小さくかつ位相差に応じたレベルのピークが
それぞれ現れる。より具体的には、参照符号列に対する
拡散符号列の位相差が符号列周期の1/2以下であると
きは、最大ピークよりも時間軸上前方に現れるピークの
レベルは、位相差の増加に応じて減少していくが、最大
ピークよりも時間軸上後方に現れるピークのレベルは、
位相差の増加に応じて増加していく。これに対して、参
照符号列に対する拡散符号列の位相差が符号列周期の1
/2以上であるときは、まったくその逆の現象となって
現れ、時間軸上前方に現れるピークのレベルは、位相差
の増加に応じて増加していくが、時間軸上後方に現れる
ピークのレベルは、位相差の増加に応じて減少してい
く。
【0017】本発明者等は、このように相関信号に現れ
るピークのレベルの大小が、拡散符号列と参照符号列と
の位相差に関係していることを見いだし、そして本発明
を完成するに至ったのである。なお、こういった現象
は、特定の拡散符号列が断続的に受信される場合に限ら
ず、特定の拡散符号列が連続して受信される場合におい
ては、連続性が開始されるその先頭および連続性が途切
れるその末尾にそれぞれ現れることも、本発明者等によ
って見いだされている。
【0018】かかる結論から、上記第1の目的を達成す
るために、本発明に係る請求項1記載のスペクトラム拡
散信号処理装置は、スペクトラム拡散された拡散信号に
含まれる拡散符号列と、逆拡散を行うための逆拡散符号
からなる参照符号列とを入力してこれらの相関をとる表
面弾性波コンボルバを備え、前記表面弾性波コンボルバ
からの相関信号を処理するスペクトラム拡散信号処理装
置であって、前記相関信号におけるピーク列のレベルの
大小関係に基づいて、前記拡散符号列と前記参照符号列
との位相のずれを検出するようになっている。
【0019】このような構成であれば、拡散信号に含ま
れる拡散符号列と参照符号列とが表面弾性波コンボルバ
に入力されると、表面弾性波コンボルバにより、拡散符
号列と参照符号列との相関がとられ、その結果が相関信
号として出力される。そして、相関信号にピーク列が現
れたときは、これらピーク列のレベルの大小関係に基づ
いて、拡散符号列と参照符号列との位相のずれが検出さ
れる。
【0020】ここで、「位相のずれを検出する」とは、
拡散符号列と参照符号列との位相が単にずれているか一
致しているかを検出すること、拡散符号列と参照符号列
との位相のずれ量、すなわち位相差を検出すること、が
含まれる。また、表面弾性波コンボルバとしては、拡散
符号列の長さに応じた相互作用長のものを用いるのが好
ましく、例えば、圧電型、半導体/圧電型、圧電体/半
導体型等の構成のものを用いることができる。
【0021】また、請求項1記載の発明によって検出さ
れる位相のずれは、例えば、スペクトラム拡散通信にお
いて同期検出または逆拡散を行うのに利用することがで
きる。同期検出を行うのに利用する場合は、検出される
位相のずれが小さくなるように、表面弾性波コンボルバ
に対する拡散符号列または参照信号列の入力タイミング
を調整するようにし、逆拡散を行うのに利用する場合
は、検出される位相のずれがなくなるタイミングで逆拡
散を開始するようにする。
【0022】また、請求項1記載の発明は、特定の拡散
符号が連続的または断続的に受信される場合のいずれに
も適用することができるが、特に、特定の拡散信号が断
続的に受信される場合に適用するのが好適である。さら
に、本発明に係る請求項2記載のスペクトラム拡散信号
処理装置は、請求項1記載のスペクトラム拡散信号処理
装置において、前記相関信号におけるピーク列のうち最
大ピークを挟んで時間軸上前後に現れる2つのピークレ
ベルの比率または差分に基づいて、前記拡散符号列と前
記参照符号列との位相のずれを検出するようになってい
る。
【0023】このような構成であれば、拡散信号に含ま
れる拡散符号列と参照符号列とが表面弾性波コンボルバ
に入力されると、表面弾性波コンボルバにより、拡散符
号列と参照符号列との相関がとられ、その結果が相関信
号として出力される。そして、相関信号にピーク列が現
れたときは、これらピーク列のうち最大ピークを挟んで
時間軸上前後に現れる2つのピークレベルの比率または
差分に基づいて、拡散符号列と参照符号列との位相のず
れが検出される。
【0024】ここで、「2つのピークレベルの比率」と
は、時間軸上前方に現れるピークのレベルを時間軸上後
方に現れるピークのレベルで除した値、あるいはその逆
数をいう。また、「2つのピークレベルの差分」とは、
時間軸上前方に現れるピークのレベルから時間軸上後方
に現れるピークのレベルを引いた値、あるいはその逆符
号の値をいう。
【0025】また、請求項2記載の発明は、最大ピーク
を挟んで時間軸上前後に現れる2つのピークレベルの比
率または差分に基づいて位相のずれを検出するものであ
るが、これに限らず、最大ピークを挟んで時間軸上前後
に現れるいずれか一方のピークレベルと最大ピークレベ
ルとの比率または差分に基づいて、拡散符号列と参照符
号列との位相のずれを検出することもできる。
【0026】さらに、本発明に係る請求項3記載のスペ
クトラム拡散信号処理装置は、スペクトラム拡散された
拡散信号に含まれる拡散符号列と、逆拡散を行うための
逆拡散符号からなる参照符号列とを入力してこれらの相
関をとる表面弾性波コンボルバを備え、前記表面弾性波
コンボルバからの相関信号を処理するスペクトラム拡散
信号処理装置であって、前記相関信号におけるピークレ
ベルと基準レベルとの比較結果に基づいて、前記拡散符
号列と前記参照符号列との位相のずれを検出するように
なっている。
【0027】このような構成であれば、拡散信号に含ま
れる拡散符号列と参照符号列とが表面弾性波コンボルバ
に入力されると、表面弾性波コンボルバにより、拡散符
号列と参照符号列との相関がとられ、その結果が相関信
号として出力される。そして、相関信号にピークが現れ
たときは、そのピークレベルと基準レベルとの比較結果
に基づいて、拡散符号列と参照符号列との位相のずれが
検出される。
【0028】ここで、「位相のずれを検出する」とは、
拡散符号列と参照符号列との位相が単にずれているか一
致しているかを検出すること、拡散符号列と参照符号列
との位相のずれ量、すなわち位相差を検出すること、が
含まれる。また、表面弾性波コンボルバとしては、拡散
符号列の長さに応じた相互作用長のものを用いるのが好
ましく、例えば、圧電型、半導体/圧電型、圧電体/半
導体型等の構成のものを用いることができる。
【0029】また、基準レベルとしては、例えば、拡散
符号列と参照符号列との位相が完全に一致したときに相
関信号に現れる最大ピークレベルを設定しておくことが
考えられる。また、請求項3記載の発明によって検出さ
れる位相のずれは、例えば、スペクトラム拡散通信にお
いて同期検出または逆拡散を行うのに利用することがで
きる。同期検出を行うのに利用する場合は、検出される
位相のずれが小さくなるように、表面弾性波コンボルバ
に対する拡散符号列または参照信号列の入力タイミング
を調整するようにし、逆拡散を行うのに利用する場合
は、検出される位相のずれがなくなるタイミングで逆拡
散を開始するようにする。
【0030】また、請求項3記載の発明は、特定の拡散
符号が連続的または断続的に受信される場合のいずれに
も適用することができるが、特に、特定の拡散信号が断
続的に受信される場合に適用するのが好適である。さら
に、本発明に係る請求項4記載のスペクトラム拡散信号
処理装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載のスペ
クトラム拡散信号処理装置において、検出した位相のず
れに基づいて、前記表面弾性波コンボルバに対する前記
参照符号列の入力タイミングを決定するようになってい
る。
【0031】このような構成であれば、検出された位相
のずれに基づいて、表面弾性波コンボルバに対する参照
符号列の入力タイミングが決定される。ここで、入力タ
イミングを決定するには、例えば、位相が単にずれてい
るか一致しているかを検出するものであれば、検出され
る位相のずれがなくなるまで、参照符号列の入力ごと
に、所定ゲインで入力タイミングを遅延させながらフィ
ードバック制御を行うことにより、拡散符号列と参照符
号列との位相が徐々に一致していくように入力タイミン
グを決定してもよいし、位相差を検出するものであれ
ば、検出された位相差に応じて、拡散符号列と参照符号
列との位相が一時に一致するように入力タイミングを決
定してもよい。
【0032】さらに、本発明に係る請求項5記載のスペ
クトラム拡散信号処理装置は、スペクトラム拡散された
拡散信号に含まれる拡散符号列と、逆拡散を行うための
逆拡散符号からなる参照符号列とを入力してこれらの相
関をとる表面弾性波コンボルバを備え、前記表面弾性波
コンボルバからの相関信号を処理するスペクトラム拡散
信号処理装置であって、前記参照符号列を連続して発生
させるとともにリスタート信号に応じて前記参照符号列
を先頭から再発生させる参照符号列発生手段と、前記表
面弾性波コンボルバから相関信号を検波してディジタル
変換する変換手段と、前記変換手段からのディジタル信
号をディジタルデータとして記憶する記憶手段と、前記
記憶手段のディジタルデータからピーク列のレベルを検
出するピークレベル検出手段と、前記ピークレベル検出
手段が検出したレベルのうち最大ピークレベルとその最
大ピークレベルを挟んで時間軸上前後に現れるいずれか
一方のピークレベルとの比較結果に基づいて前記拡散符
号列と前記参照符号列との位相差を算出する位相差算出
手段と、前記位相差算出手段が算出した位相差に応じた
タイミングで前記リスタート信号を発生させるリスター
ト信号発生手段と、を備えている。
【0033】このような構成であれば、参照符号列発生
手段により、参照符号列が連続して発生させられ、こう
して発生した参照符号列と拡散信号に含まれる拡散符号
列とが表面弾性波コンボルバに入力されると、表面弾性
波コンボルバにより、拡散符号列と参照符号列との相関
がとられ、その結果が相関信号として出力される。次い
で、変換手段により、表面弾性波コンボルバから相関信
号が検波され、検波された相関信号がディジタル変換さ
れてディジタルデータとして記憶手段に記憶される。次
いで、ピークレベル検出手段により、記憶手段のディジ
タルデータからピーク列のレベルが検出され、位相差算
出手段により、検出されたレベルのうち最大ピークレベ
ルとその最大ピークレベルを挟んで時間軸上前後に現れ
るいずれか一方のピークレベルとの比較結果に基づい
て、拡散符号列と前記参照符号列との位相差が算出され
る。
【0034】そして、リスタート信号発生手段により、
算出された位相差に応じたタイミングでリスタート信号
が発生させられる。リスタート信号が発生すると、参照
符号列発生手段により、リスタート信号に応じて参照符
号列が先頭から再発生させられる。これにより、拡散符
号列と参照符号列との位相がなくなり、すなわち強制的
に同期捕捉が行われる。
【0035】ここで、表面弾性波コンボルバとしては、
拡散符号列の長さに応じた相互作用長のものを用いるの
が好ましく、例えば、圧電型、半導体/圧電型、圧電体
/半導体型等の構成のものを用いることができる。ま
た、基準レベルとしては、例えば、拡散符号列と参照符
号列との位相が完全に一致したときに相関信号に現れる
最大ピークレベルを設定しておくことが考えられる。
【0036】また、変換手段は、表面弾性波コンボルバ
から相関信号を検波してディジタル変換するものであれ
ばいかなるものであってもよく、具体的には、例えば、
アナログ/ディジタルコンバータを有するものを用いる
ことができる。この場合、サンプリングレートは、表面
弾性波コンボルバのチップレートよりも高いことが必要
であり、好ましくは、チップレートの4倍以上のオーバ
ーサンプリングを行うことである。さらに、変換手段、
記憶手段およびピークレベル検出手段でのディジタル信
号処理の方式は、いかなるものであってもよく、具体的
には、例えば、限定された時間領域の信号に対してのみ
処理を行う等の、処理用の窓を設けて信号処理を行うこ
とができる。
【0037】また、ピークレベル検出手段は、ピークレ
ベルを検出するものであればいかなるものであってもよ
く、具体的には、例えば、参照符号列の末尾を入力し終
えた時点を基準として、記憶手段のディジタルデータか
らピークレベルを検出するようになっているものを用い
ることができる。また、記憶手段は、ディジタルデータ
を記憶可能なものであればいかなるものであってもよ
く、具体的には、例えば、拡散符号列の1周期に相当す
る長さの相関信号のディジタルデータを記憶可能な容量
を少なくとも有するFIFO方式のものや、拡散符号列
の1周期に相当する長さの相関信号のディジタルデータ
を記憶可能な容量を少なくとも有する複数のメモリを切
換可能なバンク方式のものを用いることができる。この
他、同様の容量を有するもので、参照符号列発生手段の
参照符号列の発生時点を基準として記憶領域をクリア
し、その発生時点からの相関信号のディジタルデータを
先頭アドレスから順次記憶していくバッファ等も用いる
ことができる。
【0038】さらに、本発明に係る請求項6記載のスペ
クトラム拡散信号処理装置は、スペクトラム拡散された
拡散信号に含まれる拡散符号列と、逆拡散を行うための
逆拡散符号からなる参照符号列とを入力してこれらの相
関をとる表面弾性波コンボルバを備え、前記表面弾性波
コンボルバからの相関信号を処理するスペクトラム拡散
信号処理装置であって、前記参照符号列を連続して発生
させるとともにリスタート信号に応じて前記参照符号列
を先頭から再発生させる参照符号列発生手段と、前記表
面弾性波コンボルバから相関信号を検波してディジタル
変換する変換手段と、前記参照符号列発生手段からの前
記参照符号列の発生時点を基準として前記変換手段から
のディジタル信号を先頭アドレスから順にディジタルデ
ータとして記憶する記憶手段と、前記記憶手段のディジ
タルデータから最大ピークを検出してそのディジタルデ
ータが記憶されている前記記憶手段のアドレス値を取得
する最大ピーク検出手段と、前記最大ピーク検出手段が
取得した最大ピークのアドレス値に基づいて前記拡散符
号列と前記参照符号列とのずれビット数を算出するずれ
ビット数算出手段と、前記ずれビット数算出手段が算出
したずれビット数に応じたタイミングで前記リスタート
信号を発生させるリスタート信号発生手段と、を備えて
いる。
【0039】このような構成であれば、参照符号列発生
手段により、参照符号列が連続して発生させられ、こう
して発生した参照符号列と拡散信号に含まれる拡散符号
列とが表面弾性波コンボルバに入力されると、表面弾性
波コンボルバにより、拡散符号列と参照符号列との相関
がとられ、その結果が相関信号として出力される。次い
で、変換手段により、表面弾性波コンボルバから相関信
号が検波されてディジタル変換され、変換されたディジ
タル信号が、参照符号列の発生時点を基準として先頭ア
ドレスから順にディジタルデータとして記憶手段に記憶
される。次いで、最大ピーク検出手段により、記憶手段
のディジタルデータから最大ピークが検出されてそのデ
ィジタルデータが記憶されている記憶手段のアドレス値
が取得され、ずれビット数算出手段により、取得された
最大ピークのアドレス値に基づいて拡散符号列と参照符
号列とのずれビット数が算出される。
【0040】そして、リスタート信号発生手段により、
算出されたずれビット数に応じたタイミングでリスター
ト信号が発生させられる。リスタート信号が発生する
と、参照符号列発生手段により、リスタート信号に応じ
て参照符号列が先頭から再発生させられる。これによ
り、拡散符号列と参照符号列との位相がなくなり、すな
わち強制的に同期捕捉が行われる。
【0041】請求項6記載の発明は、特に、記憶手段の
ディジタルデータから最大ピークを検出してそのアドレ
ス値を取得するようになっている。このため、参照符号
列の末尾を入力し終えた時点に最大レベルのピークが現
れるとともに、その最大ピークを挟んで時間軸上前後
(±1/2符号列周期の時点)に位相差に応じたレベル
のピークがそれぞれ現れる場合は、これらピーク列のう
ち参照符号列の末尾を入力し終えた時点に現れたピーク
のアドレス値が取得される。したがって、取得された最
大ピークのアドレス値は、参照符号列の発生時点からの
ずれビット数であるので、これは、とりもなおさず拡散
符号列と参照符号列との位相差であるということができ
る。
【0042】ここで、表面弾性波コンボルバとしては、
拡散符号列の長さに応じた相互作用長のものを用いるの
が好ましく、例えば、圧電型、半導体/圧電型、圧電体
/半導体型等の構成のものを用いることができる。ま
た、変換手段は、表面弾性波コンボルバから相関信号を
検波してディジタル変換するものであればいかなるもの
であってもよく、具体的には、例えば、アナログ/ディ
ジタルコンバータを有するものを用いることができる。
この場合、サンプリングレートは、表面弾性波コンボル
バのチップレートよりも高いことが必要であり、好まし
くは、チップレートの4倍以上でオーバーサンプリング
を行うことである。さらに、変換手段、記憶手段および
最大ピーク検出手段でのディジタル信号処理の方式は、
いかなるものであってもよく、具体的には、例えば、限
定された時間領域の信号に対してのみ処理を行う等の、
処理用の窓を設けて信号処理を行うことができる。
【0043】また、最大ピーク検出手段は、最大ピーク
を検出してそのアドレス値を取得するものであればいか
なるものであってもよく、具体的には、例えば、参照符
号列の末尾を入力し終えた時点を基準として、記憶手段
のディジタルデータから最大ピークを検出してそのアド
レス値を検出するようになっているものを用いることが
できる。
【0044】また、記憶手段は、ディジタルデータを記
憶可能なものであればいかなるものであってもよく、具
体的には、例えば、拡散符号列の1周期に相当する長さ
の相関信号のディジタルデータを記憶可能な容量を少な
くとも有するFIFO方式のものや、拡散符号列の1周
期に相当する長さの相関信号のディジタルデータを記憶
可能な容量を少なくとも有する複数のメモリを切換可能
なバンク方式のものを用いることができる。この他、同
様の容量を有するもので、参照符号列発生手段の参照符
号列の発生時点を基準として記憶領域をクリアし、その
発生時点からの相関信号のディジタルデータを先頭アド
レスから順次記憶していくバッファ等も用いることがで
きる。
【0045】一方、上記第2の目的を達成するために、
本発明に係る請求項7記載のスペクトラム拡散信号処理
装置は、スペクトラム拡散された拡散信号に含まれる拡
散符号列と、逆拡散を行うための逆拡散符号からなる参
照符号列とを入力してこれらの相関をとる表面弾性波コ
ンボルバを備え、前記表面弾性波コンボルバからの相関
信号を処理するスペクトラム拡散信号処理装置であっ
て、前記表面弾性波コンボルバから相関信号を検波して
前記相関信号におけるピークを検出するピーク検出手段
と、前記ピーク検出手段の検出結果に基づいて前記参照
符号列の発生制御を行う制御手段と、を備え、前記制御
手段は、前記ピーク検出手段がピークを検出するまで
は、前記拡散符号列を逆拡散するための逆拡散符号列を
複数に分割したときの各分割符号列のうち前記逆拡散符
号列での配列順序で所定番目のものを、前記参照符号列
として連続して発生させ、前記ピーク検出手段がピーク
を検出してからは、前記各分割符号列を、前記配列順序
に従って前記参照符号列として前記所定番目の次のもの
から順次連続して発生させるようになっている。
【0046】このような構成であれば、ピーク検出手段
がピークを検出するまでは、制御手段により、逆拡散符
号列を複数に分割したときの各分割符号列のうち逆拡散
符号列での配列順序で所定番目のものが、参照符号列と
して連続して発生させられ、こうして発生した参照符号
列と拡散信号に含まれる拡散符号列とが表面弾性波コン
ボルバに入力されると、表面弾性波コンボルバにより、
拡散符号列と参照符号列との相関がとられ、その結果が
相関信号として出力される。
【0047】こうした状態で、拡散符号列のうち参照符
号列と一致する部分が表面弾性波コンボルバに入力され
ると、表面弾性波コンボルバにより、ハイレベルのピー
クを含む相関信号が出力され、ピーク検出手段により、
その相関信号が検波されてピークが検出される。ピーク
検出手段がピークが検出してからは、制御手段により、
逆拡散符号列を複数に分割したときの各分割符号列が、
逆拡散符号列での配列順序に従って参照符号列として順
次連続して発生させられる。ただし、その発生の開始
は、上記所定番目の次のものからとなる。これにより、
分割符号列の長さに応じた表面弾性波コンボルバを用い
た場合であっても、各分割符号列を順次入力する際は、
各分割符号列の順次入力からなる逆拡散符号列と拡散符
号列との位相差が分割符号列の長さよりも短くなるの
で、拡散符号列が捕捉される。
【0048】ここで、表面弾性波コンボルバとしては、
分割符号列の長さに応じた相互作用長のものを用いるの
が好ましく、例えば、圧電型、半導体/圧電型、圧電体
/半導体型等の構成のものを用いることができる。特
に、IMT−2000等の次世代移動通体通信に利用す
るには、表面弾性波コンボルバの出力信号に十分なS/
N比が必要となるため、拡散符号列長が16チップ以上
である相互作用長のものを用いるのが好ましい。
【0049】さらに、本発明に係る請求項8記載のスペ
クトラム拡散信号処理装置は、請求項7記載のスペクト
ラム拡散信号処理装置において、前記各分割符号列に対
応して出力される前記相関信号をそれぞれ加算し、当該
加算結果を出力する信号処理手段を備えている。このよ
うな構成であれば、各分割符号列が参照符号列として表
面弾性波コンボルバに入力された結果、各分割符号列に
対応して表面弾性波コンボルバから相関信号が出力され
ると、信号処理手段により、それら相関信号がそれぞれ
加算され、加算された結果が出力される。
【0050】すなわち、逆拡散符号列に対応した拡散符
号列によりスペクトラム拡散された拡散信号が表面弾性
波コンボルバに入力されると、各分割符号列に対応して
出力される相関信号には、各分割符号列を入力したタイ
ミングを基準としてそれぞれ同じ位置にピークが現れ
る。したがって、これら相関信号を加算すれば、すべて
のピーク位置が重なり合うので、加算した結果には、さ
らにハイレベルのピークが現れることになる。このこと
は、逆拡散符号列を分割せずにそのままを用いて相関処
理したときの結果と同等の結果であることを意味する。
【0051】また、逆拡散符号列に対応した拡散符号列
とは異なる符号列によりスペクトラム拡散された拡散信
号が相関器に入力されると、各分割符号列に対応して出
力される相関信号には、各分割符号列を入力したタイミ
ングを基準として、それぞれ異なる位置にピークが現れ
るか、またはピークが現れない。したがって、これら相
関信号を加算しても、すべてのピーク位置が重なり合う
ことはないので、加算した結果には、さらにハイレベル
のピークが現れることはない。
【0052】以上のことから、表面弾性波コンボルバで
は、逆拡散符号列よりも短い長さの分割符号列を用いた
相関処理を行えばよいので、表面弾性波コンボルバとし
ては、逆拡散符号列の長さに応じた相互作用長のものを
用いる必要はなく、分割符号列の長さに応じた相互作用
長のものを用いればよい。例えば、逆拡散符号列の長さ
が256ビットである場合は、各分割符号列の長さをそ
れぞれ64ビットとすると、下式(1)により相互作用
長が64[mm]の表面弾性波コンボルバを用いればよ
いことになる。なお、代表的な弾性表面波基板である1
28度回転Yカット−X方向伝搬LiNbO3の弾性表
面波速度は、4000[m/s]である。
【0053】 L = N・V/RC (1) ここで、Nは分割符号列の長さ[ビット]、Vは表面弾
性波速度[m/s]、RCはチップレート[cps]で
ある。さらに、本発明に係る請求項9記載のスペクトラ
ム拡散信号処理装置は、請求項8に記載のスペクトラム
拡散信号処理装置において、前記信号処理手段は、前記
分割符号列の長さに応じた時間だけ信号を遅延させる複
数の遅延器と、前記各遅延器からの遅延信号および前記
相関信号を加算する加算器と、を有し、前記各遅延器を
カスケード接続するとともに、初段の前記遅延器に前記
相関信号を入力するように構成されている。
【0054】このような構成であれば、各分割符号列が
参照符号列として表面弾性波コンボルバに入力された結
果、各分割符号列に対応して相関信号が出力されると、
各遅延器および加算器により、それら相関信号が各分割
符号列を入力したタイミングを基準として加算され、加
算された結果が出力される。ここで、遅延器は、分割符
号列の長さに応じた時間だけ信号を遅延させるものであ
ればいかなるものであってもよく、具体的には、例え
ば、表面弾性波遅延器やタップ付き遅延器を有するアナ
ログ遅延器、またはADC/DAC等のアナログ/ディ
ジタル変換器および記憶手段を有するディジタル遅延器
を用いることができる。
【0055】また、遅延器として表面弾性波遅延線を有
するものを用いた場合は、これを表面弾性波コンボルバ
と同一の基板上に形成することが可能となるので、回路
規模の小型化をさらに図ることができる。さらに、これ
らデバイスは、いずれも受動素子であるためデバイスに
よる電力の消費はなく、消費電力の低減化をさらに図る
こともできる。
【0056】さらに、本発明に係る請求項10記載のス
ペクトラム拡散信号処理装置は、請求項7ないし9のい
ずれかに記載のスペクトラム拡散信号処理装置におい
て、前記各分割符号列は、いずれも同一の長さで構成さ
れている。このような構成であれば、表面弾性波コンボ
ルバとして、最小の相互作用長のものを用いることがで
きる。
【0057】一方、上記第1および第2の目的を達成す
るために、本発明に係る請求項11記載のスペクトラム
拡散通信システムは、少なくとも2つの通信機器間で、
スペクトラム拡散された拡散信号により通信を行うスペ
クトラム拡散通信システムであって、前記通信機器は、
前記拡散符号列と前記参照符号列との同期を検出する同
期検出手段と、前記同期検出手段からの同期検出信号に
基づいて前記拡散信号を逆拡散する逆拡散手段と、を有
し、請求項1ないし3、または7ないし10のいずれか
に記載のスペクトラム拡散信号処理装置を、前記同期検
出手段および前記逆拡散手段のいずれか一方または両方
に適用した。
【0058】このような構成であれば、請求項1ないし
3のいずれかに記載のスペクトラム拡散信号処理装置を
適用した場合は、拡散符号列として比較的長い符号長の
ものを用いかつ符号多重を行うスペクトラム拡散通信に
おいて、同期検出または逆拡散を比較的正確に行うこと
ができる。また、請求項7ないし10のいずれかに記載
のスペクトラム拡散信号処理装置を適用した場合は、同
期検出手段および逆拡散手段のいずれかに用いる表面弾
性波コンボルバとしては、逆拡散符号列の長さに応じた
相互作用長のものを用いる必要はなく、分割符号列の長
さに応じた相互作用長のものを用いることができる。
【0059】さらに、本発明に係る請求項12記載のス
ペクトラム拡散通信システムは、少なくとも2つの通信
機器間で、スペクトラム拡散された拡散信号により通信
を行うスペクトラム拡散通信システムであって、前記通
信機器は、前記拡散符号列と前記参照符号列との同期を
検出する同期検出手段を有し、請求項4ないし6のいず
れかに記載のスペクトラム拡散信号処理装置を、前記同
期検出手段に適用した。
【0060】このような構成であれば、拡散符号列とし
て比較的長い符号長のものを用いかつ符号多重を行うス
ペクトラム拡散通信において、同期検出を比較的正確に
行うことができる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図面を参照しながら説明する。図1ないし図7は、本
発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置の第1の実施
の形態を示す図である。この第1の実施の形態は、本発
明に係るスペクトラム拡散信号処理装置を、IMT−2
000等の次世代移動体通信方式のように、256ビッ
トの拡散符号列を用いかつ符号多重を行うスペクトラム
拡散通信においてその受信機に適用したものであって、
より具体的には、スペクトラム拡散された拡散信号の同
期検出および逆拡散を表面弾性波(SAW:Surface Ac
oustic Wave)コンボルバを用いて行う場合について適
用したものである。
【0062】まず、本実施の形態において処理対象とな
る拡散信号の構成を図1を参照しながら説明する。図1
は、拡散信号の構成を示す図である。拡散信号は、図1
に示すように、複数個のスーパーフレームで構成されて
おり、各スーパーフレームは、720[ms]のフレー
ム周期を有し、さらに72個のラジオフレームで構成さ
れている。各ラジオフレームは、10[ms]のフレー
ム周期を有し、さらに16個のタイムスロットで構成さ
れている。各タイムスロットは、0.625[ms]の
スロット周期を有し、さらに、パイロットシンボルと、
ロジカルチャンネルと、同期捕捉用の拡散符号列と、で
構成されている。パイロットシンボル、ロジカルチャン
ネルおよび同期捕捉用の拡散符号列は、256ビットを
1シンボルとして、それぞれ4シンボル、5シンボル、
1シンボルからなっている。
【0063】本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装
置は、上記同期捕捉用の拡散符号列(以下、単に拡散符
号列という。)を逆拡散するための逆拡散符号列を用い
て、拡散符号列との同期捕捉を行うようにしたものであ
る。なお、以下の説明中、TPN[s]は拡散符号列の周
期、TC[s]は拡散符号列の1ビット当たりの周期を
示し、ここに、拡散符号列長×TC=TPNの関係があ
る。
【0064】次に、本発明に係るスペクトラム拡散信号
処理装置の構成を図2を参照しながら説明する。図2
は、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置の一実
施例の回路構成を示すブロック図である。本発明に係る
スペクトラム拡散信号処理装置は、図2に示すように、
拡散符号列と参照符号列との相関をとるSAWコンボル
バ3と、参照符号列を発生させてSAWコンボルバ3に
出力する参照符号列発生部100と、拡散信号を入力し
てその逆拡散を行う逆拡散部110と、SAWコンボル
バ3からの相関信号を検波してディジタル変換する変換
部120と、変換部120からのディジタル信号をディ
ジタルデータとして記憶するメモリ9と、メモリ9のデ
ィジタルデータを参照して拡散符号列と参照符号列との
位相差を検出して参照符号列の発生タイミングを決定す
る信号処理部130と、増幅器1a,1bと、バンドパ
スフィルタ2a,2bと、同期パルス出力回路8と、で
構成されている。
【0065】SAWコンボルバ3は、動作周波数f0
設計されたSAWコンボルバであり、拡散符号列の長さ
に応じた相互作用長を有している。一方の入力には、増
幅器1a、バンドパスフィルタ2aを介して拡散信号を
入力し、他方の入力には、増幅器1b、バンドパスフィ
ルタ2bを介して参照符号列発生部100からの参照符
号列を入力し、両入力符号列のコンボリューション信号
(以下、相関信号という。)を出力するようになってい
る。なお、ここでの相互作用長Lは、チップレートが
4.096[Mcps]、拡散符号列の長さが256ビット
であることから、上記同様に弾性表面波速度を4000
[m/s]とすると、上式(1)により256[mm]と
なる。
【0066】増幅器1a,1bは、SAWコンボルバ3
の入力信号を、SAWコンボルバ3が動作するのに充分
な信号強度まで増幅するための高周波増幅器である。少
なくとも周波数範囲f0±(1/TC)内の信号を一様に
増幅する機能を持つ。また、バンドパスフィルタ2a,
2bは、周波数範囲f0±(1/TC)以外のスプリアス
等の不要信号を減衰させるためのフィルタである。
【0067】参照符号列発生部100は、SAWコンボ
ルバ3のチップレートの4倍以上に相当する周波数のク
ロックパルスを連続して発生させるシステムクロック発
生回路13と、システムクロック発生回路13からのク
ロックパルスにより動作して参照符号列を発生させる参
照符号列発生回路12と、帯域圧縮を行うためのルート
ナイキストフィルタであるR/Cフィルタ14と、直交
変調器15と、で構成されている。
【0068】参照符号列発生回路12は、拡散符号列と
同一の符号列を時間反転した逆拡散符号列を、参照符号
列として連続して発生させ、この逆拡散符号列を、R/
Cフィルタ14、直交変調器15を介して増幅器1bに
出力するようになっている。また、逆拡散符号列の先頭
ビットを発生させたタイミングで先頭ビットパルスを発
生させるとともに、後述するリスタートパルス発生回路
11からのリスタートパルスを入力したときは、内部に
持つ符号発生の初期値をゼロクリアし、リスタートパル
スの入力タイミングで逆拡散符号列を先頭ビットから再
発生させるようになっている。
【0069】逆拡散部110は、拡散信号を拡散すると
きに用いたのと同様の形式の変調を行うものであり、拡
散信号を入力してI/Q信号に変換する直交復調器4
と、直交復調器4からのI信号をディジタル変換するA
DC7aと、直交復調器4からのQ信号をディジタル変
換するADC7bと、ADC7a,7bからのディジタ
ル信号を入力して逆拡散を行う逆拡散回路5と、で構成
されている。
【0070】逆拡散回路5は、拡散符号列を逆拡散する
ための逆拡散符号列を内部で生成する機能を有してお
り、生成した逆拡散符号列を用いて、ADC7aからの
ディジタルI信号およびADC7bからのディジタルQ
信号の逆拡散を行うようになっている。なお、この逆拡
散は、同期パルス出力回路8から同期パルスを入力した
タイミングで行われる。
【0071】変換部120は、ローノイズ増幅器1c
と、周波数範囲2f0±(1/TC)以外のスプリアス等
の不要信号を減衰させるバンドパスフィルタ2cと、ロ
ーノイズ増幅器1c、バンドパスフィルタ2cを介して
SAWコンボルバ3から出力された相関信号を検波する
検波回路6と、検波回路6が検波した相関信号をディジ
タル変換するADC7cと、で構成されている。
【0072】検波回路6は、SAWコンボルバ3からの
相関信号がADC7cでディジタル変換可能となるよう
に、SAWコンボルバ3からの相関信号を全波整流する
とともにより低い周波数帯域に変換するようになってい
る。メモリ9は、書込および読込が異なるクロックで動
作可能な2つのバンクA,Bを有し、先頭ビットパルス
に応じてこれらバンクA,Bが切換可能に構成されてい
る。これらバンクA,Bのうち一方のバンクは、ADC
7cからのディジタル信号をディジタルデータとして記
憶するための記憶用バンクとなり、他方のバンクは、記
憶しているディジタルデータを信号処理部130が読み
出すための読出用バンクとなる。これらバンクA,B
は、参照符号列発生回路12からの先頭ビットパルスを
入力するごとに、記憶用バンクと読出用バンクとに交互
に切り換わるようになっている。
【0073】例えば、いま、バンクAが記憶用バンクと
なり、バンクBが読出用バンクとなっているとすると、
バンクAは、ADC7cからのディジタル信号を先頭ア
ドレスから順にディジタルデータとして記憶する。次
に、先頭ビットパルスを入力すると、バンクAが読出用
バンクとなり、バンクBが記憶用バンクとなる。こうし
てバンクが切り換わると、記憶開始アドレスおよび読出
開始アドレスがいずれも先頭アドレスとされ、バンクB
は、ADC7cからのディジタル信号を先頭アドレスか
ら順にディジタルデータとして記憶し、バンクAは、切
換前に記憶したディジタルデータが先頭アドレスから順
に読み出し可能な状態となる。
【0074】信号処理部130は、メモリ9のディジタ
ルデータを参照して拡散符号列と参照符号列とのずれビ
ット数を算出するずれビット数算出回路10と、ずれビ
ット数算出回路10が算出したずれビット数に応じたタ
イミングでリスタートパルスを発生させるリスタートパ
ルス発生回路11と、で構成されている。ずれビット数
算出回路10は、先頭ビットパルスの入力タイミング
で、メモリ9のディジタルデータからピーク列のレベル
を検出し、検出したピーク列のレベルの大小関係に基づ
いて、拡散符号列と参照符号列とのずれビット数を算出
するようになっており、具体的には、図3のフローチャ
ートに示すずれビット数算出処理を実行するようになっ
ている。図3は、ずれビット数算出回路10で実行され
るずれビット数算出処理を示すフローチャートである。
【0075】ずれビット数算出回路10においてずれビ
ット数算出処理が実行されると、図3に示すように、ス
テップS100に移行して、先頭ビットパルスを入力し
たか否かを判定し、先頭ビットパルスを入力したと判定
されたとき(Yes)は、ステップS102に移行するが、
そうでないと判定されたとき(No)は、先頭ビットパルス
を入力するまでステップS100を繰り返す。
【0076】ステップS102では、メモリ9の読出用
バンクからディジタルデータを読み出し、読み出したデ
ィジタルデータから最大ピークレベルLPKおよび2番目
の最大ピークレベルLPK1を検出し、ステップS104
に移行して、最大ピークレベルLPKがあらかじめ設定さ
れた基準値を超えたか否かを判定する。このステップS
104は、最大ピークレベルLPKおよび2番目の最大ピ
ークレベルLPK1が実際に相関ピークとして検出された
ものであるか、それとも単にノイズとして検出されたも
のであるかを判定するための処理であって、最大ピーク
レベルLPKが基準値を超えたときは、最大ピークレベル
PKおよび2番目の最大ピークレベルL PK1が相関ピー
クとして検出されたものであると判定する。
【0077】ステップS104の判定の結果、最大ピー
クレベルLPKが基準値を超えたと判定されたとき(Yes)
は、ステップS106に移行して、最大ピークレベルL
PKと2番目の最大ピークレベルLPK1との比率を算出し
てこの比率を元に、最大ピークレベルLPKと2番目の最
大ピークレベルLPK1との比率に対して拡散符号列と参
照符号列とのずれビット数を対応させたルックアップテ
ーブルを参照してずれビット数を算出し、ステップS1
08に移行する。
【0078】ステップS108では、算出したずれビッ
ト数が“0”であるか否かを判定し、ずれビット数が
“0”であると判定されたとき(Yes)は、ステップS1
10に移行して、拡散符号列と参照符号列とが一致した
ことを示す一致パルスを同期パルス出力回路8に出力
し、ステップS112に移行して、算出したずれビット
数をリスタートパルス発生回路11に出力し、ステップ
S100に移行する。
【0079】一方、ステップS108で、算出したずれ
ビット数が“0”でないと判定されたとき(No)は、ステ
ップS112に移行する。一方、ステップS104で、
最大ピークレベルLPKが基準値を超えていないと判定さ
れたとき(No)は、ステップS100に移行する。次に、
上記第1の実施の形態の動作を図4ないし図7を参照し
ながら説明する。図4ないし図6は、拡散符号列と参照
符号列との位相関係およびSAWコンボルバ3からの相
関信号を示すタイムチャートである。
【0080】例えば、上記拡散信号のように、同期捕捉
を行うための拡散符号列が断続的に受信される場合、受
信機では、拡散符号列と同一の符号列を時間反転した逆
拡散符号列を、参照符号列としてSAWコンボルバ3に
連続して入力することにより、拡散符号列との一致をみ
て同期捕捉を行うようにしている。SAWコンボルバ3
では、入力される拡散符号列と参照符号列との相関をと
り、その結果を相関信号として出力する。この相関信号
には、同期捕捉の対象となる拡散符号列をA、その逆拡
散符号列である参照符号列をA’とすると、図4(a)
に示すように拡散符号列Aと参照符号列A’との位相が
完全に一致しているときは、同図(b)に示すように、
参照符号列A’の最終ビットを入力し終えた時点に最大
レベルのピークPKが現れるとともに、最大ピークPK
を挟んで時間軸上前後(±1/2符号列周期の時点)に
最大ピークレベルの1/2のピークPK1,PK2がそ
れぞれ現れる。
【0081】一方、拡散符号列Aと参照符号列A’との
位相が完全に一致せずにずれているときには、参照符号
列A’の最終ビットを入力し終えた時点からその位相差
の半分の時間が経過した時点に最大レベルのピークPK
が現れるとともに、その最大ピークPKを挟んで時間軸
上前後(±1/2符号列周期の時点)に最大レベルより
も小さくかつ位相差に応じたレベルのピークPK1,P
K2がそれぞれ現れる。
【0082】例えば、図5(a)に示すように参照符号
列A’に対する拡散符号列Aの位相差が符号列周期の1
/4であるときは、同図(b)に示すように、同図
(a)の時点から拡散符号列Aと参照符号列A’とがそ
れぞれ1/8符号列周期だけSAWコンボルバ3に入力
されると、SAWコンボルバ3において、拡散符号列A
の先頭ビットから7/8の部分と参照符号列A’の最終
ビットから7/8の部分とが一致するので、相関信号に
は、その時点に最大ピークPKが現れる。そして、最大
ピークPKよりも時間軸上前方に現れるピークPK1
は、最大ピークレベルの1/2よりも位相差に応じた量
だけ減少したレベルとなり、最大ピークPKよりも時間
軸上後方に現れるピークPK2は、最大ピークレベルの
1/2よりも位相差に応じた量だけ増加したレベルとな
る。
【0083】これに対して、図6(a)に示すように参
照符号列A’に対する拡散符号列Aの位相差が符号列周
期の3/4であるときは、同図(b)に示すように、同
図(a)の時点から拡散符号列Aと参照符号列A’とが
それぞれ3/8符号列周期だけSAWコンボルバ3に入
力されると、SAWコンボルバ3において、拡散符号列
Aの先頭ビットから5/8の部分と参照符号列A’の最
終ビットから5/8の部分とが一致するので、相関信号
には、その時点に最大ピークPKが現れる。そして、最
大ピークPKよりも時間軸上前方に現れるピークPK1
は、最大ピークレベルの1/2よりも位相差に応じた量
だけ増加したレベルとなり、最大ピークPKよりも時間
軸上後方に現れるピークPK2は、最大ピークレベルの
1/2よりも位相差に応じた量だけ増加したレベルとな
る。
【0084】こういった現象をふまえ、拡散符号列と参
照符号列との同期捕捉を行う場合を図7を参照しながら
説明する。図7は、図2中のA〜G点における信号を示
すタイムチャートである。なお、以下の説明中、時刻t
nは、時間が経過するにつれて大きな値で示される。ま
た、拡散符号列A1,A2は、時間軸上における入力順序
を添字で示したものであって、いずれも同一の符号列で
ある。参照符号列A’ 1〜A’6についても同様である。
【0085】まず、参照符号列発生回路12では、シス
テムクロック発生回路13からのクロックパルスが入力
されると、これに同期して参照符号列A’が連続して発
生させられ、発生した参照符号列A’が、R/Cフィル
タ14、直交変調器15、増幅器1b、バンドパスフィ
ルタ2bを介してSAWコンボルバ3に出力される。S
AWコンボルバ3では、時刻t0において、参照符号列
A’1の先頭ビットが入力されたものとする。
【0086】一方、図示しないアンテナにより拡散信号
が受信されると、受信された拡散信号が、ミキサ等の周
波数変換器によりSAWコンボルバ3の動作周波数f0
に変換されたのち、増幅器1a、バンドパスフィルタ2
aを介してSAWコンボルバ3に出力される。SAWコ
ンボルバ3では、時刻t0から1/4符号列周期経過し
た時刻t1において、拡散信号に含まれる拡散符号列A1
の先頭ビットが入力されたものとする。
【0087】このように参照符号列A’1に対して1/
4符号列周期遅れで拡散符号列A1が入力されると、S
AWコンボルバ3では、参照符号列A’1と拡散符号列
1との相関がとられ、その結果、まず、時刻t1から3
/8符号列周期経過した時刻t2において、ハイレベル
のピークを含む相関信号が出力される。こうした相関信
号が検波回路6によりSAWコンボルバ3から検波され
ると、ADC7cにより、検波された相関信号がディジ
タル変換されてメモリ9に出力される。
【0088】一方、参照符号列A’1の先頭ビットがS
AWコンボルバ3に入力されたのと同時刻t0におい
て、参照符号列発生回路12により、先頭ビットパルス
が入力されると、メモリ9では、例えば、バンクAが記
憶用バンクとなるとともにバンクBが読出用バンクとな
って、ADC7cからのディジタル信号が、ディジタル
データとしてバンクAの先頭アドレスから順に記憶され
ていく。そして、次の参照符号列A’2の先頭ビットが
SAWコンボルバ3に入力された時刻t3において、参
照符号列発生回路12により、先頭ビットパルスが入力
されると、メモリ9では、バンクAが読出用バンクとな
るとともにバンクBが記憶用バンクとなって、ずれビッ
ト数算出回路10により、メモリ9のバンクAに記憶さ
れたディジタルデータが先頭アドレスから順に読み出さ
れる。
【0089】ずれビット数算出回路10では、時刻t0
から時刻t3までの間において記憶された相関信号のデ
ィジタルデータから、時刻t2において出力されたピー
クが最大ピークレベルLPKとして検出されるが、検出さ
れた最大ピークレベルLPKが基準値αを超えていないの
で、参照符号列A’1と拡散符号列A1とのずれビット数
は算出されない。
【0090】次に、SAWコンボルバ3では、参照符号
列A’1と拡散符号列A1との相関処理の結果、参照符号
列A’1の最終ビットが入力し終えた時刻3から1/8符
号列周期だけ経過した時刻t4において、時刻t2におい
て出力されたものよりもさらにハイレベルのピークを含
む相関信号が出力されるとともに、時刻t4から1/2
符号列周期経過した時刻t6において、ハイレベルのピ
ークを含む相関信号が出力される。こうした相関信号が
検波回路6によりSAWコンボルバ3から検波される
と、ADC7cにより、検波された相関信号がディジタ
ル変換されてメモリ9に出力される。
【0091】メモリ9では、時刻t3において、バンク
Aが読出用バンクとなるとともにバンクBが記憶用バン
クとなっているので、ADC7cからのディジタル信号
が、ディジタルデータとしてバンクBの先頭アドレスか
ら順に記憶されていく。そして、次の参照符号列A’3
の先頭ビットがSAWコンボルバ3に入力された時刻t
7において、先頭ビットパルスが入力されると、メモリ
9では、バンクAが記憶用バンクとなるとともにバンク
Bが読出用バンクとなって、ずれビット数算出回路10
により、メモリ9のバンクBに記憶されたディジタルデ
ータが先頭アドレスから順に読み出される。
【0092】ずれビット数算出回路10では、時刻t3
から時刻t7までの間において記憶された相関信号のデ
ィジタルデータから、時刻t4において出力されたピー
クが最大ピークレベルLPKとして検出されるとともに、
時刻t6において出力されたピークが2番目の最大ピー
クレベルLPK1として検出され、検出された最大ピーク
レベルLPKが基準値αを超えているので、最大ピークレ
ベルLPKと2番目の最大ピークレベルLPK1との比率が
算出され、この比率を元にずれビット数が算出される。
ここでは、参照符号列A’1に対して拡散符号列A1が1
/4符号列周期遅れているので、ずれビット数は、25
6ビットの1/4である64ビットとして算出される。
そして、算出されたずれビット数がリスタートパルス発
生回路11に出力される。
【0093】リスタートパルス発生回路11では、ずれ
ピット数が入力されると、そのずれビット数に応じたタ
イミング(時刻t8)で、リスタートパルスが参照符号
列発生回路12に出力される。参照符号列発生回路12
では、リスタートパルスが入力された時刻t8におい
て、参照符号列A’4が先頭ビットから再発生させら
れ、SAWコンボルバ3に出力される。
【0094】一方、SAWコンボルバ3では、拡散符号
列A1の最終ビットが入力し終えた時刻t5から1符号周
期経過した時刻t8において、拡散符号列A2の先頭ビッ
トが入力される。したがって、時刻t8においては、参
照符号列A’4と拡散符号列A2とが位相遅れなしでSA
Wコンボルバ3に入力されることになり、これにより、
参照符号列A’と拡散符号列Aとの同期捕捉が強制的に
行われる。
【0095】続いて、このように参照符号列A’4に対
して位相ずれなしで拡散符号列A2が入力されると、S
AWコンボルバ3では、参照符号列A’4と拡散符号列
2との相関処理の結果、時刻t8から1/2符号列周期
経過した時刻t9において、ハイレベルのピークを含む
相関信号が出力されるとともに、参照符号列A4の最終
ビットが入力し終えた時刻t10において、時刻t9にお
いて出力されたものよりもさらにハイレベルのピークを
含む相関信号が出力される。こうした相関信号が検波さ
れると、ADC7cにより、相関信号がディジタル変換
されてメモリ9に出力される。
【0096】メモリ9では、時刻t8において、バンク
Aが読出用バンクとなるとともにバンクBが記憶用バン
クとなっているので、ADC7cからのディジタル信号
が、ディジタルデータとしてバンクBの先頭アドレスか
ら順に記憶されていく。そして、次の参照符号列A’5
の先頭ビットがSAWコンボルバ3に入力された時刻t
10において、先頭ビットパルスが入力されると、メモリ
9では、バンクAが記憶用バンクとなるとともにバンク
Bが読出用バンクとなって、ずれビット数算出回路10
により、メモリ9のバンクBに記憶されたディジタルデ
ータが先頭アドレスから順に読み出される。
【0097】ずれビット数算出回路10では、時刻t8
から時刻t10までの間において記憶された相関信号のデ
ィジタルデータから、時刻t10において出力されたピー
クが最大ピークレベルLPKとして検出されるとともに、
時刻t9において出力されたピークが2番目の最大ピー
クレベルLPK1として検出され、検出された最大ピーク
レベルLPKが基準値αを超えているので、最大ピークレ
ベルLPKと2番目の最大ピークレベルLPK1との比率が
算出され、この比率を元にずれビット数が算出される。
ここでは、参照符号列A’4に対して拡散符号列A2が位
相遅れしていないので、ずれビット数は、0ビットとし
て算出される。そして、算出されたずれビット数が
“0”であるので、一致パルスが同期パルス出力回路8
に出力されるとともに、算出されたずれビット数がリス
タートパルス発生回路11に出力される。
【0098】同期パルス出力回路8では、一致パルスが
入力されると、同期パルスが逆拡散回路8に出力され
る。これに伴って、逆拡散回路8では、受信された拡散
信号が逆拡散される。なお、リスタートパルス発生回路
11では、ずれピット数が入力されると、そのずれビッ
ト数に応じたタイミング(時刻t12)で、リスタートパ
ルスが参照符号列発生回路12に出力される。参照符号
列発生回路12では、リスタートパルスが入力された時
刻t12において、参照符号列A’6が先頭ビットから再
発生させられ、SAWコンボルバ3に出力される。
【0099】このようにして、本実施の形態では、SA
Wコンボルバ3と、参照符号列発生部100と、変換部
120と、メモリ9と、ずれビット算出回路10と、リ
スタートパルス発生回路11と、を備え、ずれビット算
出回路10は、メモリ9のディジタルデータからピーク
列のレベルを検出し、検出したレベルのうち最大ピーク
レベルLPKとその最大ピークレベルLPKを挟んで時間軸
上前後に現れるいずれか一方のピークレベルとの比率に
基づいて、拡散符号列と参照符号列とのずれビット数を
算出するようにした。
【0100】このため、特に拡散符号列が断続的に受信
される場合において、拡散符号列と参照符号列との位相
差を比較的正確に検出することができるので、拡散符号
列として比較的長い符号長のものを用いたスペクトラム
拡散通信において同期捕捉の高速化および消費電力の低
減化を図ることができるという技術を、符号多重を行う
スペクトラム拡散通信においても好適に適用することが
できる。言い換えれば、従来に比して、拡散符号列とし
て比較的長い符号長のものを用い、しかも符号多重を行
うスペクトラム拡散通信において、同期捕捉までに要す
る同期捕捉時間を短縮することができるとともに、消費
電力を低減することができる。
【0101】次に、本発明の第2の実施の形態を図面を
参照しながら説明する。図8は、本発明に係るスペクト
ラム拡散信号処理装置の第2の実施の形態を示す図であ
る。この第2の実施の形態は、本発明に係るスペクトラ
ム拡散信号処理装置を、上記第1の実施の形態と同様
に、256ビットの拡散符号列を用いかつ符号多重を行
うスペクトラム拡散通信においてその受信機に適用した
ものであって、より具体的には、スペクトラム拡散され
た拡散信号の同期検出および逆拡散をSAWコンボルバ
を用いて行う場合について適用したものである。
【0102】まず、本発明に係るスペクトラム拡散信号
処理装置の構成を図2を参照しながら説明する。なお、
以下、上記第1の実施の形態と同一の部分については、
同一の符号を付して説明を省略する。本発明に係るスペ
クトラム拡散信号処理装置は、図2に示すように、SA
Wコンボルバ3と、参照符号列発生部100と、逆拡散
部110と、変換部120と、メモリ9と、信号処理部
130と、増幅器1a,1bと、バンドパスフィルタ2
a,2bと、同期パルス出力回路8と、で構成されてい
る。
【0103】ずれビット数算出回路10は、先頭ビット
パルスの入力タイミングで、メモリ9のディジタルデー
タから最大ピークを検出してそのアドレス値を取得し、
取得した最大ピークのアドレス値に基づいて、拡散符号
列と参照符号列とのずれビット数を算出するようになっ
ており、具体的には、図8のフローチャートに示すずれ
ビット数算出処理を実行するようになっている。図8
は、ずれビット数算出回路10で実行されるずれビット
数算出処理を示すフローチャートである。
【0104】ずれビット数算出回路10においてずれビ
ット数算出処理が実行されると、図8に示すように、ス
テップS100に移行して、先頭ビットパルスを入力し
たか否かを判定し、先頭ビットパルスを入力したと判定
されたとき(Yes)は、ステップS102に移行するが、
そうでないと判定されたとき(No)は、先頭ビットパルス
を入力するまでステップS100を繰り返す。
【0105】ステップS102では、メモリ9の読出用
バンクからディジタルデータを読み出し、読み出したデ
ィジタルデータから最大ピークレベルLPKとそのディジ
タルデータが記憶されているメモリ9上のアドレス値を
検出し、ステップS104に移行して、最大ピークレベ
ルLPKがあらかじめ設定された基準値を超えたか否かを
判定する。このステップS104は、最大ピークレベル
PKが実際に相関ピークとして検出されたものである
か、それとも単にノイズとして検出されたものであるか
を判定するための処理であって、最大ピークレベルLPK
が基準値を超えたときは、最大ピークレベルLPKが相関
ピークとして検出されたものであると判定する。
【0106】ステップS104の判定の結果、最大ピー
クレベルLPKが基準値を超えたと判定されたとき(Yes)
は、ステップS106に移行して、検出した最大ピーク
のアドレス値に基づいて拡散符号列と参照符号列とのず
れビット数を算出し、ステップS108に移行する。ス
テップS108では、算出したずれビット数が“0”で
あるか否かを判定し、ずれビット数が“0”であると判
定されたとき(Yes)は、ステップS110に移行して、
拡散符号列と参照符号列とが一致したことを示す一致パ
ルスを同期パルス出力回路8に出力し、ステップS11
2に移行して、算出したずれビット数をリスタートパル
ス発生回路11に出力し、ステップS100に移行す
る。
【0107】一方、ステップS108で、算出したずれ
ビット数が“0”でないと判定されたとき(No)は、ステ
ップS112に移行する。一方、ステップS104で、
最大ピークレベルLPKが基準値を超えていないと判定さ
れたとき(No)は、ステップS100に移行する。次に、
上記第2の実施の形態の動作を図4ないし図7を参照し
ながら説明する。なお、以下の説明中、時刻tnの表
記、拡散符号列A1,A2の表記、および参照符号列A’
1〜A’6の表記については、上記第1の実施の形態と同
様である。
【0108】まず、参照符号列発生回路12では、シス
テムクロック発生回路13からのクロックパルスが入力
されると、これに同期して参照符号列A’が連続して発
生させられ、発生した参照符号列A’が、R/Cフィル
タ14、直交変調器15、増幅器1b、バンドパスフィ
ルタ2bを介してSAWコンボルバ3に出力される。S
AWコンボルバ3では、時刻t0において、参照符号列
A’1の先頭ビットが入力されたものとする。
【0109】一方、図示しないアンテナにより拡散信号
が受信されると、受信された拡散信号が、ミキサ等の周
波数変換器によりSAWコンボルバ3の動作周波数f0
に変換されたのち、増幅器1a、バンドパスフィルタ2
aを介してSAWコンボルバ3に出力される。SAWコ
ンボルバ3では、時刻t0から1/4符号列周期経過し
た時刻t1において、拡散信号に含まれる拡散符号列A1
の先頭ビットが入力されたものとする。
【0110】このように参照符号列A’1に対して1/
4符号列周期遅れで拡散符号列A1が入力されると、S
AWコンボルバ3では、参照符号列A’1と拡散符号列
1との相関がとられ、その結果、まず、時刻t1から3
/8符号列周期経過した時刻t2において、ハイレベル
のピークを含む相関信号が出力される。こうした相関信
号が検波回路6によりSAWコンボルバ3から検波され
ると、ADC7cにより、検波された相関信号がディジ
タル変換されてメモリ9に出力される。
【0111】一方、参照符号列A’1の先頭ビットがS
AWコンボルバ3に入力されたのと同時刻t0におい
て、参照符号列発生回路12により、先頭ビットパルス
が入力されると、メモリ9では、例えば、バンクAが記
憶用バンクとなるとともにバンクBが読出用バンクとな
って、ADC7cからのディジタル信号が、ディジタル
データとしてバンクAの先頭アドレスから順に記憶され
ていく。そして、次の参照符号列A’2の先頭ビットが
SAWコンボルバ3に入力された時刻t3において、参
照符号列発生回路12により、先頭ビットパルスが入力
されると、メモリ9では、バンクAが読出用バンクとな
るとともにバンクBが記憶用バンクとなって、ずれビッ
ト数算出回路10により、メモリ9のバンクAに記憶さ
れたディジタルデータが先頭アドレスから順に読み出さ
れる。
【0112】ずれビット数算出回路10では、時刻t0
から時刻t3までの間において記憶された相関信号のデ
ィジタルデータから、時刻t2において出力されたピー
クが最大ピークレベルLPKとして検出されるが、検出さ
れた最大ピークレベルLPKが基準値αを超えていないの
で、参照符号列A’1と拡散符号列A1とのずれビット数
は算出されない。
【0113】次に、SAWコンボルバ3では、参照符号
列A’1と拡散符号列A1との相関処理の結果、参照符号
列A’1の最終ビットが入力し終えた時刻3から1/8符
号列周期だけ経過した時刻t4において、時刻t2におい
て出力されたものよりもさらにハイレベルのピークを含
む相関信号が出力されるとともに、時刻t4から1/2
符号列周期経過した時刻t6において、ハイレベルのピ
ークを含む相関信号が出力される。こうした相関信号が
検波回路6によりSAWコンボルバ3から検波される
と、ADC7cにより、検波された相関信号がディジタ
ル変換されてメモリ9に出力される。
【0114】メモリ9では、時刻t3において、バンク
Aが読出用バンクとなるとともにバンクBが記憶用バン
クとなっているので、ADC7cからのディジタル信号
が、ディジタルデータとしてバンクBの先頭アドレスか
ら順に記憶されていく。そして、次の参照符号列A’3
の先頭ビットがSAWコンボルバ3に入力された時刻t
7において、先頭ビットパルスが入力されると、メモリ
9では、バンクAが記憶用バンクとなるとともにバンク
Bが読出用バンクとなって、ずれビット数算出回路10
により、メモリ9のバンクBに記憶されたディジタルデ
ータが先頭アドレスから順に読み出される。
【0115】ずれビット数算出回路10では、時刻t3
から時刻t7までの間において記憶された相関信号のデ
ィジタルデータから、時刻t4において出力されたピー
クが最大ピークレベルLPKとして検出されるとともにそ
のアドレス値が最大ピークPKのアドレス値として検出
され、検出された最大ピークレベルLPKが基準値αを超
えているので、検出された最大ピークPKのアドレス値
に基づいてずれビット数が算出される。ここでは、参照
符号列A’1に対して拡散符号列A1が1/4符号列周期
遅れているので、ずれビット数は、256ビットの1/
4である64ビットとして算出される。そして、算出さ
れたずれビット数がリスタートパルス発生回路11に出
力される。
【0116】リスタートパルス発生回路11では、ずれ
ピット数が入力されると、そのずれビット数に応じたタ
イミング(時刻t8)で、リスタートパルスが参照符号
列発生回路12に出力される。参照符号列発生回路12
では、リスタートパルスが入力された時刻t8におい
て、参照符号列A’4が先頭ビットから再発生させら
れ、SAWコンボルバ3に出力される。
【0117】一方、SAWコンボルバ3では、拡散符号
列A1の最終ビットが入力し終えた時刻t5から1符号周
期経過した時刻t8において、拡散符号列A2の先頭ビッ
トが入力される。したがって、時刻t8においては、参
照符号列A’4と拡散符号列A2とが位相遅れなしでSA
Wコンボルバ3に入力されることになり、これにより、
参照符号列A’と拡散符号列Aとの同期捕捉が強制的に
行われる。
【0118】続いて、このように参照符号列A’4に対
して位相ずれなしで拡散符号列A2が入力されると、S
AWコンボルバ3では、参照符号列A’4と拡散符号列
2との相関処理の結果、時刻t8から1/2符号列周期
経過した時刻t9において、ハイレベルのピークを含む
相関信号が出力されるとともに、参照符号列A’4の最
終ビットが入力し終えた時刻t10において、時刻t9
おいて出力されたものよりもさらにハイレベルのピーク
を含む相関信号が出力される。こうした相関信号が検波
されると、ADC7cにより、相関信号がディジタル変
換されてメモリ9に出力される。
【0119】メモリ9では、時刻t8において、バンク
Aが読出用バンクとなるとともにバンクBが記憶用バン
クとなっているので、ADC7cからのディジタル信号
が、ディジタルデータとしてバンクBの先頭アドレスか
ら順に記憶されていく。そして、次の参照符号列A’5
の先頭ビットがSAWコンボルバ3に入力された時刻t
10において、先頭ビットパルスが入力されると、メモリ
9では、バンクAが記憶用バンクとなるとともにバンク
Bが読出用バンクとなって、ずれビット数算出回路10
により、メモリ9のバンクBに記憶されたディジタルデ
ータが先頭アドレスから順に読み出される。
【0120】ずれビット数算出回路10では、時刻t8
から時刻t10までの間において記憶された相関信号のデ
ィジタルデータから、時刻t10において出力されたピー
クが最大ピークレベルLPKとして検出されるとともにそ
のアドレス値が最大ピークPKのアドレス値として検出
され、検出された最大ピークレベルLPKが基準値αを超
えているので、検出された最大ピークPKのアドレス値
に基づいてずれビット数が算出される。ここでは、参照
符号列A’4に対して拡散符号列A2が位相遅れしていな
いので、ずれビット数は、0ビットとして算出される。
そして、算出されたずれビット数が“0”であるので、
一致パルスが同期パルス出力回路8に出力されるととも
に、算出されたずれビット数がリスタートパルス発生回
路11に出力される。
【0121】同期パルス出力回路8では、一致パルスが
入力されると、同期パルスが逆拡散回路8に出力され
る。これに伴って、逆拡散回路8では、受信された拡散
信号が逆拡散される。なお、リスタートパルス発生回路
11では、ずれピット数が入力されると、そのずれビッ
ト数に応じたタイミング(時刻t12)で、リスタートパ
ルスが参照符号列発生回路12に出力される。参照符号
列発生回路12では、リスタートパルスが入力された時
刻t12において、参照符号列A’6が先頭ビットから再
発生させられ、SAWコンボルバ3に出力される。
【0122】このようにして、本実施の形態では、SA
Wコンボルバ3と、参照符号列発生部100と、変換部
120と、メモリ9と、ずれビット算出回路10と、リ
スタートパルス発生回路11と、を備え、ずれビット算
出回路10は、メモリ9のディジタルデータから最大ピ
ークレベルLPKとそのアドレス値を検出し、検出した最
大ピークレベルLPKが基準値を超えているときは、検出
した最大ピークのアドレス値に基づいて、拡散符号列と
参照符号列とのずれビット数を算出するようにした。
【0123】このため、特に拡散符号列が断続的に受信
される場合において、拡散符号列と参照符号列との位相
差を比較的正確に検出することができるので、拡散符号
列として比較的長い符号長のものを用いたスペクトラム
拡散通信において同期捕捉の高速化および消費電力の低
減化を図ることができるという技術を、符号多重を行う
スペクトラム拡散通信においても好適に適用することが
できる。言い換えれば、従来に比して、拡散符号列とし
て比較的長い符号長のものを用い、しかも符号多重を行
うスペクトラム拡散通信において、同期捕捉までに要す
る同期捕捉時間を短縮することができるとともに、消費
電力を低減することができる。
【0124】次に、本発明の第3の実施の形態を図面を
参照しながら説明する。図9ないし図12は、本発明に
係るスペクトラム拡散信号処理装置の第3の実施の形態
を示す図である。この第3の実施の形態は、本発明に係
るスペクトラム拡散信号処理装置を、IMT−2000
等の次世代移動体通信方式のように、256ビットの拡
散符号列を用いかつ符号多重を行うスペクトラム拡散通
信においてその受信機に適用したものであって、より具
体的には、スペクトラム拡散された拡散信号の同期検出
および逆拡散を、拡散符号列の長さに応じた相互作用長
よりも小さいSAWコンボルバを用いて行う場合につい
て適用したものである。
【0125】まず、本発明に係るスペクトラム拡散信号
処理装置の構成を図9を参照しながら説明する。図9
は、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置の一実
施例の回路構成を示すブロック図である。なお、以下、
上記第1の実施の形態と同一の部分については、同一の
符号を付して説明を省略する。本発明に係るスペクトラ
ム拡散信号処理装置は、図2に示すように、SAWコン
ボルバ3と、参照符号列発生部100と、逆拡散部11
0と、変換部120と、メモリ9と、信号処理部130
と、増幅器1a,1bと、バンドパスフィルタ2a,2
bと、同期パルス出力回路8と、で構成されている。
【0126】SAWコンボルバ3は、動作周波数f0
設計されたSAWコンボルバであり、拡散符号列の長さ
の1/4の長さ(16ビット)に応じた相互作用長を有
している。なお、ここでの相互作用長Lは、チップレー
トが4.096[Mcps]、拡散符号列の長さが64ビッ
トであることから、上記同様に弾性表面波速度を400
0[m/s]とすると、上式(1)により64[mm]と
なる。
【0127】参照符号列発生回路12は、SAWコンボ
ルバ3の相互作用長に応じた長さとなるように、拡散符
号列と同一の符号列を時間反転した逆拡散符号列をその
1/4の長さの複数の符号列C1〜C4に分割しておき、
分割符号列C1を参照符号列として連続して発生させ、
後述する信号処理回路18からの参照符号列切換パルス
を入力したときは、各分割符号列C1〜C4を、逆拡散符
号列での配列順序に従って参照符号列として連続して発
生させ、これら分割符号列C1〜C4を、R/Cフィルタ
14、直交変調器15を介して増幅器1bに出力するよ
うになっている。また、各分割符号列C1〜C4の先頭ビ
ットを発生させたタイミングで先頭ビットパルスを発生
させるとともに、リスタートパルス発生回路11からの
リスタートパルスを入力したときは、内部に持つ符号発
生の初期値をゼロクリアし、リスタートパルスの入力タ
イミングで各分割符号列C1〜C4を先頭ビットから再発
生させるようになっている。
【0128】変換部120は、ローノイズ増幅器1c
と、バンドパスフィルタ2cと、検波回路6と、ADC
7cと、ADC7cからのディジタル信号を遅延させる
カスケード接続された3つの遅延器16a〜16cと、
各遅延器16a〜16cからの遅延信号およびADC7
cからのディジタル信号を加算する加算器17と、で構
成されている。
【0129】遅延器16aは、ADC7cからのディジ
タル信号を入力し、入力信号を各分割符号列C1〜C4
長さに応じた時間(例えば、16[μs])だけ遅延さ
せるようになっており、遅延器16b,16cは、前段
の遅延器16a,16bからの遅延信号を入力し、入力
信号を各分割符号列列C1〜C4の長さに応じた時間だけ
遅延させるようになっている。
【0130】信号処理部130は、メモリ9のディジタ
ルデータを処理する信号処理回路18と、信号処理回路
18が算出したずれビット数に応じたタイミングでリス
タートパルスを発生させるリスタートパルス発生回路1
1と、で構成されている。信号処理回路18は、先頭ビ
ットパルスの入力タイミングで、メモリ9のディジタル
データから最大ピークを検出してそのレベルとアドレス
値を検出し、検出した最大ピークレベルに基づいて、参
照符号列切換パルスを出力するとともに、検出した最大
ピークのアドレス値に基づいて、拡散符号列と参照符号
列とのずれビット数を算出するようになっており、具体
的には、図10のフローチャートに示す信号処理を実行
するようになっている。図10は、信号処理回路18で
実行される信号処理を示すフローチャートである。
【0131】信号処理回路18において信号処理が実行
されると、図10に示すように、ステップS100に移
行して、先頭ビットパルスを入力したか否かを判定し、
先頭ビットパルスを入力したと判定されたとき(Yes)
は、ステップS102に移行するが、そうでないと判定
されたとき(No)は、先頭ビットパルスを入力するまでス
テップS100を繰り返す。
【0132】ステップS102では、メモリ9の読出用
バンクからディジタルデータを読み出し、読み出したデ
ィジタルデータから最大ピークレベルLPKとそのディジ
タルデータが記憶されているメモリ9上のアドレス値を
検出し、ステップS104に移行して、最大ピークレベ
ルLPKがあらかじめ設定された基準値α1を超えたか否
かを判定する。このステップS104は、最大ピークレ
ベルLPKが実際に相関ピークとして検出されたものであ
るか、それとも単にノイズとして検出されたものである
かを判定するための処理であって、最大ピークレベルL
PKが基準値α1を超えたときは、最大ピークレベルLPK
が相関ピークとして検出されたものであると判定する。
【0133】ステップS104の判定の結果、最大ピー
クレベルLPKが基準値α1を超えたと判定されたとき(Ye
s)は、ステップS106に移行して、最大ピークレベル
P Kがあらかじめ設定された基準値α2(基準値α2>基
準値α1)を超えたか否かを判定する。このステップS
106は、最大ピークレベルLPKが、各分割符号列C 1
〜C4に対応したすべての相関ピークが重なり合ってい
るものとして検出されたものであるか、それとも各分割
符号列C1〜C4に対応したいずれかの相関ピークとして
検出されたものであるかを判定するための処理であっ
て、最大ピークレベルLPKが基準値α2を超えたとき
は、最大ピークレベルLPKが、各分割符号列C1〜C4
対応したすべての相関ピークが重なり合っているものと
して検出されたものであると判定する。
【0134】ステップS106の判定の結果、最大ピー
クレベルLPKが基準値α1を超えたと判定されたとき(Ye
s)は、ステップS108に移行して、例えば、上記第2
の実施の形態においてずれビット数算出回路10で実行
される同期捕捉を行うための同期捕捉処理(ステップS
106〜S112)を実行し、ステップS100に移行
する。
【0135】一方、ステップS106で、最大ピークレ
ベルLPKが基準値α2を超えていないと判定されたとき
(No)は、ステップS110に移行して、参照符号列切換
パルスを参照符号発生回路12に出力し、ステップS1
00に移行する。一方、ステップS104で、最大ピー
クレベルLPKが基準値α1を超えていないと判定された
とき(No)は、ステップS100に移行する。
【0136】次に、上記第3の実施の形態の動作を図1
1および図12を参照しながら説明する。図11は、S
AWコンボルバ3での相関処理の一例を示す図であり、
図12は、図9中のA,B点における相関信号を示すタ
イムチャートである。まず、参照符号列発生回路12で
は、システムクロック発生回路13からのクロックパル
スが入力されると、これに同期して分割符号列C1から
なる参照符号列が連続して発生させられ、発生した参照
符号列が、R/Cフィルタ14、直交変調器15、増幅
器1b、バンドパスフィルタ2bを介してSAWコンボ
ルバ3に出力される。
【0137】一方、図示しないアンテナにより拡散信号
が受信されると、受信された拡散信号が、ミキサ等の周
波数変換器によりSAWコンボルバ3の動作周波数f0
に変換されたのち、増幅器1a、バンドパスフィルタ2
aを介してSAWコンボルバ3に出力される。例えば、
図11に示すように、拡散符号列がその1/4の長さの
複数の分割符号列C'1〜C'4からなっているものとし、
このとき、拡散信号に含まれる分割符号列C'1と参照符
号列との位相差が1符号周期以上ある場合、SAWコン
ボルバ3では、参照符号列と拡散信号との相関がとられ
るが、これらが相互作用長の範囲で一致しないので、ハ
イレベルのピークを含む相関信号が出力されることはな
い。
【0138】ところが、拡散符号列が含まれている拡散
信号がSAWコンボルバ3に入力され、さらに分割符号
列C'1と参照符号列との位相差が1符号周期以下ある場
合、SAWコンボルバ3では、分割符号列C1からなる
参照符号列と分割符号列C'1との相関がとられ、その結
果、ハイレベルのピークを含む相関信号が出力される。
こうした相関信号が検波回路6によりSAWコンボルバ
3から検波されると、ADC7cにより、検波された相
関信号がディジタル変換されて各遅延器16a〜16c
を介してメモリ9に出力される。
【0139】一方、参照符号列発生回路12により、先
頭ビットパルスが入力されると、メモリ9では、例え
ば、加算器17からのディジタル信号が、ディジタルデ
ータとしてバンクAの先頭アドレスから順に記憶されて
いく。そして、参照符号列発生回路12により、次の先
頭ビットパルスが入力されると、メモリ9では、バンク
Aが読出用バンクとなるとともにバンクBが記憶用バン
クとなって、信号処理回路18により、メモリ9のバン
クAに記憶されたディジタルデータが先頭アドレスから
順に読み出される。
【0140】信号処理回路18では、読み出されたディ
ジタルデータから、出力されたピークが最大ピークレベ
ルLPKとして検出され、検出された最大ピークレベルL
PKが相関ピークであることから、基準値α1以上でかつ
基準値α2以下となるので、参照符号列切換パルスが参
照符号列発生回路12に出力される。参照符号列発生回
路12では、参照符号列切換パルスが入力されると、各
分割符号列C1〜C4のいずれかからなる参照符号列が連
続して発生させられ、各分割符号列C1〜C4が参照符号
列としてその順序で繰り返しSAWコンボルバ3に入力
される。ただし、その発生の開始は、分割符号列C2
らとなる。
【0141】一方、分割符号列C'1がSAWコンボルバ
3に入力されたのちは、図11に示すように、これに続
いて拡散符号列を構成する分割符号列C’2〜C’4が入
力されるので、SAWコンボルバ3では、まず、分割符
号列C2からなる参照符号列と分割符号列C'2との相関
がとられ、その結果、ハイレベルのピークを含む相関信
号が出力される。これと同じ要領で、分割符号列C3
4からなる参照符号列と分割符号列C'3,C’4との相
関がそれぞれとられ、その結果、図12(a)に示すよ
うに、ハイレベルのピークを含む相関信号が順次出力さ
れる。こうした相関信号が検波回路6によりSAWコン
ボルバ3から検波されると、ADC7cにより、検波さ
れた相関信号がディジタル変換されて各遅延器16a〜
16cを介してメモリ9に出力される。
【0142】そして、相関信号が順次出力されると、遅
延器16aにより、各分割符号列C 1〜C4に対応して出
力された相関信号が、各分割符号列C1〜C4の長さに応
じた時間だけ遅延させられるので、加算器17では、遅
延器16aにより遅延させられた分割符号列C1に対応
した相関信号と、分割符号列C2に対応して出力された
相関信号と、が加算されて出力される。次いで、遅延器
16a,16bにより遅延させられた分割符号列C1
2に対応した相関信号と、分割符号列C3に対応して出
力された相関信号と、が加算されて出力される。
【0143】これと同じ要領で、加算器17では、遅延
器16a〜16cにより遅延させられた分割符号列C1
〜C3に対応した相関信号と、分割符号列C4に対応して
出力された相関信号と、が加算されて出力される。以上
のようにして相関信号の処理が行われるため、拡散符号
列が含まれている拡散信号が入力されると、加算器17
において各分割符号列C1〜C4に対応して出力された相
関信号は、図12(b)に示すようになっている。
【0144】すなわち、分割符号列C1を参照符号列と
してSAWコンボルバ3に入力したときに、拡散符号列
のうち分割符号列C’1の部分が入力されると、相関信
号には、分割符号列C’1を入力し終えた時点にハイレ
ベルのピークが現れる。これと同様にして、分割符号列
2〜C4を参照符号列としてSAWコンボルバ3に入力
したときに、拡散符号列のうち分割符号列C’2〜C’4
の部分が入力されると、相関信号には、分割符号列C1
のときと同じ時点にハイレベルのピークが現れる。
【0145】したがって、こうした相関信号がそれぞれ
遅延させられて加算されると、各相関信号には、いずれ
も同じ時点にピークが現れていることから、すべてのピ
ークが重なり合って加算されることになり、加算された
結果には、さらにハイレベルのピークが現れることにな
る。一方、メモリ9では、例えば、加算器17からのこ
うしたディジタル信号が、ディジタルデータとしてバン
クBの先頭アドレスから順に記憶されていく。そして、
参照符号列発生回路12により、次の先頭ビットパルス
が入力されると、メモリ9では、バンクAが記憶用バン
クとなるとともにバンクBが読出用バンクとなって、信
号処理回路18により、メモリ9のバンクBに記憶され
たディジタルデータが先頭アドレスから順に読み出され
る。
【0146】信号処理回路18では、読み出されたディ
ジタルデータから、出力されたピークが最大ピークレベ
ルLPKとして検出され、検出された最大ピークレベルL
PKが、各分割符号列C1〜C4に対応して出力されたすべ
ての相関ピークが重なりあったものであることから、基
準値α2以上となるので、同期捕捉処理が実行される。
【0147】このようにして、本実施の形態では、分割
符号列の長さに応じたSAWコンボルバ3と、参照符号
列発生部100と、変換部120と、メモリ9と、信号
処理回路18と、を備え、信号処理回路18が基準値α
2以上のピークレベルを検出するまでは、分割符号列C1
を参照符号列として連続して発生させ、信号処理回路1
8が基準値α2以上のピークレベルを検出してからは、
各分割符号列C1〜C 4を、逆拡散符号列での配列順序に
従って参照符号列として連続して発生させるようにし
た。ただし、その発生の開始は、分割符号列C2からと
した。
【0148】このため、分割符号列の長さに応じたSA
Wコンボルバ3を用いた場合に、拡散符号列と参照符号
列との位相差が分割符号列の長さよりも長いときであっ
ても、拡散符号列を比較的確実に捕捉することができる
ので、拡散符号列として比較的長い符号長のものを用い
たスペクトラム拡散通信において、同期捕捉までに要す
る同期捕捉時間を短縮することができるとともに、消費
電力を低減することができ、しかも回路規模の小型化を
図りながら同期検出および逆拡散を比較的正確に行うこ
ともできる。
【0149】また、本実施の形態では、変換部120
は、ローノイズ増幅器1cと、バンドパスフィルタ2c
と、検波回路6と、ADC7cと、カスケード接続され
た3つの遅延器16a〜16cと、各遅延器16a〜1
6cからの遅延信号およびADC7cからのディジタル
信号を加算する加算器17と、で構成されており、遅延
器16aは、ADC7cからのディジタル信号を、各分
割符号列C1〜C4の長さに応じた時間だけ遅延させるよ
うになっており、遅延器16b,16cは、前段の遅延
器16a,16bからの遅延信号を、各分割符号列列C
1〜C4の長さに応じた時間だけ遅延させるようになって
いる。
【0150】このため、メモリ9には、各分割符号列C
1〜C4に対応して出力されたすべての相関ピークが重な
りあったものが記憶されるので、メモリ9は、分割符号
列の長さに応じた容量を有してさえすればよい。したが
って、逆拡散符号列を分割せずにそのままで用いた場合
に比して、少ない容量でメモリ9を構成することができ
る。
【0151】さらに、本実施の形態では、各分割符号列
1〜C4をいずれも同一の長さで構成したから、SAW
コンボルバ3として、最小の相互作用長のものを用いる
ことができる。なお、上記第1の実施の形態において
は、最大ピークレベルLPKと2番目の最大ピークレベル
PK1との比率を算出してこの比率を元に、最大ピーク
レベルLP Kと2番目の最大ピークレベルLPK1との比率
に対してずれビット数を対応させたルックアップテーブ
ルを参照してずれビット数を算出するように構成した
が、これに限らず、最大ピークレベルLPKと2番目の最
大ピークレベルLPK1との差分を算出してこの差分を元
に、最大ピークレベルLPKと2番目の最大ピークレベル
PK1との差分に対してずれビット数を対応させたルッ
クアップテーブルを参照してずれビット数を算出するよ
うに構成してもよいし、または、最大ピークレベルLPK
と基準値との比率または差分を算出してこの比率または
差分を元に、最大ピークレベルLPKと基準値との比率ま
たは差分に対してずれビット数を対応させたルックアッ
プテーブルを参照してずれビット数を算出するように構
成してもよい。
【0152】また、上記第1、第2および第3の実施の
形態においては、本発明に係るスペクトラム拡散信号処
理装置を、スペクトラム拡散された拡散信号の同期検出
または逆拡散をディジタル処理によって行う場合につい
て適用したが、これに限らず、スペクトラム拡散された
拡散信号の同期検出または逆拡散をアナログ処理によっ
て行う場合について適用することもできる。
【0153】また、上記第1、第2および第3の実施の
形態においては、バンク方式のメモリ9を用いて構成し
たが、これに限らず、参照符号列の1符号列周期分のデ
ィジタルデータを保持するシフトレジスタを備え、先頭
ビットパルスの入力タイミングで、シフトレジスタの先
頭から順にディジタルデータを記憶していくリング方式
のバッファを用いて構成してもよい。
【0154】また、上記第1および第2の実施の形態に
おいては、逆拡散符号列を分割せずにそのままで用いる
ように構成したが、これに限らず、上記第3の実施の形
態と組み合わせて、逆拡散符号を分割して用いるように
構成してもよい。また、上記第3の実施の形態において
は、各分割符号列C1〜C4の長さを64ビットで構成し
たが、SAWコンボルバ3の出力信号に十分なS/N比
を確保するには、各分割符号列C1〜C4の長さを、10
ビット以上、さらには30ビット以上で構成することが
好ましい。もちろん、これに合わせてSAWコンボルバ
3の相互作用長も決定する。
【0155】また、上記実施の形態において、図3また
は図8のフローチャートに示すずれビット数算出処理を
実行するにあたってはいずれも、ずれビット数算出回路
10が直接実行する場合について説明したが、これに限
らず、CPU、RAMおよびROMをバス接続してずれ
ビット数算出回路10を構成し、これらの手順を示した
プログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラム
をRAMに読み込んで実行するようにしてもよい。
【0156】また、上記実施の形態において、図10の
フローチャートに示す信号処理を実行するにあたって
は、信号処理回路18が直接実行する場合について説明
したが、これに限らず、CPU、RAMおよびROMを
バス接続して信号処理回路18を構成し、これらの手順
を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプ
ログラムをRAMに読み込んで実行するようにしてもよ
い。
【0157】ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等
の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒
体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記
憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体
であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法の
いかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記
憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0158】上記第1の実施の形態において、参照符号
列発生回路12は、請求項5記載の参照符号列発生手段
に対応し、変換部120は、請求項5記載の変換手段に
対応し、メモリ9は、請求項5記載の記憶手段に対応
し、ずれビット数算出回路10は、請求項5記載のピー
クレベル検出手段および位相差算出手段に対応し、リス
タートパルス発生回路11は、請求項5記載のリスター
ト信号発生手段に対応している。
【0159】また、上記第2の実施の形態において、参
照符号列発生回路12は、請求項6記載の参照符号列発
生手段に対応し、変換部120は、請求項6記載の変換
手段に対応し、メモリ9は、請求項6記載の記憶手段に
対応し、ずれビット数算出回路10は、請求項6記載の
最大ピーク検出手段およびずれビット数算出手段に対応
し、リスタートパルス発生回路11は、請求項6記載の
リスタート信号発生手段に対応している。
【0160】また、上記第3の実施の形態において、参
照符号列発生回路12、信号処理回路18およびリスタ
ートパルス発生回路11は、請求項7記載のピーク検出
手段および制御手段に対応し、ADC7c、遅延器16
a〜16cおよび信号処理回路18は、請求項8または
9記載の信号処理手段に対応している。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る請求
項1ないし6記載のスペクトラム拡散信号処理装置によ
れば、従来に比して、拡散符号列として比較的長い符号
長のものを用い、しかも符号多重を行うスペクトラム拡
散通信において、同期捕捉までに要する同期捕捉時間を
短縮することができるとともに、消費電力を低減するこ
とができるという効果が得られる。
【0162】また、本発明に係る請求項7ないし10記
載のスペクトラム拡散信号処理装置によれば、従来に比
して、拡散符号列として比較的長い符号長のものを用い
たスペクトラム拡散通信において、同期捕捉までに要す
る同期捕捉時間を短縮することができるとともに、消費
電力を低減することができ、しかも回路規模の小型化を
図りながら同期検出および逆拡散を比較的正確に行うこ
ともできるという効果が得られる。
【0163】さらに、本発明に係る請求項10記載のス
ペクトラム拡散信号処理装置によれば、表面弾性波コン
ボルバとして、最小の相互作用長のものを用いることが
できるという効果も得られる。一方、本発明に係る請求
項11または12記載のスペクトラム拡散通信システム
によれば、拡散符号列として比較的長い符号長のものを
用い、しかも符号多重を行うスペクトラム拡散通信にお
いて、同期捕捉までに要する同期捕捉時間を短縮するこ
とができるとともに、消費電力を低減することができる
という効果が得られ、併せて、回路規模の小型化を図り
ながら同期検出および逆拡散を比較的正確に行うことも
できるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】拡散信号の構成を示す図である。
【図2】本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置の
一実施例の回路構成を示すブロック図である。
【図3】ずれビット数算出回路10で実行されるずれビ
ット数算出処理を示すフローチャートである。
【図4】拡散符号列と参照符号列との位相関係およびS
AWコンボルバ3からの相関信号を示すタイムチャート
である。
【図5】拡散符号列と参照符号列との位相関係およびS
AWコンボルバ3からの相関信号を示すタイムチャート
である。
【図6】拡散符号列と参照符号列との位相関係およびS
AWコンボルバ3からの相関信号を示すタイムチャート
である。
【図7】図2中のA〜G点における信号を示すタイムチ
ャートである。
【図8】ずれビット数算出回路10で実行されるずれビ
ット数算出処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置の
一実施例の回路構成を示すブロック図である。
【図10】信号処理回路18で実行される信号処理を示
すフローチャートである。
【図11】SAWコンボルバ3での相関処理の一例を示
す図である。
【図12】図9中のA,B点における相関信号を示すタ
イムチャートである。
【符号の説明】
1a〜1c 増幅器 2a〜2c バンドパスフィルタ 3 SAWコンボルバ 5 逆拡散回路 6 検波回路 7a〜7c ADC 8 同期パルス出力回路 9 メモリ 10 ずれビット数算出回路 11 リスタートパルス発生回路 12 参照符号列発生回路 16a〜16c 遅延器 17 加算器 18 信号処理回路

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトラム拡散された拡散信号に含ま
    れる拡散符号列と、逆拡散を行うための逆拡散符号から
    なる参照符号列とを入力してこれらの相関をとる表面弾
    性波コンボルバを備え、前記表面弾性波コンボルバから
    の相関信号を処理するスペクトラム拡散信号処理装置で
    あって、 前記相関信号におけるピーク列のレベルの大小関係に基
    づいて、前記拡散符号列と前記参照符号列との位相のず
    れを検出するようになっていることを特徴とするスペク
    トラム拡散信号処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記相関信号におけるピーク列のうち最大ピークを挟ん
    で時間軸上前後に現れる2つのピークレベルの比率又は
    差分に基づいて、前記拡散符号列と前記参照符号列との
    位相のずれを検出するようになっていることを特徴とす
    るスペクトラム拡散信号処理装置。
  3. 【請求項3】 スペクトラム拡散された拡散信号に含ま
    れる拡散符号列と、逆拡散を行うための逆拡散符号から
    なる参照符号列とを入力してこれらの相関をとる表面弾
    性波コンボルバを備え、前記表面弾性波コンボルバから
    の相関信号を処理するスペクトラム拡散信号処理装置で
    あって、 前記相関信号におけるピークレベルと基準レベルとの比
    較結果に基づいて、前記拡散符号列と前記参照符号列と
    の位相のずれを検出するようになっていることを特徴と
    するスペクトラム拡散信号処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、 検出した位相のずれに基づいて、前記表面弾性波コンボ
    ルバに対する前記参照符号列の入力タイミングを決定す
    るようになっていることを特徴とするスペクトラム拡散
    信号処理装置。
  5. 【請求項5】 スペクトラム拡散された拡散信号に含ま
    れる拡散符号列と、逆拡散を行うための逆拡散符号から
    なる参照符号列とを入力してこれらの相関をとる表面弾
    性波コンボルバを備え、前記表面弾性波コンボルバから
    の相関信号を処理するスペクトラム拡散信号処理装置で
    あって、 前記参照符号列を連続して発生させるとともにリスター
    ト信号に応じて前記参照符号列を先頭から再発生させる
    参照符号列発生手段と、前記表面弾性波コンボルバから
    相関信号を検波してディジタル変換する変換手段と、前
    記変換手段からのディジタル信号をディジタルデータと
    して記憶する記憶手段と、前記記憶手段のディジタルデ
    ータからピーク列のレベルを検出するピークレベル検出
    手段と、前記ピークレベル検出手段が検出したレベルの
    うち最大ピークレベルとその最大ピークレベルを挟んで
    時間軸上前後に現れるいずれか一方のピークレベルとの
    比較結果に基づいて前記拡散符号列と前記参照符号列と
    の位相差を算出する位相差算出手段と、前記位相差算出
    手段が算出した位相差に応じたタイミングで前記リスタ
    ート信号を発生させるリスタート信号発生手段と、を備
    えていることを特徴とするスペクトラム拡散信号処理装
    置。
  6. 【請求項6】 スペクトラム拡散された拡散信号に含ま
    れる拡散符号列と、逆拡散を行うための逆拡散符号から
    なる参照符号列とを入力してこれらの相関をとる表面弾
    性波コンボルバを備え、前記表面弾性波コンボルバから
    の相関信号を処理するスペクトラム拡散信号処理装置で
    あって、 前記参照符号列を連続して発生させるとともにリスター
    ト信号に応じて前記参照符号列を先頭から再発生させる
    参照符号列発生手段と、前記表面弾性波コンボルバから
    相関信号を検波してディジタル変換する変換手段と、前
    記参照符号列発生手段からの前記参照符号列の発生時点
    を基準として前記変換手段からのディジタル信号を先頭
    アドレスから順にディジタルデータとして記憶する記憶
    手段と、前記記憶手段のディジタルデータから最大ピー
    クを検出してそのディジタルデータが記憶されている前
    記記憶手段のアドレス値を取得する最大ピーク検出手段
    と、前記最大ピーク検出手段が取得した最大ピークのア
    ドレス値に基づいて前記拡散符号列と前記参照符号列と
    のずれビット数を算出するずれビット数算出手段と、前
    記ずれビット数算出手段が算出したずれビット数に応じ
    たタイミングで前記リスタート信号を発生させるリスタ
    ート信号発生手段と、を備えていることを特徴とするス
    ペクトラム拡散信号処理装置。
  7. 【請求項7】 スペクトラム拡散された拡散信号に含ま
    れる拡散符号列と、逆拡散を行うための逆拡散符号から
    なる参照符号列とを入力してこれらの相関をとる表面弾
    性波コンボルバを備え、前記表面弾性波コンボルバから
    の相関信号を処理するスペクトラム拡散信号処理装置で
    あって、 前記表面弾性波コンボルバから相関信号を検波して前記
    相関信号におけるピークを検出するピーク検出手段と、
    前記ピーク検出手段の検出結果に基づいて前記参照符号
    列の発生制御を行う制御手段と、を備え、 前記制御手段は、前記ピーク検出手段がピークを検出す
    るまでは、前記拡散符号列を逆拡散するための逆拡散符
    号列を複数に分割したときの各分割符号列のうち前記逆
    拡散符号列での配列順序で所定番目のものを、前記参照
    符号列として連続して発生させ、前記ピーク検出手段が
    ピークを検出してからは、前記各分割符号列を、前記配
    列順序に従って前記参照符号列として前記所定番目の次
    のものから順次連続して発生させるようになっているこ
    とを特徴とするスペクトラム拡散信号処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記各分割符号列に対応して出力される前記相関信号を
    それぞれ加算し、当該加算結果を出力する信号処理手段
    を備えていることを特徴とするスペクトラム拡散信号処
    理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記信号処理手段は、前記分割符号列の長さに応じた時
    間だけ信号を遅延させる複数の遅延器と、前記各遅延器
    からの遅延信号及び前記相関信号を加算する加算器と、
    を有し、 前記各遅延器をカスケード接続するとともに、初段の前
    記遅延器に前記相関信号を入力するように構成されてい
    ることを特徴とするスペクトラム拡散信号処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれかにおいて、 前記各分割符号列は、いずれも同一の長さで構成されて
    いることを特徴とするスペクトラム拡散信号処理装置。
  11. 【請求項11】 少なくとも2つの通信機器間で、スペ
    クトラム拡散された拡散信号により通信を行うスペクト
    ラム拡散通信システムであって、 前記通信機器は、前記拡散符号列と前記参照符号列との
    同期を検出する同期検出手段と、前記同期検出手段から
    の同期検出信号に基づいて前記拡散信号を逆拡散する逆
    拡散手段と、を有し、 請求項1乃至3、又は7乃至10のいずれかに記載のス
    ペクトラム拡散信号処理装置を、前記同期検出手段及び
    前記逆拡散手段のいずれか一方又は両方に適用したこと
    を特徴とするスペクトラム拡散通信システム。
  12. 【請求項12】 少なくとも2つの通信機器間で、スペ
    クトラム拡散された拡散信号により通信を行うスペクト
    ラム拡散通信システムであって、 前記通信機器は、前記拡散符号列と前記参照符号列との
    同期を検出する同期検出手段を有し、 請求項4乃至6のいずれかに記載のスペクトラム拡散信
    号処理装置を、前記同期検出手段に適用したことを特徴
    とするスペクトラム拡散通信システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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