JP2000232234A - シリコン系薄膜光電変換装置 - Google Patents

シリコン系薄膜光電変換装置

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JP2000232234A
JP2000232234A JP11034453A JP3445399A JP2000232234A JP 2000232234 A JP2000232234 A JP 2000232234A JP 11034453 A JP11034453 A JP 11034453A JP 3445399 A JP3445399 A JP 3445399A JP 2000232234 A JP2000232234 A JP 2000232234A
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JP
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photoelectric conversion
silicon
layer
unevenness
conductivity type
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JP11034453A
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English (en)
Inventor
Hiroko Tawada
裕子 多和田
Kenji Yamamoto
憲治 山本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 開放端電圧の低下や生産歩留りの低下を招く
ことなく、光閉じ込め効果による光電変換特性が改善さ
れたシリコン系薄膜光電変換装置を提供する。 【解決手段】 基板(1)上に順次積層された透明電極
(10)と、一導電型層(111)、結晶質シリコン系
光電変換層(112)および逆導電型層(113)を含
む光電変換ユニット(11)と、光反射性金属電極(2
02)とを有するシリコン系薄膜光電変換装置であっ
て、透明電極(10)は表面凹凸構造をなし、凹凸の高
低差が10〜100nmであり、凹凸のピッチが凹凸の
高低差より大きくかつその25倍以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン系薄膜光電
変換装置に関し、特にその低コスト化と性能改善に関す
る。なお、本願明細書において、「結晶質」および「微
結晶」の用語は、部分的に非晶質を含む場合をも意味す
るものとする。
【0002】
【従来の技術】近年、たとえば多結晶シリコンや微結晶
シリコンのような結晶質シリコンを含む薄膜を利用した
光電変換装置の開発が精力的に行なわれている。これら
の光電変換装置の開発では、安価な基板上に低温プロセ
スで良質の結晶質シリコン薄膜を形成することによる低
コスト化と高性能化の両立が目的となっている。こうし
た光電変換装置は、太陽電池、光センサなど、さまざま
な用途への応用が期待されている。
【0003】光電変換装置の一例として、基板上に、透
明電極と、一導電型層、結晶質シリコン系光電変換層お
よび逆導電型層を含む光電変換ユニットと、光反射性金
属電極とを順次積層した構造を有するものが知られてい
る。この光電変換装置では、光電変換層が薄いと光吸収
係数が小さい長波長領域の光が十分に吸収されないた
め、光電変換量は本質的に光電変換層の膜厚によって制
約を受ける。そこで、光電変換層を含む光電変換ユニッ
トに入射した光をより有効に利用するために、光入射側
の透明電極に表面凹凸(表面テクスチャ)構造を設けて
光を光電変換ユニット内へ散乱させ、さらに金属電極で
反射した光を乱反射させる工夫がなされている。上記の
ように表面テクスチャ構造をなす透明電極を具備した光
電変換装置は、たとえば特公平6−12840号公報、
特開平7−283432号公報などに開示されており、
効率が向上することが記載されている。
【0004】一方、透明電極上に形成される光電変換ユ
ニットは光電変換層と導電型層とを有する。このうち導
電型層はドープされた不純物による光吸収のために光電
変換層への入射光を減少させる。このような光電変換に
寄与しない不純物による光吸収を低減して光電変換層へ
の入射光を増大させるためには、導電型層の膜厚を必要
最小限まで薄くすることが望まれる。
【0005】本発明者らは、以上のような設計要求に基
づいて表面凹凸構造を有する透明電極上に光電変換ユニ
ットを構成する薄い導電型層を形成した場合、導電型層
に機械的・電気的な欠陥が生じることがあり、最終的に
得られる光電変換装置の開放端電圧の低下や短絡による
歩留りの低下を招く問題があることを見出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、開放
端電圧の低下や生産歩留りの低下を招くことなく光閉じ
込め効果による光電変換特性が改善されたシリコン系薄
膜光電変換装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、透明電極
の光電変換ユニット側の面に形成される表面凹凸構造に
おける凹凸の高低差とピッチを制御することによって、
光電変換層における光吸収量を増大させ、かつ高い開放
端電圧を有する高性能の薄膜光電変換装置が得られるこ
とを見出した。
【0008】すなわち、本発明のシリコン系薄膜光電変
換装置は、基板上に順次積層された透明電極と、一導電
型層、結晶質シリコン系光電変換層および逆導電型層を
含む光電変換ユニットと、光反射性金属電極とを具備し
たシリコン系薄膜光電変換装置において、前記透明電極
は表面凹凸構造を有し、前記凹凸の高低差が10〜10
0nmであり、前記凹凸のピッチが前記凹凸の高低差よ
り大きくかつその25倍以下であることを特徴とする。
【0009】本発明の光電変換装置において、透明電極
は500〜1200nmの波長の光に対して80%以上
の高い透過率を有することが好ましい。
【0010】ここで、透明電極の表面の凹凸の高低差と
は凸部と凹部の高さの差の平均値であり、ピッチとはお
よそ0.1〜5μm周期で現れる、隣接する凸部と凸部
または凹部と凹部の間の距離の平均値を表わしている。
上述したように本発明においては、凹凸の高低差が10
〜100nmであり、凹凸のピッチが凹凸の高低差より
大きくかつその25倍以下である。凹凸のピッチは凹凸
の高低差の4倍以上20倍以下であることがより好まし
い。具体的には、凹凸のピッチが300〜1000nm
であることが好ましい。また、透明電極表面の凹凸の断
面形状は実質的に鋭角的な突起を含まない曲線であるこ
とが好ましい。
【0011】光電変換ユニットに含まれる半導体接合を
構成するすべての半導体層(一導電型層、結晶質シリコ
ン系光電変換層および逆導電型層)は、プラズマCVD
法により、下地温度400℃以下の低温で形成される。
このうち結晶質シリコン系光電変換層は、80%以上の
体積結晶化分率と、1〜30原子%の水素含有量と、
0.5〜20μmの厚さと、膜面に平行な(110)の
優先結晶配向面を有し、X線回折における(220)回
折ピークに対する(111)回折ピークの強度比が0.
2以下であることが好ましい。
【0012】本発明に係るシリコン系光電変換装置は、
一導電型層、結晶質シリコン系光電変換層および逆導電
型層を含む光電変換ユニットに加えて、一導電型層、非
晶質シリコン系光電変換層および逆導電型層を含む光電
変換ユニットが積層されたタンデム型であってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。
【0014】図1に示す断面図を参照して、本発明に係
るシリコン系薄膜光電変換装置の一例を説明する。この
シリコン系薄膜光電変換装置は、基板1上に、透明電極
10と、一導電型層111、結晶質シリコン系光電変換
層112および逆導電型層113を含む光電変換ユニッ
ト11と、透明導電性酸化膜201および光反射性金属
電極202を含む複合電極20とを順次積層した構造を
有する。この光電変換装置に対しては、光電変換される
べき光hνは基板1側から入射される。
【0015】基板1としては、ステンレスなどの金属、
有機フィルム、セラミックス、または低融点の安価なガ
ラスなどを用いることができる。
【0016】基板1上に配置される透明電極10の材料
としては、ITO、SnO2およびZnOから選択され
る1以上の層を含む透明導電性酸化膜が用いられる。こ
れらの材料のうち、透過率、導電率および化学安定性の
観点からはSnO2が特に好適であり、加工性、導電率
および透過率の観点からはITOも好適である。透明電
極は真空蒸着、熱CVDまたはスパッタなどの方法によ
って基板1上に形成される。
【0017】ここで、透明電極10の表面凹凸構造にお
いて、凹凸の高低差が凹凸のピッチに対して大きすぎる
と凹部と凸部との間の角度が鋭くなり、その上に堆積さ
れるシリコン系光電変換ユニットの半導体接合が良好に
形成されず、最終的に得られる光電変換装置の開放端電
圧や製造歩留りの低下を招く。たとえば、特公平6−1
2840号公報には透明電極表面の凹凸の高低差が10
0nm以上であることが記載されているが、この場合の
ように透明電極の凹凸構造が急峻であると、最終的に得
られる光電変換装置の開放端電圧や製造歩留りはそれほ
ど向上しない。
【0018】このことから透明電極10の表面凹凸構造
における凹凸の高低差と凹凸のピッチに最適値が存在す
ることがわかる。すなわち、凹凸の高低差に対して十分
な間隔のピッチを与えて凹部と凸部との間の角度を緩や
かにして、凹凸の断面形状を実質的に鋭角的な突起を含
まない(変曲点をもたない)曲線状にすると、開放端電
圧の低下や製造歩留りの低下を伴うことなく、光閉じ込
め効果を改善して高性能の光電変換装置を得ることがで
きる。
【0019】本発明においては、透明電極10表面の凹
凸の高低差は10〜100nmが好ましく、さらに20
〜60nmがより好ましい。また、凹凸のピッチは凹凸
の高低差より大きくかつその25倍以下であることが好
ましく、さらに凹凸のピッチは凹凸の高低差の4倍以上
20倍以下であることがより好ましい。具体的には、凹
凸のピッチは300〜1000nmが好ましく、さらに
550〜800nmがより好ましい。上記のような表面
凹凸構造は、透明電極10の断面TEM(透過型電子顕
微鏡)写真の画像処理や、AFM(原子間力顕微鏡)に
よる表面観察および表面形状測定によっても決定するこ
とができる。
【0020】上述した本発明に係る透明電極10の表面
凹凸構造は、種々の方法により形成することができる。
例えば、基板1の表面にエッチングなどにより凹凸構造
を形成し、その上に薄い透明電極10を形成して、透明
電極10の表面を基板1の凹凸構造に沿った凹凸構造に
する方法が挙げられる。
【0021】また、基板1上に急峻な凹凸表面を有する
透明電極層を堆積した後に、エッチングなどにより所望
の緩やかな凹凸構造に加工する方法を用いてもよい。た
とえば、まず下地基板1の温度を約350℃以上、好ま
しくは約450〜550℃に設定し、SnCl4、O2
CH3OH、HF、H2Oなどを原料として常圧熱CVD
によりSnO2からなる透明電極10を形成する。Sn
2の場合、常圧熱CVD時に基板温度や各原料の導入
量を変化させることによっても表面の凹凸構造をある程
度調整することができる。さらに、SnO2上にZnを
蒸着した後、HClなどを用いてエッチングすることに
より、所望の緩やかな凹凸構造を得ることができる。こ
の際、Zn蒸着量を変えてエッチング量を変化させるこ
とにより、凹凸構造を調整することができる。
【0022】さらに、透明電極10をSnO2からなる
下層とSnO2またはZnOからなる上層との二層構造
とすることによっても、表面を緩やかな凹凸構造にする
ことができる。なお、結果的に所望の凹凸形状が得られ
るならば、上記方法に制限されるものではない。
【0023】透明電極10上にシリコン系光電変換ユニ
ット11が形成される。この光電変換ユニット11に含
まれるすべての半導体層は、下地温度を400℃以下に
設定してプラズマCVD法によって堆積される。プラズ
マCVD法としては、一般によく知られている平行平板
型のRFプラズマCVDを用いてもよいし、周波数15
0MHz以下のRF帯からVHF帯までの高周波電源を
利用するプラズマCVD法を用いてもよい。
【0024】光電変換ユニット11には一導電型層11
1、結晶質シリコン系光電変換層112および逆導電型
層113が含まれる。一導電型層111はp型層でもn
型層でもよく、これに対応して逆導電型層113はn型
層またはp型層になる。ただし、光電変換装置では通常
は光の入射側にp型層が配置されるので、図1の構造で
は一般的に一導電型層111はp型層、逆導電型層11
3はn型層である。
【0025】一導電型層111は、たとえば導電型決定
不純物原子(キャリア)としてボロンをドープしたp型
シリコン系薄膜からなる。ただし、不純物原子は特に限
定されず、p型層の場合にはアルミニウムなどでもよ
い。また、一導電型層111の半導体材料としては、非
晶質シリコン、非晶質シリコンカーバイドや非晶質シリ
コンゲルマニウム等の合金材料、多結晶シリコンもしく
は部分的に非晶質を含む微結晶シリコンまたはその合金
材料を用いることもできる。なお、必要に応じて、堆積
された一導電型層111にパルスレーザ光を照射(レー
ザーアニール)することにより、結晶化分率やキャリア
濃度を制御することもできる。
【0026】一導電型層111上に結晶質シリコン系光
電変換層112が堆積される。この結晶質シリコン系光
電変換層112としては、体積結晶化分率が80%以上
である、ノンドープ(真正半導体)の多結晶シリコン膜
もしくは微結晶シリコン膜または微量の不純物を含む弱
p型もしくは弱n型で光電変換機能を十分に備えたシリ
コン系薄膜材料を用いることができる。この光電変換層
112を構成する半導体材料についても、上記の材料に
限定されず、シリコンカーバイドやシリコンゲルマニウ
ムなどの合金材料を用いることができる。光電変換層1
12の厚さは、必要かつ十分な光電変換が可能なよう
に、一般的に0.5〜20μmの範囲に形成される。こ
の結晶質シリコン系光電変換層112は400℃以下の
低温で形成されるので、結晶粒界や粒内における欠陥を
終端させて不活性化させる水素原子を多く含む。具体的
には、光電変換層112の水素含有量は1〜30原子%
の範囲内にある。さらに、結晶質シリコン系薄膜光電変
換層112に含まれる結晶粒の多くは下地層から上方に
柱状に延びて成長しており、その膜面に平行に(11
0)の優先結晶配向面を有する。そして、X線回折にお
ける(220)回折ピークに対する(111)回折ピー
クの強度比は0.2以下である。
【0027】結晶質シリコン系光電変換層112上には
逆導電型層113が形成される。この逆導電型層113
は、たとえば導電型決定不純物原子(キャリア)として
リンがドープされたn型シリコン系薄膜からなる。ただ
し、不純物原子は特に限定されず、n型層では窒素など
でもよい。また、逆導電型層113の半導体材料として
は、非晶質シリコン、非晶質シリコンカーバイドや非晶
質シリコンゲルマニウム等の合金材料、多結晶シリコン
もしくは部分的に非晶質を含む微結晶シリコンまたはそ
の合金材料を用いることもできる。
【0028】ここで、透明電極10の表面が実質的に平
坦である場合でも、その上に堆積される光電変換ユニッ
ト11の表面TBは微細な凹凸を含む表面テクスチャ構
造を示す。また、透明電極10の表面TAが凹凸を含む
表面テクスチャ構造を有する場合、光電変換ユニット1
1の表面TBは、透明電極10の表面TAに比べて、テク
スチャ構造における凹凸のピッチが小さくなる。これ
は、光電変換ユニット11を構成する結晶質シリコン系
光電変換層112の堆積時に結晶配向に基づいてテクス
チャ構造が生じることによる。このため光電変換ユニッ
ト11の表面TBは広範囲の波長領域の光を反射させる
のに適した微細な表面凹凸テクスチャ構造となり、光電
変換装置における光閉じ込め効果も大きくなる。
【0029】光電変換ユニット11上には透明導電性酸
化膜201と光反射性金属電極202とを含む複合電極
20が形成される。透明導電性酸化膜201は、必要に
応じて形成されるが、光電変換ユニット11と光反射性
金属電極202との付着性を高め、光反射性金属電極2
02の反射効率を高め、光電変換ユニット11を化学変
化から防止する機能を有する。
【0030】透明導電性酸化膜201は、ITO、Sn
2、ZnOなどから選択される少なくとも1種で形成
することが好ましく、ZnOを主成分とする膜が特に好
ましい。光電変換ユニット11に隣接する透明導電性酸
化膜201の平均結晶粒径は100nm以上であること
が好ましい。この条件を満たすためには、下地温度を1
00〜450℃に設定して透明導電性酸化膜201を形
成することが望ましい。なお、ZnOを主成分とする透
明導電性酸化膜201の膜厚は50nm〜1μmである
ことが好ましく、比抵抗は1.5×10-3Ωcm以下で
あることが好ましい。
【0031】光反射性金属電極202は真空蒸着または
スパッタなどの方法によって形成することができる。光
反射性金属電極202は、Ag、Au、Al、Cuおよ
びPtから選択される1種、またはこれらを含む合金で
形成することが好ましい。たとえば、光反射性の高いA
gを100〜330℃、より好ましくは200〜300
℃の温度で真空蒸着によって形成することが好ましい。
【0032】次に、図2に示す断面図を参照して、本発
明に係るタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置を説明
する。このタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置は、
基板1上に、透明電極10と、微結晶または非晶質シリ
コン系の一導電型層311、実質的に真正半導体である
非晶質シリコン系光電変換層312および微結晶または
非晶質シリコン系の逆導電型層313を含む前方光電変
換ユニット31と、図1の光電変換ユニット11に対応
する一導電型層321、結晶質シリコン系光電変換層3
22および逆導電型層323を含む後方光電変換ユニッ
ト32と、透明導電性酸化膜201および光反射性金属
電極202を含む複合電極20とを順次積層した構造を
有する。前方光電変換ユニット31および後方光電変換
ユニット32を構成する各層は、いずれもプラズマCV
D法により形成される。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0034】(実施例1)以下のようにして図1に示す
シリコン系薄膜光電変換装置を作製した。まずガラス基
板1上に透明電極10として厚さ800nmのSnO2
を形成した。このSnO2は基板温度を450℃に設定
し、SnCl4の塩酸10%水溶液を原料として常圧熱
CVDにより形成した。このSnO2の上にZnを真空
蒸着した後、希塩酸溶液でエッチングして、表面凹凸テ
クスチャーを調整した。エッチング前の表面凹凸(従来
技術に相当する)を観察したAFM画像を図3、エッチ
ング後の表面凹凸を観察したAFM画像を図4にそれぞ
れ示す。図3と図4との比較から、エッチング前よりも
エッチング後の方が、凹凸の高さが低く、かつ凹凸のピ
ッチが広がっていることがわかる。
【0035】次に、プラズマCVD法により光電変換ユ
ニット11を構成する一導電型層(p型層)111、ノ
ンドープの結晶質シリコン系光電変換層112および逆
導電型層(n型層)113を形成した。ノンドープの結
晶質シリコン系光電変換層112は下地温度を300℃
に設定してRFプラズマCVD法により1.5μmの厚
さに堆積した。この結晶質シリコン系光電変換層112
について、2次イオン質量分析法によって求めた水素含
有量は2.3原子%であり、X線回折における(22
0)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度比
は0.081であった。
【0036】次いで、複合電極20として、ZnOから
なる透明導電性酸化膜201およびAgからなる光反射
性金属電極202を形成した。透明導電性酸化膜201
となるZnOはスパッタ法により100nmの厚さに形
成した。光反射性金属電極202となるAgは真空蒸着
により300nmの厚さに形成した。
【0037】得られた光電変換装置にAM1.5の光を
100mW/cm2の光量で入射して出力特性を測定し
たところ、開放端電圧が0.540V、短絡電流密度が
24.6mA/cm2、曲線因子が72.5%、変換効
率が9.63%であった。
【0038】(実施例2〜5および比較例1〜2)Sn
2からなる透明電極10の形成時の下地温度および原
料濃度の変化、膜形成後のエッチングの有無、およびZ
n蒸着量の変更によるエッチング量の変化などにより、
透明電極10の表面凹凸構造の形状パラメータを様々に
調整した。これ以外は実施例1と同じ方法および条件を
用いてシリコン系薄膜光電変換装置を作製した。
【0039】SnO2からなる透明電極10の表面凹凸
構造における凹凸の高低差、ピッチおよびピッチ/高低
差と、光電変換装置の光電変換特性を表1にまとめて示
す。なお、表1には実施例1の結果も併せて示してい
る。
【0040】
【表1】
【0041】表1からわかるように、SnO2からなる
透明電極10の表面凹凸におけるピッチ/高低差の比率
が小さい(表面の凹凸が急峻な)と、変換効率が高くな
る傾向があり、光閉じ込め効果が高まっているといえ
る。
【0042】表1に示されるように、開放端電圧は、透
明電極10の表面凹凸におけるピッチ/高低差の比率が
約10以上のときに比較的高い値になっている。
【0043】比較例1と比較例2には、それぞれ透明電
極10の表面凹凸におけるピッチ/高低差の比率が極端
に小さな場合と大きい場合を示している。このうち比較
例2は表面凹凸がより緩やかであり、それに対応して高
い開放端電圧値を示している。ただし、表1の変換効率
および分光感度特性の測定結果(図示せず)から、比較
例2の方が比較例1に比べて光閉じ込め効果が低下する
ことが判明している。また、比較例1のように表面凹凸
が非常に急峻な場合にも、実施例よりも光閉じ込め効果
が低くなっている。
【0044】以上のように、透明電極10は光電変換ユ
ニット11内に光を閉じ込めるために表面凹凸構造を有
することが望まれる。しかし、その凹凸の高低差が大き
すぎて凹部と凸部の角度が急峻になると、その上に形成
される光電変換ユニット11の半導体接合が良好に形成
されず、光電変換装置の開放端電圧や製造歩留りの低下
を招く。したがって、透明電極10の表面凹凸構造の形
状パラメータには適切な範囲が存在することがわかる。
すなわち、透明電極10の表面凹凸構造は、凹凸の高低
差が10〜100nmであり、凹凸のピッチ/高低差の
比率が1〜25倍、さらに4〜20倍であることが好ま
しく、凹凸のピッチが300〜1000nmであり、凹
凸の断面形状は実質的に鋭角的な突起を含まない曲線で
あることが好ましい。
【0045】(実施例6)図2に示すタンデム型シリコ
ン系薄膜光電変換装置を作製した。まずガラス基板1上
にSnO2からなる透明電極10を形成した。この透明
電極10上に、一導電型層(p型層)311、実質的に
真正半導体である非晶質シリコン系光電変換層312お
よび逆導電型層(n型層)313を含む前方光電変換ユ
ニット31を形成した。非晶質光電変換層312は30
0nmの厚さに形成した。この前方光電変換ユニット3
1上に、一導電型層(p型層)321、結晶質シリコン
系光電変換層322および逆導電型層(n型層)323
を含む後方光電変換ユニット32を形成した。結晶質シ
リコン系光電変換層322は3.0μmの厚さに形成し
た。この後方光電変換ユニット32上に、透明導電性酸
化膜201および光反射性金属電極202を含む複合電
極20を形成した。
【0046】このような非晶質/結晶質型のタンデム型
シリコン系薄膜光電変換装置に対してAM1.5の光を
100mW/cm2の光量で入射して出力特性を測定し
たところ、開放端電圧が1.415V、短絡電流密度が
12.9mA/cm2、曲線因子が76.4%、変換効
率が13.95%であった。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、高
い光閉じ込め効果と高い開放端電圧を兼ね備えたシリコ
ン系薄膜光電変換装置を提供することができ、シリコン
系薄膜光電変換装置の低コスト化と高性能化に大きく貢
献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結晶質シリコン系薄膜光電変換装
置の断面図。
【図2】本発明に係る非晶質/結晶質型のタンデム型シ
リコン系薄膜光電変換装置の断面図。
【図3】ディスプレー上に表示されたエッチング前の透
明電極のAFM画像の写真。
【図4】ディスプレー上に表示されたエッチング後の透
明電極のAFM画像の写真。
【符号の説明】
1…基板 10…透明電極 11…光電変換ユニット、111…一導電型層、112
…結晶質シリコン系光電変換層、113…逆導電型層 20…複合電極、201…透明導電性酸化膜、202…
光反射性金属電極 31…前方光電変換ユニット、311…一導電型層、3
12…非晶質シリコン系光電変換層、313…逆導電型
層 32…光電変換ユニット、321…一導電型層、322
…結晶質シリコン系光電変換層、323…逆導電型層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F049 MB03 MB04 MB05 QA06 QA07 SE02 SE05 SE11 SE12 SE16 5F051 AA03 AA04 AA05 BA14 CB29 DA17 FA02 FA13 FA15 FA19 FA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に順次積層された透明電極と、一
    導電型層、結晶質シリコン系光電変換層および逆導電型
    層を含む光電変換ユニットと、光反射性金属電極とを具
    備したシリコン系薄膜光電変換装置において、 前記透明電極は表面凹凸構造を有し、前記凹凸の高低差
    が10〜100nmであり、前記凹凸のピッチが前記凹
    凸の高低差より大きくかつその25倍以下であることを
    特徴とするシリコン系薄膜光電変換装置。
  2. 【請求項2】 前記凹凸のピッチが前記凹凸の高低差の
    4倍以上20倍以下であることを特徴とする請求項1記
    載のシリコン系薄膜光電変換装置。
  3. 【請求項3】 前記凹凸のピッチが300〜1000n
    mであることを特徴とする請求項1または2記載のシリ
    コン系薄膜光電変換装置。
  4. 【請求項4】 前記透明電極表面の凹凸の断面形状は実
    質的に鋭角的な突起を含まない曲線であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれか記載のシリコン系薄膜
    光電変換装置。
  5. 【請求項5】 前記結晶質シリコン系光電変換層は、下
    地温度を400℃以下に設定して形成されたものであっ
    て、80%以上の体積結晶化分率と、1〜30原子%の
    水素含有量と、0.5〜20μmの厚さと、膜面に平行
    な(110)の優先結晶配向面を有し、X線回折におけ
    る(220)回折ピークに対する(111)回折ピーク
    の強度比が0.2以下であることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれか記載のシリコン系薄膜光電変換装
    置。
  6. 【請求項6】 前記一導電型層、結晶質シリコン系光電
    変換層および逆導電型層を含む光電変換ユニットに加え
    て、一導電型層、非晶質シリコン系光電変換層および逆
    導電型層を含む光電変換ユニットが積層されたタンデム
    型であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    記載のシリコン系薄膜光電変換装置。
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