JP2000252503A - 薄膜光電変換装置 - Google Patents

薄膜光電変換装置

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JP2000252503A
JP2000252503A JP11054540A JP5454099A JP2000252503A JP 2000252503 A JP2000252503 A JP 2000252503A JP 11054540 A JP11054540 A JP 11054540A JP 5454099 A JP5454099 A JP 5454099A JP 2000252503 A JP2000252503 A JP 2000252503A
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photoelectric conversion
film
layer
back electrode
silicon
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Hiroko Tawada
裕子 多和田
Kenji Yamamoto
憲治 山本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い歩留まりで製造可能な、結晶質半導体を
光電変換層に用いた光電変換装置を提供すること。 【解決手段】 基板と、この基板上に形成された、光反
射性金属膜および透明導電性酸化膜を含む裏面電極と、
この裏面電極上に形成された、一導電型半導体層、結晶
質半導体光電変換層、および逆導電型半導体層を含む光
電変換ユニットと、この光電変換ユニット上に形成され
た前面透明電極とを具備し、前記裏面電極は、前記光電
変換ユニットとの界面において、0.01μm以上の高
低差の凹凸面からなる剥離防止面を有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜光電変換装置に
係り、特に、薄膜光電変換装置の製造における歩留まり
の向上に関する。なお、本願明細書において、「結晶
質」と「微結晶」の用語は、部分的に非晶質を含むもの
をも意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば多結晶シリコンや微結晶シ
リコンのような結晶質シリコンを含む薄膜を利用した光
電変換装置の開発が精力的に行なわれている。これらの
開発は、安価な基板上に低温プロセスで良質の結晶質シ
リコン薄膜を形成することによって光電変換装置の低コ
スト化と高性能化を両立させようという試みであり、太
陽電池だけではなく、光センサ等のさまざまな光電変換
装置への応用が期待されている。
【0003】しかし、結晶質薄膜系太陽電池にも、非晶
質薄膜系に比べ、問題がある。即ち、多結晶シリコンや
微結晶シリコンを光電変換層として用いる場合には、そ
の吸収係数を考慮すると、太陽光を十分に吸収するため
には、数μmから数十μmmもの膜厚が必要となること
である。この膜厚は、非晶質シリコン薄膜からなる光電
変換層の10倍から100倍も厚いことになる。
【0004】基板上に形成された裏面電極上に、このよ
うに厚い結晶質シリコン層をプラズマCVD等の成膜方
法により堆積すると、結晶質シリコン層内に歪みが生
じ、裏面電極との界面に大きな応力がかってしまう。そ
のため、後に液体中への浸漬工程や熱工程が行われる
と、結晶質シリコン層が裏面電極から剥離してしまう。
【0005】このような現象は、結晶質薄膜系太陽電池
の製造の歩留まりを大幅に低下させてしまい、結晶質薄
膜系太陽電池の製造上、極めて重大な問題となってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情の下になされ、安価な基板が使用可能な低温プロセ
スのみを用いて形成される、結晶質半導体を光電変換層
として用いる薄膜光電変換装置において、生産歩留まり
を向上させることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決すべく検討を重ねた結果、裏面電極の光電変換
ユニット側の面に所定の凹凸構造を設けることにより、
裏面電極からの光電変換ユニットの剥離を大幅に防止す
ることが出来、それによって生産歩留まりを向上させる
ことが出来ることを見出した。本発明は、このような知
見に基づいてなされたものである。
【0008】即ち、本発明は、基板と、この基板上に形
成された、光反射性金属膜および透明導電性酸化膜を含
む裏面電極と、この裏面電極上に形成された、一導電型
半導体層、結晶質半導体光電変換層、およびを逆導電型
半導体層を含む光電変換ユニットと、この光電変換ユニ
ット上に形成された前面透明電極とを具備し、前記裏面
電極は、前記光電変換ユニットとの界面において、0.
01μm以上の高低差の凹凸面からなる剥離防止面を有
することを特徴とする薄膜光電変換装置を提供する。
【0009】ここで、裏面電極の剥離防止面の凹凸の高
低差とは、凸部と凹部の高さの差の平均値をいうものと
する。好ましい凹凸の高低差は、0.01〜2μmであ
る。また、凹凸のピッチは、特に限定されないが、好ま
しくは0.01〜50μmである。なお、ピッチとは、
隣接する凸部と凸部または凹部と凹部の間の平均距離を
いうものとする。
【0010】このような本発明による光電変換装置にお
いて、金属膜は、500〜1200nmの範囲内の波長
の光に対して95%以上の高い反射率を有することが好
ましい。また、光反射性金属膜は、Ag、Au、Al、
CuおよびPtから選択された1つまたはそれを含む合
金によって形成されていることが好ましい。
【0011】さらに、光電変換層は、400℃以下の下
地温度の下に形成されたものであって、80%以上の体
積結晶化分率と、1〜30原子%の範囲内の水素含有量
と、0.5〜20μmの範囲内の厚さと、その膜面に平
行な(110)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折
における(220)回折ピークに対する(111)回折
ピークの強度比が0.2以下であることが好ましい。
【0012】さらにまた、本発明によるシリコン系光電
変換装置は、結晶質シリコン系光電変換層を含む結晶質
光電変換ユニットに加えて、非晶質シリコン系光電変換
層を含む非晶質光電変換ユニットの少なくとも1つが積
層されたタンデム型としてももよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0014】図1は、本発明の第1の実施の形態による
シリコン系薄膜光電変換装置を模式的に示す断面図であ
る。この光電変換装置の基板1としては、ステンレス等
の金属、有機フィルム、セラミックス、または低融点の
安価なガラス等を用いることが出来る。
【0015】基板1上に配置される裏面電極10とし
て、光反射性金属膜102と透明導電性酸化膜103を
含む複合層が形成される。光反射性金属膜102は、真
空蒸着またはスパッタ等の方法によって基板1上に形成
することができる。反射性金属膜102は、Ag、A
u、Al、CuおよびPtから選択された1つまたはそ
れを含む合金によって形成されることが好ましい。例え
ば、ガラス基板1上に光反射性の高いAg層102を1
00〜330℃の範囲内の基板温度、より好ましくは2
00〜300℃の基板温度の下に真空蒸着法によって形
成することができる。また、ガラス基板1とAg層10
2との間に20〜50nmの範囲内の厚さを有するTi
層101を挿入することにより、ガラス基板1とAg層
102との間の付着性を向上させることができる。な
お、このようなTi層101も、蒸着またはスパッタに
よって形成することができる。
【0016】光反射性金属膜102上に形成される透明
導電性酸化膜103は、ITO、SnO、ZnO等か
ら選択された少なくとも1以上の層から形成されること
が好ましく、中でもZnOを主成分とする膜が特に好ま
しい。光電変換ユニット11に隣接して配置される透明
導電性酸化膜103の平均結晶粒経は100nm以上で
あることが好ましく、それを満たすためには100〜4
50℃の範囲内の下地温度の下で透明導電性酸化膜10
3を形成することが望まれる。なお、ZnOを主成分と
する透明導電性酸化膜103の膜厚は50nm〜1μm
の範囲内にあることが好ましく、その比抵抗は1.5×
10−3Ωcm以下であることが好ましい。
【0017】裏面電極10の上表面、即ち透明導電性酸
化膜103の上表面は、0.01μm以上の高低差の凹
凸面からなる剥離防止面を有している。この裏面電極1
0の上表面の凹凸は、反射性金属膜102の上表面が凹
凸面を有していることにより、この凹凸が、その上に形
成される透明導電性酸化膜103の上表面に伝達されて
得られる。
【0018】また、反射性金属膜102の上表面におけ
る凹凸構造は、基板1の表面を予めエッチング等によっ
て凹凸構造に加工し、その凹凸構造を反射性金属膜10
2の上表面に伝達することにより得ることができる。或
いは、基板1上に凹凸表面を有する透明導電性酸化物層
(図示せず)を堆積した後に、その凹凸構造をその上表
面に伝達し得るような薄い金属膜102を形成すること
によっても得られる。
【0019】凹凸面の形成のために用いられるエッチン
グとしては、ウェットエッチングやドライエッチングが
あり、ドライエッチングとしては、特にスパッタエッチ
ングが好ましい。なお、凹凸面の凹凸の高低差およびピ
ッチは、成膜の条件を適宜調整することによって変化さ
せることが出来る。例えば、金属膜102を蒸着により
成膜する場合、下地温度と蒸着速度を適宜調整すること
により、最適な凹凸の高低差およびピッチを得ることが
出来る。
【0020】裏面電極10の表面凹凸構造における凹凸
の高低差は、0.01以上、好ましくは0.01〜2μ
mの範囲内が好ましい。凹凸の高低差が大きいほうが、
その上に形成される光電変換ユニット11の剥離を防止
する高い効果が得られるが、機械的・電気的な欠陥によ
る短絡を防止する上では、2μm以下であることが好ま
しい。
【0021】凹凸のピッチは、特に限定されないが、機
械的・電気的な欠陥による短絡を防止する上では、0.
01〜50μmであることが好ましく、0.04〜40
μmの範囲内にあることがより好ましい。なお、このよ
うな表面凹凸構造は、金属膜102の断面のTEM(透
過型電子顕微鏡)写真やAFM(原子間力顕微鏡)によ
る表面観察によって測定することが出来る。
【0022】なお、裏面電極10の表面凹凸構造におい
て、凹凸の高低差がピッチに対して大き過ぎれば凹部と
凸部の角度が鋭くなり、その上に堆積されるシリコン系
光電変換ユニット中の半導体接合の形成がうまくいか
ず、最終的に得られる光電変換装置の開放端電圧や製造
歩留まりの低下を招いてしまう。
【0023】すなわち、裏面電極10の表面凹凸構造に
おける凹凸の高低差とピッチに関して最適値が存在し、
凹凸の高低差に対して十分な間隔のピッチを付与して凹
部と凸部の角度を緩やかにすることによって、高い開放
端電圧が得られる。すなわち、このような高低差とピッ
チを含む表面凹凸構造を有する光反射性金属層102を
利用することによって、開放端電圧の低下や製造歩留ま
りの低下を伴うことなく、光閉じ込め効果を改善して高
性能の光電変換装置を得ることができる。
【0024】裏面電極10上には、シリコン系光電変換
ユニット11が形成される。この光電変換ユニット11
に含まれるすべての半導体層が、400℃以下の下地温
度の条件の下にプラズマCVD法によって堆積される。
プラズマCVD法としては、一般によく知られている平
行平板型のRFプラズマCVDを用いることが出来る
他、周波数が150MHz以下のRF帯からVHF帯ま
での高周波電源を利用するプラズマCVDを用いてもよ
い。
【0025】裏面電極10上には、まず光電変換ユニッ
ト11に含まれる1導電型層111が堆積される。この
1導電型層111としては、たとえば導電型決定不純物
原子であるリンがドープされたn型シリコン系薄膜、ま
たはボロンがドープされたp型シリコン系薄膜などが用
いられ得る。
【0026】しかし、この1導電型層111についての
これらの条件は限定的なものではなく、不純物原子とし
ては、たとえばn型層においては窒素等でもよい。ま
た、1導電型層111の材料としては、非晶質シリコン
の他に非晶質シリコンカーバイドや非晶質シリコンゲル
マニウム等の合金材料の他に、多結晶もしくは部分的に
非晶質を含む微結晶のシリコンまたはその合金材料を用
いることもできる。
【0027】なお、必要ならば、堆積されたこのような
1導電型層111にパルスレーザ光を照射することによ
り、その結晶化分率や導電型決定不純物原子によるキャ
リア濃度を制御することもできる。
【0028】1導電型層111上には、光電変換層11
2として、結晶質シリコン系薄膜光電変換層が堆積され
る。この結晶質シリコン系光電変換層112としては、
ノンドープの真性半導体の多結晶シリコン薄膜や体積結
晶化分率が80%以上の微結晶シリコン膜、または微量
の不純物を含む弱p型もしくは弱n型で光電変換機能を
十分に備えているシリコン系薄膜材料が用いられ得る。
しかし、この光電変換層112はこれらに限定されず、
シリコンカーバイドやシリコンゲルマニウム等の合金材
料を用いて形成されてもよい。
【0029】このような光電変換層112の厚さは0.
5〜20μmの範囲内にあり、これは結晶質シリコン系
薄膜光電変換層としての必要かつ十分な膜厚である。ま
た、この結晶質光電変換層112は400℃以下の低温
で形成されるので、結晶粒界や粒内における欠陥を終端
または不活性化させる水素原子を多く含み、その水素含
有量は1〜30原子%の範囲内にある。さらに、結晶質
シリコン系薄膜光電変換層112に含まれる結晶粒の多
くは下地層から上方に柱状に延びて成長しており、その
膜面に平行に(110)の優先結晶配向面を有し、その
X線回折における(220)回折ピークに対する(11
1)回折ピークの強度比は0.2以下である。
【0030】結晶質光電変換層112上には、1導電型
層111とは逆タイプの逆導電型層113としてのシリ
コン系薄膜が堆積される。この逆導電型層113として
は、たとえば導電型決定不純物原子であるボロンがドー
プされたp型シリコン系薄膜、またはリンがドープされ
たn型シリコン系薄膜などが用いられ得る。しかし、こ
の逆導電型層113についてのこれらの条件は限定的な
ものではなく、不純物原子としては、たとえばp型層に
おいてはアルミニウム等でもよい。また、逆導電型層1
13の材料としては、非晶質シリコンの他に非晶質シリ
コンカーバイドや非晶質シリコンゲルマニウム等の合金
材料を用いてもよく、多結晶もしくは部分的に非晶質を
含む微結晶のシリコンまたはその合金材料を用いること
もできる。
【0031】なお、たとえ裏面電極10の表面1Aが実
質的に平坦である場合でも、その上に堆積される光電変
換ユニット11の上面1Bには、微細な凹凸を含む表面
テクスチャ構造が形成される。また、裏面電極10の上
表面1Aが凹凸テクスチャ構造を有する場合、光電変換
ユニット11の上面1Bのテクスチャ構造における微細
な凹凸のピッチは、裏面電極10の上面1Aのそれに比
べて小さくなっている。これは、光電変換ユニット11
に含まれる結晶質光電変換層112がその堆積時に自然
に凹凸テクスチャ構造を生じることによるものであり、
これによって、光電変換ユニット11の上面1Bが、広
範囲の波長領域の入射光を散乱させるのに一層適した微
細な表面凹凸テクスチャ構造になり、光電変換装置にお
ける光閉じ込め効果も大きくなる。
【0032】光電変換ユニット11の積層が終了した後
に、ITO、SnOおよびZnOから選択された1以
上の層を含む透明導電性酸化膜2が前面電極として形成
される。さらに、この前面電極2上のグリッド電極3と
して、Al、Ag、Au、CuおよびPtから選択され
た少なくとも1以上の金属またはこれらの合金の層を含
む櫛型状の金属電極が形成されて光電変換装置が完成す
る。このようなシリコン系薄膜光電変換装置において、
光電変換されるべき光4は透明前面電極2側から照射さ
れる。
【0033】次に、図2の模式的な断面図を参照して、
本発明の第2の実施の形態によるタンデム型シリコン系
薄膜光電変換装置が説明される。図2のタンデム型光電
変換装置においては、図1の場合と同様に基板1上の複
数の層201〜203および211〜213が、図1の
基板1上の複数の層101〜103および111〜11
3に対応して同様に形成される。
【0034】しかし、図2のタンデム型光電変換装置に
おいては、後方光電変換ユニットとしての第1のユニッ
ト21上に重ねて前方光電変換ユニットとしての第2の
ユニット22がさらに形成される。第2の光電変換ユニ
ット22は、プラズマCVD法にて順次堆積された第1
導電型の微結晶または非晶質のシリコン系薄膜221、
実質的に真正半導体である非晶質シリコン系薄膜光電変
換層222、および逆導電型の微結晶または非晶質のシ
リコン系薄膜223を含んでいる。第2の光電変換ユニ
ット22上には、前面透明電極2および櫛型金属電極3
が図1の場合と同様に形成され、これによって図2に示
されているようなタンデム型光電変換装置が完成する。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例によるシ
リコン系薄膜光電変換装置について説明する。
【0036】実施例1 図1を参照して説明した実施の形態に係るシリコン系薄
膜光電変換装置に対応して、以下のように、シリコン系
薄膜光電変換装置を作製した。
【0037】まず、ガラス基板1上に、厚さ20nmの
Ti層101、厚さ300nmのAg層102、および
厚さ100nmのZnO層103を順次堆積することに
より、裏面電極10を形成した。これらの層うち、光反
射性金属膜として働くAg層102は、真空蒸着によっ
て堆積した。
【0038】なお、 Ag層を温度200℃で成膜する
ことにより、高低差20nm、ピッチ500nmの凹凸
面が得られた。次いで、裏面電極10上に、n型層11
1、ノンドープの結晶質シリコン系光電変換層112、
およびp型層113を順次プラズマCVD法によって成
膜して、シリコン系薄膜光電変換ユニット11を形成し
た。
【0039】次に、光電変換ユニット11上に、前面電
極2として、厚さ80nmの透明導電性ITO膜を形成
し、更にその上に電流取出し用の櫛型Ag電極3が形成
された。
【0040】光電変換ユニット11に含まれるノンドー
プの結晶質シリコン系光電変換層112は300℃の下
地温度の下でRFプラズマCVD法によって堆積され、
その膜厚は5μmにされた。この結晶質光電変換層11
2において、2次イオン質量分析法によって求められた
水素含有量は2.3原子%であり、X線回折における
(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの
強度比は0.084であった。
【0041】このような実施例1による光電変換装置に
入射光4としてAM1.5の光を100mW/cm
光量で照射したときの出力特性においては、開放端電圧
が0.502V、短絡電流密度が26.9mA/c
、曲線因子が70.0%、そして変換効率が9.4
5%であった。
【0042】また、以上の光電変換装置の製造に際し、
溶液浸漬工程や熱処理工程においても、薄膜光電変換ユ
ニット11が裏面電極10から剥離することはなかっ
た。
【0043】実施例2 図1を参照して説明した実施の形態に係るシリコン系薄
膜光電変換装置に対応して、以下のように、他の実施例
に係るシリコン系薄膜光電変換装置を作製した。
【0044】まず、ガラス基板1上に、厚さ20nmの
Ti層101、厚さ300nmのAg層102、および
厚さ100nmのZnO層103を順次堆積することに
より、裏面電極10を形成した。これらの層うち、光反
射性金属膜として働くAg層102は、真空蒸着によっ
て堆積した。なお、 Ag層を温度300℃で成膜する
ことにより、高低差40nm、ピッチ700nmの凹凸
面が得られた。
【0045】次いで、裏面電極10上に、n型層11
1、ノンドープの結晶質シリコン系光電変換層112、
およびp型層113を順次プラズマCVD法によって成
膜して、シリコン系薄膜光電変換ユニット11を形成し
た。
【0046】次に、光電変換ユニット11上に、前面電
極2として、厚さ80nmの透明導電性ITO膜を形成
し、更にその上に電流取出し用の櫛型Ag電極3が形成
された。
【0047】光電変換ユニット11に含まれるノンドー
プの結晶質シリコン系光電変換層112は300℃の下
地温度の下でRFプラズマCVD法によって堆積され、
その膜厚は3.0μmにされた。この結晶質光電変換層
112において、2次イオン質量分析法によって求めら
れた水素含有量は2.3原子%であり、X線回折におけ
る(220)回折ピークに対する(111)回折ピーク
の強度比は0.084であった。
【0048】このような実施例1による光電変換装置に
入射光4としてAM1.5の光を100mW/cm
光量で照射したときの出力特性においては、開放端電圧
が0.541V、短絡電流密度が24.9mA/c
、曲線因子が75.0%、そして変換効率が10.
1%であった。
【0049】また、以上の光電変換装置の製造に際し、
溶液浸漬工程や熱処理工程においても、薄膜光電変換ユ
ニット11が裏面電極10から剥離することはなかっ
た。
【0050】比較例 光反射性金属膜として働くAg層102を室温で成膜
し、ノンドープの結晶質シリコン系光電変換層112の
膜厚を5.0μm、4.0μmとしたことを除いて、実施
例1と同様にして、光電変換装置の作成を試みた。
【0051】その結果、得られたAg層102の表面の
凹凸面の高低差は、8nmと少なかった。そのため、ノ
ンドープの結晶質シリコン系光電変換層112の膜厚を
5μmとした場合には、その成膜後に、結晶質シリコン
系光電変換層112は剥離してしまった。また、結晶質
シリコン系光電変換層112の膜厚を4.0μmとした
場合には、溶液への浸漬の際に、結晶質シリコン系光電
変換層112は剥離してしまい、いずれの場合にも、光
電変換セルは作成出来なかった。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、裏面電
極に凹凸面からなる剥離防止面が設けられているため、
裏面電極上に厚い薄膜光電変換ユニットを形成しても、
薄膜光電変換ユニットが裏面電極から剥離することがな
く、そのため、薄膜光電変換装置を高い歩留まりで製造
することが可能である。なお、裏面電極の凹凸面は、剥
離防止効果だけでなく、高い光閉じ込め効果を発揮し、
それによって薄膜光電変換装置の低コスト化と高性能化
に大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による結晶質シリコ
ン系薄膜光電変換装置を模式的に示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態による非晶質/結晶
質型のタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を模式的
に示す断面図。
【符号の説明】
1…ガラス基板 2…透明導電性酸化膜 3…櫛型金属電極 4…照射光 10、20…裏面電極 11、21…結晶質シリコン系光電変換ユニット 22…非晶質シリコン系光電変換ユニット 101、201…Ti等の金属膜 102、202…Ag等の金属膜 103、203…ZnO等の透明導電性酸化膜 111、211、221…1導電型層 112、212…結晶質シリコン系光電変換層 222…非晶質シリコン系光電変換層 113、213、223…逆導電型層 1A、2A…下地電極の上表面 1B、2B…結晶質シリコン系光電変換ユニットの上表

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、この基板上に形成された、光反射
    性金属膜および透明導電性酸化膜を含む裏面電極と、こ
    の裏面電極上に形成された、一導電型半導体層、結晶質
    半導体光電変換層、および逆導電型半導体層を含む光電
    変換ユニットと、この光電変換ユニット上に形成された
    前面透明電極とを具備し、 前記裏面電極は、前記光電変換ユニットとの界面におい
    て、0.01μm以上の高低差の凹凸面からなる剥離防
    止面を有することを特徴とする薄膜光電変換装置。
  2. 【請求項2】前記凹凸面の高低差は、0.01〜2μ
    m、ピッチは、0.01〜50μmであることを特徴と
    する請求項1に記載の薄膜光電変換装置。
  3. 【請求項3】前記光反射性金属膜は、Ag、Au、A
    l、CuおよびPtから選択された1つまたはそれを含
    む合金からなることを特徴とする請求項1または2に記
    載の薄膜光電変換装置。
  4. 【請求項4】 前記結晶質半導体光電変換層は、400
    ℃以下の下地温度の下で形成され、80%以上の体積結
    晶化分率と、1〜30原子%の範囲内の水素含有量と、
    0.5〜20μmの範囲内の厚さと、その膜面に平行な
    (110)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折にお
    ける(220)回折ピークに対する(111)回折ピー
    クの強度比が0.2以下であることを特徴とする請求項
    1から3のいずれかの項に記載の薄膜光電変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021243794A1 (zh) * 2020-06-03 2021-12-09 东方日升新能源股份有限公司 具有装饰性的太阳能电池及制备方法、电池组件
US20220073761A1 (en) * 2019-03-28 2022-03-10 Nippon Steel Stainless Steel Corporation Clear-coated stainless steel sheet

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